雨の日は音楽を

雨の日は音楽を

2023年01月18日
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カテゴリ: 何でもかんでも
 大体鎧兜を着た武将が刀で切合いをするだけでもおかしなことだと思う。まあ追い込まれたら最後は刀かもしれないが、本来の武器は、槍と薙刀だったではないか。信長の3間槍槍隊は、伊達ではなかったはずだ。戦国時代に最も効果があったのは勿論鉄砲であったが、次弾を発射するのに数十秒かかるので、戦線の前面には出せないから、一斉射撃をしたら槍隊の後ろに下がるしかなかったので、次は槍隊か弓隊に決まっている。テレビや映画の戦闘では、一箇所に百人程度の槍隊が向かい合って、槍で叩いたり突いたりと描写が正しいのだがその手前で一騎打ちみたいな個人戦闘が始まってしまう。そんなことをする空間があるならその侍たちは敵の槍隊を側面から攻撃するはずなのだが、何だか槍と刀のグループが別個に戦っているようで不思議。
 刀で鎧兜の侍を斬り殺すなんて簡単にできるはずはないだろう。運良く敵の首元に刃が当たれば斃せるが、刃が通らないように固めた鎧では、刀で叩いてから組討をして、相手の鎧の隙間に刃を入れて殺すしかあるまい。雑兵は確かに重武装ではないが、胴体部分を守る鎧をつけているし、鉄砲の時代には、被る笠も鉄製のものだから、そんなに簡単に雑兵を斃すこともできないだろう。
 筆者が言いたいのは、槍弓刀剣を使った戦法・戦術が、全世界的に失われているのではないかということだ。戦国時代が終わり、刀がもてはやされて、武士の魂とか自惚れる以前の戦闘員が槍と刀を持ち集まるなんて、ありえない!殆どが槍だったはずだ。刀は重いし動きにくいから。ただのチャンバラごっこを公共の電波を使って放送するのは止めてくれ。
 多分殺傷力からすると、鉄砲の一番は動かないはずである。3間の槍よりも遠いところから鎧を撃ち抜けるのだから敵うものは無かったろう。ただ初めは元込め銃で一旦発射すると次まで時間がかかるのが欠点だったはずだ。江戸末期というか函館戦争くらいになると、元込め銃が南北戦争が終わったアメリカから輸入されて、壮絶な銃撃戦が繰り広げられたらしい。次は弓で3番目が槍ではないか。最長で3間約5メートルの先に刃物がついていて、中の芯材が木材で外側には多分竹を使ってしならせて、相手を叩いたはずである。突くのは最後の仕上げで、ほとんどは叩き合いに終始していたのである。日本映画の戦闘シーンの違和感は、演出家の用兵の稚拙で勝手な解釈から産まれている。とても命のやり取りをしているようには見えないし、オリンピックの開会式のページェントを見ているようで、あのように各個に組み討ちが行われていては、では大将がどう指揮してよいかわからないだろう。
 中国の「三国志」を描いた作品もいくつか拝見したが、こちらも同様に、孫氏を産んだ国とも思えない稚拙な戦場描写となっている。まず全員が、青銅の鉾みたいなものを持って(本当?重いよ?)いるし、やる気のなさそうな戦闘シーンで派手さだけ狙った演出には、呆れるほどだ。戦術も作戦も台詞の中だけで、それが理解できるようなことなど無く、全員が駆け出してぶつかり合い、個々に切り結ぶ映像しかない。集団で戦うから、隊伍を組んで敵に向かったのに、バラバラに切りあったら、集団のメリットで、手傷を負った戦友を後方に逃したり、強そうな豪傑を数人で囲んで殺したりなどできないだろうに。まあ、文化大革命で旧来のものを敵視した結果、漢字まで簡略可した報いで、革命前の書籍が読めない中国人が多いとは聞いていたが、こんなところにも影響がでたのね。
 大体戦闘経験がない筆者でも分かるのだが、騎兵や武士や雑兵が集団で敵を追うのに、抜刀した刃物を手にしたまま走るなんてするだろうか?演出以外の何物でもない。味方に傷を与えるようなことはすまい。わずかに残る戦場を描いた日本の屏風絵をよく見ると、敵を追う歩兵は刀を「外に向けて右の肩に担いで」走っている。そうだよね、映画みたいに刀を抜いたままで手に持つと集団で走る時に味方を傷つけるからね。
 話は変わるが、筆者は公共図書館や大学図書館を訪ねると、書籍の分類を見るのだが、軍事、古代兵法、軍学などは、日本十進分類法に入っているが、書籍は皆無という場合が多い。我らが先祖が真剣に読み漁った、孫氏の兵法を初め、様々な軍学書籍は既にどこにも見られない。勝手に想像すると、国会図書館や防衛大学校の図書館にしか収蔵されていないのではないだろうか。兵を用いることの是非はさて置き、軍事も大切な歴史の一部であるのだから、もう少し読まれても良い分野ではないだろうか。





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Last updated  2023年01月18日 20時12分20秒
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