ちょっと本を作っています

ちょっと本を作っています

Oct 1, 2006
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今日の本作りサロン JPS 出版局
売れない小説の、書き方、作り方、売り込み方



ジャンルによって異なります。個人出版の依頼の多い分野から順番に紹介します。
依頼が一番多く、「やめたほうがいいですよ」とつい言ってしまう小説からご紹介します。
本当は「大変だよ。でも、それでも挑戦して欲しい」って思っているんですけどね。



なぜ新人の小説が売れないか

これも単純明快です。読者がいないからです。

「あなたのファンは何人いますか?」

原稿を持ってきてくれた人に、のっけから私は質問します。

「いえ、まだ本が出ていませんから」

「ファン以外、買うわけないじゃないですか。誰が買ってくれるんですか?」

冷静に考えれば、ファン以外、買ってくれなくて当たり前です。


あなた自身、どのような小説を買いますか?

著者別に並べられた棚の、自分のお気に入りの著者の本から選んでいるでしょう。

たまに浮気心を出したとしても、聞き覚えのある著者の本じゃないですか。

当たり外れが少ない自分の好きな著者、著名な著者の本であることが最低条件です。

新人を物色するような、物好きな読者に会ったことがありますか?


読み終わらなければ良し悪しが分からない

推理小説を例に取りましょう。

「つかみ」と呼んでいますが、まず読者はイントロの部分で判断します。

「これは面白そうだ」「どのような展開になるんだろう」

期待を与えるためには、まさに「つかみ」で勝負です。

さまざまな展開があって、大団円です。

でも、読み終わって初めて、その本の良し悪しが分かるのではないでしょうか。


「つかみ」が良くても

読み終わらなければ良し悪しが分からない。

ということは、この著者なら期待を裏切らないだろうと思わなければ買いません。

新人、知名度のない著者には、確信が持てないのです。

だから買わない。読もうともしない。これが現実です。

ただで貰っても、果たして読んでくれるかどうか難しいところです。


先ず、ファンありき

「ファンを作りなさい。あなたの読者をつかみなさい」

これが小説類を持ち込んでくる著者への私の口癖です。

「本も出していないのに、ファンなんて出来っこない」

ほとんどの人がそう思うようです。

同じじゃないですか。本を出しても誰も読んでくれなければ。

それにね。いるんですよ、あなたの読者が。

先ずは家族、さらには知人です。

そのような人たちさえ読んでくれない本を、赤の他人が読みますか?


100人の愛読者さえつかめれば

そう、先ずは100人の愛読者、あなたの小説のファンが目標です。

「意外といけるんだよね、あいつの書いた小説」

その一言が出発点です。そこからファンが広がっていきます。

最初は一人。次に10人。そして20人、30人と増やすしか方法はないのです。

著者自身が自分の読者を広げていく以外に方法はないと断言できます。


新人賞に応募しています

宅急便代のムダです。プリント代のムダです。

新人賞といわれるものも、実績重視です。

売れない著者の本を選ぶなんてことは有り得ません。

売れるから、売れているから選ぶのです。

もちろん、もっと売れるだろうという期待値も審査基準にはあります。

ただ漫然と応募を続けていても、闇夜に鉄砲どころか空砲です。


担当編集者に認められれば

これも期待するだけムダです。

そこそこの文芸もの出版社の編集者は、多くの著者を抱えています。

新人賞を取らせた作家、過去にヒット作を飛ばした作家。

でもその後、まだ活かし切れていない作家がゴロゴロいます。

当てにならない正体不明の新人よりも、そちらを売り出さなければ……。

そうです。担当編集者の能力を問われてしまいます。

「新人賞まで取った作家を活かしきれないのか」と。


三つの関門

小説家を志す人に私が言い続けている物書きの条件です。

先ずは運です。これは本人の努力だけでは何ともなりません。

でも、先ずは「運」なのです。

運命の女神に後ろ髪はないけれど、突然現れるのが女神です。

いまや売れっ子となった小説家のほとんどが運に恵まれたといえます。

運命としか言いようのない出会いが出発点なのです。

「宮沢賢治」「樋口一葉」「金子みすず」

3人とも亡くなってから発掘されました。

それ以前から知る人ぞ知るだったのですが、世に出たのは亡くなってからです。

すべて偶然の産物です。運だけは当てにせず待つしかありません。


運だけで認められた作家もいない

一瞬の幸運も、すぐに過ぎ去ります。

昨年の直木賞作家が誰だったか覚えていますか?

一昨年の直木賞作家は? 3年前の直木賞作家は? その前は?

覚えているのはクイズ愛好家だけです。

幸運に恵まれても、あっという間に忘却の彼方です。

注目されたときに、どれぐらいの次の弾を持っているかが第二の関門です。

矢継ぎ早に繰り出せる作品がストック出来ているかです。

それも読者は我がままです。前作以上の作品を求めます。


小説だけで食えない

現実的な話です。作品だけで食べていけるのはせいぜいトップ30人ぐらいです。

そこそこ知名度のある作家は数百人います。

プロの作家と自称する人は1万人を超えています。

ゴルフなども同じですが、その技だけで生きて行ける人は一握りです。

食い扶持は、講演会、知名度を活かした別の仕事。あとはタカリですかね。

自分のやりたいことと、生活の糧との間の落差をどのように埋めるか。

これが第三の関門です。自己表現を貫徹しようと思う人の十字架です。


自分が生きた証です

いつもながら重い話を書いてしまいました。

いいじゃないですか。自分らしく生きるってことが楽なわけありません。

儲からないけどやりたい、みんなに馬鹿にされてもやりたいことではないのですか。

だから私は、その人が不幸になると思っても、やろうよって言い続けています。

ただ「私は有名作家になれるんじゃないか」の夢だけの人には遠慮しません。

他力本願の夢追い人はウンザリです。

志を立てて自己実現を目指す人とは運命共同体です。


さてさて、どうするか?

小説を書きたい人、小説を出したい人と一緒に悩んでいます。

宝くじより遥かに低い確率なのに僅かのチャンスを一緒に考えています。

どうせ馬鹿同士、三途の川まで付き合っています。

ありとあらゆる可能性を一緒に追いかけています。

JPS出版局を作ったのも、少しでも可能性を広げるためです。

先ずは出来ることから、一歩一歩進めます。


一歩、前へ進むだけだけど

先ずは身近な人からファンになってもらわなければ。

インターネットのお陰で、未知の人さえも身近に感じる昨今です。

もしかすると家族・友人・知人以上の親近感を持ってくれているかも知れません。

ブログやSNSが交友関係を広げてくれます。あなたのファン予備軍です。

わずか数行の日記でも、共感者を得ることが出来るかも知れません。

その数行で魅力を感じてもらえないようなら、文筆家にはなれません。

最初は小説ではないのかも知れません。文章に込められた思いです。

自分のブログなどの文章を、読者の目線で読み直してください。

スーッと想いが伝わって来ましたか? 胸にジーンと来ましたか。


次は短編です

小説家としての構想力は短編のほうが見極めやすい。

だから作家希望の人に、何でもいいから短編を書いて持ってきて下さいと頼みます。

長編を書くのも大変ですが、実は長編だと誤魔化しが効きます。

それに、まだファンになり切れていない人に長編を読んでもらうのは至難の業です。

先ずは、いやいやでも読んでもらう。そのためには短い作品が最適です。

短編を書き溜める必要性は「38万円でも本はできた」にも書きました。

でもここでは、その話は繰り返しません。少し話を先へ進めます。


JPS出版局でも文芸誌を出したいね

一人でも多くの人に、このような作家さんがいるんだよと知ってもらいたいのです。

どこの出版社の文芸雑誌もそうなのですが、赤字です。大赤字です。

それでも出し続けている理由の一つが、作家さんを知ってもらうためです。

必要だと思います。デビューの場です。チャンスを広げるための投資です。

ネット上の小説サイト、さらには小部数でもいいから文芸誌を創刊したいのです。

これもJPS出版局の必要不可欠な課題の一つだと思っています。


オンデマンド出版、小部数出版への挑戦

文芸書での一発勝負はお勧めしません。それどころか、力づくでも止めさせます。

お金を積まれてもお断りです。だって、自殺のお手伝いは出来ません。

ファンを作るのが先決とは書きましたが、印刷物にする必要性も否定しません。

ただ、最初はオンデマンド出版などの極小部数、せいぜい50~100冊が出発点です。

もちろん、これでは全部売れても赤字です。

最初のファン・読者獲得のための基礎工事みたいなものです。

その実績を見ながら、次は1,000部程度の小部数出版です。


小説類はライフワークと考えてください

売れるだろう、儲かるだろうは有り得ません。

世に問いたい、感動させたい、想いを伝えたい。これが出発点ではなかったのですか?

儲けるためなら、あるいは有名になるためなら、小説家への道は最悪の選択です。

ごく少数の小説家を除いて、確率が低いどころではありません。

連続して、ジャンボ宝くじ連番で一等当選みたいなものです。


ここまでは、お手伝いします

上手く行っての話ですが、小部数出版成功まではお付き合いします。

でもその先は私の力の及ばない世界です。私はしゃしゃり出ないほうがいいと思います。

後は力のある文芸書の出版社に委ねるべきだと思っています。

JPS出版局の仕事は、チャンスのきっかけさえつかめない著者のお手伝いです。

あとは自由に羽ばたいて欲しいのです。巣立ちまでしか面倒は見切れません。

ともに考え、ともに悩み、ともに苦労することしか出来ないですからね。


以上を書いた後、一眠り。いま読み返しています。

小説を書くのを諦めようと思った方もいるでしょう。

私は、あなたに続けて欲しいのです。私もお手伝いを続けます。

幾つになっても、私もあなたも発展途上人。苦労は必ず実を結ぶと信じています。

もうダメだと思った後の努力と苦労。自分の限界への挑戦です。

それが自分自身を鍛えてくれるのではないでしょうか。





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Last updated  Oct 1, 2006 02:23:41 PM
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聖書預言@ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
KURADON @ Re:ネットを再開するぞーっ! と思ったとたん(04/28) わあっ❗️ いきなり KURADONさん とでた!…
マリア4415 @ Re:会おうね。関西の人、中国地方の人(08/05) はじめまして。突然お邪魔して申し訳ない…
秦野の隠居@ Re:よかった(04/28) のりのりさん ----- 完全復活です。 アメ…
のりのり@ よかった 久しぶりにのぞいてみたら、ご隠居さん本…
秦野の隠居@ 引っ越しました 楽天ブログを再開しようと思ったけど、ど…
秦野の隠居@ Re[3]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- 後ほどご連絡させて頂…
パパイヤ@ Re[2]:秦野の隠居です(04/28) 今、メールを送らせて頂きました! 上記の…
秦野の隠居@ Re[1]:秦野の隠居です(04/28) パパイヤさん ----- いつでも相談に乗りま…
パパイヤ@ Re:秦野の隠居です(04/28) 良かった。 本当に生きてらっしゃる!(笑…

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両国の隠居の自慢話


テスト


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チェック


38万円で本ができた


第一章 もっと手軽に自分の本を作れたら


第二章 協力出版と懸賞募集の甘い罠


第三章 自分の本を作りたい理由を考えよう


第四章 本にする原稿をまとめよう


第五章 自分の本を売ってみよう


第六章 安く本を作る方法を考えよう


第七章 物書き稼業と編集者稼業の裏表


第八章 昨今の出版業界のお寒い事情


第九章 いまどきの本屋さんと物流事情


第十章 出版業界こぼれ話


【出版後記】


負けてたまるか


その1


その2


その3


その4


その5


その6


舞台裏からの独白


すぐそこの田舎暮らし


第一章 先住民/黒猫の『タンゴ』


第二章 山里「コンタ」発見


第三章 知らないってことは


第四章 竹の子で仲間を釣り上げる


第五章 森の天使の小さな落し物


第六章 小悪魔『チビクロ』参上


第七章 チビクロ砦とチビクロ王国


第八章 まったくもう、田舎暮しってヤツは


第九章 チビクロ、チビコゲへ変身中


第十章 隠れビーチで日向ぼっこ


第十一章 チビクロ、何処へ行こうか


第十二章 何で、お前まで行ってしまうの


第十三章 ムジナに見送られ、街へ帰る


エピローグ みんなで遊ぼうよ


両国・千夜一夜物語


前編


後編


はみ出し人生・出版屋稼業


第一話 私の出版屋事始め


第二話 ちょっぴり生意気だった理由


第三話 出版企画会議の話


第四話 土木から資格試験へ


第五話 工学書転じて実用書に 


第六話 なぜかスキー書


第七話 退職、そして創業


第八話 行け行けドンドンの始まり


第九話 原稿は役員専用車で届く


第十話 スパイにされちゃった


第十一話 ただ酒、ただ飯、お土産は仕事


第十二話 閃いた


第十三話 出版から映像へ


第十四話 ヒットチャートに載っかった


第十五話 思えば、いろいろやったもんだ


身も心も捧げた女は飽きられる


プロローグ


第一章 身も心も捧げた女は飽きられる


第二章 したたか女はイイ女


第三章 女の勘違い


第四章 私の出会ったイイ女列伝


エピローグ


ナタマメ狂想曲


第一話 なぜナタマメ茶を作ったのか?


第二話 やっぱり巻き込まれてしまった


編集後記


ご協力をお願いします


2


ちょっと振り返ってもらえませんか


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ブログ仲間(その2)


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健康でいて欲しいから


原稿の書き方、本のまとめ方


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秦野の四季


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