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2017.03.04
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カテゴリ: 愛to暁のヨナ

姉の方です。

妹がすぐに感想を書けないそうなので、お先にざっくり。

花とゆめ7号
暁のヨナ 第137話「協力者たち」 感想

*以下、本日発売の花とゆめ最新号のネタバレあり感想です。
絶対に本編鑑賞の後にお読みください。


えっとですね・・・
まずは、 この作品の主人公・ヨナ姫について

私の認識を書き記しておきます。


この娘は、 「強い娘」 とか
「カッコイイ男前ヒロイン」 と評されることが多いかと思います。

もちろん、間違ってないと思います。とにかく、城を追われて以降の精神力の強さ、めげなさは凄くって。

城を追われて、何の地位も権力も持っていない状態で、
「姫」の高潔さを失わない・・・むしろ、その高貴さには拍車がかかっていって、
どんどん人々をその魅力で崩落させていっているわけなので。


凄いというか、悪く言うと、「病的なまでに」強い。

この娘は、16歳になったばかりで、
周囲の人に「お前いらない」って言われて、
殺されかけました。

第一話で、「わがままなお姫様」というイメージ像で登場しましたが、
元々は、社会的な感性のある、周囲をよく観ている、
非常に気づかい気質の娘です。

「わがままで無能なお姫様」像というもの自体、
父親・イル王や周囲の人々の望む「高華国のたった一人のお姫様」像だったのだと
思っています。

この娘、この立場で、「賢いお姫様」だったら、
間違いなく1巻1~2話の時点で、殺されてます。
あまりに邪魔で脅威だから。

窮屈な生活を我慢して、周囲に気を使って、
更にはイル王の一番の憂慮である「その身の安全」の為に、
この娘なりに頑張って望まれる「無能」像を演ってたんだと思います。

その頑張りが、16歳の誕生日に全部無になったというか、逆に、皮肉にも間違いなく「活きた」というか・・・。

とにかく、今まで尽くしてきたものを失い、裏切られ、「一度死んだ」と言っても過言ではない状況になりました。

全部なくしました。

ハクさん以外は。


だから迷わなくて、強いんです。

迷いようがないですよ。
だってハクさんしかもういないんだもん。

城を追われるまで、外の世界を一切知らなかったヨナちゃんにとって、
「世界」とは、「ハクさんの背景」のこと だと思っています。

それくらい、城を追われて以降、ハクさんだけしか見てません。この娘は。

えっと・・・何が言いたいかといいますと、
19巻あたりになって、「ようやくヨナちゃんが気持ちに気づいた!」
とか、そんな次元じゃないですよ、
と。

この娘、1巻で城を追い出されて、落ち込んで、2巻からはもう本当に、ハクさんしか見てなかったから。


よく、この「暁のヨナ」の読者さまの感想で、
「旅の目的が分からない」 って見かけます。

確かに、名言はしてません。
ヨナちゃんは、口では「国のため、民のため」って言って、
それを素直に受け取ったら、全く理解できないモチベーションで放浪してます。


・・・ただひたすら、 ハクさんに貢ぐ、尽くす旅 ですから。
これは。


以下、 ヨナちゃん目線でのエピソード解釈。
※あくまで私の解釈です。


四龍集め。
・・・やることがなかったから、丁度いい旅の目標設定だったのと、
あとは上手くいけば、ハクさんのボディーガードが手に入るかもしれない。
(とはいえ無償だから、ダメでもしょうがない)
そう思ったんでしょう。


4巻・青龍の里で、ハクさん一人を見張りとして残したシーン。
あれ、言葉の通り、「ヨナちゃんが自立したかったから」、
いきなり言い出したんじゃないですよ。
「ハクさんのケガがまだ治ってなくて、体が辛そうだったから」、
座ったままで休ませてあげたかったんですよ。
細かい描写ですが、4巻ってハクさんが休憩中にやたらと座ってるんです。
いつもなら、ハクさんって座らないので。
特に警戒しなければならない場所なんかじゃ。
森の中で、盗賊と闘ったあとにぶっ倒れているわけで、
本人しれっとしてますけど、いきなり治るわけない。

青龍の里人の様子観て、たぶんこの感じなら、
ガタイのいいハクさんには、一人になっても喧嘩売ってくるようなことはないだろう、と。ヨナちゃん自身の身は、キジャさん(新たに手にした武力)で賄うので、
ハクさん休んでて!!ってことだと思ってます。


阿波の港で、いきなり悪徳領主を討つ!とか言い出したところ。
ジェハさんを仲間にするためじゃないですよ。
ハクさんが暇を持て余して、他の女とチャラチャラしてる空気を感じたから(濡れ衣)、
「やること」としてイベント的なものをぶっこんだんですよ。


ヨナちゃんの「国のため、民のため」が嘘だとはもちろん思っていません。

ただ、なんでヨナちゃんが、
城を追われ、地位権力がなくなった状態になってから、いきなり「高貴なお姫様」を目指して、
異様なモチベーションでそれを追いかけ始めたのか。

その「高貴なお姫様」像が、
なぜにスウォンさんと被るようなイメージとして
彼女の中で設定されているのか。


夢も未来も失ったハクさんに、従者という「やること」を与える為・・・

まぁ、もっと簡単に言うと 「ハクさんと一緒に居る為」。

ヨナちゃんの旅の目的は、↑この一言に尽きます。

別の言い方すると、本当に「リア充」の旅なんです。
ヨナちゃんにとっては。
「ハクさんという存在が居てくれることを、ひたすら尊ぶ」 という、
「幸せな旅」なんです。

ただやっぱり、どうしてもどうしても苦しいのは、
未来を描けないこと・・・でしょうか。
ハクさんが。

他のもの全部に捨てられた16歳の女の子は、
ハクさんに「もらって欲しい」んです。欲しがってほしいんです。
それだけです。

どんなに大きなことを言っていたとて、人間のモチベーションって、分解するとこんなものだと思います。


まあ、なので・・・長々だらだらと、ヨナちゃんについて語りましたけど、

要は、 前・136話で、 ハクさんが「自分から動いた」 んですよ。

「風の部族&空の部族と、真国の戦争を止めたい」 、って。
「仲間の命もかかっていて、大事だから」 って。

城を追われて以降、ハクさんはこれまで一切言いませんでしたから。「俺はこうしたい、ああしたい」って。

全部「これでいいよ」って、自分を殺し続けて来てましたから。


ヨナちゃん、めっっっっっちゃくちゃ嬉しかったんだと思うんです。

少なくとも、
「ハクさんが向き合えないから」こそ、自分が背負わなきゃと
ずっと抱え込んでいた 「スウォンさんの簪」を、
ノリノリで闇の情報屋に売り払うほどには。


今回の137話も、出だしから超ハイテンションで、
「私一人で、援軍を呼んで来る!」キラッ☆
とか言い出すくらい調子に乗ってて、

またハクさんが 「じゃあ頼みます」 って感じで、頼りにしてくれたものだから、
またまた嬉しくなっちゃって・・・。

それで・・・ こんなこと になったのかな。


いや、私も
前のページの段階まで、まさかこんなシーンが来るとは思わずに読んでて。
ページめくって、びびったどころの話じゃなかったんですが。

ヨナちゃん筋的には、分からなくはない・・・


いや、まさかここまで動物的に動くとは思いませんでした。
ヨナちゃん、 プッキューと同じ目 してましたよ。

最近のヨナちゃんの本能に忠実過ぎる様子観てて、
妹と私の間では 「ピラニア」 って呼んでましたけどね・・・

まぁ・・・分からなくはない・・・けど、

あーーーびっくりした。


暁のヨナ、連載8年目(?)にして、 初!!
キスシーン です!!!!!

他にも、
ハクさんのリアクション とか、
風の部族の絆 とか、
お久しぶりな テジュン様 とか
すっげー大事な情報が一気に押し寄せてきてましたが、

・・・ すみません。
ヨナ姫 が強烈過ぎて、頭に入りません。

マジで「大事なことが全部ふっ飛ぶ」わ、こんなの。

暁のヨナ。

「国」?「民」?「戦争」? ・・・そんな社会派ちっくな単語・要素を使っていますが、

この作品は、

「『少女の恋心』がすべてを吹っ飛ばす・・・
恋愛至上主義にも程がある、少女漫画中の少女漫画」
なんだな、と改めて思いました。


どれだけ一生懸命読み込んでも、
ヨナちゃんの恋心に置いて行かれてしまいます・・・。

文・by姉、イラスト・by妹






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最終更新日  2017.03.04 18:26:37
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