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August 10, 2008
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カテゴリ:
●読んだ本●

「翳りゆく夏」赤井三尋著 講談社



文庫本       単行本





■あらすじ

大手新聞社「東西新聞社」では
来年の入社内定者の一人、

朝倉比呂子の出自について
「週刊秀峰」に記事が出てしまう事を知り、


社長の杉田に呼び出された。


『誘拐犯の娘を記者にする大東西の「公正と良識」』
と言う見出しだ。


朝倉比呂子の父親は
20年前に乳幼児の誘拐事件を起こし
亡くなっていた。


2才だった比呂子は
母親もすぐに病で亡くし
養女になって生きて来た。


試験の結果はトップクラスの
優秀な人材だった。



個人情報が漏れた事を重要視し、

比呂子になるべく余波が当たらないように
動いた。


一方、
東西新聞の大株主の命令で


隠密裏に調べ直すよう

社長の杉山から言い渡された梶は、
2年前の失態を取り返すべく

朝倉比呂子の父親が起こした事件を
調べ始める。







■感想

堅実で安定した文章で
とても読みやすくて面白かった。

小さな事実を積み上げて行く
こういう推理物が大好きなのだと思う。


読み応えのある小説に出くわすと
うれしくてにやにやしてしまう。


登場人物一人一人がしっかり生きていて
人生を歩んでいるのが伝わる。


大企業なのに人間を大事にする
誠実な会社人間が沢山登場するためか

誘拐事件と言う苦しい内容にもかかわらず
希望が残る思いで読めた。



日本の新聞社は、

親の犯罪歴よりも
本人の能力と人間性を選ぶ、

と言うのが事実なら
とてもうれしいな。

日本の将来にも
希望が持てるのではないだろうか。

本当にそうなら。




第49回江戸川乱歩賞受賞作
のこの作品は

著者が長編小説を書くのが
二作目と言うものだが

しっかり丁寧に書いてあって
赤井さんの力量が伺われる。


所々に強引さが感じられけれど
著者の良いものを書きたいと言う
誠意が感じられる作品だと思う。


ただ、
比呂子に感情移入をした
俊治と千代のその後も書いて欲しかった。

俊治はどういう生き方を選んだのだろうか?
すごく気になる。




最後に
選考員たちの選評が書いてあったのだが、

なんと不知火京介「マッチメイク」と
2作受賞であった。


「マッチメイク」は去年の5月に読んで
感想 を書いていた。

これは初めて読んだプロレス推理小説で
受賞作が2作あるという選評を読んだ記憶がある。

そのもう1作の方が
この「翳りゆく夏」だった。

なるほど対照的な2作品で
どちらも選考に残ったのは頷けた。


とても良い読書時間を過ごせた。





























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Last updated  August 10, 2008 03:49:43 PM
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