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2002年07月24日
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60も半ばのご婦人が、最近の経験を話してくださいました。


「黒目が全部開いたらどんなに明るいだろうと思いました。眼科の先生に相談に行きました。まぶたを上げる手術を勧められました。検眼をするにも、手でまぶたを持ち上げなくてはならないほどだったのです。」

「紹介された病院は形成外科でした。いわゆる美容整形の病院です。気持ちの中には、別にいのちに別状のないことなのに、まったく視力がなくて闇の中で暮らしている人もいるのにという思いがあってためらっていました。」

「訪ねた病院でお医者様の前に座ったとき、私はまだ迷っている気持ちを伝えました。問わず語りに私が老親の介護を5年間していることを口にした途端、先生がおっしゃいました。よし、せめて目からだけでも光をいっぱい入れよう。世の中が明るくなったら、気持ちも明るくなるかもしれないよ。」

「私は思わず涙があふれました。光がほしい。こころのそこからそう思いました。そして私は眼けん下垂の手術を受けました。」

手術の間、先生はいろんな話をしてくださいました。人間の身体は謎だと。奥さんが癌と診断されて一晩で真っ白な白髪になった方のこと。受け入れられない哀しみに直面して、一晩泣き明かして翌日まぶたが完全にふさがってしまった方のこと。精神的なものが肉体に及ぼす力の大きさを、いろんな例をあげて話をしてくださいました。そして最後にこうおっしゃいました。

私は目をあけてあげることはできる。でも、こころの目を開けてあげることはできないんだよ。せめて目から光を入れて、その光がこころにも届くといいねえ。

たった一言で、その人のこころの襞に巣くっている哀しみや苦しみの病因を感じ取る力。それはいのちをいとおしむ優しさと、豊かな感受性なのでしょう。








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最終更新日  2012年04月07日 00時03分00秒
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