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認知症の専門医長谷川嘉哉先生のお話を矢部太郎さんがマンガにしました。認知症の症状を初期から順番に説明してくれて、分かりやすかった。理解して寄り添うことが大切ですね。永井 みみさんの「ミシンと金魚」も認知症の人の目線からの語りで面白くて勉強になったけど、今回は、長年患者さんを診てきた医師の目線でさらに勉強になりました。マンガ ぼけ日和 [ 矢部 太郎 ]
2023.07.20
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愛猫まるとの日常を綴ったエッセイです。仕事の邪魔をする、まるの写真が可愛い。「高齢化は30年もすれば解決する、一方少子化は、効率化を求め過ぎた社会では、子育てのような大人の思い通りにならないことを望む人はいない」と言う。確かに、日本は小さい国になるべきなのだ。高齢男性としては、政治家より分かっている。コロナ後の話も聞いてみたい。猫も老人も、役立たずでけっこう NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。 [ 養老 孟司 ]
2023.03.13
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甲州弁が耳に心地良い。(山梨県人なので)ばばあと心では思いながらも放っておけない主人公のゆめ。あくていをついても後を引かない関係が、ばあちゃんにとっては居心地がいいのかもしれない。不条理で満ちあふれている世の中、あくていをつくことが、ゆめが小説を書く原動力になっているような気がする。あくてえ [ 山下 紘加 ]
2023.02.14
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初めての作家さん。タイトルに魅かれた。地球のように自分が回りながら、さらに太陽の周りを回る。主人公都の彼氏が言った言葉。でも銀河系自体が宇宙の中でらせんみたいに動いているから同じところを回っている訳ではない。仕事を辞めてまで震災のボランティアへ行くような中卒彼氏のアパートは風呂、洗濯機、テレビがないが、本がたくさんある。都みたいに感情で動かず、理論的、科学的に考える人。プロローグとエピローグは単行本化のために書かれたものだが、本編をうまく引き立てている。連続ドラマにしたら面白そうな恋愛小説です。自転しながら公転する [ 山本 文緒 ]
2022.09.29
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初めての作家さん。手術支援ロボット「ミカエル」を推進する心臓外科医・西條。ドイツ帰りの天才医師・真木。患者は救いを求めて病院へ来るから医師は神だ、と言う院長に対して、医師は神ではない、対等な関係であるべき、と言う西條。ミカエルの不具合を知りながら手術をする西條の医師としての葛藤。車だったらリコールの対象になるようなものを院長や業界が隠蔽しようとする。人間の命が係っているのに真実を隠そうとする体質はどの世界でも同じなのか。少年の手術の術式を途中で変更したのに、保護者に何の説明もなかったことに違和感が残った。ミカエルの鼓動 [ 柚月 裕子 ]
2022.09.15
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初めての作家さん。明治から昭和にかけて日本の女子教育に貢献した“河井道”の話。恵泉女学園を創設した人で津田梅子、大山捨松、広岡朝子、村岡花子、柳原白蓮とも交流があった。アメリカへ留学した道は自立した女性を育成しようと、おおらかな性格から色々な人脈を頼って奔走する。クリスチャンになった道は天皇も尊敬している。父は伊勢神宮の神職だったが、女である道は鳥居の中に入れてもらえなかった。神道とキリスト教は両立するのだろうか。有島武郎の小説を「愛は奪うものではなく与えるもの」と批判したり、留学中の野口英世に「男に生まれただけで恵まれている」と諭したり。戦後は白洲次郎の運転で進駐軍の会議に出席して、日本の女子教育の遅れを訴え、男女共学を提案する。戦時中、市川房江は女性の参政権を得るために軍に協力していたので、戦後は公職追放されてしまい、被選挙権が無く、戦後初の国政選挙に立候補できなかった。日本も多くの先陣の努力によって、女性の地位が向上してきたが、いまだにジェンダーギャップ指数が世界156か国中120位で韓国や中国、ASEAN諸国よりも低い。欧米並みになるのはいつの事やら・・・らんたん [ 柚木 麻子 ]
2022.09.08
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信長の奇行で知られていないものや、本能寺の変の新説があるのかな、と期待して読みました。タイトルは「蛇変え」のこと。超現実主義者の信長は神も仏も信じず、河童や大蛇が出たと聞けば、池の水を抜いて確認する。飛び加藤なる妖怪のような人物から能の「敦盛」を聞いて自身で舞うようになったけど、飛び加藤はいったい何者?信長は空気が読めないアスベルガーっぽい人だと思っていたけど、最終章の本能寺を読むと「統合失調症」ではないかと思わせる記述があり、信長感が少し変わったかも知れません。JAGAE 織田信長伝奇行 [ 夢枕獏 ]
2021.11.29
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「螺旋プロジェクト」第8弾。いよいよ最終章!時代は21世紀も終わりに近い頃。東京の中心に東西を隔てる壁ができて四半世紀過ぎた。しかし、東西の争いは沈静化し、壁をはさんだ東西の行き来もなんとなくできるようになっていた。東京には不眠症が蔓延し、それを解消すべく、雑多なビジネスが東西で展開されていた。睡眠コンサルタントとして眠る薬を開発していたシュウは突然、眠りから目覚める薬を開発するように命じられる。手がかりは「王子」⇒「八人の王子」⇒「八王子」登場人物が多いので巻頭の「登場人物紹介」を何度も見返しながら、長編を読破しました。最後は「めでたし、めでたし」という感じで、赤ちゃんが産まれて、「おおる、おおる」と泣き声を上げる。もしかして、「ALL、ALL」螺旋は生物の「DNA」のことなのかなあれ結局のところ、問題はなんだっけ太古から未来まで8冊読んだけど、こういう企画も面白いですね。知らない作家さんにも出会えるし、違う作家による、連続した、壮大な物語を堪能させてもらいました天使も怪物も眠る夜 (単行本) [ 吉田 篤弘 ]
2019.09.18
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「螺旋プロジェクト」第3弾。薬丸岳さんは初めての作家さんです。このプロジェクトがなければ、手に取らなかったかもしれないです。時代は明治初期。武士の時代が終わったが、軍隊ができて、国内の戦いが世界との戦いに変わっただけ!今回の山族と海族の戦いは、呉鎮守府の海軍と瀬戸内海の海賊。海賊の首領が女性で、ドラマにしたらカッコいいかな、と思いました。蒼色の大地 (単行本) [ 薬丸 岳 ]
2019.07.11
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日本でいわゆる「毒母」と言われる女性が生み出される土壌が、十分すぎるほど整っていることにいまさら愕然としました。戦後の復興のため、日本社会が生み出した現象かな。主人公は努力し勉強して東大に入ったが、「女性」というだけで企業からの求人はない。あっても受付嬢かお茶くみ。「男女機会均等法」ができても実態はあまり変わらない。妊娠、出産したら、男性上司からマタハラを受け、運よく育児休業を取得して、仕事を再開しようとしても保育所には空きがない・・・人手不足になったからっていまさら「女性活躍社会」なんてふざけるなー毒母ですが、なにか [ 山口 恵以子 ]
2019.03.06
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民俗学者の柳田国男が戦後1952年から1962年頃に書いたものを集めた文集です先日読んだムヒカさんの言葉と似たものを発見して驚きました「富めるものがおごり、わがままなことをするということはむしろ現在がいちばん激しい。この民主主義なんといっておる世の中において、かたわらにあすの日の食べ物がないがために、親子夫婦が一緒に死ぬなんていう哀れなことが、ちっとも隠さず新聞出ているにもかかわらず、また日本の生産物の数量が限りがあって、これを平等に分配するならば、ひとりひとりの持ち物のどのくらいであるかということが、おおよそわかるにもかかわらず、これを手を押さえて、その消費を制限するものがないのを奇貨として、ひとりで余分なものを使い、食べてしまって、消費の分配というものが、今日くらい不公平な時代というものは、いくら世の中が開けてからでもなかった」まさに今現在のことを嘆いているようですまた日本民族について「東洋には古くから大勢(たいせい)という言葉が流行していて、一つの新しい傾向が芽ばえてくると、その価値を確かめもしないうちから遅れずについていこうとしてあせる気持ちがあった」「政治家はこれを利用してきた。また民も国の政治を任せて満足できた。しかし、こういう現象にも限度があって、人口が増加し、群衆というものの中に争いの気分だけで集合するものが非常にふえてくると、大勢だけで物事を考えようとする弊害がいっそう濃厚になった。政治家にとっては、この大勢で物事を判断するほうが手っ取り早いために、利用というよりもむしろ愛用されるきらいが多いのである」「外国に従属することもいとわないという植民地根性は、かなり強い力となって今日もなお指導者のあいだに共通している。こうしたもろもろの経験は、これから先も、日本人としてぜひ利用しなければならない重要なものであるために、中途でこの結果を大勢論者にまかせておかないで、われわれが想像しているような大きな結果があったかどうか、つまりこの思いがけない人口の増加というものは、国内の闘争を激しくするのみならず、昔から持っていた愛他心、すなわち見ず知らずの人間でも心を動かせば助け導いてやりたいという心持をそぐことになりはしないか、これは大切な目前の問題である」「日本では島国でなければ起こらない現象がいくつかあった。いつでもあの人たちにまかせておけば、悪いようなことはしないだろう、ということから出発して、それとなく世の中の大勢をながめておって、皆が進む方向についていきさえすれば安全だという考えが非常に強かった。群れに従う性質の非常に強い国なのである。そのために、ややすぐれた者が、ややすぐれない者を率いる形になっておったのでは、真の民主政治がいつまでたってもできる気づかいはない」約50年も前の随筆的な文章ですが、当時の世相が今とあまり変わらない、と思うのは私だけではないと思います政治家にひとかけらの良心があった頃は、“考えない日本人”でも極貧生活に陥ることはなかった。しかし今は違う、自分で考えて行動しなければ、明日の食べ物にも困る日が近い将来きっと来る【楽天ブックスならいつでも送料無料】日本人とはなにか [ 柳田国男 ]【内容情報】(出版社より) 柳田国男の全集未収録文集。どの文章も、日本人の生きてきた精神風土にふれる、柳田ならではの読み応えに充ちている。戦後70年記念出版。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 「日本の文化は日本人でなければ研究出来ないと思う。」新生日本のために、まず日本人の特性を見つめ掘り下げた、柳田学の核心部を一冊にまとめる。戦後70年記念出版。【目次】(「BOOK」データベースより) 考えない文化/日本の笑い/処女会の話/離婚をせずともすむように/うだつが上らぬということー家の話/日本人とは/家の観念/日本における内と外の観念/私の仕事/無知の相続/日本人の来世観について/私の歩んだ道/柳翁新春清談/次の代の人々と共に
2016.01.24
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若い作家さんですね、書き手の思いがよく伝わってくる内容でした本の装丁にはちょっとビックリしたけど、最後は泣けました自分より優秀な子どもを産みたいという願いは、どの母親もあるんではないでしょうかそれが極端な話になって、天才数学者とかノーベル賞受賞者の精子を競り落とすなんてことになって、いつしか子どもが母親の道具になってしまうんですね「子どもは親の所有物ではない」ことに気がつけば、虐待やお受験なんかもなくなるのかな天才精子バンクで生まれた兄弟--兄は天才数学者への道を歩むが、弟は母親からも見放されてしまう。「失敗作」の烙印を押された弟は孤島の施設に入れられてもなお、なんとか家族の絆を取り戻そうとするが...。
2011.04.28
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