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2021.08.10
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カテゴリ: 羅須地人協会時代
8月になり、水稲の草丈が伸び、穂が出ると、重心が高くなり、倒伏の危険があります。
倒伏を描いた詩は、「もうはたらくな」が有名ですが、この「ぢしばりの蔓」はそのもととなった作品です。
「死んでとれる保険金」で「弁償」とは、ぶっそうな表現ですが、責任を感じて必死に働く賢治の姿が見えるようです。

(本文開始)

一〇八七
        一九二七、八、二〇、
……ぢしばりの蔓……
もう働くな
働くことが却って卑怯なときもある

おれの教へた稲をあちこち倒したために
こんなにめちゃくちゃはたらいて
不安をまぎらさうとしてゐるのだ
……あゝけれども またあたらしく
  西には黒い死の群像が浮きあがる
  春には春には
  それは明るい恋愛自身だったでないか……
さあ
帰ってすっかりぬれる支度をし
切できちっと頭を縄って出て
青ざめて

一人づつぶっつかって
火のついたやうにはげましてあるけ
穫れない分は辨償すると答へてあるけ
死んでとれる保険金をその人たちにぶっつけてあるけ

(本文終了)









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最終更新日  2021.08.10 04:57:50
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