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そして晄史、すぐさまスマホでカレンダーを。「うんうんうん。その日、大丈夫です。」誓、晄史に寄り添ってスマホを…。晄史、スマホ画面を誓に。晄史、カレンダーに指差して。誓、すぐさま自分のスマホで…。そしてカレンダーで。すると誓もニッコリと。左手でOKサイン。晄史、スマホに、「OKです。その日、誓も大丈夫です。」スマホから高井戸の声、「良かった~~~。はははは。」「ちょっと、待って下さいね。」晄史。すると晄史、すぐさま自分のスマホを姉に。「ふん。ほら。」睦美、ドキンとして、「えっ…???…はっ…???」晄史、姉に、「高井戸さん。電話。ほら。出てよ。」睦美、「はっ…???」暁美も誓も睦美を見て、両眉を上下に。睦美、ふたりを見て、「えっ…???」晄史、「はいはい。相手を待たせない。」誓、思わず、「ぷっ。」睦美、仕方なく晄史のスマホを。そして…。スマホに、「あ、はい。もしもし。…睦美…、です。」またまた誓、「ぷ。」暁美はそんな睦美を見て目を丸く顔を傾げて。耀司、その声に、思わず、「あれ…???…睦美…、さん…???」睦美、面映ゆく、「あ、あ、あ、はい。睦美です。…あ、あの…。」晄史、「ほらほら~~。」睦美、思わず口の中のものをゴクリと。耀司、スマホに、「あの~~~。あ、あ、あ~~~。はは。あの…。今、晄史さんにも、話したんですが~~。」睦美、「あ、あ、あ~~。はい。」スマホから、「あ、あの…、ですね。あの…。」瞬間、睦美、「行きます。」その声に晄史、ニンマリと。暁美、誓も目を真ん丸に。そして口をおちょぼ口に。睦美、再び、スマホに、「行きます。私も行きます。」耀司、スマホを耳に。そして…、何かしら安堵したような顔で、「わ、分かりました。はい。」睦美、すぐさまスマホを晄史に。晄史、スマホに、「ありがとうございます高井戸さん。」スマホから、「あ、いえいえ。」照れ臭そうに。そしてパソコンの画面を見ながら、「…仕事をしていて、リサーチしてたらいきなり広告が出て来て。…その…、ジャズコンサートの…。そしたら、かかかかか。晄史さんたちを思い出して。」晄史、ニコニコと、「ありがとうございます。」耀司、すぐさま、「じゃあ~~。予約…、入れちゃいますね~~。予約受付中みたいで、今は予約中からも知れないけど…。ぐずぐずしてたら、もしかするとチケット、予定枚数終了になっちゃうかもって、急いで。」その話に晄史、「うそ。そんなに人気のジャズコンサート…???」耀司、「えぇ。画面見ていると、ズラリと、予約枚数終了って文字が。」「へぇ~~ぇえ~~。凄い。」「だから、すぐに晄史さんに連絡しようと。」晄史、ニッコリとして、「ありがとうございます。」「じゃあ~~。4人分、予約、入れちゃいますね。」晄史、「あ。…でも、木守さんの分は…。」スマホから、「あ、妹は無理です。…って言うか、多分、子供は入れないと思うから。それに…。妹は麻沙美がいるから私はパスって言うはずですから。」晄史、「あ~~。うんうん。確かに。」「この前のジャズフェス、妹に頼んで。」「なるほどね~~。」晄史。「はい。分かりました。じゃあ、2週間後に。」耀司、「はい。分かりました。こちらこそ、ありがとうございました。急な誘いで。」スマホから、「いえいえ。嬉しいです。はい。あっ。」そこまで言って晄史、目を左右に。スマホから高井戸の声、「えっ…???…どうしました…???」晄史、姉と母、そして誓を見て、一度口を噤んで、「あ、いや…。はい。ありがとうございます。じゃあ、失礼します。」スマホから、「はい。では。」通話は切れる。晄史、「ふぅ~~~。かかかかか。いきなりだからビックリした。」耀司、「ヨシ。これで良しっと。」部屋の外から、「おとうさ~~ん、ご飯~~~。」「はいは~い。」耀司、椅子から立ち上がり。誓、「へぇ~~~。ジャズコンサート。」晄史、「うん。」「どんな感じなんだろうね。」その声に晄史、「ん~~~。」そして、「姉さん、何か、知ってるの…???…さっき、何だか驚いていたような…。」暁美も誓も、晄史のその声に、「うん…???」瞬間、睦美、目を見開いて、「えっ…???…え…、いや…。あの、その…。」そして、首を振って、「いや…。別に…。」晄史、「それに、いきなり、行きます。なんて…。」「あん。」睦美。「あ、でも…。私も元々、ジャズは…。」誓、「確かに。お義姉さん、とにかくピアノ、ピカ一だから。ジャズでもクラシックでも、何でも弾けちゃうから。」睦美、誓の声にニコニコしながらも、「まっ。まぁ。うん。」晄史、「うんうん。食べた、食べた~~。はははは。ご馳走様でした。」芙美花、椅子に座った父を見て、「何々、何だか嬉しそうじゃない。どしたの。」そんな芙美花に耀司、「う~~ん。へへへへへ。」「何よ、その笑い。」 ママでいい…。 vol,100. 晄史、姉に、「高井戸さん。電話。ほら。出てよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.31
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晄史の話しを聞いて暁美、「あら。」すぐさま睦美を見て。口を噤んでいる睦美を見て。思わず、「ぷっ。」そんな母に睦美、思わず、「おかあさん。何、その笑い。ぷって。」ニコニコしながらの暁美、「ははははは。かかか、うんうん。笑って申し訳ない。ごめんなさい。でもねぇ~~。」晄史と誓を見て、「いいじゃない~~。ねぇ~~。行ってらっしゃいよ~~、高井戸さん宅~~。」瞬間、目を真ん丸にする誓と晄史。晄史、「ねね。かあさんもそうでしょ。」誓、にんまりとして顔を傾げて、「ふふ。」睦美、「んもぅ~~~。」いきなりスプーンに山盛りでカレーを。そして口に。暁美、晄史と誓を見て、「あんたたちが来る前に、高井戸さんの姪御さん。ほら、音楽教室に通っている~~。」誓、「あ~~、はいはい。木守さん。」晄史、「うんうんうん。…確か…。名前…。」睦美、「麻沙美ちゃん。」晄史、「そうそう。」暁美、「その子。…もしかして…、絶対音感…???…な~~んて話をしてね~~。」誓、「絶対音感…???」思わず眉間に皺を。そして瞬き。義姉を見て、「うそ。そうなの…???…お義姉さん…???」いきなり睦美、小刻みに顔を左右に、口を噤んで、「いやいやいや。全然、全然。」けれども顔を傾げて、「…と、言うのは…。…聞いてないけど…。」晄史も、「うんうんうん。僕も聞いてない。」暁美、「そんな話をしててね~~。」睦美を見て。晄史、「あ~~~。はいはいはい。姉さん、絶対音感だからね~~。」いきなり誓、目を真ん丸に、「うそ~~~~っ!!!」瞬きをしながら晄史、誓を見て、「あれ…???…誓にその事、話してなかったっけ。」誓、思わず左手を口に、顔を左右に振りながら、「いやいやいや。全然、全然。初耳~~。」目を真ん丸に。「うそ~~~。お義姉さん、絶対音感。うわ~~お。」暁美、「ふふふふふ。…まぁね~~~。睦美も、2歳の頃だったからね~~。」誓、「え~~~~ぇえ~~~???」晄史、「姉さんが、2歳の時に~~。誕生日にショッピングモールに誕生日の買い物を、かあさんとね~~。そん時に~~。街頭にピアノがあったらしくって~~。姉さん、かあさんにねだってピアノに引っ張られて、仕方なくかあさん、そのビアノの椅子に姉さんを。そうしたら姉さん、そん時にモールで流れていた曲をピアノですぐに弾いちゃったんだって。」いきなり誓、「うそ~~~~っ!!!」「でぇ~~。」晄史。「かあさんもビックリして、とうさんと話して誕生日に小さなピアノを姉さんに。」誓、顔をコクリと、「うんうんうん。」「そして、オーディオで曲を流したら~~。またまた姉さん、その曲をすぐさまそのピアノで弾いちゃった~~~。」誓、またまた目を真ん丸にして、「わ~~お。すっごい。」「とうさんもびっくり。それからだよね~~。あれよあれよと、姉さんピアノにまっしぐら。まっ。その時は、僕はまだ生まれてないけど…。小学の頃にかあさんととうさんから聞いたんだけど、その頃の僕は絶対音感なんて知らないから。…けど、何でもピアノで弾ける姉さんは。かかかか。確かに、凄いって思ってた。僕には何もなかったから。」誓、「いやいやいやいや、ビックリ。お義姉さん、凄~~い。」思わず照れるように睦美、「んんん~~~。まぁ…ねぇ…。」晄史、「でぇ~~。それからは姉さんのピアノ演奏が~~。続いた~~。」誓、「へぇ~~~。…そうだったんだ~~。まま。いろいろと韓国での事、話は聞くけど~~。まさか…、そこまでは~~。とにかく、眞鍋のおとうさんの話しはうんうん。良く聞くから~~。」暁美も、「うんうんうん。そうだよね~~。」誓、コクリと。「うん。大手ゼネコン黎和(れいわ)建設。凄い会社だも~~ん。…それに…。お義母さんも晄史も義姉さんも帰化してるから~~。専ら話は仕事の話しになっちゃうからね~~。」晄史、頷いて、「うんうんうん。確かに。会社の話しと音楽教室の話しが多いよね。」その時、晄史のスマホにライン。晄史、「うん…???」すると、「はは。高井戸さん。」瞬間、誓も睦美も、「うん…???」晄史、すぐさま通話ボタンを。耀司のスマホにラインの通話音。「おっと~~~。」そして、「もしもし、お疲れ様です。高井戸です。」晄史、「もしもし。はい。晄史です。」スマホから、「あ、晄史さん。あのね。ジャズのコンサートがあるんだけど。」晄史、「ジャズのコンサート。」誓、「行く行く。」晄史、頷きながら、「うんうんうん。品川の…、マリアナホール。マテリカルゴールドの。」瞬間、睦美、目を真ん丸に、「マテルカルゴールドッ!!!」晄史、瞬きしながら姉を見てスマホに、「はいはい。」スマホから、「できれば予定に入れて…。」すぐさま晄史、「分っかりました~~~。11月の~~。あ、少しお待ちください。」 ママでいい…。 vol,099. 睦美、思わず、「おかあさん。何、その笑い。ぷって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.30
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暁美、「かかかかか。まだあんた、2歳だったから、そりゃ、覚えてないだろう~~。まっ。…けど、あの時の事はかあさん、とにかくビックリ。」「はいはいはい。」睦美、「何度も聞きました~~。」「おとうさん、信じなかったけどね~~。本当にあんたが小さなピアノであれを弾いたのには驚いて~~。かかかかか。」また睦美、「はいはい、絶対音感ですぅ~~。」暁美、「かかかかか。」そして、キョトンとして、「その子も、絶対音感なのかね~~。」すぐさま睦美、変顔をして、「はぁ~~ぁあ~???」そして、「かかかかか。そんなの…。私が、分かる訳ないじゃ~~ん。」その時、一瞬、睦美、韓国の、自分の本当の父親の顔が脳裏に…。けれどもその顔は僅か2秒程で消えて…。暁美、お茶を一口、そして、「まぁね~~~。」すると暁美、何を思ったのか、「高井戸さん、大事にしなさい。折角の日本の友達~~。無駄にしちゃいけないよ~~~。…音楽にはあんた、真向から、だけど~~。異性にはからっきし~~。まま。…一途なところは一途だけどね~~。…それにおまえ、自分の事はあまり喋らないし…。」睦美、いきなり現実に戻されたような…。そして、口をへの字にして、「おかあさん…???」「ほれほれ。食事の準備でもしようかね~~。…今日は、カレーだね~~。」睦美、「あ。…う~~ん。」そして、「では、始めますか~~。」少し、何かしら思い出したような顔をして、口を尖らせながら。そんな睦美を見て暁美、「う~~~ん~???…どうしたい。なにやら…。」その声に睦美、母を見て目を丸く、「うん…???…あ、はは。うん。小さなピアノでね~~。小さかった頃の事、思い出しちゃってね~~~。」暁美、そんな睦美を見て微笑んで、「はは。うん。」コクリと。「懐かしいよね~~~。…韓国時代。」睦美、思い出すように、「うん。」そして…。ニコニコとしながらも、顔を傾げて、「はは。…うん。懐かしい~~。パパ。」そんな睦美を見ての暁美も、「うんうんうん。」そして…。リビングのキャビネットの上の写真を見ながら、「今頃、天国で何してるかな~~。」但し、キャビネットの上の写真には、韓国の父との写真はひとつもない。韓国の父との写真は、暁美にしても、睦美にしても、晄史にしても、自分たちのアルバムの中にいる。暁美の夫であり、そして睦美と晄史の父親の韓国人、ハン・ドファン。睦美が中学、晄史が小学の頃に亡くなっている。晄史と誓が一緒に、「ただいま~~。」晄史、「お腹空いた~~~。」誓、「かかかかか。駅からそればっかり~~。」暁美、「あら、ふたりお揃いでの帰宅~~。」晄史、「う~~ん。ホームに降りて歩いていたら、いきなり腕を取る人がいてびっくり。かかかかか。」誓、「ホームに降りて歩いていたら前を歩く人が晄史だったから~~、思わずワオッって。」晄史、「今日はカレーって聞いてたから~~。駅で何かって。でも、我慢、我慢。ははは。」晄史と誓、自室に…。そして…。仕事の話しをしながらの食事。「いただきます。」晄史、「お~~。おいしそ。」みな、カレーを食べながら…。誓、晄史に、「ヴァリエット、良い感じじゃない…???」その声に晄史も、「うんうんうん。お蔭様で、好評でチケットが嬉しい程。…来月は韓国だね~~。そっちのチケット予約も順調だから。」日韓合同ユニット「Valietteヴァリエット」の立ち上げスタッフになっている晄史、ニコニコと。暁美、「え…???…何…???…じゃあ、あんた。来月は韓国…???」「ふん。そっ。ん~~。でも、韓国、日本、行ったり来たりになっちゃうかも…。立ち上げスタッフにはなってはいても、それだけじゃないから。こっちの仕事との並行だからね~~。」睦美、「何…???…じゃあ~~、忙しいんじゃん。」晄史、そんな姉に、「そうだよ、忙しいよ。…けど、プライベートはプライベートで別~~~。」そして晄史、ニッコリ。暁美、その話に、キョトンとして、「何…???…そのプライベートって。」いきなり睦美、顔をクシャリとさせて。そして口をへの字に。その顔を見て誓が、思わず、「ぷっ。」暁美、誓を見て、「う~~~ん~~???」晄史も、何かしら、見ていたようで見ていないようで、「くくくくく。」暁美、「な~~ぁに~~???…ふたりして~~。」晄史、「べ~~つ。」誓も同時に、「あのねぇ~~。」晄史、誓、共に顔を見せ合って目を丸く。そして、また、「ぷっ。」「くくくくく。」睦美、口を捻じ曲げて。暁美、瞬きしながらも、「な~~によ~~。」誓、口を押さえながら、「晄史がね~~。」仏頂面の睦美を見ながら、可笑しいのを堪えようとしながらも。晄史、そんな姉を見て、可笑しがりながら、「ぷぷ。あ~~~。あのね。かあさん。」 ママでいい…。 vol,098. 「高井戸さん、大事にしなさい。折角の日本の友達~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.29
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そんな阪部洵がスタジオでの演奏中にいきなり倒れた。指が動かなくなったのである。するといきなり体の力が…。そのショックで気を失ってしまった。すぐさま救急搬送。コンサートは急遽中止。医師の診断では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)。いわゆる難病である。いきなりの症状にメンバーたちは唖然。しかも、病院に駆け付けた睦美も、メンバーたちからその事を聞いて驚愕。医師からは、「残念ながら…、今後のジャズミュージシャンとしては…。」それからが早かった。手も足も徐々に動けなく…。しかも…、話す言葉にも…。否応なくメンバーたちは他のサックス奏者を探す事に…。睦美はその頃、義父(眞鍋武敏)の伝手である音楽教室の講師として働いていた。ピアニストとしての仕事もしながらではあった。元々睦美は母親の影響で3歳からピアノを始めていた。睦美の母親、暁美、韓国名(ハン・セヨン)は元々はシンガーである。その後、声楽家とはなったが…。そして、声楽家と並行しての翻訳も大学時代から続けてはいた。そんな母親からピアノを薦められたのだった。それは…、何とも偶然だった。睦美(ハン・ユジュン)が2歳の誕生日の日に、たまたまショッピングの時に、街頭にピアノがあった。ショッピングモールで流れていたその時の楽曲、睦美は母の手を引っ張り、そのピアノに連れて行き、椅子に座らせるようにねだった。暁美は微笑みながら睦美をピアノの椅子に座らせると、いきなり睦美が流れていた曲を見事にピアノで弾き出した。突然の事に暁美はビックリ。辺りには買い物途中の人たちが次々と。僅か2歳の子供が流れていた曲をピアノで弾いたのだった。それからである。信じない夫に睦美に小さなピアノを誕生日プレゼントに。そして暁美は自分の好きな曲をオーディオで流したところ、睦美は小さなピアノでその曲を弾き始めた。父親も驚愕。つまりは、睦美は、「絶対音感」の持ち主でもあった。僅か2歳で…。そんな事もあり、睦美は3歳の頃からピアノを習う事になったのだった。その才能は極め、中学時代から可能な限りのピアニストとしての活動を開始する。そして…。大学卒業後もその活動は続いた。…けれども、父の悲しい出来事により、その後、眞鍋武敏との出会いと縁で、日本への家族と共に移住となったのである。睦美の頭の中で、一気に韓国時代、そして日本に来た事、洵との出会いが走馬灯のように…。けれども、また…。「阪部洵、パク・ソンウはもういないんだ。」晄史の声。そしてまた、目が潤み始める。小鼻がツ~~ンと。そしてまた、昨日の高井戸との景色が…。思わず、「ハァ…。」すると、スマホにラインの電子音。「うん…???…誓。えっ…???…高井戸さんの家に、行っちゃえ。」そして…。「んもぅ~~。晄史、誓に電話したな~~~。…ったく~~。」睦美、シートに深く、「あ~~ん、もぅ~~。…こんなんじゃ、おかあさんだって~~。」すぐに母の顔が頭の中に、そして、「行きなさい。」睦美、「あ~~ん、もぅ~~~。」睦美、「ただいま~~。」リビングには誰もいない。母の書斎に、「おかあさん、ただいま~~。」暁美、椅子を回転させて、「あら、おかえり。」そして時計を見て、「あら、もぅこんな時間。かかかかか。あっと言う間~~。」睦美、母に、「はははは。お疲れ様~~。捗ってる…???」その声に暁美、「う~~ん、はは。お陰様で。はは。今の、中々の素敵な本。これ、ひょっとしたら、ひょっとするかも~~。」睦美、「はは。良かったじゃな~~い~~。」暁美が翻訳している本。武敏の伝手で紹介された出版会社。最初の翻訳の仕事に出版会社から、「中々どうして、忠実であり、読者受けもいいかも。」と、逆に歓迎されて始めて以来、コンスタンスに仕事が入っている。そして…。暁美のモットーは、どんな著書でも…。例え…、自分で頭を傾げる著書でも、書いた原作者に忠実にありたい。それだけを心情に翻訳の仕事を続けている。「読んでくれるひとりひとりに、感謝、だからね~~。はははは。」掛けた眼鏡を外して、「少し、休憩しようか。」睦美、微笑みながら、「うん。」そして…。リビングでお茶を飲みながら…。暁美、「そうそう。ほら。昨日の高井戸さん。」瞬間、睦美、ドキン。「えっ…???うん。何…???」「…姪御さん、何歳なんだい…???」睦美、瞬きしながら、「5歳…、だけど…。」「ふ~~ん、そぅか~~い。…で、今、ピアノ、習ってる。」にこにこと。睦美、その声にキョトンとして、「そぅ…、だけど…。」「なんだか、思い出すね~~~。」睦美、そんな母に、「えへ…???」「あんたの2歳の時。」睦美、その頃の事は余り覚えていない。実際、物心ついた頃には、既にピアノを弾いていた。「あん。私はその頃の事は…。」 ママでいい…。 vol,097. ALS(筋萎縮性側索硬化症)いわゆる難病である。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.28
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誓、晄史からの電話に、「ん~~~。まっ。お義姉さん、まだ、恥ずかしいのかも…。それに…、高井戸さん…。あれ…???…高井戸さんって、幾つくらいの人だったっけ…。まま、奥様は亡くされてるけど~~。」晄史、その声に、「あ。いや…。僕もそこまでは~~。」誓、「でもさぁ~~~。私も、今、お義姉さんには、良いチャンスって思うな~~。」晄史、「でしょ、でしょ。」「お義姉さん、今、38~~。まま、高井戸さんは確かに~~。お義姉さんよりは歳は上だよね~~。高校2年の娘さん、ふみかさんだっけ~~。いるんだから~~。」「うん。」「お義姉さんだって、前に。…その…、恋人の…。」「うん。阪部洵。パク・ソンウ。」「難病で亡くされて~~。5年、付き合ってだんだよね~~。…それこそ、ジャズミュージシャン。」「うんうんうん。日本で大活躍。仕事がとにかく忙しくって結婚どころじゃ。…けど、姉さんの事はとにかく大事に。愛し合ってはいんだけど…。難病だって聞いて姉さん、驚いてはいたけど…。別れる事は…。」誓、スマホに、「うんうんうん。…で、結局…。」一拍置いて誓、「でも…。ん~~~。いつまでも、それにね~~。思いを寄せてもな~~。…つまりは、ひとりよがり。」晄史、「ひとりよがり。」「ん~~。つまりは、人の言う事を聞かない。自分の都合だけ。人の気持ちを無にするって、事~~。…でもさぁ~~。ん~~。私がこんな事言うと、何を偉そうに。って、言われるかも、知れないんだけどぉ。…けど、確かに、前の事…???…いつまでも大切にしたい。…その気持ちは分かる。」誓の話しを聞きながらに晄史、「うん。」「でもぉ。…いつまでもそればっかりに…、囚われていると…。」誓、髪を掻き上げて…。「いつまで経ってもそのまんま。お義姉さん、あんなに奇麗なんだよ~~。それに~~。料理も上手。38の今だから~~。押しつけがましいって言うのも分かる。…けどさ~~。このまんまだったらお義姉さん、いつまでも過去に囚われたままで、肝心のチャンスも、逃しちゃうって~~。」そして誓、「私がさ。晄史からその事聞いた瞬間に、うん、いい。いい。いいよ、それって、言ったじゃん。」誓は以前に、ベッドの中で晄史から睦美と高井戸さんの事の話しを聞いていた。誓、スマホに、「絶対に良いって思った。まっ。確かに、高井戸さんには娘さん、いるけど…。今の雰囲気からすると脈ありって、思ったもん。」そこまで言って誓、「ん~~~~。私には、お義姉さん、別に高井戸さん、嫌いじゃないって思うんだけどな~~。…逆に~~、嫌いだったら~~。昨日みたいな事、絶対に反対して~~。」その話に晄史、「あぁ~~。うんうんうん、なるほど。…確かに。はは。…だよね~~。」誓、「逆に、兄弟喧嘩に発展。…するとも思うんだけど~~。…何て言うか、私たち晄史と私とのお義姉さん…???…かなり、気まずくなる、と、思っちゃうんだけど~~。…そうでもなく…。」晄史、「うんうんうん。分かる、分かる。あ、誓、今、仕事、大丈夫なの…???」「あん。全然大丈夫よ。うん。」晄史、「はは。うん。ありがと。」「まっ。…けど…。はは。まま、昨日は私たちが高井戸さんを。…それだけでも、何かしらのプラスにはなったとは…。」誓、口を尖らせて、「なったとは、思うんだけどね~~。」晄史、誓の話しを聞きながら、「う~~~ん。」「けど…。」スマホから誓の声。「でも…。まさか…、私たち3人が高井戸さんにお邪魔って…。いうのも…。かか。…何だか…。押し掛けるみたいな…。」瞬間、晄史、「あ、あ~~。」誓、「あっ。…でも…。別に悪い意味じゃ。」すると誓、思わず早い瞬き、「あっ。」晄史、そんな誓の声に、「うん…???」「こういうのも…。あり。」晄史、再び、「うん…???」晄史、誓から話を聞いて、「わお。」睦美、電車の中でシートに座りながら、洵と一緒の写真を…。指で何度もスワイプしながら…。そして…。頭の中では…。ステージ上の洵。ベース、そしてドラム、ピアノ、そしてギターのセンターでのサックス奏者阪部洵(さかべじゅん)。韓国出身である。旧姓をパク・ソンウと言う。大手レーベル在籍。そして東京のブルーノートでも顔馴染みのサックス奏者。常に睦美は洵の演奏を生でその場で聴いている。当然ではあるが他のミュージシャンもコミュニケーションは良好、「眞鍋ちゃん」の愛称で可愛がられていた。メンバーからもいつかはふたりは結婚。と。そして、いつも揶揄われてもいたが…。それでいて、全く憎めないメンバーたち。阪部洵。韓国の大学卒業と同時に単身日本に移住。日本のジャズミュージシャンからスカウトされての音楽活動だった。 ママでいい…。 vol,096. 「いつまでも大切にしたい。…その気持ちは分かる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.27
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「でもさ~~。眞鍋さん。契約社員でさ。夕方には仕事終わって帰るじゃない。」有紀。珠里、「うんうんうん。」「その後は…???」奈織も、「あ。」そして顔を傾げて、「分かんな~~い。」「パートではなく、契約社員。私たちより2時間は早くの仕事。残業なし。」珠里。奈緒、「でぇ~~。早い話が、時間がずれてるか~~。仕事帰りに一緒にお茶。な~~んて事も~~。」有紀、「ないんだよな~~。これが~~。だから~~。尚更、眞鍋さんの事、あんまり良く分からない。…まっ。元々、自分の事、話したがらなかったし~~。」奈織も珠里も、「うんうんうん。」「けど…。あの、顔の赤は何…???…思わず反応しちゃってたわよね~~。」有紀。彩未、「ですよね~~~。」睦美、歩きながら街のショーウインドウに写る自分の顔を…。そして…、思わずポーズを…。「ふふん。」耀司、保育園に麻沙美のお迎え。もぅ、既にママさんたちにも保育園の職員にもお馴染みに。そして、その度に声を掛けられる。ママさんたちのニコニコ、「こんにちは~~。」そして…。何故か、麻沙美のおじさんのその男性を見ると顔を赤くする保育士、「こんにちは。お疲れ様です。」耀司、「ほぃ、麻沙美~~。はははは。来たよ~~。」麻沙美、叔父に向かっていきなりダイブ。耀司も麻沙美の頭を撫でて、「ははははは。ヨ~~シ。帰ろう~~。」そして、職員に、「どうもです。また、よろしくです。」職員、丁寧に頭を下げて。そして、「バイバ~~イ。」すると…。他の保育士から、「はははは。顔真っ赤~~~。まま。確かに。麻沙美ちゃんのおじさん、とにかくかっこいいもんね~~。」そんな風に言われての保育士、「ふぅ~~~。いやいやいや。はは。」「ははは。まま、いきなりここに来た時には私らもびっくり。正にイケオジ。こういう人、ここにお迎えって、来る~~???…って、思ったもんね~~。」他の保育士も、「うんうんうん。かかか。ママさんたちも、誰…???…誰って…。」「そうしたら何と、麻沙美ちゃんのおじさま。わお~~。」睦美、丁度駅に着いた。と、同時に、スマホに。画面には晄史。「あん。はい。何…???」すると晄史の声、「いつにする~~???」瞬間、睦美、「はい…???」「高井戸さんに行くの。」「はっ…???…へっ…???」晄史の声、「だから~~。あっ。…って言うか、姉さん、今、電話。」その声に睦美、「うん…???」目をキョロキョロと。「うん。今、駅だけど。帰る途中~~。」「はは。うん。…だから~~。」睦美、スマホに、「…って、いきなり何よ~~。」「高井戸さん、いつ行く~~???」「えぇ~~え…???」「だって。今度はウチにって~~。昨日、高井戸さん、言ってたから~~。」晄史、缶コーヒーを飲みながら窓際で。通り過ぎるスタッフに手で合図を。睦美、いきなりドキンと。「…って。…だからって、そんな急に。」「ウチにも来てくれたし、いいんじゃないかな~~。今度は高井戸さんの家~~。」「そんな…、迷惑よ、いきなり~~。」その声に晄史、「でもさ~~~。姉さんの、そのいきなり、や~~、相手に迷惑~~???…そう言ってると~~。いつまで経っても~~。」睦美、駅の壁際に。「いや。だって~~。高井戸さんだって、いろいろと~~。お仕事。」「家で仕事してるのに…???」その声に睦美、いきなり口を尖らせて、「ん~~~。」「僕なんか誓に、いきなりだよ。初めての会社で、初めて会って、その日の内に、私と付き合って下さいって。僕の方がビックリ。はっ…???…えっ…???…で、訳が分かんなかったけど~~。別に…。ん~~。仕事も仕事だけど、ま、いっか~~って。そしたら、付き合ってみて、いい子でさ~~。…で、そのまんま~~。」睦美、話を聞きながらに、「まま。それは…、それで~~。うんうんうん。誓は私にも、今や大切な義理の妹~~。しかも、可愛いし~~。おかあさんも気に入ってるし~~。」晄史、「僕ぅ~~。あの時~~。そうだ、これだって、思ったんだ~~。チャンスは逃すなって~~。」睦美、晄史の声に、「チャンス…???」晄史、「うん。チャンス。」「どういう意味…???」瞬間、睦美の頭に浮かぶ洵の顔。…と同時にスマホから、「阪部洵はもぅいない。パク・ソンウはもぅ、いないんだよ。」瞬間、睦美、「晄史。」思わず睦美の目が…。小鼻がツ~~ンとなって、目尻から…。そして…。スマホに、「何言ってるのよ。」そして、小さく、「ハァ~~~。」スマホから、「いつ行く…???」睦美、スマホに、「あなた、ひとりで行ってらっしゃい。もぅ切るわよ。」晄史、「姉さ。」プツリと通話が切れる。またもや顔を赤らめての睦美、改札を抜けて、「もぅ~~~。」晄史、切れたスマホに、「切れちゃった。」 ママでいい…。 vol,095. 「チャンスは逃すなって~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.26
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睦美、事務局の人たちに、「お先に失礼しま~~す。」生野、「お、は~~い、お疲れ様~~。」他の事務局員もそれぞれ、「お疲れ様~~。」裏口に向かう睦美に事務局員のそれぞれが、「絶対に眞鍋さん、誰か、いるよね。」「うんうんうん。」「だって、グラビアのモデルみたいじゃない、凄い奇麗よ。」「うんうんうん。」睦美は契約職員。正規の職員とは異なり、終業の時間は早い。「それに。」奈織。「日本語なんてあんなに上手。…ただ。…韓国人と言うのが…。」珠里、顔を傾げて、「うん。まぁ…。…でも、ほら。未だに韓流ドラマ、人気でしょう~~。」奈織、「いやいやいや。それは~~。女性の方の…。ほら~~。人気俳優。にぃ~~。人気女優って言う。」珠里、「あ、そっか~~。」奈織、珠里に、「でも珠里さん。眞鍋さんって確か…。日本に来て…???…もう既に帰化…。」有紀が、「うんうんうん。日本に来て15年。帰化はしてるって…。ねぇ、事務局長~~。」生野、コクリと、「えぇ。帰化してますよ。はい。」有紀、奈織にチョコンと顔を傾げて。「でも…。まま。眞鍋さん。…実のところを言うと…。あんまり自分の事は話さないけどね~~。」珠里も有紀の顔を見ながら、「うんうん。」有紀、珠里の顔を見て、「なんだよね~~。」「けど~~。」彩未。「私も奈織さん同様に、誰かいる。的に同意。」珠里、「ヨッ。只今恋愛真っ最中~~。」生野、「まぁまぁ。…それくらいで…。次のレッスン生たち、来ますよ。」その声に、それぞれが、「おっと~~。」元嶺万智(もとみねまち)、「恋愛か~~~。」彩未、そんな万智に、「えへ…???」「私は…、ちょっと、無理かな~~。」彩未、そんな万智に、「どうしたの、いきなり。」学校の帰り道。また芙美花たち、4人揃っての…。景織子、芙美花に、「何々、芙美花~~。…何か良い事、あった~~???」千愛も、「うんうんうん。」詩乃、「絶~~対に、何か良い事あった~~。」いきなり芙美花に擦り寄り芙美花の左肩を自分の右肩で押し込むように。そんな3人に芙美花、ニコニコとしながらも、「え~~ぇえ~~???…いやいやいや。特に何もないよ~~。…って言うか~~。おとうさんが知り合いの家に遊びに行って~~。その帰りにアップルパイ頂いて来たの。それが物凄い美味しくって~~。どうやったらあんな美味しいアップルパイ、作れるのかって、昨夜から考えてたの~~。」千愛、「え~~???…それで~~???」芙美花たちは朝から、推しの国民的アイドル女優の結婚発表で話が持ち切りだったのだった。ただ、この話題は職員室でも同じ事。テレビでも朝からそのニュースを何度も取り上げていた。朝、出掛けに、ネットニュースで、耀司が、「うそ。凄ぇ~~。マジで、結婚。わは。」そんな父に芙美花も、「うんうんうん。じゃ、行って来ま~~す。」そんな高井戸家であった。18歳で芸能界入り。「彗星の如く出現した美少女。」で、一躍時の人に。男性以上に女性ファンが魅了されていた。そのアイドル女優がまさかのミュージシャンの男性との突然の結婚発表。…確かに。芸能界デビューして後、20数年はドラマや映画CМ、グラビアや写真集など、出演、リリースしては常に爆発的にヒット。いつかは誰もが誰かと結婚。…いや。逆に、結婚して欲しくないと願いつつも、ランキングでは結婚して欲しくないランキングでは常にトップ。けれども結婚して欲しいランキングでも常にトップ。そして…、いつの間にか、男性からは、結婚してみたいランキングでもトップ表示と…。そんな彼女が、あるドラマで共演したミュージシャンの男性との突然の結婚発表。ドラマでの共演からは既に3年が経過していたのであった。その3年間、ふたりの交際をニュースとしたメディアは一切なし。…と、言うよりも、誰もが想像しない、今回の結婚発表だったのである。テレビでの街頭インタビューでも、街中の若い女性、特に学生たちには、「うそ。」「マジ。」「いやいやいやいや。」「えっ!!!…びっくり。マジ…???」「なんで、あの人と…???…確かに、ドラマでは共演、してたけど…。」等々と。博楼高校職員室では、「いや…、でも、彼の才能も凄いですから、ドラマの主題歌も何曲か。しかも、リリースする曲もヒットだし。ラジオでも番組持ってますからね~~。」岬。彩夢、「確かにね~~。それにしても驚いたわ。いきなりよ、いきなりスマホにドン。かかかかか。私なんてお弁当作る手が止まっちゃってたわよ。マジで…???…って。」博楼高校の放課後、職員室での会話はその後も続くのであったが…。学校の帰り道の芙美花たち。とにかく芙美花は、昨日のみんなからの話しにも、今では、何とか、気分は晴れていた。頭の中で、「…まさか…、おとうさんに…。ねぇ~~…。ふふふふ…。」 ママでいい…。 vol,094. 「絶対に眞鍋さん、誰か、いるよね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.25
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ヨシカワ音楽教室、事務局の午後。何やら騒がしい。「え――――――っ!!!…ほんと~~。凄~~い。良かった~~。うんうんうん。」珠里。生野もニコニコと、「うんうんうん。」その3人の話しが盛り上がっている中に、克広奈織が椅子から立ち上がり、「どうしたんですか~~???」3人の中に。珠里が奈織に、「有紀さんのお姉さん、来春に結婚。あは~~~。」奈織、目を真ん丸に、「うそ。」そして、「おめでとうございます~~。」そこに睦美。それぞれを見て顔を傾げて。そんな睦美に珠里と奈織、ニコニコと招き猫。4人の中に入っていく睦美。「みなさん、どうしたんですか…???」ニコニコ満面の珠里、眞鍋に、「眞鍋さん、眞鍋さん。はははは。」睦美、目をパチクリと。「あのね。有紀さん。」睦美、有紀の顔を見て、「え、え~~~。」奈織、「有紀さんのお姉さん。来春、結婚するんですって~~~。」こちらもニコニコと。睦美、その声に、「えっ…???」すぐさま笑顔になって、「おめでとうございます~~。」有紀、眞鍋に、ペコリと。「ありがとう~~。」そして、「もぅ~~。いつ納まってくれるか、もぅ~~。それだけが気になって~~。私だって、37なのに~~。ねえさん39~~。もぅ~、崖っぷち~~。」珠里、「うんうんうん。でも、良かったじゃな~~い~~。…で…???…相手の方は…???」「うん。まっ。42なんだけどね~~。こっちはバツイチ。…って言うか~~。奥さん、亡くして~~。お子さんがいるんだけど~~。今、大学~~。おとうさんの好きにすれば~~???…いい感じの人じゃない。良いと思う。…って、大学卒業したら、念願のひとり暮らし。なんだって。」生野、頷きながら、「へぇ~~ぇえ~~。」けれども、「うんうんうん。」珠里、有紀に、「へぇ~~~。そうなの~~。」奈織、「…で…???…でで、どんな感じの人、相手の人。…もしかして…、芸能人で言ったら。」有紀、「芸能人…???」顔を傾げて、「あ、いや~~。芸能人。」有紀、腕組みして、「ん~~~。難しいや~~。芸能人。…って言うか~~。とにかく、体はガッチリはしてるわ。…太っているんじゃなくって、ガッチリ。うんうんうん。」生野、「へぇ~~~。」ニコニコと。奈緒、「…って言うか、バツイチ。…あ、いや…。奥様亡くされて、大学の…、娘さん…???…息子さん…???」有紀、「娘さん。」生野、「わお。」珠里、「ねぇ~~~。」ニコニコと。「でも、良かった~~~。うんうんうん。」そして、「眞鍋さん。あなたも頑張って。」いきなり珠里、睦美の左肩をトンと。睦美、「あ、いや…。私は~~。」睦美の声に珠里、「もぅ~~。何言ってんの~~。眞鍋さん、38でしょ。もぅすぐよ。40歳。」「そうですよ~~。」生野。「…って、僕がけしかけてどうする。…って話ですけど。…でも、中々ね~~。出会い。ん~~~。難しいな~~~。特に、我がヨシカワ音楽教室。男性もいないから~~。何とも。」申し訳なさそうに数回頭を下げる生野。奈緒、「…って言うか~~。ひょっとして、眞鍋さん、何かしら、いい人、いたりなんかして~~。こんなに美人さんだからさ~~。」ニコリと眞鍋を見つめながら。その声に珠里も有紀も、生野も、「あ~~~~~。」そして3人共に眞鍋の顔を。睦美、いきなり顔を真っ赤にさせて。その顔を見て奈織、目を真ん丸に、「うそ。図星…???」珠里も有紀も目を真ん丸に、「へっ…???」「マジ…???」「ただいま戻りました~~。」そこにいきなり鵜杉彩未(うすぎあみ)。生野、「お~~。おかえり~~。お疲れ様~~。」彩未、「え…???…どうしたんですか…???…みなさん…。」そして、眞鍋を見て、「へっ…???…眞鍋さん、顔真っ赤。…えっ…???」睦美、いきなり顔を引っ込めて、「え…???…いや。いやいやいや。私は…その。」両手をヒラヒラとさせて。奈緒も珠里も有紀も、「あれ~~~~???」睦美、ペコペコと。「すみません。仕事に戻ります。」そう言いながら自分の席に。小声で奈織、「怪しい~~。ふふふふ。」珠里と有紀に、「ありゃ、絶対に誰かいるね~~。女の感。」何故か睦美、心臓がドキドキと。そして…、時間が経っても…、鼓動は…。睦美、頭の中で、「…ん~~~。どうした…。さっきから、ドキドキ。…なんでよ~~…。」そして…。すぐさま脳裏に。ステージで演奏をしている阪部洵。睦美、また頭の中で、「…洵。」そして、今度は何故か昨日の午後のリビングでの景色が…。「へっ…???」そんなリビングでの景色が脳裏に。…すると。ようやく今迄の鼓動が…。睦美、頭の中で…。「…はは。楽しかった~~。」 ママでいい…。 vol,093. ヨシカワ音楽教室、事務局の午後。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.24
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そして芙美花、叔母から、その女性の名前を聞いて、「え―――――――――っ!!!」目を真ん丸に、そして口に両手を。汐梨、途端に、口に右人差し指を、「シ―――――――ッ!!!」芙美花、口を両手で塞ぎながらも、「うそ。うそ。マジで。マジで。」そして…。その内に耀司、玄関から、「ただいま~~~。」ニコニコ顔の芙美花、「あ。帰ってきた。」汐梨、「芙美花。」芙美花、叔母を見て、「うん。」汐梨、また右手人差し指を。「シ――――――ッ!!!」「うん。分かってる。」耀司、バセットの足を拭いて、「ほぃ。バセット、OK~~。」バセット、「ワン。」タタタタタと麻沙美。「芙美花お姉ちゃん、ただいま。」芙美花も、「麻沙美~~。おかえり~~。」「バセットと散歩してきた~~。」バセットゆったりとリビングの自分の定位置に。耀司、リビングに、「ただいま。」ふたり、「おかえり~~。」耀司、「あっと。」汐梨、芙美花、「えっ…???…何…???」耀司、冷蔵庫に。そして…。汐梨、「何…???…それ…。」耀司、箱を。「眞鍋さんがね。娘さんにどうぞって。」途端に芙美花、「へっ…???…私に…???」汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。はははは。」耀司、芙美花に、「ほぃ。どうぞ~~。」芙美花、ニコニコしながら、「なんだろう~~。」そして箱の中身を。「わお。アップルパイ~~。ははははは。美味しそう~~。」汐梨、「ははは。良かったじゃ~~ん。」芙美花、父に、「ねね。食べていいの…???」耀司、顔をコクリと。「もちろん。」箱の中からひとつ。「いただきま~~す。」一口。目を丸く、「うんうん。おいし~~~。はははは。」耀司、ニッコリと。「ははは。それは何より。」そして汐梨にも、「おまえも食べてみな。」汐梨、「はは。うんうんうん。」そして麻沙美に、「麻沙美~~。アップルパイだって~~。」麻沙美、「え~~~~???」「おいで、おいで。」そして麻沙美、ひとつを受け取って、口に。汐梨も。そしてふたり共に、「おいし~~。」汐梨、「うんうんうん。はは。うん。良かった。」夕食時。耀司、芙美花に、「どうよ。カラオケでの疲れ…。癒えた…???」芙美花、父に、「あ~~。うんうん。うん。大丈夫。」「今の高校生は、どんな歌、歌うんだろうね。」その声に芙美花、「ん~~~。まっ。いろいろだね。私は…。…って言っても、おとうさん、知らないっか。」その声に耀司、思わず芙美花を見て、思わずムッツリと。…した割には…。顔をチョコンと。「はい。分かりません。素直にねぇ~~。…てか。おとうさん、カラオケ行ったのって…、あれ…???…何年前…???」右目を歪めて…。そして顔を傾げて…。「もしかして…。祐里子と…。あ~~~~。はいはい。思い出した。芙美花。」芙美花、「うん。」「おまえ、まだ産まれてない。」いきなり芙美花、「い゛~~ぃい…???…ってか、何、おとうさん。カラオケ、私が産まれてから一度も…。」耀司、その声に顔を傾げて、「た…、多分。…ってか、おまえが産まれてからカラオケ…、行ける訳ないじゃん。子育て。ま。おとうさんは家事、出来ないけど、おまえの子守りはやってたから~~~。」「ふ~~~ん。」「それこそ、おまえが小学、そして中学なんて頃は、仕事が忙しくって、それどころじゃなかったし、それに。それに…、カラオケって。そんな歳でもなかったような…。しかも…。おかあさんなんてカラオケより映画派だったから。映画だったら、ふたりで良く観に行った。」「ふ~~~ん。」そして芙美花、思い出したように、「あ~~、あ~~。そういえばおかあさん、私は映画好きだからね~~って、言ってた、そういえば~~。うんうんうん。あは。そういえば、おばちゃんと3人でも映画、行った、行った~~。思い出した~~。はは。で、おばちゃん、おじちゃんも映画好きで~~。そういうとこが好きで結婚した~~って、あの頃、言ってた~~。」耀司、芙美花の話しを聞きながら、「へぇ~~。そうだったんだ~~。まま、確かに、勝臣君、映画が好きだって言うのは聞いてるけど~~。なるほどね~~。」芙美花、「おばちゃん。ワーホリー行って、日本に帰って来て、ウェディングプランナーの試験合格して、はい。これから。って時に、自分が結婚してないのに気が付いて大慌て。」耀司、可笑しがりながら、「うんうんうん。」「おかあさんからいい人紹介されて~~。それでようやくおじちゃんと。35歳で結婚して~~。麻沙美が産まれたのが37歳。そういうの、高齢出産って言うんだっけ…???」耀司、「あぁ。でも…、とにかく可愛いい娘が産まれてきてもんだ。」芙美花、ニッコリと、「うんうんうん。」そして…。芙美花、「おばちゃん。もしかして…。これからまだずっと、私の代わりに、ウチの家事…???」耀司、そんな芙美花の声に、「うん…???…うん。まぁ…。ねぇ~~~。」 ママでいい…。 vol,092. 女性の名前を聞いて、「え―――――――――っ!!!」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.23
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「友達がね。」芙美花。汐梨、そんな芙美花に、「うん。」「カラオケの帰り道に、芙美花のおとうさん、再婚しないの…???…ってぇ~~。」汐梨、その声に、「わお。」「友達のおかあさん。」「うんうんうん。」「私たち、4人、仲良しなのね。…でぇ~~。そういう意味で~~。おかあさんたちも結構~~。連絡しあってたんだよね~~。だから~~。おかあさんの葬式の後~~。友達のおかあさんたちもおかあさんにお線香あげてくれて~~。泣いてくれた~~。それくらい、おかあさんたちも友達みたいな。」汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。そうだったんだ~~。知らなかった~~。」芙美花、「だから、友達のおかあさんたちも私の事。」「うんうんうん。」「家事全般やってるって知ってるの。…だから、おかあさん死んじゃっての、今まで。友達との付き合いも出来なかった。…のに。最近は、友達との付き合いも…。」叔母を見て、「おばちゃん、来てくれるから。」汐梨、「うんうんうん。」「でも~~。他所の…。その…、おばちゃんが~~。その…。何て言うの…???…ウチの家事をやってくれて。それでいて、私が前みたいに。…けど…、私、来年から受験勉強。…だから…。友達のおかあさん、おとうさん、再婚しないのって…。」汐梨、芙美花を見て黙って。芙美花、口を尖らせてテーブルを見て、「でもさ~~。それ、私に言われても~~。」汐梨、「うんうんうん。確かに。」芙美花、僅かに顔を上に。「おばちゃんは、どう思う…???」瞬間、汐梨、目をパチクリさせて、「私…???」すぐさま、「そんなの簡単。再婚しなさいよ。」芙美花、思わず、「えっ…???…うそ。」「うそもへちまも、再婚しなさいよ。決まってんじゃないのよ、そんなの。」「そうなの…???」「あったりまえじゃないのよ。いい…???」ポカ~~ンと芙美花。汐梨、「大の大人が。家で仕事をして稼いでいて。しかもよ。家事は出来ない、娘はいる。その娘が家事全般やってる。バッカじゃないの…???…それよりも何も、娘にそんな事させないでとっとといい人見つけて再婚しなさいよ。それが一般常識じゃないの。私から言わせれば。…って、言うか、ウェディングプランナーの観点から言っても、そう。まっ。確かに、ワンオペも、いい。かも、知んない。…って言うか、芙美花にワンオペって言っても。…って言うか、ワンオペ自体、大変だけど。ま、シングルマザーの事なんだけど~~。女ひとりで子供を育てるって事。旦那、亭主のいないママさんの話しね。」一呼吸置いて汐梨。「…ってか、おばちゃん、おとうさんにも話したんだけどね~~。この事。」その声に芙美花、「うそ。」「だって、そんなの当たり前じゃないのよ~~。…芙美花、あんた。このままでいい…???」芙美花、いきなり振られて、「ん~~~~~。」「良い訳ないじゃない。とっとと再婚しちゃいなさいよ。今の内~~~。…あれだけ良いセンス持ってんのにさ~~。あの歳で、あれだけお洒落なんだよ~~。たく~~。」その声に芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。私もそう思う。おとうさん、中々のセンスだし、今で言う、イケオジ。」「でしょう~~~。」汐梨。「それなのに、あの…、でくのぼうの鈍感が~~~。目の前にいい人、いるでしょって~~~。」瞬間、芙美花、叔母に、「えっ…???」汐梨、そんな芙美花を見て、「ん…???」「おばちゃん、今。」汐梨、瞬きしながら、「え…???…何…???…私、何か言った…???」芙美花も瞬きしながら、「えっ…???…あ。うん。おばちゃん、今、目の前にっ…。いい人…???」顔を傾げて。汐梨、思わずまた瞬き。目をキョロキョロと。「あ。あ。あ、ははははは。はははは。確かに言った。言った~~。かかかかか。私、言っちゃったね~~。」そして。「わ~~お。」芙美花、いきなり体を前に、「…って、おばちゃん、何…???…どういう事…???」汐梨、途端に右目を瞑って、「ん~~~~。」そして、「あはははははは。」芙美花、チョコンと顔を傾げて、「おばちゃん…???」「ん~~~。」汐梨。「実はね~~。」芙美花、目を爛々とさせて、「うん。うんうんうん。」「おばちゃん。ん~~~。」顔を傾げて、「あの人は…、どうかな~~~。な~~んて、人が。」芙美花、目を真ん丸に。「えっ…???…いるの…???…そういう人。おばちゃん、おばちゃん。」「いる。…には、いる。…なんだ…、けど~~~。」芙美花、「え…???…え…???…誰…???…ねね、誰…???」目を右に左に。「…って言うか、おばちゃん、知ってる人…???…だよね。…と、言うか、おとうんさん…、知ってる人…???」汐梨、芙美花を見て、「う……、ん。知ってる。…で、おとうさんも知ってる。」いきなり芙美花、「うそ。」 ママでいい…。 vol,091. 「そんなの簡単。再婚しなさいよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.22
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汐梨、「芙美花がちょっと変。」その声に耀司、顔だけ汐梨に。そして、「はっ…???」汐梨、「あん。さっき帰ってきたんだけど~~。」「うん。チャイム鳴ったから。」その声に汐梨、「うんうんうん。…なんだ…、けど~~。その後、ただいま~~、の声だけ。…で、リビングに顔を出さないの。」その話に耀司、「は・あ…???」「いや。だって。…いつもは必ず帰ってくれば、何かしら、リビングに顔を。」耀司、僅かに口を搾って、「ま、まぁ。うん。確かに。」顔を傾げて、「別に…。気にするほどの事じゃ。…だ~~って。…そんな、毎回、毎回。同じように。」汐梨、「んじゃ、私がここに来る前は、どうだったのよ~~。」「おまえがここに…???」耀司。僅かに椅子を引いて、「ん~~~。汐梨がウチに来る前…。…まっ。確かに。学校から帰ってくれば、殆どまっすぐリビングに。買い物袋を。…で、2階の自分の部屋に。…でぇ~~。すぐに下に降りて来て、なんだかんだ…。まっ。俺もリビングにいたり、いなかったり。…そんな感じ。」汐梨、腕組みしながら、「ふ~~~ん~~。…でもさぁ。…私の記憶からすると~~。必ず帰ったら一度はリビングに顔を出す。…それから2階に上って~~。が、ルーティンのよ・う・な。」そして汐梨、「…って言うかさ。リビングに麻沙美もいる訳よ。自分の妹のように可愛がってる麻沙美が~~。そんな麻沙美にもただいまもしないで~~???」耀司、目をキョロキョロと。そして、「ま、まぁ~~。ん~~~。」麻沙美にもただいまをしない。の声に気になりだした耀司。椅子から立ち上がり…。汐梨、顔をコクリと、「うん。」耀司、芙美花の部屋のドアをノックして、「芙美花~~。入るぞ~~。」芙美花、ベッドに仰向けになったまま。「ヤバ。」すぐさまベッドから跳ね上がり椅子に。ドアを開けての耀司、「どうした~~???…汐梨が帰ってから顔を出してないって心配。」間髪入れずに芙美花、「あ、あ~~~。うん。うんうんうん。行く行く行く~~。」そして父の方に顔を。ニッコリと。「うんうん。ごめん。みんなとカラオケでさ。久し振りに歌ったら疲れちゃって。」耀司、その声に、「あ、あ~~~。はははは。そっか。」ニコニコと。「なら、いいけど…。」芙美花、父に、「うんうんうん。分かった。すぐ行く~~。」「麻沙美にも、ただいま、言ってないだろ。」にんまりと。「あっ。そっか~~。はは。うんうんうん。」ドアを閉める耀司。廊下にいる汐梨に、「友達とカラオケで歌い過ぎで疲れた。」汐梨、鼻の下を伸ばしてコクリと。「あ、そっ。ふんふんふん。」耀司、リビングに。「ヨシ、バセット~~~。散歩に行くぞ~~。」すぐさまバセットから起き上がり、「私も行く~~。」麻沙美。耀司、「ははははは。ヨ~~シ、一緒に行くか~~。」ニッコリと麻沙美、「うん。」部屋義に着替えて芙美花、リビングに。ルンバが部屋の隅の方を…。汐梨、キッチンの中から芙美花を見て、「あん。ははははは。おかえり。」そんな叔母を見て芙美花、ペコリと。「ただいま。…ってぇ~~事は~~。バセット、散歩。」汐梨、「うん。今さっき、兄さん、麻沙美を連れてバセットと。」芙美花、何やら元気のない口調で、「うん。そっか。」汐梨、「うん…???…どうした~~。カラオケで歌い過ぎて疲れた、な~~んて。」「あん。…うん。確かに。全~~ん然、行ってなかったからね~~。」そして、「はは。思わずノリノリ。」汐梨、ニッコリと、「へぇ~~ぇえ~~。」椅子に座りながらの芙美花、「あ。おとうさん、どうだったんだろ、今日。その…。眞鍋さん…???」汐梨、鍋の蓋を開けて、そして…。「うん。良し。あん。良かったみたいよ~~。何か、凄いお家ですって。」芙美花、「へぇ~~~。」「和歌山の家みたいに大きい。」「うそ。」「…って言うか~~。眞鍋さんのお義父さん…???」「うんうんうん。」「元々、建設会社の人なんだって。だから家も立派。」汐梨、辺りを見回して、「ここの、倍以上はあるって。」芙美花、すぐさま、「凄~~い。」汐梨、キッチンからリビングに。そして椅子に座って芙美花に、「ふふ。何かあった…???」すぐさま芙美花、叔母を見て、「へ…???」目をパチクリと。「な~~にがカラオケで歌い過ぎて疲れた~~よ~~。あんたがそんな事言う訳ないでしょ。友達との付き合いも断って家事全般。しかも、定期演奏会であんなに凄かった。あんなエネルギッシュな芙美花が、カラオケで歌い過ぎて疲れた~~???…はははは。笑わせんな~~ってね~~~。」瞬間、芙美花、顔をクシャリとさせて。そして両手を組んで、そのまま前に伸ばして、今度は上に。そして思いっきり目を閉じて顔をクシャリと。両腕を天井に向けて、「ん~~~~~~~。」そして、「はぁ。」グッタリと。汐梨、ニッコリと、「はは。」 ママでいい…。 vol,090. 汐梨、「芙美花がちょっと変。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.21
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耀司、「まま。」洗濯物の畳み方をまた教えてもらいながら、「だ~~ってさ~~。眞鍋家のあれこれを聞いていて、ウチの事だけ話さないって、そういうの…、フェアじゃないじゃない。」汐梨、その声に口を尖らせて、「…と言っても、別に私の事まで、そんな…、事細かに~~。」「別に、減るもんじゃなし。…と、言って、おまえ、汐梨~~。ある意味、おまえみたいなの、そんじょそこらにはいないぞ。みんな、凄~~っいって、言ってたから~~。まっ。俺だって、おまえの事は、凄ぇ奴って思ってるし。…そんな…。てめえの稼いだ金で海外留学。それにワーホリー。そんな経験している人って周りにいるか…???いないよ。それほど凄い事やってるってんだよ。ある意味、尊敬するぜ。」汐梨、黙ったままで。口を窄ませて。「…それに…。お互いの事、いろいろと知っておいた方が~~。」汐梨、兄を見て、「…いや。まぁ。ねぇ…。まま。確かに。自分のやりたい事、自分に責任もって。かあさんだって、私が留学する事、最初は、何考えてんのって。…でも、自分のお金で行くからっ言ったら驚いてた。驚いた挙句に、自分で、そう決めたんなら、ご自由にって。…だから。」そう言って汐梨、「うん…???」顔を傾げて。…そして、兄を見て、「へぇ~~~。~ぇえ~~…???…兄さん。」可笑しがりながら、「…って、言うか…。兄さん。…そういう気持ち、あるんだ~~。」途端に耀司、「へっ…???…何よ、そういう気持ちって~~???」「うん…???」汐梨。「だから~~。そういう気持ち~~。眞鍋さんの事~~。」そして汐梨、「ふんふんふん。ふんふんふん。…な~~るほどね~~。」そんな汐梨に耀司、瞬きしながら、「はっ…???」こらちも顔を傾げて、「いやいや。」耀司。「眞鍋さんの事~~って~~。俺は~~、うん。これからも~~。…晄史さんとは友達同士で、付き合って行くつもりだけど~~。…と、言う意味。そういう気持ち~~。」汐梨、その声に思わず口を真一文字に。唇を口の中に、「はいはい。まま。…相変わらず、鈍感な兄貴でして。あ。そこ~~。また違う~~。」そして自分で手を出して、「ここは、こう。はい。もう一度、やったんさい。」耀司、「えっ…???…うそ。」芙美花たち、カラオケの帰り道。景織子、「ねね、芙美花~~。」芙美花、景織子に、「うん…???」「芙美花のおとうさんってさぁ、再婚しないの…???」千愛に詩乃も、「あ。私もそう思った~~。」「うんうんうん。私も~~。」芙美花、「あ、あ、あ~~~。」「…って言うのも~~。」景織子。「ウチのおかあさんが~~。結構~~。芙美花のおかあさんとも仲、良かったじゃ~~ん。」千愛も、「そうそう。ウチのおかあさんも~~。」詩乃も、「だよね~~。ウチらが仲良いと、おかあさんたちも~~。」景織子、芙美花に、「だからさ。おかあさん、いっつも芙美花の事、気にしてんの。芙美花のおかあさん亡くなってからここ1年、芙美花、家の事でって。…で、私たちとあんまり~~。だから、今、ようやく私たちと一緒に会えるってなって~~。あら。芙美花ちゃんの家、じゃあ、誰が家事を…???…って話になって~~。私、つい、おかあさんに、芙美花のおばちゃん。…じゃないのかな~~って。そうしたら、えっ…???…んじゃ、高井戸さん、再婚って考えてないの…。って。」千愛も、「うんうん。ウチのも。」詩乃も、「ウチのも、ウチのも。高井戸さん、IT関係で、結構~~。今、いい人~~。いると思うんだけど~~。芙美花ちゃん、これから受験もあるし~~って。」そんな話に芙美花、「あ、あ。あははははははは。はは。」顔を傾げながら、「どぅ…、なの…かな…。ははははは。」そして…。誰ともなく、「芙美花のおとうさん、再婚した方が良いよ、絶対~~~。」芙美花、思わず目を真ん丸にして、口を尖らせて…。駅でそれぞれ別れて。「じゃね~~。明日~~。」「う~~ん。バイバ~~イ。」芙美花と景織子はそれぞれ別のホームに。千愛と詩乃のふたりは同じホームに。芙美花、電車に乗り込み、耳にイヤフォンを。そして…。数分後には電車を降り、改札を通って…。自転車で凡そ15分。玄関のチャイムを鳴らしてドアを開け、「ただいま~~~。」リビングの方から、「おかえり~~。」の声。玄関に歩み寄ったバセットの頭を撫でて、「ただいま、バセット。」けれども芙美花、そのまま2階に。いつまで経ってもリビングに顔を出さない芙美花に汐梨、顔を傾げて、「あれ…???」瞬き。「変ね~~~。いつもなら、帰ってくればこっちに…。」汐梨、廊下の方を見て、「ふん…???」5分経ち、10分経ち。15分経ち。麻沙美はいつも通りにバセットに凭れて絵本を見ている。汐梨、耀司の書斎に。ノックして、「ねね、兄さん。」耀司、そんな汐梨に、「うん…???」 ママでいい…。 vol,089. 「芙美花のおとうさんってさぁ、再婚しないの…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.20
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誓、高井戸に、「もしかして…。音楽一家…???」間髪入れずに耀司、「な~~訳は、ないですけどね。ははは。」そして…、耀司、「さてと。…ご馳走様でした。」3人にペコリと頭を。耀司、運転をしながら…。赤信号。子供を連れた親子連れが横断歩道を…。子供は手に風船の紐を。近くで何かあったのだろう。そんな3人を見て、「はは。な~~つかしい~~。…あんな頃も、あったよな~~。芙美花、5歳。…そして…、小学、中学、高校。かぁ~~。来年は受験。」すると頭に、汐梨の顔。「兄さん。このままひとりで…???」けれども耀司、「…んな事、言われてもな~~。…どうすりゃ~~、良いっつぅの~~。」暁美、またソファでお茶を。「高井戸さん、いい人みたいね~~。」晄史、「でしょ、でしょ。」誓も、「うんうんうん。」そして暁美、「このまま、良いお付き合い、出来ればいいねぇ~~。ウチにはね~~。日本人のお付き合いって言っても~~。たま~~に、誓さんのお友達が…。」晄史、そんな母の声に、「うんうんうん。」誓も、「だよね~~。高井戸さん、良いよね~~。」晄史に。晄史、その声に、「はは。うんうん。」そして暁美、睦美に、「睦美、あんたはどう思ってるの…???」いきなり振られて睦美、「へっ…???」3人を見て、「え…???…へっ…???…どういう…???」耀司、帰宅。玄関にはバセットがお迎え。「お~~、ほほほほほ~~。バセット、ただいま~~。はははは。」バセットの頭を撫でて、バセットを抱き締めるように。そしてそのままリビングに。そして冷蔵庫から麦茶を。バセットはそのまま自分の定位置に。耀司、コップ一杯の麦茶を飲んで、「さてと。」バセットに、「おとうさん、このまま仕事ね~~。」バセット、「クゥ~~ン。」「後で、散歩、行こう~~。」その声に、「ワン。」耀司、書斎に入ってパソコンを起動。いきなりスマホに着電。画面には、「汐梨」の文字。「はい、俺~~。」スマホから、「今どこ…???」「今さっき帰ってパソコンを起動したとこ~~。」汐梨、腕時計を見て、「ふん。そっか。お昼からだったもんね~~。…どんなだったかな~~って思って。私、あと1時間で上がりだから~~。託児所からそのままそっち帰るわ。」汐梨、平日は保育園。そして、休日勤務の場合は、結婚式場の託児所に麻沙美を預けている。耀司、「了~~解。」「芙美花はまだなんでしょ~~。今日は、友達と一緒って言ってたから~~。」「あん。まだ帰ってないね~~。」汐梨の声、「分かった~~。じゃね~~~。」通話は切れる。…の、瞬間に、今度は…。画面に…。「はい。お世話様です。ウェルストン、高井戸です。」スマホからの声に、「あ~~。はい。いえいえ。こちらこそ。」汐梨、お茶を淹れながら、「へぇ~~~。そんな、凄いんだ~~。眞鍋さんの家。」耀司、リビングの椅子に座って、「うん。お義父さんが建設会社でって、言ってたから。とにかく、敷地から建物まで凄いよ。ウチの倍以上ある。」「凄いよね。和歌山の家みたい。」「…っておぃ。和歌山の家と比べられないだろ。どんだけ築年数、経ってるって思ってんだよ。」その声に汐梨、「かかかかか。確かに。築70年以上。完璧に老朽化してるね。」「まっ。でも、老朽化はしてるだろうけど、今まだ、修理する事もないんだから、その当時の大工さんたち、凄いよ。」「確かにね~~~。」「…で…???…眞鍋さんのおかあさんって…???」「あ~~。うんうんうん。何とも気さくな方でね。うん。まっ。結構~~。美人さんかな…???…翻訳してるんだって。」「へぇ~~~。そうなんだ~~。」「とにかく、凄い料理。」その声に汐梨、「へぇ~~~。」「何か。」耀司。「独特感。あったね~~。」そこまで言って、「まぁ。他所の人の料理って、そんな…、食べた事ないから、そういう意味でも。」そして耀司、「ほら。芙美花とおまえの作る料理ばかりだから。味が体に染みついている。嬉しい程にね~~。」汐梨、笑いながら、「かかかかか。それを言うんなら、芙美花の味でしょ。」「はははは。言えてる。うんうんうん。」汐梨、空を見て、「うん~~~。確かに。他の人の作る料理、食感も違うよね~~~。まっ。芙美花はどんなかは分かんないけど、私の場合は…、とにかく、麻沙美がいるからね~~。」耀司、「うんうんうん。それは、分かる。」「あっ。でも…。…ってぇ~~、事は、眞鍋さんも誓さんも、料理は得意。」「じゃいかな~~。あれだけ作れるんだから~~。オードブルは一切ございません。って、誓さん、言ってたから~~~。」お茶を一口、汐梨、「へぇ~~~。そうか~~。」そして汐梨、「さてと。洗濯物、洗濯物。兄さん。」耀司、「あいよ。」そして…。汐梨、耀司の話しを聞いて、「へっ…???…うそっ!!!…あん、やだ~~~。」 ママでいい…。 vol,088. 「高井戸さん、いい人みたいね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.19
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誓、「凄~~~。」睦美や晄史も、「うんうんうん。」耀司、また3人、それぞれを見て、「…で。…ここまで話して。」3人、「うんうんうん。」耀司、3人に、「何か、気付きません…???」その声に3人、共に。「…ん…???」顔を見合わせて…。そして顔を傾げて。そんな3人を見て耀司、「くくくくく。何と。今迄の僕の話しの中に、何故か…。娘の麻沙美が出て来ない。」瞬間、睦美も誓も晄史も、「あ。あ~~~~。」晄史、「確かに。」睦美も頷きながら、「うんうんうん。」誓、「…ってぇ~~、事は~~。」耀司、「かかかかか。何の事はない。汐梨が結婚したのが37。」誓、「へっ…???…37って…。」耀司、可笑しがりながら、「これもまた、破天荒~~。但し。」3人、高井戸を見て、「うん…???」耀司、3人に口に人差し指を付けて、「僕から聞いた。何て事は、この際タブー。…絶対あいつ、私の事はいいから~~ってなっちゃうから。」その声に3人共に、頷きながら、「うんうんうん。」「つまりは。汐梨、あいつ、出来ちゃった結婚。」いきなり3人、「え――――――――っ!!!」耀司、「…って言うか、実に、あいつ、焦ってたの。…まま。今迄はとにかく自分の事でまっしぐら。…けどさ~~。考えてみれば、自分でも憧れているウェディングプランナー…、なって~~。…それから…???…って考えて。」睦美も誓も、頷いて、「うんうん。」晄史、「…確かに。」「要するに~~。ウェディングプランナーになって~~。人様の結婚をプランニングして~~。でも、その後。どうするよ~~。カップル誕生してその後~~。肝心のベイビー。」睦美も誓もニコニコとしながら、「うんうんうん。」晄史もにこやかに、「ですよね~~。」「コロナ前。」3人、「うんうんうん。」「自分がウェディングプランナーになって。…けど…。自分はまだ未婚。全然説得力なし。…かと言って。肝心の…。」3人揃って、「相手の男性。」「ビンゴ~~。…しかもだよ。今迄オーストラリア。全く結婚なんて…。」誓、「あ~~ん。視野にない。」耀司、両眉上下に、「ビンゴです。…日本での知り合いも…。…って事で~~、ウチのカミさんに泣きついてきた。」睦美と誓、「あらま。」「でぇ~~。」耀司。「カミさんも、どうしたものか…。心当たり…。」3人、「うんうんうん。」「そしたらさ。何と。」またまた3人、「えっ…???」「何ともまぁ~~。カミさんの同僚に、弟が独身。30過ぎだけど~~。旅行会社に勤務してる~~って。」睦美と誓、「あら。」晄史、「へぇ~~。」耀司、「そしたらさ。」何とも意地悪そうな顔で、「その男性。」睦美も誓も、「うんうんうん。」「汐梨、あいつがオーストラリアにワーホリーするときにいろいろと手伝ってくれた旅行会社の人。会った瞬間に、どっかで~~。って事になって~~。」睦美も誓も晄史も、「わ~~お~~。」「まっ。確かに。年齢は汐梨の方が上。けど~~。まま。ある程度の面識もあり。話をしながらも~~。カミさんの紹介でもあり~~。相手の男性も、このままズルズルと~~。てな訳で…。そのままトントン拍子に~~。お互いのアパートを行ったり来たり。…で、1年後には…。お腹の中に。」そして耀司、「かっかかかか。おふくろも親父も驚いて、いきなり万歳~~ぃ。何と、37歳で結婚。…でぇ~~。高齢出産。」誓、「いやいやいやいや。」睦美、「凄~~い。」そして頷きながら、「うんうんうん。確かに~~。普通のママさんたちと比べて~~。…うんうんうん、お子さん。麻沙美ちゃん、小さかったから~~。…でも、そんな…。他所の家庭の事を…って。私も、特に。…そうだったんだ~~~。」晄史、「そうだったんですね~~~。木守さん。37歳で麻沙美ちゃ~~ん。」耀司、「そんな訳で…。」そう言って耀司、「そして、もうひとつ。…まっ。」顔を傾げて、「これが…、今では、一番かな~~。」そんな高井戸に3人も顔を傾げて、「うん…???」耀司、睦美を見て、「眞鍋さん。睦美さんと同じく、汐梨、あいつ、ピアノ、弾けます。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして、「え―――――っ!!!」口に両手を、「うそ。」それぞれを見て。誓も、「うそ。」晄史、「ほんとですか…???」耀司、「うん。あいつ。…汐梨。まっ。これも親父の影響かな。…とは言え、そんな…、本格的って訳じゃないけど、確か、4歳の頃から。あん。でも、これは~~。あいつの独学だから。」睦美、「独学って…。…それでも凄い。」「まぁ…。大概の曲は、楽譜を見れば、弾けるだろうけど…。ジャンル問わず。…だから~~。芙美花の誕生日には~~。必ず木守家で妹のピアノとカミさんのバイオリンのセッション。」晄史、「えっ…???…高井戸さんの奥さん、バイオリン。」誓、「それも凄い。」睦美、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,087. 耀司、3人に、「何か、気付きません…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.18
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その声に耀司、「えぇ。…芙美花には私がいるでしょ。それに~~。こ~~んな、義姉さんを愛して止まない兄さんもいる~~。当然、あんたを一生の宝物としてくれてる。まっ。おっちょこちょいではあるけど~~。それに~~。いい加減に麻沙美まで悲しませんな。毎日、あんたの事で心配してんのよ~~。って。あんた、芙美花、あんたの好きな家事をやって今のあんた、おしまいにしな。じゃないと、周りが暗くなっちゃうんだよ。芙美花を抱き締めながらね~~。はははは。」誓も睦美もキッチンから出て来て、「へぇ~~~。」晄史も、「わお。凄いですね~~。」耀司、「ま。妹の場合は、もぅ~~。筋金入りだからね~~。」睦美、その言葉に、誓を見て、「筋金…、入り…???」誓、思わず、「ん~~~。筋金入り…。まっ。簡単に言えば、強いからだ…???…意志が強いとか~~。物事に振り回されない。鍛えられている…???…ですかね。高井戸さん。」耀司、キャビネットの傍で、「あ、うん。」微笑みながら顔を傾げて、「我が妹ながら天晴なんだけど~~。意外と、人に揉まれながら生きて来たって言うのがあるから。日本にいない時期もあったし。」「日本にいない時期。」睦美。その声に晄史も誓も高井戸を見て、「…???」晄史、「高井戸さん…???」誓、「それって…。」耀司、3人を見て、ニコニコと。そして、頭を撫でて、「アハ。…あ、いや…。妹って…。あれで、結構、ワイルド。」晄史、「ワイルド…。」「子供の頃から。なんですけど。あんまり、家に居たがらない。…って言うか~~。意外と…、がめつい。…な~~んて言ったら、怒られるんだけど~~。」睦美に誓、そして晄史も眉間に皺を。誓、顔を傾げながら、「どういう…???」晄史、「意味ですか…???」耀司、「子供の頃から、どんどん前に出ていく性格。何て言うか~~。視野を広げる…???…小学の頃から、お店の手伝いをしてた。」睦美、「小学の頃から…。」耀司、頷いて、「うん。親戚に、お店屋があってね。料理屋なんだけど~~。そこで、お小遣い稼ぎ。」晄史、「お小遣い稼ぎ。」耀司、また頷いて、「うん。まぁ。いろんな人といたい。って言うのもあったんだと思う。そして…。中学に入ればその店でアルバイト。」誓、「中学でアルバイト。…って、うそ。校則。」その声に耀司、「ははははは。まま、確かに。…けど、働いているところが親戚だから。親の承認あり。学校側も認可。認めざるを得ない。…って言うか~~。まず学校関係の人が来る店でもなかったからね~~。しかも、生徒なんて。」晄史、「へぇ~~~。」誓も、「凄~~。」「もぅ、高校にもなれば、俄然。」そして耀司、「逆に、店の女将や大将にまで、高校卒業したらここで働け。な~~んて言われたくらい。まっ。客にも可愛がられて~~。小学の頃からだも~~ん。…で、大学に入って、そのままアルバイトも続けて~~、500万稼いだ。」睦美と誓、目を真ん丸にして、「500万。」耀司、またキャビネットの写真を見ながら、「…で、あれよあれよと、大学卒業したと思ったら~~。今度はオーストラリアにワーホリー。」晄史と誓、「ワーホリーって、凄っ。」耀司、ニコニコと、「かかかかか。何とも破天荒な性格で~~。とにかく自分で稼ぐ。…で、人波に揉まれる。」晄史、何かしら思い出したように、「あ~~~。うんうんうん。何だか分かる気がする~~。木守さ~~ん。何か、凄い、凛々しいような…。」耀司、「かかかかかか。…だから、結構~~。あいつの話す声には、何かしらの説得力がある。」その声に睦美も、「うんうんうん。分かるような気がする~~。教室の子のママさんたちにも好かれてるから~~。…結構、年齢、上って感じもするんだけど~~。そういうの、全然感じさせな~~い。」耀司、「ははははは。大学卒業して~~。オーストラリアに留学して~~。今度はワーホリーに明け暮れて。」誓、「凄い。オーストラリアに留学。」耀司、「はははは。その為の資金繰りね。」睦美、「あ~~ん。なるほど。」「でぇ~~。」耀司。「大学卒業してオーストラリアに留学。」3人、「うんうん。」「で、一旦は日本に帰って来て、半年も掛かんない。つまりは、オーストラリアで留学していた頃に働いていた店から働いてみないかって言われて、今度はまたオーストラリアに。ワーホリー。」睦美、「凄~~。」「あっと言う間に30~~。で、ようやく日本に帰って来て~~。それからは、高校時代から夢見てたウェディングプランナーに。落ち着いたと。駆け抜けましたね~~。我が妹ながら~~。マイウェ~~イ、自分の道を~~。気付いたら35~~。」誓、「凄~~~。」睦美晄史も、「うんうんうん。」耀司、「…で。…ここまで話して。」3人、「うんうんうん。」耀司、3人に、「何か、気付きません…???」 ママでいい…。 vol,086. 「当然、あんたを一生の宝物としてくれてる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.17
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晄史、「へぇ~~~。そこまで。」耀司、「うん。もぅ~~。凝りに凝って、ベースの道を~~ってね~~。…しかも、それが、上手いからしょうがない。ベースやって50年以上だから、若い頃には、アチコチのバンドから引っ張りだこ。いっつも蔵の中で酒盛りしてたよね~~。まっ。その影響かな、僕もジャズ好きになって、サックスがね~~。レコードなんかも結構買ったけど、親父には到底敵わない。もぅ、本棚にギッシリ。あそこまで行けば、完璧にセミプロ。」睦美、「うんうんうん。」いつの間にか睦美も誓の隣に。…そして…。時間はすぐさま。午後3時過ぎ。耀司、3人に、「では。そろそろ。」晄史、ニッコリと、「はい。また。ですね。」その顔に耀司も、「はい。ありがとうございます。」誓と睦美に、「どうも、ごちそうさまでした。」ふたり共に両手をヒラヒラと、「いえいえ。」誓、「あ、お義姉さん。」その声に睦美、「あ。そうだ。キッチンに。」そして…。「これ、娘さんに。名前、ちょっと。分かんなく。」「芙美花と言います。」ニッコリと耀司。睦美、「ふみか…、さん。」誓、「うん。ふみかさんね。アップルパイです。お口に合うかどうかは分かんないけど。」耀司、箱を受け取って、「すみません~~。娘にまで~~。」誓と睦美、「いえいえ。」睦美、「あ。」廊下に出て、2階の方に、「おかあさ~~ん。高井戸さん、帰る~~。」耀司、「あ。いや…、寝てらっしゃるのに起こしちゃ。」睦美、ニッコリと顔を傾げて。玄関で靴を履いている頃には…。暁美、「また、いらして下さいね。是非~~。」耀司、その声に、「あ、はい。ありがとうございます。」そして…。ガレージの前で耀司、「ウチにも是非今度。」晄史、その声に、「ほんとですか…???」睦美と誓は微笑みながら…。耀司、「えぇ。是非。娘と僕としか、いませんけど…。」睦美、「機会があれば。」耀司、ニッコリと。「お待ち、しております。」車に乗り込んで。そして…。窓を開けて。「じゃ。」4人共に、お辞儀を。クラクションをひとつ鳴らして車は走り出す。晄史、後ろを向いて、「あ~~~~楽しかった~~。」その声に睦美も誓もお互いに顔を見せ合いニコニコ、「うんうんうん。」晄史ふたりに、「高井戸さん、みんな食べてったよね~~。」睦美も誓も、「うんうんうん。」誓、「しかも、食べっぷりが…。良かったよね~~。」睦美、「ははははは。」耀司も運転しながら、「しっかし、デカイ家だね~~。…それに…。亡くなったおとうさん。何と凛々しい顔立ち~~。」耀司、眞鍋家のリビングの上に飾られていた複数の写真を思い出しながら…。「これが…、眞鍋さん。お義父さん。」晄史、写真を見て、「えぇ。」「何と。」耀司。「凄い、凛々しいって感じですよね~~。しかも、恰幅がいい。」「建設会社一筋。」耀司、話を聞きながらに、「ふ~~ん~~。」そして…、「何かしら、圧倒されるような…。…って言うか…。」自分でそういう風に言ってみて、顔を傾げて、「あれ…???あは。そっか~~。うんうんうん。」ひとりで納得して…。そんな高井戸を晄史、「高井戸さん…???」耀司、「あ、いえ…。いやいやいや。圧倒されるって、ねぇ~~。晄史さんや睦美さん。…それに、おかあさんも一緒に日本に連れて来て結婚って言うんだから、凄いよ。うんうんうん。確かに。しかも、こんな凄い家。」「それは僕らも最初、驚きました。」耀司、晄史の声に、「えへ…???」「元々、お義父さんには奥さんも子供さんもいて、結婚する前に、この家を建築したらしいんです。」「へぇ~~。そうなんだ~~。」「…でも…。列車事故で、奥さんと子供さん、亡くして。」「うそ。」「脱線事故だったらしいです。」誓、キッチンの方から、「私もその話聞いてビックリ。」耀司、「何と。」「葬儀には、建設会社の人もたくさん列席したそうです。社員や上層部からも愛されていた人だったって。自分から、俺は恵まれているって、いっつも言ってましたから。」睦美。耀司、「そうだったんですね~~~。」ふと思い出す耀司、「ははは。ウチのカミさんも…。」顔を傾げて、「かな~~~。ははははは。」誓、「へぇ~~~。」耀司、「あ。でも、葬儀はこじんまりと。家族葬でしたけど…。でも…、病院の院長や看護総師長は、勤務の途中で…。あ、ほら。コロナで中々…、以前までの何人も集まっての葬儀って…。出来なくって。」誓、頷きながら、「あ~~~。うんうんうんうん。」「けど…。」耀司、「葬儀が終わった後の方が…。もぅ毎日。」晄史、「へぇ~~~。」高井戸を見て、「高井戸さんの奥さんも、愛されてたんですね~~。」「1年前ですけどね~~。」誓、「娘さん、その時。」「えぇ。2週間は落ち込んでました。…はは。でも…、妹がね。いつまで落ち込んでんのよ。って。」晄史、高井戸を見て、「木守さん…???」 ママでいい…。 vol,085. 「芙美花と言います。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.16
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睦美、誓は見ずに、その声に、「んふ…???…それが…???」誓、「高井戸さんの娘さんって、どんな料理、作るんだろ。…って、言うか、高校2年生の作る、料理か~~。気になるぅ~~~。」睦美、そんな誓に、「えへ…???」「…って言うか~~。」誓。「私もお義姉さんも、料理は小学生から…???」睦美、「うんうんうん。」誓、いきなりキッチンの中から、「高井戸さん。」耀司、すぐさまキッチンに顔を、「あ、はい。」「娘さんって、いつ頃から料理。…作れるように…???」耀司、その声に、「あ、いや…。」瞬きしながら、「物心ついた頃には既に、作れてたかな~~。妻の手伝いをするようになったのは確か、2歳の頃からです。…だから…。小学1年生の頃には既に…。カレーやシチューなんかは当たり前に。」晄史、「うそ。」目を丸く。暁美はソファで新聞を見ながら、「ん~~~???」誓と睦美、顔を見合わせて、「小学1年っ。凄っ。」耀司、ふたりを見て、「えへ…???…それが、どうか…???」誓、高井戸に顔を左右に振って、「ううん。」睦美、「高井戸さんの娘さんって、どんな料理を作るのかな~~って、思って。」耀司、「あぁ~~~。ははははは。何でも作れます。多分。」そして…。考えながらも、「…って言うか…、作れないものは、ないんじゃないかなって…。僕は思います。僕の想像に付く料理はまず作れますね。…って言うか~~。ここ数年は、創造料理も増えてましたね~~。」睦美、「そうぞう料理。」誓、「あん。つまりは、料理。…と、言うか~~。自分でレシピを作るって。何ていうかな~~。当て嵌まった料理じゃないって感じの。」睦美、目をアチラコチラに。「な、る、ほど。当て嵌まった、料理じゃない。」耀司、「妻の仕事が夜勤の時になんて、自分で作ってましたから。」暁美、「あら。高井戸さんの奥様って、夜勤…???」耀司、暁美に、「えぇ。看護婦だったんで。病院の。」「あらそぅ~~~。うんうんうん。大変なお仕事よね~~。」睦美、「そっか~~。当て嵌まった料理じゃない。そうぞう料理。ふ~~~ん。」そんな義姉に誓、「えへ…???…どうしたの、お義姉さん。」睦美、すぐさま、「えっ…???…あ。はは。ううん。…何でも。」そして、瞬間、睦美の脳裏に浮かんだ景色。とある…、一室。スタジオであろうか。睦美の作った料理を美味しそうに食べているひとりの男性。「さすが、睦美の作った料理。最高~~。」睦美、「うんうんんじゃんじゃん食べて~~。」ニコニコ顔の男性。そして…。すぐにその景色は消えて。「え―――――――っ!!!…凄いですね~~。」いきなり聞こえてくる晄史の声。睦美、思わず、「えっ…!!!」誓、「何々、どうしたの~~???」キッチンからテーブルに。晄史、誓に、「えへ…???…え~~とね~~。」そして誓に、「はい。ここで、問題です。高井戸さんのおとうさんの職業は…???」誓、思わず、「はっ…???」いきなり瞬きして、両手を前に振り振りして、「いやいやいや。絶対に分かんない。」耀司もニコリと、「ですよね~~。…って言うか、分かったら凄い。」晄史を見て。晄史も、口を開けて、「あ~~。そっか~~。分かんないか~~。」誓、「分かる訳、ないじゃない。」耀司、「かかかかか。水道局の職員です。…って言うか、だった。今は…。嘱託ですけどね。なんせ、年齢が70ですから。」暁美、「ごめんなさいね~~。私は、少し、部屋で。」晄史、「あ、うん。」「高井戸さん、ごゆっくりと。」睦美、「後で起こすね~~。」自室に向かう暁美、頷きながら、「お願い。」誓、「お義母さん、新しい翻訳の仕事で、ちょっと、疲れてるかも。」耀司、「あぁ~~。なるほど。」晄史、「ででで。高井戸さんのおとうさんの趣味。なんだか。」ニコニコと。耀司もニッコリと。「これも…。」顔を傾げて、「分かんないでしょう~~。」誓、いきなり顔をクシャリとさせて、「え~~~~???…って、70歳で趣味。」「もしかして…。…ベーシストとか…。ベース。」睦美、サラリと。いきなり耀司、ドキン。晄史、目を真ん丸に、「うそ。」姉に顔を。「凄い、姉さん、なんで分かったの…???」いきなり睦美、こちらも目を真ん丸に、「うそっ!!!…ほんとなの…???…ベース…???」思わず微笑みながら、「はは。あはははは。完璧に、あてずっぽう~~。つい。ついつい。高井戸さんがジャズ好きだからって、単に。…なら…。いや…。おとうさまの事は場外で…。いきなり頭の中にベース。」誓、「いやいやいや。お義姉さん、凄っ。」晄史も、「姉さん。」耀司、「…って言うか、僕の方こそ驚いた。いきなれペースって。」睦美、慌てて、両手を前に、「あ、いや…。いやいやいや。これは単に。だから、ジャズって…。だからベースって。あはははは。」そして睦美、顔を傾げて頭を左手でペン。「あは。」 ママでいい…。 vol,084. 「娘さんって、いつ頃から料理。…作れるように…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.15
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「ねぇ~~。」景織子。「そんな事、言い出したら、さすがだよ芙美花~~。」千愛も詩乃も、「うんうんうん。家事全般、OK~~。」芙美花、「ん~~~。…でも、それだけは、しょうがないかな~~。あんまり記憶ってないんだけど~~。ちっちゃい頃からおかあさんの手伝いばっかりやってたって言うから~~。…だから。」顔を傾げながら、「小学の時から料理、作れちゃってたし~~。おかあさんと一緒にいっつも、買い物行ってたしね~~。」千愛と詩乃、「かかかかか。とにかく芙美花、凄いわ。」詩乃、「こ~~ん友達がいるんだよ。私は泣きたいよ~~。」3人、「かかかかか。」「な~~に言ってるかな~~。」「おぃおぃ。友よ。」千愛。眞鍋家、既にテーブルにはたくさんの料理が…。晄史、「それではまず、乾杯。」そして高井戸を見て、「すみません、高井戸さん、お昼前からで、しかも…、車ですから、ノンアルで。」耀司には、ビールグラスのノンアルコール。耀司、そんな晄史に、右手を振って、「いえいえいえ。…それにしても、凄い料理。何だか、飲み会か忘年会か新年会みたいな…。」そんな声に睦美も誓も、「ふふふふふ。」晄史、「では。乾杯~~ぃ。」「乾杯。」それぞれがニコニコと。晄史、高井戸に、「どうぞ、どうぞ。好きなものを…。」高井戸、「みんな、美味しそう~~。」料理を見ながら。「何だか、映画に出て来そうな料理って感じも。」誓、「いやいやいや。そんな…。映画に出て来るなんて、そんな、大袈裟な。」そして、舌をチロリと出して、「但し。オードブルは一切ありません。みんな、私とお義姉さんの手料理です。」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「凄い。わお。へぇ~~~。」晄史、「まぁ…。姉さんも誓も、こと料理に関しては~~。得意な方かな…。」耀司、サラダと唐揚げを。そして…。「うんうんうん。美味しい。」そして晄史と誓、睦美を見て、「うんうんうん。美味しいです。」3人共にニッコリと。晄史、「唐揚げは姉さん。…で、高井戸さん、そのサラダ、食べてみて。」その瞬間、睦美と誓が、「ふふふふ。」耀司、サラダに箸を。「これですか…???」晄史、「うんうん。」耀司、一口。すぐさま、「うっ。」目を丸く、「旨~~~。ははははは。何と。カラシ…???」誓、「カラシマヨ。で、春雨サラダ。」耀司、顔をコクリと、「うんうんうん。からしマヨネーズ。そして春雨~~。これ、いいわ~~。」そしてまた唐揚げを。いきなり耀司、目を閉じて顔を天井に、「ん~~~。お~~いし~~。」晄史、「ははははは。」睦美、左手を口にニッコリと。誓は、「ははははは。」暁美、「嬉しそうなお顔。」耀司、「いや。本当に美味しいです。さすがに。いやいやいや。娘も料理は出来ます。…いや。やっぱ、それ以上ですね~~。」暁美、「おや。娘さんが料理。」睦美、「高井戸さん、奥様が亡くなって、家事は全部娘さんが。」その声に暁美、「あぁ~~。はいはい。なるほど~~。…でも、凄いわね~~。…確か…、娘さんって、高校…。」耀司、「えぇ。高2です。」暁美、微笑ましい顔で、「立派だわ~~~。…中々どうして…。今の時代、社会人でも家事なんて…。まっ。様々あるでしょうけど…。殆どが仕事で…。料理を作るよりも外食って時代。…そんな中で家事が出来て、料理が出来る。凄いわ~~~。」耀司、その声に照れながら、「あ、ははははは。はは。えぇ。ありがとうございます。」暁美、「ささ。どんどん召し上がって。ふたりとも、まぁ、朝早くから準備で…。」その声に耀司、誓と睦美を見て。睦美、誓、思わず顔をコクリと。耀司、「いやいやいやいや。ありがとうございます~~。」誓、「へへへへへ。」飲んで食べて、話も盛り上がって。凡そ1時間半程度。テーブルには再び淹れ立てのコーヒーが…。料理は…、大盛況で、残食なし。晄史、「ははははは。高井戸さん、食べましたね~~~。」その声に耀司、「いやいやいや。頂きました~~。何とも…。」キッチンでは睦美と誓が洗い物を。既に食べ終わった皿から睦美と誓、どちらからともなく洗い物をしていたが…。誓、義姉に、「凄~~い。気持ちいい程に完食~~。」睦美も、ニコニコと、「うんうんうん。はは。」誓、「何とも、作り甲斐があったわ~~。はははは。」このふたりの声は、水の音と食器の触れ合う音で晄史と高井戸には聞こえていない。誓、洗い上がったものを拭きながら、「お義姉さんは~~。会ってみて、間もない人との一緒の食事。もし手料理を遠慮がちに食べてくれる人と、俄然、美味しそうにモリモリ食べてくれる人と、どっちが好き…???」その声に睦美、僅かに考えながらも、「ん~~。やっぱり、作った方としては美味しく食べて欲しいよね~~。」誓、お皿を吹きながら、「やっぱ、そっち。」 ママでいい…。 vol,083. 「映画に出て来そうな料理」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.14
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「家で仕事をするようになってからはもぅ~~~。インスタントです。」耀司。暁美、「家で、お仕事。」晄史、「高井戸さん、Webデザイナーで、元々会社勤務。…けど~~。コロナで外出自粛になってからは在宅ワークになったんだって。」「あらま~~。」暁美。「じゃあ…、毎日、自宅でのお仕事。」耀司、「はい。そうなります。」「じゃあ~~。お家の方も、毎日、おとうさんが家で。安心ですわよね~~。」「えぇ。まぁ。家には私と娘だけ、なんですけどね。」「まぁ。」暁美。「じゃあ…、奥様は…。」「去年…、亡くなって。」「あら。」暁美、何かしら申し訳なさそうに。「ごめんなさいね。私ったら。」いきなり右手を振りながら耀司、「いえいえ。お気になさらず。今ではもぅ、娘と二人三脚で。」「娘さんは、今、お幾つ…???」「16です。」「…と、言う事は~~。」晄史、「高校2年生。」「おやおや。」暁美。「じゃあ~~。来年は、お受験。」耀司、またコーヒーを一口。「えぇ。」誓、「物凄い可愛い娘さん。」暁美、誓の声にニッコリと。「そぅ~~。」そして、「へぇ~~~。高2の娘さんがいらっしゃる~~。そりゃ、可愛いでしょう。」耀司、その声に、「はははは。えぇ。自慢じゃありませんが、自慢の娘です。」誓、また、「家事、全部、やっちゃうんですって~~。」暁美、目を真ん丸にして、「あら。なんとまぁ。素敵な娘さん。」耀司、照れながらも、「いや。何の事はない。」頭を掻きながら、「僕が、家の事は全く…。」顔をコクリと。「全然、ダメなんで。」「あら。」「子供の頃から全く。家の事は…。」誓、「凄いんだって。高井戸さんの実家。和歌山の…。男子台所に入るべからずって。」その声に暁美、誓を見て、「あら~~~。」耀司、可笑しくなって、「そうなんです。…って言うか、何故か、近所のおばちゃんたちのウチの台所、溜まり場になっちゃってますから。」瞬間、暁美、可笑しくなって、「はははは。おやおやおや。」「もぅ~~。完璧に、道端から玄関の方に…。途中から2つの分かれ道になってます。玄関までの足あとより、勝手口までの足あとの方がはるかに多い。」暁美、「あらららら。」晄史も誓も、「うそ。ホントですか~~???」耀司、大きく頷いて、「うんうん。ほんとほんと。となりのおばちゃんなんか、もぅ好き勝手に朝昼晩、一日に何度も。」誓、「す~~ご~~。」耀司、「まぁ。田舎なんて、そんなもんです。今で言う、コミ力…???」誓、「あ~~、うんうんうん。」「半端ないですから。」晄史と睦美、「コミ力。」誓、「うんうん、要は~~。コミュニケーションの力。略して、コミ力。」睦美、フィンガースナップ、「あっ、そっか~~。」晄史も、「な~~るほどね~~。」仕事中に汐梨、腕時計を見て、「兄さん、今頃…。」そして、何やら、「ふふふふふふ。」「な~~んか、久し振りだよね~~。芙美花とこうして日曜日に会えるなんてさ~~。どんくらい振り…???」景織子。千愛と詩乃も、「うんうんうん。どんくらい…???」芙美花、「う~~ん~~。…もしかして…、9か月…???」詩乃、「そっか~~~。」「…ってか。今、家の中。」千愛。「うん…???…はは。バセットひとり。」「ワンちゃんの…???」「そう。お留守番。…でぇ~~。夕方は~~。おばちゃんが、姪っ子を連れて我が家に来る。」「…で、家事をしてくれる。って。」芙美花、「そういう事~~。」千愛、「でも、その…、おばちゃんも、大変じゃない…???…自分の家と芙美花んちと両方~~。」芙美花、その声に、「う~~ん。私もそう思ってるんだけど~~。…でも、これぱっかりは、おばちゃんから言い出しちゃったからね~~。…けど、おとうさんには、早く家事出来るようにって、釘は刺してはあるんだけどね~~。…どうなりますやら。」景織子、ストローをジュースを吸いながら、「かかかかか。家事全くダメってね~~。」「まぁねぇ~~。おかあさんがおとうさんと結婚する前から、家事は私がやる。あなたは外で仕事って。…って言うか、おとうさんがおかあさんに僕は家事出来ませんって、宣言したくらいだから~~。」「まぁねぇ~~~。男性が家事出来ない。まっ。そりゃ当然かも知れないけど、今の時代。どうなんだろ。」景織子。「ねぇ~~。千愛~~。詩乃~~。家事、する…???」千愛、「…って言うか、景織子、すんの…???」「やる訳ないじゃん。おかあさんいるもん。」そこまで言って景織子、芙美花に、「芙美花、ごめん。」両手を合わせて。芙美花、「かかかかか。はは。大丈夫だよ。もぅ~~。今更~~。」「…ってか。」千愛。「ウチのおとうさんだって、全く家事、出来ないよ。家にいても…、な~~に、やってんのかな~~???…って言うか、私も、日曜日や祝日なんて、家にいないから。かかかかか。分かんないけど。」詩乃、「かかかかか。大概、私たちと一緒だし~~。」「ビンゴ~~~。」 ママでいい…。 vol,082. 「娘と二人三脚で。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.13
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ナビとスマホで場所を。晄史から送られてきた住所を見ながら。助手席には途中で買い求めた洋菓子の箱。そして…。「…この辺…???」車をゆっくりと…。運転席側から辺りを…。「おっと。あった、あった。」そして車を路肩に止めて。スマホで…。すぐさま晄史の声、「晄史です。高井戸さん…???」耀司、「あ~~。はいはい、高井戸です。着きました。眞鍋さん。」晄史、スマホを耳に、「着きました…???…あ、はい。」リビングからサッシの方に。そして、外の方を見ながら、「高井戸さん、ウチの玄関の近くににガレージがありますよね。」耀司、車の中から、「あ、はい。何か、凄い高級車。」晄史の笑い声。「あははははは。はい。お義父さんの車なんですけど…。殆ど乗ってなくって。…隣に車、止めて下さい。お客様用にと2台分、あるんです。」「あ、はぁ~~。なるほど。…確かに。1ヵ所、空いてます。」そして耀司、玄関のチャイムを。中から、「は~~い。」ドアが開く。耀司、「こんにちは。」そして辺りを見ながら、「何か、凄い佇まい。」晄史、「えへ…???」晄史から案内されて眞鍋家のリビングに。耀司、「こんにちは~~。」キッチンで誓と睦美、「こんにちは~~。」誓、義姉に、「ほらほら。お義姉さん。」キッチンから睦美を追い出すように。睦美、そんな誓に思わず、「えっ…???」耀司、睦美にペコリと、「こんにちは。」睦美、僅かに顔を赤く、「あ、はははは。」そしてまた、「こんにちは。はは。好きなところに…。」そして…。ソファに座って男性を笑顔で迎える暁美。「いら~~っしゃい。」耀司、照れるように、「初めまして。高井戸と申します。」頭をペコリと。そして持っている箱を、4人を見ながら、「これ。途中の洋菓子ショップで。」頭を撫でながら、「皆さんの…、その…、好みが、分からなかったものですから、お任せで。」睦美、ニッコリと。「わぁ。ありがとうございます。」笑顔たっぷりに。晄史、キッチンに入りながら、「ありがとうございます。」誓もニコニコと、「ありがとうございます。」ソファの女性、「あらあら、そんな…、お気になさらないで。ささ。どうぞ、お好きなところへ。」そして女性、立ち上がってペコリと。「初めまして。眞鍋、暁美(あけみ)と申します。晄史と睦美の母です。」睦美、箱をキッチンのカウンターに。暁美、「何やら晄史がご無理に誘ったようで。」耀司、「いえいえ。とんでもない。」右手をヒラヒラと。睦美、「どうぞ。」ソファに高井戸を。耀司、「あ、ありがとうございます。…それでは…、失礼して。」女性の対面のソファに。睦美は端の方に。耀司、「何やら、凄い車が…。」その声に暁美、「あぁ。ははははは。亡くなった主人の。」「あぁ~~。はいはい。」「主人のお話は…。」「あ~~。はい。晄史さんから少し。」「建設会社で…。」「あ、はい。そう…、伺っております。」誓、ソファにコーヒーを。「は~~い。まずは高井戸さん。いらっしゃませ。」耀司、ペコリとして、「はは。はい。いらっしゃいました。」ニッコリと。すると暁美、すぐさま、「ほほほほ。」晄史、「お口汚しです。コーヒーで…。」耀司、すぐさま晄史を見て、「いや。凄いですねぇ~~。晄史さん、日本語~~。ははははは。お口汚しなんて。」晄史、ニッコリと。「誓に教えてもらいました。」耀司、誓を見てニッコリと。「さすがに、先生~~。」誓、高井戸を見て舌をチロリと、「へへ。」晄史、自然に高井戸の隣に。睦美は端のソファから、母の隣に。誓は暁美と高井戸寄りのオットマンに。耀司、「とにかく、凄い佇まいで驚きました。」晄史、「お義父さんが建設会社だったから。」耀司、そんな晄史を見て、「うんうんうん。我が家なんて、この…半分くらいかな~~。」晄史、「娘さんとふたりで。」耀司、「うん。まっ。実家…、って言ったら…。」顔を傾げて、「うん。まま。こちらの家と同じくらいは…。…けど…。いや。古い家ですから、もぅ~~。日本の昭和時代の…。築…、何年だろ。今…、令和…。平成…。昭和…。ん~~。かかかか。今、親父が70だから~~。当然。」暁美、「お生まれは。」すぐさま耀司、「あ。はい。和歌山です。」睦美も晄史も誓も、「うんうんうん。」睦美、「コーヒーどうぞ。熱い内に。」耀司、「ありがとうございます。」一口啜り、「うん。美味しい。…挽き立てですね。」誓、「うん。」「前はインスタントだったんだけど~~。」晄史。「誓と出会って~~。挽き立てのコーヒーを淹れてくれたんですよね。それを飲んだら、はは、逆にインスタント、飲めなくなっちゃって。」耀司、頷きながら、「うんうん。分かります。とにかく香りがね。…違いますよね。」晄史、「高井戸さんは普段。」その声に耀司、「僕は…、今は、インスタントですね。会社では、それこそ、豆。拘るスタッフがいたもんで。」 ママでいい…。 vol,081. 晄史から案内されて眞鍋家のリビングに。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.12
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睦美、晄史に、「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」晄史、そんな姉に、「…って言うか、姉さん、ウチに高井戸さん呼ぶの反対なの…???」「いや。…反対って言うか。…そんなんじゃないけど…。ただ、いきなりって…。…その…、何も話しもなく。…いきなりって…。」「いや。…だから、姉さんにラインしたじゃない…???…高井戸さん、家に呼ぶよって。」「そうじゃなくって~~。前以て~~。」そしていきなりトーンを低くして睦美、「話してくれたって。」両腕で何かしらのゼスチャーを淡々と。小さな声で、「ここはこうで、あぁなって、こうですよ。…そんな感じでやってくれないかな~~。」晄史、そんな姉を見て、「姉さん、何やってんの…???」「あ。いや。…だから~~~。前以て~~。」「あ。そっか。つまりは、高井戸さんと話す前に姉さんに一言って。それの事。」間髪入れずに睦美、「そうです。そういう事です。」晄史、その声に、「そっか~~~。うんうんうん。そうかもね~~。ごめんね、姉さん。僕、勝手な事して。ごめんなさい。」姉にコクリと。そんな晄史を見て睦美、いきなり口を尖らせて、「あ、いや…。…そんな…、謝ってもらうって程の…。そんな…。」晄史、首を振り、「んや。謝る。ごめんなさい。」睦美、「あ、いや…。だから…。そんな…。」晄史、空を見て、「あ。そうなると~~。姉さん。」晄史も部屋着で。睦美、「何よ。」「…と、言う事は~~。僕が高井戸さんに~~。何か話すという時は~~。必ず~~。姉さんに一言、前以て~~、話しておかなきゃいけない。…つまりは、姉さんの許可が必要になる。…と、言う事になるけど…。」瞬間、睦美、「はぁ~ぁ~~あ…???」大きな口を開けて、また眉間に皺を。「いやいやいや。何でそうなるのよ~~。何で私に許可~~~???」「いやいやいや。だって、今、姉さん。前以てって言ったから。僕が高井戸さんに何か話さなきゃいけないときは…。」「いやいや。」睦美、何かしらムキになったような…。「べ、別にそういう意味じゃ。」「じゃ、どういう…???」口を尖らせての晄史。「だってさ。高井戸さん、僕にとっては友達って。高井戸さんも喜んで友達になってくれるって言ってくれてるけど。」睦美、「いやいや。だから。まま、確かに。友達って。それは、それで構わない。けど…。…でも、そんな…。いきなり家にって。」「誓は喜んでくれたけど…。」玄関から、「ただいま~~~。」晄史、玄関に、「おかえり~~~。」リビングに誓、「お義母さんは…???」すぐさま、「あぁ~~~。翻訳。」「何かしら、長編の翻訳だって~~。新しい仕事、頼まれちゃったみたい。」睦美。誓、「へぇ~~ぇえ~~。凄いやお義母さん。とにかくコンスタンスに仕事~~。さすがはトリリンガル。」晄史、「姉さん高井戸さんに話すときは前以て姉さんに一言。そして、許可を取るべしって~~。」誓、その声に、「へっ…???」瞬間、睦美、両手をヒラヒラと、「ややややや。そんな。」慌てながら。誓、「うそ。」義姉を見て、目をパチクリと。睦美、「いやいやいや。そんな…許可って。」誓、義姉の隣に座って、「なんで、なんで???…いいじゃん、高井戸さん。ウチに呼ぶの、何で許可…???」睦美、誓に、「いやいやいや。許可って。何も。」誓、「私は大賛成~~。高井戸さん、いいも~~ん。気さくだし、楽しいし。いろんな話出来そう~~。」晄史、「ほら。」睦美、思わず顔を下に、「んもぅ~~~~。」誓、そんな義姉を見て、「お義姉さん、何か…、問題でも…???」「問題って…。…別に、そんな…。」「…って言うかさぁ~~。」晄史。「まさか…。高井戸さんをウチに呼んで~~。その時に、姉さんがいない。な~~んてなったら、それこそ、不自然じゃない…???…折角4人で知り合って…。」そこまで言って晄史。「…って言うか、元々、姉さんの音楽教室の、レッスン生のおじさんって。だから、僕も~~。親しみやすいなって。高井戸さんも快く、受けてくれたし~~。…で、今じゃない。…って言うか~~。高井戸さん、僕の友達でもあるんですけど。」誓、「私の、友達でもある。しね。」晄史、ニッコリと、「うんうんうん。」睦美、思わず両肘をテーブルに。そして両手で両頬を唇をムニュッと丸く。「芙美花~~。じゃ~~。行ってくる~~。」玄関で。芙美花、2階から、「は~~い。行ってらっしゃ~~い。私ももうぐ出掛けるから~~。」玄関まで見送りのバセットに耀司、「バセット~~。では、行って参ります。留守番、頼む。」そんな耀司にバセット、「ワン。」ドアから耀司、チラリとバセットに、「じゃね~~。」バセット、顔を傾げて、「クゥ~~ン。」ドアが閉まるとバセット、リビングのまた自分の定位置に。耀司、ガレージから、「さてと。」 ママでいい…。 vol,080. 睦美、晄史に。「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.11
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麻沙美、芙美花の手を握ったままで、芙美花に顔を。「お姉ちゃん、演奏会、かっこ良かった。」その声に芙美花、麻沙美の頭に顔を落として、「へぇ~~???…ふふ。うん。ありがと。」「お姉ちゃん、これからもあんな風に…???」芙美花、チョコンと顔を傾げて、「う~~ん~~。どうかな~~。お姉ちゃん、確かに~~。クラリネットは好きなんだ。麻沙美がピアノが好きなのと同じように。」麻沙美、「うん。」バセット。ゆっくりとアチコチ見ながら歩いている。芙美花、「でも…、麻沙美がピアノを弾き始めたのは~~。今、麻沙美が5歳だから~~。…でも、お姉ちゃんがクラリネットを始めたのって…。」そこまで言って芙美花、思わず顔を傾げて、「あれ…???…私、何歳からだっけ…???…クラリネット、始めたの。…確か…、小学…???」そして芙美花、いきなり麻沙美の顔の位置まで腰を低く、「麻沙美よりず~~っと後になってからクラリネットを始めた~~。」麻沙美、驚いて、「え~~~???…うそ~~~。麻沙美よりず~~~っと後なの~~。」バセット、その場を足踏みするように。そして麻沙美のホッペをペロリン。麻沙美、「はははは。バセット~~。」芙美花、そんな麻沙美に、顔をコクリと。「うん。そうだよ~~。はははは。」麻沙美の頭を撫でて、そして立ち上がる。その時、2匹のポメラニアンを連れた夫婦連れが…。いきなり麻沙美、「あ。かわいい~~。」バセットもすぐさま、そのポメラニアンに。芙美花、いきなり、「あ、バセット、こら~~~。」3匹共に、何かしら引き合うように。夫婦たちもお互いに顔を見せ合い、「あらあら。」「ははははは。」芙美花、ポメラニアンを見ながら、「はは。か~~わいい~~。」男性が、「ほほぅ~~。バセットですか~~。」麻沙美、「うん。バセット~~。」女性が…、「お名前は…???」麻沙美、「バセット~~~。」男性、女の子を見ながら、「おやおや。そうかい。」芙美花、「名前も、バセット。そのまんまなんです。」夫婦共に頷きながら、「へぇ~~~。」女性が、「立派なワンちゃん。」男性も、「何とも逞しい限り。用心棒みたいな…。」そこまで言って、頭を掻いて、「あ、いや。ははははは。失礼な事を。」芙美花、ニッコリと、「いえ。我が家の用心棒です。不審者には、しっかりと吠えますから。」男性、「おやおやおや。大したもんだ。」3匹の犬、何かしらじゃれ合うように。女性、そんな3匹を見ながら、「まぁ、まぁ。この子達ったら~~。」芙美花、2匹を見て、「えっと~~。何て言う…。」夫婦どちらからともなく、「ポメラニアンです。」いきなり芙美花、「あ~~、あ~~。はいはい。うんうん。聞いたことある名前~~。可愛いですよね~~。」女性、ニッコリと。「ありがとうございます。」男性も、「ありがとう。」そして男性、「我が家のアイドルです。」白髪交じりの髪に口から顎までの同じように白髪交じり髭を蓄えて…。瞬間、芙美花、祖父を思い出す。夫婦連れ、笑顔で、「では。…私たちはこれで…。」芙美花も笑顔で、「あ、はい。さようなら。」そして2匹の犬に、「バイバ~~イ。」麻沙美も、「バイバ~~イ。」夫婦連れが離れて行く。バセット、再びふたりの前になって歩き始める。芙美花、「はは。何か、おじいちゃんとおばあちゃんに会った感じ。」麻沙美、芙美花に、「う~~ん~~。何か言った~~???」芙美花、そんな麻沙美に、「あはははは。聞こえたか~~。おじいちゃんと~~、おばあちゃんみたい~~って。」その声に麻沙美、「え~~~ぇえ~~???」芙美花、可笑しがりながらも、「ふふ。うんうん。」晄史からのラインで睦美、いきなり目を真ん丸に、「!!!」口に右手握り拳を。そして、「うそ。」そしてラインでササササと、「どういう事…???」するとまたライン。「だから、高井戸さんを家に招待。」「招待って。そんな、いきなり。」「でも高井戸さん、OKしてくれたよ。誓なんか、喜んでた。」思わず睦美、顔を崩して、「え~~~ぇえ~~???」睦美、思わず顔を下に。そして右手で顔を覆うように。「眞鍋さ~~ん。今、リスト送った~~。お願~~い。」その声に睦美、「あ、あ、は~~い。」睦美、勤務時間終了。相手が勤務時間であろうがスマホで、「もしもし、晄史…???…仕事終わったから、話は家で。」晄史の声、「了~~解。」「どういうつもりよ。」睦美。眉間に皺を寄せて。全身オフホワイトの部屋着。缶ビールを飲みながらの晄史、「どういうつもりって。単に、高井戸さん、ウチに誘っただけだけど。」「どうしてよ。」「いや。どうしてよって言われても…。」顔を傾げての晄史。誓はまだ戻っていない。それほど遅くはならない。との事。暁美は書斎で翻訳の仕事中。 ママでいい…。 vol,079. 「お姉ちゃん、演奏会、かっこ良かった。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.10
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学校から帰って来ての芙美花もその話を聞いて、「へぇ~~~。」耀司、「まま、何て言うか、俺自身もさ。かかかかか。この歳で、何かしら、新しい…???…何か、新鮮な…、友達…???…って。言うのが増えたみたいで…。ははははは。」その声に汐梨も、「あ~~ん。うんうんうん。それは…、あるかも…知れないな~~。まっ。私の仕事はウェディングプランナーだから~~。次から次へと、新しいお客さん…???」芙美花、コーヒーを飲みながら、「うんうんうん。」「まっ。お客さんって言っても、当然、アフターケア~~。結婚して、はいさようなら。…だけじゃなくって~~。結婚してからのお付き合いも…。だから、これから結婚する。で…、結婚した後も、お付き合いは続くわけだけど~~。…そんな事言ったら、勝臣だって、旅行会社、添乗すりゃ~。…けど、兄さんは…。」耀司、その話に、「そう。だから電話来た時、晄史さんから。俺の場合は自宅での仕事。以前と違って外で仕事している訳じゃないから。…と、言っても、この歳になればもぅ~~。新しい友達って。」芙美花、「そうなんだ~~~。」そして、少し考えた風に、「確かに。おとうさん。コロナ前だったら結構~家に帰ってくるのも…。…けど…。コロナが終わって~~。…で、去年はおかあさんが…。めっきり、外に出るって…。ほんと。たま~~に。だもんね~~。おとうさん、家では全くお酒、飲まないし~~。」耀司、「まっ。この辺に馴染みのお店がある訳じゃなし。かかかか。ひとりで酒飲んでも…。…逆に、家で仕事をする事になると、仕事の方が捗るって言うか、朝から夜まで仕事三昧。それこそ、お客さんが喜んでくれるよ。仕上がりが早いって。」汐梨、「そりゃそうでしょ。会社って言う、縛られるものは何もない。しかも兄さん、企業からすれば取締役みたいなもんでしょ~~。」「まぁねぇ~~。管理、やってるからね~~。」「ふん。いいんじゃない…???…眞鍋家。私も良いと思うよ、眞鍋さん。話しやすいし、昨日だって、楽しかったし。」耀司、その声に、「うんうんうん。」「まっ。」そして汐梨、「かかかかか。少し、話が早~~っては、思ったけどねぇ~~。」耀司、その声に、「ふん…???…何が…???」「晄史さん。眞鍋さん…???…あの人って、物凄い、近寄りやすいって感じ、昨日初めて見たけど、すぐに感じた~~。物凄い気さくさって言うか~~。」耀司、「うんうんうん。」「まっ。当然、私たち、年上なんだけどさ~~。それでも、中々の親近感、あるのよね~~。」耀司、その声に、「それには俺も同感。…しかも…、何て言うか~~。まま、これは向き不向きもあるとは思うけど~~。親近感のある、包み込むって感じの提案、ポンと出してくる。」「あ~~。それ。」汐梨、2度頷きながら、「分かる、分かる。」「全く以てナチュラル。とにかく、日本語が上手い。」「ん~~~。だよね~~。」芙美花、話を聞きながら、「へぇ~~~。」耀司、「まっ。何れにしても、話をしていると話は進むよな~~。…しかも、仕事の話しばかりじゃなくって、いろいろな話も出来るって感じ。」汐梨も、「同感。」芙美花、また、「へぇ~~~。…そうなんだ~~。」耀司のスマホに着電。「おっと。クライアント。」そのまま仕事部屋に。芙美花、「そっか~~~~。」汐梨、「さてと。夕食、やっちゃおぅ~~。」芙美花、叔母に、「あ。私も手伝うよ。」「な~~に言ってんの~~。私がいるんだから~~。芙美花、自分の好きな事やんなさ~~い。あ。麻沙美とバセットの散歩、たま~~には、いいんじゃない…???…おっと、ルンバ、ごめん。かかかか。」汐梨、ルンバに。「お掃除、ご苦労~~。」麻沙美はバセットの傍でうつ伏せになって絵本を読んでいる。芙美花、「ふん。だ~~ねぇ~~。最近、定期演奏会、忙しくってバセットと散歩もしてないもんね~~。バセット~~。散歩行こう~~。」するとバセット、芙美花に振り向いて、「ワン。」麻沙美も、「麻沙美も行く~~。」汐梨、キッチンで、「はは。行ってらっしゃ~~い。」そして…、10数分後。耀司、部屋から出て来て、「あれ…???芙美花…。あ。バセットもいない。」汐梨、料理しながら、「散歩行った~~。」耀司、その声に、「あ。はは。な~~るほど~~。」「仕事の電話~~???」「ふ~~~ん。まぁねぇ~~。」「ウェルストン、儲かってるでしょう~~。」耀司、その声に、「う~~ん~~。」そして、右手を振って、「いやいや。いやいやいやいや。そんな…。ははははは。」汐梨、その声に、「完璧に、儲かっている顔だね。」「いやいや。…恐れ多い事で…。ははははは。」芙美花、バセットと一緒に、「バセット~~。ごめんね~~。最近、一緒に散歩出来なくって~~。」バセット、ただ黙って…。 ママでいい…。 vol,078. 「新しい友達」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.09
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いきなり睦美、ドキン。珠里(しゅり)に、「奈臣さん、昨日…。」 珠里、「うん。私の姉のね~~。娘が博楼の吹奏楽部なのよ~~。だから、姉と一緒に見てたの~~。会場で~~。そしたら、帰るときに玄関ロビーで眞鍋さん見つけて、あれ…???…って思ったら、何々、麻沙美ちゃんのおかあさん、木守さんと一緒だったから~~。あ、それと…、麻沙美ちゃんのおじさんと若い男性の方と~~。声、掛けづらくなって~~。私は、二階席からだったから~~。」 睦美、話を聞きながら、「あ~~~。」ニコリと。 珠里、「でも。珍しいわね。眞鍋さんが木守さんと。なんて。…ひょっとして、木守さんと、お友達に…???」 そんな話に睦美、珠里に、「あ、いえ。…実は、弟なんです。」 「弟さん…???」「えぇ。」 睦美、珠里に、「ほら。ジャズフェス。」 珠里、「うんうんうん。」 「その時に、偶然、麻沙美ちゃんのおじさんと会っちゃって。」「あら。高井戸さん。」 「えぇ。」「そしたら、いきなり弟が、ジャズフェス終わって、高井戸さんに、食事誘ったんです。」 「へぇ~~。」「それからなんです。食事して、会話して。それから弟が~~。今度は、余りに偶然に博楼高校の定期演奏会のチケット。そしたら、今度は、木守さんの…、高井戸さんの娘さんも博楼高校の吹奏楽部で…。」 珠里、「あら。そぅ~~~。あの、高井戸さんの娘さん。へぇ~~~。かかかかか。」そして珠里、「高井戸さん、ありゃ中々どうして~~。どうみても、イケオジだよね~~。」そう言いながらも、「うんうんうん。娘さん。うん。確かに、高校生の娘さん、いるって感じよね~~。」 睦美、「弟の方が高井戸さんと仲良くなっちゃって~~。その流れで。」 弁当を開きながら珠里、「眞鍋さんの弟さん。今、おいくつ…???」 「私より、3つと年下ですから、35です。」 「へぇ~~。そうなんだ~~。…と、言う事は…。」珠里、空を見て、「眞鍋さんね今、38…???」 睦美、照れながらも、「えぇ。そうです。」 珠里、「そっか~~。」そして、「あは。いきなりごめんね。お弁当、食べちゃお。」 睦美、ニッコリと。「はい。」 珠里、「ははは。眞鍋さん、いつも端っこの方で、ひとりでお昼、してるからさ~~。」 その声に睦美、「あははははははは。」 実に睦美。自身としても、人当たりが良い。と、言う風には感じていない。どちらかと言うと、余り前には出ない。つまりは目立たない性格もある。けれども、一度スイッチが入ると、どこかしら説得力もある側面を持っている。しかし、そういう側面が出るという事は、稀でもある。その為に、意外と、他人と接する事が少ない。自分の事を話したがらないという側面もあると言うのが僅かでも、他人を寄せ付けない微妙なバリアみたいなものを持っている。 弁当を食べながら睦美、頭の中で、「…奈臣さん、会場、いたんだ。」 珠里も頭の中で、「…へぇ~~。そういう事~~。な~~るほどね~~。」 そして…。いきなり話は進む。 高井戸家、耀司の仕事場で、「えへ…???…晄史さんの家に。」 スマホの向こうで晄史、「えぇ。…と、言うか、高井戸さんに迷惑だったら。」 すぐさま耀司、「あ、いや…。迷惑だなんて、そんな…。」 「ほんとですか~~???…あは。嬉しい~~。誓も喜ぶと思います。」「あ、あ~~。ははははは。…あ、いや…。けど~~。僕なんかが晄史さんのお宅にお邪魔しちゃ~~。却って。」 晄史、スマホを耳に、「いえいえいえ。大歓迎ですよ~~。…って言うか~~。…実は…。あんまり…。家に、僕らの友達、来る事って…。…と。言うか。…その~~。そこまで友達同士って言う…、付き合いの人って…。」 その話に耀司、「あ~~~。はいはいはい。まっ。それは…、僕も同じですけどね~~。今や、自宅での仕事ですから。それほど会社の人と一緒に会うって事もあまり…。コロナ禍から…。まま。確かに。…その延長って言うのも変な話ですけど。コロナ前に比べて、めっきり、減っちゃいましたもんね~~。…どちらかと、言えば、みんながみんな、マイワームパパって感じで。」 晄史との話は続く。 そして…。 耀司、「分かりました。僕の方はいつでもOKです。」 晄史の声、「ほんとですか~~???…じゃあ~~、予定入れて、いいですか~~。」 「はは。どうぞ、どうぞ。」「誓も喜びます。ありがとうございます。」 「いいえ~~。」 いきなり汐梨、「はい…???」 耀司、家事の練習をしながら、「…と、言う事で。かかかかか。」 汐梨、思わずポカ~~ンと。 耀司、そんな汐梨を見て、「…って、何よ~~。その顔~~~。」 数秒、汐梨、ポカ~~ンと、したままで…。はたと。「へっ…???…あ、いや…。…いやいやいや。何とも、予想外の事で。」 そんな汐梨に耀司、「はっ…???」 「…って言うかさ~~。いやいやいや。眞鍋家に…。兄さん。」 耀司、顔をコクリ。「うん。」 ママでいい…。 vol,077. 「玄関ロビーで眞鍋さん見つけて…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.08
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けれども耀司、また、「芙美花の事、かわいいって~~。」「かかかかかか。わ~~かったから。わ~~かったから~~。はいはいはい。ありがとうございますぅ~~。」「おとうさん、物凄い、嬉しかった~~。」芙美花、ニコニコとながら、「はいはいはい。もぅ~~。寝ます~~。おやすみ~~。」椅子から立ち上がり椅子から離れる。耀司、「芙美花の事、かわいいって~~。」芙美花、歩き出す、「おとうさん…???」定期演奏会の動画は学校のグルーブラインでそれぞれが…。至る場所で湧き上がっている。定期演奏会翌日。校長室に兼高。舘脇、椅子から立ち上がり、兼高と握手。「昨日は、お疲れ様でした。そして…。実に。感動しました。」壁際で教頭の季久美もニッコリと。兼高、舘脇の言葉に微笑みながら、「ありがとうございます。」舘脇、にこやかに、「良くぞあそこまで…。感謝です。」季久美、兼高に、「もぅ~~。昨日から学校のラインには凄い反響。」兼高、ニコニコと、「えぇ。私の方にも…。同じように。」舘脇、「何より、素晴らしい演出。天晴。…と、言う以外に言葉がない。」「いえいえ。ただ、私は、演奏の為に、何かしらのお手伝いをしただけで、実際には生徒たちの努力の賜物です。オープニングからマックスでやってとお願いしてましたから。見事に、その成果を発揮してくれて。みんな、輝いてましたから。」季久美、ニコニコと、「うんうんうん。」舘脇、コクリと頭を。「これからも、よろしく。」兼高、そんな舘脇に丁寧にお辞儀をして、ロングの髪が流れるように下に、両手を前で合わせて腰を曲げたままで。「ありがとうございます。以上、ご報告まで。失礼致します。」校長室を出る兼高に、他の教職員も拍手で。「兼高先生、お疲れ様~~。素晴らしかった。」「うんうんうん。」「お見事。」「天晴。」兼高、それぞれに、「ありがとうございます。」動画を見ながら、「ほらほらほら~~。景織子~~。」千愛。景織子も詩乃も芙美花も、「うんうんうん。」「それにしても岬先生、さっすが~~。しっかりみんなの顔までアップで~~。」詩乃、「だよね~~~。」景織子、「これなら完璧に記録だわ。うんうんうん。」そして…。「キャ――――――ッ!!!!芙美花~~。」千愛。「あははははははは。すっご~~い。ソロだよ、ソロ~~。」芙美花、「もぅ~~~。心臓バックンバックン。」その声に景織子、「かかかかか。うんうんうん。確かに~~。終わってからふたりで、もぅ~~。涙、ボロボロ。」芙美花、景織子の両肩を抱き締めるように、「キャハハハハ。うんうんうん。」「それにしても、岬も中々どうして~~。やるもんだね。」岬の席に犬養。岬、そんな犬養に椅子を向けて、「えへ…???」「動画だよ、動画~~。」「あ~~~。」「撮影の仕方、Goo~~~d。」右拳に親指を出して。そんな犬養に岬、「あは。アザス。」「他の先生方も動画見てて、おほ~~~~。ははははははは。凄いなコレ~~って。あれなら定期演奏会に行けなかった先生たちも納得~~。」そしてそれは、生徒たちの各家庭でも…。高井戸家でも当然。芙美花、スマホから父のスマホに。そこから耀司、自分のパソコンにも。「良し、これでOK。」汐梨も同様に、「うんうんうん。ありがと。」そして…。動画を見ながら…。「へぇ~~。…この位置から撮ったんだ~~。」耀司。汐梨も、「うんうんうん。ここならね~~。撮りやすいかも。」「おとうさんたちは前の方だったよね~~。」芙美花。汐梨、「あら。」目をパチクリと。耀司も、「おっと~~。探した…???」芙美花、「うん。演奏中は無理だったから、その前に、ステージ入ってすぐに。満員でビックリしたけど…。」耀司、芙美花にニコニコと、「うんうんうん。」そして、動画を見ながら、「おほ。この動画、凄いや。上手に撮れてる~~。」汐梨も、「うんうんうん。確かに。生徒たちもしっかりとアップで…。」芙美花、「うんうんうん。みんな、ビックリしてた。で、驚いてた。」耀司、「確かに。こんな風に撮ってもらえたら嬉しいねぇ~~。はははははは。」麻沙美も、「麻沙美にも見せて~~~。」汐梨、「は~~い。」椅子に麻沙美を座らせて、「はい、どうぞ。ちょっと待ってね~~。巻き戻して~~っと~~。はい。ここだ~~。芙美花お姉ちゃん、出て来た~~。」麻沙美、スマホの画像を見ながら、「あ~~。ほんとだ~~。」芙美花も耀司もニコニコと笑いながら…。そして…。意外にも、ここでも…。数時間前の事である。お昼休みのヨシカワ音楽教室。職員食堂で…。「眞鍋さん。昨日はどうも。」睦美の席で奈臣珠里。睦美、思いがけずに、「えっ…???…あ、あ、あ~~。お疲れさまです。」顔を傾げて。「奈臣…さん…???」珠里、眞鍋を見て、「あん、もぅ~~。定期演奏会よ~~。博楼高校の~~。」瞬間、睦美、「えっ…???」 ママでいい…。 vol,076. 「芙美花の事、かわいいって~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.07
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汐梨、麻沙美を負ぶったままで玄関に、チャイムを。そして…。「ただいま~~っと~~。」リビングから勝臣、「おぅ。お帰り~~。はいはいはい。」汐梨、「あは。あん。お願い。」勝臣、「おぅ。」麻沙美をそのまま抱き上げて、「おかえり~~。」そして、「定期演奏会、どうだった…???」その声に汐梨、「んもぅ~~~。最高。高校生であのレベルにはたまげたわ。」「へぇ~~え~~。」勝臣、そのまま麻沙美を布団の中に。「ゆ~~っくりとおやすみ~~~。」汐梨、お茶を淹れながら…。「芙美花のクラリネットも最高~~。」「かかかかか。例のソロ。」「うんうんうん。」「ありゃ、確かに、部屋を防音にしただけの事はあるわ。」「かかかかか。確かに。芙美花ちゃんの部屋、防音。」「うんうんうん。」「…で…???…高井戸家の家事代行、まだまだでしょ。」その声に汐梨、「うん。続ける。じゃないとさ~~。このまんまだと芙美花が~~。」勝臣、「確かにな~~。はははは。俺がこんな事、言うのも変だけど…。お義兄さん…。…出来ないもんな~~。家事。」腕組みしながら。そして顔を傾げて、「あれだけ…。電気も機械もOKなのに。…なんで…???」汐梨、お茶を飲みながら、「まっ。私もそれは分かんない。子供の頃からだから。」そして勝臣、考えながらも、「そっか~~。芙美花ちゃん。…確かに。大変だよな~~。」「だからさ。ね。ね。」そんな汐梨に勝臣、僅かに顔を前に、「うん…???」汐梨のスマホにラインの電子音。汐梨、「うん…???」耀司のスマホにもラインの電子音。耀司、「うん…???」芙美花、「おとうさん…、ライン…???…こんな時間に会社の人…???」耀司、そして汐梨も、画面を見て、「あ~~~~。」晄史から、「今、帰りました~~。」睦美からも、「今日は楽しかったです。そして、ご馳走様でした。」耀司、画面を見て、「ほほほほ。」汐梨も、「ははは。うんうんうん。」芙美花、「うん…???」勝臣、「誰から…???」耀司、汐梨、「眞鍋さん。」芙美花、「あ~~。ライン、友達追加したんだ。」勝臣、「な~~るほどね~~。」耀司も汐梨にも、共に返信。自宅玄関前の晄史と睦美、互いに、「あは。返信。来た。」「うん。」耀司、「さ~~てと~~。ひとつの峠は、超えたか~~。芙美花~~。」芙美花、「うん。ひとつはね。…でも、まだまだ。」「かかかかか。確かに。」けれども芙美花、「…でも~~。」その声に耀司、「うん…???」「おばちゃん、これからもウチ。私の代わりに家事。」耀司、思わず口を噤んで。「う…、うん。ま。あ…。」芙美花、父を見て、「おとうさん。頑張ってよね。家事。いつまでも~~。おばちゃん、あぁ言ってくれてるけどさ~~。…そんな~~。」耀司、口を尖らせながらも、「わ。分かってるよ~~。」「毎日、家にいるんだから~~。」「はいはいはいはい。」芙美花、「でも…。」ニッコリと。「とにかく、おとうさんが毎日、家にいてくれるっていうのは、嬉しい。」耀司、口を真一文字にして、「はい。」「だ~~って~~。普通なら~~、会社に朝。帰って来るのって夜。私、待たなきゃなんない。」「確かに。」「おかあさんがいるんだったらいいけど…。」耀司、その声に、「……。」「まっ。確かに~~。家に帰って来て、おばちゃんがいる。…って言うのは嬉しい。…けどさ~~。気持ち的。…にも、違うじゃん。ウチは~~。高井戸。おばちゃんは~~。木守。」耀司、芙美花の声に、「う…、うん。うんうんうんうん。」「私、確かに、おばちゃんがウチの家事、やってくれるのは嬉しいし、ありがたい。…けどさ~~。そんな…、いつまでも甘えらんないよ~~。」「た…。…確かに。うんうんうんうん。」芙美花、椅子に右足を乗せて、「来年になったら、今より、もっと…。…私、大学。」いきなり耀司、目をパチリと、「志望校。」芙美花、目は下を向きながら、「まだ。だけどさ~~。…家の中。…来年は…。今より。」間髪入れずに耀司、「はいはいは~~い。娘のためならエ~~ンヤコ~ラ~~。」座りながらに耀司、ポーズを取りながらも。「うんうんうん。おとうさん。頑張るから。しっかりと大学。大学な。」芙美花、右脚に両腕を回しながら、「分かってるよ~~、分かってる~~。」耀司、芙美花を見てニンマリと。「ふふ~~~ん。」そんな父を見て芙美花、右目を歪めて、「何よ。」耀司、「あのね。眞鍋さんがね。」「うん。」「芙美花の事、かわいい~~って~~。」瞬間、芙美花、瞬き、「えっ…???」「芙美花の事、かわいいって~~。」真っすぐに芙美花を見て…。芙美花、「はは。…あ、はははははは。」まだまっすぐ芙美花を見る耀司。芙美花、思わず可笑しくなって、「や~~だ~~。…そんな顔で見ないで~~。」 ママでいい…。 vol,075. 「芙美花のクラリネットも最高~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.06
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耀司、スマホに、「あと。15分くらいかな。切るね~~。」「あ~~い。」駅に入りそのまま…。晄史、睦美、一切会話をしていない。ホームで…。晄史、姉の傍で、「やっぱり、怒ってる。」睦美、その声に、晄史は見ないで、「…だから、怒ってないって。」「でも…、あれから口、開かないし。」その声に睦美、唇をビロンと。「もぅ~~。色々と。あるのよ~~。」晄史、そんな姉に、「はいはい。」電車の音。「おっと、来た。」睦美の脳裏に蘇るあの時。…………1年前…。急ぎ足で病院の廊下を。…そして病室に…。医師とふたりの看護師。ベッドの上にはひとりの男性。睦美、医師と看護師にお辞儀して…。医師と看護師も睦美に軽く会釈を。看護師のひとりが…。「眞鍋さん。」睦美、強張った表情でベッドに。そして看護師、今度はベッドの上の男性に僅かに腰を低くして、「阪部(さかべ)さん、眞鍋さん、来ましたよ。」低い声で優しく。実は、その看護師が、高井戸祐里子(たかいどゆりこ)である。そして眞鍋を促す。睦美もベッドの男性に、「洵(じゅん)。」医師、「何とか…。…間に合って良かった。…もはや…。我々の…手を尽くす事は…。」ベッド上の男性。マスクの中…。僅かに呼吸はある。睦美の声に、何とか反応しての目が…。睦美、また、「…洵。」そして…、男性は目を閉じ…。…その数分後…。今まで波動があったはずのモニターの波動が…。数値は、「0」看護師のふたり、モニターを見て、そして医師を見て。医師、瞳孔を確認。そして…。腕時計を…。「……………。ご臨終です。」頭を下げながら。看護師ふたりも頭を。睦美、ベッド際で、「洵…???…洵…???」ベッドの上の男性を、全体を見てまた、「洵…???…洵…???」そして、今度は声を高く、「洵っ!!!…洵っ!!!…洵。」布団を叩きながら、「やだよ。…やだよ。…やだよ。やだよ。やだよ、やだよ。やだよ。」そして…。布団に顔を埋めて…。「あ―――――――――っ。」「姉さん…???」晄史の声。我に返る睦美。「あ。」晄史、電車の中で、「ドア、閉まっちゃう。」急ぎ足で睦美、「あ、うん。」そして、電車に乗って。晄史、「どうしたの…???…ボーっとしてたけど…。」その声に睦美、晄史を見て、「うん…???…はは。ううん。何でも…。」汐梨、耀司を送り届けて、「じゃね~~~。」耀司、手を挙げて、「おぅ。」そして、「ありがとうな。」「おやすみ。」「うん。おやすみ。」後部席のチャイルドシートの中で眠っている麻沙美に、「麻沙美~~。帰るよ~~。」耀司、そんな麻沙美の顔に手を振って、「おやすみ~~。」高井戸家から車が出る。チャイムを鳴らして耀司。ゆっくりと玄関にバセット。「ク~~ン。」耀司、バセットの頭を撫でて、「ただいま、バセット。」階段から芙美花、「あ、おかえり、おとうさん。」耀司、芙美花を見て、「おぅ。ただいま。今帰った。」芙美花、階段を降りながら、「うん。」そして父より先にリビングに。「今まで、音楽教室の眞鍋さんと…???」「うん。眞鍋さん、音楽教室の事務局の人と~~、その弟さん。弟さん、レコード会社のダイナムズの人。」芙美花、「うそ。ダイナムズ。凄っご~~~。」耀司、その声に、「かかかかか。」芙美花、目を真ん丸に、「めちゃくちゃ凄いじゃん、ダイナムズって、あのダイナムズだよ。ヒットメーカーの。」耀司、ニッコリと。「かかかかかか。まま。ん~~。まっ。表現としては、うんうんうん。確かに。ヒットメーカー。の、方が分かりやすいか。日本の三大レコード会社って感じかな。」芙美花、椅子に座って、「あ~~。うんうんうんうん。」耀司、冷蔵庫からウーロン茶を。グラスに注いで。そして、「とにかく芙美花。」そのまま芙美花にお辞儀をして、「お疲れ様でした。」その声に父に振り返っての芙美花、ニッコリと、「うん。」耀司、テーブルに、「しっかし、凄いよね~~。高校生であれだけのレベル。いやいや感服。いきなりドボルザーク、新世界が出て来たから、オホ。これやるぅ~~~???…凄ぇなって。」芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。先生、今回は最初っから、マックスで行くって。だからもぅ~~。大~~ぃ変~~ん。しょっぱなからダイナマイトがドド~~ンと。」「かかかかか。うんうんうん。」耀司、ニコニコと。そして、「それにしても、さすがに我が娘。大成功、ラプソディ・イン・ブルー。…いやいやいや。中々どうして…。完璧なんじゃない、あれ。」「もぅ~~~。無我夢中~~。客席なんて目に入らない。とにかく、吹く。吹く。吹く。吹く。…これしかないって。」耀司、可笑しがって、「あ~~。うんうんうん。」「そしたら、何だか楽しくなってきちゃって。完璧にピアノと私が、コラボしちゃってた。はは。」耀司、そんな芙美花を見て、ニコニコと、「うんうんうん。分かる分かる。」 ママでいい…。 vol,074. 晄史、姉の傍で、「やっぱり、怒ってる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.05
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汐梨、「眞鍋さん。…初めて会ったけど、はは。好印象だわ。」 耀司、「はは。…けど、悪かったね。ご馳走してもらって~~。」 その声に汐梨、「ん~~~???」バックミラーをチラリとしながら、「ははは。いいぇ~~。どういたしまして~~。しっかりと~~。返して頂きますから~~。」そして汐梨、ニッコリと。 耀司、汐梨のその声に、麻沙美を見ながら、「はいはい。幾らでもお返しいたしますよ~~。」 汐梨、可笑しがりながら、「そういう意味じゃあ~~。ないんだけどな~~。」 その声に耀司、思わず運転席を見て、「は、あ…???」 汐梨、可笑しがりながら、「まっ。兄さんの場合は~~。うんうんうん。…いいかも。」 耀司、汐梨に、「いや…。何がいいかも…。」 「ん~~~。気にしな~い、気にしない。あ。車、ウチ、持ってくね。明日、車、戻すから。」 耀司、「あぁ。いいよ。任せます。」 芙美花は既に帰宅、ベッドにバッタリと。そして、「終わった~~~~~。あぁ~~~~。」完璧、定期演奏会の余韻が未だに。「あ、そうだ。おとうさん。今って…。」そしてラインから。 耀司、ラインの着信音。指をトン。そしてスピーカーに。「おぅ。帰ったか~~。」 スピーカーから芙美花の声。「あ~~。うん。さっき帰って今、部屋にいるぅ~~。」 汐梨、「芙美花~~。お疲れ~~。」 「あは。おばちゃ~~ん。」 汐梨、頭を僅かに後部席に。「物凄い素敵な演奏会。」 「あは。ありがとう~~。」 耀司、「泣いてたもんね~~。」 芙美花、「うそ~~~~。」 「もぅ、最初っからね。ドボルザークの新世界から涙。」「うそ~~。え~~~。はははは。嬉しい~~~。」 汐梨、「だって、あなた、いきなりオープニングからとんでもない曲やるからさ~~。ありゃ、自然に涙も出るわ~~。」「ありがとう~~。」 「相当練習したでしょう~~。」 スマホを持ちながら芙美花、「うん。かなりね~~。だから、ハードっては言った。…けど、楽しかったのもある。」 叔母の声がスマホから、「うんうんうん。初めっから、ビンビン伝わってきたからね~~。ラプソデーインブルー。大したもんだわ。かかかかか。まさか、あそこまで行けるとは。」 「きゃ~~。嬉しい~~。」芙美花、ジャージパンツにTシャツ、カーディガンを重ねて。 父の声がスマホから、「麻沙美は、ラピュタの曲に、あ、ラピュタって。」 そして今度は芙美花の声がスピーカーから。「うんうんうん。あの曲は、もぅ、最初っから決まってたから。すんなりとね~~。」 汐梨、運転しながら、「とにかく、大成功じゃない~~。お客さんも凄かったし、満員みたかったけど…。」 芙美花の声、「うんうんうん。ステージから見ててもそんな感じだった。ステージに入った瞬間に、凄いお客さんって。物凄い手応え。だから、多分、みんな、ビビるな、ビビるなって。先生も最初っから、そぅ言ってたから。今回、かなりテンション上がってたもん。みんな。」 耀司と汐梨、「へぇ~~~。」 スピーカーからの芙美花の声、「ほら。バイオリンの…。」 耀司、「あぁ。…あの子も凄かったよね。」 「部長の屋舗崇江。3年生。多分、博楼の吹奏楽では、今までに余れないレアな人。…それで、先生も崇江先輩の花道にって、考えたの、アンコール曲。おとうさん、曲のタイトルって知ってた…???」 耀司、「確か。ロンドンデリーエア。曲は聞いたことはあるけど、タイトルがねぇ~~。」 芙美花の声、「えっ…???…でも、今、ロンドンデリーエアって。ダニーボーイって別名あるけど。」 耀司、コクリと。「うんうんうん。ほら。眞鍋さんが教えてくれたから。」 芙美花の声が、「あ~~~。音楽教室の~~。」 「うん。」「えっ…???…って、音楽教室のその人も定期演奏会に…???」 「そうだよ。」 汐梨、「眞鍋さんとその弟さんと一緒。」 「へぇ~~~。そうだったんだ~~。もぅ、夢中だったし、それに集中してたから観客席、見る余裕なんて。」 耀司、可笑しがりながら、「かかかかか。確かに。あれで緊張も集中もしてなかったら、凄いぞ。心臓に毛が生えてる。」 芙美花の声、「もぅ~~。最後まで、ミスるな、ミスるな。そればっかり~~。終わった瞬間に、みんな、泣いてたもん。」 耀司、「うんうんうん。分かる分かる。」 汐梨、「…でぇ~~。その眞鍋さんたちと~~。さっきまでファミレスで食事してて~~。今、そっち向かってる~~。」 「わ~~お。そうだったんだ~~。へぇ~~~。」「おとうさんも飲んじゃったから、私が運転して。」 「うんうん。」「そっちでおとうさん落として、私、そのまま車、持ってく~~。」 「は~~い。お願いしま~~す。」「芙美花~~。約束、覚えてる~~。」 芙美花の声。「はいは~~い。しっかりと~~。」 「かかかかか。何食べたいかその日まで選んでな。何でもいいからね~~。」 その声に芙美花、「ありがとう~~~。」 ママでいい…。 vol,073. スピーカーから芙美花の声。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.04
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晄史、スマホの画像を。木守に、「こんな感じの人です」 汐梨、晄史が差し出したスマホの画像を見て、いきなり目を真ん丸に、「奇麗~~~。」画像を見て、耀司を見て。 耀司、そんな汐梨を見てニッコリと。そして晄史と眞鍋に、「うんうんうん。」 すると晄史、「あ、そうだ。」 その声に耀司、「うん…???」 「おふたりの、写真。」自分のスマホをふたりにかざして、「撮らせてもらって良いですか…???…誓にも見せたいし、今日、来れなかったから。」 汐梨、目を見開いて耀司を見て。 耀司、ニッコリと、「いいですよ~~。」 睦美、ニコニコと。「ありがとうございます。」 汐梨、「はははは。」 耀司、頷きながら、「はい。」 晄史、「では、失礼して。」木守と高井戸のツーショットと。麻沙美の寝顔を。そして、「うんうんうん。」晄史、ふたりに、お辞儀をして、「ありがとうございます。」 睦美、晄史の撮った画像を見て、「うんうんうん。」あらためてふたりにコクリと。「ありがとうございます。」 耀司、「それじゃあ、僕らは…。」汐梨に、「行こうか。」 汐梨、「うん。」 ファミレスの駐車場に。 汐梨、車のロック解除、そして耀司の背中から麻沙美を。 耀司、麻沙美をシートに。「ヨイショッと。」 麻沙美は眠ったまま。そして耀司もシートに。 汐梨、運転席に。ゆっくりと駐車場から車が…。汐梨、窓を開けて、「それじゃあ、おやすみなさい。」 晄史も睦美もお辞儀をして、「おやすみなさい。」 耀司、後部座席からシートベルトを締めたままで、麻沙美を自分の体に寄り添わせながら晄史と睦美に右手をかざして。 そんな高井戸に晄史も睦美もまたお辞儀を。車は車道に。走り去る。 晄史、「あ~~、はははははは。美味しかったし、楽しかった。」 睦美も、「うんうんうん。」 いきなり晄史、「姉さん…???」 睦美、晄史に、「うん…???」 「高井戸さん、いい人だね。」 その声に睦美、ニコリと、「うん。ふふふふ。」 晄史、「とってもいい人だね。」 睦美、「だ~~ねぇ~~。」 「日本に来て、初めてかも知れない。あんな風に、僕らを見てくれた人。姉さんには、会社や身近にあぁいう人、いる…???」 睦美、少し考えながらも、「う~~~ん。…もしかしたら…、いないかも…。」 晄史、そんな姉の声に、「そうかぁ~~。いないか~~。」晄史も何かしら、考える風に、「僕の会社にも、あぁいう感じの人、いないなぁ~~。…もしかしたら、二人目…かな~~。」 その声に睦美、晄史を見て、「二人目…???」 晄史、顔をコクリと。「うん。二人目。」 「…って…???…あと、ひとりは…???」「眞鍋の、お義父さん。」 瞬間、睦美、頷きながら、「あぁ~~~。…うんうんうん。確かに~~。…そぅかも~~。」 晄史、「いい人だよ、高井戸さん。」 そんな晄史の声に睦美、思わず可笑しくなり、「何よ~~。」 晄史、姉に僅かに頭を落として、「うん…???…いや。いい人だね~~って。」 睦美、可笑しがりながら、「うんうん。はいはい。いい人です。」 するといきなり晄史、「でしょ、でしょ。」 睦美、「だから、何よ~~~。」 「う~~ん~~~???…いい出会いじゃ、ないかな~~って。…思ってさ。」 瞬間、睦美、晄史を見て、「えへ…???」 晄史、チラリと姉を見て、「姉さん、今、ひとりだしさ。…あれから…。」 睦美、思わず眉間に皺を寄せて、顔を僅かに傾げて、「はっ…???」 晄史、「姉さん、今、ひとりでしょって。」 「いやいやいや。ひとりでしょって。まま。うん。私は、ひとりですよ。」 「だから~~。」 晄史。チラリと姉を見て、「高井戸さん、いい人だねぇ~~って。」 睦美、再び、「えへ…???」晄史を見て。そして、「何、それ…???…どういう意味よ。」 「うん…???…ふん。いや。…単純に、高井戸さん、いい人だね~~って。」「いやいや。…だから~~。」 「…パク・ソンウ。阪部洵(さかべじゅん)は、もぅ…いないんだよって。」 その声を聞いた瞬間に睦美、ドキン。 僅かに沈黙。 睦美、晄史に、「それって…。どういう意味…???」少し、声を荒げて。 晄史、「怒った…???」 睦美、少し不貞腐れた顔で、「…いや。…怒りはしないけど…。…でも。」 晄史、再び、「パク・ソンウ。阪部洵は、もぅいない。この世にいない。姉さんは、リセットするしかない。」 睦美、「……。」 ほんの数分、ふたり、共に黙ったままで…。 駅に向かっている。 晄史、「なんか、凄い確率での出会いって感じ。ジャズフェスの…。あの日から…。…でぇ~~。高井戸さんの亡くなった奥さん。」 睦美、「……。」 「看護婦さん。…これって…???」 睦美、晄史をチラリと。そして、小さな声で、「何よ。」 「阪部さん。ソンウのいた病院も確か。」 睦美、晄史に、「何が言いたいの。」語気を荒げて。 瞬間、晄史、「あ。やっぱり怒ってる。」 汐梨、運転しながら、「それにしても、素敵な姉弟。」 その声に後部座席で耀司、「うん…???」 ママでいい…。 vol,072. 「高井戸さん、いい人だね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.03
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晄史、「え~~~~???…イケメンじゃ、ないですよ~~~。…って言うか…、モテないです。」汐梨、途端に、「あ~~~ん。じゃあ~~。逆に、近寄り難いか~~。」瞬間、耀司、汐梨に、「おぃ。」汐梨、「あん。ごめん。…でも、すっごい。私、初めて眞鍋さん。晄史さん見た時から、この人、カッコイイって思ったもん。多分~~~、ウチのセレモニー、連れてったら、完璧に囲まれちゃうよ、女性陣に。」晄史、「うそ。」汐梨、「ほんと。…まっ。一般の会社だったら、日本人のイケメンにやっぱ、憧れちゃう。…ただ、韓国の~~。と、来ると、それはまた別。…確かに、カッコイイ。と、言うのはあるけど~~。そこはそこ。韓流ドラマの大ファンの女性なら別だけど。」いきなり睦美、「弟は、晄史、ダイナムズに勤務して、いきなりアタックされた女性がいましたから。」汐梨、いきなり、「えっ…???…うそ。」3人の顔を見交わして。耀司、「それが~~。今の晄史さんの奥様の誓さん。」汐梨、目を真ん丸にして、「へぇ~~~~。そうだったんだ~~~。」頷きながら。耀司、「うんうんうん。…まっ。だからね~~。レコード会社でも、既に、ふたりが夫婦っての、分かっているから、女性の方も、敢えて晄史さんには。まっ。男性の方も…。」耀司、僅かに顔を傾げて、「…ん~~。こういうのは、ある意味、難しいって事もあるよね。それぞれのプライバシー。…と、言う訳で…。」耀司、汐梨を見て、汐梨の傍で眠っている麻沙美を見て、「麻沙美、ぐっすりと眠っちゃってる。」汐梨、その声に麻沙美を見て、そして晄史を見て、睦美を見て。高井戸のその声に睦美、「あ~~~。」そして腕時計を見て、「わっ。もぅ、9時。…こんな時間。」汐梨、ニッコリと。「ご馳走様でした。」ペコリと。「そして、いろいろなお話。」晄史もニッコリと。同じように頷いて、「はい。ですよね~~。」汐梨、麻沙美の体を静かに自分の手元に起こしながら…。目を覚まさない麻沙美。睦美、「かわいい~~。」汐梨、ゆっくりと麻沙美を自分の方に。「はい。麻沙美~~。帰ろうね~~。」また麻沙美をゆっくりと。そして…。耀司、椅子から立ち上がり、「はい。麻沙美~~。おいで~~。」耀司、腰を低くして背中を向けて。汐梨、麻沙美の両脇を両手で。そのまま耀司の背中に。耀司、「ホイサっと~~。」立ち上がり。「兄さん、私、会計。」耀司、「うん。お願い。」晄史と睦美、「あ、私たち。」ふたり共に、バッグから財布を。汐梨、後ろを振り向いてニコリと。そして右人差し指を揺らして、にこやかに。睦美も晄史も、思わず面映ゆく、「すみませ~~ん。」耀司、そんなふたりにニコニコと、「いやいや。ははは。」耀司の背中で負ぶさっている麻沙美を見て睦美、「かわいい~~~。」晄史も、「うんうんうん。」耀司、晄史を見て、「晄史さんも何れは誓さんとの、その…、赤ちゃん。」そう言ってニコニコと。すぐさま顔を赤らめる晄史。「わぁ。ははははは。」睦美も晄史を見て、「うんうんうん。そうですよね。母も私も、待っているんですけど…。」耀司、ふたりに、「子供、可愛いですもんね。」睦美、ニッコリと、「はい。」会計を済ませての汐梨、「はい。済んだよ。」耀司、「サンキュ~~。」晄史、睦美、木守に丁寧にお辞儀をして、「すみませんでした。」そんなふたりに汐梨、アヒルの顔みたいに、「いいぇ~~。とん~~でもない~~。物凄い、楽しい食事だったも~~ん。…何だか、物凄い、新鮮。」耀司、その話に、意地悪そうな顔で、「だろ…???」汐梨、ふたりに、「名刺、頂いちゃいましたから、しっかりと登録させて頂きます。」スマホをかざしながらニコニコと。すると耀司、「あ。どうせなら…。」ポケットから自分のスマホを出して、「おふたり、ライン、やってます…???」すぐさま睦美、「えぇ。」晄史を見て。晄史、「あ、うん。いいですね~~。」汐梨もニッコリと。「ふ~~ん。ふふふふ。」そして、それぞれ…。スマホとスマホを。お互いのQRコードを。耀司、「OK。」汐梨、「うんうんうん。」晄史、「ありがとうございます。」睦美、ニッコリと。「うん、ははは。」晄史のスマホに着電。「おっと。誓。」ふたりに、「すみません。」晄史、スマホに、「お疲れ。………。うんうん。…今、食事終わって~~。帰るとこ。……。はは。…うんうん。分かった~~。ははは。うんうん。OK。……。うんうん。…じゃ、気を付けてね~~。」通話を切って晄史、「ははは。一緒出来なくって、悔しがってました。」汐梨、その声に、「あ~~ん。はははは。」耀司を見て。耀司もニッコリと。汐梨、「あ。けど、晄史さんの奥様って、どんな感じの…???」ふたりを見て、耀司を見て。既に店の玄関まで…。 ママでいい…。 vol,071. 「この人、カッコイイって思ったもん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.02
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耀司、「あ~~。はいはいはい。要するに、海外進出。海外支社って感じ。」「そうです。」晄史。「その時、当然、日本人、韓国語分かりませんから、通訳の人、探しますよね。」汐梨、「あ、分かった。…でぇ、眞鍋さんのおかあさん。」睦美も晄史も頷いて。晄史、「そうです。…ま。どういう経緯でおかあさんが選ばれたのかは、僕、知りませんけど、通訳、お願いしますって。」汐梨、耀司、「うんうんうん。」「…そう言う事…。」晄史、「韓国語の通訳が~~。まっ。日本人の方々、韓国に来ても、韓国の事、何も分からない。…でぇ、結局、通訳から、何かしら、その延長まで…???」耀司、「延長…???」汐梨、「あんあん。うんうん。分かるような気がする~~。海外で、ほんと、知らないと不自由と言うか、困る事、多いよね~~~。つまりは、言葉が分からないのが物凄いプレッシャー。まっ。確かに、片言のその国の言葉は覚えては行くけど~~。そりゃ、若い時なら、アドベンチャーみたいに果敢にチャレンジする、だろうけど~~。こと、大の大人が…。それも、ビルの建設なんて何か月も…。」晄史、「半年は、掛かってましたね。」汐梨、「ほら。や~~っぱ~~。」晄史、「おかあさん、その内、その日本人の人の生活まで見るようになって。」汐梨、「あらららら。…へぇ~え~~ぇえ~~。…あ~~ん。それでか~~。おかあさん、再婚。」晄史、「そうです。あ。…でも、その時、その日本人の人の家庭も、家族が列車の事故で亡くなったとか。」汐梨、「あら~~~~。」口を手で押さえて。そして耀司を見るが…。けれども耀司、いきなり、「えっ…???…ちょっと待って。」汐梨、そんな耀司に、「うん…???」晄史も睦美も、高井戸に、「……???」耀司、ふたりを見て、「…って、事は~~。おふたりの産みの父親って。」いきなり汐梨、耀司の右大腿を左手でペン。「んもぅ~~~。だから~~。それ、今、聞く…???…ったく~~。再婚って言ってるんだから~~。今は、その路線でしょう~~。失礼でしょう~~。しかも…、デリカシーなし~~。…ってもぅ~~。」そして汐梨、ふたりを見て、「でしょう~~。このおっちょこちょい。」思わず睦美、可笑しくなって僅かに顔を下に。鼻先に右手人差し指を。いきなり晄史、ふたりに、右手を、「いえいえいえ。今のは分かります。けど~~~。まっ。…でも、高井戸さん、気になりますよね。僕と姉さんの父親って。」いきなり耀司、ふたりの前に両手の平を。「あ~~。いや。ごめん。僕が悪い。家庭の内情を僕が勝手に。」汐梨、「そうよ~~~。」晄史、「僕と姉さんの父親。亡くなったんです。」汐梨、「えっ…???」耀司、「うん…???」「自殺です。」瞬間、睦美、「晄史。」晄史、姉を見て、「だって、アンフェアだよ~~。」耀司、「アンフェア。」汐梨、「あ、あ、あ~~~。はははははは。私たち、我が家の事、話過ぎちゃったね。」面映ゆく。「まま。…しかも…、私なんて、初めて会った人の前で…、何か、あれこれと…。あはははははは。」耀司、そんな汐梨を見て、「いや…。まぁ…ねぇ。…まぁ。でも…。」語尾を強めて、「別に…、隠す事でも…、ないけど…。本当の事だから。まぁ~~。仮に、晄史さんと~~。外でお酒を飲んで~~、世間話をすると~~。結~~っ局は~~、家族の話になっちゃう。…んじゃない…???」汐梨を見て。そして晄史と睦美を見て。「だ~~~って~~。僕と晄史さんの仕事の話ししたとして、全く、どんな仕事してるのか分かんないしさ。それよりだったら、お互いの家族の話し…???…そっちの方が余程、関連性があるって。」汐梨、耀司の話しを聞いて、「あ~~ん。ん~~。うんうんうん。確かに。」耀司、「それに。一番は、眞鍋さんと~~。」睦美を見て、「晄史さんと、友達になったのが、僕の中では大きいし。」晄史いきなりニッコリと。睦美も笑顔で高井戸に顔をチョコンと。そして、「ありがとうございます。」晄史、ニコニコと、「ははははは。何だか嬉しい。まっ。確かに、会社の人。…って言うか~~。気軽に話、出来る人はいるんだけど~~。中々、食事する人って言うと~~。」汐梨、「…って言うか、眞鍋さん、晄史さんって、女性に、モテルでしょ。」すぐさまふたり、「ぷっ。」そんなふたりを見て汐梨、「えっ…???」耀司を見て、「どうして…???…私、個人的にも、眞鍋さん、晄史さん、物凄い韓国のイケメン俳優みたいに、思うんだけど。会った時からそんな風に思った~~。」瞬間、睦美、口を両手で塞いで、「え~~~~~???」そんな晄史、顔を般若みたいに、「え…???…え…???…僕…???…そんな…???」そこまで言って、両眉を思いっきりハの字にして、眉間に皺を作り…。 ママでいい…。 vol,070. 「日本人の方々、韓国に来ても、韓国の事、何も分からない。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.01
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