あたたかな光と相思相愛-永遠の旅へいざなう虹粒子の流れ

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2004.12.11
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カテゴリ: 詩心のある風景
以前、山登りの最中に道に迷ってしまったことがあります。


それは秋の終わり頃。
日曜日のある午後に、みずうみの近くの緑生い茂る小道を通りぬけて
金色の夕陽が眩しい野原を、別にこれといった目的もなく散歩していた時のことです。
それが事件の始まりでした。

時間を忘れてしまうくらいに目の前の風景が美しく
しばらく歩き続けているうちに森に入り込み、そして山の深くにまで入りこんでいました。

山登りも時には良いもんだ♪。
そう思いながら、どんどん先に進んで行きました。



ふと時計に目をやると、夕方の5時。
そろそろ帰ろうかと考え、やって来た方向を後戻りしました。
しかし後戻りをしているつもりが、全く見覚えのない風景ばかり目の前に広がるのです。

さすがに焦ってきました。
もう空は暗くなってきています。
足元も段々とぼんやりと、自分の不安な心を反映するかのように暗く薄明となっていきます。
さっきまで、何とも素敵で美しく優しくさえ感じられた風景・景色の全てが、邪悪なものに見えてきました。恐ろしい叫び声の数々が周囲から聞こえてきそうな空気・・・。こうなるともう、心を支配するのは恐怖心だけです。

無事に家に帰れるのだろうか?
遭難するんじゃないだろうか?
そもそも、何で自分はこんな場所にいるんだ?
一体どうなってしまうんだ!?



もう何が何だか、自分でもどうすれば良いのか見当もつかず立ち止まりました。
汗びしょりな姿になって周囲を見渡すと、山の樹々は真っ黒に見え、空だけが青く静かに光を灯しているのです。

その場に座り込もうとしましたが、真っ黒に見える地面から何か得体の知れない恐ろしい物達が、こちらに手を伸ばしてきそうな気がして、怖くて恐ろしくて、それも出来ません。
かといって無駄に歩き続ければ、それだけ遠い山の奥深くに更に迷い込んでいくかもしれない。そうなったら本当に大変です。

  「山の神様、どうか僕を人間の世界に帰して下さい!!」


もう、そうなったら・・・思考なんて、消えてしまいます。そんなものは、もう何処にもなくなるのです。
体が感じること、或いは本能のようなものだけが、まるで山猫のように自分の置かれた環境を見渡しているだけ。

耳からヘッドフォンを外し、ただただ冷静になろうと努めました。
そして静かに、無駄な思考を頭の中から消すことに専念したのです。パニックになることを避けるために。
そのような無心の状態になって暫くし、気がつけば
さ迷い込んでしまっていた山のふもとに、何故だか降りていました。

時間と距離の感覚が、普段感じているものと別なものになっている、そんなような説明の上手く出来ない奇妙な実感を持ちました。
何故でしょう。
長い時間迷い歩いていた場所から、心の在り様を変えただけで
ほんの数十分かそこらの時間で、元の場所に帰ることが出来ていたんです。
何の思考も、そして計画もなしに何かに導かれるように山のふもとに帰ってきていました。

さっきまで僕を恐怖心で取り囲んでいた山々を振り返ると
邪悪に感じられた恐ろしい風景が、
月の明かりに照らされて
不思議と、優しくさえ感じられました。




こうして僕は、山登りの遭難危機一髪!から
無事に人間の住む町に戻ることが出来たのでありましたとさ♪。
チャンチャン☆^^



う~ん。今日の日記は何だか、童話のような教訓を含んでいるようにさえ思えるんですが。
気のせいか?。(笑)


○追記といっては何ですが。
ドイツが生んだ、20世紀最大の偉大な指揮者のひとりであったフルトヴェングラー。
彼は山や森林を目的もなく、ただひたすら歩くことを自身の大切な日課にしてという話です。
フルトヴェングラーが残した、人類の遺産のような音楽の記録の数々が
「深い思考と高度な教養」によってのみ生まれたわけではない、という確信のようなものが僕にはあるのですが、どうなんでしょう。


ではまた明日(^^)♪






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最終更新日  2004.12.12 03:59:19


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