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2005.12.26
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カテゴリ: 映画・邦画
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出演:吉岡秀隆(茶川竜之介)、堤真一(鈴木則文)、薬師丸ひろ子(鈴木トモエ)、小雪(石崎ヒロミ)、堀北真希(星野六子)、須賀健太(吉行淳之介)、小清水一揮(鈴木一平)、小日向文世(川渕康成)、三浦友和(宅間史郎)

【この映画について】
総発行部数1400万枚を越すコミック「三丁目の夕日」の映画化作品であり、時代設定を東京タワー建設中の昭和33年にしている。
一年の流れを追いながらも東京タワーが、季節が代わるたびに少しずつ完成していく様子もさり気無く、会話や背景の映像で確認できる。この背景の東京タワーはCGで描かれているそうだが、スクリーンを見ているとそうは感じさせないほどのCG技術は見事だ。映画の中の昭和33年を再現した街の様子と合わせて堪能してもらいたい。
【ストーリー(ネタバレなし)】
昭和33年の春、東京タワーが建設中の下町・夕日町三丁目ではホノボノとした空気の中人々が生活している。自宅で自動車修理工場を経営する鈴木オートの鈴木則文は、上野駅に集団就職で青森から上京してきた星野六子を迎えにミゼットで来ていた。六子は大企業へ就職する夢を抱いてきたが、余りにもイメージから遠かったので戸惑いを覚えながら車に同乗してやってきた。
妻のトモエは温かく迎えたが、六子の様子をみて不安になっていた。その訳は、過去にも雇った社員達が定着しないで辞めていったので六子もと不安が心をよぎっていた。一方、一平は六子と直ぐに打ち解けて話しかける。そして間もなく家に「テレビ」が来ると告げた。当時はテレビが発売されたころで庶民には高価な買物だった。
鈴木オートの向かい側に住む茶側竜之介は、駄菓子屋を経営する身だが普段は児童用雑誌に冒険小説を執筆して生計を立てる作家だ。竜之介の唯一の自慢は、芥川賞の最終選考に残ったことだ。そして今日も近所の呑屋で一人それを自慢して酔っ払う。竜之介の目当てはそこのママさんのヒロミだ。だがある日、ふとしたことからヒロミが預かっている身寄りのない子供淳之介を竜之介が自宅で預かる事になった。その際にヒロミが、竜之介の家に機会を見つけて様子を見に行くからの言葉が決めてとなった。
鈴木オートでの仕事に何とか馴染んできた六子と、鈴木家に待望のテレビが来た。近所の住民達を招いて、鈴木家の居間で力道山のプロレス中継を大勢で観ることになり皆ドキドキする。だが肝心のテレビの映り具合が悪く、東大卒の竜之介がその場で修理を買って出る。だが竜之介はテレビを解体してしまい折角の力道山の試合も見ることが出来ずにパーになる。集まった住民はガッカリするが、原因はただ単にコンセントの不具合だと分かり二度ガッカリするもののテレビは修復不能に。
成り行きで淳之介を引き取った竜之介だが、ヒロミはたまに顔を出すが血の繋がりのない淳之介を遠ざける。そんな淳之介は、自分の好きな児童雑誌の冒険小説を書いているのが竜之介と知ると親しみが湧く。だが竜之介のアイデアが枯渇していた有るときに、ふと眼にした一冊のノートに眼が留まった。それは淳之介自身が冒険小説を好きで、学校の授業中に密かに書いていたものだった。それを竜之介自身の作品とした出版したのを、偶然にクラスメートに指摘されて発見した淳之介は家に急いで帰る。眼に涙を一杯溜めて竜之介を見つめる淳之介。それは憧れの雑誌に自分の小説が載った喜びだった。
季節は秋になり、或る日偶然に竜之介とヒロミの会話を押入れで聞いた淳之介は自分の母の居所を知ってしまう。その事を一平に話した淳之介は両家には内緒で、母が住むと言う高円寺まで都電で出かける。片道運賃しか持たないで乗車し何とか目的地の菓子屋に着いた二人だが、店の主人に居留守を使われて追い返されてしまう。母に会って帰りの電車賃をもらう腹積もりだった目算がはずれて途方に暮れる。夕日三丁目では二人の帰宅が遅いことに心配し方々を探し回る。
何とか帰宅した二人を待っていた両家の人々。そこで竜之介は淳之介に対して意外な行動に出たことで、二人の絆は何時の間にか出来上がっていた。

さて、ここから先はポイントを書いていくことにする。竜之介は何故そこまでしてお金が必要だったのか?両親のいない淳之介だが、やがて父が捜していることが判明するが果たして再会できるのか?則文は六子にもプレゼントを渡すが、それは意外な贈り物だったが一体その正体は?ヒロミは何故この町で呑み屋を一人で切り盛りすることになったのか?こうした点を中心に映画館かDVDでご覧下さい。
【鑑賞後の感想】
昭和33年という時代設定からして昭和のよき日を見事に再現した。私は昭和36年東京都生まれなので、多少のずれはあるが見ていて心が温まるような作品だった。東京下町の様子がセットとCGで見事に再現されていたのには驚いた。季節が代わるたびに東京タワーが出来上がっていく様子や、下町の様子や人情も文句ない構成だ。
平成に入り携帯電話やPCが日常生活に普通にとけ込み、各家庭各部屋にTVがあるのが当たり前に時代とは違う「人情」が昭和にあった。それをCG映像と俳優達の見事な演技とセリフで再現していたのには拍手を送りたい。ネタバレになるので書けないが、ラスト付近で淳之介と竜之介が血の繋がりがないのに血の繋がっているまだ見ぬ両親より親しみを感じている場面には思わず涙腺が熱くなりかけた。
見終わってから心が温かくなるそんな素晴らしい映画だった。
【自己採点】(10点満点)
9.5点。気持ちの上では満点を付けたいが、満点に限りなく近い9.5点と思っていただきたい。






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Last updated  2005.12.26 23:36:57
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