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March 16, 2008
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カテゴリ:
●読んだ本●


「家守奇譚」(いえもりきたん)

梨木香歩著 新潮社




単行本      文庫本





■あらすじ

頃は明治。

売れない作家の綿貫征四郎は、

学生時代に湖で亡くなった親友高堂の


高堂の父親が隠居して娘の近くに住むので
窓の開け閉めなどの家の守をして

月々なにがしかの物も貰えると言う事で、
渡りに船と越して来た。

庭の木々は伸びるに任せていたが、
綿貫は散歩の折に

池の傍のサルスベリを毎日撫でていた所
サルスベリにすっかり惚れられてしまった。

嵐の夜に床の間の掛け軸の中から
高堂が出て来て
サルスベリの話しなどをして行った。



稿料が入って綿貫が肉を買って来た所
犬が家まで付いて来てしまった。

すると高堂が現れて、
その犬を飼えと言う。

しかも名前を「ゴロー」と



このゴローと言う犬が
一緒に暮らしてみると
とても飼いやすくて便利な犬だった。

犬好きの隣家のおかみさんが
ゴローのために食べ物を差し入れしてくれる事から

綿貫の食事が豊かになり
犬を養う所か犬に養ってもらう身になってしまった。

他にも池の周りで起きる
ゴタゴタの仲裁をしたり、

河童の干からびた物を
川まで返しにお使いに出たり、

狸のいたずらから助けてくれたりと
ゴローはひどく優秀で役に立つ犬であった。


高堂の実家に住むようになってから
不思議な事が通常の生活になってしまった
綿貫の不思議な心地良い生活が綴られている。




■感想

夏目漱石の「坊ちゃん」のような
昔風の美しい文体の語り口で綴られているこの本は

とても心地良くて
身近に置いておきたいと思った。


この本は
摩訶不思議なことが日常に起きて

いつの間にかそれが
何の不思議もない事になって行き

さあ、
今度は何がやってくるんだと

とても楽しくなる、
他に類を見ない

楽しくて可笑しくて心に沁みるような
大切な一冊になった。


綿貫と近隣の人々との交流も
ほのぼのとして気持ちが暖かくなる。

こんな小説は初めて読んだ。


美しい文章を読んでいると
日本語が繊細で
表現の豊かな力を持っている事を思い出した。


宝物の一冊だ。









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Last updated  March 17, 2008 02:08:46 AM
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