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えーと、ずいぶん間が開いてしまいました(笑)。一部の皆様はすでに想像していたと思いますが、今年5回目の海外出張に行って来ましたぁ~!今回の行き先はロンドンでしたが、いつもと違うのが帰りにバンコクに立ち寄ってこなかった事です(涙)。何しろ、イギリスのクライアントの所で商談し、その相手を引き連れて日本に帰って来たものですから・・・。今回の出張は滞在時間24時間前後という実に短いものだったのですが、問題はその後!!日本に引き連れてきたイギリス人と一緒に日本各所を周るはめに・・・もちろん仕事関係なのですが、まるでツアコン状態でした。しかも相手は典型的な?イギリスの堅物紳士で一緒に国内を旅行中も堅苦しいのなんのって(苦笑)。やっと、昨日ロンドン向けて帰って行きました。 そんな訳でずいぶん間隔が開いちゃいましたが、え~と、なんの話でしたっけ??(笑)。そうそう、マーブルの色変わりって言うテーマでしたね。冒頭に紹介したトリカラー・マーブルはショーベタとしては非常に貴重な個体です。まぁ、ショーベタとしてのスタイルって言う目で見ればチョット難がありますが、コレだけきれいなトリカラーならば文句を言う方が間違えってもんでしょう! ・・・と言う事で、バンコクで結構お高い価格で仕入れてきたこの個体ですが、無事日本に持ち帰り撮影も終了!やっとHPにアップしました~♪って所までは良かったのですが、2日後に水替えを行うと、体からレッドカラーが飛んじゃったじゃありませんか!まぁ、怯えると色が抜けちゃうって事は良くあることだからってそれ程心配していなかったのですが・・・翌日も、翌々日も・・・結局その後この個体のボディにはレッドはまったく消えてしまいブルー&ホワイト・マーブルになっちゃいました。 まるでバンコクのブリーダーが着色していたかの様な(笑)見事な七変化です。マーブルの体色が変化する様をこの眼で結構観察してきたつもりでしたが、ここまで一気に変化した個体はコレが初めてです。結局この個体をトリカラー・マーブルとして販売する訳にもいかず、HP上にSOLD OUTの文字を出さざるを得ませんでした(涙)。いやぁ~、マーブルって奴は本当に訳判りませんッ!でも、そこがたまらない魅力なんですよね。 そう言えば逸品堂のマーブルのストックもだいぶ淋しくなってきたし、今回の出張でバンコクに立ち寄れなかったし・・・と言う事で(笑)、次回のバンコク買い付け出張のプランを嬉々として作成し始めた私なのでした。早く、出張稟議をオーナー(奥様)にお出しして決済を仰がなくっては!
2007/04/02
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さて、ここまでさんざんマーブルはいいぞッイイゾッ!!って煽っておきながらなんですが(笑)、マーブルって奴は一筋縄では行かないって話です。あらゆる改良ベタの品種の中で最も奥が深く最もマニアックな品種であるマーブルが何故難しいか?一つには、今まで何回も書いているように、体中のマーブル模様の配色がなかなか綺麗にならないって事があります。でも、それなら入手する時に自分のお気に入りの個体を選べばいいだけじゃん!・・・って思ったそこのあなた!甘いッ(笑) 理由を書く前に冒頭の画像の個体を見て見ましょう。マーブルとしては比較的ポピュラーなブルー&ホワイトの個体ですな。もちろん個人の好みの問題ですが、若干ホワイト部分の面積が少なすぎるって感じる人が大部分ではないでしょうか?それに較べて、2番目の画像の個体の方はどうでしょう。マーブル模様が大雑把過ぎるという人と大胆な配色が素晴しいって言う人に分かれるでしょうが、おおむね素晴しいマーブルである事に異論を唱える人はあまりいないのでは? ・・・って、問題はここにあるんです!実はこの2枚の画像のベタは同じ個体なんです。2枚目の画像は、今年の1月にバンコクで仕入れした直後の画像で、1枚目は現在の姿です。この2枚の画像が同一個体だって判った方いらっしゃいますぅ~?つまり、マーブルって時間の経過と共にドンドンその姿を変えていっちゃう品種だったんですね~。自分の保有しているマーブルが数ヵ月後にどんなカラーリングになっているかはまさしく神のみぞ知るって奴です。 そう言った意味では、本当にショップ泣かせの品種です。だって、2枚目のブルーとホワイトのくっきり色分けされた個体がいいって感じたお客さんが注文すると1枚目の画像の個体が送られてきちゃうんですから。実際、今までに何件か送られてきたマーブルの個体が注文したものと違うって言うクレームがありました。コレはもう、説明の使用がありませんから実物がお気に召さない時は返金するしかありません(涙)。 これから数回に分けて、この手のマーブル七変化(笑)に関してレポートしていきたいと思います。
2007/03/23
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さて、プラカットでも逸品物、特に多色系マーブルになると作出ブリーダーの特徴が明確に打ち出されてくるって言いましたけど、今日紹介する個体なんかはその典型です。ベースになったのはパステル・マルチでしょうが、各ヒレの鮮やかな配色は一体何なんでしょう!特に、イエローのマーブル模様がこの個体の最大の売りですね。個人的には、コレで一つの完成品だと思ってますけどあえて改良したい点と言えばボディの配色をもう少しクリアなものに出来れば申し分ないと思います。 ・・・ところで、このヒレのカラーパターンに見覚えのある方はいませんかぁ~?そう!前々回つまり逸品堂通信vol.057で紹介した個体と似通ってるでしょ?違いはボディがダークボディかパステルホワイトかって言う点だけです。バンコクにベタブリーダーは星の数ほど存在すると言っても、ヒレにイエローのマーブル模様がある個体を作出出来るブリーダーがそんなに存在する訳ありません。実際、この2つの個体は同じブリーダーのファームから出たものなんです。 つまり、このブリーダーはイエローのマーブルパターンが出る系統を持っていると言う事です。後は、ベースとなる品種に何を使うかで様々なカラーパターンのマーブルが作りだせるという原理です。 このブリーダーもかなり偏屈そうなオヤジですが、以前別の店で仕入れた個体をオヤジの所に持参し、「コレってオッチャンが作ったんじゃないの??」って尋ねたら、イキナリ打ち解けるようになってくれました。つまり、自分の系統をきちんと評価し理解してくれていると考えたらしいです。実際、オッチャンが思っている程こちらはベタの形質について詳しく理解してる訳じゃないんですけどね~(苦笑)。でも、せっかく相手がいい方向に勘違いしてくれている訳ですから、こちらから訂正する必要もなく、結果としてバンコク行く度にこの様な絶品をオッチャンから仕入れる事ができていると言うお話でしたぁ~♪
2007/03/22
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前日の個体も凄かったですが、今日紹介する個体も驚愕!!としか表現できないような絶品です。何が凄いって、イエローのマーブル模様が存在するって言う事実を我が国のベタフリーク(・・・っているのか?)はおそらく知らなかった事は確実と言うくらいのレベルで凄いんです(苦笑)。ベースになっているのはブルー&ホワイト・マーブルでそこにうっすらとブラックも散在していますね~。そして、ヒレや頭部にはくっきりとイエロー・マーブルの存在がっ!まったく、ここまで来るとどうやって作るのだろうって言う所まで頭が回らず、ただただ恐れ入るばかりです。 実はこのブリーダーは、私が前から目を付けていた一人なんですが変に出し惜しみして(笑)自分の作出した個体を放出しようとしません。元々はバンコクでは結構有名なコンテストブリーダーらしく、彼のファームにはずらりとトロフィーが並んでます。そんな趣味が高じてビジネスになったようなオタッキーな男ですから、個体のレベルが高ければ高いほど手放したくなるみたいです。 この個体も延々と交渉を重ねて、一応販売が決まったかと思うと「いや、やっぱり悪いんだけど売れないっ」とか「もっといい個体が他にあるから、コレはよしたほうがいい」とか盛んに粘ります。いざパッキングしてからも、名残惜しいんでしょう(笑)妙に粘りつくような眼でこの魚の入ったビニール袋をチラチラ盗み見てました。まぁ、この個体なら私でも同じような反応するかも・・・。実際、逸品堂で出荷する時も結構名残惜しかったりしましたから(笑)。 以前から言っているように、やはり事新品種の作出と言う点に関してはまだまだ日本のベタホビー界はバンコクの足元にも及ばないみたいですね~。私が逸品堂を渋々でも(笑)継続しているのは、一部の日本人にある「バンコクのベタ=安かろう、悪かろう」と言う完全に誤まった差別意識をなくす手助けになればと言う気持ちがかなりのウエイト占めてます。基本的には国粋主義的な思想傾向が強い男ですが、実際面で日本のベタホビーが世界レベルにまで到達するには、現状を偏見を持たず把握する事が第一歩だと信じてます。 日本の改良ベタは世界レベルって信じている人は一度バンコク(シンガポールでもOK)のベタコンテストに足を運んでみるべきでしょう。コンテスト会場を後にしてからも「日本のベタの方が上っ!」って言える人は、別の意味で尊敬しちゃいます(笑)。輸送面や仕入れ価格の問題で国内に輸入されてこない、本物のタイ産ハーフムーンをぜひ見てもらいたいなぁ~。何度か逸品堂でも輸入にトライしたんですが、完品の個体になればなるほど運搬中にヒレがボロボロになっちゃうんですよね~(涙)。現地での仕入れ価格が、笑えない金額だけに怖くて仕入れる気になりません。それに、そもそもコンテストに出品する多くのタイ人はアマチュアで純粋にベタ楽しんでますから、個人的に親しくなって譲り受けない限り一般的な流通ルートで日本に入ってくる事はないんですけどね。 ・・・ところで、今日紹介した個体を作出したオタッキーブリーダー(笑)は、もっと凄い隠し玉持ってるんですよぉ~♪それはブラック&イエロー(ゴールデン)・マーブル!コレは彼の所に行くたびに粘り強く交渉してるんですが、絶対に手放そうとしません。もっとも、この系統持っているからこそ彼もバンコクのベタコンテストでトップレベルに君臨できてるんですけどね。いつかは必ずゲットして見せますから、楽しみにしててくださいねっ!!
2007/03/19
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ここ何回か紹介している、多色系のマーブル位の逸品になると他の品種と同じような価格では入手できません。大概は、店やファームの人間と価格交渉と言う事になります。さすがに、こうも頻繁にバンコクに出向いていて先方とも顔馴染みになっていると滅茶苦茶な価格を言って来る事はありませんが、それでも他の品種の数倍もの値段を言って来る事は珍しくありません。 そんな場合、イキナリ目指す個体の価格を聞いちゃいけません。まずは、店の中の個体をザット一通り眺めます。その時点で、お目当ての個体がいてもすぐにそこにかじりついちゃあダメ!まずは、その個体の入っている容器の3つ位隣の容器の個体に興味があるように見せかけましょう(笑)。そして、その個体の価格をさりげなく尋ねそれから世間話を交えて徐々にお目当ての容器の方に話を向けてっと・・・。他にも、お目当ての個体と同系統のそれ程グレードの高くない個体を先に交渉し、「コレと同じ系統は全部買おうかなぁ~」とか言いながらお目当ての個体も同じ価格で購入しちゃうと言う姑息な手段を使う事もあります。 こんな話聞くと「なんだかセコイなぁ~」って思う人もいるでしょうけど、イキナリ店に入ってズカスカお目当ての個体まで突き進んで、意気込んで「コレいくらぁ~?」って聞いてご覧なさい!間違いなく倍以上吹っかけられちゃいますからね(笑)。もっとも、タイの物価は物凄く安いですから例え倍以上吹っかけられても、日本人の感覚では別にそれ程高額ではありません。ただ、そんな殿様買いしてると完全に相手になめられて、まともに取り合ってくれなくなります。この辺は、売る側もマニア感覚って事なんでしょうけど、「この客は個体を見分ける眼があるっ」と思わせないと、仕入れも上手く行かないんですよね~。 しかしながら、今日紹介する個体くらいの絶品になると、そんな姑息な手段ははなから通用しません(苦)。まず、店先に並んでいる事はありませんから、ブリーダーのファームに直接買い付けに行かないとダメでしょう。よしんば、店先に並んでいたとしても非売品表示!つまり、その店のブリーダーが如何にすぐれているかを知らしめるデモ用って事なんでしょう。そう言った個体をゲットするのは本当に労力を必要とします。 ちなみに、今日の個体は今まで逸品堂で仕入れたプラカットの最高価格を更新いたしましたぁ~♪(笑)。一般的な個体の数十倍って言う天文学的(バンコクでは)な価格で入手しました。それでも、ブリーダーは絶対に売らないって言うのを延々と口説き落としてようやくゲットしたんですよ。ブルーのスポットが散在するボディは一般的ですが、各ヒレのマーブルパターンは赤・青そして黄色と信じられない配色です。例えベタ一匹の仕入れで諭吉が飛んで行っちゃっても全然惜しくありませんっ!・・・って、趣味ならともかく、一応商売やってる人間が感情移入してちゃダメだよな~(苦笑)。 そうそう、もちろんですがオーナーであるわが妻にはこの個体の仕入れ価格は申告いたしておりません!(笑)。そんな事したら、滅茶苦茶な販売価格設定しちゃいそうですからね。本当は誰にも渡さないで自分で飼育したかったんですけど、メス個体が入手できなかったし、今の仕事状況では上手く次世代残す自信なかったし・・・という事で渋々?逸品堂にアップしたらものの1時間もしないうちにSOLD OUT!お買い上げありがとうございましたぁ~!!(涙)可愛がってやってくださいね~♪
2007/03/18
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どうもマーブルと言うとサイケなイメージがあるみたいですが、実際にはすごく繊細なイメージの個体も多数存在します。今日紹介する個体などは、清楚なイメージに溢れた逸品だと思います。マーブルに対して偏見を抱いている人も、この個体を見るとずいぶんとイメージが変わるんじゃないでしょうか。基本的にはシルキーホワイトの地にブラックのマーブル模様が少々と言う非常に地味な感じの個体なのですが、頭部の深紅色がこの個体全体のグレードを何ランクも上に持ち上げている気がします。やっぱり、マーブルは色の配置がすべてって改めて思わせてくれる個体ですね~。 この実に美しい個体を生産しているファームは、数あるバンコクのブリーダーの中でも最も流行の先端を行く所です。他のブリーダとは異なり、絶えず新たな改良を目指しているようで、バンコクに行くと必ず立ち寄る場所でもあります。まぁ、ここに行けば最新品種が入手できると言う強みはあるのですが、反面系統維持と言う点ではちょっと問題ありで(苦笑)前回ここで入手した系統が気に入ったので今回も仕入れたいとか思って行っても、もうその系統はないよって言う事もしばしばです。 ただ、この事でこのブリーダーを他のトップブリーダよりも下に見るのは間違いで、ここまでコンスタントに新品種をリリースできると言う事は、余程ベタの形質遺伝に精通していると思うべきでしょう。ただ、残念な事に彼はまったくと言って良いほど英語を解しません。普段は、若い頃はさぞかし美人だっただろうなぁ~って明らかにわかる、上品で清楚な初老の奥様がカタコトの英語で通訳してくれてます。ほんとは、このブリーダーと直接色々と話をして、ベタの形質遺伝について勉強したいんだけどなぁ~。 そう言えば、逸品堂を始めるまではマーブル系って言うのは一部の特殊なマニアしか興味を示さないカテゴリーだと思い込んでました。でも、いざ蓋を開けてみると一番売れ行きが好調なのはマーブル系品種だったんですね~。いやぁ~、判らないものです。特に女性の方からの支持が多いのは完全に想定外でした。
2007/03/16
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昨日の話じゃないですが、あの見事なレッドを基調としたトリカラー・マーブルを作っていた頑固親父の失踪?と同時にあの系統はバンコクの市場から見事に姿を消しちゃいました(涙)。バンコクにはそれこそ星の数ほどベタブリーダーが存在しますが、ハイクラスのブリーダーになればなるほど、一目で奴の魚だって判るような個体を世に送り出すようになります。 今日紹介するのはそんなブリーダーの一人で、名前は良く判りません・・・って言うか何度聞いても難しすぎて覚えられません(苦笑)。どうも、タイ語の発音は我々日本人には結構難敵のようで、語学力に大きな欠陥のある私では耳で聞いたとおりに発音しても「違うっ」って直される事がしばしばです。今では私も彼の名前を正しく発音する事はあきらめて、ハッサンって呼んでます。もちろん、本当は全然違う名前なのですが、憶えられないもんはしかたありません(笑)。本人は純粋なタイ人だって言ってますがどう見ても顔がアラブ系なので、アラブ系の方の名前でたまたま思いついたハッサンと命名してやりました。 最近では本人もいちいち訂正するのが面倒なのかハッサンで通ります。しかも、面白い事に周りのショップの人達からもハッサンって呼ばれてるみたいです(爆笑)。このハッサンは、厳ついそして抜け目なさそうな外見に似合わず、優しい印象のマーブルを沢山生産しています。今日紹介した2個体はいずれもハッサン作(だから違うって!)です。どちらも可愛らしい個体でしょ? 彼位のレベルになると他のショップに個体を卸売りもしてるみたいで、彼の所に言って××の店に魚出したろっ?って尋ねると、ニヤッと笑い返してきます。そして、かならず「いくらで買った?」って聞いて来るのが彼の常です。そしてこちらが価格を告げるとまたニヤッ・・・最初のニヤッは理解できるのですが、2度目の奴はね~(笑)。内心「馬鹿な奴っ!」とか思われているようで、いつもほんのちょっぴりだけムカッってします。でも、意外と良心的な奴で、日本人の私相手でもボル事はありません。 以前彼のところで20尾位を卸価格で購入し、パッキングするのを待っていたら地元のタイ人らしき客が来て個体を選び価格交渉をはじめました。バンコクでは外国人価格と地元民価格の2本立てが常識なのに、彼はその客には私に対してよりもはるかに高い価格を提示してました。私が支払う際に、まだ居残っていたその客が私の支払った額を知って安いじゃないかと文句言ってましたが、我らがハッサン(笑)は「コイツには卸売りだから小売より安くて当たり前っ!」って撥ね付けてました。人は外見で判断しちゃいけませんって言う見本ですね。・・・と言う事で、私がいくら極悪な顔してても、飛行機の機内で前の席を思い切り蹴り上げても、そんな些細な事で私が凶悪だなんて考えちゃいけないんですよっ!そこのあなたっ!!(笑)。
2007/03/12
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さてさて、多色系マーブルは色彩が多ければ良いと言うものでもありません。前回書いたように、色が増えればそれだけ配色が難しくなるからです。まぁ、ものの美醜なんてものは完全に人様の主観によるものですから、私が勝手に美しいとか否とか言うのもチョット問題ありますけどね~。 ところで今日紹介するのは、トップの画像がトリカラー・マーブルです。濃いレッドの地にブラックと深みのあるメタリックブルーが上手く配色されていて、優しげな印象になりがちなマーブルの中では精悍なイメージが強い個体です。個人的には非常に好きな個体であり、私の中のマーブル熱が再燃したきっかけとなった個体でした。 そもそもこの個体は、私の行きつけの店の一つで購入したものです。そこは、結構上物のマーブルが置いてあるのでお気に入りの店だったのですが問題は店主のオヤジにありました。とにかく絵に書いたように(笑)見事な無愛想!接客中にも絶えずブツブツとなにやら文句だか呪いの言葉だが呟き続けています。これは、私が日本人だからと言う事では無い様で、近くの店の人からも「あの店のオヤジは偏屈だから・・・」って言われてましたっけ。 でも、置いてある個体が結構私のツボにはまってるんで、毎回ブツブツと呪いの言葉を吐きかけられながらもこの店には通い続けてました。そんなある日・・・。どうもお気に入りの個体がなかったので何も買わずに店を出ようとした時、店の偏屈親父に呼び止められました。「何で何も買ってくれないんだっ!」「どうも、今回は気に入った個体がない」「どこが気に入らないんだっ?」「今までのマーブルに較べて、全体的に模様がダーティな気がする」どうも、その一言でこの偏屈親父に妙に気に入られてしまったようです。その時、たまたま自分のファームに販売できる様な個体がいなかったため仲間のマーブルを仕入れてきて並べてあったらしいのです。「おまえは、馬鹿な日本人の中では少しはましなほうだな。見る目が少しだけ付いてる」とかオヤジは褒めてくれるのですがこれって褒められてるのか日本人馬鹿にされているのか良く判らず少々複雑です(苦笑)。 それからオヤジは店を閉めると、イキナリ私を郊外の自分のファームに連れて行ってくれました。そこにはいる事いる事!まだ販売するには少々若いものの画像のタイプのマーブルがてんこ盛り状態でした。「本来は馬鹿な日本人には売らないんだが・・・」とまたまた余計な?世辞を聞きながら購入したのが上の個体とか下の個体です。 他にも他所では絶対見る事が出来ないような素晴しいマーブルの系統を繁殖させているオヤジで、変人ながら天晴れなものでした。・・・でしたって過去形??そうなんです。実はこのオヤジのファームは去年の夏頃のバンコク一体に起こった洪水の際に大事に累代飼育していた種親が全部流出しちゃったようなのです。ある時、マーケットに行くと彼のショップが閉まってまして・・・その次もその次も・・。そこで近くのベタショップに尋ねてみて初めて事の真相が明らかになったと言う訳です。偏屈親父ももういい年だったし、普段からの人付き合いの悪さがたたり、彼が災厄に見舞われた時救いの手を差し伸べてやる人もいなかったそうで崩壊したファームをそのまま放置してどこかに姿を消してしまったそうです。 うーん、確かに偏屈だったけど一度心を開いてくれればそれなりに温かい心の持ち主でした。口汚いのは変わりませんでしたけど(苦笑)。それより何より、彼の作っていた系統のマーブルがこれ以降バンコクの市場でまったく見かけなくなってしまった事は残念です。もう少し早くにこのこと知っていれば、できる範囲で支援できたのになぁ~。今頃元気に暮らしているんでしょうか?あの頑固親父は??今はフラワーホーン屋(私はまったく興味なしっ!)になってしまった店の前を通るたびに、彼の作ったマーブルと共に彼の事を思い出してます。
2007/03/11
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さて、今日紹介するのも実に素晴しいマーブルのプラカットです。レッド・ホワイト・ブルーそしてブラックとなんと4色ものカラーが体に乗っています。よくグッピー界では色んな品種の表現形を一度に現している個体を役満グッピーって言う表現しますけど、さしずめこの個体などは役満ベタって言う事なんでしょう。 昨日も書きましたが、多色になればなるほど上手く色彩の配置がなされている個体を探すのは至難の業になってきます。単に4色のマーブルと言う事なら、一回のバンコク仕入れ旅行に付き10尾やそこらは見つける事が出来ます。でも、その個体が美しいかどうかと言うと・・・。ほとんどと言うかほぼ確実に、子供がパレットの上で色んな色の絵の具をグチャグチャと混ぜ合わせたようなキタナイ感じになってます。ホラ、パレットの上の絵の具も少しだけ混ぜ合わせた時はものすごく綺麗な感じなので、いつまでも練り練りしていると次第に濁った感じになってくるじゃないですか。それと同じような見た目になっちゃうと言う事です。 それを考えると、この個体のように全体の色彩の配置がここまでスッキリしているのは奇跡に近い事なのかも知れません。とにかく、今まで数多くのマーブル個体を見てきましたが今でも印象に残ってる逸品の一つです。 これくらいの業物になってくると、ただバンコクの市場をうろつき回った位ではまず入手不可能です。ショップを開いているブリーダーと懇意になり、彼のファームに連れて行ってもらうかもしくはこちらの要望に相手がきちんと応えてくれるようになるまで人間関係を構築しないといけません。まぁ、ブリーダーなんてものは半分以上趣味が入ってますから(笑)、相手がベタの事良く理解してないと思うととことん手を抜いた対応しますし、逆にコイツは本当にベタが好きなんだなって思ってくれると真剣に対応してくれます。 だから、我が国の輸入問屋さんがメールやFAXでオーダー出しただけでは、注文もらった側は自分のストックの中から選りすぐりの個体を送って寄こすっていう可能性はほぼ確実に0%ですね。・・・そんな訳で逸品堂が細々ながら何とかやっていけるんでしょうけどね~(笑)。本当は、日本にいながらにしてバンコクのシッパーにメールでオーダー出せばコスト的にはバンコクに行く旅費分浮く訳ですから半減以上の経費削減になるんですけどね(苦笑)。理論上は販売価格も1/2程度に落ち着くだろうし・・・。でも、そんなことしたら個体キメ打ちの逸品堂(一品とも掛けてます)の存在意義なくなっちゃうしね~。
2007/03/08
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海外出張で間が開いてしまいましたが、マーブル系品種の紹介に戻りましょう。さて、今日からは2色マーブルを卒業して更なる深みへ皆さんを御招待しましょう!(笑) そうです、今日からは3色以上のカラーが複雑に入り混じった多色系マーブルに突入します。例えば、今日のトップの画像はブルー&ホワイト&ローズレッドと言うトリカラー・マーブルです。下の画像は、ブルー&ホワイト・マーブルですが、どうです?1色増えただけでものすごく華やかになったと思いませんか??コレだけ見事なマーブルならば、プラカットのコンテストがあればかなりの確率で総合優勝を狙える事でしょうね~♪残念ながら、ショーベタと違ってプラカットのメジャーなコンテストは我が国には無いみたいですけどね(苦笑)。 しかし、これだけ華やかになる事が判っていながらどうしてもっと多色系マーブルが市場に出回らないのでしょうか?答えはすごく簡単で、作出が難しいからです(笑)。・・・と言っても、別に多色系マーブルを作るだけなら別にそれ程大した事ではありません。要するに、観賞に堪えるだけの良個体の作出が難しいのです。 考えてみれば当然の事で、2色をバランスよく配置するよりも3色以上の多色を上手く配置する方がより難しい訳です。だから、多色系のマーブルで紹介したような絶品を作り出すには本当に数多くの個体を繁殖させなければなりません。しかも、マーブルは模様がなかなか固定しませんから、生後3ヶ月程度では怖くて選別なんて出来ません。結局4ヶ月から半年以上、やたらと沢山の個体を維持管理しなければならない訳ですから、余程のマーブル好きか暇人以外には手に負えないのかもしれません。 でも、それだけに多色系マーブルの逸品をバンコクで見つけた時には本当に感動物なんですよ(笑)。その感激を味わいたくて、クソ暑いバンコクの市場内をうろつきまわっているようなものです。これから数回の間、私が中年のくたびれオヤジの持てるすべてのパワーを振り絞って収拾した多色系マーブルの逸品たちを順次紹介していく事にしたいと思いますので、乞う御期待!!
2007/03/06
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昨日、さんざん地味だの何だのこき下ろしてしまった哀れなブラック&ホワイト・マーブルですが、一度この品種にドラゴンの血が入ると事態は一変しちゃいます!品種名で言えば、これまたやたらと長くなるので嫌なんですが(苦笑)ブラック&プラチナ・ドラゴン・マーブルとでも言いましょうか、とにかく精悍なイメージと言う点では絶品です。 特に冒頭の個体は、私がバンコクでプラカットを捜し求めるようになってから莫大な個体数の中でも、間違いなく10指に入るものすごいインパクトのある個体でした。それこそ、今から20年以上前のCMではないですがインパクトの瞬間ヘッドは回転しちゃいますっ!(笑)。 考えてみれば、プラチナシルバーのドラゴンパターンが一番映えるのは漆黒のボディですから、この組み合わせのマーブルがものすごい個体になる事は当たり前なのかもしれません。ただ、ここまでインパクトのある個体を作り出すには、元親となる余程グレードの高いブラックを持ってないとダメでしょうね。この個体も2番目のこちも、昨日チョット話に出てきたブラック&ホワイト大好きって言う少し変な?(笑)ブリーダーの作品です。もちろん、彼のファームには見事なソリッド・ブラックの個体も存在します。 2番目の個体は、それこそ典型的なブラック・ドラゴンの体の前半部分にベッタリとプラチナシルバーのマーブル模様が載る個体です。ボディの漆黒と言う点から最初の個体には少々負けますが、マーブルとしてはかなりの上玉なのは間違いないところ。後は、次世代以降でどこまでボディの黒を磨いて行くかって事でしょう。・・・でも、漆黒ボディを作出するのに必要なレベルのメス個体ってなかなか手に入らないんですよね~(涙)。 そう言えば、昨日をもって逸品堂恒例の?(って第一回目じゃん)新春セールが無事終了いたしました。今回も、店主の想像をはるかに超える御注文を賜り本当にありがとうございました。今回のセールで気が付いたのですが、メスを探している方は私の想像よりもはるかに多いみたいです。考えてみれば、ベタの繁殖を楽しむのにはオスメスはどちらもその重要度においてまったく差がない訳ですからあたりまえか。 本当はもっと沢山のメスを用意したいのですが、価格がねぇ~(苦笑)。冗談抜きで、自分でバンコクに行き自分の目で選んだベタを買い付けてくる方法で、現在の販売価格以下で販売できるとはとても思えません!と言うよりは、今の価格なら商売としてはやらない方がマシ状態なんです。以前も書いたようにバンコクではオスメスの価格差はありません。下手すりゃメスのほうが高い事もざらです。そうかと言って、メスの価格が安いのが当たり前みたいな感じの日本でオスと同じ価格って言う訳いかないですし・・・難しいもんです。
2007/02/21
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それではそろそろ次なるマーブル系品種の紹介に移る事にしましょう。今日紹介するのはホワイト&ブラックと言う非常に地味な(笑)品種です。どちらかと言えば原色の派手な美しさが売りの改良ベタの世界で異色とも言うべきモノトーン!ここまで渋いと、変にひねくれたマニアでさえ手を出さない分野かも?写真の順序が逆転してますが、2番目の画像が一番良く見かけるホワイト&ブラック・マーブルの系統です。うーん、正直言ってここまで渋いと褒め言葉が容易に見つかりません(涙)。 実際の所ホワイト&ブラックと言う系統は、コレ単体ではあまり市場で見かけません。売れ行きの鈍い品種は誰だって生産したくないですからね~。ただ、この地味男(笑)は他のマーブルの元親としてはかなり優秀です。以前ブルー&ホワイト・マーブルでもブルーの発色の下にブラックがあるため精悍なイメージに仕上がった個体を紹介しましたが、コレなどは確実にホワイト&ブラックの血が入ってます。このように、ブルー&ホワイトやレッド&ホワイトのマーブルに交配してトリカラー・マーブル作る時には絶対に必要な系統です。 マーブルの国内生産に励んでおられる方は、この系統のメス個体を常にキープしておくと面白い表現形のマーブル作り出すことが容易になると思います。それと、その時出来るだけブラックの発色が明瞭なメスを用いた方が良い結果が出ると個人的には思います。と言うのも、このブラックのマーブル模様はどちらかと言えば退色する傾向が強いため、白地の面積が多い個体やぼやけたようなブラックの個体を種親に使っていると、次世代以降にクリームホワイト一色のマーブル?が頻出するようになるからです。この辺りは更紗流金の種親選びと同じですね。 それでも、バンコクに数いるベタブリーダー達の中にはヒネクレ物も存在するようで(笑)、この系統だけをとことんブリーディングしているブリーダーもいます。彼の所に行くと、本当に様々なホワイト&ブラック・マーブルのカラーバリエーションを見る事が出来ます。冒頭の画像の個体は、元親にドラゴンかシルキーホワイトの個体を使ったと見えて白地の色が格段に改良されてます。この個体なら我が国でも好きな人確実に存在すると思います。・・・って書いている本人がすでに結構お気に入りだったりするんですけど。
2007/02/20
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昨日「理論上はすべてのマーブル系品種でバタフライパターンの作出が可能」と言いましたが、今日はその実例を一つ。この個体はホワイト&ブラック&イエロー・マーブルの中から出てきたバタフライパターンの個体です。その事は、バンコクの上記品種のブリーダーのファームに直接行って多数の兄弟の中からチョイスして来たので確実です。 この個体には、本来この品種にあるはずのブラックのマーブル模様が消失しちゃってますからマーブルとしての評価はあんまり・・・。しかも、原種並みに小さな尾ビレと他のヒレのアンバランスな所から形状でもあんまり・・・。しかも、しっかり全身にコショウ病が出ちゃってますから3たびあんまり(笑)。私がこの個体を選んだ時も、ブリーダーは「そんな出来損ないの個体なんてやめときなよ」って心底忠告してくれちゃいました。えっ?この個体手放すのが惜しくなっちゃったんじゃないかって?どうもそうではなさそうです。と言うのも、彼はこの個体ただでくれましたから。 この個体のように、ボディとヒレが同一色でヒレの中程にリング状にバタフライパターンが出現する品種を、作出者の名前をとってタットワイラー(タットウィラーって呼ぶ方が、人の名前に近いかも)と呼びます。写真の個体は本来のタットワイラーというカラーパターンから考えると、尾ビレのイエローがチョット弱いかも。今から20年以上前の第一次ショーベタブームの時には、かなり多くの人がこの品種に思いを馳せたものです。ただ、私も含めてほぼ全員が実物を見たわけではなく、洋書に冴えないモノクロ写真で紹介されていた個体をポカァ~ンと指を咥えて眺めていただけの事ですけどね。 当時、20代前半にもかかわらず今よりも大規模の熱帯魚温室保有していた私も、タットワイラー作出目指してバタフライ系の繁殖しまくりましたね~!冗談抜きで1000尾以上は確実に殖やしました。当時入手可能なありとあらゆるバタフライのペアでね。でも、ただの1個体も出てきませんでした、タットワイラー・・・。今考えれば当たり前の事で、この品種はバタフライ系じゃなくてマーブル系から作出するんですから仕方ないですけど。 そんな訳で私にとっては夢の品種であったタットワイラーですが、昨日も書いたようにマーブル系の宿命としてこの形質は固定化できないはずです(涙)。つまり、瞬間芸に過ぎないって事です。それでも、タットワイラーパターンのショーベタただの1尾でも作出できたらヒレの開きがいまいちでも何でも(笑)、コンテストで総合優勝しちゃうかもしれません。なにしろ、コンテストの審査する人達はみんなベタ昔からやってますから幻のタットワイラー目の前にして冷静な審査できないでしょうから(爆笑)
2007/02/19
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さて、数回にわたってブルー&ホワイト・マーブルのバリエーションを紹介してきましたが、最後にこの品種の一つの未来形とも言うべき品種を紹介しましょう。それはチョット名称が長いのが気に入らないのですが(苦笑)ブルー&ホワイト・マーブル・バタフライです。その名の通りブルーボディで各ヒレの先がホワイトエッジと言うバタフライパターンなのですが、ボディの所々がまだらになっている事からお判りのように、実はマーブル系の品種なのです。 ここのところ、バンコクの市場でチラホラその姿を見かける様になってきました。レッドボディにホワイトエッジと言う人気品種のラベンダーバタフライでも言えることですが、ショーベタと異なりヒレの短いプラカットでは、バタフライの最大の売りであるヒレ先の縁取りがどうしても面積の狭いものになってしまう傾向があります。純粋なブルー&ホワイト・バタフライのプラカットも極少数ですが確かに存在します。しかし、そのほとんどが痕跡に程度にホワイトエッジがあるだけで、とてもショーベタのバタフライのようには行かないというのが現状です。 そんな中、このマーブル系のブルー&ホワイト・バタフライはホワイトエッジの幅が広く見応えのある個体に出会う事があります。ただ、純粋なバタフライに較べるとホワイトエッジが均等ではなく若干デコボコした感じになってしまうのは、マーブルなんですから致し方ないところでしょう(笑)。ただ、同じようなバタフライパターンのマーブルを複数見かける事から推察するに、確実に各ヒレが白く縁取られるカラーパターンのマーブル系統が存在する事は確かなようです。 この素晴しい系統の唯一の欠点と言うと、マーブル系の宿命ですが表現形がいつまでたっても固定するということがない事でしょうか。何代にもわたって累代系統繁殖させていけばマーブル・バタフライの出現率は高まっていくのでしょうが、結局はマーブルですから(笑)その外見と言うかカラーパターンは永久に千差万別って事になっちゃうでしょうね~。 ただ、理論上はすべてのマーブル系でバタフライパターンは出現する可能性があるわけですから、普通のバタフライからは想像も出来ないようなものすごい色の組合せをしたバタフライが出現しても少しも不思議ではないはずです。固定できないので瞬間芸って言われちゃえばそれまでですが、コンテストや展示会などで花形となる事は間違いなしでしょう!
2007/02/18
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さて、前回はホワイトの部分がシルキーパウダーをまぶした様に見えるブルー&プラチナ・マーブルを紹介しましたが、ほぼ同じような外見でもう一つ別パターンの系統が存在します。それが今日紹介するブルー&プラチナ・ドラゴン・マーブルです。・・・って名前が長すぎてなんだかなぁ~っ(笑)。でも、名前の通りプラチナの部分が明らかにドラゴン系由来のカラーパターンになってます。どちらかと言うと優しくて繊細なイメージがあるシルキー系に較べると、こちらは精悍なイメージが強い気がします。 もちろん、それはドラゴンパターンによるものなのですが、もう一つなぜかこの系統はブルーの発色の下にブラックの発色が隠されている個体が大部分で、その事がこのマーブルのブルーの部分をより精悍なイメージに仕上げているのだと思います。 個人的には非常にお気に入りのマーブルで、バンコクでの仕入れの際はかなりの数量この系統を買い付けちゃいます(笑)。体型もなぜか素晴しい個体が多いのもこの系統の特徴です。 ただ、そんなお気に入りのマーブルなのですが今の所系統維持に関しては今ひとつ分かっていません。と言うか、我が家で繁殖させたF1に親と同じようなブルー&プラチナ・ドラゴン・マーブルが出てこないのです。なぜか、マーブルではないドラゴン系かドラゴンの掛かっていないマーブル系のどちらかに分離しちゃってます。まぁ、この辺りは2~3回の交配実験で判断する事は出来ませんから、もう少しこのマーブルについては繁殖をさせてみたいと思ってます。 それにしても、むやみやたらと出張で家を空けることが多くベタの稚魚の育成もままなりません(涙)。生後2週間もすれば3~4日の絶食には何とか堪えてくれるベタ稚魚ですが、月に2~3回出張がある現状では、成長が遅くて遅くて・・・。本来ならば、生後2ヶ月程度でカラーパターンに関してはある程度判明するので、その時点で第一回目の選別が可能なのですが、最近では早くて生後3ヶ月、遅いと4ヶ月も選別開始まで要する事があります。 ベタは観賞魚の中では比較的長期にわたって成長する種類のようで、他の熱帯魚では稚魚~幼魚期に餌が不足すると、サイズが小さいまま親の体色になってしまう状態になりがちですが、ベタならば生後半年以上にわたり成長期があるようで生後4ヶ月の時点で発育にやや難がある個体でも、その後に十分な餌を与えれば普通のサイズまで成長してくれるのが救いですけどね。
2007/02/17
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さて、ここまでブルー&ホワイト・マーブルのバリエーションについて紹介してきましたが、昨今ではさらに新たなバリエーションが加わるようになってきています。従来のブルー&ホワイトでは白地がクリームホワイトなのですが、この新品種では見事なシルキーホワイトに仕上がっています。個人的には、このシルキーホワイトにも2つの系統があると考えています。一つ目は今日紹介するオペック・ホワイトあたりに源を発する白地の上にシルキーパウダーを満遍なく散らしたような外見のもの。このカラーリングは、ソリッドカラーのオペック・ホワイトやゴールドもしくはプラチナ・イエローと呼ばれる品種でもっとも顕著にその傾向を認めることが出来ます。そして、もう一つはドラゴン系の品種から派生したと思われるシルキーホワイトで、こちらは次回に紹介します。ただ、バンコクではこの2つの系統を区別していないようで、この手のホワイトに対してプラチナと言う名称をつけて呼ぶことが多いようです。 私の拙い撮影技術では白地のシルキーな感じがうまく表現できていませんが、冒頭の個体が噂の?ブルー&プラチナ・マーブルです。2枚目の画像のブルー&ホワイト・マーブルに比べて格段と華やかな感じがする逸品です。個人差はあるでしょうが、誰が見てもよい華やかなイメージがあり、今後のブルー&ホワイト・マーブルの主力となることは確実だと思います。 ただ、このブルー&プラチナで唯一気になる点と言えばブルーの上にもプラチナが乗っかってしまっているようで、マーブルとしては中途半端な表現の個体の割合が多いのです。ブルー&ホワイトではどうみてもホワイトの上にブルーのマーブル模様が乗っかっているのですが、プラチナの場合もしかするとブルーの発色よりも上の層に色素が存在するのかもしれません。・・・ってまだ確認したわけではなく、あくまでも個人の主観ですからね(笑)。この、良個体が思ったより少ない事と写真ではなかなかその美しいシルキーホワイトをうまく表現できないと言う点が、逸品堂店主と言う立場からすると少々困り物ですが、美しい新品種の登場であることは間違いのないところでしょう。 ところで、逸品堂通信のバックナンバーがいつの間にか間違えておりました(笑)。正しくは今回でvol.046でしたぁ~!お詫びして・・・って誰も気にしていないだろうけど今回の号から訂正します。
2007/02/14
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さて、ブルー&ホワイト・マーブルについて1日目はマーブル模様の多少、2日目はブルーの色調で分類してみましたが、まだまだ先がありますゾ(笑)。今日は、色の濃淡で分けてみましょう。冒頭の個体はロイヤルブルー&ホワイトの典型的なマーブルです。ロイヤルブルーとクリームホワイトの境目がくっきりとしているのが特徴です。このくっきりとした色使いがマーブル好きにはたまらないのですが、逆に何だかすごく人工的な感じがして嫌だなぁ~って感じる人も確実に存在するみたいです。 ところで、話が少々脇にそれますがどうもバンコクでものすごく沢山のブルー&ホワイト・マーブルを見ていて一つ気が付いた事があります。それは、なぜか体の前半部分はクリームホワイトに染まりやすく、逆に後半部分はブルーに染まるものが非常に多いと言う事。確かに、中には全身にバランス良くブルーのマーブル模様が散りばめられた個体もありますが、過半数は冒頭の個体のように、前半がホワイトで後半がブルーです。これが一体何故なのか今の所その件に関して述べた文献も見た事がありませんし定かではありません。ただ、ソリッド・ブルーの頭部も青く染まらないでブラックフェイスの個体がほとんどである事から推測すると、ベタの頭部にはブルーの色調は乗りにくいのかもしれませんね~。 それでもって2番目の画像は、おなじロイヤルブルー&ホワイトの個体ながら色の境界線で両方の色が混ざり合っていて境界線が明瞭ではないタイプです。同じブルー&ホワイトでもずいぶん印象が異なるものでしょ?私は、この個体からはなんとなく日本的な雰囲気を感じちゃいます。従来のマーブルにはあまり心を惹かれなかった方は案外こちらのタイプならOKかもしれませんね。 さて、3日にわたってブルー&ホワイト・マーブルを見てきましたが模様の多少・ブルーの色調・色の明瞭と3つのファクターだけを考えてみても、組み合わせは8通り存在する訳ですから実際には本当に無限大の組み合わせが存在すると言っても過言ではありません。それだけに、マーブルは自家繁殖を楽しむアクアリストにとっては奥が深くどこまで言っても終着駅がないカテゴリーなんですよね~♪ソリッド・ブルー辺りは2~3回繁殖を繰り返すと生まれてくる子供たちはほとんど金太郎飴状態になっちゃいますから、飽きが来て飼育を止めちゃう人も多いようです。そんな方には、是非ともこの怪しく危険なマーブル系ワールドにお越しいただきたいものです(笑)。
2007/02/12
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さて、昨日はブルー&ホワイト・マーブルをマーブル模様の多少で分けてみましたが、今日は色調と言う観点から見てみる事にしましょう。冒頭の個体はブルーの発色がやや緑がかったいわゆるターコイズ・ブルーの個体です。ソリッド系でもそうですが、現在ブルーの色調の中ではもっともポピュラーな色だけに、ブルー&ホワイトの中でも最も普通に見かけ事が出来ます。鮮やかさと言う点では、ブルーの色調の中でも一番なのでとにかく華やかな印象があります。個人的にも一番好きな色調ですね~。 以前はブルー系の発色にコバルト・グリーンに近い発色のグリーンと呼ばれるものがあったのですが、近年まったく見かけなくなっちゃいました。ところが、この間バンコクでメス個体を物色していたら、かつてのグリーン系統と非常によく似た色調のメス個体を発見しましたから、もしかしたらバンコクではグリーン系の品種の復活が見られるかもしれません。そうなれば、ブルー&ホワイト・マーブルにもコバルト・グリーンの物が作出される事は大いにありえることでしょう。 2枚目の画像は、我々がイメージするブルーに最も近いと思われるロイヤル・ブルーと呼ばれる発色の個体です。ターコイズ系に較べると落ち着いた高貴なイメージがありますね~。どちらが好みかと言うのは、コレはもう個々の問題ですからどうぞ御自由にお選びください(笑)。ただ、ターコイズ系に較べると、ロイヤルブルー&ホワイト・マーブルの個体数はかなり少なく、比率で言うと10:1位でしょうか?一回のバンコクでのベタ仕入れ旅行でせいぜい1、2尾しか入手できない事がほとんどです。個体数が少ないということは、それだけ選択肢も狭まると言う事ですから、この系統の良個体を入手するのはかなり大変です。 3枚目の画像は、さらに希少なスチールブルー&ホワイト・マーブルです。ソリッド系でも同じ事が言えると思いますが、ブルー系の色調の入手しやすさはターコイズ>ロイヤル>スチールの順番です。それだけに、スチール系マーブルがお好みの場合は模様の好き嫌いとか考える前に見かけたら即ゲットが鉄則です!もっとも、作出難易度は別に特別高いとは思えません。単に、市場での需要に応じた生産量と言うだけの事だと思います。確かに、艶やかさと言う部分ではスチールではターコイズに勝てませんから・・・。どちらかと言うとマニア好みのカラーリングと言えるでしょう。後、人が持っていないものを持っていると嬉しくなるタイプの人とか。また、他に華やかなカラーリングのベタを多数保有しているとこの手のシックなし基調がすごくいとおしく思える事もあるって言うのも事実です。
2007/02/11
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さて、今日から逸品堂通信は新しいカテゴリーに突入します。題材はマーブル系品種です。マーブルつまり大理石模様って言う品種名からお判りのように、体に不規則なマーブルパターンが存在する品種をこう呼ぶのですが、ベタの品種の中では一番マニア好みの品種といえるでしょう。その理由はなんと言ってもその奥の深さにあります。他の品種のように指標となるべきカラーパターンが存在せず、見事なまでに千差万別!一つと言って同じ色彩の個体はありません。ソリッド系ならばひたすら混じりけのないピュアな色彩、バタフライならば・・・ってある程度の目安が決まっている方が品種改良はしやすいですからね。 それだけに、マーブル系品種にはこうあるべきって言う姿が決まってませんからコレはもう飼育者の嗜好のままに行っちゃって構いませんっ!(笑)。特に、自分で繁殖まで手がける中級以上のマニアの方にとっては本当に遣り甲斐のある品種です。 まず、今日紹介するのはマーブル系品種の原点とでも言うべきブルー&ホワイト・マーブルです。このブルーとクリームホワイトのモザイク模様が特徴の品種はもう20年以上前からアクアホビー界にその存在が知られていましたから、マーブル系の最古参と言って間違いないでしょう。 すぐ上の画像の個体辺りがもっとも一般的なブルー&ホワイトのカラーパターンでしょうか。全身が大まかにブルー&クリームホワイトに染め分けられ、頭部には濃オレンジの発色が認められます。ただ、最近のブルー&ホワイトでは頭部にオレンジの発色が見られない個体の方が多くなっている気がします。まぁ、個人の好みですけど個人的には頭部にはオレンジ色が乗っている個体の方が好きですね~。 それでもって、3番目の画像の個体は最近出回るようになってきたマーブル模様より精巧な系統の個体です。マーブル模様と言う観点では、2番目の個体よりもこちらの方がより細かいためハイクオリティなのですが、個人的には頭にオレンジが欲しいですね~。 順序が逆になりましたけど、冒頭の画像はつい先日バンコクで見つけてきた個体です。マーブル模様と言うにはチョット大柄ですけど見事に色分けされてて非常にお気に入りの個体です。どうも、私は細かくマーブル模様が散在する個体よりもこのようなザックリとした大胆な色分けの個体の方が好みみたい。 最近バンコクではマーブル系品種の作出が盛んなようで、色んなお店でブルー&ホワイトを見かける事ができる様になってきました。中には、マーブル専門店とさえ言えるほどマーブル系に偏った品揃えの店もあり、また同じブルー&ホワイトでもブリーダーによってガラや色彩に違いが認められ、まぁマーブル好きの私にとってはたまらない状況になりつつある訳で(笑)、最近の逸品堂の買い付けの30%くらいはマーブル系個体が占めるようになってます。・・・って、コレ完全趣味入ってますね~(苦笑)
2007/02/10
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さて、ここ2回ばかりキワモノっぽい改良品種ばかり紹介しちゃいましたが、もちろんバンコクではキワモノ改良だけが行われている訳じゃありません。今日登場したのは、ソリッド・ゴールドです。今までプラカットではチラホラで回り始めていた品種ですが、ついにショーベタとして登場です!ブリーダーの話では、ソリッド・イエローとプラチナ(シルキーホワイト)の交配で作るって言ってましたけど、メス個体も確認してますから品種としてほぼ確実に確立されたと言えるのではないでしょうか。 今まで幾多のゴールドと呼ばれたベタの品種はありましたが、ここまで見事なカラーリングのものは初めてだと思います。まさに黄金色に輝く美麗品種の登場です!!まだ、バンコクの市場でも見かける事はなく、ただ一人のブリーダーのところでしか入手できませんでした。もっとも、次にバンコク行った時には市場に沢山出回っているんでしょうけどね~(笑) まだ生後2ヶ月強の若い個体なのでヒレの伸びなどはまだまだですが、どうです?しっかり尾鰭もスーパーデルタと言えるレベルまでは広がってますし・・・。コレでハーフムーン個体作出すれば、国内のコンテストで結構注目されるのは確実だと思います。今までのイエロー系品種はどうも好きになれないという方も、この色彩なら文句なしでしょう!久々にショーベタ界でヒットの予感がする美麗品種が登場したなぁ~♪
2007/02/02
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さて、今日紹介するのはプラカットの最新品種の一つです。明らかにドラゴン系の血が混ざっているなかなかに妖艶な品種でしょ?この個体は、ウィークエンド・マーケット内にあるブリーダー直営のベタ専門店で見つけました。今回の仕入れ旅行で、いつものようにその店に入って店のお姉ちゃんと挨拶しながら展示してある個体を素早くチェック!(笑)。常時200尾くらいを小さなガラス容器に入れて展示してあるこの店で一番早くに目に付いた個体がコレっ! 何だか、今までにあまり見た事のない色合いだったのでピンっ!と来た訳です。そうしたら、店の人間が笑いながらこうのたまいました。「さすがぁ~!いち早くこの個体に目を付けるなんて」「そりゃ、今までに見た事がないカラーリングだからねぇ~」「それってマハチャイのハイブリッドなんだよ」「はぁ?マハチャイのハイブリッドぉ~??」「そう、マハチャイとレッド・ドラゴン交雑したF1個体だよ」「・・・。でも、スプレンデンス(改良ベタの種名)とマハチャイって一応別種なんじゃないの?だとすると、ハイブリッドって不稔(繁殖応力がない)じゃないの?」「全然問題ないよ!うちの兄ちゃん(店主の兄=ブリーダー)はよくマハチャイとかインベリスとかと交雑して新品種作ってるよ」「・・・」 要するに、今日紹介した個体はショーベタやプラカットの元であるスプレンデンスというベタとマハチャイと呼ばれている一応別種だと思われるベタの交雑種な訳です。以前も、このブログで書いた事があるのですが、元々スプレンデンス種の尾鰭はラウンドテールなのに最近のプラカットにはスペードテールの個体が多く見られるのは、他の種類との交雑によるものの可能性があるとは思ってました。しかし、日常的に交雑が行われていたとは・・・(苦笑) それでもってすぐ上の画像の個体が、噂の(笑)ベタsp.マハチャイです。sp.が付いているように、未だ学名とか付いていないのですが明らかに改良ベタの大元であるスプレレンデンス種の原種とは全然違う外見をしています。どちらかと言うと、ベタ・スマラグディナに近縁なのでしょう。細身の体と、美しく妖艶なブルー系のボディ、そして何より尾鰭がスペードテールになるのが特徴です。sp.マハチャイ自体はバンコクの郊外にあるマハチャイと言う街の周辺で採取する事が出来ます。バンコク中心地から50km弱しか離れていませんし、近くには観光名所にもなっているローズガーデンもあるので、バンコクに行かれたついでに暇な方は、ご自身で採集を楽しむ事も出来ます。 まぁ、改良ベタの原種であるスプレンデンス種とその近縁種であるインベリス種・スマラグディナ種の間では簡単に交雑が行われ、子孫も継続可能である事は以前から判ってましたからそれ程衝撃的なわけではないんですけどね。でも、交雑した次世代以降に繁殖障害(生殖的隔離機構)が働かないって事は、生物学的には同種なんじゃ?せいぜい亜種レベルの違いなんじゃないでしょうかね~?? それにしても、マハチャイの原種とか改めて撮影のためにじっくり観察してみると、実は改良品種よりも綺麗なんじゃないか?と言う非常に危険な思想に行き着いちゃいますね~(笑)。バンコクの水田とか水溜りには、この手の極彩色のベタたちがピロピロ泳いでいるんですからたまりません。
2007/02/01
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さて、海外出張が続きずいぶん間の開いてしまった逸品堂通信ですがようやく再開です。今日紹介するのは、ここに来てバンコクのベタ市場で結構見かけるようになってきた最新?品種です。画像みて、どこが今までの品種と違うかお判りでしょうか?色彩的には典型的なダークブルー・マルチで特に目新しいものではありません。最新なのは体型なのでしたぁ~! そう、この個体はノーマルのプラカットよりもボディが寸詰まりなんです。現地ではショートボディ・プラカットと呼んでますが、要するにバルーンですね。今の所、ショートボディの個体はノーマルボディの個体より5割り増しくらいの料金で取引されてます。確かに、外見は丸っこくて可愛らしいかも・・・。しかぁ~し!個人的に私はバルーン系の品種が苦手なのでした。以前何かの熱帯魚でバルーン系の品種の事をクソミソにけなした所、数人の方からバルーン擁護の書き込みをいただきました。中には、金魚のピンポンパールの様にバルーン系は立派な改良品種ですっ!って言う御意見もありました。 確かに、金魚の世界では背ビレがなくなったり頭に肉瘤がでたり目玉が飛び出したり・・・とどれも長い年月をかけて改良を重ねて固定された立派な改良品種が沢山あります。もちろん、私だってその辺りを批判する気なんて毛頭ありません。でも、それと、最近の熱帯魚におけるバルーンはちょっと事情が違うのでは?ざっと思いつくだけで、キッシンググーラミィ・プラティ・モーリィ・メダカ(縮みメダカ)など結構沢山のバルーンが存在します。でも、我々が知らないだけで、東南アジアの市場ではそれこそありとあらゆる魚のバルーンが登場してます。バルーングッピーをはじめバルーンナイフフィッシュとかバルーンカイヤンとか本当に驚きます。 別にバルーンと言う品種が脊椎骨異常だから嫌っているのではありません。問題は、純粋な突然変異個体を固定しているのであれば、なぜこうも簡単にありとあらゆる養殖魚でバルーンが作出されちゃうのでしょう?どう考えてもこれは何らかの方法で、意図的にバルーンを作出する技術が確立しているとしか思えません。すべてのバルーンで確認された訳ではありませんが、一応バルーンと言う形質は遺伝するとされています。これはもう、カラーラージとか見たいな後天的な改良(単なる色付け)のレベルではなく、完全な遺伝子操作だと思うのですが考え過ぎでしょうか? かつて一応遺伝子工学の本当に隅っこにですが席を置いていた人間とすると、この現状は非常によろしくない事だと思います。蛍光メダカの時には過剰反応と言えるほどの反応を示した日本のマスコミも、クラゲの遺伝子をメダカに移植するという派手な遺伝子操作は取り上げてこうした地味な?操作は知らん顔では所詮興味本位といわれても反論できないんじゃないでしょうかね~?まぁ、でも本音を言っちゃえば単にバルーンって言う形質が嫌いなだけなんですけどね(苦笑)。今後、バンコクや日本でバルーンベタが人気を得ない事を個人的に願ってます。
2007/01/30
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さてさて、フェアリー・シュリンプのプレゼント騒ぎも一段落したところで、バンコク最新ベタ事情の続きを・・・。実は、ここ2回のバンコク仕入れ旅行で一番目に付いたのが、今日紹介するジャイアント・プラカットでした。その名の通り、やたらめったら(笑)巨大なサイズが売りです。どれくらいでかいかって言うと、例えば画像のオス個体でも全長は7cmを超えています。普通のプラカットならせいぜい全長5cm位ですから、いかにジャイアントか判るってもんです。しかも、この個体なんぞはジャイアント・プラカットとしてはまだまだ小物!せいぜい十両か前頭の下位ってとこでしょう。 なんだか、バンコクのベタブリーダー達はこぞってこのジャイアント・プラカットに入れ込んでいるような気がします。ジャイアント・プラカット専門店なんて奴がチラホラ出現し始めてますし、知り合いのブリーダーまでが「さかなおやじはジャイアント・プラカットは仕入れないのか?」と聞いてくる始末!うーん、正直言って結構困ったちゃんです(笑)。と言うのも、なぜか私、飼育する魚は小型魚ばかりしかも小さければ小さい程お気に入りって言う、性癖の持ち主。まぁ、一部には当人の器の大きさにまさに比例していると言う説もありますが、とにかく大きい奴はダメです!! しかし、当然の事ながらジャイアント・プラカットではサイズが大きければ大きい程評価が高くなるわけです。お店の看板個体なんて全長優に10cm超えちゃってますから、、コレはもうプラカットではなくスネークヘッドそのものです。しかも、サイズにこだわるためか見てくれもババッチイ個体が多いのです。はっきり言ってかなり苦手な系統なんです(涙)。でも、着実にバンコクの市場を席捲し始めちゃってます・・・ ジャイアント・プラカット自体はずいぶん前から存在してましたが、ここまでブームっぽくなったのは初めてでしょう。しかも、最近ではオスだけではなくメスも流通し始めてますから始末が悪い!(笑)。ブリーダーたちの話では、プラカットとは全然別の系統なのでプラカットに餌をあげまくってもこんな巨大化しないそうです。メス個体を実際に目のあたりにするまでは、3倍体の変異個体だとばっかり思ってましたが、メスが存在するなら3倍体では無いようです。今回の仕入れで、あんまりにもこいつらに興味を示さない私に業を煮やしたのか、知り合いのブリーダーがサンプルと称して無理やり1ペアのジャイアント・プラカットをくれた訳でして、画像の個体がそのオスって訳です。本来なら、好奇心旺盛な私としては是非ともこのペアで繁殖させ、本当に巨大化する系統って言うのが存在するのか確認する所なんでしょうが、あまりというまったく気乗りしていません(苦笑)。それこそ、30万HITプレゼントの景品にしちゃおうかって思ったくらいですから。どなたか、この可愛げの無い奴に興味のある方いらっしゃいます?
2006/12/13
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最近のバンコクベタ市場でで明らかに流行しつつあるのが、今日紹介するマーブルです。現地のブリーダーやショップの人間に言わせるとモンスター・マーブルって言うのだそうです。確かに、チョット化け物じみた複雑怪奇なカラーリングは、モンスターの称号にふさわしい気がします。ただ、問題なのは正確にはどんな系統をモンスター・マーブルって言いたいのかよく判らん!ってとこにあります。 大体において、バンコクの一般市民は英語が上手くありません。もっとも、我々日本人が街中で外人さんに英語で話しかけられたときの反応を考えるとまだタイ人の方がましかも(笑)。大体、中高最低でも6年間英語の授業受けてるはずの日本人が、どうしてこうも英語が苦手なんでしょうか?ここまでひどいと、英語の授業なんて一切止めにしてその時間をもっと他の科目に振り当てた方が良い気がします。英語は自分でどんどん海外旅行行って実地で憶えるか、NOVAに駅前留学でもしてね(笑)。話が脇に逸れてしまいましたが、そんな訳でタイ人とこの品種に関して話をしても今一歩納得が出来ません。これって、なんていう品種?モンスター・マーブルで~す!モンスターって、ドラゴンの血が混ざったマーブルの系統の事なの?うーん、違います!モンスターみたいな外見だから・・・えっ、よく判らないなぁ~?じゃあ、これはモンスター?ハイ、あなたは正しい!じゃあ、これも?それは違いま~す!え~??じゃあ、これらの中でどれがモンスター?えーと、これとこれとコレと・・・・OK!じゃあ、これから容器にチェックつけたモンスター買って行くからOH!それはモンスターじゃないよ!!アンタ、物分り悪いね~バッキャロ~!!さっき、おまえがコレもモンスターだって言ってたんじゃねえか!×◎■△×◎■△×◎■△!!(タイ語で意味不明) みたいな堂々巡りで、少しも釈然としません。仕方が無いので勝手に当方で解釈すると、プラチナカラーのドラゴンパターンがボディの背中の方に出ている個体の中で、顔の一部が白く抜けた個体をモンスターと言ってる気がします(苦笑) ただ、いずれにしてもバンコクのマーブルでこのモンスター系がそのウエイトをドンドン大きくしているのは間違いの無い所でしょう。個人的には、マーブルと言う品種に関してはとにかく様々な色彩が複雑に混ざり合っていればいるほど良いと考えているので、この傾向は大歓迎です。ただ、あまりにも複雑に様々な品種が交配されているためにこの品種のスタンダードと言った個体が決められません。つまり、この世の中に一つとして同じ模様の個体が存在しないって言うのがこのモンスター・マーブルの困った点であり、また嬉しい所でもあるわけです。
2006/12/08
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さて、昨日に引き続きバンコクの最新ベタ事情をお伝えいたしましょう。昨日のモザイクパターンのラベンダー・バタフライに似ているのですが、今日はヒレにかすり模様の入る個体を紹介します。わが国ではダルメシアンと呼ばれているようで、そう言えばこの間の魚々路さんのコンテストで優勝した個体はオレンジのダルメシアンでしたね~。まぁ、ディズニー映画の101匹ワンちゃんでお馴染みの犬のダルメシアンのぶち模様から来たネーミングなんでしょうけど、結構いい線言ってると思います(笑)。 今回、バンコクではこのダルメシアンパターンの個体を結構数多く見かけました。ほとんどが今日紹介するホワイト地にレッドのかすり模様と言うもので、その他にはイエロー地にレッドと言う個体が少々。今の所、すべての個体がかすり模様はレッドのようです。1枚目の画像がプラカット、2枚目がショーベタですがどちらにしても華やかで可愛らしい品種だと思います。それに、ピンク&ホワイトと言う組み合わせは、我が国の国旗に相通じるものがあるのか日本では絶大なる人気がありますから今後のヒット間違いなしのカラーリングと言えるでしょう。 それにしても、このダルメシアンと言うカラーパターンは一体どのような起源で作出されたのでしょうね~?以前から、マルチカラーの中にややそれらしき個体は存在していましたがそれにしても見事なものです。残念ながら、今の所確実にこの品種のメスと断言出来る個体に出会ったことが無いので、種親の目安や系統維持の方法などは判明していません。 このダルメシアンのように、ほぼ毎月のようにニューカラーを市場に出してくるバンコクのベタブリーダーの創作意欲には脱帽と言う他ありません。ただ、その反面一時期パァ~っと市場に出回り、その後パッタリとその消息を絶つ品種も少なくありません。したがって、お気に入りの品種を見つけたら、出来るだけ日本国内で系統維持していくようにしないといけないでしょうね。要するに、バンコクのベタにはニューカラーの作出を期待して、その中から良さそうな品種があれば我が国で系統維持って言う様にうまく棲み分けというか使い分けが出来れば良いのではないでしょうか。 そう言えば、日本人さんが言っておられましたがここに来てショーベタのマスタードガスをさっぱり見かけなくなりましたね~。今回のバンコクでも1尾たりとも見かける事が出来ませんでした。我が国では特に人気のある美しい品種なのでなくなる事はないと思いますが、チョット心配です。バンコクで生産がストップしたらあっという間に国内での流通もストップと言うのでは淋しい限りですね~。それって、国内生産してないって事なんでしょうか??そう考えるとすごく心配です!!
2006/12/07
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さて、久しぶりに逸品堂通信です(笑)。これから数回に分けて、最近のバンコクのベタに関する最新情報をお届けしたいと思います。・・・って言うほど大げさなものではないけど、今バンコクのベタブリーダー達はこんなものを作っているんだなぁ~、とか感じていただければ幸いです。 一回目の今日は、今回のバンコク仕入れ旅行で一番インパクトのあったこの個体から!うーん、一体なんと表現すればよいのでしょうか?一応、ラベンダー・バタフライなんでしょうが全身にモザイク模様にピンクが入っちゃってます(笑)。今回の訪タイでこの個体以外にも数個体同様のカラーパターンのものを見かけましたから、突然変異で1匹だけ出現しましたっ!と言うレベルではなく、狙って作ってるんでしょう。それにしても、一体どんな組合せをすればこのような表現形になるのでしょう?片親がラベンダー・バタフライなのは間違いないところでしょうけど、もう一方は??マーブル系が一番怪しいですけど、それにしてもここまで元親が想像できない個体も久しぶりです。 この表現形が万人受けするか否かは別としても、さかなおやじ的にはこの手の訳わからん品種大好きです!(笑)。バンコクブリーダーの想像力に改めて感服いたしました。まぁ、問題なのはこの表現形が今後品種として維持できるか否かってとこにあるでしょうね。バンコクの品種の中には往々にして、その代でしか表現形を維持できないいわゆる一発芸的な品種も沢山いますからね~。 ちなみに、2番目の画像の個体は同じファームで入手したノーマルのラベンダーです。普通に考えれば、片親にはこの系統が使われたと思われますけどこの変貌振りはどうでしょう!そう言えば、ノーマルのラベンダー・バタフライもずいぶんと変貌を遂げてきました。と言うか、ブリーダーによって系統が確立されてきたのか、ずいぶんとバリエーションが広がってきました。ボディが濃ピンクのもっともノーマルな個体から、ボディが淡ピンク、2番目の画像のように濃紅色、サラマンダー風などなど、選ぶ側にしてみれば選択の幅が広がった訳で嬉しい限りです。 この違いは、種親に用いるメスの違いだと思われます。と言うのも、それぞれのブリーダーからラベンダーのメスを入手すると、濃ピンクの個体を作出しているブリーダーはメスもやっぱり濃ピンクのものを、逆に淡ピンクの個体を作っているブリーダーはボディが白っぽいメスを出してきますから。面白いのは、それぞれのブリーダー達が皆自分の系統が一番美しいと思っている点です(笑)。個人の主観と言えばそれまでですから、当然の事ですけどね。 いずれにせよ、このモザイク模様のラベンダー・バタフライの今後については次回バンコク訪問の際にもこのブリーダーの所に行き、その後の状況を確認したいと思います。個人的には定着してくれると嬉しい品種なんですけどね~♪
2006/12/06
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イエロー系品種 その9 昨日イエローを効果的に用いたバタフライの紹介をしたので、本当はブルー系バタフライに分類すべきなんでしょうがもう一つバタフライの系統を紹介しておきましょう。昨日の系統に似た感じがしますが、こちらはイエローにクリアな感じが無く完全に別系統と思われます。おそらくはラベンダーBFやサラマンダーBFと呼ばれる品種の方により近いのでしょう。最近バンコクでちらほら見かけるようになってきています。 クリアでないイエローをどう評価するかで好みは分かれるでしょうが、バタフライとしてみれば昨日の系統よりもより上の評価がなされるのではないかと思われます。品種名はバンコクでもあまりきちんと固定されていないようですから、ここは一つ我が国で統一できる呼称をどなたかに考えていただきたいものです。もっとも、すでに呼び名が決められているのかもしれませんけどね(笑)。くれぐれも、皆さんが納得して使えるような名称にして欲しいなぁ~♪プレコじゃないんだから、スーパーウルトラうんぬん(笑)みたいな海外で口にするのが恥ずかしい奴は止めようね。 まだ、形質的には十分に固定されていないのかこの品種にもずいぶんとカラーパターンんにばらつきがあります。まぁ、品種としてのスタンダードが決められていない以上バリエーションが豊富でも仕方ないですけど。繁殖する側も、目標とすべき基本形がしっかり決まっていないとね~。2枚目の個体は、よりブルーの色調が強くなってます。もちろん、どちらを好きかは個人の自由ですが、一般的にショーベタではヒレ先が透明に透けるいわゆるクリアフィンは評価が落ちるとされていますから、コンテストを目指すなら1枚目の個体のカラーパターンを選んだ方が良いかも。 後、個人的な好みですがヒレのイエローとホワイトの間に存在するダークカラーのバンドは無くした方がよりすっきりとする気がします。もしくは、もっとはっきりとしたブラックバンドに持っていくか。・・・でも、ヒレのバタフライパターンを3層にするなんて、そんな表現形はそれこそスーパーウルトラハイグレード(笑)な改良だから不可能か。
2006/11/18
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イエロー系品種 その8 プラカットで人気の出た品種であればすぐにでもショーベタに作りかえるのがバンコクのブリーダー達ですから、昨日紹介した系統もホレこの通り!(笑)。まったく見事なものです。やはり、バンコクのブリーダー達は思い付くまま気の向くまま様々な交配を繰り返しているように見えていても、経験的に形質遺伝について理解してるんでしょうね~。それと、昨日の記述で誤解する人が出ちゃうとイケナイので補足しておくと、バンコクのベタには品種が確立していないのではないですからね。ソリッド系など大本となるベーシックな品種の系統維持に対してはものすごくデリケートです。そう言ったベーシックな品種をしっかり維持しているからこそ、一見無計画に見える(苦笑)様々な品種交配が可能なのです。 要するに、彼らバンコクのブリーダー達も生計の為に日銭稼がなくちゃならない訳で、そうなれば何処にもいないような新しいカラーバリエーションを作り出すのが手っ取り早いって事なんでしょう(笑)。だから、その手のニューカラーに関しては品種固定よりも次々とニューカラー生み出す方向に考えが集中しちゃう訳で・・・。 ところで、この2回ほど紹介しているメタリックブルー&イエロー・マルチの個体を作出していれば当然思いつくのが、このカラーパターンでバタフライ作ったら結構いけるんじゃないかって事なのは当たり前です。それでもって、狙ってみましたぁ~♪的な個体が2枚目の写真の個体でしょう。厳密に言うと、ボディのイエロー&藤色?の感じなどから別系統から作出されたのは明らかですが、外見だけで言えば同じ路線走っているのは間違いないところです。 イエロー系のバタフライと言うのは、なかなか良個体が取りにくいのかバンコクの市場にも同じようなカラーパターンの個体がまとまって出荷されると言う事はほとんど無いようです。買い付けに言ってもあっちのブリーダーから1個体、こっちのショップで1個体・・・と言うようにかなりマメに足を使って集めないとゲットできません。また、このような状況だけに同系と思われるメスを入手するのも至難の業です。毎回、バンコク行く度に結構注意してみて回ってるんですけどね~(苦笑)。 それから、系統的には全然異なりますが3枚目の個体は結構昔から存在するイエロー系バタフライです。これは本当はバタフライじゃなくてマルチカラー系の気がします。と言うのも、各ヒレのホワイトが明瞭なバンド状になってませんから・・・。こちらの方も、良個体は本当に見事な出来栄えですが、数的にはほとんど市場に出てきません。全然見かけないという訳ではなく、毎回1~2個体は確実に見かけるんですが良個体とは限らないので、全部ゲットしてくる訳ではありませんけど。
2006/11/17
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イエロー系品種 その7 ここしばらくず~っとイエロー系のベタの品種について紹介してきましたが、ここで少し趣向を変えてイエロー系の単色ではなく、イエローの混ざった復色の品種に眼を向けてみたいと思います。個人的な見解ですが、イエローと言う色は単色よりも他の色と混ざり合う事でより観賞価値が高まるように感じています。そのためか、バンコクにベタを買い付けに行くと、無意識の内にイエロー系のマルチカラーやバタフライなどを予定よりも多く買い付けている自分がいたりしますから困ったもんです(笑)。 今日紹介するのは、ここしばらくの内にバンコクでは結構ポピュラーになってきた、淡いメタリックブルーとイエローのマルチです。この品種の特徴はヒレは透明感のあるイエローの地で、軟条の間の部分にメタリックブルーの輝きがある点でししょう。冒頭の個体は、この品種としてはもっとも典型的な形質と言えるでしょう。 2枚目の個体は、ボディがよりメタリックブルーに染まった個体でこの2尾はおそらくは同腹と思われます。入手したブリーダーも当然同一人物でしたし、時期も一緒です。このように、このイエロー&ブルー・マルチの系統は完全に固定化されてい訳ではなくかなりのカラーバリエーションが見られます。まぁ、カラーパターンが固定化していないって言うのはソリッド系では減点対象になりますが、何でもありの(笑)マルチ系ではむしろ美徳とも言える特質です。ユーザーは、メタリックブルーとイエローの混ざり具合に関して、自分の好みの個体を自由にチョイスできる訳ですから。 ただ、まだ確認していないのですがこの系統のペアで子供を採った時に、果たしてどの位の割合で親と同じような形質の子供が出てくるのかどうかは結構疑問かも。もしかすると、親にはソリッド・ブルーとソリッド・イエロー使っている可能性だってありますしね。もっとも、、バンコクのベタは他の品種でも多少なりとも似たような所ありますけどね。 例えば、我が家で累代繁殖させているブラックの為に、新たに傍系を一つ作ろうと思い立って、結構様々な組合せでバンコクで入手してきたブラック系品種の子供採ってみたんですけど、ブラック×カッパーと言う組合せで一体どんな子供が出てきたと思います?もちろん、ブラック、カッパー、ダークブルーあたりが出てくるのは当然と言うが予定通りです。中にはブラックボディのレッドフィンと言う個体も数多いようです。これだって、想定内です。でも、まさかホワイト&ブルーのマーブルがポツポツ出てくるなんてこれはもう想定外で~す!(笑)。 つまり、バンコクのベタと言うのは品種として確立されたものばかりではなく、品種の作出過程でも見栄えの良さそうなものはドンドン市場に出てきてしまうと言う事でしょう。本来は、この後同じような形質のペアで次世代やさらに孫の世代までインブリーディングを行って、初めて品種が確立出来たと言うレベルです。ただ、この事でバンコクのベタをワンランク下に見るのは大きな間違いです。 見方を変えれば、なかなか新品種の作出に手を出せない国内のブリーダーに代わって、ありとあらゆる組合せで交配をしてくれるんですからそれを上手く利用すべきだと思いますね。お気に入りの外見のベタがいたら、それを使って自分で品種と呼べるようなレベルにまで磨き上げればいいと考えてます。ベタ飼育の醍醐味って、そのあたりの新品種作出過程にもあると思いますよ。金太郎飴みたいに、ブリーディングした子供が全部まったく同じ外見だったら、そっちの方がつまらないと思います。これが、10年以上生きる金魚や下手すりゃ100年生きる錦鯉ならともかく、せいぜい2年くらいしか生きてくれないベタなんですから、すでに完成された個体なんて手に入れてもツマンナイ! ちなみに、3番目の個体はさらにボディやヒレのメタルブルー化が進んだ個体です。ここまで来るともうイエロー系ではなくブルー系マルチと呼ぶべきでしょうけど、大元は同じ品種だと思います。たった1つの品種だけを見てもこんなに外見と言うかイメージの異なる個体が存在するから、ベタっていつまで追いかけても飽きません(笑)。
2006/11/16
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イエロー系品種 その6 今日紹介するのはソリッド・オレンジ!厳密に言えばイエロー系とは言いがたいカラーですが、他に分類する所も無くて(笑)。以前からオレンジと言う系統は存在していましたが、ここに来て一気に改良が進み誰が見てもオレンジと思える個体が出回るようになりました。メスにもオレンジの個体がいますから、品種間の交配による一代限りの瞬間芸と言う訳ではないようです。 このオレンジと言う品種の由来はあまりはっきりしていませんが、個人的にはソリッド・イエローの個体にレッドウォッシュのカンボジア系を交配したのではないかと推測しています。ほら、カンボジア系の個体の中にいるでしょ?ボディがベージュじゃなくて、スプレーで赤色のペンキを中途半端に吹き付けたみたいな奴が(笑)。アレです!あれ。 我が国のブリーダーの方が累代維持しておられるソリッド・レッドのメスは全身真っ赤に染まる事が多いのですが、なぜかバンコクではソリッド・レッドのメスにこのレッドウォッシュのカンボジアを使う事が多いようです。ただ、この手のソリッド・レッド交配すると結構な割合で、カンボジアカラーの子供が出現します。つまり、バンコクのソリッド・レッドには地色がカンボジアカラーで、その上にレッドウォッシュが掛かっているみたいな個体が結構いるみたいです。これと同じ原理で、ソリッド・イエローの上に赤いペンキを吹き付けて・・・と言うように勝手に想像している訳です。 もっとも、想像だけじゃ意味が無いので現在オレンジ系カラーの秘密を探るべくオレンジ同士、オレンジ×レッドウォッシュカンボジア、ソリッド・レッド×ソリッド・イエローと言う3通りの交配を行い、稚魚がピロピロしています。特に、オレンジ同士の交配でどの程度の割合でオレンジが出現するのか、その固定率に非常に興味があります。でも、最近ここまでは結構マメにやってるんですが、ほぼ毎月ある海外出張の存在が・・・。そして、今月もあるんです!どうも、このクソ寒い時期にイギリスに出張がありそうです。さかなおやじは寒い所もイギリスも苦手です!(苦笑)。今回は、その両方がダブルで訪れるなんて・・・なんて不幸な中年オヤジなんでしょう(涙)。時期は来週か再来週。再来週ならば、今いる稚魚も少しは大きくなってるので出張中なんとか絶食に堪えてくれるかもしれませんが、来週だとするとほぼ絶望的です(涙) ちなみに、ソリッド・オレンジにはプラカットの個体も存在します。個人的にはショーベタよりも精悍なイメージの強いプラカットを愛好する私ですが、事オレンジに関しては元々が優しげな暖色のせいかショーベタの方が似合っている気がします。
2006/11/10
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イエロー系品種 その5 イエロー系品種としてゴールデンを紹介したからには、その大元になったと思われるオペック・ホワイトにも触れておかなければなりますまいて。別にイエロー系品種じゃないですけどね(笑)。オペック・ホワイトとは全身がシルキーホワイト一色に染まった品種の事で、我が国ではなぜか以前からスーパー・ホワイトと呼ばれています。以前紹介したパステル・ホワイトは我が国ではあまり評価されないのに対して、オペックの方はベタの入門者から玄人まで幅広い人気を誇ります。 一般的なショップでもたまにスーパーホワイトとして販売されているくらい人気のある種ですが、その辺で見かけるものはそのほとんどが尾鰭がリボン状に長く伸びるいわゆるトラディショナルタイプです。もちろん、その美しさはトラッドでもショーベタでもはたまたプラカットでもまったく変わりありませんが、トラッドタイプのオペック・ホワイトのメスを種親に使うとその子供は見事にトラッド系の尾鰭になる事がほとんどなので、ショーベタをやっている人は御注意を。 そんなオペック・ホワイトをいとも簡単に?ショークオリティに仕上げてくるバンコクのブリーダーの底力にはいつもながらに感心させられます。ただ、なぜかプラカットではほとんどオペック・ホワイトを見かけないのは不思議な事です。それと、最近のバンコクのブリーダーは、ショーベタやプラカットに平気でクラウンテールの血を導入します。今日の個体もどう考えてもクラウンらしき片鱗がヒレのあちこちに見受けられます。もっとも、オペック・ホワイトにはヒレ先がギザギザと突出しているのが変に似合っている気もしますが・・・ ところで、ここの所バンコクのブリーダー達は盛んにこのオペックを他の品種に交配しているようです。前回紹介したゴールデンなんてその典型ですし、ホワイト&レッド・バタフライに交配している個体も数多く見かけました。ただ、ゴールデンでは成功したかに思われた交配も、バタフライではあんまり・・・。というのも、どうもオペックと言う表現形はホワイト&レッド・バタフライの各ヒレの赤いリングよりも上の層に色素が存在するようで、出来た魚はどれも各ヒレにうっすらと桜色のリングがあるあまりぱっとしない個体になってました。 今回の仕入で、ブリーダー達は盛んにニューフェイスだと言ってその品種を売り込んでましたが、個人的にはあまり美しいとは感じられなかったので仕入れてきませんでした。ただ、バタフライのリング状の模様は結構綺麗な桜色でしたから、そのうち全身ほんのりと赤く染まった、桜好きの日本人受けするピンクの個体が作出されるのかもしれません。まぁ、ソリッド・レッド×オペックと言う安直な組合せではそのような表現形は得る事は難しいでしょうから、何か一ひねり必要なんでしょうけど。本当だったら、桜は日本の国花なわけですし、ぜひとも日本の方に作出していただけたらなぁ~♪なんて少しだけ期待してます。
2006/11/08
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イエロー系品種 その4 さて、昨日のパステル系イエローに続き、今日はオペック系イエローの紹介を・・・。バンコクではこの系統の事をゴールデンと呼んでますので、ここでもそれに習っておく事にしましょう。元来のソリッド・イエローのあまり良くない意味での透明感(ボディの血管が透けて見えてしまう等)を無くす為に、イエロー本来の色調を殺さない色つまりホワイトカラーを交配すると言う改良の第2弾です。 昨日のパステル系に較べて、よりピュアホワイトであるオペック・ホワイト(スーパー・ホワイト)とソリッド・イエローの組み合わせは理論上でも非常に良好な組み合わせのような気がします。実際、バンコクでは冒頭の写真のように非常に美しい個体が市場に出回るようになっています。イエローにオペックが重なる事で、体やヒレの透明感はほとんど気にならないレベルにまで改善されてますね~。風水を信仰する人々の間では、より金運を招きやすそうなカラーと言う事で非常に人気が高いようです。また、なぜかプラカットとして非常に良好な体型を持った個体が多く見られるのも嬉しい点です。 ただ、まだ登場してから間が無い新品種の為かショーベタタイプのゴールデンはほとんど見かける事が出来ません。たまに流通している個体も、ヒレの開き具合などはまだまだショーベタとして一流と言う所までは行っていません。まぁ、世代交代の早いバンコクの事ですから後2世代、つまり半年~10ヶ月もすればハーフムーンと言えるような素晴しい尾開きのゴールデンタイプのショーベタが出回る事だと思います。 ちなみに、登場して間もない品種のためかブリーダー毎に結構表現形にバラつきが見られます。最も純粋な意味でのソリッド・ゴールデンに近いのは冒頭の個体でしょう。これで、ボディに僅かに残るダークカラーの痕跡を消せば完璧です。 2番目の写真は、ややオペック・ホワイトが強く表現されている個体です。イエロー×オペックの交配では、ヒレ先などがどうしても透明に透けるイエローに対してヒレ先までしっかりピュア・ホワイトに染まるオペックが勝る為か、どうしてもヒレ先などはオペック・ホワイトに染まってしまいがちです。写真の個体も観賞面からは非常に優れていると思いますが、ソリッド(単色)と言う視点から眺めるとやや苦しいかも。 そして3番目の写真が、現在バンコクで最も新しいタイプのゴールデンです。全身が見事にプラチナ・イエロー一色に染まっていてムラがありません。個人的には、この種親にはオペックではなく、カッパー系が使われているような気もするのですが、いずれにせよ素晴しい改良だと思います。ここまで来ると、もうすでにイエロー系と言う区分は的確ではないのかも。今後ショーベタにも導入されるでしょうし人気品種として定着するのは間違いないところでしょう。
2006/11/07
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イエロー系品種 その3 ソリッド・イエローのボディの透明っぽい所がイヤだっ!と言うアクアリストの存在に対して、ベタブリーダーたちはどのような改良を使って対処しているのでしょうか?ソリッド・イエローの体表にはおそらく黄色素胞のみが存在するものと考えられます。ここに、別の色を乗せてボディを不透明にしようと言う時考えられるカラーは?例えば、ブルーとかブラックなんて色は、黄色の上層・下層にかかわらずその存在感を十二分に発揮しちゃいますから使用は不可。・・・となると、一番可能性の高いのが白色と考えるのが普通です。 現在ホワイト系の品種として考えられるのは2系統、つまりパステル・ホワイトとオペック・ホワイトです。ここでこの2つのホワイト系品種の違いについて一言。パステル・ホワイトの方は、ブルーやピンクなどの色調がほんの少し混ざったように感じるいわゆるパステル画のような感じです。ちなみに下の画像はパステル・ホワイトのプラカットです。これに対してオペック・ホワイトと言うのは純白と言うかシルキーホワイトの系統を指します。我が国ではスーパー・ホワイトと言う呼称で親しまれているのがこのオペック系です。 今日、冒頭で紹介している個体はおそらくパステル・ホワイトを種親に導入したイエローだと思われます。ヒレをはじめ全身のイエローがパステル・ホワイトの存在により透明感が無くなり、その分イエローがくっきりしてきたでしょう?ただ、問題なのは種親に使ったオペックの個体がオペック・ホワイト単色ではなくヒレの付け根にブルーの発色が残るタイプ(結構バンコクではよく見かけます)だったと思われる事。結果的に、イエローの存在感は増したものの、体のあちこちにブルー系の発色が見られます。これじゃあ、ソリッド・イエローとは言い難いですね~。言うなればイエロー・マルチってとこでしょうか? パステル・ホワイトをイエロー系に導入すると言う発想自体は決して間違えていないのですが、問題なのは純粋な意味でのパステル・ホワイトの個体と言うのが非常に少ない事。ほとんどの個体はパステル・ホワイトの地に極小量ながらブルーやブラック、レッドなどの多色が存在してしまっているのです。したがって、パステル系イエローを混じりけの無いピュアイエローの系統にまで仕上げるのは結構至難の業かも。今日紹介したプラカットの個体を種親にしても、おそらく子供にはなんらかイエロー以外の色が乗っている個体が多数出現すると予想されますし・・・。 でも、ソリッド(単色)と言う事にこだわらずに、イエロー系品種として評価するのであればイエロー×パステル系と言う組み合わせは十分OKだと思います。それでは、次回はソリッド・ホワイトのもう一つの系統であるオペック・ホワイトを使ったイエローの改良について見て行きたいと思います。
2006/11/06
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イエロー系品種 その2 あまり良くない意味での(笑)ピーチ・イエローだった昨日の個体がかつてのソリッド・イエローの標準色だとすれば、今日紹介する個体は現代のソリッド・イエローのスタンダードなカラーリングと言えるでしょう。全身がより鮮やかなピュアイエローに染まるようになっています。ヒレ先がやや透明に見えるのは、この個体がまだ生後3ヶ月程度の若魚であるためで、この後各鰭が長く伸長するとヒレ先まで綺麗に染まるようになります。 この系統の優れた点は、第一に体色がより一層くっきりと艶やかになった事、第二にイエロー系のボディに良く見られがちなダークカラーの染みが皆無な事そして第三に尾開きをはじめ体型のバランスが非常に良くなっている事があげられます。 体型的にもなかなか優れた個体ですが、あえて難を捜すとすれば腹ビレの先端部分が白く染まっている事でしょうか。観賞面から考えると、ホワイトチップの方が華やかな感じがしますが、一応混じりけの無い単色である事がソリッドの条件とすればコンテストなどでは減点の対象となるかも。でも、この個体を後3ヶ月ほどきちんと育成すれば、国内のコンテストでもライトカラー部門でかなり上位にランクインする事間違いなしだと思います。 この系統でも、いままでソリッド・イエローを敬遠気味の日本人の心に十分インパクトを与える事が出来るでしょうが、中にはまだまだっ(笑)と言う方もいらっしゃる事でしょうね~。そのような方に共通する意見として、なんとなく体が透明みたいで気味が悪い!と言う事が挙げられます。中には、体内の血管が透けて見える個体もいますから。バンコクのベタブリーダーたちは、そんな方々のワガママな(笑)意見にもちゃんと耳を傾けてくれてますよ~♪それでは、次回はイエロー系品種の悪い意味での透明感をなくす方向での改良を紹介して行きましょう。
2006/11/05
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イエロー系品種 その1 いくら追求してもゴールの見えない(苦笑)ソリッド・ブラックの紹介をひとまず終了して、今日からイエロー系品種の紹介に移りましょう。以前から書いているように、なぜか我が国ではあまり人気の高くないカラーではあります。しかし、その一番の要因は我が国で現在イエローとして出回っている個体があまり美しくないと言う事にあるのではないでしょうか。つまり、最新のイエローカラーが一体どんなものなのか良く御存じない方が多いのではないかと思うのです。逸品堂通信を通じて、皆さんに少しでもイエロー系の魅力が伝われば、と思っています。 そこで今日紹介するのは、現在我が国で一般的にソリッド・イエローとして流通していると思われる系統の個体です。数年前までは、イエローといえば全身がやや褐色に近いくすんだイエローに染まる個体が主流でした。いわゆるピーチ・イエローと呼ばれるものです。でも、普通ピーチ・イエローなんて聞けば、あの果汁たっぷりでみずみずしい桃をイメージしちゃうじゃないですか!でも、ベタのピーチ・イエローは桃のイメージとはかけ離れちゃってます。こんなネーミング考えた奴、表にでろぃっ!(笑)。個人的に、異様なほど桃を愛好する私としては、桃に対する冒涜の気がしてついつい鼻息が荒くなってしまいます。ちなみに私、岡山県のとある農家と契約し白桃の木を1本所有するほどの桃マニアです(笑)。毎年、シーズンになると送られてくる、通常の桃の優に1.5倍はあると思われる白桃の美味しい事と言ったら・・・。 しかし、冷静になって考えてみると桃って皮を剥いてそのまま放置すると果肉の表面が茶色く変色しますよね。ベタのピーチ・イエローってその色にそっくりの気がしないでもありません。その辺りまで考えてネーミングしたのであれば、この系統の命名者は只者じゃありませんな。余程の桃マニアとみた!(笑)。 今日紹介した個体は、そのピーチ・イエローの血をやや引き継いでいるようで艶やかなピュアイエローとはチョット違う体色をしています。個人的にはあまり好みではない色彩ですが、なぜかこの系統のイエローってみんな尾開きとかいいんですよね~。画像の個体は、まだ生後3ヶ月程度なのでヒレの伸びも大した事はありませんが、上手く育てればここから驚くほど伸長し大きく開いた見事な尾ビレを得る事が出来ます。ショーベタを追求するのであれば、この系統の体型の良さは捨てがたい所がありますね~。また、国内でも累代繁殖されて維持されている系統なので、確かな系統を入手できると言う利点もあります。
2006/11/04
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ソリッド・ブラック その5 こうして見て来るとなかなか理想のブラックには出会えないもんです。そんな中、近年では一番のクオリティと思われたのが今日紹介する個体です。去年、バンコクで入手したものですが全身見事に漆黒に染まってます。画像では背中がややシルバーバックに見えますが、これは照明の具合によるもので実際にはほとんどブラック以外の色は体に存在していません。今の所、究極の逸品と言えるんじゃないでしょうか。 もちろん繁殖も試みたのですが、何しろメスにどのような個体を使えばよいのか見当がつきません。我家で累代繁殖させているブルー系ブラックはもちろんの事、シルバー系・イエロー系果てはブラック・ドラゴンのメスまで使ってみましたが結果は・・・。ことごとく、子供の世代では明らかにクオリティのワンランク落ちた個体しか得る事が出来ませんでした(涙)。 結局は、この個体もバンコクのブリーダーが大量に繁殖させた同腹の子供のうちたまたま出現した当たりの一つだったと言う事でしょうかね~。やはり、ソリッド・ブラックというのは永遠に完成をする事が無い品種なのでしょうか。ちなみに、この個体を購入したバンコクのブリーダーは、現在ではソリッド・ブラックは扱っておらずブラック・ドラゴンに鞍替えしちゃいました。 と言う訳で、結局の所究極のブラックは自分で作るしかないって結論に達し、今もシコシコと温室でブラック系のチャレンジしています。ただ、1/100とかの確率で当たりの個体をたまたま得るのではなく、金太郎飴状態で子供の大部分が漆黒に染まるって言うのを狙っているのですからこれはもう上手く行く可能性の方が少ないでしょう(苦笑)。ポイントはメスで、オスの持つ漆黒の体色に影響を及ぼさないメス個体を探しています。 現在我家の温室でピロピロと稚魚が泳いでいるのは累代繁殖中の自家産ブルー系ブラックの最も黒い個体に、オレンジ系のメス・マーブル系だけどマーブル模様が全部なくなっちゃって全身クリーム色のメス・久々にバンコクで入手できた、金属光沢のまったくないロイヤルブルーのメス・ほぼ原種のままと思われる全身泥付きゴボウのようなこげ茶の闘魚用プラカットのメスを交配した4系統です。海外出張で家を空けることも多く稚魚の成長が極端に遅いのがいらつきますが(笑)、こんな一文の役にも立たない事に熱中できるのも趣味ならではの醍醐味でしょうかね~♪それと、やたらにたくさん小型水槽を保有しているのと部屋全体を冷暖房しているためこの時期の保温対策に頭を悩ませる必要がないって言う所が最大の強みです。
2006/11/01
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ソリッド・ブラック その4 さて、ショーベタの世界ではなかなか完璧なソリッド・ブラックの系統が完成しないと書きましたが、それではプラカットではどうでしょう?ヒレの開きにさほど気を使う必要のないショートフィンタイプですから、さぞかし漆黒のブラックが・・・と思うと、残念ながらそうでもないようです。 まぁ、メスに漆黒の個体を使う事が出来ない点ではショーベタとなんら変わりありませんから当然と言えば当然なのですが、プラカットではショーベタ以上に良質のソリッド・ブラックを見かける事がありません。その理由は定かではありませんが、個人的な意見ではどうもタイ人はソリッド・ブラックという品種をさほど高く評価していないのではないかと思っています。 私の知る、ソリッド・ブラックの生産者もほとんどがブラック・ドラゴンに系統を切り替えつつあります。なぜって?だって、そっちの方が良く売れるもん!って言うのが彼らの返事でしたからほぼ確実なんでしょう。確かに、華やかな色彩を好む傾向の強いタイ人にはソリッド・ブラックはチョット地味すぎるかも・・・ そんなバンコクのソリッド・ブラックの主流は今日紹介した冒頭の個体のようなものです。漆黒と言うよりは、やや濃茶の混ざったブラックでヒレにはうっすらとメタルブルーの色彩が残ります。どちらかと言えば、原種のスプレンデンスのこげ茶の体色をグツグツと煮詰めて濃縮し(笑)濃くしたような印象が強い系統です。まぁ、精悍そうな外見ですしこの系統はいかにも強そうな典型的なプラカットの体型をしているのが特徴なのでそれはそれで見応えはあります。 それでもって、この系統のペアからは上の個体のようなカラーパターンも多く生まれてきます。・・・って言うか、こちらがメインと言うべきかも。ヒレにはレッドやメタルブルーの模様が入りソリッドというよりは、ブラックマルチと呼ぶべき個体です。この手のマルチには時折ビックリするほど妖艶な個体がいますから侮れないんですけどね~。でも、ソリッド・ブラックフリークのさかなおやじとしては、やっぱり漆黒のブラックも欲しい所です。
2006/10/31
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バンコクより無事帰国しましたぁ~! しばらくの間、ブログ更新が止まっていましたがバンコクベタ買い付け出張(笑)より無事帰国いたしました。本当は10/23の夜に帰国していたのですが、出張中に本業の方が動き始めており、イギリスのクライアントとの交渉などでブログの再開が遅れてしまいました(涙)。留守中、コメントいただいた皆様、お返事などが遅れてゴメンなさい!これからコメント返していきます。 それにしても、相変わらず滅茶苦茶なスケジュールです。バンコクには金曜日の深夜到着し、翌朝は朝食抜きで早朝から本業関連の相手先と交渉、夕刻にウィークエンドマーケットに出向きベタを物色。ホテルに夜戻り、ひたすらベタのパッキング!(苦笑)。この日は、夕食を食べに行く事も出来ず、ルームサービスでさびしい夕食を済ませました。そして、パッキングがひと段落して時計を見ると、すでに日付は変わり翌22日のam2:00過ぎ・・・ シャワー浴びてからチョットだけ仮眠して、日曜日の午前中はベタブリーダーの所を数件回りました。そして、午後再びマーケットに出向き、昨日注文しておいた個体を引き取りに・・・。またまた、ホテルに戻りパッキング開始(笑)。パッキング終了は夜の10時過ぎでしたぁ~!(笑)。悔しいので、ホテル裏手のチャイナタウンに繰り出し、屋台で夕食を物色。意地になって数件はしごしたためお腹が飽和状態になり、夜遊びなどせずに品行方正に(笑)ホテルの部屋に戻り仮眠!ふと目が覚めると、あちゃ~!すでに朝の4:00。ホテルを5:00にはチェックアウトして空港に向かわなくてはなりません!水のように冷たいシャワーを浴びて無理やり目を覚まし、速攻で荷造りしました。仕事でバンコクに来ているとは言え、一体このプライベートタイム皆無の旅はなんなんでしょう! 早朝の空港で、昨日のナイトライフを思い出して盛り上がる日本人のクソオヤジどもに囲まれていると、無性に後ろから延髄蹴り喰らわせたくなりましたね(笑)。帰国すればしたで、本業はイキナリ稼動し始めているためあわててイギリスのクライアントの企業とメールや国際電話でやり取りするわ、購入してきたベタの撮影はしなくてはならないわで、はっきり言ってきちんとした睡眠がまったく取れていません!仕事の合間に、1~2時間の仮眠を取るだけになってます!(苦笑) 一体いつになれば、悠々自適の生活が送れるのでしょう??こんな事なら、のんべんだらりとサラリーマンしてた時の方が楽だったかもしれません(苦笑)。ニュースで、残業が月に160時間を越え過労死したサラリーマンの話をやっていましたが、はるかにそれを超越したペースで仕事してます!もしかすると、来週あたりイギリス行く事になるかもしれないし、別の仕事でマレーシアのクアラルンプールにも行かなくちゃいけないんですけどぉ~?奥様??少しは約束どおり、逸品堂の仕事を手伝っていただけませんでしょうか?約束通りなのは、金銭の管理面だけなんですけど??それって、あんまりじゃないでしょうか!
2006/10/26
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ソリッド・ブラック その3 前回までにシルバーバックのソリッド・ブラックを紹介しましたが。実はブラックにはこれ以外にもいくつかの系統が存在するのです。今日紹介するのは、ブルー系とでも呼ぶべきソリッド・ブラックです。この系統では、メスの個体にボディにうっすらと金属光沢のないブルーが乗る個体を用いるため、ボディの尾筒付近のシルバーバックは出現しない代わりに、ボディが部分的にやや青味がかっているのが特徴です。また、画像の個体では尾鰭がやや赤みを帯びているように見えますが、これは撮影者の技量の問題で実際にはちゃんと黒いです(笑) この系統のソリッド・ブラックは確かにボディやヒレに金属光沢がない分ソリッドとしての評価は、シルバーバック系よりも上でしょう。しかし、その反面ブラックの深みと言う点では、なんとなく薄い気がします。どちらのソリッド・ブラックを好むかは飼育者の問題なのでなんとも言えませんが、精悍さという点ではシルバーバック系の方が上かも。 実はこの系統は、何世代にもわたって私の温室で累代繁殖させている系統です。そのため、尾開きなどは結構悪くない所まで改良されてきていると思います。ただ、どう言う訳かこの系統にシルバーバック系の漆黒のカラーリングをプラスすべく、そのようなメスを交配すると生まれてくる子供のクオリティが極端に低下してしまうのです。つまり、外部から優秀な血が導入しにくいため、いつまでたってもボディやヒレは漆黒とまでは行きません。かれこれ4年ほどいじってますが、なかなか飼い主の言う事を聞いてくれないひねくれもんで困ったものです(苦笑)。
2006/10/16
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ソリッド・ブラック その2 さて、昨日の逸品堂通信でソリッド・ブラックと言う品種では、オスメス共に漆黒の個体では上手く繁殖出来ないと書きました。今日紹介するトップの画像は、昨日紹介したオス個体と同系統のメスです。ご覧いただくとお判りだと思いますが、ボディはブラックと言うよりはシルバーと言った方が正確でしょう。まぁ、理想を言えばもう少しボディが黒っぽい方が好ましいのですが、この系統のメスとしては標準レベルのクオリティと言えるでしょう。 メスにこの様にボディにシルバーが入った個体を用いなくてはならない以上、どうしても繁殖させて得られる子供達は多少なりともボディにシルバーの光沢が入る事になってしまいます。つまり、この系統では完全なソリッド・ブラックは生まれにくいのです。もちろん、数百と言う単位で子供を採れば中には見事に漆黒に染まった個体も出現します。ただ、せっかく出現した漆黒の個体もメスには漆黒の個体を使えない以上、孫以降の世代で全身混じりけの無い漆黒の系統を固定する事は不可能と言う事です。 つまり、ソリッド・ブラックと言う系統は追求しても追及しても終わりがないと言うか、永遠に完成しない系統って事です。そこがまた良いんですけどね(笑)。一時期、メスでも漆黒の個体を使える系統が出来たと言われ、実際にその系統を入手した事がありました。オスメス共に混じりけのない漆黒の見事な個体で、ずいぶん期待して繁殖させたのですが・・・。確かに、極端に孵化率は悪いものの稚魚が孵化し、育成もできました。しかし、一度に200個程度の卵が産まれ孵化するのはそのうちのせいぜい10%以下と言う状態で、とても世代を継続できる様なものではなくあえなく断念した覚えがあります。 ところで、このシルバー系ソリッド・ブラックとも言うべき系統でオスにもボディのシルバー部分が多い個体を用いて子供を採るとどうなるでしょう?その答えが、2枚目の画像です。つまり、ボディが見事にシルバーに染まった個体が出てきます。色の乗り具合からみて、ドラゴンパターンではないようです。いずれにしても、ここまで来るとソリッド・ブラックとしての評価はあまり高くはありません。むしろ、シルバー&ブラックのバイカラーというカテゴリーに含めるべきでしょう。バイカラーとして割り切って見てしまえば、それなりに見所のある品種だとは思います。
2006/10/15
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ソリッド・ブラック その1 さて、逸品堂通信はドラゴン系品種をひとまず終了して、次なる品種の説明に移動する事にしましょう。今回取り上げる品種はソリッド・ブラックです。つまり、全身が漆黒に染まる品種の事で、華やかな印象の強い改良ベタにあって異色とも言うべき精悍さが売りの品種です。個人的には最も好みのカラーパターンですが、同時にどんなに頑張って追求しても永久に?完成にたどり着けない品種でもあるのです。 その秘密はメスにあります。実は、ソリッド・ブラック同士での交配が上手く行きません。同じ現象はエンゼルフィッシュでも知られていますが、漆黒のオスメスで繁殖を狙うと、卵が孵化しないか例え孵化しても稚魚が弱くほとんど育成できないのです。詳しい仕組みは判っていませんが、いわゆる致死遺伝と言う奴ですね。 ・・・という事は、ソリッド・ブラックの系統繁殖の際にはペアのどちらか一方をソリッド・ブラック以外の組合せで交配しなくてはならないという事になります。通常は、オスにソリッド・ブラックを用いて、メスは出来るだけ漆黒に近い傍系のメスを使います。当然、メスはボディに別のカラーが乗った個体を用いる訳ですから生まれてくる子供たちが混じりけの無いソリッド・ブラックになる事は非常に稀です。 今日紹介する個体では、ボディの背部後半にシルバーの光沢が乗っちゃってます。しかし、改良ベタの世界では、このような個体でもソリッドという事になってます。と言うよりは、厳密に判別すると世の中にソリッド・ブラックと言う個体はほとんど存在しない事になってしまいますからね。紹介したものは個体的には、ブラックが漆黒だし、ヒレの形状も悪くないのでなかなかのクオリティだと思います。
2006/10/14
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ドラゴン系品種その11 あらゆるカラーバリエーションで導入可能なドラゴンですが、それではショーベタへの導入はどうなっているのでしょう?ベタではヒレの長い個体とプラカットを交配すると、生まれてくる子供はロングフィンになるのが普通です。つまり、ベタのヒレに関してはロングフィン(L)が優勢で、ショートフィン(r)が劣勢と言う訳です。もっとも、子の交配で生まれてくる子供は見た目はロングフィンであっても、ショートフィンの血が混じっていますから遺伝子は(Lr)と言う事で、この子供たちとヒレの短い個体(rr)を交配した場合には、子供たちにショートフィンが生まれてくる可能性があります。また、困った事に外見からロングフィンの個体の遺伝子が(LL)なのか(Lr)なのかは区別できませんから、実際には交配して見ないと判らないんですけどね。 しかも、さらに理解を困難にさせているのがロングフィンとプラカットの中間的な個体、つまり各ヒレが中途半端に伸びる個体も存在すると言う点です。困った事に、この半端者(笑)とヒレが十分に伸長していないショーベタの若い個体の区別が付き難いんですよね~。今まで何度、ショーベタだと思って購入してきた個体が、いつまで待ってもヒレがそれ以上伸びてこないと言う悲しい目にあった事でしょう(苦笑)。このあたりの遺伝的な解明はまだまだ時間が掛かりそうですね~。誰か研究者が興味を持ってくれればいいんですけど、なかなかそうもいかないようです。 理論上はどうあれ、プラカットのカラーバリエーションをショーベタに移行させるのは可能ですから、当然多くのブリーダーがショーベタにドラゴンを取り入れようと日夜努力しています。そんな中で、現時点では最もドラゴンを取り入れるのに成功した品種がブラックでしょう。今日紹介する個体はヒレ先がクリアフィンになっているので、ブラック・ドラゴン・バタフライと呼ぶべき個体なのでしょうが、ショーベタとしての完成度もなかなかに仕上がっています。バンコクの市場でも、ブラック・ドラゴンに関しては結構ショーベタの良個体を探すことができます。 ただ、他のカラーバリエーションに関してはなぜかショーベタとしては、うーん・・・って言う体型の個体がほとんどなのが現状です。まぁ、バンコクのブリーダーならばいずれはあらゆるカラーバリエーションでショーベタのハーフムーン作出しちゃうんでしょうけどね(笑)。
2006/10/09
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ドラゴン系品種 その10 さてさて、理論上はあらゆるカラーバリエーションに導入できると書いたドラゴンですが、実は一つだけ問題のあるカラーがありました。それは、ブルー系です。単色系の品種としては赤系とならび最もポピュラーなカラーバリエーションですがドラゴンとの相性はあまり良くないようです。 今日紹介する個体の画像をご覧ください。これはここ数日紹介しているブラック系のマーブルにドラゴンを導入した系統ですが、ドラゴンパターンがいやに青味が強い所に御注目ください。何回か前に紹介したレッド・ドラゴンにもドラゴンパターンがブルーの個体がありましたよね?つまり、どうやらドラゴンパターンはすべての色素胞の最上層に位置するのではなく、体色をブルーに見せるための色素胞(青色素胞と言うのは存在しませんから、おそらくは黒色素胞)がさらに上層に位置するようなのです。 青味の強いレッド・ドラゴンは、おそらくは全身にブルーのフィルターが掛かった状態なので、ドラゴンパターンがメタリックブルーに輝いているのでしょう。また、このフィルターの働きでボディのレッドがピンク系に変わっているのだと思われます。そう考えると、最近のプラチナカラーのレッド・ドラゴンの赤い部分が朱赤に近く見えるという現象も納得できます。こう言った個体にはブルーのフィルターが存在しないんでしょうね。現時点では想像の域を脱していませんが、少しずつドラゴンパターンの秘密が判明してきた気がしています。 ところで問題はブルー・ドラゴンです。地色がブルーと言う事は、全身にブルーのフィルターが掛かった状態と言う事です。そこにドラゴンパターンを導入すると、ドラゴンパターンもフィルターの影響でメタリックブルーに発色すると考えられます。つまり、ドラゴンパターンの箇所もそうでない箇所もブルーに染まると言う事で、品種としてはあまり見栄えがしないというか、わざわざドラゴンを名乗るほどの変化が認められないと言う事になるのです。 実際、ドラゴン系品種が市場に出回りたての頃、何回かブルー・ドラゴンをバンコクの市場で見かけています。確かに、言われればドラゴンと判明するもののパッと見は、ソリッド・ブルーの個体とあまり差異を感じませんでした。つまり、ブルー・ドラゴンは作出が困難なのではなく、商品価値の点からブリーダーたちが作出しない品種なのではないでしょうか?
2006/10/06
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ドラゴン系品種 その9 ここで皆様に訂正を。昨日紹介した画像の内の2枚目の画像が間違えてましたぁ~!正確には今日紹介するこの画像の個体があそこには当てはまるべきでした。昨日のブログの中でも「下の個体ではマーブルの雰囲気がより顕著になっています」ってなっていましたが、昨日の個体では上下の個体にあまり差異が認められなかったのでは?それもそのはずです。昨日の2枚の写真は実は同一個体なのでした。同一固体にしては結構カラーパターンが異なるって感じた方も大勢いらっしゃる事でしょう。ちなみに昨日の画像の1枚目は、個体をバンコクから連れ帰った直後の9月6日の撮影、そして2枚目はそれから3週間くらい経過したものを撮影しました。 マーブルという個体は成長過程において、ものすごくそのカラーパターンが変化する品種です。詳しくはマーブル系品種の解説の際に説明しますが、ブラック&ホワイト・マーブルだったはずの個体がいつの間にかクリームホワイト一色になってしまうなんて事もしばしばです。それだけに、マーブル系品種は個体選びが難しく若魚のうちにあまり完成されたマーブルパターンの個体は、成熟するとあんまりパッとしない事が多いようです。 ところで、今日紹介の個体はいかがでしょう?前日の個体に較べて、腹部がマットブラックに染まりさらに精悍なフォルムとなっています。そして、私の拙い写真技術ではお伝えしにくいのですが、エラ蓋が真っ白に染まるのがポイントです。この部分だけを見ても、明らかにこの個体がマーブル由来のものである事は確実ですね。 色彩的にあまりにも鮮烈なため好みの分かれる個体だとは思いますが、個人的には今もっともお気に入りの個体の一つでもあります。この品種を作出したブリーダーは、バンコクの数あるブリーダーの中でも先進性に富んだ人間のようで、彼の所に行けば、毎回ほぼ確実にビックリするようなニューカラーを拝む事が出来ます。また、誠実な人間のようで、その作出過程や選別のポイントなどの話には疑わしい部分はありません。私個人としては、彼の扱う魚に関しては、ほぼ100%その出地を疑いません。ただ、バリバリの現役プロブリーダーですから、最新品種に関してははっきりと「今はまだ作り方を教えられない」と明言されてしまいますけどね(苦笑) 唯一の問題点としては、少々価格がお高い事でしょうか?(笑)。そこんじょそこらのブリーダーの魚の倍くらいは確実にします。まぁベタ買い付け人としては(笑)、彼の最新品種は初回は彼のところで高額でも数尾だけ入手し、残りは2~3ヵ月後に後追いした他のブリーダーから安く購入するのが正しい道ってもんでしょう。
2006/10/04
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ドラゴン系品種 その8 昨日紹介した、スケルトン・マーブルをバンコクで入手したのが今年の7月末の事でした。そして、次にバンコクを訪れたのが9月3日。その時点では、やはりと言うかさすがと言うべきか、すでに進化型とも言うべき個体が登場していました。ベースにボディが漆黒のマーブルを使っているので、精悍さが増しています。一見するとマルチカラー系にも見えますが、各ヒレに散在する赤いマーブル斑がこの個体が明らかにマーブルである事を物語っています。下の個体ではマーブルの雰囲気がより顕著になっています。実際に、作出したブルーダーに尋ねてもマーブルだと明言してました。 個人的には、種親のペアのオスメスどちらかをスケルトン・マーブル使ったんじゃないかと想像しているんですが、如何せんその名称は私が勝手に付けちゃったもので、相手のタイ人には通用しません(苦笑)。ブリーダー自体は、前回スケルトン・マーブルを購入した人間なのでこの仮説はかなり確かなものだとは思うのですが・・・。今度行った時に、スケルトン・マーブルの写真でも持参して確かめてこなくっちゃね(笑)。 いずれにせよ、その精悍な外見と言いインパクトの強さと言いすでに完成品と言える品種だと思います。また、表現も安定しているのかほぼ同じが意見の個体が数多くストックされていました。個人的にはすごく好きな品種なので、これからも維持して行って欲しいものです。 それにしても、ありとあらゆるカラーバリエーションが登場してくるドラゴン系品種ですが、その作出方法が今一歩はっきりしません。例えば、今日の個体だってオスにドラゴン使うのか、それともメスにドラゴン使うのかとか判っていません。と言うのも、バンコクのブリーダー達は、自分の保有している系統のメスを見せることを極端に嫌がる傾向があります。それが、自分のオリジナルの系統であればなおさらの事です。これは、自分で苦労して作出した品種をそう簡単に他人に量産されてたまるかぁ~!って事なんでしょうね(笑)。そんな状況なので、なかなかニューカラーのメスを入手するのは大変なことなんですよ~。 ドラゴン系の形質遺伝の謎を探るべく、わが研究室(いつから研究室に??)でも交配実験を行っております。・・・おりますがぁ~っ!こう度々海外出張で家を空けると、孵化直後の稚魚達にはかなり厳しい状態でして。今回も、9月10日生まれのドラゴン×他のカラーバリエーションと言う組合せで4組のペアから採った稚魚達がチョロチョロしてます。しかし、近々に実施されるであろうバンコク買い付け旅行~♪から帰って来た時には、稚魚達はほとんど消えてる気がします(涙)。せめて、生後45日くらい経過した稚魚なら、魚の扱いをまったく知らない家族でもなんとかフォローしてくれるんですけどね~。
2006/10/03
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ドラゴン系品種 その7 さて、現時点での仮説ではドラゴンパターンはすべての色素胞の一番上に存在すると書きましたが、それが事実だとすればドラゴン系品種はあらゆるカラーバリエーションで作出可能と言う事になります。そうなれば、ボディの地色がソリッド(一色)である必要はない訳で、当然今日紹介するようなマーブルにドラゴンパターンがプラスされた個体だってありな訳です。自由と混沌の国バンコクでは・・・(笑)。 この個体のベースとなってるのはブラック&ホワイト・マーブルである事は明らかです。ドラゴンパターンを別にしてみると、マーブルとしてはそれほど優れた模様ではありません。特に、各鰭が透明になっているのはクリアフィンと呼ばれ改良ベタの世界ではあまり高い評価を得ることが出来ません。もっとも、不思議な事に我が国ではこのクリアフィンって言うカラーパターンは結構評判いいんですけどね(笑)。まぁ、観賞面からクリアフィンの評価が低いのではなく、種親として用いると次世代にはより一層クリアフィンが顕著になる事から、ブリーダーたちに忌み嫌われているだけですから、当然と言えば当然なんですけど。 同様の事は金魚の世界でも見ることが出来ます。全身が白い金魚は、養殖業者さんからは忌み嫌われます。それは、白い金魚を種親にすると、そこからは紅白の更紗模様は生まれ難く、ほとんどの子供が白一色になってしまうからです。しかし、金魚掬いなんか見ていると、お子さん達には赤系の金魚よりも白い金魚の方が断然人気が高かったりしますからね~。 話を戻すと、この個体はマーブルとしてはそれ程の個体ではないという事です。しかし、バンコクでもっとも早期に出現したドラゴン系のマーブルと言う点では非常に希少価値のある記念すべき個体です。現地でブリーダに品種名を尋ねると 彼は困ったような顔をしてましたから(笑)、品種名はまだ付けられていないと判断しその骨格標本を思わせる外見からスケルトン・マーブルと命名しておきました。 透明なヒレにライトブルーの模様が入り、骨格標本のような不思議な魅力を醸し出しています。実際、暗めのバックでこの魚を観賞すると派手な色彩はないものの、非常に存在感のある個体でした。個人的には、非常に個性豊かなそして独創性のある個体なのでかなり好みです。前々回のバンコク訪問の際にはマーブル・ドラゴンはこの品種のみでした。しかし、一度マーブル系ドラゴンが作出されたからには、以後次々と様々なカラーパタンのマーブルにドラゴンの血が導入されるのであろうと言う事は容易に想像できました。そして、その事は次のバンコク訪問の際に事実として私の前に姿を現したのでした・・・続く(笑)
2006/10/02
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ドラゴン系品種その6 なんだか、キンモクセイの花も終わりになったのか幾分体調が回復しつつあるさかなおやじなので、気力を振り絞ってブログを更新します(苦笑)。今日紹介するのはイエロー・ドラゴンです。ドラゴン系の品種の中では比較的新しいもので、美しいレモンイエローのボディの上に、プラチナ~淡いメタリックブルーのドラゴンパターンが乗ると言う、派手さはないものの非常に美しい品種だと思います。 我が国ではなぜか人気のないイエロー系品種の中にあって、数少ないスター候補の一つでもあります。どうして、我が国ではイエローがあまり好まれないのかは良く判りませんが、おそらくは国民性というかなんか日本人の魂の根元にかかわる所の問題なのでしょう(笑)。以前、日本で一番登録台数の少ない車のボディカラーはイエローだという話も聞いた事がありますから。しかし、お国が変われば国民の色彩に対する好みも変わるもので、以前ドイツのアクアリストに「ドイツ製の熱帯魚用フードはみんなボトルがイエローでセンスがない!」みたいな話をした時に、相手のドイツ人が「おまえはドイツのカラーを馬鹿にするのか!」ってむっとされた事がありましたね~。彼らにしてみれば、赤・黒・黄色の3色はナショナルカラーなんでしょうね。 理由は違いますが、お隣の中国の国民にはイエロー系のベタは大人気です。何でも、風水学的に金運を招く色彩だと言うのが理由のようです。そう言った観点からこのイエロー・ドラゴンを見れば、これは申し分のない金運を招く品種の気がします(笑)。もっとも、風水をまったく理解できない人間にとっては、せっかくのこのラッキーカラーも何の恩恵ももたらしてくれない事は私が立証してると思います(笑)。 ところで、イエロー・ドラゴンには若干の謎が残されています。と言うのも、最近イエロー系のプラカットは品種の完成度が高まり、体型的に非常に優れた個体が多いのですが、なぜかこの品種に限り画像のような幼児体型?(笑)の個体しか見当たりません。つまり、ボディはどちらかと言うとほっそりとして、尾ビレもあまり大きく開きません。そのほかのヒレもやや小振りな気がします。私の温室には、バンコクから購入後半年近くが経過したイエロー・ドラゴンの個体がいますが、購入当初からほとんど体型的には変化していません。これが一体どのような原因で生じているのかはよく判りませんが、今後もバンコクでこの品種の特に体型の変化については追い続けていかなくては! そうそう!予定していた本業の方が2週間ほど先送りになった事や、私のあまりの絶不調さに家族がこのまま日本においておくと生命の危険が!(笑)と心配したのか、バンコクに出張できそうです。まだ予定がはっきりと決まっていませんが、早ければ今週、遅くとも2週間後の週末を絡めての道中になる予定です。しかし、「あなたの体が心配だから」とか妙に優しく話す妻ですが、それが本当ならば旦那がクーデター中のバンコクに行き戦車かなんかに踏み潰される事については心配してないんでしょうか?。うーん、なんだか家の中に商売の香りがプンプンしてます!(爆笑)
2006/10/01
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ドラゴン系品種その5 昨日の個体とは逆に、ボディのドラゴン模様を少なめにした個体です。どうも、最近バンコクでこのタイプをよく見かける気がしますけど、うーんどうなんでしょうか?確かに、ローズピンクのボディやヒレなんですけど、今ひとつすっきりしません。その理由は、ヒレの地色がピュアでないからじゃないでしょうか。おそらくは、ベースとなる個体にシルバー系のピンクの系統を使ったんだと思います。これだと、ドラゴン模様本来の美しさが、地色にシルキーホワイトが混ざっているために打ち消されちゃってますよね。それでも、バンコクの市場では、赤色を強調するタイプの蛍光灯の下に置かれているため、ものすごい色鮮やかに見えちゃうんですよ。バンコクに直接ベタゲットしに行きたいと考えている方は、ショップの照明のマジックにだまされないようにしないと(笑) それにしても絶不調です。あっ、もちろん私の体調がですけどね(笑)。偏頭痛が激しく、まともに歩けないくらいキツイです。オマケに時折激しい吐き気も・・・。原因は判ってるんです!毎年この時期になると同じ症状になりますからね~。去年の同じ時期のブログにも愚痴書いてますから憶えておられる方もおいでかも?私の絶不調の根源は「キンモクセイ」でした! これを聞くとほとんどすべての人がえ~っ?とか、またまたぁ~♪とか言います。でも、本当にダメなんです。キンモクセイの香りが。確かに良い香りだろうって事は判るんですけど、私には臭いが強すぎなんです。きっと、自分から2kmくらい遠方でキンモクセイが咲いていたら「あ~、いい香り」って思えるのかもしれませんが、何しろ我家の周りはキンモクセイだらけ!はっきり言ってこの季節は地獄です!例年この時期は出来るだけ海外に脱出するよう心がけていたのですが、今年はタイのクーデター騒ぎもあって海外逃亡のチャンスを逸してしまいました。 そもそも、私の住んでいる地域の町の花かなんかなのか?キンモクセイはっ!!よく、町の中の空気がすべてキンモクセイ色に染まったかのようなこの環境で普通に暮らしていけるもんです。町田市の住民は(笑)。ドイツもコイツも垣根にキンモクセイ使ったりして。でも、先日ただ一人だけですけど同好の士??を見つけましたよ。仕事先の部長が、いやに朝の電車の中にいた女性の香水がキツ過ぎだのなんだのって言うもんですから、「実は私も、強い香水ダメなんですよ~。だから、欧米に行くと香水やコロンの香りが辛いんです」って話をふったらやたらに賛同してくれて(笑)、話の最後に「部長、もしかしてキンモクセイってだめ?」って聞いたら、同じでした、私と症状が。世の中には少数だけどいるもんですね~。それにしても・・・辛い・・・(涙)
2006/09/28
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ドラゴン系品種その4 プラチナの輝きをよしとするバンコクのブリーダーがレッド・ドラゴンを手がければ当然行き着く先は、今日登場する個体という事になるでしょう。ボディは見事なほどにプラチナホワイトに輝いています。ヒレの部分はまだまだ完成とは言い難いようで、この先ピュアレッド一色に持っていくのか、それともバタフライパターンにチャレンジするのか難しい所です。それと、昨日も書きましたが、画像では赤の部分があまり鮮やかに見えませんけど、これは撮影技術の問題ですのであしからず。 ところで、個人的に気になるのがボディのドラゴン模様の下の部分です。・・・って別に変な意味じゃなく(笑)、当然ベカベカに輝くドラゴンパターンの下側には何らかのボディカラーが存在するはずですよね。透明な訳はないですからね。チョット気になるのは尻ビレの外縁のホワイトバンドです。もしかして、この魚のベースってカンボジア??カンボジアって言うのは以前も登場しましたけど、ボディが肌色~パステルホワイトで各鰭が朱赤に染まる品種の事です。 いくらドラゴンパターンが密集していると言っても、ボディがここまでピュアなプラチナホワイトって言うのはチョットおかしい気もします。普通に考えれば、ドラゴンの隙間からレッドカラーが覗いていても不思議ではないんですけどね~。ショップのオヤジはあくまでもレッド・ドラゴンだって言い張っていましたけど、なぁ~に!あの店のおやじがブリーダーじゃなくて卸市場から魚仕入れてるだけだって事は判ってますから、その発言にもあんまりと言うより全然重みがありません!(笑) ・・・とすると、この個体は本当はレッド・ドラゴンじゃなくてカンボジア・ドラゴンと呼ばなきゃいけないかもしれません。もっとも、ベタホビー界ではカンボジアカラーの社会的地位はすごく低いですから、カンボジア・ドラゴンと名乗った時点で人気がた落ちかも?(笑)個人的には悪くない改良だと思いますけど、各ヒレの色をローズピンクに持って言って欲しいなぁ~。・・・って、もしベースがカンボジアならそりゃ無理か。
2006/09/27
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ドラゴン系品種 その3 さて、今日は現在バンコクで主流となっているレッド・ドラゴンです。昨日紹介した初期のレッド・ドラゴンの個体と較べてみると違いがお判りでしょうか?まず第一に、体色が濃いピンクから濃赤色になっています。そして、鱗にベッタリと載るドラゴンの証もメタリックブルーから、プラチナシルバーに変化してきています。昨日も述べましたが、バンコクのブリーダー達の間では今日紹介する個体の方向に改良?が進んでいると言う事なんでしょう。ただ、個人的見解とは言うものの昨日の個体の方が華があったような気がするんですけどね~。残念ながら、ここ2回ほどのバンコク仕入れ旅行では旧タイプの個体を見かけることはありませんでした。 もっとも、今日紹介した個体にも不利な点もあることは確かです。と言うのは、我家のデジカメがボロいのか(一眼レフじゃないですから)、シルバースポットを鮮やかに撮影するとボディのピュアレッドがくすんじゃうんですよね~。おそらくは、補正かなんかをすればいいんでしょうが、あいにくその辺りについての知識は皆無です。そうかと言って、フォトショップとか使って画像をいじるのも、なんかズルしてるみたいで嫌だし(苦笑)本人の名誉のために言わせていただくと、実際にはもっと鮮やかなピュアレットなので画像で見るよりははるかにゴージャスです。 ところで、ドラゴン系の品種を見ていてすぐに気が付くことなんですが、ドラゴン模様(鱗の金属光沢)はどうもすべての色彩の一番上に存在するっぽいですね~。以前チョット触れましたが、ベタの(魚類全般にいえますが)体色は、体表の5つの色素胞、つまり黒色素胞・赤色素胞・黄色素胞・白色素胞そして金属光沢を表現する虹色素胞が複雑に関与しあって見た目の体色が決定されています。判りやすく言うと、受験勉強の際に参考書の重要な場所を赤くマークしておいてその上から緑のセロファン紙を載せると、赤いマークのところが黒く見えるので暗記用に使いましたよね?・・・って今の人たちは知らないか?こんな事(笑)。 非常にアバウトな説明ですが、ベタの体色も似たようなものと考えられてます。つまり5種類の色素胞が層になって存在し、それを上から眺めた時の体色が決まると言う事です。まぁ、すべてのカラーリングがこの理論で説明できる訳じゃないですけどね。そんなベタにおいてドラゴンと言うカラーパターンは最上層に存在すると言うことは、逆に考えると地色がどんなベタでも、一番上にドラゴン模様を載せる事が可能と言うわけです。つまり、理論上はあらゆるカラーバリエーションでドラゴン系品種を作り出すことが可能と言う事ですね。だから、今後もどんどんドラゴン系のニューカラーバリエーションが登場してくるのは間違いないと思われます。
2006/09/26
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