ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Jan 5, 2005
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カテゴリ: 本を作る
本の定価を考える

本の値段は高いか、安いか

「そりゃ、安く作れば自費出版する人は喜ぶの当り前だよ」

「でも誰も買わないよ」

「高すぎるよ、本の値段」

「今どき、コーヒーは180円だよ」

「昼メシだって、500円玉を握り締めて行くんだよ、サラリーマンは」


「昼メシと一緒にしないでよ」

「一週間前の昼メシ、何食ったか覚えてないだろ」

「本は残っているよ」

「ぜい肉より、知恵をつけてよ」




行きつけの赤提灯でホッピーを飲みながらの、店の親父さんとの会話です。

私が、自費出版はもっと安く出来ると言ったら、口を尖らせました。

ヒマがあると手当たり次第、本を読んでいる親父さんです。


比較すると安いはずなんだけど

飲み屋の親父さんへ言ったように、確かに欧米より安いのです。

日本の委託販売制度と印刷会社の競争が背景にありました。

日本人の活字好きも、出版文化の底辺にありました。


先日、これからの出版文化を考えるという論文に目を通しました。

良心的に現状を憂い、出版の将来を真剣に考えた内容です。

その中にも、欧米に比べて我が国は本が安すぎると書いてありました。


作家が潤わず、出版社も苦しい。本屋さんも大変だ。

その原因が、本の定価の安さに起因していると言うのです。




パイの大きさの問題

本の定価を上げ、パイを大きくして、みんなで分けるのも一つの方法です。

でもその前に、本の需要を増やして、パイを大きくすべきではないでしょうか。

逆に、本の定価を下げる努力をして、需要を増やすことも考えられます。


でもここで抜き差しならない問題が出てくるのです。

本屋さんの利幅の問題です。




駅前や商店街、商業ビルなど地代・家賃の高いところに本屋さんはあります。

家賃が高いところへ持ってきて、先日も書いた万引き被害です。

アルバイト、パートといえど、従業員を配置しなければなりません。


そのような状況下で商品単価が下がったとしたら、もう採算は取れません。

せめて本屋さんの利幅が定価の三割はないと事業維持は難しくなります。

もしかすると出版人なら誰もが分かっている問題です。

でも誰も口にしません。言うだけムダと思っているのです。


専門書はもっと高く、一般書はもっと安く

初版で3000冊を超える本は今よりももっと定価を安く出来ると思います。

一方で、小部数の専門書の定価は安すぎます。

これでは専門書の出版社が次々と経営危機に陥るのも当然です。


500冊の本と3000冊の本の印刷代の違いはせいぜい倍になるくらいです。

大きくは製本代と紙代の違いがあるくらいです。

固定経費、編集経費などはまったく同じです。


専門書の出版社は、一般書の定価付けに影響されて値段を抑えすぎです。

ムリして印刷部数を増やして、原価率を下げようとしています。

読者の値ごろ感を考えると仕方ないのでしょうが、やはりムリがあります。


お約束は出来ませんが、そのうちワンコイン本に挑戦します

来月出す私の本を例にあげてみます。

1000冊印刷して定価980円。原価率39%です。

これをもし3000冊印刷したとします。そうすると原価率は18%です。


自分の本ですから、私の場合は著者印税と編集費を除いてあります。

それを計算したとしても、余り変わらない数字が出てきます。

印刷部数が変わるとこれほどまでに、原価率が変わってくるのです。


もし来月出す私の本を初版3000冊としたら、定価500円でも十分です。

極端な例だったかも知れません。印刷部数が増えればリスクも増大します。

でもこれほどまでの、印刷部数による違いがあるのです。



※ 今日の日記を読んで頂いて、一度本屋さんの店頭で本の定価を比較して見て下さい。専門書の出版社がいかに頑張っているかご理解頂けると思います。本の定価をもっと下げ、本を買いやすくする努力をしながらも、専門書の出版社が生き残る道、併せて本屋さんの経営が安定する道を考えていかなければならないと思います。






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Last updated  Jan 6, 2005 07:02:51 PM
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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
KURADON @ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) わあっ❗️ いきなり KURADONさん とでた!…
マリア4415 @ Re:会おうね。関西の人、中国地方の人(08/05) はじめまして。突然お邪魔して申し訳ない…
秦野の隠居@ Re:よかった(04/28) のりのりさん ----- 完全復活です。 アメ…
のりのり@ よかった 久しぶりにのぞいてみたら、ご隠居さん本…
秦野の隠居@ 引っ越しました 楽天ブログを再開しようと思ったけど、ど…
秦野の隠居@ Re[3]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- 後ほどご連絡させて頂…
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第二章 協力出版と懸賞募集の甘い罠


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第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


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第二章 山里「コンタ」発見


第三章 知らないってことは


第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


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