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April 10, 2021
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テーマ: 読書メモ(89)
カテゴリ:
「娘を呑んだ道」スティーナ・ジャクソン著
訳=田口俊樹
「THE SILVER ROAD」Stina Jackson

【中古】文庫 ≪海外ミステリー≫ 娘を呑んだ道 【中古】afb

■あらすじ
 三年前、スウェーデン北部の村で
十七歳の少女リナが失踪した。
地元の高校で数学を教える父親のレレは、

 同じ頃、村に流れ着いた母娘がいた。
母親が男を変えるたび、
娘もメイヤもあちこち転々としてきたが、
これほど遠くまで来たことはなかった。
 その夏、リナが失踪した国道からほど近い場所で
またひとりの少女が消えた。
この事件をきっかけに、
レレとメイヤの運命が大きく動き出す。

 スウェーデン推理作家アカデミー
「最優秀犯罪小説賞」、
「ガラスの鍵」賞、

に輝いた傑作スリラー!


■感想
北欧の、デリケートでしっかり作り上げられたミステリを
読みたいと思って借りてみた。
思った以上に繊細で緻密だった。


夜間になると車で国道を走りまわる
高校教師のレレの様子が淡々と描かれている。
あの時こうしていれば、
こうしていればと毎日毎日
己を責め続け、
妻と離婚して一人で探し回る。
濃密な悔恨の夜は巡り、
娘を求めるレレの心の叫びはつぶされて朝になる。

次に出て来たのは、
母親がネットで知り合った男の家にやって来た
メイヤの話だった。
初めての田舎に戸惑い、
母が男に出会っては別れる
流浪生活に突き合わされて疲れ、
いつも絶望と諦めと渇望に喘いでいるような少女だ。

レレとメイヤの視点が丁寧に描かれている。
それは苦しく、
先の破綻が見えているような事ばかりで、
読み進めるのに苦労した。
人の思いがしっかり描かれているけれど
苦しいお話だった。
文章も構成もしっかりしていて
その点では読みごたえがあった。
最後の希望が救いだった。
でも、暗くて次作は読みたくはない。
病人が冬に読むには堪えた。



―2021年1月25日頃読了―





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Last updated  April 10, 2021 08:32:17 AM
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