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February 3, 2014
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カテゴリ: カテゴリ未分類
●読んだ本●

「凍る夏」T.ジェファーソン・パーカー著
渋谷比佐子=訳 講談社文庫










■あらすじ■

<神はかく言いたまいけり>。

連続殺人鬼の出現に人々が怯えるなか、
犯罪記者ラッセルが遭遇したのは
謎のメッセージと元愛人の惨殺死体。

現場から立ち去った人影は

犯行は連続殺人鬼と同一手口。

魔の手はやがて、病床に伏せる愛妻に!

愛と憎悪、欲望が渦巻く傑作サスペンス。




■感想■

愛する妻は脳腫瘍の症状が悪化し
ラッセルは高額の治療費に怯えながら、

昔付き合ったアンバーの謎の死と
連続殺人魔に翻弄される日々。

一度に訪れた様々な危機の集約に
ラッセルの心は乱れ苦しむが

今できる事を淡々とこなして



ストーリーの二転三転に踊らされつつも、
ラッセルの繊細な感情を読んでいると
色んな感情が浮かんでは消える不思議な小説だった。

ラッセルの愛情、情熱、懇願、希望
絶望、焦り、哀しみ、欲情、後悔が丁寧に書いてある。


一緒に旅をしたような気分になった。





★P274
「凍る夏」を読んでいると、
時々思考を刺激される。

『神を畏れることが知恵のはじまりだとすれば、
 何が恐怖のはじまりと言えるだろうか?』


寄る辺ない子供が無力を感じた瞬間に、
それは始まるのだと思うよ。

味方のない子供の孤独は
深くて暗い恐怖の始まりで、

夜眠ている間にその闇は深く深く心に根差す。

悪夢と夜尿と惨めな人生の積み重ねでもあるよ。





★P366
ラッセルが、
脳腫瘍で下脚が不自由になった妻イズィーを
脳の手術の前日に夜の海に行き、
2人で海を泳いでいた時。

『わたしは目を閉じた。
 とたんに、周囲が様々な物音で満たされるのを感じた。
 耳元で聞える澄んだ水音。
 一種緊迫感をはらんで間遠に響く市外の騒音。
 イズィーの力強くリズミカルな息遣い。』


学生の時だったか、
夏に野蒜のJUNの家に皆で遊びに行き、
野蒜海岸の端っこの奥松島の根元の入り込んだ海に行った。

凪の遠浅がどこまでもどこまでも、
膝下くらいの遠浅が続く
外洋から波を隔てる陸の続きの小島のようなでっぱりの内側の
静かな海で、

私は一人で長い時間、
浮かんで漂っていた時の感覚を思い出した。

耳を塞ぐ海の水を通して聞える水音の他は
何も聞えなかった。

180度ぐるりが見渡せた。
青い真夏の空と白い雲。

西側の松林と丘。
北の防波堤と砂浜。

遠くに見える人々。

南には小島と陸の繋がりと、
海の突き当たり。

海面と圧倒的な空の広がり。

水の音が体を通してくぐもって聞こえる中、
海に漂う私は海と空の一部になり、

時限を越えて過去も未来もない
「今」だけを純粋に生きていた。

あれは「今」だけを感じ取った
初めての瞬間だった。

感情からも解き放たれて
水の感触、水の音、空の青に満たされた私がいた。

その純粋な瞬間を思い出した。











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Last updated  February 4, 2014 01:40:50 AM
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