ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Jan 19, 2005
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カテゴリ: 本を作る
出版業界でメシを食う方法(その十一)

昨日は二日酔い(三日酔い)で日記をパスしてしまいました。復活です。

さて、さまざまな出会いがありました。私ってホント、運がいいんですよ。今日は自分の出版社を始めて一年後ぐらいの時期のお話です。



ただ酒とただメシ

「おばあさん。あそこへ座っていて下さいよ。私が持っていってあげますよ」

三浦雄一郎さんが主宰する三浦ドルフィンのパーティ会場です。

立食パーティの席で、似つかわしくないお婆さんがおろおろしていました。


盛り上げられた料理が上手く取れないようです。ポロポロこぼしています。

私はガツガツ食べて、グイグイ飲んでいました。

ほかにやることもなかったのです。知った人は一人しかいません。


冒険家で尾崎啓一という人がいます。偶然知合いました。

「ただ酒とただメシが食えるから一緒に行かない?」

フラリと私の事務所に現れて引っ張り出されました。




会場に入ると尾崎さんは自分の知り合いを見つけて行ってしまいました。

やることもなく、会場の後ろのほうの隅でパクついていました。


今度はお爺さんが現れた

お婆さん、だいぶもうろくしているようで、話が噛み合いません。

でも私から離れません。一生懸命何か話しています。

少ししかない椅子を二つ確保してお相手をしていました。


「済みません。見つからなくて探していたんです」

今度はお爺さんの登場です。この人はしっかりしているみたいです。

「完全にボケているので、フラフラ行ってしまうのです」


「ご迷惑をお掛けしました」「ダメだよ。あっちに居ないと」

「あっちへ行こう」とお爺さんが声を掛けてもお婆さんテコでも動きません。

「ここでいいんじゃないですか」。もう一つ椅子を探してきました。




来月スキー場がオープンすると楽しそうに話しかけてきました。

「テイネはいいですよ」「あれ、行かれたことはないんですか」


何、このお婆さん雄一郎さんのお母さん

「それではここで、我が三浦ドルフィンの会長からご挨拶を頂きます」

司会者の声が一段と大きくなりました。

「ご迷惑ついでに、婆さんをもう少し預かって頂けますか?」




何、あのお爺さんが三浦敬三さん。そうするとこのお婆さんは……。

「ねえ、お婆ちゃん。お婆ちゃんは雄一郎さんのお母さん?」


お婆さん、何にも答えずにお鮨をパクついています。

大きな拍手で三浦敬三さんの挨拶も終わりました。

「助かりました。だめなんですよ、こいつ。あなたが気に入ったみたいで」


その後また、敬三さんとの会話が続きました。

「ところであなたは、どういう人ですか? お会いしたことないですよね」

「はい、ただ酒を飲みに来ました。こういう者です」


私の本を作ってもらえませんか?

「そうですか。出版をされているんですよね」

「私ね。撮りだめた写真がいっぱいあるんです」

「写真集を作ってもらえませんかね?」


今度は前に書いた奈良原一高さんのときのようなヘマはしません。

「まず見せて頂けますか?」

そのような会話をしているときに三浦雄一郎さんが近寄ってきました。


「この方に、お世話になっているんだよ。ボクも母さんも」

「そうですか。有難うございます。どうぞゆっくりしていって下さい」

「一度ぜひ、ドルフィンの事務所にも遊びに来て下さい」


帰りに尾崎さんに話したら、ビックリ仰天です。

「敬三先生の写真集なら、ドルフィンでも買い上げるよ」

「○○さんって不思議な人だね。必ず手ぶらでは帰らないんだから」


敬三先生が現れた

約束の日に三浦敬三さんが私の事務所へ見えられました。

タバコを買いに出たらバッタリです。

「どうぞどうぞ、こちらです」。エレベーターのボタンを押しました。


「いや、社長さんはどうぞエレベーターで」

敬三先生はとことこ階段を上がっていきます。

しょうがない、私も階段です。3階に事務所はありました。


打ち合わせが終わると、敬三先生これから御茶ノ水へ行くとのことです。

「ちょうど私も御茶ノ水へ行きますよ」と一緒に出かけました。

「こっちです」。敬三先生、違う方向に歩き出しました。


「駅はこっちですよ」「いえ、お茶の水はこっちです」

私の事務所は飯田橋です。敬三先生、2駅歩くつもりです。

まあいいかと歩き始めたのが運のつきでした。


早いんです、歩くのが。そのときすでに80歳くらいです。

当時、私は40歳くらいです。その私が駆け足です。

11月なのに、著名なビンディング会社に着いたときには汗ばんでいました。

つづく


このことがきっかけになって三浦ドルフィンの本も手掛けるようになりました。杉山進スキースクール、ナイスク(オーストリースキー教室)についで著名なスキー教室は網羅です。その後には当時著名だった浦佐のスキー学校の「浦佐の特講」なんて本とビデオも手掛けました。

請負で、スキー雑誌も手掛けました。また各実用書出版社のスキー書も手掛けました。おかげでスキーの本を作るならあそこと業界内では知れ渡りました。でも私にとってはスキー書は全体の仕事量の3分の1程度です。









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Last updated  Jan 20, 2005 09:08:18 AM
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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
KURADON @ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) わあっ❗️ いきなり KURADONさん とでた!…
マリア4415 @ Re:会おうね。関西の人、中国地方の人(08/05) はじめまして。突然お邪魔して申し訳ない…
秦野の隠居@ Re:よかった(04/28) のりのりさん ----- 完全復活です。 アメ…
のりのり@ よかった 久しぶりにのぞいてみたら、ご隠居さん本…
秦野の隠居@ 引っ越しました 楽天ブログを再開しようと思ったけど、ど…
秦野の隠居@ Re[3]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- 後ほどご連絡させて頂…
パパイヤ@ Re[2]:秦野の隠居です(04/28) 今、メールを送らせて頂きました! 上記の…
秦野の隠居@ Re[1]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- いつでも相談に乗りま…
パパイヤ@ Re:秦野の隠居です(04/28) 良かった。 本当に生きてらっしゃる!(笑…

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38万円で本ができた


第一章 もっと手軽に自分の本を作れたら


第二章 協力出版と懸賞募集の甘い罠


第三章 自分の本を作りたい理由を考えよう


第四章 本にする原稿をまとめよう


第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


【出版後記】


負けてたまるか


その1


その2


その3


その4


その5


その6


舞台裏からの独白


すぐそこの田舎暮らし


第一章 先住民/黒猫の『タンゴ』


第二章 山里「コンタ」発見


第三章 知らないってことは


第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


第十三章 ムジナに見送られ、街へ帰る


エピローグ みんなで遊ぼうよ


両国・千夜一夜物語


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後編


はみ出し人生・出版屋稼業


第一話 私の出版屋事始め


第二話 ちょっぴり生意気だった理由


第三話 出版企画会議の話


第四話 土木から資格試験へ


第五話 工学書転じて実用書に 


第六話 なぜかスキー書


第七話 退職、そして創業


第八話 行け行けドンドンの始まり


第九話 原稿は役員専用車で届く


第十話 スパイにされちゃった


第十一話 ただ酒、ただ飯、お土産は仕事


第十二話 閃いた


第十三話 出版から映像へ


第十四話 ヒットチャートに載っかった


第十五話 思えば、いろいろやったもんだ


身も心も捧げた女は飽きられる


プロローグ


第一章 身も心も捧げた女は飽きられる


第二章 したたか女はイイ女


第三章 女の勘違い


第四章 私の出会ったイイ女列伝


エピローグ


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第一話 なぜナタマメ茶を作ったのか?


第二話 やっぱり巻き込まれてしまった


編集後記


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