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2019.08.22
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カテゴリ: ロコメート
これまで多田製作所のロコメートについて何度かご紹介してきましたが,いくつかの点を補足しておきたいと思います。既に書いたことと重複する点もありますが,ご容赦願います。

<4種類のセット>
ロコメートには,4種類のトータルセットが確認されています。









ひかり号のセットとしては,車両4両のセットと3両のセットがあり,3両のセットは後から加わったようです。

4両のセットは,いずれもパッケージに写真が用いられているのに対し,3両のセットのパッケージはイラストで,単1乾電池3本を入れるスペースが設けられており,レール磨き用の紙ヤスリが付属しています。
この他,広告によれば単品販売もあったようですが,今のところ現物を確認できていません。


<ARNOLD BR66との関係>
多田製作所は1967年末にロコメートを発表しましたが,C58蒸気機関車セットの箱や説明書の写真に写っている機関車は,C58ではなく,ARNOLDのBR66(1963)でした。

(写っている機関車は,ARNOLDのBR66を加工したモデル)

そこで,両者を比較してみると,動輪の配置など,多田製作所がARNOLDを参考にしたことがよくわかります。

(上からARNOLDのBR66,ロコメートのC58,ロコメートの動力を撤去し小茂田商店から発売された無動力のC58,童友社のプラモデルのC58)

また,童友社から1969年に発売されたC58がロコメートを参考にしていることは,動力構造が酷似していること,童友社がC58のナンバーをロコメートと同じ「C5890」としていることから(注),まず確実といってよいでしょう。その童友社のC58は,ARNOLDのBR66と同様に第2動輪がフランジレスとなっていますが,童友社がARNOLDのBR66をも参考にしたのか否か,私は現時点で判断する決め手を欠いています。童友社の初期の広告では,自社製の貨車の代わりにリマ製?の欧州型貨車が写真に用いられていますので,同社がロコメート以外の外国製Nゲージも参考にしていたことは間違いないと思いますが・・・。

(注)ロコメートでは,C58のナンバーは「C5890」となっていますが,これは多田製作所がC58に「90A」,ひかり号に「90B」の品番を与えていたためと思われます。


(左からARNOLDのBR66,ロコメートのC58,ロコメートの動力を撤去し小茂田商店から発売された無動力のC58,童友社のプラモデルのC58)


<玩具見本市への出展>
玩具商報258号(1967年11月1日)掲載の多田製作所の広告では,
「第六回日本玩具国際見本市開催中ご多忙中にも拘らず多数ご来場、当ブースにお立ち寄り下さいまして、ご意見ご注文等をいただき、厚くお礼申し上げます。益々、皆様のご要望に応えた製品を発表していくよう努力いたします。誌上を借りて、お礼のご挨拶にかえさせていただきます。」
とあります。

(玩具商報258号より)

そして,トイジャーナル1967年11月号5頁に掲載された,第6回日本玩具国際見本市の記事では,ロコメートが以下のように紹介されています。
「学研の交換台つき電話セット,アサヒ玩具,一宏工業のフリクション自動車,浅草玩具のパイルドライバー,今井科学のサンダーバード,国際貿易のスペースマン, 多田の九ミリゲージ ,増田屋,日模,学研のラジオコントロール玩具,等々魅力商品がいっぱいである。」(池袋・西武百貨店 商品部趣味雑貨部係長・海士慶二郎氏)
「マスコミものではバンダイが一段と光っております。このほか河田のブロックとかエポック社のゲーム類,それに 変ったところでは多田製作所の九ミリゲージをあげることができるでしょう。ただしこの九ミリゲージは,日頃輸入品を見なれているせいか,輸入品と比較すると若干見劣りするきらいもありますが,プライスラインの取り方はうまいと思います 」(新宿・京王百貨店 営業第四部雑貨第一課第一係長・田辺宣孝氏)


インタビュアー「当時、鉄道模型で出品した日本メーカーがおりましたか。」
加藤氏「今は見られないが、 Nゲージで玩具の多田製作所さんでした。Nゲージ専門メーカーでないが、おもちゃの鉄砲などを作っている会社でして、(昭和)四十三年に出品していました。結果は良くなかったようです。その後やめたという話を聞いています。


<多田製作所のその後>
法人としての多田製作所は2007年に都内の不動産会社の傘下に入り,2008年に解散しています。





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最終更新日  2019.08.22 00:15:27
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Re:多田製作所のロコメート(補遺その2)(08/22)  
光山市交通局 さん
童友社のプラモ版C58は私も以前KATOのC62の足回りを使ってNゲージとして使える仕様に改造した事があります。

 その際に元の足回りをチェックしたのですが第二動輪がフランジレスになっていたのに違和感を感じたものです。今回のブログで元ネタにアーノルドの蒸機があったのではないかとのご指摘にはなるほどと思いました。

 ロコメートのC58の足回りが赤く塗られているのとスポーク動輪なのもアーノルドの影響なのでしょうが、アーノルドのプロトタイプがタンク機だったのになぜC10とかC11でなく(プロポーションの破綻を承知のうえで?)C58にしたのかは謎ですね。
 あの当時は人気の面では既にD51やC62が盛り上がり始めていましたから同じ構造ならそちらを名乗らせた方が(玩具として)多少は売れ行きが変わった気もします。 (2019.09.16 22:50:38)

Re[1]:多田製作所のロコメート(補遺その2)(08/22)  
管理人 さん
光山市交通局さま

ありがとうございます。ロコメートがなぜC58を選んだのか。また宿題が残りました(笑)。推測すると,カーブ通過などを考慮するとDではなくC型機となり,販売上タンク機よりは華やかなテンダー機を選び,プロポーションがなるべく無理のないよう,中型機を選んだのではないかと思います。

玩具の世界でC58といえば,プラレールでは1970年代に弁慶号,D51に続いて製品化されていたと思います。D51の車体を流用し,2個の動輪の間にダミーの動輪を付け加えたものですが,きちんとテンダーも牽いており,なかなか堂々としたスタイルだったようです。
(2019.09.17 23:26:52)

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