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家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」が舞台の連作短編。誰もが避けられない死なのに、職業に貴賤は無いと言いながら、死体を扱う仕事は嫌だ、という偏見を持つ男性。葬儀社という仕事にやりがいを感じる女性。職業差別やジェンダーギャップの背景が複雑で、何ともスッキリしない読書でした。夜明けのはざま (一般書 442) [ 町田 そのこ ]
2024.05.22
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5編の短編集。読み終えてから、タイトルの意味が分かった。精神的支えになっていた人は、死んでから分かるものなんだな。「くろい穴」は手間のかかる栗の渋皮煮の栗の虫食いの穴の話。虫食いの栗は壊れやすいのに、何回煮ても最後まで崩れずに残った。虫食いの栗を応援したくなった。あなたはここにいなくとも [ 町田 そのこ ]
2024.01.04
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主人公の宙は、母の妹夫婦に育てられ、小学校入学を機に実の母と生活することになる。二人の母がいることは幸福だと思っていたが、家事もできず、母親らしさもない実母に翻弄されながらも、母の後輩の佐伯の料理に助けられて成長していく。娘の近くで暮らしながら、なぜ妹に子供を預けていたのか。父親は誰なのか。疑問を抱きながら読み進めるごとに謎が解けてきた。こんなに複雑な家族があるんだろうか。一小節ごとに成長していく母娘、そしてご飯に涙が出た。「加害者が被害者に謝罪して許されようとすることは暴力」という言葉にハッとした。宙ごはん [ 町田 そのこ ]
2022.11.01
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三代にわたる母娘の確執。聖子の母は「違うでしょ」という言葉で娘の思い通りにさせず、母の言うなりの人と結婚して娘を産んだ聖子は母の死をきっかけにこれからの人生を考え、娘の千鶴が小1の夏休みに二人で旅行へ行く。この思い出がきっかけで捨てた娘と再会することになるのだが、聖子は認知症になっていた。母に縛られて育った自分のようにならないように、という思いは娘には伝わらない。少子化の時代、一卵性母娘と呼ばれる人たちは多いのではないだろうか。田房 永子「しんどい母から逃げる!!」を思い出した。星を掬う (単行本) [ 町田 そのこ ]
2022.01.30
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初めての作家さんです。久しぶりに泣けました。実母から虐待される例は意外とたくさんあるようで、その陰には日本人の母性神話があると思います。女性にはみんな母性があると信じて疑わない老政治家がいる限り虐待の連鎖は断ち切れない。アンさんに助けられたキナコは20歳過ぎても自分が虐待されている事実を理解できていなかった。そして母からムシと呼ばれている少年と出会った。同じ周波数で理解しあえる人たちは必ずどこかにいると信じたい。読書メーター に登録してから、知らなかった作家さんを見つけて読みたい本に入れて借りて読んでます。52ヘルツのクジラたち (単行本) [ 町田 そのこ ]
2022.01.10
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