メートル・ド・テル徒然草

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エルネスト1969

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Sep 11, 2006
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 さてさて、明日も学校の授業が控えています。
 仕事が終わってウチに帰ってから、明日の授業を頭の中でシュミレーションしてみるのですが、何しろ朝が早いのでそうそう繰り返してもいられません。50分と言う時間は長くもあり、短くもあり、、、また、クラスの雰囲気によってもずいぶんと気分も変わるものです。

 さて、今週は「フランス料理のコースについて」をテーマに話を進めていこうと考えています。

 現代、普通に人々が思い浮かべるフランス料理とは、やはり「コース料理」のイメージが強いものです。

 アミューズ・ブーシェと呼ばれる、「付き出し」に始まって、本来「料理では無かった!」オードヴル、最近では必ずしも用いられることが無い「スープ」と続き、魚料理、お口直しのシャーベットを経て、メインディッシュとなる肉料理へと続きます。
 もちろん、この後デザート、食後のお茶、プティフールと言ったお茶菓子へと進むのです。

 それぞれの成り立ちの経緯についても話を及ぼすつもりですが、また、現代、と言うより近年はこの「不文律の取り決めも」徐々に変化が見られ、例えば、スペインの「エル・ブリ」などに見られるように、15品~20品目のコースと言うものもあります。
 こういった様式などは、過去において「オードヴル」がそもそも「料理以外のもの」であったという概念が変化して、いつの間にか「オードブル=前菜」と言う形でコースの中の一皿を構成するようになったのと同じく。「アミューズ・ブーシェ」つまり「付きだし」を何品も食する構成の「コース」も生まれてきているとも言えます。

「 アミューズ・ブーシェ」を「付き出し」と訳すと多少無理があるのかもしれませんが、そもそも本来の「アミューズ・ブーシェ」の意味合いは、「アミューズ=楽しみ」「ブーシェ=口」という事柄から、食を満腹感を運ぶと言う存在よりも、いくつもの「楽しみ」を提供するという方向への「コース料理」の変化の一形態とも考えることも出来ます。




 となると、中国料理や日本料理との比較についても考察する必要もあるのです。

 例えば、日本料理において高級料理とされる「懐石料理」。同じ発音をする「会席料理」もあるのですが「会席料理」の方はもともと「茶会席」千利休の時代における、茶道の形式にのっとった食事を指していたそうです。

後に時代が下り、「懐石」の字が当てられるようになりました。では「懐石」とは?
懐石とは禅宗の考えかたでいう、「温石(おんじゃく)」のことで、温石とは禅の僧が寒い時などに空腹を紛らわすため、懐に忍ばせた「温めた石」のことでもあったです。

空腹を紛らわせるための材料である「温石」を懐石料理として、高級料理に高めた日本料理と、一方、 せっかくの晴れの場であるからこそお腹いっぱい食べられるように工夫したヨーロッパの「コース料理」。


一口に各地を代表する高級料理と言っても、その根底には「食」に対する概念の違いが見られます。

(続く)







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Last updated  Sep 12, 2006 01:51:04 AM
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Comments

背番号のないエースG @ チョコレート 「風の子サッちゃん」 ~ Tiny Poem ~…
坂東太郎G @ 「辛味調味料」そして考察(01/16) 「石垣の塩」に、上記の内容について記載…
エルネスト1969@ Re[1]:ホスピタリティは「人」ありき(10/04) はな。さんへ コメントありがとうございま…

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