雨の日は音楽を

雨の日は音楽を

2022年11月24日
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カテゴリ: 歌曲
旅は更に続く。小路を選んでも、どうしても通る旅人もいるので、なぜか人目を避けようとする若者は、さらに厳しい細い岩だらけの道を選んで歩く。町への道標がある分岐の道標も無視して小道をたどる。幻の道標に導かれて。

 ピアノのリズムは2拍子で、足を左右に出して足早に歩く若者の姿を感じさせる。歌詞は4連から構成されているが、第1連と2連は、自問自答として連の終わりが "?" で終わっているのがユニークなところであろうか。

 第1連は、どうして自分はこんな足元の悪い岩山みたいな道を歩いているのかと自問する。

 第2連は、悪いことをして逃げ隠れているわけでもないのに、どうしてもこんな荒れ地を進んでいるのだろうかと自問する。

 第3連で、若者は町へと下る道を示す道標に差し掛かる。このまま下っていけば、正気の世界である、町という常識に満ち溢れた場所に辿り着くのだが、若者はそのまま荒れた道を進むことを選択してしまう。多分この地点で、若者はイッてしまった!のだろう。精神的に壊れた若者は「安らぎなしに歩いて安らぎを求める」"Ohne Ruh’, und suche Ruh’ " と自嘲的に歌う。クレシェンドの指定があるが、あまり興奮せずに歌うべきだろう。もう「あちら側」に足を踏み入れてしまったのだから。

 第4連になると、先程とは違った道標が見えてしまう。世界のどの場所に行けるわけのない道標が。吸い寄せられるように歩く。一本の道を「まだ誰も戻ってきた試しのない道を」"Die noch keiner ging zurück" 。72小節からの最後のフレーズはクレシェンドから ff へと爆発してゆくのだ。

 もう物理的にも精神的にも、詰んだ状態の若者は、この幻の道標に導かれて終末へと突き進む。やがて道は下り始めて、見知らぬ村の教会の墓地に。






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Last updated  2022年12月31日 14時50分01秒
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