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□監督・製作・脚本:ショーン・ペン
□撮影:エリック・ゴーティエ
□音楽:マイケル・ブルック、カーキ・キング、エディ・ヴェダー
◆エミール・ハーシュ(クリストファー・マッカンドレス)
◆マーシャ・ゲイ・ハーデン(ビリー・マッカンドレス)
◆ウィリアム・ハート(ウォルト・マッカンドレス)
◆ジェナ・マローン(カリーン・マッカンドレス)
◆ブライアン・H・ダーカー(レイニー)
◆キャサリン・キーナー(ジャン・バレス)
◆ヴィンス・ヴォーン(ウェイン・ウェスターバーグ)
◆クリステン・スチュワート(トレイシー・タトロ)
◆ハル・ホルブルック(ロン・フランツ)
◆ジム・ガーリエン(本人)
【この映画について】
1992年にアラスカの荒野で死体となって発見された若者クリストファー・マッカンドレス。その生と死に迫ったジョン・クラカワーのベストセラー・ノンフィクション「荒野へ」に惚れ込み、映画化権獲得に10年近い歳月を費やし自ら脚本も手がけている。
クリス役に抜擢されたのは『スピード・レーサー』にも主演した新鋭エミール・ハーシュ。
知的で無謀で純粋な青年役を熱演している。18キロもの減量に挑み演じた孤独と飢餓に陥って行く様は圧巻。
(この項、goo載しました)
【ストーリー&感想】
1990年夏、ジョージア州の大学を優秀な成績で卒業したクリス・マッカンドレスは、両親から卒業の記念に新車を買ってあげると言われたが、いま乗っているポンコツ車で結構と吐き捨てるように言い放ち、 両親や妹にも何も告げずに壮大な放浪の旅に出かけた。
1990年9月、クリスはサウスダコタ州で大農園を営むウェインの下で働いていた。 ウェインとウマがあうクリスは彼を兄のように慕う
が、ある日、ウェインが違法行為で逮捕され働き口を失う。
一方、クリスの両親は捜索願をだし必死に行方を追うが、クレジットカードも既に処分していたクリスの行方は分からずじまい。
1991年の暮れに、アウトサイダー達が集まるキャンプで 16歳の少女トレーシーと出会い、トレーシーから交際を迫られる
が、クリスはそれを振り切る。
1992年1月、カリフォルニアでロン・フランツという孤独な老人と出会い、 ロンから「養子にしたい」との申し出を受けた
が、クリスの目指すのはあくまでもアラスカであり、親切な申し出も断るしかなかった。
1992年5月、 まだ雪が残るアラスカにクリスは遂に到達する。
そこで彼は一台の捨てられたバスを発見し、こここそが彼が目指していた場所だと直感し、 バスの中での生活がスタート
する。
クリスが拘りウェインに熱っぽく語ったアラスカ行き。そこにある全てがかれの求めていた場所であり、自給自足の生活を軌道に乗せようと努力する。
だが、彼が憧れていた アラスカの荒野のど真ん中での生活
は、やはり彼に人生の試練を与えたのだった。 空腹を満たそうと、野草を食したが、それは注意していたのだが毒草だった。
薄れゆく意識の中で、彼は短い人生をどのように振り返ったのか?
彼を理解していた妹にも何も告げずに家出し、DVの父と裕福な家庭に嫌気がさし、自分の人生を全うしようとしたクリス。その名前の通り(クリスはクリストファーの愛称でキリストを意味する)巡礼者として放浪した後、現代社会の喧騒から離れた所に自分の居場所を模索し、でも 放浪の途中で知り合った人たちとは気さくに交流
する。
そうした自分の人生が、彼に取って予想外だった形で終焉を迎えたのだが、仮に、彼がこの先生き永らえたとして、それは彼に取って価値のある生き方だったのか?それは誰にも分からない。
クリスを演じた エミール・ハーシュはショーン・ペン監督の要求に見事に応えた演技だった
と思う。また、この作品は映像と音楽の良さも目立っていた。
ショーン・ペン(マドンナの最初の夫)は俳優としての演技力もピカイチだが、監督としてもクリント・イーストウッドのようなタイプになれる可能性大である。