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2013.12.30
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連携と協働の学童保育論
ソーシャル・インクルージョンに向けた「放課後」の可能性』
(三好正彦
、2012、解放出版社、2000円)

年の瀬ですが、この本の読書メモを書いている途中なので、そのまま続きを書きたいと思います。

今回で6回目。

本の最後まで、ダーッと行きます。(^^)

第1回読書メモは こちら

===============================
『連携と協働の学童保育論』
読書メモ ロゴ
(p115~最後まで。
 ・以降の 太字 は本の内容。
 顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)

<第2部 第5章 「地域の教育力と子どもたちの放課後」より>

・ある時は相談者、またある時は活動を共に行う者というような
 柔軟な対応を可能とするためには、
子どもと近すぎず、遠すぎずという適度な距離を保つ ことが求められる。

・苦労や努力は仲間がいることで達成感や満足感に変わる。
 こうして子どもの自尊心を生み育てる。(デューイ)

・及川は「学童保育」というネーミング自体に問題があると述べていたことがある。

 (「保育」よりむしろ「教育」の側面が強調されるべきではないのかという考え)

放課後は子どもたちにとって社会との接点

 家庭における親や学校における教師とは異なる大人との接点、
 また大人が介入しない子ども社会がある。
 ↑
      ↓
 ・子どもたちの放課後や長期休みまでもが、
  学校の続きと化し、「安全確保」の名目の下、
  大人の管理下に置かれていくような流れとなってきているのではないか。

○及川は学童保育指導員である以前に、
 社会人として、子ども集団とかかわった。

 「子どもたちは社会の子どもである」という
社会的親の視点 に立ってのこと。

<第2部 第6章 「『ソーシャル・インクルージョン』と『学童保育』」より>

・障害のある子どもたちの生活にとって 「学童保育」は
地域の子どもたちとの人間関係の構築
 大きな役割を果たすことが期待される場である。
      ↑
      ↓
・しかし、「学童保育」は、条件整備などの面でさまざまな課題を抱えており、
 障害のある子どもを受け入れた積極的な実践を取り組むまでに
 至っていない所が多いというのが現状。

・「ソーシャル・インクルージョン」の実現は、
 障害のあるなしの区別の解消に留まらず、
 あらゆる人間同士の差異を互いに認め合った社会の実現につながる。

 = 人類の共生の世紀をめざす21世紀の1つの道標

・日本における「障害のある人たち」についての
 「社会的排除」の問題について考える際に、
 「貧困」「雇用」「格差」の問題は避けて通れない。

 ・「障害のある人たち」の一般就職率は健常の人たちに比べ明らかに低い。

 (2006年の盲・聾・養護学校(当時)の福祉的就職も含めた就職率は22.7%)

・「社会的排除」つまり、社会の中心部からの排除は、
 社会的ネットワークを含めた社会的資源を奪われている状況であるとも言える。
 (社会的資源における貧困)

▼学童保育におけるインクルーシブ実践

(事例) 「子どもの家」でのエピソード

      「子どもの家」に入ったばかりの子どもに対して、
      ここがどういう場所であるのかを端的に説明している場面

  指導員:いろんな子がおるやんか。(略)
       必ずしもYだけのペースでできるわけじゃない。
       面白くないのはごめんな。
  Y(小2):わかった。

・子どもには個々のペースがある。

・指導員はこの ペースの調節 を柔軟にコントロールする。
 時にはペースの遅い子に合わせ、また速い子に合わせるというような調節こそが
 「子どもの家」での共生の集団活動を可能にしている1つの要因。

・また別の視点として「 子どもたちへの指導員の敬意 」が挙げられる。

  「私は子どもの対応に感心してしまった」
  「こんな場面に私の胸が熱くなった」
  「私は仲間のために力を出してくれたことを子どもたちに感謝した」
  「なんて素敵な子どもたちなんだろう」・・・等。
                   (「保育日誌」の中の記述より)

 ○かかわりが困難で指導員としても対応に困っている状況の中で、
  子どもたちが障害のある子どもたちを仲間として受け入れる姿勢に対して
  率直に敬意を表している。

・「インクルーシブ教育」の先進国であるイタリアでは、
 支援教員の役割として、 障害のある子どもにつくのではなく、
クラス全体を支援する ことが期待されている。

 これは、研究でも明らかにされており、
 支援する人が障害のある子ども1人に主につく、
 あるいは教員が常に障害のある子を授業の中心においた場合、
 クラスの子どもたちがその子を「特別な子」としてとらえ、
 差別を助長する結果となる。

 ○ポイントは、
大人全員が、学級担任という意識を持つこと
 (一木、2007)

びっくり 上の「・」の内容は、経験的には分かっていましたが、
   研究によって明らかになっていたとは、ビックリです。
   そういう研究成果は、教育現場で共有されていかないといけませんね。

・子どもの時点で「障害のある子ども」という範疇に入れられてしまった子は、
 将来的に「社会的排除」されるリスクを同時に負うことになる。

○インクルーシブな実践を想定する集団は
 多種多様な個性を内包した集団

 ・大きく分けて次の2つの場面が想定される。

  1) 「子ども同士の関係性を重視」することにより、
     寛容性を発揮した集団を形成する場合

  2) 障害のある子どもを理解する過程において生じる
     さまざまな葛藤状況

・「子どもの家」における実践は、
 障害のある子どもの居場所であると同時に、
障害のある子どもたちとかかわった健常の子どもたちに
 社会を変えていってもらいたいという思い
も込められている。

「自己決定」をいかに大切にするか

 ・援助者が当事者の自己決定や選択権を大切にする動き

社会全体が当事者とのかかわりをもつ存在として、
 彼らの「自己決定」をいかに重要なものと位置づけることができるか

 「インクルーシブ社会」に向けて大きな課題となる。

・「社会的寛容さ」という概念は、
 障害のある人々を援助の対象とみる見方をやめ、
 同じく社会に貢献することのできる 対等の存在として認識する という視点も
 含まねばならない。

・学校、家庭と連動しなければ、
 障害のある子どもがその場に放置されるだけになり、
 学童保育所はその子どもにとっての豊かな放課後生活の場とはならない。

 逆に「インクルーシブ実践」としてモデルとなるような取り組みができれば、
 家庭、学校にその影響をおよぼすことになる。
 ( 学校に、地域に影響をおよぼすというフィードバック効果

 ★「地域のつながりを構築する連携の場」として
   センター的な機能を果たす役割を担う可能性

<第7章、謝辞より>

・「学童保育」における実践の最も大きな焦点は「 人間関係

・学校現場において「共に」の実践を行おうとする際に参考になる点は多々ある

=================================

最後に引用した文、本当にそうだと思います。

今回は「学童」から「学校」そして「社会」へシフトした内容を含んでおり、その理由が、よく理解できました。

学童保育での「共に」の実践から、
学校での実践や社会での実践も刺激を受け、
よりインクルーシブな方向に変わっていけたらいいと思います。

本書の読書メモはこれで終わりです。(そして2013年ももう終わりです。(^^;))長々とつきあってくださって、ありがとうございました。

最後に、本書に興味を持ってくださった実践家の方々には、
ぜひ本書を買っていただいて、手元に置いていただけたらと思います。
わりと新しい本なので、今なら手に入りやすいと思います。

「共に」、がんばりましょう。大笑い

ありがとうのおじぎ男の子いつも見に来てくださってありがとうございます。励みになります。

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Last updated  2013.12.31 00:23:20
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