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April 17, 2021
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テーマ: 目から鱗の話(2)
カテゴリ:
私は読書を始めて60年くらいにはなると思う。
孤独な子どもにとって読書は、
自分の世界を構築したり観察して生き抜くために
必要不可欠だったと思う。

だけど私は、文豪の小説を読んでも
名作と言われる小説を読んでも、
殆ど無反応だった。

『嵐が丘』のヒースクリフに
とても同情したとか、

 経験値のせいか、 全く違うものを感じる)
『老人と海』では大変な苦労をしたなあとか、
『変身』は映像が見えてぞぞぞとしたとか、
太宰治の『人間失格』では自分が益々嫌いになって
自分を責めるクセが強められたとかはあったけれど、
『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』『カラマーゾフの兄弟』
『罪と罰』『若きウェルテルの悩み』『車輪の下』
『風と共に去りぬ』『ジェイン・エア』『白鯨』『異邦人』
『ライ麦畑でつかまえて』『雪国』『伊豆の踊子』『怒りの葡萄』
などなど思い出せるものは、
ぼんやりした感想しか残っていなかった。


ワクワクして大好きだったし、
夏目漱石の『吾輩は猫である』『坊ちゃん』も
面白くて大好きだった。
『アンクル・トムの小屋』は理不尽さに衝撃を受けて
ずーっと泣いていた記憶がある。

人種差別をはっきりと知った学びになった。
今調べて初めて、
ハリエット・ビーチャー・ストウという女性が著者で、
1800年代にアメリカ合衆国の奴隷制を
廃止するのに尽力した人物と知った。
はぁーー、この時代に女性が表で活動するのは
とても大変だったろうと思われ、
愛情深い筆致も思い出された。

今思えば、小学生~十代の私が読んでも
把握できない訳だったと思う。
だって二十代になってから読んだSFも
好きな作家は沢山いたんだけど
レイ・ブラッドベリは面白さが分からなかった。
四十代になって読んだ村上春樹が分からなかった。
『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』が
全然分からなかった。
題名のセンスはとっても好きだけど、
多くの人が感銘している事が
私には分からないという事が分かった。
共感力があり過ぎて、
些細なニュースでさえ傷つく私が
理解できない世界と言う謎。

そして最近、ピースの又吉直樹さんが
Youtubeチャンネルを開いている事を知り、
たまたま「インスタントフィクション」のコーナーで
短いフィクションを解説しているのを見て驚愕した。
私には矛盾だらけで訳が分からない文章だった。
でも、又吉さんの解説で
文章の矛盾は矛盾ではなく、
秘められた繋がりがあり、
表に出さない意味が含まれていて
すべてがつながっている、
と言う事を知り衝撃を受けたのだった。
そんな短い文章で、
そんなに多くの思いが語られていたなんて!
そんな見方があるなんて!



そうか、だから私には
村上春樹が理解出来ないんだろうなと思った。
曖昧な文章の向こうにいる人の生活と
思いをくみ取れないからなんだなと思った。
だから海外ミステリしか楽しくないんだよね私、
と思った。
数学的な起承転結があるものしか
楽しめないんだよね、私。
数学の証明問題が大好きだったもの。
曖昧な文章の先を読み取れないんだもの私。
日本の文学って俳句的じゃない?
一つの単語を支えている歴史的な意味合い。
「プレバト」で夏井先生の話を聞くと
国語がすごく分かりやすくて、
まるで見えるものになったと感じたように、
(つまりそれまでは国語って曖昧で
 見えない縛りばっかりな気がしていた)
又吉さんの解説した文章は
人によって世界が全く異なる事を
まるで見えるようにはっきり教えてもらった、
と感じたのだった。

私は数学的な思考の人間なんだろうなあと思い、
短絡と言われていた父とそっくりなんだと思った。
だけど私は三十代から感情的なものに蹂躙されていて
自分を見失っているのは気付いていた。
なぜ自分を見失っているのか、
ずっと不思議で謎を解こうとしていたのだった。
それが又吉さんの解説を聞いて見えて来た。
数学的な脳使いの私が
感情的なものに振り回されて来たために
己を見失っていたのだ、と。
感情面と理論面を両掌に載せて
ためつすがめつすれば良いのだと思った。
感情面ばっかり大事にしていたために、
自分の腑に落ちやすい理論面を
後回しにし過ぎたのだと思った。
私には感情はとても大事だけど、
理論面も大事な人間でした。
そのバランスが崩れているのだと
思ったのだった。
さて、それに気付いたのであれば
自分を取り戻しに行こうじゃないか。

そして角度を変えただけで
見える世界がそんなにも違うんだと教えてくれる人が
随所にいてくれてありがたい!
と思ったこの頃だった。





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Last updated  April 17, 2021 02:56:07 PM
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