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January 15, 2008
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カテゴリ:
●読んだ本●


「西の魔女が死んだ」 梨木香歩著 小学館








■あらすじ

授業の合間のまいの元に
祖母の訃報が入った。

祖母の家に向う母の運転する車の中で、
2年前に過ごした祖母の家での

一ヶ月余りの輝く記憶が
まいの心に戻って来た。




中学1年になったばかりのまいは
学校に行けなくなり

喘息もあったまいは
田舎暮らしをしている祖母の下へと
療養を兼ねて滞在することになった。



祖母はイギリス人で
自然に囲まれた家に一人で住んでいた。

毎朝、
飼っているニワトリの卵で朝ごはんを作り

ハーブや野菜に水をやり
片付けや掃除をする祖母の手伝いをするうちに


どんどん馴染んで行き、

林に囲まれた陽だまりの
大好きな場所も見つけて
自分に優しく出来るようになった。



「お祖母ちゃん大好き」とまいが言うと



「アイ・ノウ」と微笑むのだ。

まいはお祖母ちゃんが大好きだった。



そしてまいは
祖母の一族が予知能力や透視能力に長けた

魔女である事を知り
まいもまた魔女修行をしたいと
お祖母ちゃんにお願いをした。


お祖母ちゃんがまいに与えた修行は
精神を鍛えるために

早寝早起き、
食事をしっかり摂り、
よく運動し、
規則正しい生活をする

と言うものだった。



がっかりしたまいにお祖母ちゃんは

「いちばん大切なのは、
 意思の力。

 自分で決める力、
 自分で決めたことをやり遂げる力です」


「まいにとっていちばん価値のあるもの、
 欲しいものは、
 いちばん難しい試練を乗り越えないと
 得られないものかもしれませんよ」

と話した。


まいは自分で生活を決めて
自分で行動して
意思の力を強くする修行を始めた。



そうしてまいの生活は祖母の強い軸を元に
しっかり築かれて行った。











■感想(一部ネタバレ)

数年前に友人に勧められていた本を
ようやくようやく読みました。

多分、
魔女と言う言葉に抵抗があったようです。



これは児童書ですが、
「考え方で全てが決まってしまうよ」

と教えてくれる
大人にも優しい本でした。


あらすじを書いていて
これではファンタジー小説のようだと思いました。

実は全くそうではなく、
傷付いたまいの成長の話しで

優しさに包まれた
誰にとっても大事な事を思い出させてくれるような
清清しい話でした。



お祖母ちゃんとまいの生活を読んでいるうちに
私は今よりもっと
庭にハーブを植えたいと思いました。

私はハーブがとても好きなのですが、
この話しにはハーブが沢山出てきます。

ハーブが好きなのに、
中古で買った私の家の庭は和風で

この庭を造った人の意思を壊すようで
手を付けられないでいたのです。

私はこの本を読んでいて
うちの庭の好きじゃない植物は抜いたり
切ったりして

自分の好きな物で満たしても良いのだ!
とようやく気付いたのでした。


今年の目標がもう一つ増えました!!

「庭を自分の好きなものにする」

と言う事です。


そうだ、
どうして私は前の住人に遠慮していたんだろう。

私はいつもそうなんです。
自分を中心に考えられないようなんです。

もしくはそうなるまでに
ものすご~~く時間が掛かるんです。


それで庭は関しては
ここに住んで6年以上も経って

ようやく自分の庭にしよう!と
思えるようになったのでした。






この本を読んでいるとハーブの他に
木々の匂いもして来ます。

私は山や緑が大好きなので
この家に住みたいと思いました。


毎日、
小さな幸せに満ちた
優しいルールに守られた
静かで穏かな日々。


いいなぁ。

ピーがよく言う

「高原の一軒家で暮らしたい」

はこう言う刺激の少ない生活をしたいと
ピーは思っているのだろうか?

と思いました。


ここで言う刺激とは
他人からの刺激で、

自然がもたらしてくれる刺激は優しくて
自分を見つめ直すマイペースを与えてくれる。

そんな感じです。



勿論、
実際に田舎の一軒家で暮らす事は
色々な不便があるでしょうが。



その不便を補って余りある生活
と言う風が
この本の中から吹いて来るのでした。




以前、
ドキュメンタリーで見た

山口県の老夫婦が
山奥の電気も水道も電話も無い所で

自給自足を楽しんでいる生活を
思い出しました。


その老夫婦はとてもお互いを労わり
気遣い合っていました。

日本人の愛ってこういうものなんだな~と
暖かく、暖かくおもったものでした。


何もないから何もかもに感謝し
大事な物が見えて来るんだろうなぁ
と思いました。


私は携帯電話を使い始めても
携帯電話の便利さに
飲み込まれないようにしたい
と思いました。




短い話しでしたが、
こんなに沢山の優しい思いをさせてくれました。


でも、
不登校児を持つ母親としては

1ヶ月で気持ちが切り替わって
都会の生活に戻って行くと言うのは

あまりにも都合が良過ぎるのではないのかな?
と思ってしまいました。


傷付いた心は
そんなに簡単には癒されないのではないのかな?
と感じてしまいました。


私の娘は小学5年で不登校になり、
中学3年の今もまだ

同学年に対する
不信感に満ちています。


娘の描くイラストは
悲しい、暗い、危険な感じのものから

最近は明るくて
優しい感じのものになって来ました。


5年も掛かって
自分を取り戻そうとしています。



勿論、
心のあり方も傷付き方も
人様々ですが。



ですが、
傷付いた心に新たな傷は
追い討ちを掛けるだけで

新たなスタートのための
起爆剤にはならないと思うんです。


そこの所、
まいが自分の中の問題を解決しないで
自分を傷つけた生活に戻ると言う点が

お祖母ちゃんの言う
「意思の力を強くする」事
になったとは思えないのです。


だから中学に戻った時に
スムーズに生活して行けるのかな?
と疑問に思いました。


あんなに素適なお祖母ちゃんとの
新たな確執を心に持ったまま

新しい環境で楽しく過ごせるのかな?
と思いました。


そんな都合の良い事が出来るのであれば
そもそも不登校なんかには
ならなかったのではないかと思われるのです。


だって、
自分の中の小さな疑問や不快や嫌悪を
無視出来なくなったからこそ
不登校になるんだと思うのです。


これはこの5年間、
娘を見て考えて、

不登校児の親の集まりで
皆さんの話を聞いていて、

そして自分の事も考え続けたからこそ
思う事だと思います。



問題はそんなに簡単な事じゃないんだぜ。
なんて思ってしまいました。


感想も人それぞれ。





とても暖かい気持ちや
自分にとって大事な事は何かを

自分で考えて決めることの大事さを
改めて強くさせてくれた話しでしたが、

不登校児と言う問題については
ちょっと不満でした。




短いお話でしたが、

そんな風に沢山の沢山の思いを残してくれた
一冊の本でした。














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Last updated  January 15, 2008 09:29:52 PM
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