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2013年10月07日
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カテゴリ: 邦画(12~)
リリー・フランキーとはいったい何者なのか。
昨日までは、一介のチャラチャラしたタレントとしか思っていなかった男をこの数日の間にかなり見直しています。



彼をwikiで調べると、マルチタレントという位置づけらしい。その肩書きは俳優や作家と並んで、絵本作家やミュージシャンなど10幾つもあった。

そういえば、この前終わったけれど 「AKB映像センター」 という日曜日深夜の番組があって指原莉乃と一緒に司会をやっていた。なぜこの組み合わせなのか、わからなかったのであるが、2人とも見事なマルチタレントだったわけだ。さっしーがAKBセンターを獲った日の生放送で「秋元康先生に冷たくされた」と落ち込んでいた時に、彼はあるミュージシャンの言葉を出して「全てのセンターは最初はアナーキーから始まる」と励ました。私はコイツたまにはいいことを言う、とは思ったが、同時に芯からの女たらしだと思った。ホントにドンピシャのタイミングで、こういうことを言える人はいない。映画 「モテキ」 で、落ち込んでいた麻生久美子を寝とったのは、演技を越えていたし、その後にテレビ版も見たのだが、同じ役で満島ひかりまで寝とっていたのである。この自然さは、地のままを出していたのだとしか思えない。

一方、映画 「ぐるりのこと」 では、木村多江の夫で法廷画家を演じ、かなり良かった(そういえば、この役も最初は女たらしとして登場した)。それはもちろん監督が良かったのだとばかり思っていた。彼は地のままだと思ったからである。

AKB映像センター最終回では、彼はミュージシャンとして生放送で演奏をして指原莉乃の生歌をサポートしていた。最後まで指原を助けたわけだ。ホントになんでも出来るヤツだ。こんな男が女を不幸にするのだ(←意味不明)、と思った。





「そして父になる」 では、全然儲からない電気屋のおっちゃんだけど、子どもと付き合う時間だけは大切にしているお父さんを演じ、演じているとは思えない自然さだった。




「凶悪」 では、何人も殺人を犯して死刑囚になった男から告発される隠れた三人の老人殺人の主犯を演じる。「先生」と呼ばれる彼は、金のために人を殺すに全く躊躇いがない人格異常者として登場する。むしろ嬉々として人を殺す。これも、いつも遊んでいる本人のように自然なのである。

二つを見比べると、ちょっとした人間不信に陥りそうになりました。

いやあ、ここまで演じることが出来ると、単に「地のままを出している」ではすまされない。素晴らしい、と思う。是非とも今度は助演男優賞をとって欲しいと思う。男としては「嫌い」だけど。


ちなみに、当然彼の演技については、かなり話題になっています。(以下ネットの記事)


リリー・フランキーの演技の振り幅が話題「何もしない凄さ」評
2013/10/05 07:00

 同時期に公開された映画『凶悪』と『そして父になる』。その両作に出演するリリー・フランキー(59才)が、『凶悪』では金のために人を殺す悪人、『そして父になる』では小さな電気店を営む、人間味ある“いいお父さん”を演じ、“善人か悪人かわからなくなる”とその演技の振り幅が話題を呼んでいる。

 ネット上では、こんな声が出ている。

「『凶悪』の後に『そして父になる』を観たら、リリーさんが怖くてそれどころじゃなかった」
「極悪非道なリリーさんの演技を観た直後、もうひとりのリリーさんにすぐ癒してもらうという驚異の振り幅を体感した」
「どっちのリリーさんを信じたらいいのか…」

 対照的な役どころを演じきるリリーに、見るほうも“混乱”しているという状況なのだ。映画解説者の中井圭さんがこう解説する。

「『凶悪』でのリリーさんには、善なる部分が一切感じられません。リリーさんは表面的には優しい雰囲気があるため、余計に悪の部分が際立つのです。その姿には狂気さえ感じます。『そして父になる』では、完全に真逆で、“金は無いけれど明るいわが家のお父さん”という役柄の人間っぽさを表現する微細な演技が光っています」

 一方で、「リリーさんの場合、悪役だからといって他の役と違いはない。これまでやってきた普通のいい人の役と同じように演技している。だから怖さが増すんです」と、リリー初の悪役について語るのは、映画評論家の町山智浩さん。

 リリーが演じるのは、実在する殺人事件の首謀者“先生”。罪悪感が全く無く、他人への共感性が欠如しているサイコパス(人格異常者)だ。

「人を殺すことが特別じゃない、精神構造が完全に違う人間の役なので、特別な演技は必要ない。逆にいわゆる訓練された俳優さんが演じると、ただの犯罪者、“人を殺した特殊な人”になってしまう。リリーさんはすごく肩の力が抜けていて、殺す前と後と全く変わらない。その姿が表現できていると思います」(町山さん)

 つまり、善人と悪人、どちらを演じる際も、リリーの“普通の人っぽさ”がその役のキャラクターを引き出しているということだ。『そして父になる』の是枝裕和監督が起用した理由も、まさにそれだった。「善人か悪人かわからないところがいい。カメラの前で何もしないことの凄さをすごく理解している」とリリーを評価している。

 前出の中井さんも、もともと役者ではないリリーは、“演技臭さ”がないところが強みで、それが存在感につながっていると指摘する。

「リリーさんは、人間が持つ喜怒哀楽や多面性を自然に出せる役者さんといえます。そこにリアリティーがあるから、観る人が引き込まれるんだと思います。両作品の演技で、今年から来年にかけて映画賞の演技賞の有力候補になるのは間違いありません」(中井さん)

 2009年、映画『ぐるりのこと』で法廷画家を演じ、ブルーリボン新人賞を獲得したリリーだが、年末に向けて再び賞レースで注目を集める存在になるかもしれない。





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最終更新日  2013年10月07日 15時03分10秒
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Re:リリー・フランキーとは何ものなのか(10/07)  
Mドングリ  さん
リリー・フランキーとは作家だと思っていたけど、この内容を読むと役者歴がすごいですね♪
なんか、役者だけど…物書きでもあるという風な、マルチタレントやで♪

ところで、映画のシナリオを書く場合、役者を決めた上で書く監督もいるそうですが…
是枝監督も、もしかして、フランキー決め打ちだったのかも? (2013年10月07日 20時45分29秒)

Re[1]:リリー・フランキーとは何ものなのか(10/07)  
KUMA0504  さん
Mドングリさん
>リリー・フランキーとは作家だと思っていたけど、この内容を読むと役者歴がすごいですね♪<br />なんか、役者だけど…物書きでもあるという風な、マルチタレントやで♪<br /><br />ところで、映画のシナリオを書く場合、役者を決めた上で書く監督もいるそうですが…<br />是枝監督も、もしかして、フランキー決め打ちだったのかも?
-----
「ぐるりのこと」の時、そのさりげない「優しさ」は演ろうとして出来るはずはなく、監督が上手く引き出したのだと思ったのですが、やはり才能もあったのでしょう。
「そして父になる」は実際の事件をもとにしたはずですから、役者ありきじゃない。キャスティングの妙と言っていいのでは。 (2013年10月07日 21時48分36秒)

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