BIRDLAND SESSIONS/MILES DAVIS 1951年のマイルスは仕事がなく不調だったと伝えられるが、そんな定説を完全に覆すのがこの演奏だ。⑦HALF NELSONのなんと見事なことか。これは曲がいいのである。ミュージシャンが乗る曲というのは決まっている。波乗りのように「何かのうえに乗っかって」スイスイと音空間を泳ぐ。イルカやシャチが高速でボートに合わせてはね飛びまわりながら泳ぐ様を見ているような、そんな感覚だ。曲はタッド・ダメロンのLADYBIRDのコード進行をそのまま使っているが、しかしダメロンの作曲力には参ってしまう。ミュージシャンが音のサーフィンをするには乗れるくらいの波が必要だが、まったくすばらしい波を作る人物だ。⑨MOVE。完全絶好調。発掘版だが収録時間が長く80分近くあり、50年代初頭の熱気を実感できる。