今回の修理は、「 SONY CMT-PX5 MDミニコンポ(発売日:2000/09/10) 」だ。本機種は過去にも紹介している( 過去の修理記事 、 カーボンブラック限定機 )。 新たな故障事例があったので、改めてこれを紹介する。
[ SONY CMT-PX5
]
■主な故障と原因
■修理概要
突然CDチェンジしなくなり、取り出しもできなくなったとお知らせいただいた。この機体は、過去に当方でCDチェンジャーのゴムベルトの交換修理しており、同ベルト故障が原因である可能性は低い。
点検すると、 電源投入時にCDのチェンジャーあたりからカタカタと異音がある。これは先のCDチェンジャー用ゴムベルトの故障時とは異なる異音だ。イメージ的には、プラスチックの小部品同士が回転時に当たっているような音に聞こえる。これを頼りに原因を調査する。
まずは同CDチェンジャー用ゴムベルトに問題が無いことを確認。モーターの動力も、正常に伝達している。 CDチェンジャーを取外し、分解しながら入念に構成部品を点検していく。
何度か分解・組み戻しをして各部品の動きを確認。しかし、問題のある部品を確認できない。ただ、CDピックアップトラバースユニットが持ち上がる際、手で補助してやるとカタカタの異音が無く動作することは判明。新たな手掛かりだ。
再三各部品を点検した結果、ようやく故障部品を特定。上の写真で中央に位置する黒く大きな歯車がその部品「カム」だった。このカムは、CDチェンジャーの動きを決める主要な部品だ。
下の写真は、取外したこのカムだ。外周にある歯の一部(同写真のカムの真上位置)が破損( ストレスクラック )していた。何度も目視点検したのだが、この時まで発見できなかった。
このカムの破損箇所を拡大したのが下の写真だ。分かり易いように破損している歯の位置をずらして撮影した。この破損の歯位置でカム全体が歯一個分跳び戻り、この際にカタカタ異音が発生してCDチェンジャーの動作が進まなかったようだ。
この修理は、熱溶着による補修も考えたが、歯にかかる応力や母材の薄い肉厚を考えると適切でないと判断。部品交換することにした。メーカーには既に在庫はなく、別の同機種の中古機から部品取りをした。
同カムの交換で無事に復旧。一晩ほどCDチェンジャーのエージングを実施し、作業完了。
考察するに、先に実施したCDチェンジャーのゴムベルトの交換修理により、潜在的に次に弱い箇所だったカムが破損したようだ。
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