2026.05.21
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カテゴリ: AI小説



今日も寒い。
と言いつつ、午前中はまだ少し温かかったし部屋の空気を入れ替えようと窓を開けて過ごしていました。
空気を入れ替えすぎたのか寒いです。

今日は何の日

小満
対話と発展のための世界文化多様性デー
小学校開校の日
リンドバーグ翼の日
探偵の日

JUN SKY WALKER(S)の日
月化粧の日
ボン・ジョヴィの日
マリルージュの日
myDIYの日
ゼクシオの日(XXIOの日)
漬物の日
木挽BLUEの日
「森のたまご」の日


タイトル『まだその曲を聴いてる』

午後四時。
駅前の小さなカフェは、文化祭帰りの高校生たちで少し騒がしかった。

木のテーブルには、食べかけのあんパンと、二台のスマホ。
片方は充電用。もう片方では、同じ曲がずっと流れている。
JUN SKY WALKER(S)。
再生回数の表示は、10007。
「……またその曲ですか?」

芽衣は照れくさそうに肩をすくめた。
「うん。今日で一万七回目」
「えっ」
「自分でも怖い」
店員は思わず聞いた。
「そんなに好きなんですか?」
芽衣は窓の外を見た。
母校の校門。
文化祭の旗。
笑いながら歩く高校生たち。
その景色を眺めながら、小さく言った。
「昔、“予言が当たる男”がいたの」
「予言?」
「高校の同級生。別に超能力とかじゃないんだけど、なんか妙に当たるの。“次の朝礼で校長が噛む”とか、“来週メロンソーダ売り切れる”とか、そういう地味なの」
「微妙すぎる……」
「でも全部当たる」
芽衣は笑った。
「で、卒業式の日、その人が急に私に言ったの」
――十年後、お前はこのカフェでJUN SKY WALKER(S)聴きながらノート書いてる。
店員の笑顔が止まった。
「……怖っ」
「しかも、“その時、お前は人生で一番大事なことを思い出す”って」
「それで一万七回?」
「うん」
芽衣はノートを指でなぞる。
「何を思い出すのか知りたくて。
受験の時も、失恋した時も、就職した時も、なんかあるたびにこの曲を再生してた」
「いや執念じゃないですか」
「だよね」
その時だった。
外から男子高校生の声が聞こえた。

「あーー!! タイムカプセル掘り返すの忘れてた!!」
芽衣の手が止まる。
「……タイムカプセル?」
高校生たちは校門の方へ走っていく。
芽衣は数秒固まり、次の瞬間、立ち上がった。
「すみません、荷物見ててもらっていいですか!?」
「え!? あ、はい!」
彼女は店を飛び出した。

校庭の隅。
古い桜の木の下。
男子たちが掘り返した穴の横に、もう一つ小さな缶が埋まっていた。
蓋を開ける。
中には、折れ曲がった手紙。
十年前の、自分の字だった。
『十年後の私へ。
たぶん私は、大事なことを忘れてます。
“予言”のことじゃありません。
私は昔、“曲を作る人になる”って本気で思ってました。
でもきっと途中で、恥ずかしくなったり、忙しくなったり、“才能ないかも”って逃げたりします。
だから、思い出してください。
あと、一万回も同じ曲を聴いてたら、それは青春じゃなくて怪談です。』
芽衣はしばらく黙っていた。
それから急に吹き出した。
「ははっ……何それ……」
夕暮れの校庭で、一人きりで笑う。
涙が出るほど笑っていた。

その頃、カフェでは。
置きっぱなしのスマホが、勝手に次の再生を始めていた。
♪ジャジャーン……
店員は画面を見て、呆れたように笑った。
「……一万八回目じゃん」

おわり







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最終更新日  2026.05.21 18:53:21
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