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August 16, 2008
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カテゴリ:
●読んだ本●


「からくりからくさ」 梨木香歩著 新潮社




単行本         文庫本




■あらすじ

祖母が亡くなって五十日目に
祖母の家を訪れた容子は、

家の中を綺麗に掃除して
押入れの桐の箱の中で


「りかさん」を迎えに行ったが、

りかさんはまだ戻っておらず
ただの人形に見えた。


そのままでは荒んで行くし
容子の染色の場所も必要だった事もあって、

容子が祖母の家の管理人になって
女学生専門の下宿をする事になった。


すぐに容子の友人のマーガレットと、
容子が外弟子として通っている染織工房に

織糸を買いに来る美大の女子学生
内山紀久と佐伯与希子の3人が




初日に容子はりかさんの話をして
居間にいつもりかさんを座らせて
5人の生活が始まった。


それは容子が祖母から受け継いだ
昔からの知恵袋に満ちた


簡素で優しい生活だった。


紀久の機織の音。
容子が植物から染めた美しい糸。

東洋の不思議を孕んだ
与希子のキリム。

日本のあいまいさを理解したくても
理論派であるために

常にはっきりモノを言うマーガレット。
静かに座っているりかさん。


5人の生活は、
まるで横糸と縦糸による

個性的で美しい織物のような生活だった。


5人の交流はどんどん広がって行き
それぞれの物語が交差して複雑になり

思わぬ糸が手繰られる事となった。







■感想

始めは、
旧き良き日本の知恵のような

清楚で爽やかな生活を
二十代の女性4人が過ごす、

穏やかで日常的な話だと思い、
のほほんと楽しみながら読んでいた。


すると
紀久と与希子の出自や先祖の事、

りかさんや人形の件。

更には海外へと旅に出た神崎や
マーガレットの背景にあるもの。

沢山の事が少しずつ織物のように
紡がれて織込められて行き、

推理物のようであり、
手織り人の物語でもあり、

日本の女性たちの生き様であり、と
とても濃厚で重く話に広がって行き

大変驚いた。



容子達の日々の選び方や
生き方を読みながら

私は何のために生きているのか?
これからどう生きて行こうか?

と考えされられ、
とても刺激になった。



でも、
あくまでもたおやかに優しく
物語は進むのだ。


不思議な物語だった。













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Last updated  August 16, 2008 11:07:35 PM
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