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2026.02.06
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カテゴリ: 地球科学
 内閣府と海洋研究開発機構(JAMSTEC)は2日、小笠原諸島・南鳥島沖の水深約6000メートルの海底からレアアース(希土類)を含むとされる泥の引き揚げに成功したと発表した( 写真 )。



写真 =清水港停泊中の「ちきゅう」)、帰港後に泥の成分を分析する。2028年度以降に見据える産業化へ向けて、採算性の検証や精製技術の開発に役立てる。



◎泥に含まれるレアアースは6種類以上が検出済み
 探査船は1月12日に清水港を出航した後、同17日に南鳥島沖の試掘予定海域に到着した。探査船から「揚泥管」という長さ約10メートルのパイプ約600本をつなぎ、水深約6000メートルの海底に下ろした。海底に採鉱機( 写真 )を設置し、泥と海水を混ぜた後、揚泥管を通して回収した( )。30日から回収作業を実施し、2月1日未明に最初のレアアース泥の引き揚げた。





 南鳥島沖ではジスプロシウムやネオジム、ガドリニウムなどの6種類以上のレアアースを高濃度で含む泥が見つかっている。このうちジスプロシウムやネオジム、サマリウムはEVを動かすモーター用などの高性能磁石に使い、イットリウムはLEDや医療機器向け超電導体の材料になる。ガドリニウムは原子炉を制御するシステムなどに使う。

◎来年には1日350トンの海底泥の回収実証へ
 探査船が帰港した後にJAMSTECなどの研究施設で泥水の成分や海底で得たデータを分析する。泥からレアアースを実際に精製できるかも試みる。
 今回の試験採掘は内閣府の大型研究開発プロジェクト「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一環で実施されている。SIPは今回の結果を踏まえ、来年27年2月に大規模な実証試験を計画する。
 1日当たり350トンの泥の回収能力を実証する。27年の試験開始までに、南鳥島に泥から海水を抜く脱水処理をする施設を建設する予定だ。持ち帰った泥からレアアースを精製して、28年度以降の産業化へ向けた知見を蓄える。

◎掘削と精製の技術確立が課題
 レアアースは世界の生産量の7割をスターリニスト中国が占める。日本は、2024年時点で63%をスターリニスト中国から調達しており、南鳥島沖で採掘できれば、経済安全保障上の利点が大きい。
 海底に置いた採鉱機を遠隔操作でパイプに接続するなど、深海底でのリモート操作が難しいとされる。資源エネルギー工学が専門の九州大学の山田泰広教授は「深海底での重量物の複雑なオペレーションも技術的に難しい」と話す。

◎採算性も課題
 泥からレアアースを精製する技術については、陸上の鉱石を精製する技術を応用できるとみている。レアアース泥は陸上の鉱石と異なり、放射性物質やヒ素などの有害物質をほとんど含まないため、産業廃棄物などの処理工程が少なくなる利点もあるとされている。ただ海底の泥に含まれるレアアースを精製した例は、これまでほとんどない。
 レアアース泥は、海底に堆積した魚の骨や歯を構成するリン酸カルシウムにレアアースが取り込まれた結果、出来たものだ。そのため、レアアース泥の精製にはまずカルシウムを取り除く必要がある。
 最大の問題が採算性とされる。南鳥島は東京都心から約1950キロ、レアアース泥が眠る場所は水深約6000メートルで、掘削に必要な装置や船の運用に多額の費用がかかる。SIPの石井正一プログラムディレクターは「水平移動(東京からの距離)と垂直移動(水深)に最もコストがかかる」と話す。前出の山田教授は「今回のプロジェクトに期待しているが、採算が合わないと資源開発はできない」とみる。

◎国際社会の理解も必要に
 一方、採算性が低くても自国でレアアースを生産できる技術を持つこと自体に、経済安全保障上の意味があるとの見方もある。石井氏は「資源を把握し、採れる技術を確立する。緊急事態のための供給ルートを確保することが、経済安全保障で求められている」と強調する。
 海洋鉱物資源の商業開発に関する国際ルールはまだない。開発を進めるには国際的な理解を得る必要もある。国連組織の国際海底機構(ISA)は資源や生態系の保護を踏まえて海底の開発に関わる規則の策定を目指している。
 ISAのレティシア・レイス・デ・カルバリョ事務局長は25年11月に来日し、SIPや外務省などを公式訪問した。ISAは今回の調査について、探査船ちきゅうを「最高水準の装備だ。日本の基礎的な科学研究と技術は、南鳥島沖の試験を確実に進めるだろう」と評価している。

昨年の今日の日記





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Last updated  2026.02.06 05:35:22


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