ふゆゆん亭

ふゆゆん亭

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Profile

ふゆゆん

ふゆゆん

Comments

ふゆゆん @ Re[1]:お返しにお茶漬けセット お茶の荒畑園(06/16) 散歩中の雨雲さんへ ↑何故か私の名前が散…
散歩中の雨雲様~★@ 散歩中の雨雲様~★ 急激な暑さと湿度にへきえきしております…
散歩中の雨雲様~★@ 散歩中の雨雲様~★ うっかりしておりました。 どうやら一般人…

Favorite Blog

映画『道』 New! あけみ・さん

佳境 New! pandanandaさん

MapleNatural  まてん☆さん
teami kago あっちゃん☆*:・さん
Boiling Point boiling pointさん
August 28, 2008
XML
カテゴリ:
●読んだ本●


「黒い犬」 スティーヴン・ブース著 
宮脇裕子=訳 創元推理文庫






■あらすじ

イングランド中央部
ピーク地方のイードゥンデイルの

美しい風景で観光客を集めている
モーヘイ村にある

<丘の館>に住む15歳の少女


村も街も大騒ぎとなって
警察は捜索に当たった。


二日後に犬を散歩させていた
ハリー・ディキンスンと言う老人が

血の付いたスニーカーを発見し、
その近くに案内してもらった

刑事のベン・クーパーが
ローラの遺体を発見するに至った。


土地に詳しいベンは
新任のダイアン・フライと共に

ローラを殺した犯人を探し始めたが、


代々モーヘイ村に住む人々と
引っ越して間もない<丘の館>の住人の間には

見えない壁が存在し
捜査がなかなか進まない。


そしてベンの家庭の問題。


二人の間に軋轢や共感が生まれ
協力し合ったり反発し合ったりしながら

次第に理解が深まりながら
捜査は少しずつ核心に近づいて行く。



イギリスで人気の警察小説
《ベン・クーパー&ダイアン・フライ》シリーズの第一弾。









■感想 

地元で生まれ育った
馴染みの人々の間で生きるベンの苦しみ。

都会で孤独に育った
女性刑事としての問題も抱えたフライの苦しみ。

二人の刑事の思いがぶつかり合い
絡み合いながら物語を積み上げて行く。


家族より友情を大事にするため
軋轢が生じているハリーの家庭。

子供時代からの友人と
3人でたむろしいてる様子はとても楽しそうだ。


妻より大事な友人。
孫より大事な友人。

苦難を乗り越えて来た
仲間でもある友人。


私には
そんなに付きっきりの友人がいないので

ないがしろにされる家族に
肩入れしてしまう。


殺されたローラの
隠された日常が暴かれて行き、

金持ちの
上流家庭の内幕も暴かれて行く。

苦しみを暴露した
ローラの兄の嘆き。



登場人物の生活や
美しい風景が丁寧に書いてあり、

最後に解る結末の
意味の深さを積み上げて行く。


じっくりと読ませる
深い思いを持つ話だった。


一人一人がしっかり生活しており
息づいていた。


昔ながらのイギリスの田舎が残っている
モーヘイ村の様子が見えるようだった。

田舎の美しさと残酷さ。



正直に言ってしまえば
少女の死より悲しい結末だった。

それはローラの視点で
書いていないからかもしれない。


ローラの視点で書いたら
全く違う物語になったかもしれない。



みんな傷付いて
それでも明日も生きていくんだなと思った。


そうだ、
人はそれでも生きて行く。
















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  August 28, 2008 09:06:17 PM
コメント(2) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: