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2020年10月14日
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テーマ: 本日の1冊(3697)

「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ 文春文庫

そして、レビューのバトンは渡された。
一周回って、今の時期に読んで、
「暖かな気持ちになった」「最後のシーンに涙した」「みんな愛に溢れている」
と書いても二番煎じな気がする。

わたしはひねくれているので
それに、本屋大賞受賞作はたいてい映画化されるので
プロデューサー目線で書きたいと思う。
本来そろそろ映画化発表ニュースが流れてもいいのに
何故未だグズグズしているのか


17歳の時点で母親2人、父親3人、名字は4回変わったけど
「困った。全然不幸ではないのだ。少しでも厄介なことや困難を抱えていればいいのだけど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう」
と呟いてしまう優子ちゃんが主人公である。
小説ならば、彼女の心理はその度ごとに描かれるので
問題はない
映画ならば、本来ならば理不尽な行動をしてしまう
親たちを許してしまう主人公に
鑑賞者は、果たして共感できるだろうか
いくら親たちが真から優子ちゃんを愛していて
名優がそれらしき演技をしても
それを信じてしまうためには、

かなり説得力ある演技をしてもらわなくてはならない
そんな俳優が果たしているのか
人選に困っていると思う。

確かにみんな良い人たちばかりで
みんな愛に溢れている

でも、リアルに映像化すれば
(リアル感のない映像化は考えられない)
小説の中で言葉にされていないことを
表現しなければいけない
優子視点で語られた物語は、
梨花さん視点、水戸さん視点、泉ヶ原さん視点、森宮さん視点が必ず入る。
すると全く違った景色になる
それでも愛の奇跡を起こせるのか
優子は自覚していなかったけど、
普通の子供よりも遥かに強くなり
そしてホントは傷ついていた

それを描かないとホントの感動は取れないと思う

一つの可能性は、17歳役は(既に20歳近いけど)「義母と娘のブルース」で好演した上白石萌歌。でももう一皮剥ける必要がある。
少女役は思いつかない。
親たち役は上手い役者が多いからなんとでもなる
難しいのは脚本家と監督だ。

頭が痛い。やっぱり映画化は無理かな。
というわけで、誰かにバトンを(^_^;)。






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最終更新日  2020年10月14日 12時11分39秒
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