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ドラゴン系品種 その2 私がバンコクではじめて出合ったドラゴン系品種が今日紹介するレッド・ドラゴンです。この個体はその記念すべきゲット第一号でして、私がショーベタからプラカットに完全に鞍替えしたターニングポイント的存在でもあります。(笑) 全身にドラゴンの証とも言うべきメタリックスポットがぎっしり並んでいるのですが、最近になって面白い点に気が付きました。この画像の個体のドラゴンスポットは、ブルーの光沢を持っていますよね。そして、前回紹介したブラック・ドラゴンも・・・。ところが、最近バンコクで見かけるドラゴン系品種のドラゴンスポットは見事にプラチナホワイトです。 バンコクのブリーダーに尋ねた所、プラチナカラーの方がゴージャスで綺麗じゃないか!って事でした。うーん、あくまでも個人の主観でしかありませんがメタリックブルーに輝く鱗も好きなんですけどね~。そんな、状況にあるためか最近ではバンコクでも画像のようなレッド・ドラゴンを目にする事はありません。こんな事なら、この系統維持しとくんでした~(涙)。バンコクでも大人気の品種だから、わざわざ自分で品種の維持なんてしなくてもOK!と考えていた自分が甘かった。 それと、ドラゴンスポットが青味がかると言う事で、他の部位にもブルーの発色があるんでしょうか、レッドが濃いローズピンクに染まっています。こちらも、プラチナホワイトのドラゴンスポットを有する個体では、ソリッド・レッド同様やや朱色に近いレッドに変わっています。・・・という事は、今日の個体はレッド・ドラゴンじゃなくてレッド&ブルー・マルチにドラゴンを掛け合わせて作出したのかもしれませんね~。こんな事を考え始めると、むやみやたらに品種交配実験したくなっていけません(苦笑)。
2006/09/25
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ドラゴン系品種 その1 バンコクの市場に、ドラゴンなる品種名のベタが姿を現しだしたのは何年位前の事だったんでしょう。そのまた1、2年前からカッパーと呼ばれる品種がニューフェイスとしてもてはやされるようになってました。カッパーとは英語で銅=copperの意味で文字通り全身が金属光沢に渋く輝く品種です。以前からスチールブルーと呼ばれる、群青色と灰色を混ぜたような実に渋いカラーリングの品種は存在していましたが、金属光沢はほとんどありません。カッパーは出回り始めた当初は、物珍しさもあって非常に人気の高い品種でしたが、やはりあまりにも色彩的に渋いため一躍スターダムにのし上がると言う訳には行かなかったようです。 ドラゴンと言う品種は各鱗に金属光沢のある点が存在する品種の総称で、厳密には全身べったり金属光沢が乗るカッパーとは異なりますが、今までほとんど見られなかった金属光沢という物がベタのボディやヒレに載る様になったと言う点では類似性を感じますね~。ドラゴンが登場した当初は、今回の画像のようにブラックなどのダークボディで鱗が金属光沢というパターンがほとんどでした。今では、様々なカラーバリエーションにドラゴンの血が導入されていますが、今でも個人的にはブラック・ドラゴンあたりがその精悍な感じから好みです。 さて、近年のベタ改良の大きなターニングポイントとなったドラゴン系の出現ですが、正直言ってその出所がはっきりしていません。なぜか、前触れなく突然現れたと言う感じがします。まぁ、改良品種なんてものは基本的に突然変異個体を固定する所から始まるものですから、突然出現しても不思議ではありません。でも、大概のニューカラーは、数ヶ月前からその方向に改良はじめましたっていう感じの個体が市場に出回るものなのです。と考えると、ドラゴンは一体・・・ ここからは科学的根拠のまったくない話なのですが(笑)、私を含めて一部のアクアリストの間では原種スプレンデンスに別のベタを交雑させたのでは?と言う説が囁かれています。そのベタとはベタsp.マハチャイです。バンコク郊外で比較的近年になってから発見されたマハチャイは、今の所新種記載されている訳ではなく改良ベタの原種であるスプレンデンス種の地域変異に過ぎないと言う見方もあります。このマハチャイと言うベタの外見はスプレンデンスの原種に良く似ていますが、オスの尾鰭がスペード型である点がポイントです。スプレンデンスの尾鰭は外縁が楕円状に丸みを帯びている点でマハチャイとは容易に区別できます。このマハチャイのもう一つの特徴として、ボディに金属光沢の小点が散在しているのです!つまり、どこかのブリーダーがこのマハチャイをプラカットと交雑させた時に、ドラゴンと言うカラーパターンが出来たのではないかと言う、根拠レス(笑)の憶測なのです。 科学的根拠のまったくない仮説ではありますが、この説を裏付けるかの様な現象が最近のプラカットには見受けられます。と言うのは、この写真の個体もそうなのですがプラカットの尾鰭にスペード型のものが見られるようになって来ました。しかも、その出現時期はドラゴン系品種の登場とほぼ重なっているのです。そのうちどこかの研究者がDNA鑑定でもしてくれて、そのあたりの事を解明してくれるんじゃないでしょうか。いずれにせよ、その作出過程が謎ながら、登場して瞬く間に人気品種にのし上がったドラゴン系の品種をこれから数回に分けて紹介していく事にしたいと思います。
2006/09/23
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ラベンダー・バタフライ その8 今回のバンコク仕入れ旅行でもっともインパクトのあった個体が今日紹介するラベンダー・バタフライでした。写真では上手く表現できていないのが残念ですが、なんとも濃厚な深紅の色合いは実に見事なものでした。特に頭部の染まり方は非の打ち所がないものだと思います。この濃紅色は本来ローズピンクであるべきラベンダーと言うカラーパターンを考えるといささか規格外になるかもしれないですが、この品種の一つの方向性としておそらくショーベタの個体にも導入されていく事になるでしょう。 今まで何回かに分けてショーベタ・プラカットのラベンダー・バタフライとその近縁品種について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。好みのカラーパターン見つかりました?自分なりのオリジナルカラーの作出を目指す場合、少しでも多くのカラーバリエーションを見ていた方が、より頭の中に描くオリジナルカラーのイメージがが明確なものになる事間違いなしです。 ところでバンコクのベタブリーダーの多くは零細企業?で、一箇所で何品種ものベタを養殖している所はそう多くありません。そのようなブリーダー達は、卸市場(ウィークエンド・マーケット以外に存在します)に作った魚を持ち込むか、もしくはブリーダーの所に仲買人が訪れて魚を買い集めていくかと言う方法で自分の魚を市場に出すのです。したがって、皆さんがバンコクを訪問しより多くのベタのカラーバリエーションを見たいと言うのであれば、私は迷う事無くウィークエンドマーケットをお薦めします。ベタだけに限定するのであれば、半日もあれば10件以上のベタショップを訪問できますから。・・・と言っても、メチャメチャ暑いので気力と体力のある人限定ですけど(笑)。 でも、少しでも変わった品種や最新のカラーパターン捜すのならブリーダーの所に突撃訪問(笑)も欠かすことは出来ません。だいたい、仲買人なんて商売でベタ扱ってるだけなので間違いなく市場で捌ける、売れ筋の品種しか集めてきませんから。逸品堂好み(爆笑)のチョット変なカラーパタンの奴は、やっぱりブリーダーの所に行かないとね~。最近は、変なカラーパターンの個体を売りつけることが可能な頭のおかしな日本人と言う見方が定着しつつあるのか、マーケットのショップの人間から「仕入先のブリーダーが、また妙な品種作り始めてるよ」みたいな情報もらえるようになって来ました。 ただ、ここで喜びすぎてショップを抜きにしてブリーダーと直取しちゃうようだと未来はありません。もちろん、ブリーダーは直で私に販売した方が仲買人を通すより数倍も高額で魚が販売できる事は確実ですから大喜びです。しかし、それでは紹介してくれたショップの人間にお金が渡らないことになっちゃいますから。したがって、ブリーダーのところで直接個体ゲットしても、かならず紹介してくれたショップから正規(それでもディスカウントしてくれますけど)の価格で購入する事にしてます。そうすると、ショップの人間も次から次へ新しいブリーダー紹介してくれるようになりますからね。やっぱり、バンコクにおいても一番大切なのは信義って事ですね。
2006/09/22
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ラベンダー・バタフライ その7 昨日の記事のような、プラカットのラベンダー・バタフライが一度作出されれば、今度は様々な方向に改良が施されていくのはバンコクならば当然予測される事です。バンコクのブリーダー達がベタを産卵させて、市場に出せる大きさにまで育てるのにだいたい2~3ヶ月を要します。おそらくは生後4ヶ月もすれば、彼らは次世代を残す事ができる様なところまで成長を遂げるはずなので、バンコクで一度品種が作出されてから半年もすれば、その品種を元にした更なるカラーバリエーションが巷に出回るようになると言う訳です。 ただ、ここで一つ申し上げておきたいのですがバンコクのベタブリーダーが百発百中の精度で、素晴しい個体を作出しているとは考えないでいただきたいと言う事です。特に、ニューカラーを作出中にはどうにもならん(苦笑)個体がワンサカ出てきます。マーケットで見かける個体さえ、日本人の美意識で何とかOK出せる個体は半分もありません。逸品堂で扱う個体は、こう見えてもかなり厳しき選別してるんですよ(笑)。ブリーダーの所に行けばこの傾向はなおさら顕著です。養殖場には、無数のそれこそ数千個のガラス瓶が置いてありその一つ一つにオスの成魚が入っているんですけど、この中でゲットしたいなって思える個体は審査基準を大甘にしても10尾に1尾、いや本気で選んだら100分の1くらいの確率でしか逸品には出会えません。要するに、バンコクブリーダー達は数打ちゃ当たる方式を採用してると言う事です。もっとも、その育成技術とかは素晴しいものなのは間違いありませんけど。 それにしても、脅威の育成スピードですね~。やっぱり、水温が高い事や生き餌が豊富な事が影響しているんでしょう。我が国では、このサイクルで世代交代はチョットと言うかかなりきついと思います。卵生メダカやアピストなどの原種を累代飼育する場合は、出来るだけ世代交代のサイクルをゆっくりとするのが系統維持の鉄則です。つまり、自然界と違って、どうしても近親交配を行わざるを得ない飼育下ではその弊害を避けるために、出来るだけ世代を重ねたくないと言う事です。 ところが改良ベタやグッピーなどでは、逆に如何に短期間で次の世代を作りだせるかが改良のポイントとなります。品種改良なんてものは早いもんがちですから(笑)、他のブリーダーより少しでも早く新たな品種を作出し、市場に出荷しなければプロブリーダーは務まりません。ベタの場合、バンコクのブリーダーは4ヶ月前後で1回転ですから年3世代の交代、我が国では半年くらいは最低でも必要でしょうから良くて年2回の世代交代。これでは、改良のスピードで勝ち目が無いのは明白です。やっぱり、我が国のブリーダーは、ニューカラーの作出を追い求めるのではなく体型やヒレの形状などを時間をかけてじっくりと仕上げて行くのが正しい道ってもんなんでしょうか。 バンコクのブリーダー達の間で生産が始まったラベンダー・バタフライの中でボディをブルーに持っていく改良を進めた、つまりサラマンダー・バタフライを目指したものが今日紹介する個体って事なんでしょうか。昨日紹介したローズピンクのボディの個体とはずいぶん印象が異なりますね~。どちらを選ぶかはもちろん飼育者の好みですからどうぞ御自由にって感じですが(笑)、ヒレ先のホワイトバンドに関して言えばこちらの個体の方が数段グレードが上でしょう。プラカットにしては、脅威のホワイトバンドで見事としか形容できません。やはり恐るべし、バンコクブリーダー!
2006/09/20
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ラベンダー・バタフライ その6 さて、何回かにわたってラベンダー・バタフライを紹介してきましたが、すべてショーベタだったのに御気づきでしょうか?実は、ヒレが長く伸びないプラカットではバタフライの作出が非常に難しいのです。同じ事は、ショーベタのメスにも言えるのですがバタフライのホワイトバンドは、ヒレ先に出現するものですからそのヒレ先が長く伸びない=ホワイトバンドが明瞭に入るスペースがないって事になるためでしょう。その為、いずれ逸品堂通信にも登場するであろうマーブル系由来の系統以外には、バタフライパターンのプラカットを見かけることは本当に稀でした。もちろん、バタフライが作出出来ないのではなく、綺麗なホワイトバンドが表現できないって事なんですけどね。 そんな、プラカット界の常識?を覆すような品種が、このラベンダー・バタフライ・プラカットです。なんでも、インターナショナルベタコンテストのプラカット部門で堂々の1位に輝いた系統だと言う事ですが、美しさと言い作出難易度と言い納得の逸品です。大元はシンガポールのブリーダーの持ち魚だと言う事ですが、前回バンコクに行った際にはすでに少数ながら市場にオスのみ出回っていました。しかし、信じられないくらい高額だったのとメスが入手できなかったために購入を断念しました。 しかし、今回のバンコク訪問ではメスも入手できるようになっていたので早速ゲットしてきたというわけです。個人的にはショーベタのラベンダー・バタフライよりもこちらの方が好みです。水槽内をキビキビと泳ぎ回る姿は本当に可愛らしいものです。さすがに、逸品堂で販売を開始すると反響も早くあっという間にペアはSOLD OUT!に(笑)。まぁ、この外見ならば当然でしょうか。 おそらく次回バンコク訪問際には、もっと沢山ブリーデングされていて入手も容易になっている事だと思います。・・・て言うか、すでにお客様からこの品種の予約が何件も入っちゃってるんですけどぉ~。これは早々にまたバンコク行って来いって事なんでしょうかぁ~??(笑)逸品堂が盛況なのはすごくありがたいんですけど、なんだか夕食のたびにオーナーが「今度はいつバンコク行くの??」って聞いてくるのだけは何とかしてください!(爆笑)
2006/09/19
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ラベンダー・バタフライ その5 今日の個体は厳密にはラベンダー・バタフライじゃないんですけど、外見的に似ているので便宜的にこのカテゴリーに入れておきました(笑)。この改良の目指す方向は、ボディとヒレ先がホワイトで、各ヒレの中心部分だけが濃いローズピンクって言う事なのは明確です。その発想は非常に素晴しいものですし、もし完成されればものすごく人気が出る事間違いなしですね。 でも、画像の個体の系統では目的を達成するのは難しいと思います。と言うのは、この元になったのはカンボジアと呼ばれる、ボディがベージュ~パステルホワイトでヒレが赤く染まると言うタイプだからです。その名の通り、カンボジアでずいぶん前かに作出されたと言われているカンボジアと言う品種は、非常に維持が楽ですが白地がピュアなホワイトではないことや、頭部に染みのように汚点が出現しやすいのが特徴です。したがって、この系統からボディが染み一つない真っ白な個体が作出出来るとは思えません。 ベタの世界では、この個体のようにややピンクやブルーに染まったホワイトカラーをパステル・ホワイトと呼びます。これに対して、ピュアホワイトの色彩をオペックホワイトと呼びます。ショップなどでも目にする事の多い、スーパーホワイトなる系統はこのオペックホワイトの事なんです。したがって、ボディとヒレ先が純白でヒレの内側だけがローズピンクないしはピュアレッドの個体作るのなら、オペックホワイトをベースにしないとねって事です。でも、オペックホワイトのボディを持った個体は普通は赤いヒレなんて持ってません。その状態から、ヒレに赤~ピンクの色彩入れるって言うのは。うーん・・・。至難の業なんでしょうね。 それと、オペックホワイトのシルキーな光沢は、どうも赤色素胞の上層にあるのかオペック系でボディやヒレに赤の入る個体は、残念な事に赤の色彩の上にもシルキーパウダーが振りかけられた様に見える個体がほとんどです。したがって、純白のボディに真っ赤~ローズピンクのバタフライって言う表現形は夢のまた夢って事なんでしょうか? ただ、画像の個体はパステルホワイト系の魚にしては非常に美しいと思います。ボディのパステルホワイトも非常に美しく、頭部の暗色斑もあまり気にならないレベルです。品種として固定するのは難しくても、カンボジアンカラーだって捜せばここまで綺麗な個体もいるぞって言う見本ですね。ただ、残念ながらショーベタと言う観点からは各ヒレの開きが少し弱い気がします。
2006/09/18
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ラベンダー・バタフライ その4 さて、前回まではボディのカラーに着目した改良について述べてきましたが、今日はバタフライパターンつまりホワイトバンドをより明瞭で幅広いものにと言う視点から改良された個体を紹介しましょう。 画像を見ていただければお判りのように、各ヒレのホワイトバンドが非常に幅広くなってます。非常に華やかで美しい個体ですが、このままホワイトバンドの面積が広がって、ヒレがすべてホワイトになっちゃうとこれはもうバタフライではなく、バイカラーって言う事になっちゃうんでしょうか?(笑)。ちなみに、ボディとヒレのカラーが綺麗に別々のカラーに染まっているパターンをバイカラーといいます。でも、実際には厳密な意味でのバイカラーはほとんどありえないので、ほとんどはボディは単色ではなく複数の色が混ざった、マルチカラーになってますけどね。いずれにしても見事な改良だと思います。ホワイトバンドの白も本当に鮮やかなのもさらにこの魚の印象を強いものにしていると思います。 ただ、ここまで幅広いホワイトバンドを維持するのであれば、メスにもよほど明瞭なホワイトバンドを持った個体を使わないときついかもしれませんね。でも、オスほどヒレが伸長しないベタのメスでは、あまりはっきりとしたバタフライ模様の個体を見かけることはほとんどありません。せいぜい、ヒレのほんの先だけが白く縁取られている程度です。 もっとも、明確なバタフライ模様を有するメスはブリーダーが秘蔵していて、私には見せないようにしているだけかもしれませんけど(笑)。何でも欲しがる日本人が来る時だけ、どこかにしまっておくのでしょうか??個人的に非常に気に入った改良の方向なので、今度バンコク行ったらブリーダーのファームを隅々までじっくり捜してみようっと(爆笑)。
2006/09/16
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ラベンダー・バタフライ その3 前回は、ボディカラーをローズピンクに持って行く方向に改良された個体を紹介しましたが、今回は逆にブルー系のボディを目指した改良を施された個体です。この手の個体はサラマンダー・バタフライという名称を与えられているようです。厳密に言うと、ラベンダーとは系統が少し異なるようですが、外見からここではラベンダーの一種として扱います。確かに、ホワイトバンドの入り方とか、ヒレの内側のレッドウォッシュとかラベンダーとはチョット違う毛色ですね。 この個体のように、ブルー&ローズピンクが入り混じった表現形ならば、ペアの選択の際にボディカラーに関しては悩む必要が無いのでその作出は非常に楽だと思われます。したがって今後も安定して生産されていくと思います。ただ、ボディを完全にブルーに固定し、ヒレの内側がローズピンクで外縁にホワイトバンドと言う風にはっきりとした言わばトリカラーパターンに持っていくのは至難の技でしょう。でも、いつの日にかそれを実現しちゃうのが、バンコクのベタブリーダーなんでしょうけど(笑) 外見的に非常に華やかなタイプですし、作出が楽そうなので価格も低めだと思いますから、これからショーベタのブリーディングに挑戦して見ようと考えている方にはお薦めです。レベルの高い種親が安い価格で入手できれば、その子供たちにも高いレベルの個体が出てくる可能性高いですしね。その分、このカテゴリーでコンテストの上位目指すならよほど優れたヒレ・体型を持っていないときつそうです。
2006/09/15
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ラベンダー・バタフライ その2 昨日のダニオの遺伝のお話で、ドッとお疲れの方も沢山おいででしょうから(笑)、今回はお気楽な逸品堂通信でお楽しみください。さて、前回から始まったラベンダー・バタフライ・シリーズ(シリーズ化するの好きだなぁ)ですが、今日の画像はローズピンクの体色をとことん追及したと思われる個体を紹介します。ハーブのラベンダーとはかけ離れたカラーリングになってますが、とても美しくて華のある個体です。ヒレの外縁のホワイトバンドが少ないように感じますが、これはこの個体がまだ生後3ヶ月程度の若い魚だから。この後2ヶ月もすれば、見事な状態に仕上がっている事でしょう。 ところで、いつも不思議に思うんですがなぜ日本人はショーベタをゲットする時に、すでに尾開きや体型的に完成した個体を選ぶんでしょう?確かに、見た目が断然華やかなのは判りますが、一度ヒレが十分伸びきった個体をそのまま維持するのはかなり大変なはず。特に、購入して自分の家に連れ帰った直後つまり飼育環境が大きく変動した際にヒレ先が溶けちゃうなんて事はざらにあると思われます。また、一度こうなっちゃうと成魚はなかな元の美しい姿を取り戻せない事がほとんどです。特に、ヒレは再生した部分は色落ちしたり、軟条が折れ曲がったりしちゃいます。 その点若い個体ならば、再生力も旺盛なので結構何とかなっちゃいます。それに、自分で毎日フレアリングさせて、見事な尾開きに仕上げるのが飼育者の醍醐味って気もしますけど・・・個人的には。 以前、バンコクのベタブリーダーに「なぜ、おまえの所は日本にヒレの完成した成魚ばかり送るんだ?受け取る日本側もそれじゃ、後の管理が大変だし」と尋ねると、「とんでもない!日本人がそれを要求して来るんだよ。若い個体を送ると必ずクレームが来る」って言ってました。日本の問屋が要求するのか、はたまたショップかそれともエンドユーザーの意向なのか、実に不思議な状況です。でも、ほとんどの個体は問屋さんかショップの段階で調子を崩して、見るに堪えない状態になっちゃうみたいです。だから、ほとんどの問屋さんやショップはショーベタ扱いたがりません。 画像の個体のような若い魚を輸入しておけば維持管理も楽だし、そうすればもっともっとショーベタやプラカットを扱うショップが増えてくると思うんですけどね~。なんとか、我が国のアクアホビー界の意識を変えたいものです。
2006/09/14
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ラベンダー・バタフライ その1 いつの頃からでしょう、市場に綺麗なローズピンクのボディとヒレの外縁の真っ白な縁取りが鮮やかなラベンダー・バタフライと言う品種が登場したのは。もちろん、観賞価値の非常に高いカラーリングですから瞬く間に人気品種にまで駆け上がりました。各ヒレの内側と外縁がくっきりと色分けされている品種をバタフライと呼ぶのですが、ブルー&ホワイト・バタフライと並んでこのラベンダー・バタフライはその色彩の妙から2大バタフライの一つと言っても過言ではありません。 実は、以前からボディとヒレの内側がピュアレッドで、ヒレの外縁がホワイトというレッド&ホワイト・バタフライという品種は存在したのですが、なんと言ってもラベンダー・バタフライは濃いローズピンクなのが最大の売りでしょう。ところで、なんでこの品種をラベンダーと呼ぶのでしょう?私の知る限りでは、植物のラベンダーってこんな色じゃなくもうチョットブルー系の色調だった気が・・・(笑)。非常に美しくインパクトのあるネーミングながら、あんまり名が体を表していない気がしますね~。 ところで、このラベンダーと呼ばれる濃いローズピンクの色調は完全に固定化する事は出来ません。ベタの体色の基になる色素細胞は黒色素胞・黄色素胞・赤色素胞・白色素胞そして金属光沢を表現する虹色素胞の5種類と言われています。例えば、ブルーを表現する色素胞は存在しないんですよ。上記の5種類の色素胞が複雑に作用しあって、ブルーの体色を作り出しているんです。もちろん濃いローズピンクの色素鮑なんて存在しませんから、一口にラベンダー・バタフライと言ってもそのローズピンクの色合いはみんな微妙に異なるって訳です。 だからこそ、ラベンダー・バタフライという品種は作出ブリーダーの意図によって様々な方向に改良が加えられているんですね~。次回からは、このラベンダー・バタフライのカラーバリエーションを少しご紹介したいと思います
2006/09/13
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さて、イキナリ今日からスタートする(させられる)逸品堂通信ですが、別におさかな逸品堂の宣伝をするわけではないのでご安心を(笑)。逸品堂の問い合わせにベタに関するブログをどこかでやれっ!と言うのが思ったより沢山ありまして・・・。新たに一つブログを立ち上げると言う事も考えたのですが、ただでさえ仕事が山積みでなんで1日は24時間しかないのっ!!と言う状況を考えると、ちゃんと更新していけるかどうか不安だったのでこのブログをそのまま利用する事にしました(笑)。 内容的には、毎回1尾のベタを紹介してそれを使ってああでもないこうでもないと、ダラダラと独断と偏見に満ちた自説を展開しようと言うわけです。もちろん、本筋のさかなおやじのひとりごとはそのままですから、逸品堂通信は号外として取り扱います。だから、場合によっては1日に本編と逸品堂通信の2本ブログがアップされる事もあるでしょう。 まぁ皆さんもあまり堅苦しい事は抜きにして、毎回登場するプラガットやショーベタのカラーバリエーションを楽しめばよろしいかと・・・。それと、かなり内容が独断と偏見に満ちているはずですが(苦笑)、それを見てあまり目くじら立てないようにお願いします~。改良ベタの楽しみ方 第一回目からイキナリご大層な題目ですが(笑)、要するにショーベタやプラカットをどう楽しむかについてチョット一言。実は以前(10年位前かな?)、私はTBCと言うショーベタのアマチュア倶楽部に所属してまして、結構大々的にベタやってました。もっとも、その当時私の興味の対象はワイルドベタだったので、ショーベタのほうは倶楽部の応援的にチョコチョコッと(笑)。当時はまだ、ショーベタと言う言葉さえアクアリストには浸透していない状況で本場アメリカのIBCと言うベタ倶楽部から種親を導入してはみんなで一生懸命やってましたね~♪ その頃はまだハーフムーンなんて品種は登場していなかったので、スーパーデルタの個体がコンテストとかに登場するとみんなで大騒ぎしてましたっけ。自分でブリーディングできる様な設備を持っている会員の方も限られていたので、コンテストはいつも優勝者が同じ状態でした。今思い起こしてもすごく楽しい倶楽部だったのですが、続けているうちに自分の中に大きな疑問が生じてきました。と言うのも、倶楽部のメンバーの気持ちがコンテストでの上位入賞だけに集中しすぎているような気がしたからです。 もちろん、改良品種を楽しむ以上コンテストと言うのは大きな目標になりますしそれ自体は良く理解できるのです。ただ、コンテストの結果をあまりにも意識するが為に尾開き・体型にばかり目を向けているような気がしました。確かに、ソリッドブルーやレッドあたりは元々改良が進んでいるため、入手できる種親もレベルの高いものが多いです。当然、その子供たちにも素晴しい尾開きのものが期待できるため、勢いコンテストブリーダー達はこのあたりのカラーばかりを追求するようになります。 でも、改良品種にはもうひとつ大きな楽しみがあるのでは?それはカラーリングを追求すると言う楽しみです。好きなオスメスを自由に交配して、自分の頭の中でイメージする今までに見たことがないようなカラーリングのベタを作出すると言うのも非常に楽しい行為だと思います。どうも我が国のベタブリーダーはこちらに関しては疎かになっていると思います。限られた飼育環境の中でコンテスト入賞レベルの魚を作らなくてはいけない現状では仕方ないのかもしれませんけどね。 その点、バンコクのベタブリーダーたちは自由奔放です。それこそ思いつく限りのありとあらゆる種親の組み合わせを行っているのか、バンコクを訪問するたびにニューカラーが登場してます。もちろん、作出された品種の尾開き・体型を改善していく行為は絶対に必要なものですが、そちらは国内で真剣に改良ベタに取り組んでおられる方々にお任せするとして(笑)、さかなおやじとしてはもう一つの楽しみ方であるニューカラーについてこれからも追求していきたいと思ってます。だからと言うわけではないですが、おさかな逸品堂にはソリッドブルーとかレッドの個体はほとんど登場しません!(笑)。 どうも、バンコクでも変わったカラーのベタばかりを欲しがる変な日本人と言う事でそれなりに目立つらしく(苦笑)、私が顔を出すといきなり「今回のニューカラーはこれだっ!」って言いはじめるベタ屋のおやじやおばさんがかなりの人数存在します。この間なんか、マーケットの近くの屋台で昼食中に某ベタ屋のお姉ちゃんが通りかかり、いきなり「うちの店にニューカラーがいるから後で見に来なさいよっ!」って言われちゃいました。
2006/09/12
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