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<前楽のあと、そしてダンス・オブ・ヴァンパイア博多座大千秋楽♪>26日のソワレ(前楽)は、それまでの博多座での祐一郎さんを観ていなかったこともあって、いい意味でのショックが大きすぎて、そんな素晴らしい回に立ち会えたことが喜びでもある一方、そんなパフォーマンスを可能にした博多座、そして博多という地に一抹の嫉妬というか、ああ帝劇でもこれを観たかったな、残念だったな、という思いがこみ上げたことは否定できません。その部分はちょっとフクザツな気持ちがふつふつと今でも湧いてきます。でも、祐一郎さんもひとりの人間。体も心も正直だということです。レベッカのマキシムのセリフに「気分が悪い!」と吐き捨てるように言うのがありましたが、博多そして博多座は祐一郎さんにとって最高に「気分がいい!」と叫びたいところであるのは間違いないのでしょう。それと同時に博多を博多座を盛り上げよう、そのために出来ることがあればなんでもします!という気持ちが本音としてあったのも間違いないでしょうね。彼の気持ちを虜にした憎っくき(?)女をとことんリサーチするような気持ち半ばで(←なーんて冗談ですよ!)博多の中州あたりを祐友さんたちとしばし探索。ほんとにリサーチするには時間が全然足りないのですが。1ヶ月もいられたダンス・オブ・ヴァンパイアキャストたちが超羨ましい!でも長く滞在できても、ゆっくり自由に街を歩けない身分になってしまった伯爵さまはちょっと残念かもしれませんね。さて、やっぱり夜になると生き生きするのですね!中洲というところは(話には聞いていた)。ちょっといかがわしいようなお店が立ち並ぶ通りもあったりして・・。でもちょっと歩くと噂に聞いた美味しいうなぎのお店があったり・・もつ鍋や水炊きが食べられるお店がたくさんあったり・・噂の川沿いの屋台というのも探検(?)してみて、金魚すくいじゃなくて「うなぎすくい」があったりとか、東京あたりで屋台というと、ラーメンの屋台、やきとりの屋台、と別々になるけど、一軒の屋台でラーメン、鮮魚、焼き鳥,etc.と一片にいろいろ食べられるようになっているんだ!とか、いろいろ発見もありましたが、やっぱり安くて美味しそうだけれど、前楽公演の打ち上げというか、感想をゆっくりシェアするとなると、もうちょっと落ち着いたお店を探そう、ということで入ってみたお店が「当たり」で、いろいろと舌鼓を打ちながら祐談義に花を咲かせ・・・。胃袋がひとつしかなくって、今日一泊しか博多に泊まれないのって寂しいことね・・とほほ・・とまたいろんな感情をもてあまし気味に宿へ。教授の真似して「ベッドは柔らか♪」と歌いながらふかふかと休むはずが・・私はもともとソワレを観るとクールダウンが上手くできず寝つけない性質なのですが、やっぱりこの日も、カフェイン摂ったわけでもないのに、ベッドに入っても脳内のどこかが覚醒したまま3時ごろやっとzzzになったのでした。ほんとに祐一郎さんの舞台にはパワフルドリンク効果が強すぎて効き過ぎることがあるから、わたしにはマチネがちょうどいいのかもしれないなあ、と思いました。多分ある興奮物質が生まれるとそれをなだめるのにかなり時間がかかる性質なんでしょう。立ち上がりもクールダウンも苦手です。さて、前楽公演が感動と興奮の渦で祐一郎さんの漲るパワーに圧倒された感が強い分、翌日のマチネ、大千秋楽はわりと落ち着いた気持ちで、どちらかというともうメインディッシュは済んであとはデザート、という気持ちで臨めました。実際、伯爵さま的にも初演同様、前楽公演で気持ちのボルテージは最高に達し、千秋楽はわりと落ち着いた素敵さを保って演じてくださったように見えました。墓場も拍手長かったけれど、前楽のほうがやっぱり拍手は長くて熱く感動的でした。そして公演の内容もみなさん書かれているようなので、必要はないかと思いますが、びっくりした「楽モード」のスタート合図は、最初のちひろちゃんサラがスポンジをアルフの顔にスリスリする場面、じわーぐわーっとスリスリをつづけてなかなか止めないんです。ここで大きな笑いが起き、楽モードを意識しましたね。★もっとずっと前からでしょうけれど、おかみさんに棒でぶたれるまえに探索に降りる教授は博多座では、白いナイトキャップをしっかり被ったまま降りるのね、ふーん!キャップが落ちるから取ることにした、って帝劇では言っていたのに。もしかしたら、デザインがリニューアルされて落ちにくくゴムでも入れたのか?(笑)。なーんて祐友さんと話しました。(なんとなく帝劇のキャップよりフィット感があるような・・気のせい?)★あと人類のために♪のミニカテコでは、4人がそれぞれお辞儀をして拍手を貰っていましたっけ。おかみさん(レベッカ)が田舎っぽく照れくさそうにしているのが可愛いですよね。シャガールはあんまり変わらないけれど。★教授とアルフレートのやりとりはアドリブ炸裂で、ふたりとも弾けまくってるわね、という微笑ましい感じでしたが、やっぱり禅さんのアドリブはどこか楽モードでも説明的というか、キマジメさがあるのが面白かったです。肋骨!とか、その場所を言いよどんだのは、演技なのか素なのか?泉見くんに聞いてみたい。★一番のヒットはやっぱり1幕ラストで伯爵に紹介されたヘルちゃんが、アルフレートを見て、とうとう欲望に負けてアルフに抱きついちゃったことかな。これはかなりの衝撃で劇場中がきゃー!!!という声でしたね。キスしそうな勢いだったけれど、くっついてはいなかった・・ですよね?(笑)★これに乗ってくれたのか、頭突きや体当たり、すりすりなどしてくるクコールに対して今まであまり反応がなかったクロロック伯爵が、とうとうムッシュニギのところ、教授の御著書で、クコールの頭をパコーン!!と軽くヒット!なんだかドリフみたいで楽しかったわ。やっぱりこれでこそ祐一郎さん!!「さよなら~♪」とへルが歌う部分で後ろ向きになった伯爵は、指で影絵の狼をぱくぱくやっていた。これは帝劇でも初演はやったのに今年はなかったですよね。あ、名刺を渡そうとする教授の手がぶるぶる震えてなかなか名刺を受け取れない伯爵さまが、最後にはむんずと教授の腕を押さえ込んで、奪うように名刺をGETするのも面白かった!帝劇楽でもこのくらい遊んで欲しかったでーす!★博多弁特集その1は、せっかく朝食を用意したクコールがアルフに気づいてもらえなくってすねて発したことば「ばかちん!」そのあとまたお玉でスープをアルフにかけて、自分もスープかぶってましたね。ちゃんと泉見くんがそのあと、体を拭くジェスチャーをしていたので受けた!でも泉見アルフ、この千秋楽でやっとスープを絶妙なタイミングで一口飲めてよかったね!!博多弁その2は、霊廟シーンで杭を打つ勇気がないアルフレートが「恥ずかしか」・・「でも、できんとよ」と言ってました。博多弁その3は、ヘルのバスルームのシーンで客席通路から戻って来たアルフレートに本を渡しながらヘルちゃんは愛の眼差しでアルフに「好いとっと!」それに即座に答えてアルフは「好いとらん!」(爆笑!)★「夜を感じろ」のシャオチャン開脚ジャンプは帝劇と同じで8回!!あれ?前楽はどうだっけ?伯爵さまの魅力に負けて他のことがおぼろげ。★超受けて笑いが止まらなくなったのは、教授に指でつくった十字架を突きつけられたヘルちゃん、「そんな小さな十字架じゃ効かないよ」と。教授とアルフレートはそれを聞き、即座に磔のジーザスみたいに両手を横に拡げて、「人間十字架」になり、つづいてヘルまで、「か、からだが勝手に…ううっ」と人間十字架になってしまって飛び跳ねながらはけ、アルフも十字架になったままぴょんぴょん跳ね「普通に歩けなくなりました」とトホホ顔。そのあと階段を上るふたりは、素で息切れしていまして、会場から笑いが。(こんなパターンはやはり初演で楽近く市村さんのときもあったような・・?初演は、そのあとびよーんと飛び出た伯爵さまも笑いを噛み締めていましたっけ)前楽も楽もその場抽選会があり、当選者には全員のサインつきのパンフが当たったり、しかも直接クジひいた役者さんが直々席まで届けにいくという大大判振る舞いがありました。祐一郎さんのひいたのは1階席上手ばかりで、そのへんタッチしながら座席まで移動していて、護衛まで連れて凄いどよめきでした。というより、祐一郎さんから直々手渡しなんて羨ましすぎ!!帝劇でもたまにはこういうのやってほしいなあ。祐一郎さんを使って盛り上がる必要はないだろう、と思われちゃってる?トークショーも祐一郎さんは出なかったしね。前楽は1階だったからよく見えたけれど、大楽は2階席からだったので、伯爵手渡しハイタッチ騒動がみえなかったのが残念。その代わり、前楽は2階に届ける泉見君が、楽では、なんと3階席までダッシュで届ける吉野さんの姿がよく見えました。もらった人とーっても嬉しそうでした!で、舞台に戻った吉野さん、「ちちうえ~!!」と泣きつこうとしたんだれど、寸前でこけてしまって大変そうでした~。カーテンコールはやはり盛り上がりつつもしんみりした空気もだんだんつのってきて・・・各キャストのご挨拶は公式をみてください。印象に残った挨拶は、石川禅さんが言った言葉で、「始まった当初は市村さんのあとを引き継ぐというプレッシャーでかなり苦しかったけれど、あるときお稽古場で、あ!そうだ、自分のためでなくて、ここにいるみんなのために演じればいいんだと気づいて、それからは凄く楽になった。それからは毎日開演前の稽古場でキャストやスタッフなどできるだけ沢山の人の顔を見るのを日課にした。」というようなお話があり、うるっときました。で、そんなちょっとしんみりした空気を読んでか、ラストを〆る祐一郎さんは、まさに博多座の音響を最大限に生かした大音量で、「本日はまことにありがとうございました~!」と言ってはいつものように拍手を切り、「本当に楽しかったで~~す!」「博多、大好きだ~!!」「また来るぞぉ~!!」と拍手を切りつつ、また「ありがとうございました」と〆ました。客席に「もう一度歌いたいですか?踊りたいですか?」とクコが言うと拍手が沸きましたが、「じゃ、1幕頭から」と冗談でクコちゃんがいい伯爵は歩いて行って突っ込みの反応して可笑しかったです。あと感動的だったこと。フィナーレナンバーで周りのキャストたちをどんどん前に出すのはよくやりますが、祐一郎さんは、4人カテコ、さらにキャストを呼んだあと、指揮者の西野さんをセンターに5人カテコをやったり、西野さんひとりにしたり・・・オケのメンバーやスタッフたちなどなど・・・。たくさん舞台にあがりました。5回目くらいのカテコで全員揃ったあと、祐一郎さんは口に手を当てるようなしぐさで「しぃーっ!」と客席の拍手を静し、キャストの方を向いて合図し、つぎに客席の方に向き直るといきなりパチパチパチ!!と全員で拍手をはじめました。そうです。キャストたちから劇場のお客さんたちに拍手のプレゼント!これには胸が熱くなりました。言葉ではない愛、優しさ・・・祐一郎さんはやはり素晴らしい!ほんとうに来てよかった、ありがとう祐一郎さんそしてみんな。そして博多座!ありがとう!ダンス・オブ・ヴァンパイア。大楽のクコール劇場では、蛍の光とともに静かに最後のおつとめをはたしたクコちゃん。プラカードで、〔全37話 完!〕裏には「またね」と再会を約束(?)してくれましたが、その言葉通りに、また数年後でいいから再演があったら嬉しいなと思いました。伯爵さまはもうすぐ53歳だけれど、博多座公演を観て聞いた感じ、見た目は43歳、声年齢は35歳くらいではなかろうか?となれば、あと20年は伯爵ができる?これは働かせすぎでしょうか?(笑)
2009.09.28
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博多のヴァンパイアたちもやっと中日で本日は貴重な休演日。祐一郎さんはじめ皆さま、ゆっくりすることができましたでしょうか。わたしもそれに合わせて働いていたわけではないけれど、なんだか9月に入って立て込んでしまっていて、明日は半月ぶりにゆっくりお休みをとることができます。(といっても、お客さまが来ないと始まらないお仕事なため、実際は職場にいても暇な日もあり、決して毎日あくせくしていたわけではないのですが。)さて、本日や~っと森山開次さんの回(スタジオパーク)の録画を見ることができました。やっぱり素敵な人ですね~。心が伝わってきます。画面いっぱいに顔が大写しになった瞬間に、なんだかジワっときてしまいました。なつかしいな・・。8月19日までの素敵な瞬間をたくさん思い出しました。眉毛の色というか、眉毛の有る無し・・たしかに表情を自由に作ることを考えて・・・なるほど!納得です。ミュージカルを観て音楽座に・・お能をみて即入門!心を揺すぶられると、ある「悔しさ」が生まれ、「とき」が大事!と即行動しないと気がすまないいい意味で急く心、変わりたい願望。これがあるのは年齢に関係なく若い証拠ですね。明日でいいや、いつかでいいや、もうこのままでもいいや、となったらちょっと緩んでいる、というか成長が止まった証拠!?(ほんとうの「老人」になると、また別の意味で急くのかもしれませんが・・)ある種の負けず嫌いの精神と好奇心がほどよいバランスで前向きのエネルギーを生む。頭でいろいろ分析するまえに、体がまず動いていく。それこそ「抑えがたい欲望」に突き動かされて未来の自分を創っていく。こういうインスピレーションが今の彼を創ったのでしょう。いろいろな試練をクリアした者だけが放つ優しい光と強さ。そして慈愛に満ちた目。やはり祐一郎さんという人とコラボレーションをする運命だったんだなあ、としみじみ思いました。歌う伯爵像に揺すぶられ、インスピレーションを受け、表現者としていい意味での「悔しさ」や「負けず嫌い」をバネに、どちらが目立つとか上というのではなく、そういう次元は超えて、互いに対等であり、同時に互いを引き立て、そしてその両者がそこに同時に在り、それぞれの最高と思うパフォーマンスを進めることで、奇跡的な生成物がある。そういうことを頭ではなく体でわかっていて、そして心はなにも言わずとも察知しあい、了解しあっている。きっとふたりの伯爵のトークショーがあったとしても、なんだか恥ずかしいので核心には決して触れることなく淡々とあるいは全く関係ないことを語り合って終わるのでは?と思うほど、世界観や人間性を共有しているのではないか、とやはり思ったり・・・。開次さんは、驚いては失礼ですが、とても響きのよい美しい声をしていて、話し方の優雅さもとても好みのものでした。そしてやはり祐一郎さんとおなじで、手も指も美しい。勝手な意見ですけれど、手が綺麗というのはほんとに表現力に大きく関わると思うのです。(逆に違うタイプの手指をみて、ハっと現実に戻されちゃう、ということもありますし。)ダンスを始めたのが決して早くはなかったせいで、体の柔軟性を増すためにスパルタといえるほどの鍛え方をしたそうですが、つり革に両手をこうしてつかまって・・というジェスチャーをしたときに、ふと、「この人がジーザス・クライストを演じたら・・?」と妄想に走りそうになり、自分でもドキっとしました。エルサレム版でもジャポネスク版でもどちらも似合いそうです。苦しみを味わいながらも人類のために命を投げだす・・・鍛え抜かれた肉体も披露出来、実にぴったりではないでしょうか。あの伯爵像で垣間見えた陰りの表情がまた観たくて仕方がありません。(やっぱりサロメをみるべきかな。)たとえば、祐一郎さんには歌ジーザスをそして開次さんは踊りの部分を担当してもらい、ふたりの伯爵による(笑)JCSの新舞台で新たなるコラボレーション!最期は、ふたり同時に果て、ふたつのスポットライトがすぅっと消えるのです!!独りで勝手に鳥肌をたてながら妄想が進み、ほんとうに来年にでも演じてもらいたくてたまらなくなりました。でも・・・ええと、共演となると、もう一人のデッカイ方にも一応肉体を鍛えなおしてもらわなくてはだめかな・・?(笑)手を洗いましょう♪の創作ダンス(?)は泡がたくさんでてきたり、頭にシャボン付けていたりして、ダンス・オブ・ヴァンパイアのサラちゃんの「あ~あ~あ~♪」の歌が脳内に響きわたりそうになりました。ほんとうにキュートで地に足がしっかりついたところもあり、人間としてあたたかくて柔軟で、その優しさのあふれた素顔に触れることができて、とても嬉しくなりました。
2009.09.15
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<『ジェーン・エア』プレビュー公演 9月1日(火)18:00開演 @日生劇場>(古典なのでストーリーは知れているとはいえ、ネタバレあり、と一応書いておきますね)久々の日生劇場。1階席に行くのにもこんなに上って・・・と改めてその不思議な複層式の劇場の作りに感嘆。そしてクリエに比べると休憩場所も多くて、マダムたちには優しい劇場だなあと思いました。俳優さんはいいし、演出もユニークだし、なかなか面白かったです!!英国の荒野らしい広い舞台に木がぽつぽつと植えられていて、十字架がいくつか立っているんだけれど、この十字架がとても小さいので、「ああ、誰かさんがジーザスでこの十字架に磔になったら、手足がはみ出しちゃう」なんてオバカなことを想像しちゃいました(笑)。意味があって十字架は小さいのですが・・・。舞台上奥の左右にはステージ上座席というのがあり(S席と同じ料金)ちょっと見下ろすような形で舞台を逆側から鑑賞できるようになっています。役者さんの後頭部や背中ばかりを観ることになりそう、と心配することもなく、役者さんはちゃんとサービスのために方向を変えて演技をし、カテコもちゃんとステージ上座席向けに丁寧にお辞儀し、かなり配慮されてるシートですね。一度座ってみたいようなみたくないような・・撮影があったら映りこんじゃうし(笑)。また、舞台手前の両サイドには「野原の穴」に見える出口があって、舞台袖代わりに役者さんが降りていって捌けていくのが面白かった。普通のミュージカルでもストレートでもなし、その枠には収まらない新しい形なのですが、結果としては作品としてメッセージ性もありよく出来ていて、役者さんの持ち味がうまく引き出されているよさもあり、またジョン・ケアードさんらしく、ひとりが何役もやっているのを観る楽しさもありました。(さらに・・レベッカの作者がヒントを得た古典、ということもあり、モチーフ、キャラクタ設定等が似ていてつい脳内パロディがときどき再生されちゃう面白さもあり)この日本版はBW版にさらに改良・変更を加えてまったくのニューバージョンとして作られたものということと、CDには歌だけが収録されていることもあり、舞台はCDとはまったく違う世界だったので驚きました。まず主演ジェーン・エア役の松たか子さんがほとんど舞台に出ずっぱりで、舞台進行~ナレーターも務め、ある意味松さんの一人芝居に複数キャストが次々と絡んで物語が進行する、という形にみえなくもありません。とにかく舞台上にときには独りで、ときには別キャストと共に、そして時には子役のジェーンの守護霊のようにそっと背後に佇む・・というあらゆる形で舞台にいつづけなくてはならないので、存在感・華があり、歯切れ・とおり、響きのよい声を持つ女優さんでなければ務まらない役ですね。そして華と書きましたが、いい意味で育ちのよさが出てしまいがちなオーラはうまく消して地味な家庭教師役像を自然に創りあげていて見事でした。松さん、歌声はファラセットを使った優しい声がとても上手になっていて、ぶつけるように張り上げる声ばかりで聴いていて疲れたらどうしよう?などというのは杞憂で難しい旋律も綺麗に歌ってた。力強い中にも柔らかさがあり、そして驚くほど歯切れがよくて、松さんの声だけは全部はっきりと聞き取れました。声といえば、プレビューだからか?マイク音量が松さんは大きめではっきりと伝わってくるのに、他のキャストは小さめで聴き取りづらく感じたからです。たとえば橋本さんとのデュエットも松さんの声だけはっきり聞こえてきて、橋本さんの部分は小さく感じバランス調整して欲しいな、と思いました。他にも最初でてきたジェーンの両親の声もとても聴き取りづらかった。プレビューなので徐々に修正されていくと思いますが・・。静かな愛、許しをセリフのように歌に乗せて風のように自然に伝えていくジェーン。旅に出たときのシーンの飢えの過酷さは映画ほど酷くなく、あっさり描かれてました。ウェディングドレスを着ても、「松さん」には戻らず、華美にならず地味だけれど芯の強い「ジェーン」が中身であることがしっかり伝わってきていたのが凄い。橋本さとしさんは、今までにはない真面目で偏屈な貴族(ロチェスター)役なので、どうなるかいな?とちょっと心配(?)でしたが、トーンを抑え目によく役にはまっていてとても素敵でした。演技も安心して(?)観られます(笑)。パンフの橋本さんもなかなか素敵です。衣装はフィットしているし、イギリス風貴族な感じが似合っていていいのですが、ボトムと靴がなんだかもっと豪華でもいいような気がします。ちゃんと松さんとのキスシーンもガッツリ(笑)やっていたし、愛の言葉も心がこもっていて感動でした。あと、マキシム(祐一郎さん)と比べると、やっぱり橋本さんは背は180cm越えでもガタイが違う、というか華奢にみえますね~。髪形は橋本さんらしさを生かしてるかんじで、そのまんま、という感じです(笑)。演技も落ち着いていて、科白もナレーターやっているだけあってとてもいいお声。歌声は中低音は響くのですが、高音部になるともっと張って欲しい!!音量・迫力が欲しい!と思う箇所がいくつかありました。とくに松さんとのデュエットは、せめてマイクの調整なんとかして欲しいな。素敵という気持ちは穏やかで、心臓が貫かれる快感とは違い、もっと静かな感動ですね。映画でみたロチェスターはとても感情の起伏が激しい奇人風な2枚目でしたが、そこは抑えられた演技で自然な感じ。マントはときどき羽織るけれど、マントバサっとして女心を奪う?という演出はなし。(キャラクター的に伯爵さまとは違うので、まあ仕方ないか(笑)。)あ、行くジェーンを引き止めようと静止する場面では、浜辺のマキシムくんを思い出さずにいられません!当然、脳内には「神よ何故」の前奏が鳴り始めました(笑)。あ、ロチェスター氏はこのシーン、両手は挙げませんが・・(笑)。ずっと抑えた感じで渋めに決めていた橋本さんですが、最後の最後で、緊張がやや解けたのか、歌い方や表情に「橋本節」が炸裂しちゃってややRocker入ってました(笑)。最初のほう、ロチェスターが森で落馬してジェーンに出会うシーンがあるはず・・でも馬はどうするの?と思っていたら、なーるほど!そうきましたか!!まあ一応・・落馬にみえますね(笑)。フェアファックス夫人役の寿さん、まさにレベッカのあの役を思い出してしまいました。(今回は結構な老け役ですが)ジェーンがロチェスターと結婚する、と聞いたときに、ぎょえー!!と驚きどうせ釣り合わないわ、と歌うときなど、脳内はレベッカ色に染まりそうで、松さんがちひろさんに見えそうでした(笑)。伊東弘美さんは二役、ジェーンを預かるが辛らつに当たるリード夫人はとーっても意地悪なセリフが多いので、レベッカの役とは全く違いましたし、最後のほうの死の床のメイクは凄まじいほど怖かった。凄い捨て身ができる役者さん。そこで大人のジェーンだけでなくて、子役とジェーンもそっと登場して、許しましょう!と歌う歌は泣けましたね。この作品は子役の使い方がとても見事です。今日のジェーン役の子役がとっても上手かったこともありますが、たった一人自分の味方をして優しくしてくれた友人を流行り病で亡くすところはほんとに可愛そうでした(映画も泣けましたが)。ところがこの優しい親友ヘレン・バーンズを演じた方が、次のシーンは全然別のキャラクターででていることが、レミゼみたいで面白くちょっと一瞬ショックだったりして・・(マリウス役が宿屋のシーンではバルジャンにカバンを乱暴に投げつけたり・・というショックに似てる)ロチェスターのお金目当ての嫌なやつだけど綺麗で華やかな女声、ブランチ・イングラムを演じるのは幸田浩子さん。そこだけクラシックの世界、というようにオペラな声を披露。あまりに声が綺麗なせいか、映画ほどやイヤーな奴!というキャラクターには見えませんでした。壌晴彦さんは低音の魅力を生かした役が3つ。嫌な役も牧師も。やっていて楽しいでしょうね。福井貴一さんが登場したときは、歩き方が似ていたのか「あ、ロベスピエール!」と心のなかで叫んでました。映画の俳優さんはかなりインパクトが強いお顔だったので、クールにみえました。小西遼生さん、膝をついたりするとついマリウスに見えちゃったりして・・。山崎直子さんと一緒だと、あ、マリウスとファンティーヌだ!なーんて(笑)。3つの役をやってますが、宣教師シンジュン・リバース(2枚目役)が一番印象的でしょうか。映画では、偽善的で愛を唱えながらも、ジェーンを都合よく使おうとする本音がみえてしまう冷たい部分が露呈するとき、ぞぞーっとする嫌な感じがありましたが、小西さんのリバースはもっと優しく人間味がある感じでした。浦井くんと同じで、美青年はそのままで、歌が上手に、そして声が骨太になりよく伸びるようになりましたね~!イングラム卿のときはかなりの変装?なので、最初、あれだれ?と思いました。これは、パンフ読むとご本人はかなり楽しんだご様子。狂気に満ちたバーサ・メイスン役は旺なつきさん。存在感すごい!白い服着てふらーっとでてくるのをみると、ファンティーヌかと(笑)で、むむ、もしかして、これジョン氏の奥様?とちらっと思いましたがオペラでみたら全然違いました(笑)。こういう役マルシアさんがやったら面白うそう、と思ったり。最後みんなして善人も悪人もなし、みんな天国!みたいな集まり方みていたら、やっぱりレミゼに似てるわ、と思ったり。そうそう、なにかの箱の蓋をぴしゃっと目の前で閉めるシーンみたら、「でてけ!このすべた!」というレミのセリフが勝手に脳内に流れそうになりまして、困りました(笑)。レミゼではファンティーヌ死のシーンではベッドが勝手に回ってでてきますが、この作品はひとつひとつ手動でものが配置されるので、それが全部丸見えなのが面白かった。レミゼといえば・・ベッシー役の方が、将来のモリクミさん!?と思わせるとっても強烈な印象を残す爆笑キャラでした。風去りのマミーとかもできそうだし、こういうタイプってやっぱり独りは必要なのかしら?と思わせられます。あ、そうそう!先日書いたロチェスターがジプシー婆さんに化けて、意地悪女たちやジェーンに対して、嘘の占いをしてぎゃふんといわせるシーンですが、橋本さんもちゃんとCDのロチェスターと同じように、ファラセットをうまく使って女声っぽい声で歌い続け、最後にいきなり自分の声に戻すことで正体を見せる、というのをうまくやってのけてましたよ。脱帽!!凄い!歌でここまでやるなんて!あまり見事だったので、歌い終わったら大きな拍手が湧きました。このジプシー女の旋律がこの作品で一番脳内に残ったかも?(笑)。(映画やCDでネタバレしちゃってから観たので衝撃はなかったですが、これ知らないでみたら、かなりビックリかも・・予習もよしあし?)パンフレットは1500円ですが、橋本さんの写真がどれもとても素敵なので即買い!お稽古写真もいいし、ジョンx松さんx橋本さんの座談会も楽しいし、作品ができる経緯なども詳しいし、とても楽しめます。歌は独立した曲というより、流れるような旋律が延々と続く感じが多いので、歌詞などはパンフには掲載されてません。プレビュー公演というだけあって、ケアード氏が開演前に客席を歩いていろいろチェックしていたり、幕間にも、歌唱指導の山口ひでや氏やケアード氏などが集まっては真剣に議論している姿がロビーでみられたり・・・とまだまだ進化の途中にあるのかな?と感じさせる部分がありました。あと1度後半にいく予定ですが、その間にもう1度くらいリピートしてみてもいいかな、と思ったりもしますが行けるかどうかはわかりません。
2009.09.01
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