メートル・ド・テル徒然草

PR

Profile

エルネスト1969

エルネスト1969

Calendar

Feb 18, 2006
XML

実物の写真を撮ろうと思ったのですが、無かったので、とある業務器機のカタログの表紙になっていた物を写しました。

 この「トック」フレンチのシェフのシンボルとも言える存在になっており、国際的なシェフ同士の会もあり、名称は「ラ・トック・ブランシュ」

 この帽子を最初に発明(?)したと言われるのが、「アントナン・フランソワーズ・カレーム(Antonin Francoise Careme)」という人物です。 

 カレーム(Careme)という名詞には本来、キリスト教で言うところの“肉を断つ四句節”の意味がありました。皮肉かどうか、この名前を戴いたアントナン・フランソワ-ズ・カレームは、フランス料理の古典においてエスコフィエと並ぶ偉大な料理人と言われています。

 フランス革命の勃発した1779年当時、カレームは5歳。貧しい石工の16番目の子として生まれたカレームは、ある夜父親に路上に置き去りにされました。たまたま、その晩扉を叩いたのがパリの小料理屋だったといいます。これが、大工や靴職人の扉であったら、現代に至るフランス料理の歴史は変わっていたかも知れません。ついで彼はパリ一番の菓子屋に職を替えます。

 この「バイィの菓子店」での仕事の傍ら、読み書きと製図の技法を学びます。古代エジプト、ギリシア、イタリアの建築物の傑作に触れ、建築家への夢をみますが、貧しい懐では断念せざるを得ません。この情熱は装飾用の菓子の製作に向けられます。そしてこれは後に「ピエスモンテ」と呼ばれて、旧時代の宴会には欠かせないものでした。
 カレームは古代建築を学び、長い時間を掛けて綿密な設計図を引きました。カレームの作品は旧時代のものから余分なものは削り落し、さらに豪華さでは1点の引けもとらないものでした。はかない寿命しか持たないテーブルデコレーションではあっても調和と秩序を原則とする美学の原則が貫かれることを意味しています。

 カレームが生涯をかけた料理の探求はこうした合理性の追求に他なりません。数々の形状の鍋、道具、お菓子の絞り袋(ポンシュ)を考案したのもカレームでした。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  Feb 21, 2006 11:21:37 PM コメントを書く
[フランス料理の文化と歴史] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

Favorite Blog

ジェームズオオクボ… New! 四方よし通信さん

湘南フレンチ奮闘記 rannboさん
健康になるレストラン ローズシェフさん
アッシュ君の部屋 musigny0209さん
Cool Style piyopiyoyoさん

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: