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「映画のようなラブストーリー」 ←こちらからどうぞ < 約 束>きくさんが亡くなったその夜、弔問客がみんな帰ったあと、作治さんは、長年大切に使ってきた小机の引き出しから一通の手紙を見つけた。それは未開封のままで、表書きには「作治さんへ」とあり、左側の少し下には日付と、(日付は亡くなる2日前のもの、おそらく きくさんは、ご自分の死期を感得されていたのでしょう)そして「きくより」と書かれてあった。作治さんは、両手で手紙を持ったまま立ち上がり、仏壇の脇で純白の布団の中に寝かされている きくさんの肩の辺りの畳に膝をつき、彼女の顔にかけてあった白い布を、そっと取りはずし、声をかけた。「きくさん、読ませてもらうよ・・・」 「作治さん、長い間本当にありがとう。夢のような日々でした。とても幸せな毎日でしたよ。そんな幸せが80年近く続いたのです・・・・・私は日本一幸せな妻でした。だから作治さん、どうか悲しまないでね。貴方と私は・・・『願いから生まれた強い力』で結ばれている。わたしはそう信じています。だから・・・ きっとまた会えます。たとえ名前が違っていても・・・顔が違っていたとしても・・・・・また、わたしを見つけてね。きっとですよ。必ず、かならず待っていますから・・・ きく」涙で霞む目を拭って、作治さんは きくさんにさらに近づき、額をそっと優しく撫でながら言った。「きくさん、そんなに長くは待たせないよ。約束するから・・・」・・・・・作治さんは約束通り、2週間後、 きくさんの元へ逝かれました・・・・・ 完 これは、夢物語のようですが、本当にあった話です。
2009.04.15
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