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2008.01.29
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カテゴリ: 癒し

不眠症?で眠れなくて困るほどではありませんが、

目が疲れれば眠れるんだろうと

読み始めた本が、昔の詩人が書いた詩の本で・・・

まだ生まれてもいない頃の知らない世界の

詩が多いのですが、なんとなく好きで・・・

図書館から昨日借りてきました。

詩の中で旅を疑似体験?しています





詩をめぐる旅・・・(著者 伊藤信吉)


霜の溶ける「声」鎌倉円覚寺ー高見 順


終戦の年の冬 ひとげのないそこへ

ある朝散歩に行ったら

礎石の間の砂地から

チチチと小さな声が聞こえてきた

かすかな声なのに

だからかえって私の耳をとらえた

地面に白くおりた霜が朝日にとけて

砂が虫のように鳴いていたのだ

砂のささやきのようであり

つぶやかれた砂上の文字のようであった



これは「砂」と題する詩の最初の部分です

終戦のころは日本のいっさいが荒廃していた。

寺院その他の史蹟も、戦争中は充分に

手入れができなかったから、

多かれ少なかれ荒廃をまぬがれなかった。

そのとき円覚寺本堂跡の空き地の霜は、

高見順の眼に、荒廃のゆえにかえって

鮮烈な美ちして映じたのではなかったか。

霜、氷、雪などの寒気の結晶は、

時として鮮烈な美となって迫ってくる。



霜の崩れる音は微かに断続する。

赤土の崖などに層を成して凍った霜は、

陽をうける表面の方から、脆い崩れ方でそっと崩れる。

溶けながらつぶやきのように鳴く。

溶けながら微かに声をたてる。

霜柱が描く砂の文字。

土がささやく小さな声。

高見順はそれを聴いたというよりも、

それを生命あるものの声として聴きとったのである。

すべてのものの荒廃した環境にあって、

自然との交感をを通じて、

生命的な声を聴きとったのである。

そしてその声から、もう一つ自然との交感を思い出した。



安房鴨川の春のことだ

ある午後 浜辺を行くと

小鳥が砂の上をつんつんと飛びながら歩いていた

モミジのような足あとを

文字のように砂上に書きつらねた

たしかにそれは何事かを伝えんとする文字に相違ない




七百年余りの歴史を数える鎌倉は古都である。

古都に史蹟が多いのは当然だが、

史蹟はしばしば荒廃をひめている。

北鎌倉の円覚寺にも荒廃の時があった。

大正十二年から昭和三十九年までの四十年余りのあいだ、

円覚寺では本堂(仏殿)無しで過ごしてきた。

本堂は関東地方大震災で倒潰し、

そのまま空き地になっていたのである。

いま円覚寺を訪ねる参拝者はおびただしい。

空き地だったところに鉄筋コンクリート造りの仏殿が

雨落坪百九十四坪、棟高六十一尺の規模で建っている。

案内文によれば

「仏殿は禅宗様式七堂伽檻の中心の建物、

奈良の古寺の金堂にあたる」という。

このような本堂が再建されたが、

空き地のままの荒廃の時期に、

高見順はそこで一つの微妙な体験をした。

ささやく砂の声を聴いたのである。





次回は(日にちは断定できませんが)

壁にのこる楽書・・・

佐藤一英の詩で、愛知県尾張一宮です。



明日も感謝して暮らせますように・・・





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Last updated  2008.01.30 00:49:29
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