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備前焼。私にとって、最も身近な焼き物です。無釉の素朴な味わいからは、悠久の時間を感じます。今日は備前焼のお話で、一息つきたいと思います。中村六郎さんの徳利がありました。六郎さんは、大酒飲みで有名です。酒をこよなく愛する六郎さんの作品といえば、やはり徳利です。人間国宝 金重陶陽に師事した経歴もありますが、その経歴よりもその人なりが魅力です。中村六郎さんの陶印は、魯山人に良く似ています。間違える人がいないかと心配です。もっとも焼きで分かりますが。その中村六郎さんも、今はもういらっしゃいません。平成16年に亡くなられました。昨日は備前のぐい呑みでお酒を頂きました。悠久の時間を感じつつ、すごした時間でした。
2007.02.28
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「このすばらしい世界」は、ガガーリンと出会ったロバを描く絵本。もう昔になりますが、ユーリ・アレクセービッチ・ガガーリンは、人類初の宇宙飛行を達成します。1961年のことになります。地球は青かった。その言葉は、私たちに大きな誇りを与えました。私たちの地球は、宇宙でかけがえがないほど美しいのだと。地球は知っていたのでしょう。いつか人類が、その美しい地球の姿に気がつく日が来ると。そしてその地球の大切さを、実感する日が来るのだと。宇宙飛行から7年後、英雄は飛行機事故で亡くなります。でもそれは、幸せなことかもしれません。今日の地球に起こっていることを、知らないで済んだのですから。私は、今もう一度、ガガーリンの言葉を思い出します。地球は青かった。これからも私たちは、地球のこの青さを保つことができるでしょうか。
2007.02.27
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日本には古い鍵、つまり和錠として4つの代表的なものがあります。徳島の阿波錠は、装飾が豪華。高知の土佐錠は、大型で頑強。鳥取の因幡錠は、大型で薄手。鳥取の安芸錠は、大型鍛造製。今日はねこさんも錠前になっているけど、きみは除外するよ。和錠は実用品ですが、美術品でもあります。しかしその装飾は、錠前が富の象徴であることから、権力のあかしとして生まれたものでもあります。豪華な錠前は、そのために作られました。今日でも錠前や鍵の役割は、一層高まっています。私たちの安全を守る大切な道具として。役割を変えながらも、私たちにとっての鍵の重要さは変わりません。道具は使う人によって、良くも悪くもなります。錠前になって、私たちを守ってくれるねこさん。きみたちが泣かないように、道具は正しく使うことにするよ。
2007.02.26
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絵本「水平線の向こうから」は、旅立つお母さんが娘に伝えるメッセージ。絵本で、お母さんは不治の病です。その旅立つ者が、残される者に伝えるべきこと。それは・・・・死は失われることではなく、見えなくなるだけのことです。いつも心の電話はつながっています。目を閉じて、お母さんの顔を思い出しましょう。目を閉じて、庭の花をじっと見ましょう。そして、庭の花に、お母さんの顔が浮かぶまで、それを繰り返すのです。そうすれば、心の電話はつながります。いつかは、愛する人を残して、旅立つ日が来ます。旅立つことの意味を伝えることが、残された者への責任だから。私たちは旅立つとき、悲しみの他に何を残せるでしょうか。
2007.02.25
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ねこさん、なぜ急激に、生物は多様化したのでしょう。カンブリア紀の爆発は、なぜ起こったのでしょう。アンドリュー・パーカーは、その問いに最新の学説で答えます。それが光スイッチ説。地上を照らす太陽光が、カンブリアの初期にわずか増加します。光は生物を刺激し、急速な眼の進化を促します。そうです、まさにこの時、生物は眼を獲得したのです。ハンターは眼で獲物を狙い、狙われた生物は硬い甲殻やカモフラージュで身を守り始めます。その結果、生物は急激に多様化します。眼ができたこと、これが生物の急激な進化のきっかけです。生命を脅かす淘汰圧は、生物の進化を促します。進化しなければ、生き残れないからです。急激な地球の温暖化は、大きな淘汰圧となって私たちに迫ります。眼に代わり、自然の痛みを知る新たな感覚を身に付けなくてはなりません。自然を守るために、私たち自身を守るために。今、私たちは進化の必要に迫られています。
2007.02.24
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5億4300万年前、突然に多様な生物が地球上に現れます。この急激な生物の進化。これが生物進化史上で最大の出来事、「カンブリア紀の爆発」。カンブリア紀には、今日では絶滅した多種多様な生物も出現します。NHKの放送で有名になったアノマロカリス。どこが頭かも分からないハルキゲニア。学会の聴衆をその姿で爆笑させたオパビニア。今日では絶滅し、その後の生物にもつながらない独自の姿の生物達。その生物達は、昔、川崎悟司さんのブログで拝見していました。カンブリア紀のバージェス動物群あたりが面白いと思います。ただし、虫は嫌い!という方はご覧にならない方が良いでしょう。また冗談で、空想の生物も紹介されていますので、ご注意ください。川崎さんのブログは人気でしたので、今日では「古世界の住人」という本も出版されています。こちらも拝見しましたが、ブログの生物が1頁に1つ紹介されています。ほとんどが絶滅した中、生き残ったのは、なんとピカイアです。脊椎を持つ、まさに人類の祖先。しかし、その姿はなめくじそのもの。なぜこの生物が生き残れたのかは不明です。ただそのおかげで、現在の人類が存在するのです。カンブリア紀に爆発的に多様化した生物。しかしその生物が絶滅する時は、より一瞬であることを、私たちは忘れてはなりません。
2007.02.23
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蘭を始めとした花々は、色彩に満ちている。世の中には、多くの色が存在する。そう思うよね、ねこさん。でも、よく考えてみましょう。色は、そこにあるわけではないのです。そこに存在するのは、光を屈折、偏光させる物質にすぎません。綺麗な洋食器の赤色は、赤い光を発しているわけではありません。ねこさん、きみも茶色や白色の光を生み出してはいません。世界が色彩に満ちているのは、特定の波長の光を反射しているからに過ぎないのです。こんな当たり前のことを私は忘れて、色がそこにあると思います。でも色は存在しないから。だから紫外線を見ることのできる昆虫から見た世界は、全く異なる色彩の世界です。実在しない色を探して、私は陶磁器を求めます。けっして手にすることのできない色の世界。それが私たちを、永遠の夢への追求に駆り立てる“存在”なのです。
2007.02.22
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昨日、2/20に皆様のお陰様で、2万アクセスを達成しました。なにげなく始めたブログが、ここまで続くとは思いませんでした。皆さん、ありがとうございます。振り返りますと、1万アクセスが12/11達成、1万5千アクセスが1/28でした。正確には分かりませんが、今回、2万アクセスは、しいな☆pinkroseさんが最も近かったご様子です。SIR JAPANさん、★野いちご★さんもかなり近かったと思います。実は驚きましたことに、今回の2万アクセスのしいな☆pinkroseさんは、前日に同じく2万アクセスを迎えられています。偶然ですが、驚きです。また2/20は、いつもご訪問下さる吹雪深雪さんも、なんと30万アクセスを迎えられました。桁違いのアクセスですが、同じ日にキリ番となれ光栄です。今回のキリ番は、偶然が重なりました。これもブログの面白さかと思います。これからも、この様な偶然を求めて、ブログを続けたいと思いますので、よろしくお願いします。
2007.02.21
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文豪ゲーテは恋多き人。生涯に、幾人もの恋人と出会います。そんなゲーテが結婚したのは、16歳年下のクリスティアーネ。長く辛い愛人生活の後のことでした。ゲーテは高名な文豪にして、枢密顧問官。一方のクリスティアーネは、教育を十分に受けられなかった造花工場で働く女性。貴族社会の風は、そんな彼女に辛く当たります。結婚に際して、既に妊娠していた彼女は犯罪者扱いをされ、郊外に追い出されます。その間も、ゲーテは新しい愛人との交際を続けます。ゲーテの全てを受け入れること。それが彼女の宿命でした。晩年、病気のゲーテを看病するクリスティアーネ。しかし彼女の体調は、ゲーテ以上に悪かったのです。結局、彼女は病に苦しみ、16年も早くゲーテより先立ちます。彼女の最期の日々に、ゲーテは彼女を看取ろうとはしませんでした。彼女の死に耐えられない。それがゲーテの言い分でした。ゲーテも来ない寝室で、彼女は長い病気の苦しみに、孤独にもがきます。孤独から、強い痙攣の苦しみから開放された、彼女の直接の死因は尿毒症。そして初めてゲーテは、友人に手紙を書きます。「私の愛する人が、かわいい妻が、この日我々のもとを去った」孤独な妻には、かけられなかった言葉です。天才を愛することは、かくも残酷なことなのです。
2007.02.20
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浮き彫り彫刻を施した宝石は、カメオと呼ばれます。カメオ、それは2色の宝石を意味します。沈み彫りの宝石、その呼び名はインタリオ。カメオはその美しさとは裏腹に、多くの戦火を経験してきました。その貴重さゆえに、戦利品として略奪されてきたためです。カメオを愛したナポレオンと、その王妃ジョセフィーヌ。ふたりは愛し合いながらも別れ、悲劇的な死を遂げます。今日、大英博物館のコレクションには、貴重なカメオがあります。それはアゲート(メノウ)でも、シェルでも、サファイアでもなく、ダチョウのたまごに彫られたカメオです。名もない農夫がたわむれに彫ったと思われるこのカメオは、争いを知らない純粋な美しさを今日に伝えます。私たちは、カメオを前に考えなくてはなりません。私たちが後世に残すもの。それは、ジョセフィーヌの悲しみでしょうか。それとも農夫の微笑みでしょうか。 ">
2007.02.19
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ねこさん、女神ベルセポネは、まだ冥界から戻らないだろうか。かつて、女神ベルセポネは、ハデスによって冥界に連れ去られました。大神ゼウスは、彼女を地上に帰すように命令します。ところが彼女は、冥界でザクロの実を4粒食べてしまいました。ザクロの実を食べた者は、冥界に帰する義務があります。そのため、彼女は1年のうちの4ヶ月を冥界で過ごすことになります。ベルセポネが冥界に戻る4ヶ月。この間は、彼女の母親で豊穣の女神デメテルは、悲しみに心を閉ざします。そのため、この間、草木は枯れ、種も芽吹くことはありません。冬の到来です。昨日も雪が降りました。ベルセポネが冥界から戻るには、まだ時間がかかるようです。しかし草木は確実に、春を迎える準備をしています。春を待つ草木の寡黙さからは、かならず春は来るという安心感を得ることができます。ベルセポネが冥界を後にするその日まで、私たちは信念を持って、春への準備をしておかなくてはなりません。彼女の帰還を、母親デメテルの微笑と共に祝うために。飛躍につながる春を迎えるために。
2007.02.18
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洋食器によく見られるラスター彩。白釉の上に金属酸化膜を薄く塗り、特有の虹色の模様を発色させる技法。虹色の模様は、タマムシ等の昆虫でもみられます。虹色の模様は、自然にも多くある色彩。反射する基材の上に薄い膜があると、膜の表面で反射した光と、膜を通過し基材で反射した光とで干渉が起きます。つまり見る向きよって、特定の色の光が強まったり、弱まったりするのです。その強め合う光の反射率は8%程度。それでも他の単一色より強い光で、自然界では注目を集めます。そのため昆虫も、虹色の模様を採用してきました。人もそんな輝きに魅かれたのか、ラスター彩を古くから使いました。今日もまだ使われるラスター彩は、人類の光への憧れを伝えているのかもしれません。
2007.02.16
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歴史から忘れられた女性、ミレヴァ・アインシュタイン。アルバート・アインシュタインの最初の妻にして、悲劇の女性。ミレヴァはアルバートが学生時代から交際。この時から悲劇は始まります。結婚を先延ばしにされ、婚前に女子を授かります。両親の猛反対後に結婚。しかし、その女の子の姿はありません。養子に出されたのでしょうか?今では誰も知りません。ミレヴァは、アルバートと対等の物理学者でした。しかし結婚によって、そのキャリアを捨てます。アルバートの妻として生きることを選んだのです。間もなく1905年に、アルバートは相対性理論を発表します。その理論には、ミレヴァの考察も反映されているのではないか?それが最近浮上してきた説です。しかし相対性理論の栄光は、アルバートにのみ与えられます。学者の道を捨て、妻であることに徹したミレヴァ。それにも関わらず、アルバートは愛人エルザを愛し、ミレヴァを捨てます。ミレヴァはその後、精神を病み、忘れられ、亡くなります。世界的に有名になったアルバート・アインシュタインは、こう言いました。「結婚は、想像力を欠いたブタによって発明されたものだ」天才アルバート・アインシュタイン。彼は本当に偉人でしょうか。
2007.02.16
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先日の日記で、ジョサイア・ウェッジウッドの孫が、ダーウィンだと話しました。ではねこさん、ジョサイアの息子はどうだろう。実はジョサイアの息子、トム・ウェッジウッドは化学の世界で有名。紙や皮に硝酸銀を染み込ませ、その上に葉を置く。そして日光に当てると、硝酸銀が還元されて、葉の形が焼きつく。つまり簡易な白黒写真。1802年、まだ日光写真も完成する前の偉業。化学への興味や、紙や皮などに焼き付ける実用性。このあたりはウェッジウッド家らしい。この後に写真は進化していくが、そのきっかけは彼の業績。すばらしい家系。ところで、ねこさん。中央のカメラは面白い。こんなデジカメがあるんだね。しかもローライフレックス。画角が6×6判なのも面白い。ねこさん、きみを撮ってあげようか。
2007.02.15
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世界で初めて飛行機で空を飛んだ男、サントス・デュモン。こう言うと、きっと皆さんは間違いを指摘されるでしょう。それはライト兄弟だと。サントスは飛ぶことを愛し、1901年にはエッフェル塔を飛行船で30分以内に周回。そして1906年の複葉機14bis号は220mを21.2秒飛行し、世界初の飛行に成功したと認定される。生涯に22機の飛行船と飛行機を開発したパリの英雄。彼はお洒落で紳士的。“ハイカラ”は彼の白く高い襟に由来する。カルティエはお洒落な彼の名を取り、腕時計サントスを発表した。昼食を取りに飛行船で散歩し、小型飛行機で飛行を楽しむ。飛行技術の普及のために、彼は特許も取らず、お金も受け取らなかった。パリ市民は人柄の良い彼を愛し、プティ・サントスと讃える。しかし数年後、世の中は一変する。ライト兄弟が、突然、1903年12月に飛行に成功していたと主張。冷淡な性格のライトをパリ市民は嫌いながらも、次第にサントスの空の英雄の座は奪われる。そして、さらに戦争が始まる。彼が愛した飛行機は、最も有効な殺人マシンと化す。加えてこの頃、彼は多発性硬化症になり、精神的に悪化をたどる。飛行機が殺人に使われるのに耐えられない彼はブラジルへ。彼を歓迎する水上飛行機が、著名人を乗せて飛び立つ。しかし歓迎のメッセージを落とすはずの飛行機は、彼の目の前で爆発。乗客全員が死亡。飛行機が人を殺す。彼にとっての最悪の出来事。「わたしごときのために、いくつの生命が犠牲になったことか」彼は取り乱し、全員の葬儀に参加。病状は悪化する。事態はさらに悪化。ブラジルも参戦する。1932年7月23日。彼は飛行機が、爆弾を落とす様子を目撃する。飛行機が罪のない人を殺す・・・・。発作的に、彼は首にネクタイを巻き、そしてフックに掛けた。かつて彼は栄光を讃えるパリ市民にネクタイを投げた。そして今、そのネクタイが彼の命を奪う。サントスの名は、1978年にカルティエが腕時計サントスを復活させるまで、ほぼ完全に忘れ去られた。特許で儲けようとしたライト兄弟とは異なり、彼が特許も何も取らなかったため。控えめな彼の性格が、彼の存在を忘れさせた。私は思いたい。本当に空を愛した、世界初の飛行機乗りはサントスだと。
2007.02.14
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ヘキスト。マイセンに次ぐドイツ第2の古窯。マイセンが守り続けた陶磁器の秘法を、レーヴェンフィンクが裏切り流出させた。彼が開いた工房では、当初はファイナンスを製作する。ファイナンスとは粘土表面に薄い釉薬を塗ったもの。レーヴェンフィンクでは、磁器は作れなかったのでしょうか。1746年のヘキスト設立のわずか4年後に、レーヴェンフィンクは解雇される。その後のウィーンからの技術により、ヘキストはようやく磁器の生産を開始する。ヘキストの代表的な図柄には、小さな青い花と葉のやぐるま菊の模様がある。小さく散らばる花や葉は、当初は劣った技術による白磁表面のしみを隠すため採用された。ヘキストの全盛期は、18世紀後半に天才造形師メルヒオールによって築かれる。宮廷お抱え造形師として庇護されるが、選帝侯が交代後は冷遇され、ヘキストを去る。しかしその後の二つの工房で、彼がかつての輝きを見せることはなかった。またヘキストも、彼を超える人材は得ることはできなかった。メルヒオールが得意とした子供のフィギュリンは自然体。そのフィギュリンは、可愛さよりも、やんちゃないたずらっ子。子供の傍に置かれた玩具のフィギュリンには、彼の亡くした実子たちへの思いがある。自然に、あるがままに。その伝統は、今もヘキストに引き継がれている。
2007.02.13
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聴導犬第1号として国の認定を受けていた美音ちゃんが、2007年2月2日に引退していたことを知りました。今後はブランカちゃんが後任となります。飼い主の松本江理さんは、インターネットでも美音ちゃんのことを多く紹介しています。その更新が止まっていましたので、少し心配でした。今回、美音ちゃんが12歳になり、引退を決断されたそうです。今日の本は2003年の本。江理さんは、この頃から美音ちゃんの今後を迷っていました。当時は世間の聴導犬の認識も薄く、お店に入れないこともしばしばでした。入場拒否の際に美音ちゃんを入れる「美音バッグ」から苦労が偲ばれます。11kgもある美音ちゃんを背負って歩くのですから。聴導犬を引退しても、美音ちゃんは江理さんと一緒に生活されるそうです。本来は聴導犬と他の犬を一緒に飼うのは良くないのでしょうが、やはり今回の決断となりました。美音ちゃん、これからは普通の犬として、江理さんに甘えてすごしてください。
2007.02.12
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私の右目で見る世界は、ざらつき、荒れている。砂嵐の様なゴーストが、平衡感覚を狂わせる。ねこさん、私は右目で何を見ているのだろうか。私の右目は弱視。生まれつき、ほとんど見えない。右目には映りの悪いテレビの様な、粒子の飛び交う世界が広がる。波打つ粒子の世界がもたらすのは、歪んだ嘔吐感。かつては正常な左目も、今では0.1以下の強度の乱視になった。しかし左目はコンタクトで矯正できる。右目は弱視だから、矯正することはできない。一度も正常な世界を、私に見せたことがない右目。私の右には粒子の支配する闇が、左には光の世界が広がる。私は生まれてから、ずっとその世界を見つめてきた。それでも右目は外観上は正常。見えなくても、視線に異常はない。涙も流れる。私の右目の異常には、気づく人は誰もいない。ただ私にのみ、その異常を伝える。誰にも見せることができない粒子の世界。それが私だけの世界。右目は私に、何を見せようとしているのか。
2007.02.11
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琥珀からは、恐竜を再生できない。恐竜の血を吸った蚊が、琥珀の中にいたとしても。数百万年の歳月は、恐竜のDNAを破壊する。DNAはそれほど長く、保存されるものではない。悠久の歳月で分解され、消えてゆく、琥珀の中の生命の情報。恐竜はもう戻っては来ない。それでもDNAは、数十万年なら保存される。今、数万年前のマンモスのクローン再生が検討されている。自然の摂理に抵抗する人間の試み。考えてみたい。マンモスはなぜ姿を消したのか。彼らを滅ぼしたのは誰なのか。人間の記憶はDNAより儚く消えるようです。かつて異常気象は、95%以上の地球上の生命を滅ぼした。自然の摂理は、残酷なほどに明瞭。そして今、地球は史上最速の温暖化を迎えている。本当にマンモスは、今の地球に蘇ることを希望していますか?私は知りたい。今から数万年後、人間をDNAから蘇らせるのは誰なのかを。
2007.02.10
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文明って何だろうね、ねこさん。サモア島の酋長ツイアビが、初めて文明を見た時の話。30年前から繰り返し出版されている本だから、ご存知かもしれません。和田誠さんの挿絵もふさわしい。パパラギ。それは私たち文明人。パパラギは、都市を作ったことを自慢する。しかしそこには、木も、空の青さも、明るい空も、雲もない。そんな都市がパパラギの自慢。パパラギは必要以上に働き、しかも苦しみながら働く。楽しんで働きはしない。パパラギは早く着くことだけを考えて、死ぬまで走り続ける。パパラギはもっと時間が欲しいと言う。時間は次々に現れてくるのに。パパラギは、愛のない奇跡のために、機械に愛を食べさせている。ツイアビはこう語る。「自然の大きな力は、私達が迷わないように、光で道を照らしてくれる。光。それは愛し合う心、挨拶を蓄えた心。」私たちにとって、文明から飛び出すことは難しい。しかし、ツイアビの声にも耳を傾けよう。私たちにも、“思い出すこと”はできるのだから。
2007.02.09
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進化論で有名なチャールズ・ダーウィン。その祖父が、ウェッジウッドの創業者で有名なジョサイア・ウェッジウッド。ウェッジウッドのイメージは、ジャスパーのブルー。しかしジョサイアは黒を好んだ。「黒は純粋であり、永遠である」その思いから、ブラックバサルト、つまり黒い玄武岩の様なせっ器を愛した。ストーク・オン・トレントの駅前に立つジョサイアの像は、ポートランドの壺を手に両足で立っている。しかし実際のジョサイアは天然痘で12歳から足が不自由。38歳で右足を切断する憂き目に会う。しかしジョサイアはそれをばねに、陶芸を巨大産業に成長させる。不断の努力と、天才的なビジネスセンス。苦難を乗り越えた時、人は本当の才能を発揮する。
2007.02.08
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1773年、ロシア・ロマノフ朝のエカテリーナ大帝は、ウェッジウッドに952点のディナー・サービスを注文した。その一点、一点には、英国の風景を手描きするという条件で。3年はかかると言われたこの注文を、ウェッジウッド社は1年でこなす。クィーンズウェアの名を許されたウェッジウッド 社の躍進のきっかけ。紋章の様な蛙の図柄が入ったこの洋食器は、「フロッグサービス」と呼ばれた。なぜ、かえるか? それはこの食器を使う宮殿のそばに、蛙のたくさんいる沼があったから。おしかったね、ねこさん。きみたちが宮殿のそばに居れば、今頃は「キャットサービス」だよ。でも無理だね、きみたちはじっとしていないから。それにこの名前は宅配便みたいだから、やっぱり蛙でよかったよ。
2007.02.07
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セザンヌの絵を見ていると、頭が痛くなってこないかい、ねこさん。例えば、この静物画。テーブルが左右でねじれているよね。右の籠は真横から見ているのに、中央の壺は斜め上からの視点。その横の壺も真横からで、傾いている。右の洋ナシは大きく、左の洋ナシはとても小さい。見ているとめまいがしてくる。絵の中でしか存在しない空間をセザンヌは描く。それがセザンヌの手法。そうは分かっていても、私はセザンヌが十分に理解できない。抽象絵画ではないために、なおさら不思議な空間。それがセザンヌの世界。
2007.02.06
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改めてマイセンの勉強がしたくなり、手にした本「マイセン磁器」。この本には、ケンドラーのフィギュリンが多く紹介されています。生き生きとした躍動感、その瞬間の表情、全体が調和したバランス感。他の作家と一線を画す作品の数々。まさにケンドラーは天才。ケンドラーが今日に残すカップの形、ノイアー・アウスシュニット。「新たに切り出した」の意味を持つ、カップの縁の波打ち型が特徴。下の左のカップの形。もうひとつの現代マイセンのカップの形状は、右のグローサー・アウスシュニット。ルードヴィッヒ・ツェプナーが考案した睡蓮をイメージした形。ツェプナーは2001年に、磁器のパイプオルガンの製作にも成功する。皆さんはどちらのカップがお好みですか。この本には完璧な完成度でプレートに模写された、フェルメールの「窓辺で手紙を読む娘」が紹介されている。再現不可能なほど見事な模写だが、その作者は知られていない。多くの芸術家が織り成す宝箱、それがマイセンの歴史。
2007.02.05
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古い話ですが、映画タイタニックを見た時のことです。一般的には事故の悲劇性や、主人公の恋愛物語に感動するはずの映画。しかし私の印象に残ったこと。それは高齢のローズにとって、あの事故も一時の出来事に過ぎないこと。人生は、多くの出来事を乗り越えていくもの。今日の絵本「岸辺のふたり」は、幼くして父親と別れた少女のお話。少女は父親と別れた岸辺に通いつつ、歳月とともに成長していきます。結婚し、子供生まれ、幸せな生活を送る彼女。しかし父親との再会は叶いません。高齢になり、人生の喜びを享受してきた彼女。今も待ち望むのは、父親との再会。そして、水もなくなった岸辺に横たわる彼女。静かに目を閉じる・・・ねこさん、この後、彼女は父親との再会を果たしたよ。それは彼女が待ち望んでいたこと。でもね、ねこさん、分かるよね。この世では叶わないことを、実現するのがどういうことか。人生は長く、個々の出来事は一瞬にすぎない。それでも、刻まれた思い出は、一生消えることはない。
2007.02.04
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根付は小さな美術品。木、象牙などに細かな細工が施される。根付の歴史は意外と新しく16世紀以降。18~19世紀に大ブームを迎える。神様、聖人、妖怪、動物など、根付の題材は、多岐に富んで面白い。ただ、海外のコレクターも多く、高価な根付も多い。数多く収集はできないので、本で楽しむことに。この本にも、404種類の根付の写真があり楽しめる。なぜ先人は、これほど面白いデザインを考えることができたのでしょう。
2007.02.03
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綺麗な写真と面白いコメントが楽しみで、私がいつもお邪魔させて頂いているブログがあります。それはだいふく007さんのブログです。だいふく007さんの面白い日記に、いつも私は狼藉三昧。先日も飛行機をハイジャックしてみたり、牛の刻参りで呪ったりしました。挙句の果てに自作の手作り品を落札まで。もはや荒らしに近いコメントですが、しっかりと返して頂き、感謝しています。さて1/30の日記で髪型が個性的になっただいふく007さんに、前日の日記の夏目漱石の夢日記を引用して、私は下記のコメントを書きました。【第八夜】白い着物を着た大きな男が、自分の後ろへ来て、鋏と櫛を持って自分の頭を眺め出した。白い男はやはり何も答えずに、ちゃきちゃきと鋏を鳴らし始めた。白い男が、こう云った。「旦那はロックを始めなすったか」 自分は云った。「髪の毛の中に色々隠せて便利なんだよ」【第九夜】 第八夜が夢だという夢を見た。問題は第九夜。「第八夜が夢では“ない”という夢を見た。」と書くと、第八夜は夢となり、個性的な髪型も夢になる。しかし「第八夜が夢だという夢を見た。」では、第八夜は夢ではないとなり、髪形も普通に。おやっ? でも第八夜はもともと夢のはず。それが夢ではない??分からなくなりました。パラドックスです。皆さん、だいふく007さんの髪型が、どちらに決まるか教えてください。ちなみに、だいふく007さんは期待通り、第十夜の続きを返して下さいました。ハナマルを差し上げます。
2007.02.02
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人は月に誓い、月の下で歴史を刻んできた。月は太古から変わらない。夜、月光はその下に広がる街を照らす。月光に照らし出された街並みは、青白くいつもと違う顔。人の目は暗闇では、短波長の青や白に敏感で、長波長の赤に鈍感になる。そのため月下の風景は青白い。地球からの反射光が月を照らす。地球照。新月前後の月は、地球照で本来見えない暗い部分を浮かび上がらせる。月の幻想的な別の顔。青白い月下の街。地球照で浮かび上がった、本来見えない月の姿。人は、満月の下の人も、やはり月に従うのかもしれない。ルナティック。毎年、重力の影響から、3.8cmずつ地球から遠のく月。そんな月への思いは、いつまでもまとまることがない。月下で恋が生まれるとしたら、それはまさしくルナティック。
2007.02.01
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