メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Apr 6, 2006
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 どんな商売でもそうなのでしょうが、「売上」はお店の運営にとっても非常に大事なものです。
もちろん、お客様抜きにしては「売上」は考えられませんから、料理の品質の向上や、サーヴィスのスキルアップなども抜きにしては語れません。

 どちらか一方を重視して良いというものでは無いとも思います。車の左右両輪のような関係で、どちらか一方が回転していても、1箇所でぐるぐる同じところを回転するだけですので、バランスよく両輪を同じ速度で回転させて初めてまっすぐ進むと言えるのです。

 さて、どんな事業においても適切な収支比率と言うのがあります。これは他業種の小売業やサービス業においてもそうです。フランス料理はおおむねにして、高い単価をお客様に求めますし、リーズナブルな飲食店では低い単価でお客様の来店数を増やすことで利益を上げているのが普通です。

 だから利益が上がる、上がらないという観点においては、高級店だから潤っている、沢山お客さんが入っているから儲かっている、ということにはならないケースも多いのです。

収支比率とは、大雑把にいって売上の内訳です。私が身をおくフランス料理業界のモデルケースと言えば、下記のようになります。

○売上を100%とします。

 原価25~35%
(お店のスタイルによって異なります。材料重視のレストランか、サーヴィス重視のレストランコンセプトかによって変わってきます。また、ワインなどを含むドリンクは加工部分が少ない分、原価率は自ずと上がって来ます。そのため、料理部門とドリンク部門の原価率には違いが出て来ます。)


(社員、およびアルバイトの給料です。売上の3分の位1が目安とされています。)

家賃8~15
(売上の10%が目安とされています。また、2営業日分の売上で家賃が賄えれば安定していると言われています。家賃は固定費ですので、営業を全くしなくても発生して来ます。そのため、売上の20%を越える家賃は危険であると言われています。)

初期投資の回収、または借入金の返済 5~7%
(考え方は経営者によってまちまちなのですが、借入で店鋪を開店する場合はあらかじめ返済額を固定費としてとらえる方法が主流になりつつあります。初期投資が少なく、借入が無いにこしたことはありませんが、おおむねにして、お客様の客単価を決定する要素になります。)

その他経費、雑費 10%~15%
(レストランはガスや電気を使用する量はかなり多くなりますので、光熱費だけで5%くらいは掛かってしまうのが普通です。その他はパンフレットなどの宣伝広告費、消耗品の補充に掛かる経費などがあります。)

以上が経費です。原価償却費は含んでいません。となると、利益の率は、、、

利益0~10%

となります。0%というのは極端ですが、多くの飲食店ではあり得ない数字でもありません。が、大体、健全経営のフランス料理店では6~8%くらいでは無いでしょうか。

飲食業は技術を持った人材、良い食材に掛ける原価など、割合いを多く占める経費がありますので、決して利益率は良いとはいえません。



(続く)








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Last updated  Apr 6, 2006 11:19:22 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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