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バルセロナ市内から北に向かって伸びる一本の線路、Ferrocarrilsと呼ばれる、市内から郊外まで出るための電車に乗り約25分、Sun Cugatと呼ばれる駅にある、Colegio Europaというスポーツの専門学校のグラウンドで、Josep Maria Genéのトレーニングは行われる。 今日も学校までの約1時間半の道のりの間中ずっと、どこに焦点を絞って見るかを考えていた。 スペインにサッカーを学びに来た明確な理由はない。ただ日本とは体格もスタイルも似ているし、目指すべき方向性だと思うことと、世界一のリーグを有する国での育成に興味があった、ただそれだけ。現地でチームに入って、見えてくるものから考えようと思っていた。 ただここに来て思うことは、「練習メニュー」や「技術」を学びに来ているわけじゃないということ。以前も記したように、サッカーに関する専門書や、練習メニューの情報は、日本の方が簡単に入手することができる。 「オリジナル」という言葉の大きさ、それが「生きている」この国で、日本で自分が行っていた、行おうとしていたことに近い、それを極めようとしているチームに属し、はっきりとしたものを「得た」という感覚で帰りたいと思っていた。 ただ具体性を求めれば求めるほど、「メニュー」や「理論」の範囲にとどまってしまう。 やはり精神面、その国での選手一人ひとりの哲学、日常の意識がどのようにピッチに影響を及ぼしているのか、それを探りたいと考えている。 ただそのためには、もっと深くチームと関わる必要性がある。しかし、時間や日数が限られており、大学に通いながらの生活のため、この一年では難しいかもしれない。 だからこそこの一年では、「確認」という意味も踏まえて、日本で皆が、自分がやろうとしていることは、世界のレベルの中でどういった位置づけなのか?日本だけのオリジナルのヒントは? そういったところを現地で「考えて」帰りたいと思っている。 全てはすごく抽象的で、今の段階では上手に言葉にはできないが、漠然と思っていることはそんなこと。日本のスタイル「考えて走る」は定着したが、日本のサッカー選手の在り方はまだまだ確立されていないと思う。 中田英寿という素晴らしいモデルから学ぶべき要素は多々あったと思うが、今の日本に彼の発想がフィットしないということは、現地に来て何となくわかったこと。それをもうちょっと具体化し、言葉にできるようになって帰りたい。
2007/11/23
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工事中のサグラダ・ファミリアが左手に見える。一方で、前を向いて坂を上り始めると、タバコの吸殻が散漫し、大型のゴミ専用のコンテナと路上駐車が道を塞ぐ。いつもと同じこの道も、いつかまた、特別になる日がくるに違いない。 そして、そんな今日この頃、こんな道を歩くとき、スペインにいることを強く実感する。それ以外では、ほんとふとした瞬間。 駅の改札を抜けた時、学校の階段を上がる時、トイレに入った時・・・・。ふっと意識してスペイン語を聞かない空間に入った時に、頭で認識していることと、無意識に持ち合わせている感覚とが顔を合わせる。 「慣れ」って怖い。ちょっと前までは特別なことだったのに、今では真新しさの欠片もない。サグラダ・ファミリアも同じ。初めて見た時のもの、今左手に見えるもの、同じものなのに、あることが「当たり前」になっている。 そんなマンネリを一新する出来事。ふとした瞬間に訪れるもの。 日本人学校にて、特別ゲストとして鈴井智彦さんがいらっしゃった。雑誌Numberなどで活躍されているプロのカメラマン。その方が一日コーチをしてくださった。 いくらカメラマンとしてはプロだとは言えど、指導となれば別・・・なんて見方も勿論あると思う。しかし、やはり一つの物事のプロは枝分かれした時にこそその経験を生かせるもの。ましてや「素人」も「玄人」もないこの世界、いい指導かそうでないかは子供が決めるもの。 彼の指導が始まって、最初の一声で全てがわかった気がした。「ああ、これはすごいわ。」 子供の心を掴むことがとにかく上手。「遊び」をよく知っている。自分のスタイルがしっかり確立されているので、子供たちから必死でついていこうとする。 そんな印象かな。自分はまだまだ子供たちを「惹きつけよう」としている。彼はもうすでに開始2分で「惹きつける」作業は終わらせ、そこからは一緒になって楽しむ作業に従事しているようだった。 フィルターを通していない、生の子供たちは一体彼の目にはどのように映ったのだろう。彼の中に刻まれている一コマ一コマが、頭の中で、次の新しいイメージへと変化していくのだろう。だからこそ、子供に対してもクリエイティブに接することができる。 彼が練習メニューを組み立てて、準備してここへ来たとは到底思えないほど、機転が利いていた。 工夫、努力は勿論かかしていないつもりである。だけど、やはりどこか変化の起きない自分に、生徒に、意識はなくともマンネリを感じていたのかもしれない。今日は改めて、「プロの業」を拝見することができた。 ちょっとずつツマミ食いをして、柔らかい感覚を手にしたい。 慣れの中に新しい発見を。毎日少しずつ少しずつ。
2007/11/21
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2日前くらいまでのネガティブシンキング。霧が晴れたわけではないが、ある程度気持ちの整理はついた。 「最後までやりきれない」「無理ができない」ってもどかしさが全ての原因。自分には障害がある。指導者を目指すことになった理由もそれ。結局は妥協や我慢でしかない。 勿論、そう思ってここまでやってきたわけじゃない。心から「指導者になりたい」と思ってここスペインにやってきたのだが、同じような悩みを再び繰り返す。 体調管理をしようが、バランス良い食事をしようが、結局は「危険信号」がどこかで出てしまう。限界がはっきりと自分でわかってしまう。無理することが大切、ちょっとした無理が効く「若さ」がある時期に、とっても痛手だと、深く落ち込んでいた。 仲間に相談した。同じように、志を持って日本からやってきた友達。学校の先生や友達が体調を心配してくれ、電話をくれた。家族が話を最後までゆっくり聞いてくれた。 ああ、悩んでられへんな。自分でできることはここまでってわかってるなら、その範囲の中で納得するまでやって、そこからまた上を考えればいい。 そして何よりも 気にかけてくれる、彼らのために頑張ろうと思った。人のために頑張ること、やっぱりここに帰ってくるんだね。 障害を持つことは確かに不利です。でも優しさをこんなにも肌で感じることができる。これは何にも変えがたいもの。 サッカーを通り越え、自分と向き合った数日。スペインに来てやっとスタートダッシュが切れた気がする。 また悩むかもしれない。その時は少しだけ甘えさせて下さい。 いつもありがとう。
2007/11/17
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風が冷たくなってきた。少し大きめのジャンバーに身を包みながら、あどけない笑顔で走り回る彼ら。中には半袖で走り回る元気な子もいるが、我慢しきれずにもう一度身を包む姿が実に可愛い。 子どもが苦手だと思っていた自分が、いつのまにか子どもの指導の虜になっている。変化や素直な表情を観察することはとても楽しいものである。 さて今日は、先週の日記でも紹介したように、拗ねてしまった1年生の男の子の様子を伺うことからスタート。やはり注意をされたからか、挨拶をしても返事がない。最もな行動だ。自分が幼い頃も、怒る先生=嫌い という概念が、少なからず存在した。 フルコート(フットサルの大きさの)で20分間の試合をすることからスタートしたが、彼に変化が見られた。周りの子に対しての言葉の掛け方が、以前よりも柔らかくなっていた。はっきりとはわからない。でも、表情や態度から見ても、明らかに変化が伺えたのだ。 試合後、彼の元に行き、「今日の言葉の掛け方良かったよ」と手を差し出すと。ちょっと照れながらも握手を返してくれた。その後の表情は説明も必要ないほど。率先して体操のリーダーをしてくれたり、誰よりも大声で皆を鼓舞してくれた。勿論、柔らかい言い方で。 人間って不思議。高校生であっても、小学生であっても、勿論、大人であっても、少しの言葉や少しの叱責で、劇的な変化が生まれる。ただそこに指導者のエゴがあってはいけないと思うし、今日の変化だけに満足せずに、継続的に観察していきたい。 そして、あの時にかけた言葉は本当に正しかったのか?しっかりと頭の中で反芻し、次に同じようなことが起こった場合に備えたい。それが彼に対しての感謝の印になると思う。 小さな小学生が、僕を大きくしてくれた瞬間でした。ありがとう。
2007/11/13
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やはり若い。別に見た目でもなんでもなく、「若さ」というものが指導にも出てしまうことはよくあること。情熱や行動力で勝負したいと思ってきた。勿論、その気持ちが消えたわけでもなんでもない。ただ、経験や言葉の重みを求めてしまうのは、これまた若さ故であろう。 監督って厳かなイメージだけど、もっともっと様々なタイプの監督が日本に生まれてほしいと願う。イメージやスタイルを越えたところに、その哲学が滲み出るような。 指導書やビデオ、サッカーを「学ぶ」環境は、日本の方が整っているのではないだろうか? ただ、こっちはサッカーを常に「考えて」いる。そこら辺りに小さな専門家が散らばっている。自分のオリジナルな考えをぶつけ合い、時には喧嘩をする。テレビや本から言葉は借りない。 討論をしたい。若いが故。そして、まずは型を作り、それを徐々に壊していきたい。何十年とかけて。 100を知ることはできない。いくら望んでも。ただ、1のオリジナルを創り出すことはできる。柔らかい気持ちで頑張りたい。勿論、目の前の選手を中心に。 監督ってそんな感じの繰り返しなのかな?今はよくわかりませんが。
2007/11/09
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今日から小学校3、4年生を担当することになった日本人学校。新たな発見に期待しながら、グラウンドに向かう。 監督の意向で、低学年全員で、徒競走を行うことに。 「徒競走」と聞くと。あまり心地のよい感じがしない。幼い頃から運動制限があったため、いつも列で応援していたり、配慮を受けてほんの少しの距離だけを走って、不思議な目で見られたことが思い出されるから。 今日もサーキットを作り、はしゃぐみんなをみながら、同じような年代だった頃の自分をオーバーラップさせる。 今日は彼らを見て、どんな気持ちになるだろう。。 ボールをバトンにして、ヨーイドン! コースをはみ出る子、バタバタと足の裏をしっかりつけて走る子、足の速い子・・・。色んな発見がそこにある。純粋無垢な表情、汗をかきながら、必死になって相手に勝とうとする姿に、いつしか自分が誘導役をしていたことも忘れて見入ってしまった。 あっ 思い出がダブらなくなってる。。 あれだけ納得できず、整理のつかなかった「自分」を、完全にそこから消すことができていた。ちょっとコーチらしくなってきたかな。親心に似た、彼らをしっかり見守りたいって気持ちが先行した瞬間に、何より自分自身が一番ビックリした。 時間って凄いね。こうやって過去に落としきれなかった心の垢が、いつの間にか洗われていっているんやから。もっともっと、過去の自分ではなく、現在の彼らの気持ちにシンクロしていきたいと、素直に思いました。 そして、今日は、一人上手な子が、周りの子が試合がうまく運ばないことに腹を立てて怒ってしまいました。彼自身がすごく納得できなかったんでしょうね。表情が明らかに曇り、眉間に皺を寄せていたので、練習後に話をしようと名前を呼べども呼べどもどんどん無視して進んでいく。 自分が悪いってことは理解してるな~。。 「怒らないからこっちおいで」 あれだけ逃げていた彼も、こっちにやってきました。子どもの反応って実に素直。涙を堪えながら僕の話に耳を傾ける彼の表情に、胸がいっぱいになりました。 恐らく彼は納得はしてません。来週の彼の表情と態度をしっかり見て、言葉掛けや練習を考え直そうかと思います。 どこにスポットを当てるべきなのか。彼らの納得できるような「試合」って?課題は山積みですが、色んな発見と、子どもの純粋な態度に、すがすがしい気持ちで帰り道を歩くことができました。
2007/11/07
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時代は移り変わるもの。 国見が予選で負けた。滝川第二が予選で負けた。そして新しいチームがそれを足掛かりに全国大会へ。 どちらのチームにも共通して言えること、指導者が変わった。その影響力は計り知れない。 でも、 それは必ずどのチームにもやってくること。 培ってきた伝統、残してくれた財産、新しく見直すべき点、それを整理。 指導者が変わったからこそ、継承すべきは何かを理解し、また新しい伝統を自分たちの力で築かなければいけない。 伝統があるからこそ重圧も相当だったろう。この負けが先での起爆剤になるように。名門校は頑張ってほしい。 次は挑戦者として。
2007/11/04
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ルームメイトの風邪がうつったのかそうでないのか。ついにスペインに来てから寝込んでしまいました。38度の熱、耐え切れないほどの腹痛。 そんな中、manzanilla(マンサニージャ)と呼ばれるお茶のような、何なのかはよくわかりませんが、ホストに半強制的に飲まされw、その効き目が凄いんです。 吐き気を物凄い勢いで促進させ、それによりスッキリって。食事中の方、ごめんなさい。しかし、ここ10数年、一度ももどしたことのないプライドがそれを阻止したため、恐らくスッキリしたであろうその瞬間を通り過ぎ、ほぼ一日半の間、苦しみ続けました。楽じゃねぇ。 ということで、サッカーはお休み。今日は学校でおもしろい討論がありました。 「あなたの国から見て、~の国(クラスメイトの)は、どんな印象ですか?」というもの。 うちのクラスには、スロバキア、アメリカ、ドイツ、韓国、ルクセンブルク、フランスの人たち、8人で構成されています。それぞれの国の印象を伺うもの。 私はサッカーを介して知ったそれぞれの国の印象を述べたのですが、改めて他の国に対する知識の浅さに焦りを感じました。興味を持つことが勉強に、勉強が経験に繋がっていくはずです。 そして注目すべきはJapanの印象。 「よく働く。しっかり勉強する。」 そこまでは、確かに良かったんです。イメージとしては悪くはないはず。しかし、その後が。。 「多くの男性がコスチュームを着た若い女の子が大好き」 日本ももはやこんな印象です。アニメや漫画の文化は素晴らしいのですが、違った捉えられ方をしているのは間違いないでしょう。 思ってたよりテクノロジー関係の印象が出てこなかったのが不思議でした。みんなNikonのカメラ持ってるのに・・・。 サッカーだけじゃなく、幅広く日本をPRする必要を感じました。勿論、そのためには他の国についてもっと知らなければいけません。興味を持ってもらえる国になるためにも、多くの日本人が自国の伝統や文化を深く知っていく必要があると思いました。
2007/11/02
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