【粗筋】
家主の勧めで甚兵衛と喜六が駕籠屋を始めた。天王橋のそばで商売を始めるが、湯に行くだけの人に声を掛けるなど、うまくいかない。ようやく吉原へ行く人を乗せて走り出すが、途中で客が「ぐずぐずしねえで、一概(いちげえ)にやってくれ」と言うのを「市ヶ谷へやってくれ」と勘違い。様子がおかしいと思った客が、「ここはどこだい」と尋ねると、
「水戸様で」
「おい、冗談じゃねえ。もう吉原(なか)へ行くのも嫌になった。下りるから履物を出してくれ」
「いけねえ、履物を置きっぱなしにして来ちゃった」
「間抜けな駕籠屋だな。裸足じゃ帰れねえから、深川(たつみ)へやってくれ」
「へえ、辰巳で……」
「おい、どこへ行くんだ」
「家へ行って磁石を持って参ります」
【成立】
三遊亭小円朝が十八番にしていた。深川は江戸から辰巳に当たる。吉原を北国(きた)、品川を南といった。水戸様は小石川。
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