読書日和 ~Topo di biblioteca~

読書日和 ~Topo di biblioteca~

2012.01.27
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好悪の感情を越えて、圧倒されてしまう。
登場人物たちの抱える絶望に、一緒に呑み込まれてしまいそうになる。
なかなか、映画の世界から現実の世界に戻ってこれない…そんな状態に陥る映画は久しぶり、という気がする。

冒頭が先ず衝撃的で。
ニュースでもなく、ドキュメンタリーでもなく、
フィクションの背景として震災の映像がスクリーンに映し出されたことが先ず衝撃でした。

不意打ちというか。

不愉快であるとか、明確な感情が湧く以前に
理解できない理由で、いきなり肩を突き飛ばされたような痛み。


どんなにいい映画であっても、今はまだ震災を物語の背景として
使って欲しくない、と柊は先ず思ってしまいました。
実際に被害にあった場所を撮影に使ったとしても、
また、セットを作りだしたのだとしても、
どちらにしても自分の中に芽生えた違和感が拭えないまま。
震災を、主人公の心象を象徴する映像として選んだのだとしても、
柊の心の中には別の痛みが疼いてきます。

出来れば、震災とは関わらない設定にして欲しかったです。

…ってそのことは別として。


暴力的なシーンや、信じられないような発言に思わず目を伏せてしまいそうになるのですが
主役の二人、住田と茶沢の容赦ないやりとりに惹きこまれて、最後まで目が離せませんでした。


最後の場面にはぐっとこみあげてくるものがありました。

未来が見えなくて、不安に押し潰されそうで、
死ぬことを選んでおかしくないような状況にあっても
心の中に希望の灯は、ちゃんとともる。灯れる。

たとえそれが不確かな、夢みたいな想像に過ぎなくても。


そんな瞬間を目撃したような気がします。

それにしても、痛々しすぎる映画だ…。

主演二人の演技は素晴らしかったです。
若いからこそ、体現できる世界観かも。

次にどんな作品を選んで、どんな役を演じてくれるのかすごく期待してしまいます。

 *映画の公式HPは→ こちら





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最終更新日  2012.01.27 18:39:19
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Re:「ヒミズ」観てきました。(01/27)  
rose_chocolat  さん
>今はまだ震災を物語の背景として使って欲しくない

そうですよね。
この話、時代の閉塞感と震災からの立ち直りを一緒にするべきではなかったと思いました。

そもそも園監督作品って「全部盛り」なんですよね。
彼の頭の中に描かれたものをそのまま映像化するので、観客は全て投げられてしまう。
しかし受け止めきれない場合もあります。
たぶんですが、被災地を見た彼の頭の中には瞬時に「がんばれ」という言葉が出てきたんじゃないかなと。 でもそこを下敷きにされてしまうと、被災された方はお辛いようにも思いました。
http://blog.goo.ne.jp/rose_chocolat/e/4960cb77dfb848c60cc16c296b084586
(2012.01.28 03:11:30)

Re[1]:「ヒミズ」観てきました。(01/27)  
柊♪  さん
rose_chocolatさんへ

映画を観終えて一歩外に踏み出した瞬間って自分の現実に立ち返る瞬間だと柊は感じます。
震災の映像をスクリーンに観てしまうと、映画館の外にも(津波の被害を受けた沿岸部、の意味です)同じ風景がまだ広がっているところがあるんだって強く感じてしまって、その現実がちょっと居たたまれなかったです。

また、登場人物達は皆、被災した人々という設定だったのですね。
震災の風景が映し出されたけれど、それは登場人物たちがニュース映像等からイメージした心象世界のようで、実際に地震や津波の被害を受けた人々、というふうには柊には見えませんでした。
映画の舞台はあくまで東京近辺で、テントに住んでいた人々だけが被災して避難してきた人々なのだと思っていました。
大きな被害を受けなかった柊ですら、こんな風に受け取ってしまうのだから、実際に津波の被害まで受けてしまった方々からすればやはり違和感は大きいんじゃないかなあ…と、想像ですけど、思ってしまいます。
でも、映画はとても素晴らしかった、って思います。
観て良かったと思っています。
柊、園監督の作品を観るのは初めてです。
震災の風景が例え盛り込まれなくても、充分に監督、出演者からの「頑張れ」のメッセージが伝わってくる作品だったと思います。
全てを説明されなくても、観る側は自分が抱えている状況に置き換えて、ちゃんとメッセージを受け取れるんじゃないかなと思います。 (2012.01.28 11:50:03)

Re:「ヒミズ」観てきました。(01/27)  
ひよこ7444  さん
柊さんがショックをお受けになったようで、勧めてしまったわたしは、申し訳なく思いました。

私は被災したことがないので、心情的にやはり理解できなかったのですね。
頑張れのエールが心に響いて、泣けてしまったので。

『何を頑張れというんだ!』という被災者の人たちの声も聞いた事があって、きっと「あきらめないことを頑張ってほしい』と思ったんです。
どんな状況でも光が差すのだと、思ってほしいと。

あの現場は、早朝、人がいないときに、撮影し、渡辺哲が家族を探すシーンは実際に、被災された方が『記憶になるから』と許可を出されたそうです。

早期復興を心より祈っています。

(2012.01.30 08:52:55)

Re[1]:「ヒミズ」観てきました。(01/27)  
柊♪  さん
ひよこ7444さんへ

>柊さんがショックをお受けになったようで、勧めてしまったわたしは、申し訳なく思いました。

いえいえいえ。そんなことはありません。
前情報がなかったので、冒頭びっくりしましたが映画の内容は本当に観て良かったって思っています。
ラストの「頑張れ」に、柊もうるっときました。

>『何を頑張れというんだ!』という被災者の人たちの声も聞いた事があって、きっと「あきらめないことを頑張ってほしい』と思ったんです。
>どんな状況でも光が差すのだと、思ってほしいと。

>あの現場は、早朝、人がいないときに、撮影し、渡辺哲が家族を探すシーンは実際に、被災された方が『記憶になるから』と許可を出されたそうです。

>早期復興を心より祈っています。

大切な方をなくされたり、家を流されてしまったり、目に見えぬ放射能汚染に悩まされていたり…そういう大きな被害を受けられた方の気持ちは柊にも慮ることはできません。
想像することしか…。

なので、震災から一年も経っていないこの時期に観るには「まだ早いのでは、」と感じてしまうのですが、いつか、復興が成り立った時には「この映画の“頑張れ”に泣いたなあ」ってしみじみ思い出す時が来るかもしれません。

本当の意味で復興作業が始められるのは一年以上も先、なんて話を聞くと一体どれだけ時間がかかるんだろうと思いますが、いつか以前のような風景が取り戻せたら、と柊も願ってやみません。
(2012.01.30 21:11:15)

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