光山市交通局さま

コメントいただきありがとうございます。Zゲージの歴史をあらためて振り返ってみましたが,現状はロクハンの孤軍奮闘というところですね。

ロクハンがZゲージのトータルシステムを実現したことは立派だと思いますが,既にNゲージのトータルシステムがあるわけで,ご指摘の通り「Zゲージならでは」「Zゲージだからできる」ことがなかなか見えてこないですね。

最初に完成レイアウトを投入した「PRO-Z」がもう少し続いていれば,とも思いますが,あれにしても,車両・建物の室内灯フル装備が目立ったくらいですね。食玩時代のZJゲージのような低価格路線も今となっては厳しい気がしますし,DCCとかであれば,むしろHOやNの方が有利ですね。個人的には,いっそ,Nでも出ていないようなマイナー車種(WIN350とかFASTECH360とか)の製品化に期待したいですが,難しいでしょうね(笑) (2021.07.25 22:29:09)

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2021.07.05
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カテゴリ: Zゲージ
以前,Zゲージの歴史について書きました。
日本型Zゲージ略史
日本型Zゲージ略史 補遺
初の日本型Zゲージ製品の発売から15年たつ今年,Zゲージの歴史について,あらためて振り返ってみたいと思います。

<ZJゲージ以前(1972~2006)>
1972年,西ドイツ・メルクリン社から,世界最小の鉄道模型として,縮尺1/220,軌間6.5mmのZゲージが発売されました。Nゲージでさえ種類が限られていた時代に,より小さなZゲージを製品化したメルクリン社の技術力は驚くべきものがあります。当時の「科学朝日」1972年6月号では,以下のように紹介されています。
「うわさには聞いていたものの,現物を見るまでどんなに小さいか想像できなかった。これはいかにも小さい。それにモールドが実に精巧である。リンク機構の省略はやむを得ないと大目に見れば,へたなNゲージやHOゲージより細密である。」

1979年,イタリア・リマの鉄道模型の輸入で知られていた朝日通商から,Zゲージサイズのディスプレイモデルが発売されました。メルクリン製品を扱っていた不二商は,朝日通商のグループ会社であり(「玩具商報」311号には,「不二商は昭和三十九年,朝日通商の国内販売会社として独立,加藤守社長の令兄で,当時専務取締役にあった加藤信氏を,社長にいただく文字どおりの兄弟会社である。」と記載されています),メルクリンのZゲージに範をとったのでしょう。



(朝日通商のZゲージサイズのディスプレイモデル)


(ZJゲージ(左)と朝日通商(右)の485系)

その後も,メルクリン以外にZゲージを製品化したメーカーは,アメリカ・マイクロトレインズ社くらいで,日本型ファンにとって,Zゲージは長らく縁遠い存在でありましたが,21世紀に入ると,状況が変化し始めます。
2004年には,1/220のSLとジオラマを組み合わせた食玩「鉄道ファン 情景フィギュア」が,翌2005年には,タカラから食玩「マイクロゲージ」が発売されました。「マイクロゲージ」は,単4乾電池で駆動するEF81,24系客車,レールを製品化しており,一応Zゲージの規格に則ったものとなっていました。同じく2005年には,バンダイから縮尺1/300,軌間4.8mmで,ボタン電池駆動の食玩「ZZトレイン」が発売されるなど,モーターの小型化により,Nゲージよりさらに小さな鉄道模型の可能性が広がりつつありました。
なお,一部ガレージキットメーカーでも,日本型Zゲージの製品化が試みられていました。


(タカラのマイクロゲージ)


(RM MODELS 2000年9月号より。日本型Zゲージのガレージキット)


<ZJゲージ登場(2006)>
2006年4月24日,アキアから,食玩「ZJゲージ」が発売されました。縮尺1/220,軌間6.5mmで,車体は精巧なプラ製,車輪は金属製で,線路から集電して走るという立派なZゲージ鉄道模型でした。
第1弾は485系国鉄色とひたちカラーの2種で,レアアイテムの動力車以外には線路が付属していました。追って線路がセット販売されたほか,抽選でプレゼントされていたパワーパックも販売されました。



(「ZJゲージ完全マニュアル」より。ZJゲージ第1弾とレール,パワーパック)

ネコ・パブリッシングの雑誌「鉄道おもちゃ」(現「鉄おも」)では,メルクリンのZゲージ,ZJゲージ,タカラのマイクロゲージ,バンダイのZZトレインを「U9規格」と名付け,精力的に取り上げていきます。
2006年8月,「鉄道おもちゃ」の増刊として「ZJゲージ完全マニュアル」を発行。ZJゲージの開発過程や製造工程,ディテールアップの方法,今後のラインナップなどが詳しく紹介されたうえ,485系レッドエクスプレス塗装3両が付属していました。


(「ZJゲージ完全マニュアル」より。マイクロゲージとZJゲージとの関連が示唆されている)

2006年10月には「ZJゲージ」第2弾として,485系かがやき・きらめカラー,スーパー雷鳥カラー,白鳥カラーが発売されました。第1弾で評判がいまひとつだった線路が刷新されたほか,箱買いすると,必ず動力車と乾電池式のミニパワーパックが含まれるようになりました。
また,イーベルから,ZJゲージ用のストラクチャーとして,特急停車駅・架線柱セット,延長用ホーム,トラス鉄橋が発売されました。


(RM MODELS 2008年3月号よりイーベルのZゲージ用ストラクチャー)

一方,同じく2006年にタカラトミーからは,マイクロゲージの後継シリーズというべき「日本の鉄道」が発売。単4乾電池の関係上,縦方向に間延びしたスタイルでしたが,日本型Zゲージの少ない当時としては,貴重な存在であったといえるでしょう。


(タカラトミーの日本の鉄道)


<ZJゲージの停滞とPRO-Zの参入(2007~2008)>
アキア(プラスアップ)では,食玩として,第3弾・485系ボンネット車,第4弾・485系パノラマ車,第5弾・103系の製品化を予告していましたが,結局いずれも発売されませんでした。
一方,食玩のZJゲージの上級ブランドとされた「REAL ZJ」では,道床付き線路,架線柱,車両ケース,パンタグラフ,485系セット(食玩第1弾の改良品)が発売されています(余談ですが「REAL ZJ」の線路は,他社のZゲージ線路より枕木間隔がかなり広いので,Nナローの線路に似合うと思います)。


(「ZJゲージ完全マニュアル」より。第3弾・485系ボンネット車,第4弾・485系パノラマ車,第5弾・103系の製品化が予告されていた)


(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」の線路)

2007年末から2008年には「REAL ZJ」として,EF81(ローズピンク,北斗星)が発売されましたが,牽引相手となる24系客車は結局発売されず,天賞堂ブランドで発売が予定されていたEF81(お召,レインボー)も発売中止となってしまいました。2008年には「REAL ZJ」ブランドで,テラネッツから489系白山色セットが発売されましたが,これが事実上,最後のZJゲージとなっています。


(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」のEF81。下2種は未発売に終わった)


(RM MODELS 2008年3月号より「REAL ZJ」の24系。未発売に終わった)

一方,エアガンメーカーの東京マルイから,2007年12月17日,「PRO-Z」と題する鉄道模型が発売され,アキアに続く,2社目の日本型Zゲージとなりました。特筆すべきは,ジオラマコースと称する完成レイアウトと共に発売されたことであり,車両・建物いずれも室内灯が入った楽しいモデルとなっていました(ジオラマコースはかなりカーブが急であり,特にトンネル内のS字クロスは他社製品にとって鬼門のようです)。その他,PRO-Zの特徴としては,Nゲージのアーノルドカプラーを縮小した形状のものを採用したことが挙げられます。車両は,まず,E231系(山手線),EF65 500,20系客車が製品化され,その後,コキ50000が加わりました。


<蒸気機関車,新幹線の登場(2009~2010)>
2009年,東京マルイと同じくエアガンメーカーのクラウンモデルから(予告からだいぶ経過後),「PRMLOCO」ブランドで,EF64-1000が製品化。同社は,貨車,24系客車(未発売のZJゲージの改良品か),スハ43系客車,線路,パワーパック,ストラクチャー,トータルセットといったシステム展開も行っていきます。
同じく2009年には,鉄道模型界の雄・天賞堂から,「Premium Z」ブランドで,日本型Zゲージ初の蒸気機関車となるD51が製品化。その後,同社は,C62,貨車,オハ35系客車,トータルセットなどを発売しています。
この他,2009年には,近鉄リテールサービスから,近鉄電車のZゲージディスプレイモデルが発売されています。
2010年には,プラッツから,f-toysの食玩という形で,0系新幹線が製品化され,日本型Zゲージは,蒸気機関車から新幹線まで揃えられるようになりました。
一方,「PRO-Z」は,車両のカラーバリエーションや増結用ジオラマコースの発売があったものの,長続きせず,末期は在庫処分的なセット販売が目立ちました。


(2009年,デアゴスティーニの「週刊マイディズニーランド」94号・97号で製品化された,軌間6.5mmの米国型汽車。車体の大きさからいって,Zゲージとは言い難い)


<ロクハンの参入(2010~)>
2010年,トイテックが「ロクハン」ブランドでZゲージの線路を発売。翌2011年には113系を製品化し,車両にも参入しました。その後も,ロクハンは新幹線,SL,私鉄など幅広くZゲージ車両を発売するのみならず,ストラクチャーやアクセサリーをも精力的に展開し,本邦唯一ともいうべきZゲージの総合メーカーとなっています。また,2018年には,Zショーティーと称する短縮版モデルを製品化し,Nナローの貴重な動力源ともなっています。
なお,2015年から2017年にかけてデアゴスティーニジャパンから刊行された「昭和にっぽん鉄道ジオラマ」は,ロクハンのZゲージを基本としたジオラマとなっていました。

ロクハン以外では,ワールド工芸が2011年にED17(キット)を,天賞堂が2011年にC62,2013年に165系を,クラウンモデルが2013年に485系(ZJゲージの改良品か)を,プラッツが2015年にキハ40を製品化していますが,ここ数年,ロクハン以外の新製品は途絶えてしまっているようです(例えば,天賞堂では,キハ58の製品化を予告していましたが,実現していません)。
[追記]このほか,2016年に発売された「北海道新幹線開業記念 フレーム切手(ミニカー付き)」,「923形ドクターイエロー・フレーム切手セット(ミニカー付き)」,2018年に発売された「C62形 蒸気機関車3号機 製造70周年記念フレーム切手(ミニチュアモデル付き)」には,京商によるH5系,923形,C62蒸気機関車3号機それぞれのZゲージサイズのディスプレイモデルが付属していました。

<参考>
RM MODELS 2000年9月号
ZJゲージ完全マニュアル(2006,ネコ・パブリッシング)
RM MODELS 2008年3月号
Zゲージ パーフェクト入門(2013,ネコ・パブリッシング)
サイクロン  Zゲージ! のブログ(ttps://ameblo.jp/zgauge100606/)
日本郵便ウェブサイト





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最終更新日  2023.05.18 23:23:35
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Re:Zゲージの考古学(07/05)  
光山市交通局 さん
ようやくと言うかいまさらと言うか、先日当地でオープンした家電量販店のホビーコーナーに六半のディスプレイが並んでいるのを見ました。
 (とはいえZショーティですが)

 数年前まではそこそこのラインナップがあった日本型Zゲージも今ひとつ元気がありませんね。

 運転会用のモジュールの中にZゲージのエンドレスを組んだものを製作した事がありますが、Nゲージの3分の2程度のスペース(900×400程度)で20M級3,4連が運転できるのはそれなりに楽しいものはありました。

 ですが現状では単なる「小さなNゲージ」でしかなく、Zゲージならではの特徴が出せていないのが惜しい気もします。
 (システム性の高さやブランド力、モデル造形の確かさという点では未だにメルクリンミニクラブを凌げていないと思えますし) (2021.07.24 22:51:53)

Re[1]:Zゲージの考古学(07/05)  
管理人 さん

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