20歳の頃、難病にかかり、その体験を通じて世の中を見た本。
もちろん「食べることと出すこと」という表題の通り、食べることと出すことについて書かれている。
だけれど、普段健康な人が、当たり前と思っていることと、
病とともに生活している著者にとっての当たり前とは当然異なっていて、世の中のやさしさも、
著者にとってはつらいものになる、ということが心にのしかかってくる。
結局、他の人の心の中なんて、体の中も含めて、「わかる」なんてことは不可能であるということを、
つい忘れてしまっていることについて、思い出す本。
あと、他人の良かれと思って、に対して長い間、悪気がないから、という理由で許すことはないかなと思う私にとって、なかなか人前でそんな風に言うと角が立つから言わないけど、強い共感を得た。
極論、私の身の回りの、おなかが痛いとか、のどが渇いた、という内容だって、他人には計り知れないよな、ということ。
この前、ラーメン食べたらすごくのどが渇いて、くらくらしたけど、こういうことも小さいけど含まれるし、こういうことも忘れないようにしよう。
本のことに戻れば、著者がこの病と、ご自身の研究を通じて得た、心にしみる言葉がふんだんに引用されていて、有名な言葉もあり、ただ、「食べることと出すこと」という文脈の中にあれば、これまでと違った響きになっていた。
カフカについても知りたくなる一冊。
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