ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Sep 29, 2006
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今日の本作りサロン JPS 出版局 今日は本の販売についてのお話です。
ネット仲間が集まって、ネット仲間のための会社を立ち上げるよ

今日は個人出版などで作った本の販売のお話です。



出版販売ルート



街の本屋さんもアマゾンなどのネット書店も、基本はまったく変わりません。

出版社(発売元)→出版取次(トーハンや日販など)→本屋さん(ネット書店含む)→読者

ただこれだけの話です。


委託制度を支えてきたもの

出版点数も多く単価も安い本を効率良く扱うために、委託制度が商慣習として定着しました。

出来上がった本をともかく全国の本屋さんの店頭に並べる。そのための委託制度です。

このシステムが世界でも有数の読書天国日本を支えてきました。

またこの委託制度を支えてきたのが再販制度(定価販売の義務付け)と出版取次です。


委託制度の功罪

委託扱いには当然のように返品が伴います。それでも売れていれば、ほとんど問題になりません。

昨今、委託制度に金属疲労のような矛盾が露呈してきた背景は、返品率の増加です。

返品に伴うリスクも、とんでもない金額まで膨れ上がりました。

出版取次などは返品に伴うリスクを避けるために、さまざまな取引き条件を持ち出して来ました。


複雑怪奇な計算方式

屋上屋を重ね、ますます複雑多様な要素が付け加えられます。

新刊委託・常備委託・長期委託・延勘・注文扱い・採用扱い

大雑把に見てもこれだけの出荷条件の違いがあります。さらに、

配本に伴う歩戻(ぶもどし)・地方格差是正協力金・注文保留などの項目も出来ました。

返品手数料や出版社から出版取次の卸正味(掛け率)も出版社によって異なります。

さらに一つの出版社と一つの取次の間にさえ、定価別正味や一本正味などの区分けがあります。

出版社が納品や返品回収をするのか。あるいは出版取次が収品や返品するのかの違いもあります。


コンピューターがさらに分かりにくくした

パソコンの導入で機械化された部分もあります。ただ同時にブラックボックスが増えました。

さまざまな計算式にそのつど変更を加えて今の計算システムが成り立っています。

システムを組んだ人でさえ、その後の変更の膨大さ、複雑さに着いて行けません。

商品点数が多いので効率上グロス管理となり、単品売上ならびに経費の明細は不可能です。

私は結構詳しいほうですが、すべて説明しろと言わても半年はかかってしまいます。


単純な物流、複雑怪奇な計算システムと取引条件

この小見出しが実態です。さらにA取次に納品したものがB取次から返される場合もあります。

私の経験でも返品率が100%を超えたことが幾度かありました。納品以上の返品です。

別の出版取次に収めたものが、ぐるりと回って返ってくるのです。

取次ごとに計算方式も微妙に違えば支払い時期も異なります。

一冊ごとにどの取次に納めた本かの印は付けられません。後追い調査は不可能です。


余談ですが

一例として返品に伴う運賃を上げてみます。

出版取次によって1冊○円としているところと、1梱包○円としているところがあります。

冊数ごとの計算のときはその本の返品部数で単純計算できます。

問題は1梱包幾らのところです。2~3冊でも1梱包、20~30冊でも1梱包です。

1梱包60円の返品経費を2冊や3冊で割ると1冊当り20~30円もかかります。

20冊あるいは30冊だと1冊当り2~3円です。さらに取次ごとに1梱包の単価も異なります。


さらにもう一例

売上計算についてです。納品や返品の金額計算です。

伝票ごとに本体価格(税抜き価格)の合計を出し、消費税額を計算する取次もあります。

1冊ごとに消費税を計算する取次、伝票綴り全体の本体合計から消費税を計算する取次。

何しろ定価の安い本が商品ですから、一ヶ月の伝票だけでダンボール箱1~2個なんて普通です。

わずか何円かの違いも年間にすれば、すべての取次合計で何十万円もの違いになってきます。


ちょっと話が複雑かもしれませんね

計算式の複雑怪奇さの説明はこの程度に留めます。なかなかご理解頂けないでしょう。

さらにここに支払い時期の問題がからんできます。

新刊委託〆日は6ヵ月後となっていても、取次ごとに実際の支払い時期は異なります。

注文扱い、長期委託・延勘扱いもそれぞれ異なり、各出版社毎に支払保留条件もあります。

ここでは、こんなこともあるんだと理解しておいて頂ければいいと思います。

要は、著者に対する出版社からの印税支払いや売上金支払いをどう計算するかです。


試行錯誤を繰り返してはいるのですが

私は個人(自費)出版の著者や編集プロダクションへの支払いを40~45%に設定してきました。

今までは僅かですが利益が残りました。ところがここへ来て大幅な過払いです。

取次からの売上よりも諸経費のほうが上回ることも頻発しています。

ともかく本が売れない。売れてもそれ以上の経費がかかるという笑えない状況です。

超大型店でも僅かの売上、中堅どころ以下の書店では納めた分だけ帰ってくる有様です。

売れた本もあります。その分はキッチリと著者に払いたいので、新たなジレンマです。


それでも基本は外したくない

本が順調に売れさえすれば、45%程度の著者への還元は当然です。

この基本は維持したいのです。でないと著者の方たちもやる気が出てきません。

個人出版物の所有権は当然のように著者にあり、売上は所有権者のものと考えます。

もちろん販売経費は著者負担です。それでも手数料以上の収益は会社のものではありません。

JPS出版局としても、リスクヘッジを考えて処理すればいいと思います。


個人出版の著者の方たちへの新たな提案です

販売上の諸経費増が負担になっていることも事実です。

45%の著者還元率を維持するため、販売管理費を頂くことは必要でしょう。

歩戻、倉庫代などを勘案すると出版物1点に付き10万円程度の金額になります。

著者に10万円程度のの販売管理費を負担して頂き、後は売上の45%を還元したいのです。


さらに、その上での留意点

本の分野や中身によって異なりますが、支払い時期の問題があります。

支払ったものの返品の洪水、支払い金額以上の返金が発生することさえあります。

たいていは委託期間内に返ってくるのですが、その後も返品の山が続きます。

せめて委託期間終了まで支払いを保留しないと、リスクを被ってしまいます。

個別出版物ごとのご相談になりますが、売上支払いは6ヵ月後からと考えます。


返品率削減のために

大幅な過払いや経費の負担増は、主には返品が原因です。

著名な著者で商業出版として成り立つ本以外は、一般書店ではまず売れません。

紀伊国屋やジュンク堂、丸善、旭屋、三省堂など超大型店以外にそぐわないとも言えます。

アマゾンなどのネット書店や超大型店舗以外はまさにムダ撃ち、大量返品予備軍です。

主な超大型店への配本は欠かせないし、ネット書店を網羅することは必要です。

やはり発売元担当者と取次窓口に任せたほうが、書店売りではムダがありません。


新たな販売方法の開拓が急務です

例えば私のこのブログ、700人くらいの人がリンクを張ってくれています。

ミクシィのコミュニティや他のブログなどを合わせて1500人ぐらいでしょうか。

たぶんその1割、150人ぐらいは私が本を出せば買ってくれます。

まず自分の本の読者層を確保しないと、基礎的な購買予測は立ちません。

この人なら買ってくれると思う人の10%以下が実態です。

自分の読者層を作り出し確保することが先ではないでしょうか。


先ずは、テスト販売みたいなものです

化粧品などのメーカーなら、先ずモニター調査・テスト販売から始めます。

最初から見込みで、それも返品のリスクまで背負って突撃するのは出版業界ぐらいです。

確かにテスト販売用に2、300冊作るのも1000冊作るのも、原価はほとんど同じです。

その点では、1000冊程度作っておくことはやむを得ないと思います。

しかしその後は大型店やネット書店での売上状況等を見ながらの販売促進となります。

ただし小部数しか売れていない場合は、データーが上がってきません。


その上での取り組みです

売れ始めたら連絡が欲しいと大型店の担当者に依頼しても皆無に近いのです。

この一年半の間に「売れ始めましたよ」って連絡をもらったのは私自身の本だけでした。

売れ始めたときに広告を打つのもいいでしょう。それなら費用対効果も読めます。

その段階で中堅どころの本屋さんまで置いてもらうことも意味があります。

本が売れるかどうかは読者が決めることで、残念ながら著者や出版社の力は及びません。


ネット仲間、あるいは直接の交友を増やす以外には

そうなのです。冷たいようですが、残念ながら手段はないと思ったほうがいいでしょう。

本の売れ行きは、そのままその著者本人の交友の広さの証明です。

さらにその著者が直接売ったなら、すべてその著者の収益です。

大型店やネット書店の取扱いは必要不可欠でもプラスアルファーの気持ちが必要です。


今日の最後に

本を作りたいと思っていたけど、こんなんじゃ止めようと思った人も多いと思います。

JPS出版局を立ち上げようという矢先に紹介する話ではなかったかも知れません。

それでも作りたい本、きっと分かってくれる人がいるはずだと思える本があるはずです。

そんな著者の思いが一杯詰まった本を手掛けたいと思っています。

でないとJPS出版局に協力しようと集まったネット仲間も虚しくなります。

売れる本よりも売りたい本を手掛けたいと思っています。





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Last updated  Sep 29, 2006 10:40:53 PM
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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
KURADON @ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) わあっ❗️ いきなり KURADONさん とでた!…
マリア4415 @ Re:会おうね。関西の人、中国地方の人(08/05) はじめまして。突然お邪魔して申し訳ない…
秦野の隠居@ Re:よかった(04/28) のりのりさん ----- 完全復活です。 アメ…
のりのり@ よかった 久しぶりにのぞいてみたら、ご隠居さん本…
秦野の隠居@ 引っ越しました 楽天ブログを再開しようと思ったけど、ど…
秦野の隠居@ Re[3]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- 後ほどご連絡させて頂…
パパイヤ@ Re[2]:秦野の隠居です(04/28) 今、メールを送らせて頂きました! 上記の…
秦野の隠居@ Re[1]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- いつでも相談に乗りま…
パパイヤ@ Re:秦野の隠居です(04/28) 良かった。 本当に生きてらっしゃる!(笑…

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第一章 もっと手軽に自分の本を作れたら


第二章 協力出版と懸賞募集の甘い罠


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第四章 本にする原稿をまとめよう


第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


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第二章 山里「コンタ」発見


第三章 知らないってことは


第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


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