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February 2, 2008
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カテゴリ:
●読んだ本●


「フリーキー・グリーンアイ」ジョイス・キャロル・オーツ=著
大嶌双恵=訳 ソニーマガジンズ










■あらすじ


14歳の誕生日の数週間前に
フランチェスカ(フランキー)・ピアソンは境界を越えた。

パーティーで知り合った大学生に
レイプされそうになった時、

フランキーは境界を越えて

フランキーを助けてくれた。


その日からフランキーは
それまでのフランキーの他に

フリーキー・グリーンアイの目を通して
周囲を見るようになった。


元フットボールのスター選手だったパパは
人気のスポーツキャスターだ。

ハンサムな二十歳の兄のトッドと
10歳の妹サマンサ。

優しいママの5人家族のピアソン家は
仲良しでとても上手く行っていたのに、


ママが顎や手首の痣を隠すようになった。


そうしてママが自分のゾーンに行くようになり、
ピリピリした空気が家の中を満たすようになった。

サマンさは怯えてフランキーを頼るようになり、
フランキーは気付かない振りをして



フランキーにはフリーキー・グリーンアイが現れて
見ない振りをしている事実を教えてくれた。


ピアソン家の歯車はどんどん狂い始め
フランキーは混乱の中で苦しみ、

フリーキー・グリーンアイの助けを得て
現実に立ち向おうとする。









■感想


私はアメリカの
一人称の女の子の話しが好きだ。

例えばシャロン・クリーチの「めぐりめぐる月」。




これは特別な一冊だ。



女の子の目から見える事が綴られて
事実や現実が少しずつ構築されて行く
その過程が好きだ。

主人公の女の子の感性で見える事や
感じた事が細かに書いてあるのは

友達の話を聞いているようで
とても心地良い。


今回のこの「フリーキー・グリーンアイ」は
段々とフランキーの抱える問題点が浮き上がって来て

フランキーが見ようとしない恐ろしい事実が
中年の私にはくっきりと見えてしまう。

だから読んでいくうちに
どんどん悲しくなった。


ピアソン家の崩壊の音が聞こえて来て
とても苦しかった。


人は見ようとしないと現実は見えないもので
見えないのだからどんなに目の前にあっても

その人にとっては存在さえしないのだ。

私の夫はそんな人だから
フランキーが目の前で起きている事から逃げているのが
よ~~~く解った。


私も見えているのに見ないものが
あるんだろうなぁ。

気付いていないだけで
そこに在るのに見えていない事が。


美しい文章は読みやすくて
フランキーの健気さは痛ましかった。

フランキーは自分を守るために
フリーキー・グリーンアイを作り出したのだと思う。

自分を自分で守らなければならない子供が
どれほど沢山いるんだろうか。


ママの頑張りは悲しいばかりだった。
素適な人なのに。

カゴの鳥状態は
私にも経験があるので胸が痛んだ。


人を操作しようとする人の恐さは
自分が経験して来たので
真に迫る苦しさを感じた。




人間の弱さが伝わる話だった。

人は自分の弱さを認めたくないので
隠すのです。











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Last updated  February 2, 2008 05:42:33 PM
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