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2016年03月13日
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カテゴリ: 考古学
私のブログでは、特殊器台の重要性をひつこいぐらいに書いている。とりあえず詳しくは私の記事の ヤマト王権成立のカギを握る「特殊器台の世界」 を参照してほしい。

a12特殊器台一覧.jpg
この展示会にはふつうここまではそろわない特殊器台が展示されていた。右から真庭市中山遺跡の特殊壺(立坂型)。同特殊器台(立坂型)。新見市西江遺跡の特殊器台・特殊壺(向木見型)。(ここまでは弥生時代後期)。総社市宮山墳墓群の特殊器台(宮山型)。(弥生時代終末期~古墳時代初期)。岡山市都月坂一号墳の特殊器台形埴輪(都月型)。(古墳時代初頭)。正直、都月坂の特殊器台型埴輪と宮山墳墓群の特殊器台は初めて見た。

a13宮山型.jpg
宮山型の特殊器台では弧帯文は非常に簡略になっているのがわかる。楯築からここまでいったい何年なのだろうか。もしかしたら50年も経っていないのではないか。その間に特殊器台の型は少なくとも二回もしかしたら三回リニューアルされている。これはもしかしたら、そのまま特殊器台職人の代変わりごとにそうなったのではないか。だとすると、この文様には「カミの意味」はあまり反映されていなくて、むしろ職人の美意識、つまり現代の洋服のような「モード」だったかもしれない。などという「思い付き」さえ考えてしまう。こんなことを書いている研究書は一切ないはずだ。この模様の意味を突き止めた研究者はひとりもいない代わりに、この模様の意味があまりないといった研究者も一人もいないのである。

a14都月型.jpg
都月型の「特殊器台型埴輪」に至ると、弧帯文とさえすでに言えないで蕨手文という言い方がされる文様になっている。埴輪と器台の違いは、下に台が付かないで土に直接埋めるようになる。壺はすでに必要がなくなっているので、口縁部は縮小。しかし、この文様にはまだこだわっていることだけは感じられる。楯築からいったい何代目の職人なのだろうか。四代目か五代目か。研究者の方には、「研究課題」を提案したいのだが、文字には癖があって「筆跡鑑定」がある。それならば、文様の線の描き方にも「癖」がないだろうか。土にわりと石先か鉄先かの圧力さえわかるように文様が描かれていて、よく見ればその描く順番さえ想定できるように描いているだろう。それならば、その「癖」は見分けることができるのではないか。そしてそれができれば、同時代にどれほどの特殊器台職人がいたのか推定できるのではないか。うまくいけば、初代から立坂型に至る時に職人の代変わりがあったのか、どうか等々のこともわかるだろう。そうなれば、文様の変化は、職人の気まぐれではなくて意味があったことになる。その他、いろいろなことがわかるのではないか。もちろん胎土によって、どの工場出身の職人かもわかるようになるだろう。非常に面白い研究だと思うのだが、どうだろうか。





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最終更新日  2016年03月13日 20時10分29秒コメント(0) | コメントを書く
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