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叔母と父を見て芙美花、「うん。ママだよ、ママ。」芙美花からそんな話を聞いての汐梨、耀司を見て、「どうよ、兄さん。」右目を歪めて。「どうやら、芙美花の方が、兄さんよりも遥かに説得力、あるよね~~。ふふ~~ん。我が姪ながら、うん。しっかりとしてる。」耀司、そんな汐梨に、「あ、いや…。その…。」途端に汐梨、厳めしい顔をして、「また、その、あ、いや…。その~~を~~???…全然説得力、ないんですけど~~。」そして、またまた右を歪めて。口をグンニャリと。「この~~。優柔不断男~~。」間髪入れずに耀司、「いやいやいや。優柔…不断…って。…んな。」耀司、こちらも口をグンニャリと。眞鍋家。晄史がコーヒーを淹れている。暁美と睦美から犬の事を詳しく聞かされての誓、「そういう事が…。」睦美、コクリと。「うん。あったの。」そして左袖を捲って誓に。そして、ファンデーションを剥がして。その左腕を見て誓、「あ、ほんとだ~~。」そして誓、「…って、今まで全然気付かなかった。」睦美、微笑みながら、「いつも、ファンデーションしてるから。じゃないと、半袖だったら。」誓、薄っすらと残っている傷を見て、「うんうんうん。確かに。…って言うか。これって…。」義母と睦美を見て、「…だったら、狂犬病…???」晄史、新しいコーヒーを。「高井戸さんもそう言ってた。」暁美、「だから、すぐに駆け付けて病院に。お医者さんも、早くて助かりました。もし今以上に遅れて時間が…。取り返しが付かなかったって。…でもね~~。それからが。」睦美を見て、「高熱が毎日続いて~~。左手が動かない日…、続いたんだよ~~。お蔭で、ピアノも…。」誓、「うんうんうん。」「1週間以上は…、続いたかねぇ~~。…でも、その後は、ケロリと。…ただね~~。傷跡がね~~。友達に何か言われるって思って~~。夏だって言うのに、長袖。…まっ。偶然にも、あの年は、冷夏だったから。ん~~。暑かったり寒かったり。それが、幸いしたんだけどね~~。でぇ~~。子供だったから、傷もそれほど目立たなく。…けど。…どうしたって、目立ってしまってね~~。それからだよ、毎日ファンデで。」話を聞きながらに晄史、誓の隣に。「僕がその話を聞いたのが~~。」顔を傾げて、「何歳の頃…???…かあさんと姉さんを見て、姉さんの左手にクリーム塗っているとこを見て、何してるのって…。それで初めて。」暁美、「晄史が~~。5歳くらいの時だったかねぇ~~。」誓、「ふ~~~ん~~。」そして誓、「けどさ~~~。」睦美は袖を元に。誓、睦美に、「お義姉さん、どうする…???…高井戸さん。」瞬間、睦美、顔を落として、「あ~~~ん~~。それなんだよね~~。」困ったような表情での暁美。「見舞い。」睦美。キッチンのカウンターに花瓶に生けられている花を見て、「行かなきゃ…、って~~。思っているんだ…、けど~~。」晄史、「バセットって言うんだって、あの犬。」3人揃って晄史の声に、「バセット。」晄史コクリと。「うん。」そして…。「多分。僕が高井戸さんの家を出て、その後、ふみかさんが散歩でも。とに~~かく、大人しかった。僕が高井戸さんの家にいた間、全く吠えなかった。…って言うか、時々、顔はあちらこちら。…けど。それでも自分の定位置で大人しく。」誓、「へぇ~~~。」「けど~~。」晄史。「前にね。高井戸さんの家に不審者が現れたんだって。その時に、そのバセット。思いっきり吠えたんだって。」睦美も暁美も誓も、「へぇ~~。」「そぅかぃ。」「すっご~~~。」「とにかく人懐こいって。…ん~~~。確かに。」眉間に皺を寄せて晄史。「横になっている、あの感じでも、大きいって思うし。確かに、あれで、立ち上がったら、普通の家庭で飼っている犬よりは…、大きいよね。…中型犬だって。」暁美、「中型犬。」睦美、「ふ~~~ん~~。」そして晄史、姉を見て、「姉さん。」睦美、「うん…???」「克服しないと。」瞬間、誓、「ぷっ。」そして、「うん。確かに。」コーヒーを飲んで。睦美、瞬間、瞬きして、「えっ…???」晄史、「じゃないと~~。見舞い、行けない。」瞬間、睦美、僅かに顔を落として右手を髪の中に、「あぁ~~~。」暁美も、「そうだね~~。…とにかく、あんたを庇ってくれたんだから~~。…そういう意味では…。」誓、「庇ってくれた…、と、言うより…。」睦美を見て、義母を見て、そして晄史を見て、「守ってくれた。…じゃないかな~~。」間髪入れずに暁美、「うまい。」そして、「ははははは。誓~~。良い事言うね~~。」晄史、ニコニコと、「うんうんうん。」睦美、ぎっしりと唇を口の中に。暁美、「…って言うか、睦美。あんた、高井戸さんの事、どう思ってんだぃ。」睦美、その声に、母をチラリと、「えっ…???」 ママでいい…。 vol,122. 晄史、「バセットって言うんだって、あの犬。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.23
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耀司、「誰と~~~。」汐梨、「目の前にいるでしょっ。つぅの。」「何を馬鹿な。おまえと。」いきなり汐梨、腰を浮かせて、「このトンチンカン。何で私なのよ。私以外の目の前でしょ。何を馬鹿な。」耀司、いきなり体を右後ろに僅かに引いて。そしてぶすっとして、「私以外の目の前でしょ。って誰よ、それ。」目を真ん丸にして汐梨、「かぁ~~。まだ気付かないこのすっとこどっこい。…ったく、呆れたね~~。」芙美花も、「おとうさ~~ん。」耀司、芙美花に、不貞腐れた顔で、「う~~ん…???」「おばちゃんの言っているのは~~。眞鍋さん。」耀司、その声に、「眞鍋さん…???…ったく。」「睦美さんの事だよ。」耀司、ある意味、馬鹿馬鹿しくなっている気分。「睦美さん…???」その声に汐梨も芙美花も黙ったままで。耀司、思わず瞬きして、「む…、睦美さん…???」汐梨、こころなしか、「こんにゃろ」とも思しき形相で、耀司と同じく腕組みしたままで体を僅かに右後ろに、「決まってんでしょう~~。今現在、付き合っている人の中で~~。あの人以外にいる…???…と、言うか、い・ま・す・か。…って~~。」いきなり耀司、目を真ん丸に、「睦美さん…???」右手人差し指を自分に向けて、「睦美さん…???…睦美さん…???…俺と…???」汐梨、口をグンニャリと。すかさず耀司、ニコニコとしながらも、「お~~ぃおぃおぃ。」顔を下に。そして右手をヒラヒラと。「かかかかか。悪い冗談。悪い冗談。やめて、やめて。」いきなり汐梨、腕組みを解いて、「どうしてよ~~~。」「いやいやいや。だ~~ってさ~~。」汐梨、また腕組みして両肘をテーブルに。「理由を訊こうじゃないのよ~~。だ~~ってさ~~、なんて言うんならさ~~。」汐梨をある種、馬鹿にしている顔で、「いや…。理由…???…って言うか…。いや。あのね。」耀司、思わず今度は体を正して、汐梨に何かを。「あのね。あの。」汐梨、畳み込むように、「はい、理由。」上半身を僅かに前に。「はい。どんな…???」「いや。…どんなって…。その…。」「あるんでしょ、理由。悪い冗談。やめて。やめてって、言うくらいだから~~。あの人のここが嫌。あそこが嫌。嫌い。だめ。俺には無理。って言う、説明できる、ちゃ~~んと納得できる理由。言ったんさい。はい、どうぞ。」その声に耀司、「おぃっ!!!」「何よ。」耀司、右目を瞑って、口をグンニャリと。「…って。」目をあちこちに。そして、チラリと芙美花を。芙美花も口を半ば尖らせたままで父を。「おとうさん。」今度は耀司、右手の平を汐梨に、「待て。待て。」汐梨、「いや。待たない。言ってよ、その理由。」耀司、口を斜めに。「歳が…。」間髪入れずに汐梨、「歳…???」目を真ん丸に。「今の時代、歳が何よ~~。一回り…???二回り…???…んなの関係ないっつぅの。好きになったら一途だっつぅの。」そんな汐梨に睨み付けるように、そして歯をがっしりと噛み締めて口を丸く開いての耀司。汐梨、耀司に、「あのね兄さん。ひとつ、言ったげる。」そのままの形相で耀司。汐梨、「ウェディングプランナーを舐めんな。」いきなり芙美花、「かかかかか。出た、その台詞。かかかか。おばちゃん良い。良い。ははははは。」そして芙美花、父に、「おとうさ~~ん。私は眞鍋さん、良いって思う~~。」その声に耀司、芙美花を見て、「はっ…???…いやいやいやいや。」瞬きして、右手をヒラヒラと。「いやいやいや。待て、待て待て待て。」芙美花、顔を傾げて、「じゃあ、どうして…、ダメなの…???」その声に耀司、「いや…。…って言うか~~。その、あの。」汐梨、「ほ~~ら、説明も説得もできな~~い。」芙美花、遠くを見るように、「眞鍋さん。…あの人だったら~~。うん。」コクリと。「ただ…。おかあさん。…って、言う感じは…。」顔を傾げて、「ん~~~。多分、ないかな…。」汐梨、芙美花の声に、「えへ…???」思わず、「なんで…???」的な表情で。芙美花、また遠くを見るような表情で、「なんか…。おかあさん…って感じじゃなくって~~。どっちかって言うと~~。ママって…???…感じ…???」汐梨、「ママ。」「うん。…私のおかあさんは~~。ひとりっきりしかいないし~~。」汐梨、芙美花を見ながら、「うんうんうん。」「もし、今も、おかあさん、生きていたら、思いっきり甘えちゃう。…って、言うか~~。思いっきり、甘えられる。私には、そんなおかあさんだったから。」汐梨、芙美花の話しを聞きながら、「うんうんうん。確かに。義姉さん、おっきかったもんね~~。物凄い包容力。さすがは看護師って。」「だから~~。」芙美花。「…もし、仮にだよ、仮に。」汐梨、「うんうん。」「眞鍋さんが~~。あの人が、おとうさんと結婚する事になったら~~。ママ。」 ママでいい…。 vol,122. 「おばちゃんの言っているのは~~。眞鍋さん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.22
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汐梨、「え――――――――っ!!!…来てすぐにっ。」芙美花、叔母に、「そぅ~~~。」耀司、「…に、なっちゃった~~~ってね~~~。」バセットに凭れて寝ている麻沙美を見て汐梨、顔をガックリと。「あっちゃ~~~~。」髪を右手で掬うように、「バセットがぁ~~~。マジで。」芙美花、「マジで。」両眉を上下に。「私なんて、何…???…どうしたの…的~~。…で、晄史さん…???」汐梨、芙美花に、「うんうんうん。弟さんね。」「話してくれたんだけど~~。子供頃に。」汐梨、「その…、野良犬に左手…。腕…???…噛まれて…それが…、トラウマ。」耀司、「いや。俺だってビックリよ。いきなり入って来てすぐに玄関に駆けてくんだもん。んんんんん…???…で、晄史さんから話を聞いて。」汐梨、まだ髪の中に右手を入れたままで、「確かにねぇ~~。…トラウマって言うか。ん~~。小さい頃の後遺症…???」汐梨、瞬きしながら、「…きっついわ~~。」けれども汐梨、「あっ。…でも、晄史さん、芙美花が作った料理。」芙美花、その声にニッコリと。「うん。バチオッケィ~~~。」汐梨もその声に左手を芙美花に。芙美花もその手にタッチ。お互いに、「イェ~~イ。」耀司、「…って言うかさ。何…???…睦美さんが…???…犬から噛まれた。確かに、それは…。過去に…。」汐梨を見て、芙美花を見て。瞬間、汐梨、「兄さん。」芙美花も芙美花で父を見て。汐梨、「…って言うかさ。芙美花、どうだったの…???眞鍋さん。お姉さんの睦美さん。」瞬きをしての芙美花、「あ、あ~~。」そしてニッコリと。「うん。奇麗だった。」顔を傾げて、「…と、言うか~~、あは。可愛かった~~~。」その声に汐梨、ニッコリと、「はは。うんうんうん。」芙美花、「眞鍋さんって、幾つくらいの…???」叔母と父をそれぞれ見て。汐梨、「あっ。とぉ~~。」そして耀司に、「兄さん。」いきなり振られて耀司、瞬きして、「え…???えぇ~~~???」眉間に皺を。「幾つくらいって~~~。」目だけ斜め上に。「ん~~~???…その~~。」顔を傾げて、「ふん~~~。って言うか~~。…年齢…。…いや。知らない。幾つくらいの…???…かな~~~。…って言うか、そんな…。…女性に、年齢、聞けないでしょ~~。…って、晄史さんの歳だって、聞いてないのに。」けれども耀司、「あれ…???…晄史さんの歳…???…30…、幾つ…???」汐梨を見て、芙美花を見て、「…聞いたかな~~俺。…確か…、誓さんと~~。同級生って…、話し、聞いたような…。まっ。年齢的に。」汐梨、「誓さん。」瞬きしながら、「ふん。…あの、感じだと~~。」目をパチクリと。「誓さんは~~。30そこそこ…。20代には見えない。…ってぇ事は~~。うんうんうん。」耀司を見て、「晄史さんもそんな感じ。…って~~、事は~~。睦美さん。」すると汐梨、「あん、もぅ~~。何々、40にもなってないじゃんよ~~。絶対に。」耀司、その話に空を見て、「まっ。確かに。…祐里子から比べれば、ダントツに、若い。」汐梨、ニヤリと。「でしょう~~~。」途端に耀司、汐梨にブスッとして、「な~~によ~~。その…、でしょう~~って~~。」「いやいやいや。だから~~。」汐梨、頭の中で、「…いい加減に気づけよ、この鈍感。」汐梨、耀司に、「あのね。…高井戸家、このままでいいのっ???…って話~~。」いきなり耀司、「はい…???」汐梨、腕組みしてテーブルに両肘を。「芙美花、来年、受験生です。」耀司、口を尖らせて、「そうですよ。」チラリと芙美花を見て。汐梨、「このまま、兄さん、芙美花に家の事、全部させるつもり…???」途端に耀司、「いやいやいやいや。そんな事は…。…って言うかぁ~~。まま。おまえが今、家に来てくれて~~。家事、手伝って~~。」いきなり汐梨、テーブルを右手でペンと。「甘えるんじゃない。」そして、「いつまでもそんな事、続く訳ないでしょ。来年も再来年もなんて~~。炊事、掃除。料理に洗濯~~。」いきなりシュンとする耀司。「しゅみません。」「まだ、ようやく、洗濯物の畳み方、覚え…???…これが、ひとりになったらどうなるか~~。…って、家政婦雇うつもり~~。」間髪入れずに耀司、「バカ言っちゃあ~~。」汐梨、口を尖らせて、「それこそ、近所から何言われるか、高井戸さんのとこ、この頃毎日、誰か…。…再婚したって話…、聞いてないけど…。…な~~んて。」耀司、汐梨に、「おぃおぃおぃおぃ。…誰が家政婦…???」ぶすっとして。汐梨、「折~~っ角、最近、芙美花、外に出て友達と~~。」「はいはいはい。おまえさんのお蔭です~~。」「それだって~~。この先、ず~~っと。なんて、思うなよ。」「じゃ、どうすりゃいんだよ。」興奮して耀司、「痛っ。」左肩を右手で。汐梨、「再婚するしか~~。」 ママでいい…。 vol,121. 汐梨、「え――――――――っ!!!…来てすぐにっ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.21
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凡そ1時間半。晄史、高井戸家の玄関で…。高井戸と芙美花に丁寧にお辞儀をして、「ご馳走様でした。」そして、頭を掻きながらペコリと。「姉さんの方は…。本当にごめんなさい。…まさか…。」耀司、「いやいや。」芙美花も両肘を曲げて、手の平をヒラヒラとさせながら…。耀司、晄史に、「まっ。しょうがないよ。…そんな…。自分のトラウマのような事がいきなり目の前に。…誰だって。…もし仮に…。…僕だって…。…そうなる可能性、ない。とも、限らない。」晄史、またペコリと、「はい。…でも。ごめんなさい。…そして…。」芙美花を見て、「料理、ご馳走様でした。ほんと、凄い美味しかったです。」芙美花、晄史に丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございます。」そして父を見てニッコリと。耀司もそんな芙美花を見て頭を撫でる。「ウチの自慢の娘なもんで。はは。」晄史、ニッコリと。「ですよね~~。料理も出来る、家事も出来る。凄いや。…じゃあ、僕はこれで。」ペコリと。「あ。」晄史、高井戸に両手の平を。「ここで、大丈夫です。はい。」耀司、そんな晄史に、申し訳なさそうに、「はは。」顎だけ前に突き出して、「ごめんね。」晄史、ドアを開けて、「じゃあ~~。ここで。」コクリと。耀司、右手をかざして、「また、遊びに。待ってる。」晄史、「はい。喜んで。」ドアの外でまたお辞儀をして、ドアは閉まる。耀司、「いやいやいや。」芙美花、「帰っちゃった~~。」「それにしても…。」耀司。「まさか…、犬に噛まれた。」芙美花、廊下を歩きながら、「ん~~~。」そして、「でも…。奇麗な人だよね。眞鍋さん。」耀司、芙美花のその声に、「えへっ…???」「見た瞬間、そう思った。奇麗~~って。」僅かに芙美花、首を後ろにチラリと。そしてまた元に。耀司、瞬きしながらも芙美花に、「あ、あ、あ、あ、あ~~。うん。…じゃないの…。かな…。」その声に芙美花、今度は父に振り返って、「はっ…???…何よ、それ。あ、あ、あ、あ、あ~~。うん。…じゃないの…。かな…。って…。おとうさん、奇麗なら奇麗って、素直に言えばいいのに~~。」その声に今度は耀司、顔を傾げて、眉間に皺を。「はぁ~~~ぁあ…???」芙美花、キッチンに入ってひとりでボソッと。「もぅ~~。この鈍感。」けれどもこの声は耀司は聞いていない。ただ、芙美花も、眞鍋と言う女性を見た瞬間、目を真ん丸に、頭の中で、「…うそっ!!!…この人…???…奇麗~~。…それに…、可愛い~~。」いきなり心臓をぶち抜けられた感じだったのである。そして…。こんな風にも感じたのだった。「さすが、おばちゃん、目の付け所~~。」つまりは、耀司と麻沙美がバセットと散歩している隙にリビングで、「兄さんに、眞鍋さん。どうよ。…いいと思わない…???」と、汐梨が芙美花に吹き込んだのであった。ただ、当の芙美花本人は、事実、まだ眞鍋と言う女性、見た事もないために、その時は、「誰々…???」と、はしゃいではしまったのだったが…。あの時から、頭の中で、「…どんな人…???」が繰り返されてはいたのだった。耀司、ゆっくりと椅子に。「ふぅ~~~。」芙美花、「バセット~~。後で一緒に散歩ね~~。」その声にバセット、キッチンの方に顔を。「ワン。」そして、そのバセットの前にはルンバが。耀司、「あれ…???…いつの間にかルンバ。はは。どこを掃除していたのやら。」晄史、スマホで、「てかさ~~。…このままでいいの…???」相手は睦美である。睦美、晄史からの電話に、口を尖らせて、「ん~~~~。…でも…。…これ、ばっかりは…。」晄史、スマホに、「ん~~。確かに。姉さんのトラウマは分かる。その時の傷だってまだ…。…それに…。今日、いきなりで…。」睦美もスマホに、「まさか…、高井戸さんの家にあんな犬がいるなんて…。…想像もしなかった。一言も犬の話し、なかったから~~。さっき、誓からも電話で。…で、犬の事、話したけど…。」晄史、「うん。…でもな~~。このまんまだと…。」睦美も、「ん~~~~。」溜息交じりに。晄史、「どうすんだよ。姉さん。今、姉さん、溜息だったよ。そんな風に感じた。つまりは、姉さん、高井戸さんの事…。」瞬間、睦美。瞬きしながら、「へっ…???…はっ…???…いやいやいや。」晄史、キッパリと。「姉さんっ!!!…阪部洵はいないんだよ。」そして、「姉さん、病院でも、それ~~。自分から。」睦美、「そ、それは~~。それで…。ん~~~。」「…って、もぅ~~。どうすんの…???…このまんまじゃ、高井戸さん、打撲が治らないと、姉さん、会えないよ。見舞い、出来ないよ。」キッパリと。そして晄史、「あっ。…て事は~~。うんうんうん。」睦美の声、「何よ。」晄史、「もしかして…、高井戸さん、ヨシカワ音楽教室にも…。」瞬間、睦美、「あっ。確かに。…あの日…。…木守さんだった。」晄史、「あの状態じゃ~~。」睦美、瞬間、「あ、あぁ~~。」 ママでいい…。 vol,120. 「自分のトラウマのような事がいきなり目の前に。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.20
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睦美のスマホにバイブ。睦美、バッグからスマホを。ラインの画面を。晄史から、「姉さん、大丈夫…???」晄史、「既読にはなったけど…。」そして晄史、再び、「姉さん、今、何処…???」すぐさま既読に。けれども…。晄史、「ん~~~。」1分。そして…、「あっ。電車に乗ってる。」耀司、「電車…???…あぁ~~。もぅ…、そこまで…。」そしてまた晄史、「姉さん、大丈夫…???」既読。そして…。「うん。…落ち着いた。」「高井戸さんと娘さん、心配してる。」すると…。「ごめんなさい。」のメッセージ。晄史、更にメッセージ。「犬の事は、高井戸さんと娘さんには話したよ。」また1分。返って来た言葉が、また、「ごめんなさい。」そして…。「先に帰るね。」晄史、高井戸に、「姉さん、帰るって。」耀司、その声に、「仕方が…。ないよね~~。」晄史、その後…。耀司、「折角来たんだから…。」芙美花、ふたりの為に料理をしていたのだった。キッチンから料理を運んでくる芙美花。その料理を見て晄史、目を真ん丸にして、「うわっ、凄っ。いや~~~。」芙美花、照れながら、「お口に合うかは、分かりませんけど…。」晄史、嬉しそうに、「いえいえ。とんでもない。はははは。美味しそう~~。」運ばれて来た料理を見ながら晄史、目をパチクリと、「これ…、全部、ふみかさんが…。」名前を呼ばれて芙美花、「あっ。私の名前。」耀司、コクリと、「はい。しっかりと教えてます。」晄史、「凄いですよね~~。」耀司、晄史に右手を、「どうぞ、どうぞ。」芙美花も、「召し上がってください。」晄史、ニコニコと、「はは。それなら…。うん。いただきます。」そして、箸を使って取り皿に。そして一口。目を真ん丸にして、「うん。んま。」耀司、ニッコリと。「はははは。」芙美花、両手を合わせて、「良かった~~~。」そして、「あ。こっちもどうぞ。」その声に晄史、「ははは。うんうんうん。」そしてまた再び口に。食べて、またまた目を真ん丸にして、またニッコリと。「はは。美味しい~~。はははは。」耀司、芙美花に右手を挙げて、芙美花、その手にタッチ。ふたり共に、「イェ~~イ。」そして…。睦美、仕方なく、家に。「ただいま~~。」リビングでは暁美がお茶を。睦美を見て、「あら。…えっ…???…どうしたの…???」その頃、誓も、晄史から電話を貰って。「え~~~ぇえ…???…犬…???」晄史、スマホに、「うん。」誓、「…って、どういう事よ。」実は、この日、3人で高井戸家に訪れる事にしたのだが、当初の予定では、誓は高井戸と睦美のために自分は行かずに晄史と睦美だけを高井戸家に。と、思って、ドタキャンを想定していたのだったが、それが先日のアクシデント。結局、3人で高井戸家に訪れる事に。けれども、ドタキャンのはずがその日曜日の朝、実際に会社から電話があり会社に。但し、その用事は2時間ほどでクリアし、誓は街で時間を潰していたのだった。そして軽食喫茶でお茶を飲んでいたところに晄史からの電話。晄史も高井戸家で食事の最中に。誓、「うそ。私、初めて聞いた、その話。」晄史、「まぁ…。家族で動物の話しなんて、まずしなかったからね~~。」誓、コクリと、「うん。まっ。それはそうだけど~~。まさか、お義姉さんにそんな過去。」晄史、スマホで、「う、うん。」暁美も睦美から話を聞いて、「あらららら。なんと…。高井戸さんのお宅に、犬。…そりゃ、あんた、無理だわ。うん。…で…???…睦美、あんた、そのまま。」睦美、ソファに座って花束を持ちながら、「うん。高井戸さんのお宅のリビングに入るなりすぐ…。見ちゃって、そのまま…。」暁美、「あらま~~。…まま。あんたにとっては、とにかく…。あの時、かあさんもどうしよって…。とにかく死に物狂いだったから。」そして暁美、「そっか~~。」睦美、「それに…。あのワンちゃん。かなり大きくて。」「おや。」「でも…。」睦美、両手を顔に。「逃げるように高井戸さんの家、出て来ちゃって。あ~~~ん。…こんな事って~~。」暁美、「まぁ…。仕方がないんじゃない。…えっ…???…でも、晄史は…。」睦美、唇の口の中に、そして、目をパチクリと。顔を動かして、「あのまま…。高井戸さんの家…???」すると、睦美のスマホにライン通話の電子音。「うん…???…あ、誓~~~。」睦美、思わず右目を瞑って。「はい。私~~。」スマホから、「お義姉さん、どうしたのよ~~。今さっき、晄史から電話で~~。何、犬…???」すぐさま睦美、スマホに、「ごめんなさい。」軽食喫茶の椅子に座りながら誓、「もぅ~~~。…って、お義姉さん、子供の頃に、犬に噛まれた…???」睦美、コクリと、「えぇ。」誓、「…で…???…高井戸さんのお宅にも、犬が…。」「う、うん。」睦美。口を尖らせて。誓、顔をクシャリとさせて、「あっちゃ~~~。」 ママでいい…。 vol,119. 「犬の事は、高井戸さんと娘さんには話したよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.19
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耀司、芙美花を見て、「うん…???」芙美花、口を噤んだままで…。数秒の沈黙。晄史、高井戸に、「あ、あのぉ~~。」バセットは見知らぬ男性の近くを通ってまた自分の指定席に。その犬を見て晄史、高井戸に、「実は…。姉さん。」耀司、晄史に、「うん…???」晄史、「姉さん、子供の頃に、犬に嚙まれたんです。」瞬間、耀司、芙美花、「えっ…???」晄史、犬を見ながら、「僕はまだ、小さくって、記憶はないんですけど…。」耀司、怪訝そうな顔で晄史を見ながら、「犬に噛まれた。」その声に晄史、頷いて、「えぇ。」芙美花、「そんな…。」晄史、顔を落として、「かあさんの話しだと、この辺。」左腕、肘の近くに右手を。「ガブリと。…夏の時期、姉さんは、ショートパンツにTシャツ。犬に後ろから噛まれたようです。」芙美花、また、「そ、そんな…。」「多分、野良犬…。」耀司、そして晄史に、「それから…、睦美さん。」晄史、「かあさん、その時、僕を背中に負ぶって、そして姉さんを抱き抱えて、とにかく走って、誰かに、助けてって。ようやく近くの人を見つけて救急車を…。」芙美花、小さな声で、「こわ…。」耀司、「もしかして…。狂犬病…。」晄史、「すぐに病院に…。」耀司、頷きながら、「うんうんうん。」「幸い、噛まれたすぐ後で…、しかも、すぐに病院に。との事で、医者が手当を。…あと、数時間も遅かったら、取り返しが付かなかったかもと…。」耀司、ホッとしたような顔で…、「おぉ~~。」晄史、「でも…。その後も、姉さん、高熱で…。」耀司、また頷きながら、「うんうんうん。」芙美花、「狂犬病って、名前は聞いたこと…。」耀司、チラリと芙美花を見て、「あぁ。日本じゃ、昔の事だけど、凄い危険な病気。」芙美花、「今はそんな…。」耀司、「あぁ。時代じゃない。」晄史、「ねえさん。未だに左腕には…。」耀司、晄史を見て、「その時、噛まれた傷…。」「えぇ。…薄~~くは、なってますけど…。…だから…。あれ以来…。犬は…、本人が、確実に、シャットアウト。」睦美はただ黙って歩いていた。左手には花束を…。時折、さっきの光景が…。高井戸家のリビングに入った時点での、犬。見た瞬間だった、意識より、体がすぐさま反応していた。睦美、歩きながらもガッシリと目を瞑って。顔を小刻みに揺らして。そして今度は大きく深呼吸。「ハァ~~~。」そして…、左手を顔に。その繰り返しだった。そして…。「あ~~ん。…どうしよ。」耀司、「…って言う事は…。トラウマかぁ~~~。」晄史、また顔を犬の方に。「だから姉さん、小さい頃から、とにかく犬を見ると。とにかく誰かの後ろに。…そして、逃げるんです。…だから…、小さい頃から、とにかく、犬…、以外に、猫でも…。」芙美花、思わず、「えっ…???…猫でも…。」耀司、「同じ、四つ足。」「あ、あ~~。」晄史、「まっ、けど…。猫の方は…。何とか…。友達の家で猫を。」耀司、コクリと、「うん。」「猫の子が産まれたって。…で、ちっちゃな猫に手を。そうしたら、子猫も手を差し出して、姉さんの手を撫でるように。…何とか、それで猫は克服できたと。」耀司、「そっかぁ~~~。」バセットを見て。「バセットは、中型犬。」晄史、高井戸を見て、そして犬を見て、「バセットと言うんですか…???」芙美花、「うん。」バセットに近づいて、そして、バセットの頭を撫でて、体を撫でて。バセット、芙美花の腕に頬釣りするように…。「ウチの家族。」耀司、「とにかくおとなしい。…けど、こと、不審者には確実に吠える。はは。前ね。ウチのブロック塀を乗り越えてきた不審者がいたんですけど、いきなりバセットが吠えて。物凄い吠え方だったらしくって、その不審者も驚いて、またブロック塀をよじ登って逃げてった。…な~~んて事がありましたね。かかかかか。ウチの用心棒でもあります。」芙美花、バセットを抱くように、「バセットは強いもんね~~。」バセット、芙美花の右方を舐めながら…。晄史、話を聞いて、「へぇ~~~。凄いですよね~~。」耀司、「人には懐くし、しかも、おとなしい。麻沙美なんて、ウチ来たら、必ずバセットに背中を凭れるように絵本、見てますから。バセットも麻沙美が好きですからね~~。そして、そそは一切しない。必ず自分の定位置で。」そこまで言って、「ただ。」顔を傾げて、「ん~~~。どうだろうかね~~。いきなりバセットを見た人は、おっきぃ~~って、思うよね。中型犬だから。…今は、座っているから。だけど…。確かに、立ち上がれば大きいよ。」睦美は、駅に。そして改札を抜けて…。電車に乗っていた。花束を持ったままで。そして…。花束を見ながら、「私…。」そして、両手で顔を。「あ~~ん。どうしよ。」そして、顔から両手を放して、今度は上を見て…。 ママでいい…。 vol,118. 晄史、「姉さん、子供の頃に、犬に嚙まれたんです。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.18
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「さ~~てと~~。」耀司、家にひとりになって。いつもの定位置のバセットに首を振りながら、「いやいやいや。これじゃあ、いつものバセットとの散歩も、無理だ~~ねぇ~~。」そして、右手でコーヒーカップを持って口に。「あ。」そして、耀司、「やべぇ~~~。」いきなり口をへの字にして顔をクシャリとさせながら、「…と、言う事は…。」いきなり右腕に顔を伏せて、「ぁあ~~~。」そしてゆっくりと顔を上げて、「麻沙美の保育園。それと…、ヨシカワ…。あ~~~~。1、2週間という事は…。…って、今日からじゃん。」今度は下唇をビロンと。「保育園でもヨシカワでも、絶対に言われる。」いきなり品を作っての耀司、「高井戸さん、最近、お顔見せませんでしたけど、何か…。」そしてまた耀司、顔をクシャリとさせて…。「あ゛~~~~。」そして…。1時間後に耀司のスマホに着電。耀司、「あ。はい。晄史さん、おはようございます。」相手は晄史である。「高井戸さん、おはようございます。昨日は…。あの…、体の具合。」その声に、「あ~~。うん。ははは。特に…。変わりは…、ないですね~~。娘には、こってりと。無理しないでって言われて学校に…。」晄史、会社に歩きながらのスマホ。「そうですか~~。」スマホから、高井戸の声、「いやいやいや。」晄史、スマホに、「あのですね、高井戸さん。」耀司、その声に、「あ、はい。」晄史、交差点、横断歩道の赤で止まって、「今度の日曜日。明後日なんですけど。」晄史と睦美、スマホを見ながら、「ここだね。」「うん。」晄史、家の前の表札を見て、「高井戸。」姉に、「行こうか。」睦美、コクリと。「うん。」晄史、チャイムを。耀司、その音に、「おっ。」そして、芙美花に、「芙美花~~。代わりに~~。」キッチンの中の芙美花、「あ~~。うん。」そして耀司、ゆっくりと椅子から。そして松葉杖を使って、「へへ。3日も経ちゃあね。慣れてくるもんだ。」確かに。耀司、2日目からは松葉杖も、トントンと。汐梨も、そんな兄を見て、「何と。使えるね~~。」その声に耀司、「へへ。」耀司、玄関に、「はい。どうぞ~~。開いてますよ~~。」ドアを開けての晄史と睦美、「こんにちは~~。」病院での時と変わらない高井戸。けれども服装は普段着。晄史と睦美に、ペコリと、「こんにちは。ささ。入って~~。」リビングから芙美花、「こんにちは~~~。」晄史、睦美、目を真ん丸に、「わあ。」「はは。こんにちは~~。」芙美花、ふたりに深く頭を下げて、「こんにちは。父がいつもお世話になってます。」晄史、「こんにちは~~。」そして高井戸を見て、「凄い、可愛い~~。」睦美も、「うんうんうん。」ニッコリと。晄史、女の子に、「ふみかさん。」睦美も、「うんうんうん。」芙美花、ニッコリと、「あ、はい。高井戸芙美花と言います。」睦美、「可愛い~~。」芙美花、思わず照れながらも…。芙美花が先頭。そしてゆっくりと松葉杖を突きながらの耀司。そして晄史。最後に睦美。耀司、リビングまで来て、「どうぞ、どうぞ。あ。でも、誓さん。」晄史、「え~~。朝に会社から電話があって。そのまま仕事に。」耀司、「大変ですね~~。日曜日も。」睦美、芙美花にニッコリと。そしてお辞儀を。「お邪魔しま~~す。」そして…。リビングのテーブルまで来た瞬間、いきなり目を真ん丸に。そして、突然吐き気に襲われて、踵を返して駆け足で玄関の方に。耀司も芙美花も、一瞬の事だったが、「えっ!!!」晄史も、「姉さん…???」耀司、何が起きたのか全く。芙美花も瞬きをして、ゆっくりと玄関の方に。睦美は睦美で、玄関に。そしてそのままドアを。鼓動は高鳴っていた。そして、恐怖感。ある意味、死に物狂いとでも言っていい程の。芙美花、玄関に。姿はない。「あれ…???」玄関のドアを開けて、あちこちと。芙美花、顔を傾げて、「あ~~れ~~???」睦美は小走りで…。とにかく、逃げる事しか考えてなかった。耀司、晄史に眉間に皺を。「睦美さん、どうした…。」ぽか~~んと。晄史も顔を傾げて。こちらも眉間に皺を。「分かんない…んですけど…。」その時、芙美花の後を追い駆けて、バセットが玄関の方に。瞬間、晄史、犬を見て、「わあっ!!!」耀司、「あ。はははははは。愛犬のバセットです。」晄史、いきなり体を縮こまらせて、「わぁ~~。い、犬~~~。…そ、それに…。」芙美花、リビングにバセットの頭を撫でながら、「おとうさん。」顔を傾げて、「もぅ…、いなかった~~。」耀司、その声に、「ぇえ゛~~ぇえ…???」頭を傾げて、「おか、しぃな~~。」晄史、思わず慌てるように、「あ、あの…。あ、はははははは。…いや。」顔を傾げて。耀司、晄史にも、「どうし…。」晄史、「あ、いや~~~。」困ったように。そして顔を下に、頭を撫でながら…。 ママでいい…。 vol,117. 「今度の日曜日。明後日なんですけど。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.17
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「じゃあ~~。彼も、打撲と軽い捻挫以外には。」辻元。スマホから、「はい。医師の話しでは…。…と、言うか、看護師の話しになりますけど、打撲は1、2週間は続くかと言う。」「確かにね~~。…でも、骨折してないんだから…。」視線をあちこちに。「…って言うか、あの状態で、骨折もしてないって、それ以上に、凄いって思うんだけど…。」その声に晄史、「あぁ。…それ。僕らも不思議って思ってたんですけど…。彼、高井戸さん、昔、学生時代に柔道を…。」スマホから、「へぇ~~。高井戸って言うんだ、あの人。…で、柔道。」晄史、「黒帯です。」「わお。…へぇ~~~。…だからか~~。受け身~~。…な~~るほどね~~。」晄史、スマホに、「僕たちも、けがの症状に不思議がっいたんですけど、彼の妹さんが病院に迎えに来て、その時に、さすがは黒帯ねって言って。その時、僕らも前に、学生の頃に柔道をしていたって聞いてましたから、あっ、そっかって。」スマホから、「な~~るほどね~~。そっか~~。…あ、わざわざ電話、ありがとうね。」晄史、スマホを耳にお辞儀をして、「いえいえ。こちらの方こそ、本当に助かりました。ありがとうございます。……はい。…では、失礼します。」通話は切れる。睦美も誓も、「どんな感じ…???」晄史、「うん。はは。何だか、親しみやすそうな人。」暁美、「あんたたち、河原崎栄伍に。」3人共に、「うん。」晄史、「何かの仕事なんじゃないかな~~。車まで出してくれて。」そして、「忘れてたよ、誓、ありがとう。」誓、ニッコリと、「うん。」翌朝…。耀司のスマホに…。耀司、画面を見た瞬間、「ヤベ。」芙美花、「うん…???…どうしたの…???」朝食の最中。耀司、芙美花にスマホの画面を。芙美花、ニッコリと、「あぁ~~、おじいちゃん。」耀司、仕方なくスマホを耳に、「はい、俺。」いきなり、「な~~にやってんだおまえ~~。」どでかい声。耀司、「うっ。」そして、「汐梨かぁ~~。」スマホから、「で…???…どうなんだ、肩。…んな…、汐梨から今さっき電話が来て。」耀司、スマホに、「あ、あ~~。うん。入院する必要は。」「それも聞いた。女性を庇って、階段から転がり落ちたって~~。」「もしもし。」また強い声。「耀司、あんた~~。」耀司、「ゲッ。今度はおふくろ。」「もぅ~~~。どういうつもり…???」耀司、「いやいやいや。どういうつもりも何も。…こうなっちゃったんだから~~。」「とにかく、気を付けて頂戴。あんたに何かあったら芙美花が~~~。もぅ~~。汐梨から電話でもぅ~~、居ても立っても~~~。そっちに行こうっても~~。汐梨がいるから~~。」耀司、「はいはいはいはい。大丈夫ですぅ~~。左肩、打撲してんだけど、まぁ…、一晩寝ても、特に、症状は変わんないし~~。医師の話しでも、とにかく安静に。腫れは1、2週間は続くからって~~。包帯の巻き方も~~。ちゃんと資料見て、分かるから~~。右手は大丈夫だから~~。骨折もしてないんだし~~。松葉杖使って歩けるから~~。」スマホから母の声。「もぅ~~~。汐梨が近くにいるからそんなに…。」耀司、「あのねぇ~~。ウチには、芙美花と言う、とってもしっかりした娘がいるんですぅ~~。」芙美花、その声に、「はははは。」そして父に、「ねね、代わって。」耀司、スマホを、「うん。」芙美花、スマホを受け取って、「もしもし、おばあちゃん。」スマホから、「あら、芙美花~~。」「へへ~~。私~~。」「うんうんうん。はは。元気か~~ぃ。」「うん。元気だよ。はは。おとうさん、大丈夫だから、私もいるから。」「そうかい~~。頼んだよ。」遠くから、「芙美花か、代われ。」すぐさま妻からスマホを。「もしもし、芙美花か。」芙美花、「あは。おじいちゃん…???はい。芙美花です。」「あ~~。はははは。久し振りに声、聞いた。ははは。元気そうで~~。」「うん。元気だよ。おじいちゃんは…???」「あ~~はははは。おじいちゃんも元気だ。うんうんうん。」耀司は食事をしながら。芙美花との電話はまだまだ。電話の相手は、芙美花の祖父母。つまりは耀司と汐梨の両親。和歌山にいる壮一郎(そういちろう)と香奈枝(かなえ)である。芙美花、電話しながらもにこにこと。「うんうんうん。あはははは。うん。」耀司、食べながら、「汐梨め。今朝、電話しやがったな~~。…まっ。しゃあねえか。…ふん。」そして芙美花、リビングで、「絶対よ、おとうさん。無理だけはしないで。バセットも見てるから。」リビングでコーヒーを飲みながらの耀司、「…って言うか、この状態で、無理も何も。かかかか。歩くには松葉杖。仕事は~~。これから他のスタッフに電話する~~。」芙美花、「うん。じゃ、行ってきま~~す。」「行っといで。」 ママでいい…。 vol,116. 耀司のスマホに…。耀司、画面を見た瞬間、「ヤベ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.16
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「名誉の負傷~~。」汐梨。部屋着の芙美花、「勘弁してよね~~~。」ゆっくりと耀司、その後ろから汐梨がリビングに。テーブルにはラップされている焼きそば。芙美花、「もしかしたから、眞鍋さんたちと一緒だから、食事はしてくると思って~~。先に食べてよって思ったんだけど~~。いきなり電話で。うっそ――――――って。まっ。怪我してて、食べたいかどうかは…。…おばちゃんが病院に迎えに行ったからって~~。」耀司、「腹は、空いてる。」右手で椅子を引いて、椅子に、「ヨッコイショ。」芙美花、「麻沙美~~。焼きそば食べよう。おばちゃん、夕食…。あ、この時間だから、もぅとっくに…か。」汐梨、「あん。私は大丈夫。はは、麻沙美~~。焼きそば食べる~~???」麻沙美、ニッコリと、「うん。お腹空いた~~。」「まっ。家では食べて来たんだけどね~~。美味しいもの、見ちゃうとね~~。」晄史、睦美、誓、電車の中で…。誰も声を…。けれども…、晄史と誓、ふたり、共に、「あ。高井戸さん、お見舞いに…。」その声に晄史、誓、お互いに顔を。「え…???」「へへ…。同じ事。」ふたりに挟まれての睦美、コクリと、「うん。…私も…、さっきから、その事…。」3人共に帰宅。母の暁美に今日の事を話して。暁美、「え――――――――っ!!!」そして、睦美を見て、「あんた、本当に大丈夫なの…???」睦美、母に、コクリと、「うん。…けど…。高井戸さんが…。」瞬きしながらの暁美、「うんうんうん。…でも、入院は…。」晄史、「あぁ。それは…、お医者さんも、特に、入院するほどの…。」暁美、頷いて、「そぅ~~。…大変だったね~~。」誓、「あ。晄史。」晄史、誓に、「うん…???」誓、目を真ん丸にして、「ほら。あの人にも、連絡しないと。車まで。」瞬間、晄史、「あっ!!!」睦美、「えっ…???…車…???」晄史、「うんうんうん。僕と誓、タクシーで救急車、追い駆けるつもりだったんだけど…。ほら。芸能人の、タレントの…。」睦美、「あぁ~~~。河原崎栄伍。」誓、「そのマネージャーさんの…、運転手…???…なのかどうかは分かんないけど…。ホールから車、出してくれて…。」睦美、「えっ…???…じゃあ…、あなたたち、その車で…???」晄史、コクリと。「うん。ハッキリ言って、タクシーだったら病院、行けなかったかも。何処の病院かも分かんなかったから。」暁美、「河原崎栄伍って、あの…、バラエティに出てる河原崎栄伍…???」3人共に、「うん。」晄史、「救急車まで呼んでくれて。」暁美、「あら。」晄史、「あっと。名刺、貰ってるんだった。」バッグから名刺を…。そしてスマホで…。誓と睦美、晄史に寄り添い、名刺を…。「芸能プロダクション創健社マネージャー辻元香世子…。」スマホから声。「もしもし。辻元ですけど。」晄史、スマホに、「あ、辻元さんの携帯番号で良かったですか。僕、今日、品川のマリアナホールで、階段から転がり落ちて、救急車を呼んでもらって、車まで。」スマホから辻元の声。「あ~~。あの時の~~。」「あ、はい。眞鍋(まなべ)と申します。今日は、本当にありがとうございました。お蔭様で、今は自宅に…。」事務所だろうか、未だに外出着のままの辻元。「あら、本当~~。じゃあ、特にどこも…。」スマホから、「えぇ。私の姉は大丈夫。」「お姉さん。」「あ、階段から転がり落ちた女性の方です。」「あ~~。はいはい。」一拍置く。そして、「へぇ~~。あの女性の方、特にどこも…。」そしてまた一拍。「凄いのね。階段から落ちて、特にどこも…。」目を動かす。「あ。…でも、男性の方は…???…ストレッチャーで運ばれた。」晄史、「あ、あ~~~。その人、なんですけど~~。」誓と姉を見て。「…実は…。」そのイントネーションで辻元、「え…???…まさか…。」瞬間、晄史、「いえいえ。」右手を振って。「その人なんですけど…、左肩の打撲と、右足の軽い捻挫で…。」「うそ。」スマホから。辻元、瞬きしながらも、「いやいやいや。へぇ~~~。あんな状態で階段から落ちて、いや。打撲と捻挫。はは。おやおやおや。凄い。」遠くから、「お疲れ様で~~す。戻りました~~。」の声。辻元、スマホに、「いやいやいや。…で、彼は…???…あの男性。病院で…、今も…???」晄史、「あ、いいえ。もう…、今頃は自宅に…。医師からも、入院する必要はないって言われて。」スマホから、「へぇ~~~。そうなんだ~~。あちこち怪我、もしくは骨折はしているんじゃないかな~~って、心配は…。」晄史、「本当にありがとうございます。それに…、車まで…。」辻元、貌を振って、「いいえ~~。…まっ。丁度ね~~。タイミング良く~~。ウチの河原崎も、あぁいうの見ちゃうと、黙っていられない性格だから。」スマホから聞こえてくる声、「あ、はい。」 ママでいい…。 vol,115. 「名誉の負傷~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.15
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5人共に、正面玄関とは異なる方向に…。耀司、右手で後部座席のドアを。晄史が補助して、「よっこいしょっと~~。右側から乗るしか…。」晄史、「左足は大丈夫ですもんね~~。」耀司、晄史にニッコリと、「うん。」汐梨は運転席に。そして、「じゃあ、行くよ。」窓を開けて。汐梨、3人に、「それじゃあ。」ニッコリと。晄史、睦美、誓、一礼して、そして高井戸にも一礼を。「おやすみなさい。」車は動き出す。汐梨、右見て、左見て、「おし。」そして、「や~~れやれ~~。」後部座席から耀司、「何ともな~~。」「それはこっちの台詞~~。電話来て話聞いてビ~~ックリ~~。」耀司、その声に、「面目ない。」「何やってんだか。」耀司、唇を尖らせて。運転しながら汐梨、「ま~~た、またまた、ひと手間増えたわ~~。」耀司、「だから~~。面目ないって~~。」「はいはい、聞きました~~。…って言うか…。それにしても、さすがに凄いね。」耀司、前を見ながら、「う~~ん…???」「階段から落ちて、すぐさま人を庇って抱き締めて…、で、落ちる。ドラマや映画じゃないんだから~~。…それに…、刑事ものでもないんだから~~。…それで、肩の打撲に足の軽い捻挫。」汐梨、バックミラーを見ながら、「ね。」耀司、「うん。」「階段って、どんな階段だったの…???」「ん~~~。」耀司。「確か…。ロビーから踊り場までは何段…???…そこから右に折れて…、10段以上は、あったかな…。踊り場までより、踊り場からが長い。勾配にして…???…30度くらいかな~~。まっ。ロビーの天井自体、高かったからな~~。」汐梨、「ふ~~ん。…そっから、転がり落ちた。」「うん。」耀司、顔をコクリと。「…って言うか。」汐梨。「家庭の階段…???…まっ。その殆どは木造だろうけど…。ホールだからねぇ~~。鉄筋…???」「うんうんうん。多分。…まっ。そんな詳しくは見てないけど…。」いきなり汐梨、「う~~~。ゾッとする~~。」耀司、「何が言いたい。」「まっ。一言。」またバックミラーを見て、「良くぞ、ご帰還。」「当たり前だ。」「かかかかか。…さ~~てと~~。芙美花、心配してるぞ~~。」こちらは…。タクシーを拾っての晄史、睦美、誓。睦美、晄史と誓に挟まれて。「高井戸さん、大丈夫かな~~。」晄史、「打撲と捻挫。ん~~~。」誓、「それにしても、凄いよね~~。」睦美、誓に、「ん~~~???」「お義姉さんを抱き締めて転がり落ちる。」睦美、「あ~~ん、それ、もぅ止めて。」両手で顔を覆いながら、「もぅ…、申し訳なくって、申し訳なくって~~。高井戸さんにもしもの事あったら~~。」晄史は晄史で、階段から落ちた、その時の事を頭の中で…。…けれども…。考えれば考える程…。そして…、いきなり。目尻から涙が…。誓、「ちょっと~~。晄史~~。聞いてる~~???」瞬間、晄史、体をビクンと。そして数回の瞬き。そして鼻を啜って。首をぎこちなく、「うん…???…えっ…???…何…???」体を動かして姉と誓を。「うん…???」思わず睦美、瞬きする晄史を見て、「うん…???」僅かに頭を引くように、「どうしたの。」車内、暗くてあまり良く分からないが、何かしら、鼻声の晄史。睦美、誓、「もしかして…。涙…???」晄史、ふたりのその声に、「えっ…???…あ…。はは。いやいや。…ってか。」そんな晄史を見る睦美と誓。晄史、「ん~~~。何て言うか…。」瞬きしながら、「高井戸さん。」そこまで言って、思わずニコニコして、「ははは。凄いや。って、思って…。…いや。だってさ。姉さんを抱きながら階段。…はは。あの時の事、考えたら、なんでか…、涙…、出て来た。ははははは。」その声に睦美、「晄史。」そして、ニッコリと。「ふふ。うん。」晄史、「とにかく…。姉さん、何ともなくって。」睦美、そんな晄史に、「ありがと。心配してくれて。」いきなり誓、シートに深く。そして、「はは。どんなもんだい、私の旦那様。」睦美、思わず誓の右肩に自分の左肩を押し込んで、「え~~~~???…はははは。私の弟なんですけど~~。」誓、目を真ん丸に、「わお。そうでした~~~。かかかかか。」チャイムの音で芙美花、玄関に。「おとうさんっ!!!」汐梨、耀司の後ろから、「ただいま~~。」芙美花、父の姿に、「大丈夫なの~~~???」松葉杖を使って、「んしょっと。」汐梨、「おっと、兄さん。」耀司の右肩を支えながら。バセットもゆっくりと玄関に、「クゥ~~ン。」耀司、ゆっくりと玄関のフロアに腰を下ろして、右手で靴を。「何とかね~~。大丈夫…。とは、言えないけど~~。」芙美花、「もぅ~~~。」汐梨も、「はい。私も、そのもぅ~~は、言いました~~。」芙美花、「電話で眞鍋さん…???」耀司、「あぁ。」そして耀司、ゆっくりと立ち上がり、「おしっと。」 ママでいい…。 vol,114. 「何やってんだか。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.14
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「そんな訳で~~。」耀司。汐梨、「階段から転がり落ちたって…。あ~~ん。」麻沙美、「おじちゃん、どうしたの~~~。」麻沙美に耀司、「麻沙美~~。おじちゃんさ~~。はは。怪我しちゃった~~。」「けが…???」「うん。だから~~。こんな格好~~。おかしいでしょ。」けれども麻沙美、首を左右に振って、「ううん。…でも、痛い…???」そんな麻沙美に耀司、「う~~ん。黙っていれば痛くないけど~~。…多分、動くと痛いかも。」「そっか~~~。気を付けてね~~。」そんな麻沙美に耀司、ニッコリと。「はい。」顔をコクリと。「わかりました~~。」「でも。」汐梨。耀司を見て、「階段から転がり落ちて…。」耀司、そんな汐梨に、「うん。」汐梨、睦美を見て、「話しを聞くと、睦美さんからカバンのバッグのベルトを引っ張られて。」耀司、またもや、「うん。」「反射的に、睦美さんを抱き締めるように、落ちた。」目をパチクリと。「でぇ~~~。その…。」睦美を見て。「睦美さんは~~。何ともない。」睦美、申し訳ない顔で。「え…。あ…、はい。」汐梨、「でぇ~~、兄さんも~~。左肩の打撲と、右足の軽い捻挫。」顔を傾げて、「それで…。良く済んだよね~~~。…普通なら…。…そんな…。…幾ら何でも、人を抱き締めて階段を転げ落ちるなんて…。」瞬間、晄史、「あ。」誓も、「あ。」耀司、そんな汐梨の声に、困ったような顔で、「いやいやいや。だから~~。…それは…。」そこまで言って耀司、思わず難しい顔をして、「ん~~~。だから…。反射的に…???」汐梨、「…って言うか、普通なら体のあちこち。しかも…、睦美さんだって、何ともない。」睦美を見て、「先生からも言われたんでしょう。特に異常は…。」睦美、その声に、「え、え~~。」汐梨、目を丸く、そして口を真一文字に。そして耀司を見て、「さすがは黒帯。」瞬間、晄史、誓、睦美すらも、「え…???…あっ。」晄史、目を丸く、「あ。そっか~~。」すぐさまフィンガースナップ。高井戸さん、「柔道~~。」誓も睦美も、「あ~~~。確かに。」けれども耀司、顔をクシャリと。「いやいやいや。…そんな…。んな…。だって~~。それは…、学生の頃の~~。」汐梨、ぷ~~たれた声で、「いや。だって~~。階段から転がり落ちて、この状態。…でしょう~~。それに、睦美さんだって、特に~~。」耀司、すぐさま、右手を振りながら、「いやいやいや。…かかかか。買い被り過ぎだって~~。」汐梨、「まっ。兄さん本人の意識は、なかったにしても~~。ちゃ~~んと、体は分かってたんじゃないかな~~。それしか考えらんないよ。普通なら間違いなく、そんな…、誰かを抱き締めてなんて…、とんでも。それこそ、ふたり共に、今頃、病院のベッドの上~~。打撲以上に、骨折だってあったかも~~。」晄史、頷きながら、「うんうんうん。」そして、「高井戸さん、凄い。」瞬間、睦美、「晄史。そんな…、怪我している高井戸さんに凄いって。」汐梨、すぐさま、「まま。…でも、睦美さん、良かったよ~~。体、どこも~~。」そんな木守に睦美、また頭を下げて、「お蔭様で。」汐梨、耀司に、「…で、兄さん。立てるの…???」その声に耀司、「う…???…うん。」そして、椅子からゆっくりと。睦美、すぐさま高井戸に手を添えて…。高井戸の右半身を。ゆっくりと立ち上がる耀司。汐梨、「ほほほほほ。」静かに両手を叩いて、「や~~るぅ~~。…で、歩ける。」耀司、松葉杖を使いながら、一歩、二歩。「ははははは。うんうんうん。」けれども、「あ。…でも、明日になったら…。」晄史も睦美も、誓も、「あ、あ~~~。」「ま。」汐梨。「けど、まぁ。それは、それで…、明日からの…。」晄史、木守に深く頭を。「ごめんなさい。僕らがいて。」誓も、頭を。「ごめんなさい。」睦美も、「申し訳ありませんでした。」すぐさま汐梨、首を振り、「ううん。不慮だよ。」睦美も晄史も、「ふりょ。」誓、「あん。つまりは、どうしようもない事。」汐梨、「うん。誰のせいでもないって。まっ。睦美さんにぶつかった人も、今や、かなり落ち込んでいる、かも、知れないけどね~~。…もしかして…、あの時、私…???…ってね~~~。…けど、睦美さんも、誰から…。」睦美、その声に、顔を左右に、「えぇ。全く…。…とにかく一瞬でしたから。」睦美に汐梨、にっこりと。そして、「兄さん。じゃ、帰ろ。」耀司、そんな汐梨に、「お、おぅ。」そして、「うん。助かる。」「芙美花も、心配してるから~~~。勝臣には後で電話するわ。」耀司、「お、おぅ。」「今は沖縄に添乗だから。明日、帰ってくるけどね~~。そん時でもいっか~~。旅行中に、怪我した電話なんて。」晄史、「かつおみさんって…。」木守を見て。汐梨、晄史に、「私の旦那。東京には、私と旦那と、兄さんと芙美花しかしないから。麻沙美とね~~。」 ママでいい…。 vol,113. 汐梨、「階段から転がり落ちたって…。あ~~ん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.13
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睦美、「実は…。マテリカル・ゴールドって…、その前は、シャーマン・オッズと言うジャズバンドだったんです。」「シャーマンオッズ。」耀司。晄史、「な~~るほど…。」耀司、「…って言うか、みなさん、座りません…???」晄史、その声に、「あっ。」あちらこちらを見て。睦美、「あ。…確かに。この時間。」耀司、にっこりと。「えぇ。」そして睦美、仕方なさそうに。「その…、シャーマンオッズに、私が付き合っていた人がいたの。」誓と耀司、「えっ…???」誓、隣に座っている睦美に、「うそうそうそ。私、初めて聞く、そんな話。」睦美、誓に、「…ってか、敢えて話す必要ないし。」その声に口をへの字にして誓、顔をコクリとして引っ込めるように、「た、確かに。」耀司の左隣に座った晄史に、「晄史さんは、この話。」晄史、コクリと、「えぇ。知ってます。…けど…。その…、姉さんと付き合っていた人。」睦美、「亡くなりました。」ハッキリと。耀司、誓、「えっ…???」「うそ。」睦美、「1年前にね~~。」両腕を伸ばして、両手を組んで、それを裏返しにして。そして睦美、「私の…、好きだった人。…恋人~~。」腕を戻して睦美。そして、「ふふん。」右見て、左見て。顔を傾げても微笑みながら、「はは。言っちゃった~~~。はははは。」耀司、睦美に、眉間に皺を。「でも、そういうの、話して、良いんですか…???」睦美、そんな高井戸の声に、「…って言うかぁ~~。…でも…。」一気に目頭が熱く…。「高井戸さん、こんな風になっちゃったから。」いきなり喉の奥がゴクリと。「ん。」誓、「お義姉さん。」睦美、目尻から涙が。睦美、誓を見て、涙目でニッコリと。「へへ。」そして、高井戸に顔を。涙目になりながらに、コクリと。「ごめんなさい。」耀司、慰めるように、「そんな…。…無理しなくていいのに。わざわざ。」睦美、前を見て、少し、上を見ながら、「いいの。…だって…。この世には…、もぅ。いないんですから。」また、喉の奥をゴクリと。晄史、「姉さん。」睦美、「ALS…。何とか言う病気。…それも、難病。…筋、萎縮…何とか…。難しい病気。リハーサル中に…、いきなりショックで倒れて、そのまま病院に運ばれて…。…で、1年前に…。」耀司、「睦美さん。」「手も足も動けなくなって…。その内に…、言葉も…。」睦美。「話に寄ると、その難病に掛かっても数年は生きていられるって…。」睦美、上体を微かに前に、そして顔を下に。「…けど…。」一度、鼻を啜って。そして顔を左右に小刻みに揺らしながら、また顔を起こして、「早かった。…症状の進行が…。」また鼻を啜って。そして今度は顔だけを下に、両手を伸ばして両手握り拳を大腿に。震えながら…。耀司、そんな睦美を見て、「睦美さん。」誓、義姉の右肩に左手を。「お義姉さん。」睦美、けれどもその震えを止めて、一息吐いて、「ふぅ~~~。」そしてそのまま顔を上に。涙で濡れた頬。目を真っ赤にさせて、「5年。」耀司、睦美を見て、「5年…???」また睦美、鼻を啜って、「えぇ。…彼とは5年。…付き合ってた。」晄史、「結婚の約束もね。」耀司、いきなり晄史を見て。晄史、高井戸に顔をコクリと。耀司、また睦美を見て、「そうだったんですか~~。」睦美、ポツリと。「そんな彼が…、入院していた病院が…。…杉並総合病院。」瞬間、耀司、目を真ん丸に、「え゛っ…???」睦美、「…で、その病院で彼に良くしてくれた看護婦さんが、高井戸さんの。奥様。」高井戸をチラリと見てニッコリと。耀司、「え…???…ええええ…???」晄史も誓も、「うそ。」誓は睦美を見て、「ほんと…???」睦美、誓を見て、ニッコリと。「うん。…だから…。…あの時、一緒に食事した時…???…高井戸さんの写真、見た時、いきなりびっくりした。」晄史、「あ。そっか~~~。あの時。」睦美、「うん。…とにかく、彼に見舞いに行くと、殆ど、必ず、あの看護婦さんがいた。そして…、私が行くと、必ず、ごゆっくりと。って言って笑顔で、お辞儀をして病室を出る。何だか、毎回のルーティンみたいに…。」小声で耀司、「祐里子が…。」遠くを見るような目をして。「そうだったんだ~~。」いきなり、玄関とは違う方向から、「兄さん。」麻沙美を連れて。耀司、「あは。」汐梨、ゆっくりと4人の元に。ゆっくりとお辞儀をしながら。3人が椅子から立ち上がり、木守に深々と頭を下げて。晄史、「ごめんなさい。高井戸さんが…。」汐梨、耀司を見て、「どうしてこんな事に~~。」睦美、また頭を下げて、「ごめんなさい。私がわ。」耀司、「睦美さん。…んな事、ないって~~。」そして汐梨を見て、「あのね。」汐梨、「うん。」そして耀司、事の顛末を。晄史と睦美、誓を見ながら…。汐梨、「うんうん。」そして…。「うそ。え~~~~???」 ママでいい…。 vol,112. 睦美、「実は…。マテリカル・ゴールドって… 。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.12
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芙美花、スマホを耳に、「何で、何で…???…何でそんなことに。」耀司、何とか、記憶を辿って芙美花に事の顛末を。芙美花、「病院って、まさか、入院…???」キッパリと耀司、「それはない。汐梨が今、こっちに向かってるから。」芙美花、その声に、「あん。うん。おばちゃんが行ってくれるなら。」いきなり睦美、高井戸に、「すみませんけど。」そう言ってスマホに手を差し出し…。目をパチクリと耀司、自然にスマホを睦美に、「あ、はい。」睦美、スマホを受け取って。「もしもし。眞鍋睦美と言います。今日は、おとうさん、申し訳ございませんでした。ごめんなさい。」スマホを持ったままで睦美、深々と頭を下げる。いきなり芙美花、目をパチクリと。「えっ…???…誰…???…女性の人。」瞬きしながらも…。何とか冷静に。目の瞳が…。「あ。…眞鍋さん…???」晄史も誓も、「姉さん。」「お義姉さん。」耀司も思わず、「睦美さん。」睦美、スマホに、「あ、すみません、いきなりで。あ、はい。私、眞鍋睦美と言います。本当にごめんなさい。私が…。」芙美花、話を聞いて、「あ。いえ…。…で、おとうさんの…、その…。具合は…。」睦美、「あ、はい。高井戸さん、左肩を打撲。…さっきも、高井戸さん、言ってましたけど…。左肩、ガッシリと固定されてます。それに…。右足の軽い捻挫。…階段から転がり落ちて。…あの、その時。私が…。」高井戸の傍にあるカバンを見て。耀司も自分のカバンを。そして、小声で、「これだよね~~。」晄史も誓も、「あ、あ~~。」睦美、スマホに、「私が階段の上で誰かから押し倒されそうに。その時に、高井戸さんのカバンのベルトを引っ張って。」そして睦美、また、「ごめんなさい。」耀司、そんな睦美に、「睦美さん。」右手を。睦美、ゆっくりとスマホを高井戸に。耀司、スマホに、「そんな訳だから。…今、言ったように、肩と足。その他は何とも。…肩は…、まぁ。」3人を見ながら、「1、 2週間は…。でも、足の方は…。数日で…。…だから、おま。あんまり心配しないで。」スマホから、「心配しないでって言われても~~。」すぐさま耀司、「はは。確かに。まっ。帰ったら、詳しく話すよ。」スマホから、「うん。分かった。」そして、「気を付けてよね~~。」耀司、「あぁ。じゃ、切るよ。」芙美花の声、「うん。」通話は切れる。晄史、姉に、「姉さん。」睦美、晄史を、そして誓と高井戸を見て、「あ、あ。あ、いや…。ほんとにごめんなさい。」耀司、「あ、いや…。でも。…そんなに…、睦美さんが謝らなくとも…。実際、睦美さんが悪い訳じゃ。」その頃、汐梨は車を運転しながら、後部座席には麻沙美が…。「んもぅ~~。何やってんのよ、兄さん。」病院のロビーで。晄史、「確か、あの時。」誓も、「うん。数人、どたばたと。」耀司、「…と、思ったら、いきなり…。」睦美、「誰かに…、体…。私の…、肩…???」「う~~ん。…と、思ったら、僕も…。」睦美、思い出しながら、「倒れそうになって…。咄嗟に、カバンのベルト。」高井戸のカバンを見つめながら…。「…で、僕も反射的に…。…でぇ~~。…それからが、どうなったのか…。」晄史、記憶を辿りながら、「何か…。高井戸さん、姉さんを抱き抱えるように…、かな…。」耀司、「はは。もぅ、完璧に…、憶えてないや。とにかく、反社的…、だったんだろうねぇ。」誓、「高井戸さん、足、痛みます…???」その声に耀司、「あ、いや…。…と、言うか、多分、動けば、また、痛みが…。今は、鎮痛剤。」晄史、「あぁ…、痛み止め。」「うん。」耀司、コクリと。誓、今度は、「肩は…。」耀司、顔を傾げて、「ん~~~。確かに。…普通じゃ、ないよね~~。何か、変な感じ。」そして、耀司、病院の中を。「はは。何だか、懐かしいや。」その声に3人、「えっ…???」耀司、3人に、「あ、ほら。僕のカミさん。看護師だったから。」「あ、あ~~~。」「確かに。」「ですね。」睦美、誓、晄史。耀司、睦美を見て、「あ。でも、睦美さん。ホールで何を。」瞬間、晄史も誓も、「あっ。」睦美、ドキン。「あ、あ~~~。」耀司、睦美を見て、「うん…???」睦美、口を噤んで…。けれども、「あ、あの…。その…。」そして…。「実は~~。…マテリカルゴールドって…。私の…、知り合いの…。ジャズバンドなんです。」瞬間、3人、「えっ…???」晄史、瞬きして、「えっ…???…それって。」誓、「お義姉さん…???」耀司、「睦美…さん…???」晄史、また瞬きして、「姉さん。…まさか…、それって…。あの…。…彼の…。」誓と耀司、「彼の…???」睦美、難しそうな顔をして…。…けれども…。「う、うん。」僅かに頭をコクリと。いきなり晄史、「そういう事~~。」誓、瞬きしながらも、「ぇえ…???…何…???…そういう事って…???…晄史。」 ママでいい…。 vol,111. 「何で、何で…???…何でそんなことに。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.11
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走りながらの車の中で晄史、「す、凄い、走り。」誓、「ま。確かに、他の車は、脇に寄ってはくれるけど。…こんな、走り方、あり…???」幸いなことに、ある程度の渋滞は解消されてはいた。程よく。救急車は最寄りの病院に搬送。晄史、誓、病院に到着して、運転手に、「ありがとうございます。」晄史、「あのぅ。お名刺、頂けませんか…???」運転手、「あ、ごめんなさい。僕、名刺、持ってなくって…。あ、ちょっと待って下さい。」車のサイドボックスから小さなケースを。そしてその中から1枚を男性に渡す。「これです。」晄史、名刺を受け取って、「芸能プロダクション創健社(そうけんしゃ)マネージャー・辻元香世子(つじもとかよこ)…。」晄史、「ありがとうございます。」そして、晄史、誓、そのまま病院に…。そして、受付から案内されて…。「こちらでお待ちください。」30分後、ある診察の一室から出て来た睦美。ベンチに座っている晄史と誓、「姉さん。」「お義姉さん。」睦美、「あは。うん。」晄史、「どう…、だっ。」睦美、恥ずかしそうに、「う、うん。…特には…。…検査も、してもらったんだけど…。どこもなんとも。…って言うか、先生の方が、階段から落ちて何ともないというのも…。転がって落ちたんでしょって。顔を傾げてたけど…。」晄史、姉を見て、「ほんとに、どこも…???…何とも…???」睦美、実に、困ったように…。そして晄史に口を尖らせて、「う、うん。」そして、ハッキリと、「うん。…と、言うか、どこも痛くない。ただ…。…先生にも言われたけど、明日、もしくはその後に何かしらの異変が…、ある可能性も否定できないから、その時は、必ず病院へと。」晄史も誓も、頷いて、「うんうんうん。」「だよね。」「…と、言う事は…。」晄史、あちらこちら。そこは、緊急外来。晄史、あちこち見回して、ひとりの看護師を。「あ、あの。さっき救急車で運ばれて来た男性は。」看護師、「ご家族の…。」晄史と睦美、「あ、いえ…。知り合いで…。その場に一緒に。」「あ。それなら、今はまだ検査中で…。多分、MRI。…少しお待ちください。…あ。こちらでお待ちになって構いませんので。」そして…。再び待つこと30分。看護師から伴われての耀司。晄史、誓、睦美、「高井戸さん。」左肩をガッシリと固定され。そして、右手で松葉杖を。3人を見ての耀司、申し訳なさそうに、「はは。」晄史、「高井戸さん。」耀司、「左肩。」顔を傾げながらも、「…打撲だって。」3人、「打撲。」耀司、「右足は…。」また顔を傾げて、「軽い…、捻挫。かな…。はははは。」晄史、「打撲…。」誓、「軽い捻挫…。」いきなり睦美、高井戸にガッシリ頭を下げて、「申し訳、ありませんでした。」そんな睦美に耀司、にこやかに、「いえいえ。」振れるだけの左手をヒラヒラと。看護師、「先生も言われておりましたが、特に、入院する必要もないとの事で。」耀司、看護師に、「はい。ありがとうございます。」「ただ…、左肩の回復は…、1、2週間は掛かると思いますので。」耀司、看護師に、「ですよね~~。」耀司、そして3人に。「階段から転がり落ちて、この程度で済んだのは驚き。って。普通なら全身打撲。臓器にも異常は必然。って。まっ。踊り場で止まったのがせめてもの…、運かも。」看護師、「それじゃあ、ご案内します。」耀司、看護師にペコリと。「ありがとうございます。」晄史たち、高井戸の後ろから…。耀司、病院の中をあたらこちらと。そして、「はは。う~~~ん。」看護師、そんな男性に、「うん…???…はい…???」耀司、「え…???…あ。はは。いや…。なんでも。…なんだか、懐かしくって。」その声に看護師、「はぁ。」そして…。受付を…。全ての手続きを済ませて。耀司、3人に、「はは。これじゃあ…、食事どころじゃ。」気まずい雰囲気の3人。それぞれが、「う、うん。」耀司、椅子に座り、「っと~~。」バッグからスマホを。「とにかくっと~~。」スマホで…。「あ。もしもし、汐梨。」スマホから汐梨の声。耀司、「あのさぁ~~。」そして、今の状況と事の顛末を。いきなり、「え―――――――――っ!!!」耀司、すぐさま口をへの字に。スマホから、「どこどこ。どこの病院…???…今から行く。」耀司、「あ、あ~~~。」あちこち見回して、そして、今度は病院の領収書を。「え…、と~~。……。」すぐさま、「分かった。今から行く。そこにいて。」耀司、「あ~~い。」通話は切れる。晄史と睦美、「木守…さん。」耀司、コクリと。「うん。妹。すぐ行くって。…んでっと。」耀司、またスマホで。3回のコールで相手が出る。「もしもし、おとうさん…???」耀司、「あ~~、うん、おとうさん。あのね…。……。」するといきなり、「うそ―――――――っ!!!」晄史、高井戸に、「娘さん…???」耀司、晄史に、両眉を上下に。 ママでいい…。 vol,110. 晄史、姉を見て、「ほんとに、どこも…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.10
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ひとりの男性が隣の女性に、「救急車を。」女性、「あ、はい。」階段の踊り場で。晄史、「姉さんっ。高井戸さん。」ようやく耀司、「痛ってぇ~~~。」気が付いた耀司。すぐさま、自分の顔のすぐ下にある睦美の顔に、目を丸くして、「大丈夫ですか、睦美さん。」その声にようやく気付く睦美。目を開けて、「え…???…あ、あ~~。」耀司、体を起こして、「つぅ~~。ほぅ~~~。」睦美、すぐさま、「高井戸さんっ。高井戸さん。」耀司、その場に膝まづいて、両目を閉じて、そして開けて、「ほぉ~~~~。」睦美、ゆっくりと。晄史、誓、「姉さん。」「お義姉さん。」他の人たちも、「大丈夫ですか…???」睦美、すぐさま体を起こして、「私…。」体中を…、あちこちと。「なんとも…。」その声に耀司、睦美を見て、「ははは。良かった~~~。」晄史、「良かったじゃないですよ、高井戸さん、どこか…。」瞬間、晄史、高井戸の左肩に手を。耀司、「痛っ。…くぅ~~~。」耀司、晄史を見て、「どうやら…、肩、やっちゃったみたいですね~~。」晄史、ふぃに触れた手を引っ込めて、「あ。ごめんなさい。」睦美、膝まづいて、「高井戸さん。肩…???」晄史、周りに、「誰か、救急車を。」「あ。それならもう呼んでます。」ロビーは既にかなりの人数が…。耀司、そして晄史、誓が、その人物に顔を。耀司、その人物の顔を見て、「もしかして…。」晄史、「河原崎栄伍(からわざきえいご)。」誓も、「河原崎栄伍…???」階段の下にも群がっている。河原崎、踊り場の方に歩み寄り、「大丈夫ですか…???」階段を見て、「どうやら…。」そして、「今さっき、救急車は呼びました。」後ろを振り返り。女性も、コクリと頷き、「もう間もなく、ここに…。」晄史、「あ、でも…。2時間ほど前にこの近くで事故が…。」河原崎、「大丈夫かとは、思いますが…。緊急車両ですから。…それはともかく…、おふたりとも、怪我…。」そんな河原崎に耀司と晄史、そして誓、それぞれの頭の中に、「…どうして…、この人が…???」河原崎栄伍。タレント、俳優である。昨今、ドラマや映画には出演はしていないが、バラエティ番組やその他の特別番組などには引っ張りだこである。レギュラーを数本掛け持ちしているという芸能人である。恐らく、この人物目当てのロビーの混み様である。踊り場に今度は座ったままで睦美、「高井戸さん。」その声に耀司、睦美を見て、「ははははは。うん。睦美さん、何ともなくって。」睦美、その声に、「えぇ。」誓、「でも、お義姉さん。大丈夫って言っても…。」耀司、自分から立ち上がろうと…。すると、今度は右足が…、「あた。」晄史、「えっ…???」誓、「高井戸…。」耀司、「あ、いや…。大丈夫です。少しチクンとしだけで…。」その場で軽く、足踏み。「うんうん。多分…、OK…???」河原崎、「…けど…。もう間もなく救急車。とにかく、病院へ。」その内に、外で救急車のサイレンの音。誓、「あ、来た。」河原崎の付き人のような…。女性が、救急隊の先導を。晄史、「高井戸さん。」そして救急隊員に、階段から転がり落ちて。晄史、高井戸を支えるように。「とにかく高井戸さん。」耀司、「あぁ。あ~~。はい。」誓は睦美を。「お義姉さん、とにかく、大丈夫とは思うけど。高井戸さんと一緒に。」そして救急隊員に、「この人も落ちた当人です。どこもなんともないとは本人、言ってますけど。」救急隊員、「歩けますか…???」睦美、「えぇ。」「とにかく、一緒にお願いします。」睦美、どうしようもなく、「えぇ。…あ、はい。…分かりました。」耀司はストレッチャーに。そしてそれに付き添うように睦美が…。晄史、救急隊員に、「僕たち、後から追い駆けます。」ストレッチャーはそのまま救急車に。晄史、河原崎に一礼して、「ありがとうございました。」河原崎、微笑んで、「いえいえ。お大事に。」誓も、ペコリとお辞儀を。晄史、誓に、「タクシー、捕まえて。」誓、「あ、うん。」「あ、それなら。ちょっと待って。」河原崎の付き人らしき女性、スマホで。…そして…、「えぇ。お願い。」すぐさま駐車場の方から1台の車が。女性、後部座席のドアを開けて、「乗って頂戴。タクシー捕まえるよりこっちの方が遥かに早い。」そして運転手に、「菅波(すがなみ)君、あの救急車、追い駆けて頂戴。」そして、「くれぐれも、安全運転で。」菅波と呼ばれた運転手、男性である。女性に、「あ、はい。分っかりました。」女性、「お願いね。」後部座席に晄史と誓、ふたりに、「ありがとうございます。わざわざ車まで。」「うんうんうん。すみません。甘えま~~す。」救急車が出る。それに合わせて晄史と誓の乗った車も。晄史、誓、「おっと。」「わっ。」大通りに出て、そのままサイレンを鳴らしながら…。運転手の男性、「すみません、シートベルトお願いします。」晄史、誓、「あ。すみません。」「あ、はい。」 ママでいい…。 vol,109. ひとりの男性が隣の女性に、「救急車を。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.09
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匠哉、「新たなメンバー。ルマンダ・蛯原(ルマンダ・えびはら)。」両手をルマンダに。緒方、「阪部が…。」そこまで言って、一度顔を伏せるが、顔を上げて、「眞鍋ちゃんには、申し訳ない。」その声に睦美、右手を振って、「いえ…。」「ある人から紹介で、俺たちと一緒にって。」ルマンダ、女性にニッコリと。そして、右手を差し出して、「こんにちは、初めまして、ルマンダ蛯原と言います。」そして匠哉と佐名木原を見て、「もしかして…、阪部さんと言う人の…。」稜平、「そう。恋人。」瞬間、ルマンダ、目を真ん丸にして、「へぇ~~~~。わ~~お。奇麗な人~~。」その声にメンバーたち全員笑顔で、「ははははは。」ルマンダ、「阪部さんの事は聞いているんです。演奏もビデオで見て、凄い人って。」そしてルマンダ、「そっか~~~。阪部さんの~~。」緒方、「眞鍋睦美さん。」ルマンダ、「まなべ、むつみさん。」稜平、「元、ピアニスト。」その声にまたまたルマンダ、「わ~~お。凄~~い。緒方~~。」緒方、そんなルマンダを見て、「はははははは。」睦美、畏まりながらもメンバーたちを見て…。少し目を潤ませながらも、「みんな…。元気そうで…。」稜平、そんな睦美を見て、「ははははは。泣くなよ眞鍋ちゃん。」緒方も、「はははは。…時間は…???…あるなら、部屋で少し。」バッグからハンカチを。そして鼻の下に、睦美。そして顔を左右に、「あ、うん。…ありがと。…でも、今、人を待たせてるから。」佐名木原、「おっと~~~。」何かしら両眉を上下に。稜平、「まっ。眞鍋ちゃん、奇麗だから~~。阪部がいなくとも…、充分に。」そんな稜平に緒方、「おぃおぃ。まだ、あれから1年だぞ。」睦美、「あん。それは…。もぅ…。今、弟と弟のお嫁さん、待たせてるの。」匠哉、「おっと~~~。そっち…???」「それと…、もうひとり…。」佐名木原、「もうひとり…。」睦美、「あん。このコンサートを知らせてくれてチケットと予約してくれた人。大のサックスファンなの。」瞬間、ルマンダ、「わ~~お。嬉しい~~。」そして眞鍋にいきなり抱き付く。いきなり目をパチクリの睦美。緒方、「かかかかか。ルマンダはとにかく体で表現するから。」他の3人も腕組みしながらニコニコと。ルマンダ、眞鍋から離れて、「その人って、男性でしょ。」睦美、思わず、「えぇ。」そしてニッコリと、「弟が、友達になってくださいって。…それから弟と弟の嫁と一緒に付き合わせてもらってるんだけどね。」緒方、「へぇ~~~。」そしてニッコリと。「んじゃ、大切にしなきゃ。」その声に睦美、「えっ…???」稜平と佐名木原、「だ~~ねぇ~~。日本人でしょ、その人。」目をパチクリと睦美、「えぇ。」匠哉、「なら、尚更じゃん。」瞬間、睦美。「えっ…???…いや…。なら、尚更って…???」匠哉、睦美を見ながら、「いや。だって眞鍋ちゃん、俺と同い年じゃん。」「そうだけど…。」ルマンダ、「あ、は~~ん。な~~るほどね~~。」そしてルマンダ、「うんうんうん。大事にしてあげて~~。ふふふふ。」佐名木原、「ルマンダはアメリカにフィアンセがいるんだ。来年の春には結婚。」睦美、目を真ん丸に、「あら~~。」稜平、「そうなると、メンバー全員が所帯持ち。…つまりは、既婚者って事に。」匠哉、「だから~~~、眞鍋ちゃんも~~。」睦美、匠哉を見て、「うそ。匠哉君、結婚…???」メンバーたち、ひとりひとりを見て。メンバーたち、それぞれが頷く。緒方、「阪部が亡くなってから半年後にな。逆に、結婚、延期にしようって考えもあったんだけど、そんな事したら阪部に怒られるって思ってな。俺たち、メンバーの事、大切にしてたあいつだったから。ある意味、ムードメーカーな。」稜平、「だから~~。匠哉と同い年。眞鍋ちゃん、奇麗なんだから~~。折角知り合えた人、大切にしな…。」誓、睦美を見て、「あ、来た来た。」耀司、晄史も顔を…。「はは。」3人共に、階段の傍で。睦美、3人に、「待たせてごめ~~ん。」そして高井戸の傍に。「高井戸さん、申し訳ありませんでした。」高井戸にペコリと。その時、数名の人が階段に。「きゃ――――――っ!!!」瞬間、睦美、左肩がぶつかり倒れそうに。一瞬だった。睦美が高井戸の左肩に掛けていたショルダーベルトを右手で。けれども睦美が倒れそうに、その勢いにふいを突かれた耀司もそのまま引っ張られて、ふたり諸共階段を。目を疑った晄史と誓、「うそっ!!!」耀司と睦美、ふたり共に階段から。気付いたら、階段の踊り場で…。睦美が下に。耀司は睦美の上に。晄史、「姉さんっ!!!」誓も、「お義姉さんっ!!!」階段を降りた数人が、後ろを見て、「えっ!!!」その場に晄史、「姉さんっ。高井戸さんっ。」数人が階段の踊り場に。「大丈夫ですかっ???」1階のロビーのその状況に騒然。「何…???」「何々…???」 ママでいい…。 vol,108. 少し目を潤ませながらも、「みんな…。元気そうで…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.08
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ハンドのリーダーはピアノの緒方邦治(おがたくにはる)ではあるが、コンサートの間中、常にセンターでサックスを演奏しているルマンダ・蛯原(ルマンダ・えびはら)がコンサートを仕切っている。しかも、この人は歌も歌えるのではないかとも思わせる美声の持ち主で、聴く人の耳に心地良く届く声。衣装も派手ではなく、確実に動きやすい服装で。ギターとベースとの楽曲を通してのパフォーマンスも絶好調で、演奏された楽曲毎に割れんばかりの拍手喝采がホール内を包み込んでいた。最後の曲はバラード。そしてアンコール曲は2曲。4人は知らなかったが、この2曲のどれもが知る人ぞ知る国内でも大ヒットした曲なのであった。耀司、「終わったか~~~。」晄史、「ですね~~。」誓、「何だか、まだまだ興奮冷めやらぬって感じ。」耀司、そんな誓の声に、「ははははははは。」そして、「さてと…。」3人に顔を。「これから、皆さん、ご予定は…???…もしなかったから、一緒にお食事。」晄史、高井戸を見て、「いいですね~~。」誓も、高井戸を見てニッコリと。「うんうんうん。」睦美は黙ってまだ前を…。そんな睦美を見て耀司、「睦美…さんは…。…うん…???」黙って前を向いている睦美。晄史が、「姉さん…???」誓も、「お義姉さん…???」耀司、再び、「睦美さん…???」その声に睦美、ようやく気が付いて、「えっ…???…はっ…???」高井戸を見て晄史を見て。晄史、姉に、「姉さん、これから高井戸さんと一緒に食事。」睦美、その声に、「あ、あ、あ~~~。」瞬きをして…。「あの…。」睦美、高井戸に、「あの。…すみませんけど…。ちょっと用があるんですけど…。」耀司、その声に、「あ、はぁ…。」晄史、姉に、「姉さん…???」睦美、「ちょっと…、ごめんなさい。少し、時間頂戴。」その声に耀司も晄史も、「え…???」そのまま席から腰を上げて、「ちょっと私、行くとこある。」晄史の前、そして誓の前を…。晄史、「ちょっと、姉さん…???」誓も、「お義姉さん…???」睦美、晄史と誓に、「ごめん、ちょっと待ってて。」そして…、そのままホール内の通路を。晄史、「あ、あ。…行っちゃった~~。」顔を傾げて、「どうした…???」誓を見て。誓、顔を左右に、「分かんな~~い。」晄史、高井戸を見て、ペコリと。「すみません。」耀司、その声に、右手をヒラヒラと、「いえいえ。…けど…、睦実さん、何…???」小走りに通路を行く睦美の後ろ姿。けれども、すぐさま他の人の姿で消えて。晄史、「どうしたんだろ…。」耀司、「とにかく…。ここで待っていても…。…出ますか。」晄史、誓、「そうですね。」「ですね~~。」ホールの外に睦美。そして、アチコチ探して…。スタッフらしき人に、「あ、あの…。」スタッフ、「あ、はい。」「マテリカルゴールドの控室って…。」「あ~~。はい。…あの。ご案内致しましょうか。」その声に睦美、「あ、はい。ありがとうございます。」「別の方になりますので。」「あ、はい。ありがとうございます。」スタッフ、もうひとりのスタッフに、「案内してきます。」そして、「こちらからです。」2階のロビーは客でごった返している。その中をスタッフに伴われて…。その時、晄史が睦美を見つけて、「あ、姉さん。」睦美、その声には気付いて晄史にニコリと。そして右手を掲げて…。晄史、「姉さん、何処に…???」誓、「今、誰かの後ろを…。」顔を傾げる。耀司、「少し、ここで待ってましょう。」晄史、「あ、はい。」マテリカルゴールドの控室。既に何人かのファンが…。メンバーたち、そんなファンの色紙にサインを。その時、ひとりの男性が…。「うん…???…もしかして…、眞鍋ちゃん…???」ドラムの池内稜平(いけうちりょうへい)である。そしてリーダーの緒方に、「おぃ。あれって…。眞鍋ちゃん…???」すると緒方、稜平の向いている方向に顔を。「えっ…???」すぐさま笑顔で、「はは。」稜平が今度はベースの佐名木原神谷(さなぎはらこうや)とギターの結城匠哉(ゆうきたくや)に。ふたり、共に、睦美の顔を見て手を。そしてふたり共に、「緒方~~。」緒方、「おぅ~~。はははは。」睦美、メンバーから合図されてそのまま。ファンは色紙にサインを貰って大喜び。そしてスマホで写真を。握手をしてメンバーから離れる。ふたりくらいのファンに…。睦美メンバーたちの近づきお辞儀を。緒方、「ちょっと待っててねぇ。」そして、最後のひとりとスマホで写真を。握手して睦美の前を…。稜平、「いやいやいやいやいや。眞鍋ちゃん。うん。はは。久し振り~~。と、言うか、ご無沙汰…???」緒方、「何々~~。元気だった~~???」傍にいるルマンダだけが口を噤んで目をパチクリと。ギターの結城匠哉(ゆうきたくや)。ルマンダに、「紹介しよう。」 ママでいい…。 vol,107. 耀司、「終わったか~~~。」晄史、「ですね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.07
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耀司、「かかかか。知らないで予約したんですけど、それから調べてみたらビックリ。」睦美、「えっ…???」晄史も、「高井戸さん…???」「ははは。僕、サックスの渡野辺佳津夫(わたのべかずお)の大ファンなんです。」睦美と晄史、「わたのべかずお。」誓、「あ~~。はいはいはい。有名なジャズミュージシャン。名前だけは知ってます。」晄史、誓に、「えっ…???…誓、知ってるの…???」誓、コクリと。「うん。…だから、名前だけ。曲は聞いたことはないけど…。ジャズやフュージョンの世界では有名~~。」晄史と睦美、高井戸を見て、「へぇ~~~。」耀司、「御年89歳。…けど、まだまだ現役。僕が夢中になったのが18歳の頃、ノベカズのフリーマンアクセルって曲があるんですけど。まっ。あの頃に…。あ。ノベカズって言うのが渡野辺佳津夫(わたのべかずお)の…、まっ。何て言うか、ニックネームかな。名前を略してのね。」睦美も晄史も、「ノベカズ。」「わたのべかずお。だから、間を取って、ノベカズ。」誓、「あ~~。はいはい。今でも言いますよね。」晄史、誓を見て、「誓、詳しい~~。」そんな晄史に、左手を振って、「いやいやいや。だから、曲、聞いたことがないって。名前と顔くらいは知ってる~~。」耀司、「その、フリーマンアクセルが大ヒットしましてね。CМでも使われて。」睦美と晄史、「へぇ~~~。」耀司、思い出しながら、「あの当時、レコード、買っちゃってましたね~~、ははははは。まっ。今から30年近く、前になりますけど…。」そして耀司、「でぇ~~。そんなノベカズを師事したのが…、マテリカルゴールドのリーダーの緒方邦治(おがたくにはる)。いやいや、この人、バンドではピアノ専門なんだけど、何々、何でも熟せるんだって。凄ぇやって思って~~。」その話に睦美がドキン。晄史、「へぇ~~。そうなんだ~~。」「でぇ~~。またまた驚いたのが~~。サックス奏者が女性。」瞬間、睦美、「えっ…???…うそ。」高井戸を見て。晄史も、「サックス奏者が女性…???」耀司、コクリと、「えぇ。」誓、「うんうんうん。ホントだ~~。」晄史、「かかかかか。僕は調べてなかった。とにかく、見て聞いてのリアル感、大事にしたいから。最初っから調べちゃうと。とにかく、圧倒さをって。僕は。」耀司、「あ~~。うんうんうんうん。分かります。…でね。」耀司、そこまで言って、少し体を前に。睦美と晄史を見て、「あ。…じゃあ~~。後は~~。聞いてからのお楽しみって。」睦美、いきなり、「え~~~~???…そこまで…。」耀司、思わず、「かかかかかか。」晄史、「姉さん、ごめん。」睦美、晄史に、「あんたがそういう事、言うから~~。」誓、「ルマンダ・蛯原(ルマンダ・えびはら)。サックス。うんうんうん。女性だわ。アメリカでジャズミュージシャンとして活躍。」スマホで検索して。耀司、「当たりです。」睦美、「そんな人が…、マテリカルゴールドに…。」晄史、姉に顔を。「姉さん、マテリカルゴールド、知ってるの…???」瞬間、睦美、「えっ…???へっ…???」いきなり照明が…。耀司、「おっと。」誓、「始る~~~。」晄史も、「うんうんうん。」睦美、思わず鼓動が…。緞帳がゆっくりと…。そして…、ドライアイスの煙がステージ上を。すると、今度はコンガの小刻みなリズム。サンバのリズムである。1分程コンガが続いたかと思うと、今度はベース。同じく1分程度。そして…、いきなキーボード。…かと思ったら、そのままサックスが重なる。いきなり観客席から拍手とフィンガーホイッスル。そして、ギターとも重なる。耀司、「かかかかか。いきなり来ましたね~~。」睦美、「凄~~い。」晄史も、「わ~~お。この迫力~~。」誓、「うんうんうん。」耀司、「これは、聞き応え充分。」睦美も、「うんうんうん。」オープニングはサンバの曲で始まった。そして、終わったかと思うや否や、今度はギターの唸る音から始まり、そのままドラムが重なっての曲。晄史、「あれ…???…この曲…。どっかで…。」すると睦美、思わず、「わっ!!!」耀司も、「あれ…???」すると、「あ~~~。はいはいはい、テレビの車のCМ~~。」睦美も晄史も、「うんうんうん。」晄史、誓に、「ほらほらほら。カツマのCМ~~。車の名前までは分かんないけど、このCМの曲、いいわ~~ってふたりで。」誓、顔を傾げて、「うん…???」睦美、「夜の10時頃に見るよね~~、あのCМ~~。」いきなり誓、「あ。はいはいはい。うんうんうん。確かに~~~。はははは。」耀司、「かかかかか。みなさん、ご存じのようで…。」睦美、「へぇ~~~。あのCМの曲~~。この人たちの~~~。」4人共に、アンコール、そして終演まで一切席を立つこともなく、コンサートを堪能したのであった。 ママでいい…。 vol,106. 「ジャズやフュージョンの世界では有名~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.06
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そして…。あっと言う間に、ジャズコンサート当日。高井戸より早く到着した晄史と睦美。「品川のマリアナホール。」晄史。睦美も、「うんうんうん。」「なんか、凄いトコだよね~~。」「ねぇ~~~。」ふたり共に辺りを見回しながら。晄史、「や~~っぱ。ネットで画像を見るより、実際に来て、スケール凄いわ。はははは。」睦美も、「うんうんうん。」「こ~~んなトコで、ヴァリエットのステージ、やってみたいな~~~。」そんな晄史に睦美、ニッコリと。そして…。晄史のスマホにライン。誓からである。「後、10分くらいかも…。…って、混んでる。」耀司もタクシーの中で運転手に、「混んでますね~~。」運転手も、「そのようですね~~。普段は、そんなに混まない道なんですけど…。」その声に耀司、「へぇ~~~。」タクシーの後部座席で誓、スマホの画面を見ながら…。すると、ピコン。「えっ…???…品川………。乗用車と貨物トラックの衝突事故。え―――――――――っ!!!」全く車は動かない。誓、腕時計を見ながら、「ヤッバ~~~。」晄史、「うそ。姉さん、あれ…。」睦美、「うん…???」ホールの電子掲示板で、「品川………。乗用車と貨物トラックの衝突事故。」晄史、「わお。…って、すぐ近く…。」睦美、「誓、大丈夫かしら。…それに、高井戸さんも…。」タクシーの運転手、無線の声に、「道理で~~~。」誓、タクシーの運転手に、「すみません、ここで降ります。全然動かないもん。」運転手も、「すみません。申し訳ない。この分だと。」そして誓、タクシーから降りて歩道に…。「もぅ~~~。」すると…。「お~~い、誓さ~~~ん。」誓、その声に振り向くと、「へっ…???」そして、走ってくる人を見て、「あは。高井戸さん。」耀司、誓に駆け寄り、「へぇ~~~。いやいやいや。タクシーの運転手から、お客さん、その先で事故、あったらしいです。ちょっとやそっとでは~~。時間もないからタクシーから降りて。」誓、ニコニコと、「うんうんうん。私も同じ~~。」「晄史さんから、先に入って待ってるって。」誓も、「うんうんうん。私にも同じ。」耀司、誓に、「行きましょうか。」「はい。」そして…。耀司、誓、共々、「わお。」「凄い。」耀司、誓に、「ははははは。初めて来た。」誓も、「私もです。」中に入ってまた、「へぇ~~。」耀司。「凄~~い。」そして…。ふたり共に中を見回して…。耀司、「お~~~。」誓、スマホで。ホール内の案内板を見て、耀司、「あっちですね。」歩きながら…。ふたり、階段を上って2階に。誓、階段を上りながらも、「わお。お洒落な階段。踊り場にもなってる。」耀司、「ははは。うんうんうん。まっ。こけら落としが2年前って言う話ですから、新しいですよね~~。」誓も、「うんうんうん。ですよね。」そしてふたり共に2階に。ドアを開けて、「へぇ~~ぇえ~~。」耀司。誓、「どこ…???」耀司、確か…。誓のスマホにライン。誓、画面を見ながら、「…と、言う事は~~。」耀司も、「あっちですね。」誓、頷いて。そして…、あるきながらも…。やがて、手を振るひとりの男性。誓、「あは。いたいた。」耀司も、「お~~~。はははは。」晄史と睦美の席に。耀司、「ふぅ~~~。」誓、「はぁ~~~。やっとこさ。もぅ~~~。近くまでタクシーで。全然動かないんだも~~ん。」耀司、「かかかかか。焦りましたね。」晄史、少し、座席に体を深く、そして、「高井戸さん、どうぞ。」耀司、「あ、あ~~。…じゃあ。はい。すみません。」晄史と睦美の前を…。そして睦美の左隣の空いている席に。そして誓は通路側。晄史の右隣に。睦美、高井戸に、「間に合って良かったです。」耀司、「いや、すぐ目の前だってぇのにいきなり、お客さん、その先で事故のようですって言われて、うそ。」誓も、「うんうんうん。タクシー降りちゃったよ。そしたら、偶然、後ろから高井戸さんの声。」晄史、誓を見て、「わお。」睦美、誓を見て、そして高井戸を見て、「もしかして…。そこから歩いて…???」耀司、「あ、いや…。思わず走っちゃいました。200メートルくらいかな。」誓、「ですよね~~。」晄史、「何と。」誓、前を見ながら、「…って言うか、ここ、凄いよね~~。何ともスケール~~。」晄史も睦美も、「うんうんうん。」「建物の外見から凄かったからびっくり。こんなとこ、あったんだ~~って。」耀司、座席に座り直して、「まっ。何とか間に合って良かった。あと15分。」睦美と晄史、「えぇ。」「はい。」晄史、高井戸に、「高井戸さん、マテリカルゴールドって知ってます…???」耀司、その声に、「いえ。知らないんですけど、結構、有名なジャズバンドなんですね~~。」その声に睦美、ドキン。 ママでいい…。 vol,105. 晄史と睦美。「品川のマリアナホール。」※※※※※※※※※※※
2024.11.05
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いきなり晄史の高い声、「へぇ~~~。それは凄い。仕事が忙しい。」「えぇ。お蔭様で。」その瞬間、また耀司、欠伸が…。それを堪えて。そんな顔を見ての芙美花、「ぷぷぷぷ。目ぇ、真っ赤。欠伸、堪えた。かかかかか。」耀司、スマホに、「何故か分かんないですけど、急に仕事量が増えまして。ここ、1週間ほど…???…かかかかか。お蔭様で、いつもの寝る時間…、外。」「寝る時間…、外…???」晄史の声。「あ~~。」耀司。「かかかかか。つまりは、寝るの、深夜、通り越しちゃってますね~~~。」いきなり晄史、「え――――――――っ!!!」その声にキッチンの睦美と暁美、「うん…???」晄史、「寝るのが深夜…、通り越してる…???…凄いや。…って言うか、高井戸さん、体…、大丈夫ですか…???」その声に睦美と暁美、顔を見せ合って、「寝るのが深夜って…。」「まぁ…。」耀司、ルンバが足元で、「おっと。」そして、「…と、言っても、何だか、懐かしくって。」スマホから、「懐かしい。」「今の会社、立ち上げた時も、こんな感じだったんです。」「へぇ~~~。」「晄史さん、今日も仕事…???」その声に晄史、「あ、いえ…。今日は、誓と買い物する予定があって。仕事は休みです。午前中に出掛ける予定です。」耀司、「はは。いいですね~~。」晄史の声、「今日は高井戸さん、何か予定は…???」その声に耀司、「ま。僕の方は、日曜だけど、仕事になると思います。納期に間に合わせないと…。…と、言うか、こういう状況、そんな、長くは続かないとは思いますけど。多分、イレギュラーかと。」「大変ですね。」「娘からは体、動かさないとって、今、言われたばかり。」「へぇ~~~~。」晄史の声。耀司、「楽しい買い物にしてください。」「はい。ありがとうございます。それじゃあ、また。」耀司、芙美花を見て、「はい。電話、ありがとうございました。」通話は切れる。キッチンで芙美花、「電話、その…、眞鍋さん…???」耀司、「あぁ。ヨシカワの音楽教室の眞鍋さんの弟さん。」芙美花、頷いて、「ふ~~ん。」そして、「はい、バセットもご飯にしよ。」その声にバセット、「ワン。」そして自分の席から立ち上がり朝の食事。洗い物を済ませての暁美と睦美。暁美、「何だい、高井戸さん、深夜になってから寝るって~~???…大変だねそりゃ。」その声に晄史、「うん。まっ。でも、会社、立ち上げの頃みたいで懐かしいんだって。」「おや。」暁美。「会社、立ち上げって、前々からあった会社じゃないのかぃ。」その声に晄史、顔を傾げながら、「ん~~~。そこまでは話…、聞いてないけど…。」睦美、「洗濯物…っと~~~。」「ふ~~~ん。お義兄さん、ジャズコンサート。品川の…???」勝臣。「うん。」汐梨。「ヨシカワの眞鍋さん。ん~~~。顔、忘れちゃったけど。」「かかかかか。最近、パパ、ヨシカワ行ってないもんね。」「うん。」そして勝臣、「まぁ。…でも、ママから聞いたあの事…???」汐梨、その声に、「あ、うん。」「できればね~~。」お味噌汁を吸いながら、「叶えて欲しいとは思うんだけどな~~~。」汐梨、その声にニッコリと、「うん~~~。」けれども、「でもね~~。結構、あぁ見えて、兄さん、鈍なところ、あるから。」勝臣、「かかかかか。…って、笑っちゃ~失礼だけど。ん~~~。確かに。芙美花ちゃんから、おとうさん…???…って。」その声に汐梨、両眉を上下に。「ふん。」「まっ。…けどな~~。電気、機械に関してはとにかく凄ぇもんな~~。この人、プロかぃって、お手並み。」汐梨またもやニコニコと、「うんうんうん。」「何とか…、眞鍋さんと、しっかりと鞘に収まってくれれば、ありがたい限り。」汐梨、いきなり、「…って、パパ。本人には、言わないでよ~~。まっ。芙美花には話してあるけどさ~~。兄さん、まだ、それに気付いてないんだから~~。」そこまで言って汐梨、「…ってか。眞鍋さん、弟さんも、意外と…、そこまで考えて、るのかな…???」勝臣、「うん…???」汐梨、顔を傾げて、「…ってか、分かんないけど…。…だって、そもそもよ。」妻の声に勝臣、「うん。」「まっ。確かに~~。ジャズフェス…???…偶然に会って、そのまま食事。うんうん。分かる。まぁ。眞鍋さんの弟さんから誘われてって事で、食事、したみたいだけど。」勝臣、頷いて、「うん。」「けどさ。その後、これまた偶然に芙美花の吹奏楽の定期演奏会…???…それだって、普通…、自分の姉を誘ってまで来る…???…普通なら、自分だけで…。ま。確かに、自分ひとりで行くのもって言うのも、ありそう…かも、知れないけどさぁ。あの時は、奥様の方は仕事で抜けられなくって~~。」その話に勝臣、「ん~~~~。」 ママでいい…。 vol,104. 「急に仕事量が増えまして。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.04
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そして…。来る日も来る日も耀司、汐梨から家事の教育。そして…、麻沙美の保育園のお迎え。ヨシカワ音楽教室には週に2回。耀司、「…って言うか汐梨~~。木守家の家事は、大丈夫なの~~???」そして、耀司、「ふぁ~~~。」と、欠伸。そんな声に汐梨、逆に、「な~~に言ってるかな~~。私は芙美花の為にやってるの。かかかかか。兄さんひとりだったら、逆に、家政婦雇ったら~~って、見放しちゃうわよ。兄さんの人生でしょって。…って言うか、兄さんが今もこうやって家でちゃんと生活出来るって言うの、事実上、芙美花がしっかりしているから、こそなんだからね~~。洗濯なんか、朝早く起きて、ちゃ~~んとやってんだから~~。しかも、朝食の準備まで~~。普通、高校生がここまでやるぅ~~~???…まっ。最近じゃ、私が明日の準備して帰るから~~、その分、芙美花は楽になっているはず。なんだけど~~。」そんな話に耀司、「はいはいはい。すみません。その通りでございます。」ペコペコしながら。「…って言うか。」汐梨、耀司を見て、「何さっきから欠伸ばっか。」耀司、「うん…???…あぁ。…いや。まっ。何て言うか、その~~。仕事がさぁ~~。」「ふん。」「何故か一昨日辺りから、受注が多くって。」その声に汐梨、「あら。」「他のスタッフに回そうってラインしたんだけど、何でか、他のスタッフも新しい仕事が次々とって。…だから、他のスタッフにも仕事、回せない状態。な~~もんだから~~。しかも…、納期にも間に合わせないと…。…と、なると、夜中にまで仕事…。」「へぇ~~~。…と、なると、会社だったら、つまりは、残業…???」「まっ。家でやっている仕事だから、元々残業なんて付かないけど。…時間配分がね~~。昨日は、終わったの深夜2時。」「うそ。」「まさか…、こんな受注…、そんなに続かないとは思うけど…。…ただ。…他のスタッフも同じ状況…、と、言うのがどうも、気になる。」「何でなの…???」耀司、両手を挙げて、「さあ。」ただ…。そんな耀司の仕事は…。と、言うより、株式会社ウェルストン、耀司意外の他のスタッフたちも同じように、その後、1週間は続いた。その度に耀司、リビングでは、「ふぁ~~~。」欠伸が…。芙美花、「おとうさん。そんなだったら、もう少し寝てたら~~???」その声に耀司、乱れた髪のままで、パジャマのままで、「いやいやいや。そんな訳には…。」そして、またひとつ、「ふぁ~~~。仕事が遅れてクライアントに迷惑は。」そして耀司、「かかかかか。会社、立ち上げた時のあの頃みたい。」芙美花、「あ~~、うん。確かに。」株式会社ウェルストン。元々は、会社自体、産声を上げたのは今から6年程前である。IT関係の企業に属していた耀司ではあったが、ここでは自分の力が発揮出来ないと、元々大学時代に交流していた仲間たち数名とで株式会社ウェルストンを立ち上げたのであった。元々、その道のプロであり、立ち上げからの業績は右肩上がり。但し、スタッフたちは、「まさか、これほどまでに…???」業績は上がるものの、疲労感もあった。但し、その頃は自分たちの力が思う存分発揮出来ているという達成感もあり、疲れもいつの間にか癒えてはいた。耀司、30代後半。ただ、それから数年で新型コロナの時代が訪れてくるのだが…。「…って言うかさ~~。今日、日曜日なんだから~~。少しは体、休めてよね~~。家で仕事だからっておとうさん、それを良い事に日曜日も仕事してるでしょう~~。少しは運動してもいいんじゃない~~~???…友達のおとうさんは、日曜日はゴルフ~~~ってぇ。まっ。おとうさんの場合、昔取った杵柄で、黒帯で鍛えても、いるから~~。大丈夫だ。とは、思うんだけど~~。」芙美花、ヒョットコのような口をして顔を傾げて。耀司、こちらも顔を傾げて、「ん~~~。ま。確かにね~~。鍛えている…、ちゃ~~。…とは、言っても、何年になる…???…あれから…。」と、変顔。芙美花、「…って、おばちゃんだって心配してんだから~~。」耀司、コーヒーを飲みながら、「ん~~~。まさか、1週間も続くとは…。なぁ~~~。いきなりドド~~ンと~~。」そんな耀司にラインの電子音。「おっと~~。うん…???」そして…。「はい。高井戸です。おはようございます。」スマホから、「おはようございます。晄史です。」耀司、「はいはい、おはようございます。…どうしました…???…はははは。朝早くから。」晄史、「高井戸さん、朝ごはん。」「あぁ、えぇ~~。」空になった皿や茶わんを見て、「終わりましたけど…。」晄史の声、「どうしてるかな…、と、思って~~。」「はははは。うんうん。まぁね~~。仕事…、忙しいです。はは。」 ママでいい…。 vol,103. 耀司、「ふぁ~~~。」と、欠伸。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.03
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生野、「眞鍋さんには、いつでも教室空いている時にピアノ、弾いてもいいですよって言ってますから。」宮下、生野に、「事務局長、眞鍋さんって、元ピアニストなんですよね。」その声に生野、「おや。良くご存じで。」宮下、舌をチロリと。「ママ友から訊いちゃいました。」生野、「あらららら。」「ママ友も本人から聞いた訳じゃないらしいんですけど、事務局の人たちが言っているのが聞こえたらしくって。」「あら~~。はははは。何と。レッスン生やその親御さんたちがいるときには、事務局員のプライベートな事は絶対に。とは、釘を刺してはいるんですけど…。はははは。何とも、うっかりなりませんね~~。…と、言うより、聞いてて、ピアニスト…???…と、思わない方がおかしいんですけど…。眞鍋さん、とにかく、ピアノ、ジャズからクラシック、その他までもしっかりと弾けます。」耀司、頷きながら、「へぇ~~~~。凄~~い。」生野、「おっと。はははは。長話を。」そしてペコリして、「失礼します。」耀司、そして宮下も生野にお辞儀を。眞鍋、ピアノを弾き終わり、教室のドアに。ふたりの顔を見て、目を見開き、そして、思わず顔を赤らめて。ドアを開いてふたりに会釈を。そして…、「どうも…。失礼しました。」耀司、そんな睦美を見て、「凄い。さすがです。」宮下もにっこりと、「素敵。」眞鍋、照れながらも恥ずかしそうに、今度は丁寧にお辞儀をして、「失礼します。」すぐさま踵を返して事務局の方に。宮下、瞬きをして、そして顔を傾げて、「なにやら…。顔が、赤かったような…。」そして、「ま。当然か…。ピアノを弾いているところを見られて…。」けれども、「うん…???…でも、元ピアニストなら別に…、恥ずかしい…、と、言うのは…。ちょっと…。」眞鍋、事務局に。そして奥の自分の席に…。その時、チラリと眞鍋を見た奈織と有紀、「…ん…???…眞鍋さん、顔…。」ふたり、共に瞬きしながら…。顔を見合わせて…。「赤かったけど…。」「うんうんうん。」数秒後、高井戸と宮下、事務局に、笑顔で、「お世話様でした~~。」奈織と有紀、「あ~~~。はいはい。うんうん。」麻沙美も、「お世話様でした~~。」有紀、ニッコリと、「ははは。ふたりとも~~。今日も頑張ったね~~。」麻沙美、「うん。」蘭夢は、「はい。」宮下、奥の席の眞鍋を見て、微笑んで…。高井戸、事務局員たちに、「では、また。」有紀と奈織、「は~~い。」高井戸と宮下が玄関の方に。有紀と奈織、顔を傾げながら、眞鍋の方を…。奈緒、「もしか…、して…???」有紀も、「ん~~~???」ヨシカワ音楽教室の駐車場に宮下、高井戸に、「じゃあ、また。」耀司、にっこりと。「はい。」麻沙美、蘭夢に、「バイバ~~イ。」蘭夢も、「バイバ~~イ。」耀司、麻沙美に、「さて。帰るか。」麻沙美、「うん。」宮下の運転する車が駐車場を出る。耀司、またお辞儀を。車の中で宮下も軽くお辞儀を。学校の帰り道。景織子、芙美花に、「はははは。芙美花、何だか、ここんとこ、何かに解放された~~って顔、してない…???」詩乃と千愛も、「うんうんうん。何か、吹っ切れたって感じ、あるよね。」芙美花、そんな3人に、「えへ…???…うっそだぁ~~~。そんな事、ないよ~~。」景織子、「いやいやいや。絶対ある。いや、だ~~ってさ~~、前の芙美花なら、途中までは私たちと…。」詩乃、「うんうん。…けど、結局は、私、ごめん、帰んないと。に~~、なっちゃうじゃない。最近、そういうの、めっちゃ減った~~。」千愛、「だよね~~~。」詩乃、芙美花に寄り添いながらも、「あやしい~~~。」芙美花、「かかかかか。何が怪しいかな~~。」千愛、「もしかして…、誰か好きな人。」芙美花、思わず早い瞬き、そして、「はっ…???」景織子、「な~~~んて、事は、ないよね~~。私たちの間で~~。」芙美花、目を真ん丸にして、「いやいやいや。び~~っくりした~~。うそでしょ。好きな人…???」そして、クシャリとした顔で、「逆に、私の方が欲しいよ~~~。」口を尖らせながら。千愛も詩乃も、「ははははは。」景織子、「私たちの中で、抜け駆けは許さない。」そして4人、「キャハハハハハハ。」「へぇ~~~。ジャズコンサート。」汐梨、洗濯物を畳みながら。耀司、同じように汐梨の手先を見ながら、「うん。品川のマリアナホールでね。」「で、また、眞鍋さんたち誘って。」「うん。あ、いや…。って言うか、サイト見るとさ~~。ズラリと、予約枚数終了ってあってさ。早く予約しないとまずいって、思って~~。」「へぇ~~ぇえ~~。はは。まっ。私も行ってみたいけど、麻沙美がいるから無理~~。」耀司、その声に、「了解してます。」 ママでいい…。 vol,102. 「事務局長、眞鍋さんって、元ピアニストなんですよね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.02
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睦美、ベッドの中で、「マテリカルゴールド。みんな…、頑張ってるね~~。」マテリカルゴールド。つまりは、阪部洵のいたジャズバンド。阪部洵を失って後の新たにサックス奏者の加入で、バンドネームも改めての再結成となったのであった。バンドのリーダーから睦美宛に、ラインで知らされていた。「眞鍋ちゃん、気が向いたらたまに聴きにお出で。」と。そのメッセージに、「ありがとうございます。機会があったら是非。」と、送ってはいた。阪部洵が在籍していた頃の「シャーマン・オッズ」改め、「マテリカル・ゴールド」芙美花、お風呂に入りながら、「ふんふんふん。おとうさん、今度、またジャズコンサートかぁ~~。はははは。好きだね~~。…けど。」両腕を上に高く、「う~~~ん。はは。眞鍋さんか~~。…どんな人なんだろ。」そして、クシャリとしながら、「…ってか。私だけ、顔知らないって~~。…もぅ~~~。」鼻の下までお湯に浸かりながら…。翌日、耀司、また麻沙美をヨシカワ音楽教室に。「こんにちは~~。今日もよろしくお願いしま~~す。」事務局員の有紀と奈織、「は~~い、いらっしゃ~~い。」そして、その後から宮下朋佳(みやしたともか)が息子の蘭夢を連れてヨシカワ入り。こちらには事務局、少し離れた場所から万智が、「蘭~~夢君。こんにちは~~。」宮下が高井戸に、少し顔を赤らめながらもペコリと、「こんにちは~~。今日も、よろしくお願いします。」耀司、恐縮しながらも右手をヒラヒラと、「いえいえいえ。こちらこそ~~。」廊下を歩いてきた睦美、「あぁ、こんにちは~~。」低姿勢で高井戸の前を。少し顔を赤らめて。耀司、睦美に、ニコニコと、「こんにちは~~。」そして睦美、麻沙美と蘭夢に、またまた低姿勢で、「今日も、頑張ってね~~。」左手を振って。そして。腰を上げてそのまま低姿勢でソロソロと。そんな…、少し顔を赤らめた眞鍋を見て彩未と万智、そのまま眞鍋を目で追うように…。万智、彩未に、「ねね、彩未さん、眞鍋さん、また顔…、赤く…。」彩未も万智の声に2度程コクリと、「うんうんうん。」そして…。「うん…???」今入って来た高井戸と宮下を見て、「うん~~~???」顔を傾げて…。そんな万智を見て彩未、「彩未さん…???」彩未、顔を傾げて、訝しげに、「ん~~~~~。ん…???」いきなり目を見開いて、そして眞鍋の方を見て、「まさか~~~。」万智、そんな彩未に、「へっ…???」彩未、万智を見て、「あ。はは。」そしてまたチョコンと顔を傾げて、「あぁ、うん。…まぁ…。…けど…。…一応は…、予感…、だけだけどね~~。」そんな彩未に万智、眉間に皺を。「予感…???」彩未、「はいはいはい。仕事、仕事~~。」…そして…。音楽教室のレッスンを終えての耀司と宮下。そして麻沙美と蘭夢。廊下を歩きながら…。すると…。何処からかピアノのメロディが耳に入ってくる。宮下、「あら。」耀司、「おや。」ふたり共に、そのメロディに吸い込まれるように。すると…。今はレッスンのしていない教室からのピアノの音。宮下、ピアノを演奏している女性の姿に、「凄いわ~~、眞鍋さん。」その声に耀司、「えっ…???…宮下さん、ご存じなんですか、眞鍋さんがピアノ弾くの。」「もちろんですよ~~。」高井戸を見ながら。「ウチの子もね~~。あんな風にピアノ弾けたら~~。…って言うか、その為にここ、来ているんですけど…。」その声に耀司、「はは。…ですよね~~。」宮下、「眞鍋さん、元ピアニスト。」瞬間、耀司、「えっ…???…そうなんですか…???」その驚きに宮下、「あら。高井戸さん…、ご存じ…。」耀司、急に困ってしまって、「あ、いえいえ…。…って言うか…。」すぐさま頭の中で、「…あれ…???…汐梨…、言ってたっけ…???…と、言うか、俺、聞いたの忘れてた…???」宮下、「…と、言っても、私も本人から聞いた訳じゃないんですけどね。同じレッスンのママ友から…。事務局の人たちが話しているのが聞こえたらしくって。凄いって思ったんですって。」そして宮下、「凄いですよね~~。眞鍋さん、韓国人であんなに奇麗で、しかも、ピアノも弾ける。…ん、だけど~~。彼女、結婚してらっしゃらないのかしら。見た目、どう見ても20代には見えないですよね。…恐らく…、30~~。半ば…???…ん~~。中々、近くで眞鍋さん、見る事、出来ないんですもん。他の事務局の人たちはきさくに声、掛けてくれるけど~~。席も奥の方だし~~。」そこに生野、ふたりににこやかにお辞儀をして。そして教室から聞こえるピアノのメロディに、「ほほぅ~~。今日はリストですね~~。ラ・カンパルネ。うんうんうん。」耀司、事務局長に、「えっ…???…さすが、聞いていてすぐに何の曲か。」生野、「ははははは。お蔭様で。」 ママでいい…。 vol,101. 「…ってか。私だけ、顔知らないって~~。…もぅ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.11.01
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そして晄史、すぐさまスマホでカレンダーを。「うんうんうん。その日、大丈夫です。」誓、晄史に寄り添ってスマホを…。晄史、スマホ画面を誓に。晄史、カレンダーに指差して。誓、すぐさま自分のスマホで…。そしてカレンダーで。すると誓もニッコリと。左手でOKサイン。晄史、スマホに、「OKです。その日、誓も大丈夫です。」スマホから高井戸の声、「良かった~~~。はははは。」「ちょっと、待って下さいね。」晄史。すると晄史、すぐさま自分のスマホを姉に。「ふん。ほら。」睦美、ドキンとして、「えっ…???…はっ…???」晄史、姉に、「高井戸さん。電話。ほら。出てよ。」睦美、「はっ…???」暁美も誓も睦美を見て、両眉を上下に。睦美、ふたりを見て、「えっ…???」晄史、「はいはい。相手を待たせない。」誓、思わず、「ぷっ。」睦美、仕方なく晄史のスマホを。そして…。スマホに、「あ、はい。もしもし。…睦美…、です。」またまた誓、「ぷ。」暁美はそんな睦美を見て目を丸く顔を傾げて。耀司、その声に、思わず、「あれ…???…睦美…、さん…???」睦美、面映ゆく、「あ、あ、あ、はい。睦美です。…あ、あの…。」晄史、「ほらほら~~。」睦美、思わず口の中のものをゴクリと。耀司、スマホに、「あの~~~。あ、あ、あ~~~。はは。あの…。今、晄史さんにも、話したんですが~~。」睦美、「あ、あ、あ~~。はい。」スマホから、「あ、あの…、ですね。あの…。」瞬間、睦美、「行きます。」その声に晄史、ニンマリと。暁美、誓も目を真ん丸に。そして口をおちょぼ口に。睦美、再び、スマホに、「行きます。私も行きます。」耀司、スマホを耳に。そして…、何かしら安堵したような顔で、「わ、分かりました。はい。」睦美、すぐさまスマホを晄史に。晄史、スマホに、「ありがとうございます高井戸さん。」スマホから、「あ、いえいえ。」照れ臭そうに。そしてパソコンの画面を見ながら、「…仕事をしていて、リサーチしてたらいきなり広告が出て来て。…その…、ジャズコンサートの…。そしたら、かかかかか。晄史さんたちを思い出して。」晄史、ニコニコと、「ありがとうございます。」耀司、すぐさま、「じゃあ~~。予約…、入れちゃいますね~~。予約受付中みたいで、今は予約中からも知れないけど…。ぐずぐずしてたら、もしかするとチケット、予定枚数終了になっちゃうかもって、急いで。」その話に晄史、「うそ。そんなに人気のジャズコンサート…???」耀司、「えぇ。画面見ていると、ズラリと、予約枚数終了って文字が。」「へぇ~~ぇえ~~。凄い。」「だから、すぐに晄史さんに連絡しようと。」晄史、ニッコリとして、「ありがとうございます。」「じゃあ~~。4人分、予約、入れちゃいますね。」晄史、「あ。…でも、木守さんの分は…。」スマホから、「あ、妹は無理です。…って言うか、多分、子供は入れないと思うから。それに…。妹は麻沙美がいるから私はパスって言うはずですから。」晄史、「あ~~。うんうん。確かに。」「この前のジャズフェス、妹に頼んで。」「なるほどね~~。」晄史。「はい。分かりました。じゃあ、2週間後に。」耀司、「はい。分かりました。こちらこそ、ありがとうございました。急な誘いで。」スマホから、「いえいえ。嬉しいです。はい。あっ。」そこまで言って晄史、目を左右に。スマホから高井戸の声、「えっ…???…どうしました…???」晄史、姉と母、そして誓を見て、一度口を噤んで、「あ、いや…。はい。ありがとうございます。じゃあ、失礼します。」スマホから、「はい。では。」通話は切れる。晄史、「ふぅ~~~。かかかかか。いきなりだからビックリした。」耀司、「ヨシ。これで良しっと。」部屋の外から、「おとうさ~~ん、ご飯~~~。」「はいは~い。」耀司、椅子から立ち上がり。誓、「へぇ~~~。ジャズコンサート。」晄史、「うん。」「どんな感じなんだろうね。」その声に晄史、「ん~~~。」そして、「姉さん、何か、知ってるの…???…さっき、何だか驚いていたような…。」暁美も誓も、晄史のその声に、「うん…???」瞬間、睦美、目を見開いて、「えっ…???…え…、いや…。あの、その…。」そして、首を振って、「いや…。別に…。」晄史、「それに、いきなり、行きます。なんて…。」「あん。」睦美。「あ、でも…。私も元々、ジャズは…。」誓、「確かに。お義姉さん、とにかくピアノ、ピカ一だから。ジャズでもクラシックでも、何でも弾けちゃうから。」睦美、誓の声にニコニコしながらも、「まっ。まぁ。うん。」晄史、「うんうん。食べた、食べた~~。はははは。ご馳走様でした。」芙美花、椅子に座った父を見て、「何々、何だか嬉しそうじゃない。どしたの。」そんな芙美花に耀司、「う~~ん。へへへへへ。」「何よ、その笑い。」 ママでいい…。 vol,100. 晄史、姉に、「高井戸さん。電話。ほら。出てよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.31
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晄史の話しを聞いて暁美、「あら。」すぐさま睦美を見て。口を噤んでいる睦美を見て。思わず、「ぷっ。」そんな母に睦美、思わず、「おかあさん。何、その笑い。ぷって。」ニコニコしながらの暁美、「ははははは。かかか、うんうん。笑って申し訳ない。ごめんなさい。でもねぇ~~。」晄史と誓を見て、「いいじゃない~~。ねぇ~~。行ってらっしゃいよ~~、高井戸さん宅~~。」瞬間、目を真ん丸にする誓と晄史。晄史、「ねね。かあさんもそうでしょ。」誓、にんまりとして顔を傾げて、「ふふ。」睦美、「んもぅ~~~。」いきなりスプーンに山盛りでカレーを。そして口に。暁美、晄史と誓を見て、「あんたたちが来る前に、高井戸さんの姪御さん。ほら、音楽教室に通っている~~。」誓、「あ~~、はいはい。木守さん。」晄史、「うんうんうん。…確か…。名前…。」睦美、「麻沙美ちゃん。」晄史、「そうそう。」暁美、「その子。…もしかして…、絶対音感…???…な~~んて話をしてね~~。」誓、「絶対音感…???」思わず眉間に皺を。そして瞬き。義姉を見て、「うそ。そうなの…???…お義姉さん…???」いきなり睦美、小刻みに顔を左右に、口を噤んで、「いやいやいや。全然、全然。」けれども顔を傾げて、「…と、言うのは…。…聞いてないけど…。」晄史も、「うんうんうん。僕も聞いてない。」暁美、「そんな話をしててね~~。」睦美を見て。晄史、「あ~~~。はいはいはい。姉さん、絶対音感だからね~~。」いきなり誓、目を真ん丸に、「うそ~~~~っ!!!」瞬きをしながら晄史、誓を見て、「あれ…???…誓にその事、話してなかったっけ。」誓、思わず左手を口に、顔を左右に振りながら、「いやいやいや。全然、全然。初耳~~。」目を真ん丸に。「うそ~~~。お義姉さん、絶対音感。うわ~~お。」暁美、「ふふふふふ。…まぁね~~~。睦美も、2歳の頃だったからね~~。」誓、「え~~~~ぇえ~~~???」晄史、「姉さんが、2歳の時に~~。誕生日にショッピングモールに誕生日の買い物を、かあさんとね~~。そん時に~~。街頭にピアノがあったらしくって~~。姉さん、かあさんにねだってピアノに引っ張られて、仕方なくかあさん、そのビアノの椅子に姉さんを。そうしたら姉さん、そん時にモールで流れていた曲をピアノですぐに弾いちゃったんだって。」いきなり誓、「うそ~~~~っ!!!」「でぇ~~。」晄史。「かあさんもビックリして、とうさんと話して誕生日に小さなピアノを姉さんに。」誓、顔をコクリと、「うんうんうん。」「そして、オーディオで曲を流したら~~。またまた姉さん、その曲をすぐさまそのピアノで弾いちゃった~~~。」誓、またまた目を真ん丸にして、「わ~~お。すっごい。」「とうさんもびっくり。それからだよね~~。あれよあれよと、姉さんピアノにまっしぐら。まっ。その時は、僕はまだ生まれてないけど…。小学の頃にかあさんととうさんから聞いたんだけど、その頃の僕は絶対音感なんて知らないから。…けど、何でもピアノで弾ける姉さんは。かかかか。確かに、凄いって思ってた。僕には何もなかったから。」誓、「いやいやいやいや、ビックリ。お義姉さん、凄~~い。」思わず照れるように睦美、「んんん~~~。まぁ…ねぇ…。」晄史、「でぇ~~。それからは姉さんのピアノ演奏が~~。続いた~~。」誓、「へぇ~~~。…そうだったんだ~~。まま。いろいろと韓国での事、話は聞くけど~~。まさか…、そこまでは~~。とにかく、眞鍋のおとうさんの話しはうんうん。良く聞くから~~。」暁美も、「うんうんうん。そうだよね~~。」誓、コクリと。「うん。大手ゼネコン黎和(れいわ)建設。凄い会社だも~~ん。…それに…。お義母さんも晄史も義姉さんも帰化してるから~~。専ら話は仕事の話しになっちゃうからね~~。」晄史、頷いて、「うんうんうん。確かに。会社の話しと音楽教室の話しが多いよね。」その時、晄史のスマホにライン。晄史、「うん…???」すると、「はは。高井戸さん。」瞬間、誓も睦美も、「うん…???」晄史、すぐさま通話ボタンを。耀司のスマホにラインの通話音。「おっと~~~。」そして、「もしもし、お疲れ様です。高井戸です。」晄史、「もしもし。はい。晄史です。」スマホから、「あ、晄史さん。あのね。ジャズのコンサートがあるんだけど。」晄史、「ジャズのコンサート。」誓、「行く行く。」晄史、頷きながら、「うんうんうん。品川の…、マリアナホール。マテリカルゴールドの。」瞬間、睦美、目を真ん丸に、「マテルカルゴールドッ!!!」晄史、瞬きしながら姉を見てスマホに、「はいはい。」スマホから、「できれば予定に入れて…。」すぐさま晄史、「分っかりました~~~。11月の~~。あ、少しお待ちください。」 ママでいい…。 vol,099. 睦美、思わず、「おかあさん。何、その笑い。ぷって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.30
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暁美、「かかかかか。まだあんた、2歳だったから、そりゃ、覚えてないだろう~~。まっ。…けど、あの時の事はかあさん、とにかくビックリ。」「はいはいはい。」睦美、「何度も聞きました~~。」「おとうさん、信じなかったけどね~~。本当にあんたが小さなピアノであれを弾いたのには驚いて~~。かかかかか。」また睦美、「はいはい、絶対音感ですぅ~~。」暁美、「かかかかか。」そして、キョトンとして、「その子も、絶対音感なのかね~~。」すぐさま睦美、変顔をして、「はぁ~~ぁあ~???」そして、「かかかかか。そんなの…。私が、分かる訳ないじゃ~~ん。」その時、一瞬、睦美、韓国の、自分の本当の父親の顔が脳裏に…。けれどもその顔は僅か2秒程で消えて…。暁美、お茶を一口、そして、「まぁね~~~。」すると暁美、何を思ったのか、「高井戸さん、大事にしなさい。折角の日本の友達~~。無駄にしちゃいけないよ~~~。…音楽にはあんた、真向から、だけど~~。異性にはからっきし~~。まま。…一途なところは一途だけどね~~。…それにおまえ、自分の事はあまり喋らないし…。」睦美、いきなり現実に戻されたような…。そして、口をへの字にして、「おかあさん…???」「ほれほれ。食事の準備でもしようかね~~。…今日は、カレーだね~~。」睦美、「あ。…う~~ん。」そして、「では、始めますか~~。」少し、何かしら思い出したような顔をして、口を尖らせながら。そんな睦美を見て暁美、「う~~~ん~???…どうしたい。なにやら…。」その声に睦美、母を見て目を丸く、「うん…???…あ、はは。うん。小さなピアノでね~~。小さかった頃の事、思い出しちゃってね~~~。」暁美、そんな睦美を見て微笑んで、「はは。うん。」コクリと。「懐かしいよね~~~。…韓国時代。」睦美、思い出すように、「うん。」そして…。ニコニコとしながらも、顔を傾げて、「はは。…うん。懐かしい~~。パパ。」そんな睦美を見ての暁美も、「うんうんうん。」そして…。リビングのキャビネットの上の写真を見ながら、「今頃、天国で何してるかな~~。」但し、キャビネットの上の写真には、韓国の父との写真はひとつもない。韓国の父との写真は、暁美にしても、睦美にしても、晄史にしても、自分たちのアルバムの中にいる。暁美の夫であり、そして睦美と晄史の父親の韓国人、ハン・ドファン。睦美が中学、晄史が小学の頃に亡くなっている。晄史と誓が一緒に、「ただいま~~。」晄史、「お腹空いた~~~。」誓、「かかかかか。駅からそればっかり~~。」暁美、「あら、ふたりお揃いでの帰宅~~。」晄史、「う~~ん。ホームに降りて歩いていたら、いきなり腕を取る人がいてびっくり。かかかかか。」誓、「ホームに降りて歩いていたら前を歩く人が晄史だったから~~、思わずワオッって。」晄史、「今日はカレーって聞いてたから~~。駅で何かって。でも、我慢、我慢。ははは。」晄史と誓、自室に…。そして…。仕事の話しをしながらの食事。「いただきます。」晄史、「お~~。おいしそ。」みな、カレーを食べながら…。誓、晄史に、「ヴァリエット、良い感じじゃない…???」その声に晄史も、「うんうんうん。お蔭様で、好評でチケットが嬉しい程。…来月は韓国だね~~。そっちのチケット予約も順調だから。」日韓合同ユニット「Valietteヴァリエット」の立ち上げスタッフになっている晄史、ニコニコと。暁美、「え…???…何…???…じゃあ、あんた。来月は韓国…???」「ふん。そっ。ん~~。でも、韓国、日本、行ったり来たりになっちゃうかも…。立ち上げスタッフにはなってはいても、それだけじゃないから。こっちの仕事との並行だからね~~。」睦美、「何…???…じゃあ~~、忙しいんじゃん。」晄史、そんな姉に、「そうだよ、忙しいよ。…けど、プライベートはプライベートで別~~~。」そして晄史、ニッコリ。暁美、その話に、キョトンとして、「何…???…そのプライベートって。」いきなり睦美、顔をクシャリとさせて。そして口をへの字に。その顔を見て誓が、思わず、「ぷっ。」暁美、誓を見て、「う~~~ん~~???」晄史も、何かしら、見ていたようで見ていないようで、「くくくくく。」暁美、「な~~ぁに~~???…ふたりして~~。」晄史、「べ~~つ。」誓も同時に、「あのねぇ~~。」晄史、誓、共に顔を見せ合って目を丸く。そして、また、「ぷっ。」「くくくくく。」睦美、口を捻じ曲げて。暁美、瞬きしながらも、「な~~によ~~。」誓、口を押さえながら、「晄史がね~~。」仏頂面の睦美を見ながら、可笑しいのを堪えようとしながらも。晄史、そんな姉を見て、可笑しがりながら、「ぷぷ。あ~~~。あのね。かあさん。」 ママでいい…。 vol,098. 「高井戸さん、大事にしなさい。折角の日本の友達~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.29
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そんな阪部洵がスタジオでの演奏中にいきなり倒れた。指が動かなくなったのである。するといきなり体の力が…。そのショックで気を失ってしまった。すぐさま救急搬送。コンサートは急遽中止。医師の診断では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)。いわゆる難病である。いきなりの症状にメンバーたちは唖然。しかも、病院に駆け付けた睦美も、メンバーたちからその事を聞いて驚愕。医師からは、「残念ながら…、今後のジャズミュージシャンとしては…。」それからが早かった。手も足も徐々に動けなく…。しかも…、話す言葉にも…。否応なくメンバーたちは他のサックス奏者を探す事に…。睦美はその頃、義父(眞鍋武敏)の伝手である音楽教室の講師として働いていた。ピアニストとしての仕事もしながらではあった。元々睦美は母親の影響で3歳からピアノを始めていた。睦美の母親、暁美、韓国名(ハン・セヨン)は元々はシンガーである。その後、声楽家とはなったが…。そして、声楽家と並行しての翻訳も大学時代から続けてはいた。そんな母親からピアノを薦められたのだった。それは…、何とも偶然だった。睦美(ハン・ユジュン)が2歳の誕生日の日に、たまたまショッピングの時に、街頭にピアノがあった。ショッピングモールで流れていたその時の楽曲、睦美は母の手を引っ張り、そのピアノに連れて行き、椅子に座らせるようにねだった。暁美は微笑みながら睦美をピアノの椅子に座らせると、いきなり睦美が流れていた曲を見事にピアノで弾き出した。突然の事に暁美はビックリ。辺りには買い物途中の人たちが次々と。僅か2歳の子供が流れていた曲をピアノで弾いたのだった。それからである。信じない夫に睦美に小さなピアノを誕生日プレゼントに。そして暁美は自分の好きな曲をオーディオで流したところ、睦美は小さなピアノでその曲を弾き始めた。父親も驚愕。つまりは、睦美は、「絶対音感」の持ち主でもあった。僅か2歳で…。そんな事もあり、睦美は3歳の頃からピアノを習う事になったのだった。その才能は極め、中学時代から可能な限りのピアニストとしての活動を開始する。そして…。大学卒業後もその活動は続いた。…けれども、父の悲しい出来事により、その後、眞鍋武敏との出会いと縁で、日本への家族と共に移住となったのである。睦美の頭の中で、一気に韓国時代、そして日本に来た事、洵との出会いが走馬灯のように…。けれども、また…。「阪部洵、パク・ソンウはもういないんだ。」晄史の声。そしてまた、目が潤み始める。小鼻がツ~~ンと。そしてまた、昨日の高井戸との景色が…。思わず、「ハァ…。」すると、スマホにラインの電子音。「うん…???…誓。えっ…???…高井戸さんの家に、行っちゃえ。」そして…。「んもぅ~~。晄史、誓に電話したな~~~。…ったく~~。」睦美、シートに深く、「あ~~ん、もぅ~~。…こんなんじゃ、おかあさんだって~~。」すぐに母の顔が頭の中に、そして、「行きなさい。」睦美、「あ~~ん、もぅ~~~。」睦美、「ただいま~~。」リビングには誰もいない。母の書斎に、「おかあさん、ただいま~~。」暁美、椅子を回転させて、「あら、おかえり。」そして時計を見て、「あら、もぅこんな時間。かかかかか。あっと言う間~~。」睦美、母に、「はははは。お疲れ様~~。捗ってる…???」その声に暁美、「う~~ん、はは。お陰様で。はは。今の、中々の素敵な本。これ、ひょっとしたら、ひょっとするかも~~。」睦美、「はは。良かったじゃな~~い~~。」暁美が翻訳している本。武敏の伝手で紹介された出版会社。最初の翻訳の仕事に出版会社から、「中々どうして、忠実であり、読者受けもいいかも。」と、逆に歓迎されて始めて以来、コンスタンスに仕事が入っている。そして…。暁美のモットーは、どんな著書でも…。例え…、自分で頭を傾げる著書でも、書いた原作者に忠実にありたい。それだけを心情に翻訳の仕事を続けている。「読んでくれるひとりひとりに、感謝、だからね~~。はははは。」掛けた眼鏡を外して、「少し、休憩しようか。」睦美、微笑みながら、「うん。」そして…。リビングでお茶を飲みながら…。暁美、「そうそう。ほら。昨日の高井戸さん。」瞬間、睦美、ドキン。「えっ…???うん。何…???」「…姪御さん、何歳なんだい…???」睦美、瞬きしながら、「5歳…、だけど…。」「ふ~~ん、そぅか~~い。…で、今、ピアノ、習ってる。」にこにこと。睦美、その声にキョトンとして、「そぅ…、だけど…。」「なんだか、思い出すね~~~。」睦美、そんな母に、「えへ…???」「あんたの2歳の時。」睦美、その頃の事は余り覚えていない。実際、物心ついた頃には、既にピアノを弾いていた。「あん。私はその頃の事は…。」 ママでいい…。 vol,097. ALS(筋萎縮性側索硬化症)いわゆる難病である。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.28
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誓、晄史からの電話に、「ん~~~。まっ。お義姉さん、まだ、恥ずかしいのかも…。それに…、高井戸さん…。あれ…???…高井戸さんって、幾つくらいの人だったっけ…。まま、奥様は亡くされてるけど~~。」晄史、その声に、「あ。いや…。僕もそこまでは~~。」誓、「でもさぁ~~~。私も、今、お義姉さんには、良いチャンスって思うな~~。」晄史、「でしょ、でしょ。」「お義姉さん、今、38~~。まま、高井戸さんは確かに~~。お義姉さんよりは歳は上だよね~~。高校2年の娘さん、ふみかさんだっけ~~。いるんだから~~。」「うん。」「お義姉さんだって、前に。…その…、恋人の…。」「うん。阪部洵。パク・ソンウ。」「難病で亡くされて~~。5年、付き合ってだんだよね~~。…それこそ、ジャズミュージシャン。」「うんうんうん。日本で大活躍。仕事がとにかく忙しくって結婚どころじゃ。…けど、姉さんの事はとにかく大事に。愛し合ってはいんだけど…。難病だって聞いて姉さん、驚いてはいたけど…。別れる事は…。」誓、スマホに、「うんうんうん。…で、結局…。」一拍置いて誓、「でも…。ん~~~。いつまでも、それにね~~。思いを寄せてもな~~。…つまりは、ひとりよがり。」晄史、「ひとりよがり。」「ん~~。つまりは、人の言う事を聞かない。自分の都合だけ。人の気持ちを無にするって、事~~。…でもさぁ~~。ん~~。私がこんな事言うと、何を偉そうに。って、言われるかも、知れないんだけどぉ。…けど、確かに、前の事…???…いつまでも大切にしたい。…その気持ちは分かる。」誓の話しを聞きながらに晄史、「うん。」「でもぉ。…いつまでもそればっかりに…、囚われていると…。」誓、髪を掻き上げて…。「いつまで経ってもそのまんま。お義姉さん、あんなに奇麗なんだよ~~。それに~~。料理も上手。38の今だから~~。押しつけがましいって言うのも分かる。…けどさ~~。このまんまだったらお義姉さん、いつまでも過去に囚われたままで、肝心のチャンスも、逃しちゃうって~~。」そして誓、「私がさ。晄史からその事聞いた瞬間に、うん、いい。いい。いいよ、それって、言ったじゃん。」誓は以前に、ベッドの中で晄史から睦美と高井戸さんの事の話しを聞いていた。誓、スマホに、「絶対に良いって思った。まっ。確かに、高井戸さんには娘さん、いるけど…。今の雰囲気からすると脈ありって、思ったもん。」そこまで言って誓、「ん~~~~。私には、お義姉さん、別に高井戸さん、嫌いじゃないって思うんだけどな~~。…逆に~~、嫌いだったら~~。昨日みたいな事、絶対に反対して~~。」その話に晄史、「あぁ~~。うんうんうん、なるほど。…確かに。はは。…だよね~~。」誓、「逆に、兄弟喧嘩に発展。…するとも思うんだけど~~。…何て言うか、私たち晄史と私とのお義姉さん…???…かなり、気まずくなる、と、思っちゃうんだけど~~。…そうでもなく…。」晄史、「うんうんうん。分かる、分かる。あ、誓、今、仕事、大丈夫なの…???」「あん。全然大丈夫よ。うん。」晄史、「はは。うん。ありがと。」「まっ。…けど…。はは。まま、昨日は私たちが高井戸さんを。…それだけでも、何かしらのプラスにはなったとは…。」誓、口を尖らせて、「なったとは、思うんだけどね~~。」晄史、誓の話しを聞きながら、「う~~~ん。」「けど…。」スマホから誓の声。「でも…。まさか…、私たち3人が高井戸さんにお邪魔って…。いうのも…。かか。…何だか…。押し掛けるみたいな…。」瞬間、晄史、「あ、あ~~。」誓、「あっ。…でも…。別に悪い意味じゃ。」すると誓、思わず早い瞬き、「あっ。」晄史、そんな誓の声に、「うん…???」「こういうのも…。あり。」晄史、再び、「うん…???」晄史、誓から話を聞いて、「わお。」睦美、電車の中でシートに座りながら、洵と一緒の写真を…。指で何度もスワイプしながら…。そして…。頭の中では…。ステージ上の洵。ベース、そしてドラム、ピアノ、そしてギターのセンターでのサックス奏者阪部洵(さかべじゅん)。韓国出身である。旧姓をパク・ソンウと言う。大手レーベル在籍。そして東京のブルーノートでも顔馴染みのサックス奏者。常に睦美は洵の演奏を生でその場で聴いている。当然ではあるが他のミュージシャンもコミュニケーションは良好、「眞鍋ちゃん」の愛称で可愛がられていた。メンバーからもいつかはふたりは結婚。と。そして、いつも揶揄われてもいたが…。それでいて、全く憎めないメンバーたち。阪部洵。韓国の大学卒業と同時に単身日本に移住。日本のジャズミュージシャンからスカウトされての音楽活動だった。 ママでいい…。 vol,096. 「いつまでも大切にしたい。…その気持ちは分かる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.27
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「でもさ~~。眞鍋さん。契約社員でさ。夕方には仕事終わって帰るじゃない。」有紀。珠里、「うんうんうん。」「その後は…???」奈織も、「あ。」そして顔を傾げて、「分かんな~~い。」「パートではなく、契約社員。私たちより2時間は早くの仕事。残業なし。」珠里。奈緒、「でぇ~~。早い話が、時間がずれてるか~~。仕事帰りに一緒にお茶。な~~んて事も~~。」有紀、「ないんだよな~~。これが~~。だから~~。尚更、眞鍋さんの事、あんまり良く分からない。…まっ。元々、自分の事、話したがらなかったし~~。」奈織も珠里も、「うんうんうん。」「けど…。あの、顔の赤は何…???…思わず反応しちゃってたわよね~~。」有紀。彩未、「ですよね~~~。」睦美、歩きながら街のショーウインドウに写る自分の顔を…。そして…、思わずポーズを…。「ふふん。」耀司、保育園に麻沙美のお迎え。もぅ、既にママさんたちにも保育園の職員にもお馴染みに。そして、その度に声を掛けられる。ママさんたちのニコニコ、「こんにちは~~。」そして…。何故か、麻沙美のおじさんのその男性を見ると顔を赤くする保育士、「こんにちは。お疲れ様です。」耀司、「ほぃ、麻沙美~~。はははは。来たよ~~。」麻沙美、叔父に向かっていきなりダイブ。耀司も麻沙美の頭を撫でて、「ははははは。ヨ~~シ。帰ろう~~。」そして、職員に、「どうもです。また、よろしくです。」職員、丁寧に頭を下げて。そして、「バイバ~~イ。」すると…。他の保育士から、「はははは。顔真っ赤~~~。まま。確かに。麻沙美ちゃんのおじさん、とにかくかっこいいもんね~~。」そんな風に言われての保育士、「ふぅ~~~。いやいやいや。はは。」「ははは。まま、いきなりここに来た時には私らもびっくり。正にイケオジ。こういう人、ここにお迎えって、来る~~???…って、思ったもんね~~。」他の保育士も、「うんうんうん。かかか。ママさんたちも、誰…???…誰って…。」「そうしたら何と、麻沙美ちゃんのおじさま。わお~~。」睦美、丁度駅に着いた。と、同時に、スマホに。画面には晄史。「あん。はい。何…???」すると晄史の声、「いつにする~~???」瞬間、睦美、「はい…???」「高井戸さんに行くの。」「はっ…???…へっ…???」晄史の声、「だから~~。あっ。…って言うか、姉さん、今、電話。」その声に睦美、「うん…???」目をキョロキョロと。「うん。今、駅だけど。帰る途中~~。」「はは。うん。…だから~~。」睦美、スマホに、「…って、いきなり何よ~~。」「高井戸さん、いつ行く~~???」「えぇ~~え…???」「だって。今度はウチにって~~。昨日、高井戸さん、言ってたから~~。」晄史、缶コーヒーを飲みながら窓際で。通り過ぎるスタッフに手で合図を。睦美、いきなりドキンと。「…って。…だからって、そんな急に。」「ウチにも来てくれたし、いいんじゃないかな~~。今度は高井戸さんの家~~。」「そんな…、迷惑よ、いきなり~~。」その声に晄史、「でもさ~~~。姉さんの、そのいきなり、や~~、相手に迷惑~~???…そう言ってると~~。いつまで経っても~~。」睦美、駅の壁際に。「いや。だって~~。高井戸さんだって、いろいろと~~。お仕事。」「家で仕事してるのに…???」その声に睦美、いきなり口を尖らせて、「ん~~~。」「僕なんか誓に、いきなりだよ。初めての会社で、初めて会って、その日の内に、私と付き合って下さいって。僕の方がビックリ。はっ…???…えっ…???…で、訳が分かんなかったけど~~。別に…。ん~~。仕事も仕事だけど、ま、いっか~~って。そしたら、付き合ってみて、いい子でさ~~。…で、そのまんま~~。」睦美、話を聞きながらに、「まま。それは…、それで~~。うんうんうん。誓は私にも、今や大切な義理の妹~~。しかも、可愛いし~~。おかあさんも気に入ってるし~~。」晄史、「僕ぅ~~。あの時~~。そうだ、これだって、思ったんだ~~。チャンスは逃すなって~~。」睦美、晄史の声に、「チャンス…???」晄史、「うん。チャンス。」「どういう意味…???」瞬間、睦美の頭に浮かぶ洵の顔。…と同時にスマホから、「阪部洵はもぅいない。パク・ソンウはもぅ、いないんだよ。」瞬間、睦美、「晄史。」思わず睦美の目が…。小鼻がツ~~ンとなって、目尻から…。そして…。スマホに、「何言ってるのよ。」そして、小さく、「ハァ~~~。」スマホから、「いつ行く…???」睦美、スマホに、「あなた、ひとりで行ってらっしゃい。もぅ切るわよ。」晄史、「姉さ。」プツリと通話が切れる。またもや顔を赤らめての睦美、改札を抜けて、「もぅ~~~。」晄史、切れたスマホに、「切れちゃった。」 ママでいい…。 vol,095. 「チャンスは逃すなって~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.26
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睦美、事務局の人たちに、「お先に失礼しま~~す。」生野、「お、は~~い、お疲れ様~~。」他の事務局員もそれぞれ、「お疲れ様~~。」裏口に向かう睦美に事務局員のそれぞれが、「絶対に眞鍋さん、誰か、いるよね。」「うんうんうん。」「だって、グラビアのモデルみたいじゃない、凄い奇麗よ。」「うんうんうん。」睦美は契約職員。正規の職員とは異なり、終業の時間は早い。「それに。」奈織。「日本語なんてあんなに上手。…ただ。…韓国人と言うのが…。」珠里、顔を傾げて、「うん。まぁ…。…でも、ほら。未だに韓流ドラマ、人気でしょう~~。」奈織、「いやいやいや。それは~~。女性の方の…。ほら~~。人気俳優。にぃ~~。人気女優って言う。」珠里、「あ、そっか~~。」奈織、珠里に、「でも珠里さん。眞鍋さんって確か…。日本に来て…???…もう既に帰化…。」有紀が、「うんうんうん。日本に来て15年。帰化はしてるって…。ねぇ、事務局長~~。」生野、コクリと、「えぇ。帰化してますよ。はい。」有紀、奈織にチョコンと顔を傾げて。「でも…。まま。眞鍋さん。…実のところを言うと…。あんまり自分の事は話さないけどね~~。」珠里も有紀の顔を見ながら、「うんうん。」有紀、珠里の顔を見て、「なんだよね~~。」「けど~~。」彩未。「私も奈織さん同様に、誰かいる。的に同意。」珠里、「ヨッ。只今恋愛真っ最中~~。」生野、「まぁまぁ。…それくらいで…。次のレッスン生たち、来ますよ。」その声に、それぞれが、「おっと~~。」元嶺万智(もとみねまち)、「恋愛か~~~。」彩未、そんな万智に、「えへ…???」「私は…、ちょっと、無理かな~~。」彩未、そんな万智に、「どうしたの、いきなり。」学校の帰り道。また芙美花たち、4人揃っての…。景織子、芙美花に、「何々、芙美花~~。…何か良い事、あった~~???」千愛も、「うんうんうん。」詩乃、「絶~~対に、何か良い事あった~~。」いきなり芙美花に擦り寄り芙美花の左肩を自分の右肩で押し込むように。そんな3人に芙美花、ニコニコとしながらも、「え~~ぇえ~~???…いやいやいや。特に何もないよ~~。…って言うか~~。おとうさんが知り合いの家に遊びに行って~~。その帰りにアップルパイ頂いて来たの。それが物凄い美味しくって~~。どうやったらあんな美味しいアップルパイ、作れるのかって、昨夜から考えてたの~~。」千愛、「え~~???…それで~~???」芙美花たちは朝から、推しの国民的アイドル女優の結婚発表で話が持ち切りだったのだった。ただ、この話題は職員室でも同じ事。テレビでも朝からそのニュースを何度も取り上げていた。朝、出掛けに、ネットニュースで、耀司が、「うそ。凄ぇ~~。マジで、結婚。わは。」そんな父に芙美花も、「うんうんうん。じゃ、行って来ま~~す。」そんな高井戸家であった。18歳で芸能界入り。「彗星の如く出現した美少女。」で、一躍時の人に。男性以上に女性ファンが魅了されていた。そのアイドル女優がまさかのミュージシャンの男性との突然の結婚発表。…確かに。芸能界デビューして後、20数年はドラマや映画CМ、グラビアや写真集など、出演、リリースしては常に爆発的にヒット。いつかは誰もが誰かと結婚。…いや。逆に、結婚して欲しくないと願いつつも、ランキングでは結婚して欲しくないランキングでは常にトップ。けれども結婚して欲しいランキングでも常にトップ。そして…、いつの間にか、男性からは、結婚してみたいランキングでもトップ表示と…。そんな彼女が、あるドラマで共演したミュージシャンの男性との突然の結婚発表。ドラマでの共演からは既に3年が経過していたのであった。その3年間、ふたりの交際をニュースとしたメディアは一切なし。…と、言うよりも、誰もが想像しない、今回の結婚発表だったのである。テレビでの街頭インタビューでも、街中の若い女性、特に学生たちには、「うそ。」「マジ。」「いやいやいやいや。」「えっ!!!…びっくり。マジ…???」「なんで、あの人と…???…確かに、ドラマでは共演、してたけど…。」等々と。博楼高校職員室では、「いや…、でも、彼の才能も凄いですから、ドラマの主題歌も何曲か。しかも、リリースする曲もヒットだし。ラジオでも番組持ってますからね~~。」岬。彩夢、「確かにね~~。それにしても驚いたわ。いきなりよ、いきなりスマホにドン。かかかかか。私なんてお弁当作る手が止まっちゃってたわよ。マジで…???…って。」博楼高校の放課後、職員室での会話はその後も続くのであったが…。学校の帰り道の芙美花たち。とにかく芙美花は、昨日のみんなからの話しにも、今では、何とか、気分は晴れていた。頭の中で、「…まさか…、おとうさんに…。ねぇ~~…。ふふふふ…。」 ママでいい…。 vol,094. 「絶対に眞鍋さん、誰か、いるよね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.25
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ヨシカワ音楽教室、事務局の午後。何やら騒がしい。「え――――――っ!!!…ほんと~~。凄~~い。良かった~~。うんうんうん。」珠里。生野もニコニコと、「うんうんうん。」その3人の話しが盛り上がっている中に、克広奈織が椅子から立ち上がり、「どうしたんですか~~???」3人の中に。珠里が奈織に、「有紀さんのお姉さん、来春に結婚。あは~~~。」奈織、目を真ん丸に、「うそ。」そして、「おめでとうございます~~。」そこに睦美。それぞれを見て顔を傾げて。そんな睦美に珠里と奈織、ニコニコと招き猫。4人の中に入っていく睦美。「みなさん、どうしたんですか…???」ニコニコ満面の珠里、眞鍋に、「眞鍋さん、眞鍋さん。はははは。」睦美、目をパチクリと。「あのね。有紀さん。」睦美、有紀の顔を見て、「え、え~~~。」奈織、「有紀さんのお姉さん。来春、結婚するんですって~~~。」こちらもニコニコと。睦美、その声に、「えっ…???」すぐさま笑顔になって、「おめでとうございます~~。」有紀、眞鍋に、ペコリと。「ありがとう~~。」そして、「もぅ~~。いつ納まってくれるか、もぅ~~。それだけが気になって~~。私だって、37なのに~~。ねえさん39~~。もぅ~、崖っぷち~~。」珠里、「うんうんうん。でも、良かったじゃな~~い~~。…で…???…相手の方は…???」「うん。まっ。42なんだけどね~~。こっちはバツイチ。…って言うか~~。奥さん、亡くして~~。お子さんがいるんだけど~~。今、大学~~。おとうさんの好きにすれば~~???…いい感じの人じゃない。良いと思う。…って、大学卒業したら、念願のひとり暮らし。なんだって。」生野、頷きながら、「へぇ~~ぇえ~~。」けれども、「うんうんうん。」珠里、有紀に、「へぇ~~~。そうなの~~。」奈織、「…で…???…でで、どんな感じの人、相手の人。…もしかして…、芸能人で言ったら。」有紀、「芸能人…???」顔を傾げて、「あ、いや~~。芸能人。」有紀、腕組みして、「ん~~~。難しいや~~。芸能人。…って言うか~~。とにかく、体はガッチリはしてるわ。…太っているんじゃなくって、ガッチリ。うんうんうん。」生野、「へぇ~~~。」ニコニコと。奈緒、「…って言うか、バツイチ。…あ、いや…。奥様亡くされて、大学の…、娘さん…???…息子さん…???」有紀、「娘さん。」生野、「わお。」珠里、「ねぇ~~~。」ニコニコと。「でも、良かった~~~。うんうんうん。」そして、「眞鍋さん。あなたも頑張って。」いきなり珠里、睦美の左肩をトンと。睦美、「あ、いや…。私は~~。」睦美の声に珠里、「もぅ~~。何言ってんの~~。眞鍋さん、38でしょ。もぅすぐよ。40歳。」「そうですよ~~。」生野。「…って、僕がけしかけてどうする。…って話ですけど。…でも、中々ね~~。出会い。ん~~~。難しいな~~~。特に、我がヨシカワ音楽教室。男性もいないから~~。何とも。」申し訳なさそうに数回頭を下げる生野。奈緒、「…って言うか~~。ひょっとして、眞鍋さん、何かしら、いい人、いたりなんかして~~。こんなに美人さんだからさ~~。」ニコリと眞鍋を見つめながら。その声に珠里も有紀も、生野も、「あ~~~~~。」そして3人共に眞鍋の顔を。睦美、いきなり顔を真っ赤にさせて。その顔を見て奈織、目を真ん丸に、「うそ。図星…???」珠里も有紀も目を真ん丸に、「へっ…???」「マジ…???」「ただいま戻りました~~。」そこにいきなり鵜杉彩未(うすぎあみ)。生野、「お~~。おかえり~~。お疲れ様~~。」彩未、「え…???…どうしたんですか…???…みなさん…。」そして、眞鍋を見て、「へっ…???…眞鍋さん、顔真っ赤。…えっ…???」睦美、いきなり顔を引っ込めて、「え…???…いや。いやいやいや。私は…その。」両手をヒラヒラとさせて。奈緒も珠里も有紀も、「あれ~~~~???」睦美、ペコペコと。「すみません。仕事に戻ります。」そう言いながら自分の席に。小声で奈織、「怪しい~~。ふふふふ。」珠里と有紀に、「ありゃ、絶対に誰かいるね~~。女の感。」何故か睦美、心臓がドキドキと。そして…、時間が経っても…、鼓動は…。睦美、頭の中で、「…ん~~~。どうした…。さっきから、ドキドキ。…なんでよ~~…。」そして…。すぐさま脳裏に。ステージで演奏をしている阪部洵。睦美、また頭の中で、「…洵。」そして、今度は何故か昨日の午後のリビングでの景色が…。「へっ…???」そんなリビングでの景色が脳裏に。…すると。ようやく今迄の鼓動が…。睦美、頭の中で…。「…はは。楽しかった~~。」 ママでいい…。 vol,093. ヨシカワ音楽教室、事務局の午後。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.24
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そして芙美花、叔母から、その女性の名前を聞いて、「え―――――――――っ!!!」目を真ん丸に、そして口に両手を。汐梨、途端に、口に右人差し指を、「シ―――――――ッ!!!」芙美花、口を両手で塞ぎながらも、「うそ。うそ。マジで。マジで。」そして…。その内に耀司、玄関から、「ただいま~~~。」ニコニコ顔の芙美花、「あ。帰ってきた。」汐梨、「芙美花。」芙美花、叔母を見て、「うん。」汐梨、また右手人差し指を。「シ――――――ッ!!!」「うん。分かってる。」耀司、バセットの足を拭いて、「ほぃ。バセット、OK~~。」バセット、「ワン。」タタタタタと麻沙美。「芙美花お姉ちゃん、ただいま。」芙美花も、「麻沙美~~。おかえり~~。」「バセットと散歩してきた~~。」バセットゆったりとリビングの自分の定位置に。耀司、リビングに、「ただいま。」ふたり、「おかえり~~。」耀司、「あっと。」汐梨、芙美花、「えっ…???…何…???」耀司、冷蔵庫に。そして…。汐梨、「何…???…それ…。」耀司、箱を。「眞鍋さんがね。娘さんにどうぞって。」途端に芙美花、「へっ…???…私に…???」汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。はははは。」耀司、芙美花に、「ほぃ。どうぞ~~。」芙美花、ニコニコしながら、「なんだろう~~。」そして箱の中身を。「わお。アップルパイ~~。ははははは。美味しそう~~。」汐梨、「ははは。良かったじゃ~~ん。」芙美花、父に、「ねね。食べていいの…???」耀司、顔をコクリと。「もちろん。」箱の中からひとつ。「いただきま~~す。」一口。目を丸く、「うんうん。おいし~~~。はははは。」耀司、ニッコリと。「ははは。それは何より。」そして汐梨にも、「おまえも食べてみな。」汐梨、「はは。うんうんうん。」そして麻沙美に、「麻沙美~~。アップルパイだって~~。」麻沙美、「え~~~~???」「おいで、おいで。」そして麻沙美、ひとつを受け取って、口に。汐梨も。そしてふたり共に、「おいし~~。」汐梨、「うんうんうん。はは。うん。良かった。」夕食時。耀司、芙美花に、「どうよ。カラオケでの疲れ…。癒えた…???」芙美花、父に、「あ~~。うんうん。うん。大丈夫。」「今の高校生は、どんな歌、歌うんだろうね。」その声に芙美花、「ん~~~。まっ。いろいろだね。私は…。…って言っても、おとうさん、知らないっか。」その声に耀司、思わず芙美花を見て、思わずムッツリと。…した割には…。顔をチョコンと。「はい。分かりません。素直にねぇ~~。…てか。おとうさん、カラオケ行ったのって…、あれ…???…何年前…???」右目を歪めて…。そして顔を傾げて…。「もしかして…。祐里子と…。あ~~~~。はいはい。思い出した。芙美花。」芙美花、「うん。」「おまえ、まだ産まれてない。」いきなり芙美花、「い゛~~ぃい…???…ってか、何、おとうさん。カラオケ、私が産まれてから一度も…。」耀司、その声に顔を傾げて、「た…、多分。…ってか、おまえが産まれてからカラオケ…、行ける訳ないじゃん。子育て。ま。おとうさんは家事、出来ないけど、おまえの子守りはやってたから~~~。」「ふ~~~ん。」「それこそ、おまえが小学、そして中学なんて頃は、仕事が忙しくって、それどころじゃなかったし、それに。それに…、カラオケって。そんな歳でもなかったような…。しかも…。おかあさんなんてカラオケより映画派だったから。映画だったら、ふたりで良く観に行った。」「ふ~~~ん。」そして芙美花、思い出したように、「あ~~、あ~~。そういえばおかあさん、私は映画好きだからね~~って、言ってた、そういえば~~。うんうんうん。あは。そういえば、おばちゃんと3人でも映画、行った、行った~~。思い出した~~。はは。で、おばちゃん、おじちゃんも映画好きで~~。そういうとこが好きで結婚した~~って、あの頃、言ってた~~。」耀司、芙美花の話しを聞きながら、「へぇ~~。そうだったんだ~~。まま、確かに、勝臣君、映画が好きだって言うのは聞いてるけど~~。なるほどね~~。」芙美花、「おばちゃん。ワーホリー行って、日本に帰って来て、ウェディングプランナーの試験合格して、はい。これから。って時に、自分が結婚してないのに気が付いて大慌て。」耀司、可笑しがりながら、「うんうんうん。」「おかあさんからいい人紹介されて~~。それでようやくおじちゃんと。35歳で結婚して~~。麻沙美が産まれたのが37歳。そういうの、高齢出産って言うんだっけ…???」耀司、「あぁ。でも…、とにかく可愛いい娘が産まれてきてもんだ。」芙美花、ニッコリと、「うんうんうん。」そして…。芙美花、「おばちゃん。もしかして…。これからまだずっと、私の代わりに、ウチの家事…???」耀司、そんな芙美花の声に、「うん…???…うん。まぁ…。ねぇ~~~。」 ママでいい…。 vol,092. 女性の名前を聞いて、「え―――――――――っ!!!」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.23
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「友達がね。」芙美花。汐梨、そんな芙美花に、「うん。」「カラオケの帰り道に、芙美花のおとうさん、再婚しないの…???…ってぇ~~。」汐梨、その声に、「わお。」「友達のおかあさん。」「うんうんうん。」「私たち、4人、仲良しなのね。…でぇ~~。そういう意味で~~。おかあさんたちも結構~~。連絡しあってたんだよね~~。だから~~。おかあさんの葬式の後~~。友達のおかあさんたちもおかあさんにお線香あげてくれて~~。泣いてくれた~~。それくらい、おかあさんたちも友達みたいな。」汐梨、「へぇ~~ぇえ~~。そうだったんだ~~。知らなかった~~。」芙美花、「だから、友達のおかあさんたちも私の事。」「うんうんうん。」「家事全般やってるって知ってるの。…だから、おかあさん死んじゃっての、今まで。友達との付き合いも出来なかった。…のに。最近は、友達との付き合いも…。」叔母を見て、「おばちゃん、来てくれるから。」汐梨、「うんうんうん。」「でも~~。他所の…。その…、おばちゃんが~~。その…。何て言うの…???…ウチの家事をやってくれて。それでいて、私が前みたいに。…けど…、私、来年から受験勉強。…だから…。友達のおかあさん、おとうさん、再婚しないのって…。」汐梨、芙美花を見て黙って。芙美花、口を尖らせてテーブルを見て、「でもさ~~。それ、私に言われても~~。」汐梨、「うんうんうん。確かに。」芙美花、僅かに顔を上に。「おばちゃんは、どう思う…???」瞬間、汐梨、目をパチクリさせて、「私…???」すぐさま、「そんなの簡単。再婚しなさいよ。」芙美花、思わず、「えっ…???…うそ。」「うそもへちまも、再婚しなさいよ。決まってんじゃないのよ、そんなの。」「そうなの…???」「あったりまえじゃないのよ。いい…???」ポカ~~ンと芙美花。汐梨、「大の大人が。家で仕事をして稼いでいて。しかもよ。家事は出来ない、娘はいる。その娘が家事全般やってる。バッカじゃないの…???…それよりも何も、娘にそんな事させないでとっとといい人見つけて再婚しなさいよ。それが一般常識じゃないの。私から言わせれば。…って、言うか、ウェディングプランナーの観点から言っても、そう。まっ。確かに、ワンオペも、いい。かも、知んない。…って言うか、芙美花にワンオペって言っても。…って言うか、ワンオペ自体、大変だけど。ま、シングルマザーの事なんだけど~~。女ひとりで子供を育てるって事。旦那、亭主のいないママさんの話しね。」一呼吸置いて汐梨。「…ってか、おばちゃん、おとうさんにも話したんだけどね~~。この事。」その声に芙美花、「うそ。」「だって、そんなの当たり前じゃないのよ~~。…芙美花、あんた。このままでいい…???」芙美花、いきなり振られて、「ん~~~~~。」「良い訳ないじゃない。とっとと再婚しちゃいなさいよ。今の内~~~。…あれだけ良いセンス持ってんのにさ~~。あの歳で、あれだけお洒落なんだよ~~。たく~~。」その声に芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。私もそう思う。おとうさん、中々のセンスだし、今で言う、イケオジ。」「でしょう~~~。」汐梨。「それなのに、あの…、でくのぼうの鈍感が~~~。目の前にいい人、いるでしょって~~~。」瞬間、芙美花、叔母に、「えっ…???」汐梨、そんな芙美花を見て、「ん…???」「おばちゃん、今。」汐梨、瞬きしながら、「え…???…何…???…私、何か言った…???」芙美花も瞬きしながら、「えっ…???…あ。うん。おばちゃん、今、目の前にっ…。いい人…???」顔を傾げて。汐梨、思わずまた瞬き。目をキョロキョロと。「あ。あ。あ、ははははは。はははは。確かに言った。言った~~。かかかかか。私、言っちゃったね~~。」そして。「わ~~お。」芙美花、いきなり体を前に、「…って、おばちゃん、何…???…どういう事…???」汐梨、途端に右目を瞑って、「ん~~~~。」そして、「あはははははは。」芙美花、チョコンと顔を傾げて、「おばちゃん…???」「ん~~~。」汐梨。「実はね~~。」芙美花、目を爛々とさせて、「うん。うんうんうん。」「おばちゃん。ん~~~。」顔を傾げて、「あの人は…、どうかな~~~。な~~んて、人が。」芙美花、目を真ん丸に。「えっ…???…いるの…???…そういう人。おばちゃん、おばちゃん。」「いる。…には、いる。…なんだ…、けど~~~。」芙美花、「え…???…え…???…誰…???…ねね、誰…???」目を右に左に。「…って言うか、おばちゃん、知ってる人…???…だよね。…と、言うか、おとうんさん…、知ってる人…???」汐梨、芙美花を見て、「う……、ん。知ってる。…で、おとうさんも知ってる。」いきなり芙美花、「うそ。」 ママでいい…。 vol,091. 「そんなの簡単。再婚しなさいよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.22
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汐梨、「芙美花がちょっと変。」その声に耀司、顔だけ汐梨に。そして、「はっ…???」汐梨、「あん。さっき帰ってきたんだけど~~。」「うん。チャイム鳴ったから。」その声に汐梨、「うんうんうん。…なんだ…、けど~~。その後、ただいま~~、の声だけ。…で、リビングに顔を出さないの。」その話に耀司、「は・あ…???」「いや。だって。…いつもは必ず帰ってくれば、何かしら、リビングに顔を。」耀司、僅かに口を搾って、「ま、まぁ。うん。確かに。」顔を傾げて、「別に…。気にするほどの事じゃ。…だ~~って。…そんな、毎回、毎回。同じように。」汐梨、「んじゃ、私がここに来る前は、どうだったのよ~~。」「おまえがここに…???」耀司。僅かに椅子を引いて、「ん~~~。汐梨がウチに来る前…。…まっ。確かに。学校から帰ってくれば、殆どまっすぐリビングに。買い物袋を。…で、2階の自分の部屋に。…でぇ~~。すぐに下に降りて来て、なんだかんだ…。まっ。俺もリビングにいたり、いなかったり。…そんな感じ。」汐梨、腕組みしながら、「ふ~~~ん~~。…でもさぁ。…私の記憶からすると~~。必ず帰ったら一度はリビングに顔を出す。…それから2階に上って~~。が、ルーティンのよ・う・な。」そして汐梨、「…って言うかさ。リビングに麻沙美もいる訳よ。自分の妹のように可愛がってる麻沙美が~~。そんな麻沙美にもただいまもしないで~~???」耀司、目をキョロキョロと。そして、「ま、まぁ~~。ん~~~。」麻沙美にもただいまをしない。の声に気になりだした耀司。椅子から立ち上がり…。汐梨、顔をコクリと、「うん。」耀司、芙美花の部屋のドアをノックして、「芙美花~~。入るぞ~~。」芙美花、ベッドに仰向けになったまま。「ヤバ。」すぐさまベッドから跳ね上がり椅子に。ドアを開けての耀司、「どうした~~???…汐梨が帰ってから顔を出してないって心配。」間髪入れずに芙美花、「あ、あ~~~。うん。うんうんうん。行く行く行く~~。」そして父の方に顔を。ニッコリと。「うんうん。ごめん。みんなとカラオケでさ。久し振りに歌ったら疲れちゃって。」耀司、その声に、「あ、あ~~~。はははは。そっか。」ニコニコと。「なら、いいけど…。」芙美花、父に、「うんうんうん。分かった。すぐ行く~~。」「麻沙美にも、ただいま、言ってないだろ。」にんまりと。「あっ。そっか~~。はは。うんうんうん。」ドアを閉める耀司。廊下にいる汐梨に、「友達とカラオケで歌い過ぎで疲れた。」汐梨、鼻の下を伸ばしてコクリと。「あ、そっ。ふんふんふん。」耀司、リビングに。「ヨシ、バセット~~~。散歩に行くぞ~~。」すぐさまバセットから起き上がり、「私も行く~~。」麻沙美。耀司、「ははははは。ヨ~~シ、一緒に行くか~~。」ニッコリと麻沙美、「うん。」部屋義に着替えて芙美花、リビングに。ルンバが部屋の隅の方を…。汐梨、キッチンの中から芙美花を見て、「あん。ははははは。おかえり。」そんな叔母を見て芙美花、ペコリと。「ただいま。…ってぇ~~事は~~。バセット、散歩。」汐梨、「うん。今さっき、兄さん、麻沙美を連れてバセットと。」芙美花、何やら元気のない口調で、「うん。そっか。」汐梨、「うん…???…どうした~~。カラオケで歌い過ぎて疲れた、な~~んて。」「あん。…うん。確かに。全~~ん然、行ってなかったからね~~。」そして、「はは。思わずノリノリ。」汐梨、ニッコリと、「へぇ~~ぇえ~~。」椅子に座りながらの芙美花、「あ。おとうさん、どうだったんだろ、今日。その…。眞鍋さん…???」汐梨、鍋の蓋を開けて、そして…。「うん。良し。あん。良かったみたいよ~~。何か、凄いお家ですって。」芙美花、「へぇ~~~。」「和歌山の家みたいに大きい。」「うそ。」「…って言うか~~。眞鍋さんのお義父さん…???」「うんうんうん。」「元々、建設会社の人なんだって。だから家も立派。」汐梨、辺りを見回して、「ここの、倍以上はあるって。」芙美花、すぐさま、「凄~~い。」汐梨、キッチンからリビングに。そして椅子に座って芙美花に、「ふふ。何かあった…???」すぐさま芙美花、叔母を見て、「へ…???」目をパチクリと。「な~~にがカラオケで歌い過ぎて疲れた~~よ~~。あんたがそんな事言う訳ないでしょ。友達との付き合いも断って家事全般。しかも、定期演奏会であんなに凄かった。あんなエネルギッシュな芙美花が、カラオケで歌い過ぎて疲れた~~???…はははは。笑わせんな~~ってね~~~。」瞬間、芙美花、顔をクシャリとさせて。そして両手を組んで、そのまま前に伸ばして、今度は上に。そして思いっきり目を閉じて顔をクシャリと。両腕を天井に向けて、「ん~~~~~~~。」そして、「はぁ。」グッタリと。汐梨、ニッコリと、「はは。」 ママでいい…。 vol,090. 汐梨、「芙美花がちょっと変。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.21
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耀司、「まま。」洗濯物の畳み方をまた教えてもらいながら、「だ~~ってさ~~。眞鍋家のあれこれを聞いていて、ウチの事だけ話さないって、そういうの…、フェアじゃないじゃない。」汐梨、その声に口を尖らせて、「…と言っても、別に私の事まで、そんな…、事細かに~~。」「別に、減るもんじゃなし。…と、言って、おまえ、汐梨~~。ある意味、おまえみたいなの、そんじょそこらにはいないぞ。みんな、凄~~っいって、言ってたから~~。まっ。俺だって、おまえの事は、凄ぇ奴って思ってるし。…そんな…。てめえの稼いだ金で海外留学。それにワーホリー。そんな経験している人って周りにいるか…???いないよ。それほど凄い事やってるってんだよ。ある意味、尊敬するぜ。」汐梨、黙ったままで。口を窄ませて。「…それに…。お互いの事、いろいろと知っておいた方が~~。」汐梨、兄を見て、「…いや。まぁ。ねぇ…。まま。確かに。自分のやりたい事、自分に責任もって。かあさんだって、私が留学する事、最初は、何考えてんのって。…でも、自分のお金で行くからっ言ったら驚いてた。驚いた挙句に、自分で、そう決めたんなら、ご自由にって。…だから。」そう言って汐梨、「うん…???」顔を傾げて。…そして、兄を見て、「へぇ~~~。~ぇえ~~…???…兄さん。」可笑しがりながら、「…って、言うか…。兄さん。…そういう気持ち、あるんだ~~。」途端に耀司、「へっ…???…何よ、そういう気持ちって~~???」「うん…???」汐梨。「だから~~。そういう気持ち~~。眞鍋さんの事~~。」そして汐梨、「ふんふんふん。ふんふんふん。…な~~るほどね~~。」そんな汐梨に耀司、瞬きしながら、「はっ…???」こらちも顔を傾げて、「いやいや。」耀司。「眞鍋さんの事~~って~~。俺は~~、うん。これからも~~。…晄史さんとは友達同士で、付き合って行くつもりだけど~~。…と、言う意味。そういう気持ち~~。」汐梨、その声に思わず口を真一文字に。唇を口の中に、「はいはい。まま。…相変わらず、鈍感な兄貴でして。あ。そこ~~。また違う~~。」そして自分で手を出して、「ここは、こう。はい。もう一度、やったんさい。」耀司、「えっ…???…うそ。」芙美花たち、カラオケの帰り道。景織子、「ねね、芙美花~~。」芙美花、景織子に、「うん…???」「芙美花のおとうさんってさぁ、再婚しないの…???」千愛に詩乃も、「あ。私もそう思った~~。」「うんうんうん。私も~~。」芙美花、「あ、あ、あ~~~。」「…って言うのも~~。」景織子。「ウチのおかあさんが~~。結構~~。芙美花のおかあさんとも仲、良かったじゃ~~ん。」千愛も、「そうそう。ウチのおかあさんも~~。」詩乃も、「だよね~~。ウチらが仲良いと、おかあさんたちも~~。」景織子、芙美花に、「だからさ。おかあさん、いっつも芙美花の事、気にしてんの。芙美花のおかあさん亡くなってからここ1年、芙美花、家の事でって。…で、私たちとあんまり~~。だから、今、ようやく私たちと一緒に会えるってなって~~。あら。芙美花ちゃんの家、じゃあ、誰が家事を…???…って話になって~~。私、つい、おかあさんに、芙美花のおばちゃん。…じゃないのかな~~って。そうしたら、えっ…???…んじゃ、高井戸さん、再婚って考えてないの…。って。」千愛も、「うんうん。ウチのも。」詩乃も、「ウチのも、ウチのも。高井戸さん、IT関係で、結構~~。今、いい人~~。いると思うんだけど~~。芙美花ちゃん、これから受験もあるし~~って。」そんな話に芙美花、「あ、あ。あははははははは。はは。」顔を傾げながら、「どぅ…、なの…かな…。ははははは。」そして…。誰ともなく、「芙美花のおとうさん、再婚した方が良いよ、絶対~~~。」芙美花、思わず目を真ん丸にして、口を尖らせて…。駅でそれぞれ別れて。「じゃね~~。明日~~。」「う~~ん。バイバ~~イ。」芙美花と景織子はそれぞれ別のホームに。千愛と詩乃のふたりは同じホームに。芙美花、電車に乗り込み、耳にイヤフォンを。そして…。数分後には電車を降り、改札を通って…。自転車で凡そ15分。玄関のチャイムを鳴らしてドアを開け、「ただいま~~~。」リビングの方から、「おかえり~~。」の声。玄関に歩み寄ったバセットの頭を撫でて、「ただいま、バセット。」けれども芙美花、そのまま2階に。いつまで経ってもリビングに顔を出さない芙美花に汐梨、顔を傾げて、「あれ…???」瞬き。「変ね~~~。いつもなら、帰ってくればこっちに…。」汐梨、廊下の方を見て、「ふん…???」5分経ち、10分経ち。15分経ち。麻沙美はいつも通りにバセットに凭れて絵本を見ている。汐梨、耀司の書斎に。ノックして、「ねね、兄さん。」耀司、そんな汐梨に、「うん…???」 ママでいい…。 vol,089. 「芙美花のおとうさんってさぁ、再婚しないの…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.20
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誓、高井戸に、「もしかして…。音楽一家…???」間髪入れずに耀司、「な~~訳は、ないですけどね。ははは。」そして…、耀司、「さてと。…ご馳走様でした。」3人にペコリと頭を。耀司、運転をしながら…。赤信号。子供を連れた親子連れが横断歩道を…。子供は手に風船の紐を。近くで何かあったのだろう。そんな3人を見て、「はは。な~~つかしい~~。…あんな頃も、あったよな~~。芙美花、5歳。…そして…、小学、中学、高校。かぁ~~。来年は受験。」すると頭に、汐梨の顔。「兄さん。このままひとりで…???」けれども耀司、「…んな事、言われてもな~~。…どうすりゃ~~、良いっつぅの~~。」暁美、またソファでお茶を。「高井戸さん、いい人みたいね~~。」晄史、「でしょ、でしょ。」誓も、「うんうんうん。」そして暁美、「このまま、良いお付き合い、出来ればいいねぇ~~。ウチにはね~~。日本人のお付き合いって言っても~~。たま~~に、誓さんのお友達が…。」晄史、そんな母の声に、「うんうんうん。」誓も、「だよね~~。高井戸さん、良いよね~~。」晄史に。晄史、その声に、「はは。うんうん。」そして暁美、睦美に、「睦美、あんたはどう思ってるの…???」いきなり振られて睦美、「へっ…???」3人を見て、「え…???…へっ…???…どういう…???」耀司、帰宅。玄関にはバセットがお迎え。「お~~、ほほほほほ~~。バセット、ただいま~~。はははは。」バセットの頭を撫でて、バセットを抱き締めるように。そしてそのままリビングに。そして冷蔵庫から麦茶を。バセットはそのまま自分の定位置に。耀司、コップ一杯の麦茶を飲んで、「さてと。」バセットに、「おとうさん、このまま仕事ね~~。」バセット、「クゥ~~ン。」「後で、散歩、行こう~~。」その声に、「ワン。」耀司、書斎に入ってパソコンを起動。いきなりスマホに着電。画面には、「汐梨」の文字。「はい、俺~~。」スマホから、「今どこ…???」「今さっき帰ってパソコンを起動したとこ~~。」汐梨、腕時計を見て、「ふん。そっか。お昼からだったもんね~~。…どんなだったかな~~って思って。私、あと1時間で上がりだから~~。託児所からそのままそっち帰るわ。」汐梨、平日は保育園。そして、休日勤務の場合は、結婚式場の託児所に麻沙美を預けている。耀司、「了~~解。」「芙美花はまだなんでしょ~~。今日は、友達と一緒って言ってたから~~。」「あん。まだ帰ってないね~~。」汐梨の声、「分かった~~。じゃね~~~。」通話は切れる。…の、瞬間に、今度は…。画面に…。「はい。お世話様です。ウェルストン、高井戸です。」スマホからの声に、「あ~~。はい。いえいえ。こちらこそ。」汐梨、お茶を淹れながら、「へぇ~~~。そんな、凄いんだ~~。眞鍋さんの家。」耀司、リビングの椅子に座って、「うん。お義父さんが建設会社でって、言ってたから。とにかく、敷地から建物まで凄いよ。ウチの倍以上ある。」「凄いよね。和歌山の家みたい。」「…っておぃ。和歌山の家と比べられないだろ。どんだけ築年数、経ってるって思ってんだよ。」その声に汐梨、「かかかかか。確かに。築70年以上。完璧に老朽化してるね。」「まっ。でも、老朽化はしてるだろうけど、今まだ、修理する事もないんだから、その当時の大工さんたち、凄いよ。」「確かにね~~~。」「…で…???…眞鍋さんのおかあさんって…???」「あ~~。うんうんうん。何とも気さくな方でね。うん。まっ。結構~~。美人さんかな…???…翻訳してるんだって。」「へぇ~~~。そうなんだ~~。」「とにかく、凄い料理。」その声に汐梨、「へぇ~~~。」「何か。」耀司。「独特感。あったね~~。」そこまで言って、「まぁ。他所の人の料理って、そんな…、食べた事ないから、そういう意味でも。」そして耀司、「ほら。芙美花とおまえの作る料理ばかりだから。味が体に染みついている。嬉しい程にね~~。」汐梨、笑いながら、「かかかかか。それを言うんなら、芙美花の味でしょ。」「はははは。言えてる。うんうんうん。」汐梨、空を見て、「うん~~~。確かに。他の人の作る料理、食感も違うよね~~~。まっ。芙美花はどんなかは分かんないけど、私の場合は…、とにかく、麻沙美がいるからね~~。」耀司、「うんうんうん。それは、分かる。」「あっ。でも…。…ってぇ~~、事は、眞鍋さんも誓さんも、料理は得意。」「じゃいかな~~。あれだけ作れるんだから~~。オードブルは一切ございません。って、誓さん、言ってたから~~~。」お茶を一口、汐梨、「へぇ~~~。そうか~~。」そして汐梨、「さてと。洗濯物、洗濯物。兄さん。」耀司、「あいよ。」そして…。汐梨、耀司の話しを聞いて、「へっ…???…うそっ!!!…あん、やだ~~~。」 ママでいい…。 vol,088. 「高井戸さん、いい人みたいね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.19
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誓、「凄~~~。」睦美や晄史も、「うんうんうん。」耀司、また3人、それぞれを見て、「…で。…ここまで話して。」3人、「うんうんうん。」耀司、3人に、「何か、気付きません…???」その声に3人、共に。「…ん…???」顔を見合わせて…。そして顔を傾げて。そんな3人を見て耀司、「くくくくく。何と。今迄の僕の話しの中に、何故か…。娘の麻沙美が出て来ない。」瞬間、睦美も誓も晄史も、「あ。あ~~~~。」晄史、「確かに。」睦美も頷きながら、「うんうんうん。」誓、「…ってぇ~~、事は~~。」耀司、「かかかかか。何の事はない。汐梨が結婚したのが37。」誓、「へっ…???…37って…。」耀司、可笑しがりながら、「これもまた、破天荒~~。但し。」3人、高井戸を見て、「うん…???」耀司、3人に口に人差し指を付けて、「僕から聞いた。何て事は、この際タブー。…絶対あいつ、私の事はいいから~~ってなっちゃうから。」その声に3人共に、頷きながら、「うんうんうん。」「つまりは。汐梨、あいつ、出来ちゃった結婚。」いきなり3人、「え――――――――っ!!!」耀司、「…って言うか、実に、あいつ、焦ってたの。…まま。今迄はとにかく自分の事でまっしぐら。…けどさ~~。考えてみれば、自分でも憧れているウェディングプランナー…、なって~~。…それから…???…って考えて。」睦美も誓も、頷いて、「うんうん。」晄史、「…確かに。」「要するに~~。ウェディングプランナーになって~~。人様の結婚をプランニングして~~。でも、その後。どうするよ~~。カップル誕生してその後~~。肝心のベイビー。」睦美も誓もニコニコとしながら、「うんうんうん。」晄史もにこやかに、「ですよね~~。」「コロナ前。」3人、「うんうんうん。」「自分がウェディングプランナーになって。…けど…。自分はまだ未婚。全然説得力なし。…かと言って。肝心の…。」3人揃って、「相手の男性。」「ビンゴ~~。…しかもだよ。今迄オーストラリア。全く結婚なんて…。」誓、「あ~~ん。視野にない。」耀司、両眉上下に、「ビンゴです。…日本での知り合いも…。…って事で~~、ウチのカミさんに泣きついてきた。」睦美と誓、「あらま。」「でぇ~~。」耀司。「カミさんも、どうしたものか…。心当たり…。」3人、「うんうんうん。」「そしたらさ。何と。」またまた3人、「えっ…???」「何ともまぁ~~。カミさんの同僚に、弟が独身。30過ぎだけど~~。旅行会社に勤務してる~~って。」睦美と誓、「あら。」晄史、「へぇ~~。」耀司、「そしたらさ。」何とも意地悪そうな顔で、「その男性。」睦美も誓も、「うんうんうん。」「汐梨、あいつがオーストラリアにワーホリーするときにいろいろと手伝ってくれた旅行会社の人。会った瞬間に、どっかで~~。って事になって~~。」睦美も誓も晄史も、「わ~~お~~。」「まっ。確かに。年齢は汐梨の方が上。けど~~。まま。ある程度の面識もあり。話をしながらも~~。カミさんの紹介でもあり~~。相手の男性も、このままズルズルと~~。てな訳で…。そのままトントン拍子に~~。お互いのアパートを行ったり来たり。…で、1年後には…。お腹の中に。」そして耀司、「かっかかかか。おふくろも親父も驚いて、いきなり万歳~~ぃ。何と、37歳で結婚。…でぇ~~。高齢出産。」誓、「いやいやいやいや。」睦美、「凄~~い。」そして頷きながら、「うんうんうん。確かに~~。普通のママさんたちと比べて~~。…うんうんうん、お子さん。麻沙美ちゃん、小さかったから~~。…でも、そんな…。他所の家庭の事を…って。私も、特に。…そうだったんだ~~~。」晄史、「そうだったんですね~~~。木守さん。37歳で麻沙美ちゃ~~ん。」耀司、「そんな訳で…。」そう言って耀司、「そして、もうひとつ。…まっ。」顔を傾げて、「これが…、今では、一番かな~~。」そんな高井戸に3人も顔を傾げて、「うん…???」耀司、睦美を見て、「眞鍋さん。睦美さんと同じく、汐梨、あいつ、ピアノ、弾けます。」瞬間、睦美、目を真ん丸にして、「え―――――っ!!!」口に両手を、「うそ。」それぞれを見て。誓も、「うそ。」晄史、「ほんとですか…???」耀司、「うん。あいつ。…汐梨。まっ。これも親父の影響かな。…とは言え、そんな…、本格的って訳じゃないけど、確か、4歳の頃から。あん。でも、これは~~。あいつの独学だから。」睦美、「独学って…。…それでも凄い。」「まぁ…。大概の曲は、楽譜を見れば、弾けるだろうけど…。ジャンル問わず。…だから~~。芙美花の誕生日には~~。必ず木守家で妹のピアノとカミさんのバイオリンのセッション。」晄史、「えっ…???…高井戸さんの奥さん、バイオリン。」誓、「それも凄い。」睦美、「うんうんうん。」 ママでいい…。 vol,087. 耀司、3人に、「何か、気付きません…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.18
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その声に耀司、「えぇ。…芙美花には私がいるでしょ。それに~~。こ~~んな、義姉さんを愛して止まない兄さんもいる~~。当然、あんたを一生の宝物としてくれてる。まっ。おっちょこちょいではあるけど~~。それに~~。いい加減に麻沙美まで悲しませんな。毎日、あんたの事で心配してんのよ~~。って。あんた、芙美花、あんたの好きな家事をやって今のあんた、おしまいにしな。じゃないと、周りが暗くなっちゃうんだよ。芙美花を抱き締めながらね~~。はははは。」誓も睦美もキッチンから出て来て、「へぇ~~~。」晄史も、「わお。凄いですね~~。」耀司、「ま。妹の場合は、もぅ~~。筋金入りだからね~~。」睦美、その言葉に、誓を見て、「筋金…、入り…???」誓、思わず、「ん~~~。筋金入り…。まっ。簡単に言えば、強いからだ…???…意志が強いとか~~。物事に振り回されない。鍛えられている…???…ですかね。高井戸さん。」耀司、キャビネットの傍で、「あ、うん。」微笑みながら顔を傾げて、「我が妹ながら天晴なんだけど~~。意外と、人に揉まれながら生きて来たって言うのがあるから。日本にいない時期もあったし。」「日本にいない時期。」睦美。その声に晄史も誓も高井戸を見て、「…???」晄史、「高井戸さん…???」誓、「それって…。」耀司、3人を見て、ニコニコと。そして、頭を撫でて、「アハ。…あ、いや…。妹って…。あれで、結構、ワイルド。」晄史、「ワイルド…。」「子供の頃から。なんですけど。あんまり、家に居たがらない。…って言うか~~。意外と…、がめつい。…な~~んて言ったら、怒られるんだけど~~。」睦美に誓、そして晄史も眉間に皺を。誓、顔を傾げながら、「どういう…???」晄史、「意味ですか…???」耀司、「子供の頃から、どんどん前に出ていく性格。何て言うか~~。視野を広げる…???…小学の頃から、お店の手伝いをしてた。」睦美、「小学の頃から…。」耀司、頷いて、「うん。親戚に、お店屋があってね。料理屋なんだけど~~。そこで、お小遣い稼ぎ。」晄史、「お小遣い稼ぎ。」耀司、また頷いて、「うん。まぁ。いろんな人といたい。って言うのもあったんだと思う。そして…。中学に入ればその店でアルバイト。」誓、「中学でアルバイト。…って、うそ。校則。」その声に耀司、「ははははは。まま、確かに。…けど、働いているところが親戚だから。親の承認あり。学校側も認可。認めざるを得ない。…って言うか~~。まず学校関係の人が来る店でもなかったからね~~。しかも、生徒なんて。」晄史、「へぇ~~~。」誓も、「凄~~。」「もぅ、高校にもなれば、俄然。」そして耀司、「逆に、店の女将や大将にまで、高校卒業したらここで働け。な~~んて言われたくらい。まっ。客にも可愛がられて~~。小学の頃からだも~~ん。…で、大学に入って、そのままアルバイトも続けて~~、500万稼いだ。」睦美と誓、目を真ん丸にして、「500万。」耀司、またキャビネットの写真を見ながら、「…で、あれよあれよと、大学卒業したと思ったら~~。今度はオーストラリアにワーホリー。」晄史と誓、「ワーホリーって、凄っ。」耀司、ニコニコと、「かかかかか。何とも破天荒な性格で~~。とにかく自分で稼ぐ。…で、人波に揉まれる。」晄史、何かしら思い出したように、「あ~~~。うんうんうん。何だか分かる気がする~~。木守さ~~ん。何か、凄い、凛々しいような…。」耀司、「かかかかかか。…だから、結構~~。あいつの話す声には、何かしらの説得力がある。」その声に睦美も、「うんうんうん。分かるような気がする~~。教室の子のママさんたちにも好かれてるから~~。…結構、年齢、上って感じもするんだけど~~。そういうの、全然感じさせな~~い。」耀司、「ははははは。大学卒業して~~。オーストラリアに留学して~~。今度はワーホリーに明け暮れて。」誓、「凄い。オーストラリアに留学。」耀司、「はははは。その為の資金繰りね。」睦美、「あ~~ん。なるほど。」「でぇ~~。」耀司。「大学卒業してオーストラリアに留学。」3人、「うんうん。」「で、一旦は日本に帰って来て、半年も掛かんない。つまりは、オーストラリアで留学していた頃に働いていた店から働いてみないかって言われて、今度はまたオーストラリアに。ワーホリー。」睦美、「凄~~。」「あっと言う間に30~~。で、ようやく日本に帰って来て~~。それからは、高校時代から夢見てたウェディングプランナーに。落ち着いたと。駆け抜けましたね~~。我が妹ながら~~。マイウェ~~イ、自分の道を~~。気付いたら35~~。」誓、「凄~~~。」睦美晄史も、「うんうんうん。」耀司、「…で。…ここまで話して。」3人、「うんうんうん。」耀司、3人に、「何か、気付きません…???」 ママでいい…。 vol,086. 「当然、あんたを一生の宝物としてくれてる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.17
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晄史、「へぇ~~~。そこまで。」耀司、「うん。もぅ~~。凝りに凝って、ベースの道を~~ってね~~。…しかも、それが、上手いからしょうがない。ベースやって50年以上だから、若い頃には、アチコチのバンドから引っ張りだこ。いっつも蔵の中で酒盛りしてたよね~~。まっ。その影響かな、僕もジャズ好きになって、サックスがね~~。レコードなんかも結構買ったけど、親父には到底敵わない。もぅ、本棚にギッシリ。あそこまで行けば、完璧にセミプロ。」睦美、「うんうんうん。」いつの間にか睦美も誓の隣に。…そして…。時間はすぐさま。午後3時過ぎ。耀司、3人に、「では。そろそろ。」晄史、ニッコリと、「はい。また。ですね。」その顔に耀司も、「はい。ありがとうございます。」誓と睦美に、「どうも、ごちそうさまでした。」ふたり共に両手をヒラヒラと、「いえいえ。」誓、「あ、お義姉さん。」その声に睦美、「あ。そうだ。キッチンに。」そして…。「これ、娘さんに。名前、ちょっと。分かんなく。」「芙美花と言います。」ニッコリと耀司。睦美、「ふみか…、さん。」誓、「うん。ふみかさんね。アップルパイです。お口に合うかどうかは分かんないけど。」耀司、箱を受け取って、「すみません~~。娘にまで~~。」誓と睦美、「いえいえ。」睦美、「あ。」廊下に出て、2階の方に、「おかあさ~~ん。高井戸さん、帰る~~。」耀司、「あ。いや…、寝てらっしゃるのに起こしちゃ。」睦美、ニッコリと顔を傾げて。玄関で靴を履いている頃には…。暁美、「また、いらして下さいね。是非~~。」耀司、その声に、「あ、はい。ありがとうございます。」そして…。ガレージの前で耀司、「ウチにも是非今度。」晄史、その声に、「ほんとですか…???」睦美と誓は微笑みながら…。耀司、「えぇ。是非。娘と僕としか、いませんけど…。」睦美、「機会があれば。」耀司、ニッコリと。「お待ち、しております。」車に乗り込んで。そして…。窓を開けて。「じゃ。」4人共に、お辞儀を。クラクションをひとつ鳴らして車は走り出す。晄史、後ろを向いて、「あ~~~~楽しかった~~。」その声に睦美も誓もお互いに顔を見せ合いニコニコ、「うんうんうん。」晄史ふたりに、「高井戸さん、みんな食べてったよね~~。」睦美も誓も、「うんうんうん。」誓、「しかも、食べっぷりが…。良かったよね~~。」睦美、「ははははは。」耀司も運転しながら、「しっかし、デカイ家だね~~。…それに…。亡くなったおとうさん。何と凛々しい顔立ち~~。」耀司、眞鍋家のリビングの上に飾られていた複数の写真を思い出しながら…。「これが…、眞鍋さん。お義父さん。」晄史、写真を見て、「えぇ。」「何と。」耀司。「凄い、凛々しいって感じですよね~~。しかも、恰幅がいい。」「建設会社一筋。」耀司、話を聞きながらに、「ふ~~ん~~。」そして…、「何かしら、圧倒されるような…。…って言うか…。」自分でそういう風に言ってみて、顔を傾げて、「あれ…???あは。そっか~~。うんうんうん。」ひとりで納得して…。そんな高井戸を晄史、「高井戸さん…???」耀司、「あ、いえ…。いやいやいや。圧倒されるって、ねぇ~~。晄史さんや睦美さん。…それに、おかあさんも一緒に日本に連れて来て結婚って言うんだから、凄いよ。うんうんうん。確かに。しかも、こんな凄い家。」「それは僕らも最初、驚きました。」耀司、晄史の声に、「えへ…???」「元々、お義父さんには奥さんも子供さんもいて、結婚する前に、この家を建築したらしいんです。」「へぇ~~。そうなんだ~~。」「…でも…。列車事故で、奥さんと子供さん、亡くして。」「うそ。」「脱線事故だったらしいです。」誓、キッチンの方から、「私もその話聞いてビックリ。」耀司、「何と。」「葬儀には、建設会社の人もたくさん列席したそうです。社員や上層部からも愛されていた人だったって。自分から、俺は恵まれているって、いっつも言ってましたから。」睦美。耀司、「そうだったんですね~~~。」ふと思い出す耀司、「ははは。ウチのカミさんも…。」顔を傾げて、「かな~~~。ははははは。」誓、「へぇ~~~。」耀司、「あ。でも、葬儀はこじんまりと。家族葬でしたけど…。でも…、病院の院長や看護総師長は、勤務の途中で…。あ、ほら。コロナで中々…、以前までの何人も集まっての葬儀って…。出来なくって。」誓、頷きながら、「あ~~~。うんうんうんうん。」「けど…。」耀司、「葬儀が終わった後の方が…。もぅ毎日。」晄史、「へぇ~~~。」高井戸を見て、「高井戸さんの奥さんも、愛されてたんですね~~。」「1年前ですけどね~~。」誓、「娘さん、その時。」「えぇ。2週間は落ち込んでました。…はは。でも…、妹がね。いつまで落ち込んでんのよ。って。」晄史、高井戸を見て、「木守さん…???」 ママでいい…。 vol,085. 「芙美花と言います。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.16
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睦美、誓は見ずに、その声に、「んふ…???…それが…???」誓、「高井戸さんの娘さんって、どんな料理、作るんだろ。…って、言うか、高校2年生の作る、料理か~~。気になるぅ~~~。」睦美、そんな誓に、「えへ…???」「…って言うか~~。」誓。「私もお義姉さんも、料理は小学生から…???」睦美、「うんうんうん。」誓、いきなりキッチンの中から、「高井戸さん。」耀司、すぐさまキッチンに顔を、「あ、はい。」「娘さんって、いつ頃から料理。…作れるように…???」耀司、その声に、「あ、いや…。」瞬きしながら、「物心ついた頃には既に、作れてたかな~~。妻の手伝いをするようになったのは確か、2歳の頃からです。…だから…。小学1年生の頃には既に…。カレーやシチューなんかは当たり前に。」晄史、「うそ。」目を丸く。暁美はソファで新聞を見ながら、「ん~~~???」誓と睦美、顔を見合わせて、「小学1年っ。凄っ。」耀司、ふたりを見て、「えへ…???…それが、どうか…???」誓、高井戸に顔を左右に振って、「ううん。」睦美、「高井戸さんの娘さんって、どんな料理を作るのかな~~って、思って。」耀司、「あぁ~~~。ははははは。何でも作れます。多分。」そして…。考えながらも、「…って言うか…、作れないものは、ないんじゃないかなって…。僕は思います。僕の想像に付く料理はまず作れますね。…って言うか~~。ここ数年は、創造料理も増えてましたね~~。」睦美、「そうぞう料理。」誓、「あん。つまりは、料理。…と、言うか~~。自分でレシピを作るって。何ていうかな~~。当て嵌まった料理じゃないって感じの。」睦美、目をアチラコチラに。「な、る、ほど。当て嵌まった、料理じゃない。」耀司、「妻の仕事が夜勤の時になんて、自分で作ってましたから。」暁美、「あら。高井戸さんの奥様って、夜勤…???」耀司、暁美に、「えぇ。看護婦だったんで。病院の。」「あらそぅ~~~。うんうんうん。大変なお仕事よね~~。」睦美、「そっか~~。当て嵌まった料理じゃない。そうぞう料理。ふ~~~ん。」そんな義姉に誓、「えへ…???…どうしたの、お義姉さん。」睦美、すぐさま、「えっ…???…あ。はは。ううん。…何でも。」そして、瞬間、睦美の脳裏に浮かんだ景色。とある…、一室。スタジオであろうか。睦美の作った料理を美味しそうに食べているひとりの男性。「さすが、睦美の作った料理。最高~~。」睦美、「うんうんんじゃんじゃん食べて~~。」ニコニコ顔の男性。そして…。すぐにその景色は消えて。「え―――――――っ!!!…凄いですね~~。」いきなり聞こえてくる晄史の声。睦美、思わず、「えっ…!!!」誓、「何々、どうしたの~~???」キッチンからテーブルに。晄史、誓に、「えへ…???…え~~とね~~。」そして誓に、「はい。ここで、問題です。高井戸さんのおとうさんの職業は…???」誓、思わず、「はっ…???」いきなり瞬きして、両手を前に振り振りして、「いやいやいや。絶対に分かんない。」耀司もニコリと、「ですよね~~。…って言うか、分かったら凄い。」晄史を見て。晄史も、口を開けて、「あ~~。そっか~~。分かんないか~~。」誓、「分かる訳、ないじゃない。」耀司、「かかかかか。水道局の職員です。…って言うか、だった。今は…。嘱託ですけどね。なんせ、年齢が70ですから。」暁美、「ごめんなさいね~~。私は、少し、部屋で。」晄史、「あ、うん。」「高井戸さん、ごゆっくりと。」睦美、「後で起こすね~~。」自室に向かう暁美、頷きながら、「お願い。」誓、「お義母さん、新しい翻訳の仕事で、ちょっと、疲れてるかも。」耀司、「あぁ~~。なるほど。」晄史、「ででで。高井戸さんのおとうさんの趣味。なんだか。」ニコニコと。耀司もニッコリと。「これも…。」顔を傾げて、「分かんないでしょう~~。」誓、いきなり顔をクシャリとさせて、「え~~~~???…って、70歳で趣味。」「もしかして…。…ベーシストとか…。ベース。」睦美、サラリと。いきなり耀司、ドキン。晄史、目を真ん丸に、「うそ。」姉に顔を。「凄い、姉さん、なんで分かったの…???」いきなり睦美、こちらも目を真ん丸に、「うそっ!!!…ほんとなの…???…ベース…???」思わず微笑みながら、「はは。あはははは。完璧に、あてずっぽう~~。つい。ついつい。高井戸さんがジャズ好きだからって、単に。…なら…。いや…。おとうさまの事は場外で…。いきなり頭の中にベース。」誓、「いやいやいや。お義姉さん、凄っ。」晄史も、「姉さん。」耀司、「…って言うか、僕の方こそ驚いた。いきなれペースって。」睦美、慌てて、両手を前に、「あ、いや…。いやいやいや。これは単に。だから、ジャズって…。だからベースって。あはははは。」そして睦美、顔を傾げて頭を左手でペン。「あは。」 ママでいい…。 vol,084. 「娘さんって、いつ頃から料理。…作れるように…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.15
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「ねぇ~~。」景織子。「そんな事、言い出したら、さすがだよ芙美花~~。」千愛も詩乃も、「うんうんうん。家事全般、OK~~。」芙美花、「ん~~~。…でも、それだけは、しょうがないかな~~。あんまり記憶ってないんだけど~~。ちっちゃい頃からおかあさんの手伝いばっかりやってたって言うから~~。…だから。」顔を傾げながら、「小学の時から料理、作れちゃってたし~~。おかあさんと一緒にいっつも、買い物行ってたしね~~。」千愛と詩乃、「かかかかか。とにかく芙美花、凄いわ。」詩乃、「こ~~ん友達がいるんだよ。私は泣きたいよ~~。」3人、「かかかかか。」「な~~に言ってるかな~~。」「おぃおぃ。友よ。」千愛。眞鍋家、既にテーブルにはたくさんの料理が…。晄史、「それではまず、乾杯。」そして高井戸を見て、「すみません、高井戸さん、お昼前からで、しかも…、車ですから、ノンアルで。」耀司には、ビールグラスのノンアルコール。耀司、そんな晄史に、右手を振って、「いえいえいえ。…それにしても、凄い料理。何だか、飲み会か忘年会か新年会みたいな…。」そんな声に睦美も誓も、「ふふふふふ。」晄史、「では。乾杯~~ぃ。」「乾杯。」それぞれがニコニコと。晄史、高井戸に、「どうぞ、どうぞ。好きなものを…。」高井戸、「みんな、美味しそう~~。」料理を見ながら。「何だか、映画に出て来そうな料理って感じも。」誓、「いやいやいや。そんな…。映画に出て来るなんて、そんな、大袈裟な。」そして、舌をチロリと出して、「但し。オードブルは一切ありません。みんな、私とお義姉さんの手料理です。」いきなり耀司、目を真ん丸にして、「凄い。わお。へぇ~~~。」晄史、「まぁ…。姉さんも誓も、こと料理に関しては~~。得意な方かな…。」耀司、サラダと唐揚げを。そして…。「うんうんうん。美味しい。」そして晄史と誓、睦美を見て、「うんうんうん。美味しいです。」3人共にニッコリと。晄史、「唐揚げは姉さん。…で、高井戸さん、そのサラダ、食べてみて。」その瞬間、睦美と誓が、「ふふふふ。」耀司、サラダに箸を。「これですか…???」晄史、「うんうん。」耀司、一口。すぐさま、「うっ。」目を丸く、「旨~~~。ははははは。何と。カラシ…???」誓、「カラシマヨ。で、春雨サラダ。」耀司、顔をコクリと、「うんうんうん。からしマヨネーズ。そして春雨~~。これ、いいわ~~。」そしてまた唐揚げを。いきなり耀司、目を閉じて顔を天井に、「ん~~~。お~~いし~~。」晄史、「ははははは。」睦美、左手を口にニッコリと。誓は、「ははははは。」暁美、「嬉しそうなお顔。」耀司、「いや。本当に美味しいです。さすがに。いやいやいや。娘も料理は出来ます。…いや。やっぱ、それ以上ですね~~。」暁美、「おや。娘さんが料理。」睦美、「高井戸さん、奥様が亡くなって、家事は全部娘さんが。」その声に暁美、「あぁ~~。はいはい。なるほど~~。…でも、凄いわね~~。…確か…、娘さんって、高校…。」耀司、「えぇ。高2です。」暁美、微笑ましい顔で、「立派だわ~~~。…中々どうして…。今の時代、社会人でも家事なんて…。まっ。様々あるでしょうけど…。殆どが仕事で…。料理を作るよりも外食って時代。…そんな中で家事が出来て、料理が出来る。凄いわ~~~。」耀司、その声に照れながら、「あ、ははははは。はは。えぇ。ありがとうございます。」暁美、「ささ。どんどん召し上がって。ふたりとも、まぁ、朝早くから準備で…。」その声に耀司、誓と睦美を見て。睦美、誓、思わず顔をコクリと。耀司、「いやいやいやいや。ありがとうございます~~。」誓、「へへへへへ。」飲んで食べて、話も盛り上がって。凡そ1時間半程度。テーブルには再び淹れ立てのコーヒーが…。料理は…、大盛況で、残食なし。晄史、「ははははは。高井戸さん、食べましたね~~~。」その声に耀司、「いやいやいや。頂きました~~。何とも…。」キッチンでは睦美と誓が洗い物を。既に食べ終わった皿から睦美と誓、どちらからともなく洗い物をしていたが…。誓、義姉に、「凄~~い。気持ちいい程に完食~~。」睦美も、ニコニコと、「うんうんうん。はは。」誓、「何とも、作り甲斐があったわ~~。はははは。」このふたりの声は、水の音と食器の触れ合う音で晄史と高井戸には聞こえていない。誓、洗い上がったものを拭きながら、「お義姉さんは~~。会ってみて、間もない人との一緒の食事。もし手料理を遠慮がちに食べてくれる人と、俄然、美味しそうにモリモリ食べてくれる人と、どっちが好き…???」その声に睦美、僅かに考えながらも、「ん~~。やっぱり、作った方としては美味しく食べて欲しいよね~~。」誓、お皿を吹きながら、「やっぱ、そっち。」 ママでいい…。 vol,083. 「映画に出て来そうな料理」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.14
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「家で仕事をするようになってからはもぅ~~~。インスタントです。」耀司。暁美、「家で、お仕事。」晄史、「高井戸さん、Webデザイナーで、元々会社勤務。…けど~~。コロナで外出自粛になってからは在宅ワークになったんだって。」「あらま~~。」暁美。「じゃあ…、毎日、自宅でのお仕事。」耀司、「はい。そうなります。」「じゃあ~~。お家の方も、毎日、おとうさんが家で。安心ですわよね~~。」「えぇ。まぁ。家には私と娘だけ、なんですけどね。」「まぁ。」暁美。「じゃあ…、奥様は…。」「去年…、亡くなって。」「あら。」暁美、何かしら申し訳なさそうに。「ごめんなさいね。私ったら。」いきなり右手を振りながら耀司、「いえいえ。お気になさらず。今ではもぅ、娘と二人三脚で。」「娘さんは、今、お幾つ…???」「16です。」「…と、言う事は~~。」晄史、「高校2年生。」「おやおや。」暁美。「じゃあ~~。来年は、お受験。」耀司、またコーヒーを一口。「えぇ。」誓、「物凄い可愛い娘さん。」暁美、誓の声にニッコリと。「そぅ~~。」そして、「へぇ~~~。高2の娘さんがいらっしゃる~~。そりゃ、可愛いでしょう。」耀司、その声に、「はははは。えぇ。自慢じゃありませんが、自慢の娘です。」誓、また、「家事、全部、やっちゃうんですって~~。」暁美、目を真ん丸にして、「あら。なんとまぁ。素敵な娘さん。」耀司、照れながらも、「いや。何の事はない。」頭を掻きながら、「僕が、家の事は全く…。」顔をコクリと。「全然、ダメなんで。」「あら。」「子供の頃から全く。家の事は…。」誓、「凄いんだって。高井戸さんの実家。和歌山の…。男子台所に入るべからずって。」その声に暁美、誓を見て、「あら~~~。」耀司、可笑しくなって、「そうなんです。…って言うか、何故か、近所のおばちゃんたちのウチの台所、溜まり場になっちゃってますから。」瞬間、暁美、可笑しくなって、「はははは。おやおやおや。」「もぅ~~。完璧に、道端から玄関の方に…。途中から2つの分かれ道になってます。玄関までの足あとより、勝手口までの足あとの方がはるかに多い。」暁美、「あらららら。」晄史も誓も、「うそ。ホントですか~~???」耀司、大きく頷いて、「うんうん。ほんとほんと。となりのおばちゃんなんか、もぅ好き勝手に朝昼晩、一日に何度も。」誓、「す~~ご~~。」耀司、「まぁ。田舎なんて、そんなもんです。今で言う、コミ力…???」誓、「あ~~、うんうんうん。」「半端ないですから。」晄史と睦美、「コミ力。」誓、「うんうん、要は~~。コミュニケーションの力。略して、コミ力。」睦美、フィンガースナップ、「あっ、そっか~~。」晄史も、「な~~るほどね~~。」仕事中に汐梨、腕時計を見て、「兄さん、今頃…。」そして、何やら、「ふふふふふふ。」「な~~んか、久し振りだよね~~。芙美花とこうして日曜日に会えるなんてさ~~。どんくらい振り…???」景織子。千愛と詩乃も、「うんうんうん。どんくらい…???」芙美花、「う~~ん~~。…もしかして…、9か月…???」詩乃、「そっか~~~。」「…ってか。今、家の中。」千愛。「うん…???…はは。バセットひとり。」「ワンちゃんの…???」「そう。お留守番。…でぇ~~。夕方は~~。おばちゃんが、姪っ子を連れて我が家に来る。」「…で、家事をしてくれる。って。」芙美花、「そういう事~~。」千愛、「でも、その…、おばちゃんも、大変じゃない…???…自分の家と芙美花んちと両方~~。」芙美花、その声に、「う~~ん。私もそう思ってるんだけど~~。…でも、これぱっかりは、おばちゃんから言い出しちゃったからね~~。…けど、おとうさんには、早く家事出来るようにって、釘は刺してはあるんだけどね~~。…どうなりますやら。」景織子、ストローをジュースを吸いながら、「かかかかか。家事全くダメってね~~。」「まぁねぇ~~。おかあさんがおとうさんと結婚する前から、家事は私がやる。あなたは外で仕事って。…って言うか、おとうさんがおかあさんに僕は家事出来ませんって、宣言したくらいだから~~。」「まぁねぇ~~~。男性が家事出来ない。まっ。そりゃ当然かも知れないけど、今の時代。どうなんだろ。」景織子。「ねぇ~~。千愛~~。詩乃~~。家事、する…???」千愛、「…って言うか、景織子、すんの…???」「やる訳ないじゃん。おかあさんいるもん。」そこまで言って景織子、芙美花に、「芙美花、ごめん。」両手を合わせて。芙美花、「かかかかか。はは。大丈夫だよ。もぅ~~。今更~~。」「…ってか。」千愛。「ウチのおとうさんだって、全く家事、出来ないよ。家にいても…、な~~に、やってんのかな~~???…って言うか、私も、日曜日や祝日なんて、家にいないから。かかかかか。分かんないけど。」詩乃、「かかかかか。大概、私たちと一緒だし~~。」「ビンゴ~~~。」 ママでいい…。 vol,082. 「娘と二人三脚で。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.13
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ナビとスマホで場所を。晄史から送られてきた住所を見ながら。助手席には途中で買い求めた洋菓子の箱。そして…。「…この辺…???」車をゆっくりと…。運転席側から辺りを…。「おっと。あった、あった。」そして車を路肩に止めて。スマホで…。すぐさま晄史の声、「晄史です。高井戸さん…???」耀司、「あ~~。はいはい、高井戸です。着きました。眞鍋さん。」晄史、スマホを耳に、「着きました…???…あ、はい。」リビングからサッシの方に。そして、外の方を見ながら、「高井戸さん、ウチの玄関の近くににガレージがありますよね。」耀司、車の中から、「あ、はい。何か、凄い高級車。」晄史の笑い声。「あははははは。はい。お義父さんの車なんですけど…。殆ど乗ってなくって。…隣に車、止めて下さい。お客様用にと2台分、あるんです。」「あ、はぁ~~。なるほど。…確かに。1ヵ所、空いてます。」そして耀司、玄関のチャイムを。中から、「は~~い。」ドアが開く。耀司、「こんにちは。」そして辺りを見ながら、「何か、凄い佇まい。」晄史、「えへ…???」晄史から案内されて眞鍋家のリビングに。耀司、「こんにちは~~。」キッチンで誓と睦美、「こんにちは~~。」誓、義姉に、「ほらほら。お義姉さん。」キッチンから睦美を追い出すように。睦美、そんな誓に思わず、「えっ…???」耀司、睦美にペコリと、「こんにちは。」睦美、僅かに顔を赤く、「あ、はははは。」そしてまた、「こんにちは。はは。好きなところに…。」そして…。ソファに座って男性を笑顔で迎える暁美。「いら~~っしゃい。」耀司、照れるように、「初めまして。高井戸と申します。」頭をペコリと。そして持っている箱を、4人を見ながら、「これ。途中の洋菓子ショップで。」頭を撫でながら、「皆さんの…、その…、好みが、分からなかったものですから、お任せで。」睦美、ニッコリと。「わぁ。ありがとうございます。」笑顔たっぷりに。晄史、キッチンに入りながら、「ありがとうございます。」誓もニコニコと、「ありがとうございます。」ソファの女性、「あらあら、そんな…、お気になさらないで。ささ。どうぞ、お好きなところへ。」そして女性、立ち上がってペコリと。「初めまして。眞鍋、暁美(あけみ)と申します。晄史と睦美の母です。」睦美、箱をキッチンのカウンターに。暁美、「何やら晄史がご無理に誘ったようで。」耀司、「いえいえ。とんでもない。」右手をヒラヒラと。睦美、「どうぞ。」ソファに高井戸を。耀司、「あ、ありがとうございます。…それでは…、失礼して。」女性の対面のソファに。睦美は端の方に。耀司、「何やら、凄い車が…。」その声に暁美、「あぁ。ははははは。亡くなった主人の。」「あぁ~~。はいはい。」「主人のお話は…。」「あ~~。はい。晄史さんから少し。」「建設会社で…。」「あ、はい。そう…、伺っております。」誓、ソファにコーヒーを。「は~~い。まずは高井戸さん。いらっしゃませ。」耀司、ペコリとして、「はは。はい。いらっしゃいました。」ニッコリと。すると暁美、すぐさま、「ほほほほ。」晄史、「お口汚しです。コーヒーで…。」耀司、すぐさま晄史を見て、「いや。凄いですねぇ~~。晄史さん、日本語~~。ははははは。お口汚しなんて。」晄史、ニッコリと。「誓に教えてもらいました。」耀司、誓を見てニッコリと。「さすがに、先生~~。」誓、高井戸を見て舌をチロリと、「へへ。」晄史、自然に高井戸の隣に。睦美は端のソファから、母の隣に。誓は暁美と高井戸寄りのオットマンに。耀司、「とにかく、凄い佇まいで驚きました。」晄史、「お義父さんが建設会社だったから。」耀司、そんな晄史を見て、「うんうんうん。我が家なんて、この…半分くらいかな~~。」晄史、「娘さんとふたりで。」耀司、「うん。まっ。実家…、って言ったら…。」顔を傾げて、「うん。まま。こちらの家と同じくらいは…。…けど…。いや。古い家ですから、もぅ~~。日本の昭和時代の…。築…、何年だろ。今…、令和…。平成…。昭和…。ん~~。かかかか。今、親父が70だから~~。当然。」暁美、「お生まれは。」すぐさま耀司、「あ。はい。和歌山です。」睦美も晄史も誓も、「うんうんうん。」睦美、「コーヒーどうぞ。熱い内に。」耀司、「ありがとうございます。」一口啜り、「うん。美味しい。…挽き立てですね。」誓、「うん。」「前はインスタントだったんだけど~~。」晄史。「誓と出会って~~。挽き立てのコーヒーを淹れてくれたんですよね。それを飲んだら、はは、逆にインスタント、飲めなくなっちゃって。」耀司、頷きながら、「うんうん。分かります。とにかく香りがね。…違いますよね。」晄史、「高井戸さんは普段。」その声に耀司、「僕は…、今は、インスタントですね。会社では、それこそ、豆。拘るスタッフがいたもんで。」 ママでいい…。 vol,081. 晄史から案内されて眞鍋家のリビングに。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.12
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睦美、晄史に、「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」晄史、そんな姉に、「…って言うか、姉さん、ウチに高井戸さん呼ぶの反対なの…???」「いや。…反対って言うか。…そんなんじゃないけど…。ただ、いきなりって…。…その…、何も話しもなく。…いきなりって…。」「いや。…だから、姉さんにラインしたじゃない…???…高井戸さん、家に呼ぶよって。」「そうじゃなくって~~。前以て~~。」そしていきなりトーンを低くして睦美、「話してくれたって。」両腕で何かしらのゼスチャーを淡々と。小さな声で、「ここはこうで、あぁなって、こうですよ。…そんな感じでやってくれないかな~~。」晄史、そんな姉を見て、「姉さん、何やってんの…???」「あ。いや。…だから~~~。前以て~~。」「あ。そっか。つまりは、高井戸さんと話す前に姉さんに一言って。それの事。」間髪入れずに睦美、「そうです。そういう事です。」晄史、その声に、「そっか~~~。うんうんうん。そうかもね~~。ごめんね、姉さん。僕、勝手な事して。ごめんなさい。」姉にコクリと。そんな晄史を見て睦美、いきなり口を尖らせて、「あ、いや…。…そんな…、謝ってもらうって程の…。そんな…。」晄史、首を振り、「んや。謝る。ごめんなさい。」睦美、「あ、いや…。だから…。そんな…。」晄史、空を見て、「あ。そうなると~~。姉さん。」晄史も部屋着で。睦美、「何よ。」「…と、言う事は~~。僕が高井戸さんに~~。何か話すという時は~~。必ず~~。姉さんに一言、前以て~~、話しておかなきゃいけない。…つまりは、姉さんの許可が必要になる。…と、言う事になるけど…。」瞬間、睦美、「はぁ~ぁ~~あ…???」大きな口を開けて、また眉間に皺を。「いやいやいや。何でそうなるのよ~~。何で私に許可~~~???」「いやいやいや。だって、今、姉さん。前以てって言ったから。僕が高井戸さんに何か話さなきゃいけないときは…。」「いやいや。」睦美、何かしらムキになったような…。「べ、別にそういう意味じゃ。」「じゃ、どういう…???」口を尖らせての晄史。「だってさ。高井戸さん、僕にとっては友達って。高井戸さんも喜んで友達になってくれるって言ってくれてるけど。」睦美、「いやいや。だから。まま、確かに。友達って。それは、それで構わない。けど…。…でも、そんな…。いきなり家にって。」「誓は喜んでくれたけど…。」玄関から、「ただいま~~~。」晄史、玄関に、「おかえり~~~。」リビングに誓、「お義母さんは…???」すぐさま、「あぁ~~~。翻訳。」「何かしら、長編の翻訳だって~~。新しい仕事、頼まれちゃったみたい。」睦美。誓、「へぇ~~ぇえ~~。凄いやお義母さん。とにかくコンスタンスに仕事~~。さすがはトリリンガル。」晄史、「姉さん高井戸さんに話すときは前以て姉さんに一言。そして、許可を取るべしって~~。」誓、その声に、「へっ…???」瞬間、睦美、両手をヒラヒラと、「ややややや。そんな。」慌てながら。誓、「うそ。」義姉を見て、目をパチクリと。睦美、「いやいやいや。そんな…許可って。」誓、義姉の隣に座って、「なんで、なんで???…いいじゃん、高井戸さん。ウチに呼ぶの、何で許可…???」睦美、誓に、「いやいやいや。許可って。何も。」誓、「私は大賛成~~。高井戸さん、いいも~~ん。気さくだし、楽しいし。いろんな話出来そう~~。」晄史、「ほら。」睦美、思わず顔を下に、「んもぅ~~~~。」誓、そんな義姉を見て、「お義姉さん、何か…、問題でも…???」「問題って…。…別に、そんな…。」「…って言うかさぁ~~。」晄史。「まさか…。高井戸さんをウチに呼んで~~。その時に、姉さんがいない。な~~んてなったら、それこそ、不自然じゃない…???…折角4人で知り合って…。」そこまで言って晄史。「…って言うか、元々、姉さんの音楽教室の、レッスン生のおじさんって。だから、僕も~~。親しみやすいなって。高井戸さんも快く、受けてくれたし~~。…で、今じゃない。…って言うか~~。高井戸さん、僕の友達でもあるんですけど。」誓、「私の、友達でもある。しね。」晄史、ニッコリと、「うんうんうん。」睦美、思わず両肘をテーブルに。そして両手で両頬を唇をムニュッと丸く。「芙美花~~。じゃ~~。行ってくる~~。」玄関で。芙美花、2階から、「は~~い。行ってらっしゃ~~い。私ももうぐ出掛けるから~~。」玄関まで見送りのバセットに耀司、「バセット~~。では、行って参ります。留守番、頼む。」そんな耀司にバセット、「ワン。」ドアから耀司、チラリとバセットに、「じゃね~~。」バセット、顔を傾げて、「クゥ~~ン。」ドアが閉まるとバセット、リビングのまた自分の定位置に。耀司、ガレージから、「さてと。」 ママでいい…。 vol,080. 睦美、晄史に。「そんな、いきなり家に呼ぶだなんて。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.11
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麻沙美、芙美花の手を握ったままで、芙美花に顔を。「お姉ちゃん、演奏会、かっこ良かった。」その声に芙美花、麻沙美の頭に顔を落として、「へぇ~~???…ふふ。うん。ありがと。」「お姉ちゃん、これからもあんな風に…???」芙美花、チョコンと顔を傾げて、「う~~ん~~。どうかな~~。お姉ちゃん、確かに~~。クラリネットは好きなんだ。麻沙美がピアノが好きなのと同じように。」麻沙美、「うん。」バセット。ゆっくりとアチコチ見ながら歩いている。芙美花、「でも…、麻沙美がピアノを弾き始めたのは~~。今、麻沙美が5歳だから~~。…でも、お姉ちゃんがクラリネットを始めたのって…。」そこまで言って芙美花、思わず顔を傾げて、「あれ…???…私、何歳からだっけ…???…クラリネット、始めたの。…確か…、小学…???」そして芙美花、いきなり麻沙美の顔の位置まで腰を低く、「麻沙美よりず~~っと後になってからクラリネットを始めた~~。」麻沙美、驚いて、「え~~~???…うそ~~~。麻沙美よりず~~~っと後なの~~。」バセット、その場を足踏みするように。そして麻沙美のホッペをペロリン。麻沙美、「はははは。バセット~~。」芙美花、そんな麻沙美に、顔をコクリと。「うん。そうだよ~~。はははは。」麻沙美の頭を撫でて、そして立ち上がる。その時、2匹のポメラニアンを連れた夫婦連れが…。いきなり麻沙美、「あ。かわいい~~。」バセットもすぐさま、そのポメラニアンに。芙美花、いきなり、「あ、バセット、こら~~~。」3匹共に、何かしら引き合うように。夫婦たちもお互いに顔を見せ合い、「あらあら。」「ははははは。」芙美花、ポメラニアンを見ながら、「はは。か~~わいい~~。」男性が、「ほほぅ~~。バセットですか~~。」麻沙美、「うん。バセット~~。」女性が…、「お名前は…???」麻沙美、「バセット~~~。」男性、女の子を見ながら、「おやおや。そうかい。」芙美花、「名前も、バセット。そのまんまなんです。」夫婦共に頷きながら、「へぇ~~~。」女性が、「立派なワンちゃん。」男性も、「何とも逞しい限り。用心棒みたいな…。」そこまで言って、頭を掻いて、「あ、いや。ははははは。失礼な事を。」芙美花、ニッコリと、「いえ。我が家の用心棒です。不審者には、しっかりと吠えますから。」男性、「おやおやおや。大したもんだ。」3匹の犬、何かしらじゃれ合うように。女性、そんな3匹を見ながら、「まぁ、まぁ。この子達ったら~~。」芙美花、2匹を見て、「えっと~~。何て言う…。」夫婦どちらからともなく、「ポメラニアンです。」いきなり芙美花、「あ~~、あ~~。はいはい。うんうん。聞いたことある名前~~。可愛いですよね~~。」女性、ニッコリと。「ありがとうございます。」男性も、「ありがとう。」そして男性、「我が家のアイドルです。」白髪交じりの髪に口から顎までの同じように白髪交じり髭を蓄えて…。瞬間、芙美花、祖父を思い出す。夫婦連れ、笑顔で、「では。…私たちはこれで…。」芙美花も笑顔で、「あ、はい。さようなら。」そして2匹の犬に、「バイバ~~イ。」麻沙美も、「バイバ~~イ。」夫婦連れが離れて行く。バセット、再びふたりの前になって歩き始める。芙美花、「はは。何か、おじいちゃんとおばあちゃんに会った感じ。」麻沙美、芙美花に、「う~~ん~~。何か言った~~???」芙美花、そんな麻沙美に、「あはははは。聞こえたか~~。おじいちゃんと~~、おばあちゃんみたい~~って。」その声に麻沙美、「え~~~ぇえ~~???」芙美花、可笑しがりながらも、「ふふ。うんうん。」晄史からのラインで睦美、いきなり目を真ん丸に、「!!!」口に右手握り拳を。そして、「うそ。」そしてラインでササササと、「どういう事…???」するとまたライン。「だから、高井戸さんを家に招待。」「招待って。そんな、いきなり。」「でも高井戸さん、OKしてくれたよ。誓なんか、喜んでた。」思わず睦美、顔を崩して、「え~~~ぇえ~~???」睦美、思わず顔を下に。そして右手で顔を覆うように。「眞鍋さ~~ん。今、リスト送った~~。お願~~い。」その声に睦美、「あ、あ、は~~い。」睦美、勤務時間終了。相手が勤務時間であろうがスマホで、「もしもし、晄史…???…仕事終わったから、話は家で。」晄史の声、「了~~解。」「どういうつもりよ。」睦美。眉間に皺を寄せて。全身オフホワイトの部屋着。缶ビールを飲みながらの晄史、「どういうつもりって。単に、高井戸さん、ウチに誘っただけだけど。」「どうしてよ。」「いや。どうしてよって言われても…。」顔を傾げての晄史。誓はまだ戻っていない。それほど遅くはならない。との事。暁美は書斎で翻訳の仕事中。 ママでいい…。 vol,079. 「お姉ちゃん、演奏会、かっこ良かった。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.10
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学校から帰って来ての芙美花もその話を聞いて、「へぇ~~~。」耀司、「まま、何て言うか、俺自身もさ。かかかかか。この歳で、何かしら、新しい…???…何か、新鮮な…、友達…???…って。言うのが増えたみたいで…。ははははは。」その声に汐梨も、「あ~~ん。うんうんうん。それは…、あるかも…知れないな~~。まっ。私の仕事はウェディングプランナーだから~~。次から次へと、新しいお客さん…???」芙美花、コーヒーを飲みながら、「うんうんうん。」「まっ。お客さんって言っても、当然、アフターケア~~。結婚して、はいさようなら。…だけじゃなくって~~。結婚してからのお付き合いも…。だから、これから結婚する。で…、結婚した後も、お付き合いは続くわけだけど~~。…そんな事言ったら、勝臣だって、旅行会社、添乗すりゃ~。…けど、兄さんは…。」耀司、その話に、「そう。だから電話来た時、晄史さんから。俺の場合は自宅での仕事。以前と違って外で仕事している訳じゃないから。…と、言っても、この歳になればもぅ~~。新しい友達って。」芙美花、「そうなんだ~~~。」そして、少し考えた風に、「確かに。おとうさん。コロナ前だったら結構~家に帰ってくるのも…。…けど…。コロナが終わって~~。…で、去年はおかあさんが…。めっきり、外に出るって…。ほんと。たま~~に。だもんね~~。おとうさん、家では全くお酒、飲まないし~~。」耀司、「まっ。この辺に馴染みのお店がある訳じゃなし。かかかか。ひとりで酒飲んでも…。…逆に、家で仕事をする事になると、仕事の方が捗るって言うか、朝から夜まで仕事三昧。それこそ、お客さんが喜んでくれるよ。仕上がりが早いって。」汐梨、「そりゃそうでしょ。会社って言う、縛られるものは何もない。しかも兄さん、企業からすれば取締役みたいなもんでしょ~~。」「まぁねぇ~~。管理、やってるからね~~。」「ふん。いいんじゃない…???…眞鍋家。私も良いと思うよ、眞鍋さん。話しやすいし、昨日だって、楽しかったし。」耀司、その声に、「うんうんうん。」「まっ。」そして汐梨、「かかかかか。少し、話が早~~っては、思ったけどねぇ~~。」耀司、その声に、「ふん…???…何が…???」「晄史さん。眞鍋さん…???…あの人って、物凄い、近寄りやすいって感じ、昨日初めて見たけど、すぐに感じた~~。物凄い気さくさって言うか~~。」耀司、「うんうんうん。」「まっ。当然、私たち、年上なんだけどさ~~。それでも、中々の親近感、あるのよね~~。」耀司、その声に、「それには俺も同感。…しかも…、何て言うか~~。まま、これは向き不向きもあるとは思うけど~~。親近感のある、包み込むって感じの提案、ポンと出してくる。」「あ~~。それ。」汐梨、2度頷きながら、「分かる、分かる。」「全く以てナチュラル。とにかく、日本語が上手い。」「ん~~~。だよね~~。」芙美花、話を聞きながら、「へぇ~~~。」耀司、「まっ。何れにしても、話をしていると話は進むよな~~。…しかも、仕事の話しばかりじゃなくって、いろいろな話も出来るって感じ。」汐梨も、「同感。」芙美花、また、「へぇ~~~。…そうなんだ~~。」耀司のスマホに着電。「おっと。クライアント。」そのまま仕事部屋に。芙美花、「そっか~~~~。」汐梨、「さてと。夕食、やっちゃおぅ~~。」芙美花、叔母に、「あ。私も手伝うよ。」「な~~に言ってんの~~。私がいるんだから~~。芙美花、自分の好きな事やんなさ~~い。あ。麻沙美とバセットの散歩、たま~~には、いいんじゃない…???…おっと、ルンバ、ごめん。かかかか。」汐梨、ルンバに。「お掃除、ご苦労~~。」麻沙美はバセットの傍でうつ伏せになって絵本を読んでいる。芙美花、「ふん。だ~~ねぇ~~。最近、定期演奏会、忙しくってバセットと散歩もしてないもんね~~。バセット~~。散歩行こう~~。」するとバセット、芙美花に振り向いて、「ワン。」麻沙美も、「麻沙美も行く~~。」汐梨、キッチンで、「はは。行ってらっしゃ~~い。」そして…、10数分後。耀司、部屋から出て来て、「あれ…???芙美花…。あ。バセットもいない。」汐梨、料理しながら、「散歩行った~~。」耀司、その声に、「あ。はは。な~~るほど~~。」「仕事の電話~~???」「ふ~~~ん。まぁねぇ~~。」「ウェルストン、儲かってるでしょう~~。」耀司、その声に、「う~~ん~~。」そして、右手を振って、「いやいや。いやいやいやいや。そんな…。ははははは。」汐梨、その声に、「完璧に、儲かっている顔だね。」「いやいや。…恐れ多い事で…。ははははは。」芙美花、バセットと一緒に、「バセット~~。ごめんね~~。最近、一緒に散歩出来なくって~~。」バセット、ただ黙って…。 ママでいい…。 vol,078. 「新しい友達」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.09
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いきなり睦美、ドキン。珠里(しゅり)に、「奈臣さん、昨日…。」 珠里、「うん。私の姉のね~~。娘が博楼の吹奏楽部なのよ~~。だから、姉と一緒に見てたの~~。会場で~~。そしたら、帰るときに玄関ロビーで眞鍋さん見つけて、あれ…???…って思ったら、何々、麻沙美ちゃんのおかあさん、木守さんと一緒だったから~~。あ、それと…、麻沙美ちゃんのおじさんと若い男性の方と~~。声、掛けづらくなって~~。私は、二階席からだったから~~。」 睦美、話を聞きながら、「あ~~~。」ニコリと。 珠里、「でも。珍しいわね。眞鍋さんが木守さんと。なんて。…ひょっとして、木守さんと、お友達に…???」 そんな話に睦美、珠里に、「あ、いえ。…実は、弟なんです。」 「弟さん…???」「えぇ。」 睦美、珠里に、「ほら。ジャズフェス。」 珠里、「うんうんうん。」 「その時に、偶然、麻沙美ちゃんのおじさんと会っちゃって。」「あら。高井戸さん。」 「えぇ。」「そしたら、いきなり弟が、ジャズフェス終わって、高井戸さんに、食事誘ったんです。」 「へぇ~~。」「それからなんです。食事して、会話して。それから弟が~~。今度は、余りに偶然に博楼高校の定期演奏会のチケット。そしたら、今度は、木守さんの…、高井戸さんの娘さんも博楼高校の吹奏楽部で…。」 珠里、「あら。そぅ~~~。あの、高井戸さんの娘さん。へぇ~~~。かかかかか。」そして珠里、「高井戸さん、ありゃ中々どうして~~。どうみても、イケオジだよね~~。」そう言いながらも、「うんうんうん。娘さん。うん。確かに、高校生の娘さん、いるって感じよね~~。」 睦美、「弟の方が高井戸さんと仲良くなっちゃって~~。その流れで。」 弁当を開きながら珠里、「眞鍋さんの弟さん。今、おいくつ…???」 「私より、3つと年下ですから、35です。」 「へぇ~~。そうなんだ~~。…と、言う事は…。」珠里、空を見て、「眞鍋さんね今、38…???」 睦美、照れながらも、「えぇ。そうです。」 珠里、「そっか~~。」そして、「あは。いきなりごめんね。お弁当、食べちゃお。」 睦美、ニッコリと。「はい。」 珠里、「ははは。眞鍋さん、いつも端っこの方で、ひとりでお昼、してるからさ~~。」 その声に睦美、「あははははははは。」 実に睦美。自身としても、人当たりが良い。と、言う風には感じていない。どちらかと言うと、余り前には出ない。つまりは目立たない性格もある。けれども、一度スイッチが入ると、どこかしら説得力もある側面を持っている。しかし、そういう側面が出るという事は、稀でもある。その為に、意外と、他人と接する事が少ない。自分の事を話したがらないという側面もあると言うのが僅かでも、他人を寄せ付けない微妙なバリアみたいなものを持っている。 弁当を食べながら睦美、頭の中で、「…奈臣さん、会場、いたんだ。」 珠里も頭の中で、「…へぇ~~。そういう事~~。な~~るほどね~~。」 そして…。いきなり話は進む。 高井戸家、耀司の仕事場で、「えへ…???…晄史さんの家に。」 スマホの向こうで晄史、「えぇ。…と、言うか、高井戸さんに迷惑だったら。」 すぐさま耀司、「あ、いや…。迷惑だなんて、そんな…。」 「ほんとですか~~???…あは。嬉しい~~。誓も喜ぶと思います。」「あ、あ~~。ははははは。…あ、いや…。けど~~。僕なんかが晄史さんのお宅にお邪魔しちゃ~~。却って。」 晄史、スマホを耳に、「いえいえいえ。大歓迎ですよ~~。…って言うか~~。…実は…。あんまり…。家に、僕らの友達、来る事って…。…と。言うか。…その~~。そこまで友達同士って言う…、付き合いの人って…。」 その話に耀司、「あ~~~。はいはいはい。まっ。それは…、僕も同じですけどね~~。今や、自宅での仕事ですから。それほど会社の人と一緒に会うって事もあまり…。コロナ禍から…。まま。確かに。…その延長って言うのも変な話ですけど。コロナ前に比べて、めっきり、減っちゃいましたもんね~~。…どちらかと、言えば、みんながみんな、マイワームパパって感じで。」 晄史との話は続く。 そして…。 耀司、「分かりました。僕の方はいつでもOKです。」 晄史の声、「ほんとですか~~???…じゃあ~~、予定入れて、いいですか~~。」 「はは。どうぞ、どうぞ。」「誓も喜びます。ありがとうございます。」 「いいえ~~。」 いきなり汐梨、「はい…???」 耀司、家事の練習をしながら、「…と、言う事で。かかかかか。」 汐梨、思わずポカ~~ンと。 耀司、そんな汐梨を見て、「…って、何よ~~。その顔~~~。」 数秒、汐梨、ポカ~~ンと、したままで…。はたと。「へっ…???…あ、いや…。…いやいやいや。何とも、予想外の事で。」 そんな汐梨に耀司、「はっ…???」 「…って言うかさ~~。いやいやいや。眞鍋家に…。兄さん。」 耀司、顔をコクリ。「うん。」 ママでいい…。 vol,077. 「玄関ロビーで眞鍋さん見つけて…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.08
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けれども耀司、また、「芙美花の事、かわいいって~~。」「かかかかかか。わ~~かったから。わ~~かったから~~。はいはいはい。ありがとうございますぅ~~。」「おとうさん、物凄い、嬉しかった~~。」芙美花、ニコニコとながら、「はいはいはい。もぅ~~。寝ます~~。おやすみ~~。」椅子から立ち上がり椅子から離れる。耀司、「芙美花の事、かわいいって~~。」芙美花、歩き出す、「おとうさん…???」定期演奏会の動画は学校のグルーブラインでそれぞれが…。至る場所で湧き上がっている。定期演奏会翌日。校長室に兼高。舘脇、椅子から立ち上がり、兼高と握手。「昨日は、お疲れ様でした。そして…。実に。感動しました。」壁際で教頭の季久美もニッコリと。兼高、舘脇の言葉に微笑みながら、「ありがとうございます。」舘脇、にこやかに、「良くぞあそこまで…。感謝です。」季久美、兼高に、「もぅ~~。昨日から学校のラインには凄い反響。」兼高、ニコニコと、「えぇ。私の方にも…。同じように。」舘脇、「何より、素晴らしい演出。天晴。…と、言う以外に言葉がない。」「いえいえ。ただ、私は、演奏の為に、何かしらのお手伝いをしただけで、実際には生徒たちの努力の賜物です。オープニングからマックスでやってとお願いしてましたから。見事に、その成果を発揮してくれて。みんな、輝いてましたから。」季久美、ニコニコと、「うんうんうん。」舘脇、コクリと頭を。「これからも、よろしく。」兼高、そんな舘脇に丁寧にお辞儀をして、ロングの髪が流れるように下に、両手を前で合わせて腰を曲げたままで。「ありがとうございます。以上、ご報告まで。失礼致します。」校長室を出る兼高に、他の教職員も拍手で。「兼高先生、お疲れ様~~。素晴らしかった。」「うんうんうん。」「お見事。」「天晴。」兼高、それぞれに、「ありがとうございます。」動画を見ながら、「ほらほらほら~~。景織子~~。」千愛。景織子も詩乃も芙美花も、「うんうんうん。」「それにしても岬先生、さっすが~~。しっかりみんなの顔までアップで~~。」詩乃、「だよね~~~。」景織子、「これなら完璧に記録だわ。うんうんうん。」そして…。「キャ――――――ッ!!!!芙美花~~。」千愛。「あははははははは。すっご~~い。ソロだよ、ソロ~~。」芙美花、「もぅ~~~。心臓バックンバックン。」その声に景織子、「かかかかか。うんうんうん。確かに~~。終わってからふたりで、もぅ~~。涙、ボロボロ。」芙美花、景織子の両肩を抱き締めるように、「キャハハハハ。うんうんうん。」「それにしても、岬も中々どうして~~。やるもんだね。」岬の席に犬養。岬、そんな犬養に椅子を向けて、「えへ…???」「動画だよ、動画~~。」「あ~~~。」「撮影の仕方、Goo~~~d。」右拳に親指を出して。そんな犬養に岬、「あは。アザス。」「他の先生方も動画見てて、おほ~~~~。ははははははは。凄いなコレ~~って。あれなら定期演奏会に行けなかった先生たちも納得~~。」そしてそれは、生徒たちの各家庭でも…。高井戸家でも当然。芙美花、スマホから父のスマホに。そこから耀司、自分のパソコンにも。「良し、これでOK。」汐梨も同様に、「うんうんうん。ありがと。」そして…。動画を見ながら…。「へぇ~~。…この位置から撮ったんだ~~。」耀司。汐梨も、「うんうんうん。ここならね~~。撮りやすいかも。」「おとうさんたちは前の方だったよね~~。」芙美花。汐梨、「あら。」目をパチクリと。耀司も、「おっと~~。探した…???」芙美花、「うん。演奏中は無理だったから、その前に、ステージ入ってすぐに。満員でビックリしたけど…。」耀司、芙美花にニコニコと、「うんうんうん。」そして、動画を見ながら、「おほ。この動画、凄いや。上手に撮れてる~~。」汐梨も、「うんうんうん。確かに。生徒たちもしっかりとアップで…。」芙美花、「うんうんうん。みんな、ビックリしてた。で、驚いてた。」耀司、「確かに。こんな風に撮ってもらえたら嬉しいねぇ~~。はははははは。」麻沙美も、「麻沙美にも見せて~~~。」汐梨、「は~~い。」椅子に麻沙美を座らせて、「はい、どうぞ。ちょっと待ってね~~。巻き戻して~~っと~~。はい。ここだ~~。芙美花お姉ちゃん、出て来た~~。」麻沙美、スマホの画像を見ながら、「あ~~。ほんとだ~~。」芙美花も耀司もニコニコと笑いながら…。そして…。意外にも、ここでも…。数時間前の事である。お昼休みのヨシカワ音楽教室。職員食堂で…。「眞鍋さん。昨日はどうも。」睦美の席で奈臣珠里。睦美、思いがけずに、「えっ…???…あ、あ、あ~~。お疲れさまです。」顔を傾げて。「奈臣…さん…???」珠里、眞鍋を見て、「あん、もぅ~~。定期演奏会よ~~。博楼高校の~~。」瞬間、睦美、「えっ…???」 ママでいい…。 vol,076. 「芙美花の事、かわいいって~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.07
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汐梨、麻沙美を負ぶったままで玄関に、チャイムを。そして…。「ただいま~~っと~~。」リビングから勝臣、「おぅ。お帰り~~。はいはいはい。」汐梨、「あは。あん。お願い。」勝臣、「おぅ。」麻沙美をそのまま抱き上げて、「おかえり~~。」そして、「定期演奏会、どうだった…???」その声に汐梨、「んもぅ~~~。最高。高校生であのレベルにはたまげたわ。」「へぇ~~え~~。」勝臣、そのまま麻沙美を布団の中に。「ゆ~~っくりとおやすみ~~~。」汐梨、お茶を淹れながら…。「芙美花のクラリネットも最高~~。」「かかかかか。例のソロ。」「うんうんうん。」「ありゃ、確かに、部屋を防音にしただけの事はあるわ。」「かかかかか。確かに。芙美花ちゃんの部屋、防音。」「うんうんうん。」「…で…???…高井戸家の家事代行、まだまだでしょ。」その声に汐梨、「うん。続ける。じゃないとさ~~。このまんまだと芙美花が~~。」勝臣、「確かにな~~。はははは。俺がこんな事、言うのも変だけど…。お義兄さん…。…出来ないもんな~~。家事。」腕組みしながら。そして顔を傾げて、「あれだけ…。電気も機械もOKなのに。…なんで…???」汐梨、お茶を飲みながら、「まっ。私もそれは分かんない。子供の頃からだから。」そして勝臣、考えながらも、「そっか~~。芙美花ちゃん。…確かに。大変だよな~~。」「だからさ。ね。ね。」そんな汐梨に勝臣、僅かに顔を前に、「うん…???」汐梨のスマホにラインの電子音。汐梨、「うん…???」耀司のスマホにもラインの電子音。耀司、「うん…???」芙美花、「おとうさん…、ライン…???…こんな時間に会社の人…???」耀司、そして汐梨も、画面を見て、「あ~~~~。」晄史から、「今、帰りました~~。」睦美からも、「今日は楽しかったです。そして、ご馳走様でした。」耀司、画面を見て、「ほほほほ。」汐梨も、「ははは。うんうんうん。」芙美花、「うん…???」勝臣、「誰から…???」耀司、汐梨、「眞鍋さん。」芙美花、「あ~~。ライン、友達追加したんだ。」勝臣、「な~~るほどね~~。」耀司も汐梨にも、共に返信。自宅玄関前の晄史と睦美、互いに、「あは。返信。来た。」「うん。」耀司、「さ~~てと~~。ひとつの峠は、超えたか~~。芙美花~~。」芙美花、「うん。ひとつはね。…でも、まだまだ。」「かかかかか。確かに。」けれども芙美花、「…でも~~。」その声に耀司、「うん…???」「おばちゃん、これからもウチ。私の代わりに家事。」耀司、思わず口を噤んで。「う…、うん。ま。あ…。」芙美花、父を見て、「おとうさん。頑張ってよね。家事。いつまでも~~。おばちゃん、あぁ言ってくれてるけどさ~~。…そんな~~。」耀司、口を尖らせながらも、「わ。分かってるよ~~。」「毎日、家にいるんだから~~。」「はいはいはいはい。」芙美花、「でも…。」ニッコリと。「とにかく、おとうさんが毎日、家にいてくれるっていうのは、嬉しい。」耀司、口を真一文字にして、「はい。」「だ~~って~~。普通なら~~、会社に朝。帰って来るのって夜。私、待たなきゃなんない。」「確かに。」「おかあさんがいるんだったらいいけど…。」耀司、その声に、「……。」「まっ。確かに~~。家に帰って来て、おばちゃんがいる。…って言うのは嬉しい。…けどさ~~。気持ち的。…にも、違うじゃん。ウチは~~。高井戸。おばちゃんは~~。木守。」耀司、芙美花の声に、「う…、うん。うんうんうんうん。」「私、確かに、おばちゃんがウチの家事、やってくれるのは嬉しいし、ありがたい。…けどさ~~。そんな…、いつまでも甘えらんないよ~~。」「た…。…確かに。うんうんうんうん。」芙美花、椅子に右足を乗せて、「来年になったら、今より、もっと…。…私、大学。」いきなり耀司、目をパチリと、「志望校。」芙美花、目は下を向きながら、「まだ。だけどさ~~。…家の中。…来年は…。今より。」間髪入れずに耀司、「はいはいは~~い。娘のためならエ~~ンヤコ~ラ~~。」座りながらに耀司、ポーズを取りながらも。「うんうんうん。おとうさん。頑張るから。しっかりと大学。大学な。」芙美花、右脚に両腕を回しながら、「分かってるよ~~、分かってる~~。」耀司、芙美花を見てニンマリと。「ふふ~~~ん。」そんな父を見て芙美花、右目を歪めて、「何よ。」耀司、「あのね。眞鍋さんがね。」「うん。」「芙美花の事、かわいい~~って~~。」瞬間、芙美花、瞬き、「えっ…???」「芙美花の事、かわいいって~~。」真っすぐに芙美花を見て…。芙美花、「はは。…あ、はははははは。」まだまっすぐ芙美花を見る耀司。芙美花、思わず可笑しくなって、「や~~だ~~。…そんな顔で見ないで~~。」 ママでいい…。 vol,075. 「芙美花のクラリネットも最高~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.06
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耀司、スマホに、「あと。15分くらいかな。切るね~~。」「あ~~い。」駅に入りそのまま…。晄史、睦美、一切会話をしていない。ホームで…。晄史、姉の傍で、「やっぱり、怒ってる。」睦美、その声に、晄史は見ないで、「…だから、怒ってないって。」「でも…、あれから口、開かないし。」その声に睦美、唇をビロンと。「もぅ~~。色々と。あるのよ~~。」晄史、そんな姉に、「はいはい。」電車の音。「おっと、来た。」睦美の脳裏に蘇るあの時。…………1年前…。急ぎ足で病院の廊下を。…そして病室に…。医師とふたりの看護師。ベッドの上にはひとりの男性。睦美、医師と看護師にお辞儀して…。医師と看護師も睦美に軽く会釈を。看護師のひとりが…。「眞鍋さん。」睦美、強張った表情でベッドに。そして看護師、今度はベッドの上の男性に僅かに腰を低くして、「阪部(さかべ)さん、眞鍋さん、来ましたよ。」低い声で優しく。実は、その看護師が、高井戸祐里子(たかいどゆりこ)である。そして眞鍋を促す。睦美もベッドの男性に、「洵(じゅん)。」医師、「何とか…。…間に合って良かった。…もはや…。我々の…手を尽くす事は…。」ベッド上の男性。マスクの中…。僅かに呼吸はある。睦美の声に、何とか反応しての目が…。睦美、また、「…洵。」そして…、男性は目を閉じ…。…その数分後…。今まで波動があったはずのモニターの波動が…。数値は、「0」看護師のふたり、モニターを見て、そして医師を見て。医師、瞳孔を確認。そして…。腕時計を…。「……………。ご臨終です。」頭を下げながら。看護師ふたりも頭を。睦美、ベッド際で、「洵…???…洵…???」ベッドの上の男性を、全体を見てまた、「洵…???…洵…???」そして、今度は声を高く、「洵っ!!!…洵っ!!!…洵。」布団を叩きながら、「やだよ。…やだよ。…やだよ。やだよ。やだよ、やだよ。やだよ。」そして…。布団に顔を埋めて…。「あ―――――――――っ。」「姉さん…???」晄史の声。我に返る睦美。「あ。」晄史、電車の中で、「ドア、閉まっちゃう。」急ぎ足で睦美、「あ、うん。」そして、電車に乗って。晄史、「どうしたの…???…ボーっとしてたけど…。」その声に睦美、晄史を見て、「うん…???…はは。ううん。何でも…。」汐梨、耀司を送り届けて、「じゃね~~~。」耀司、手を挙げて、「おぅ。」そして、「ありがとうな。」「おやすみ。」「うん。おやすみ。」後部席のチャイルドシートの中で眠っている麻沙美に、「麻沙美~~。帰るよ~~。」耀司、そんな麻沙美の顔に手を振って、「おやすみ~~。」高井戸家から車が出る。チャイムを鳴らして耀司。ゆっくりと玄関にバセット。「ク~~ン。」耀司、バセットの頭を撫でて、「ただいま、バセット。」階段から芙美花、「あ、おかえり、おとうさん。」耀司、芙美花を見て、「おぅ。ただいま。今帰った。」芙美花、階段を降りながら、「うん。」そして父より先にリビングに。「今まで、音楽教室の眞鍋さんと…???」「うん。眞鍋さん、音楽教室の事務局の人と~~、その弟さん。弟さん、レコード会社のダイナムズの人。」芙美花、「うそ。ダイナムズ。凄っご~~~。」耀司、その声に、「かかかかか。」芙美花、目を真ん丸に、「めちゃくちゃ凄いじゃん、ダイナムズって、あのダイナムズだよ。ヒットメーカーの。」耀司、ニッコリと。「かかかかかか。まま。ん~~。まっ。表現としては、うんうんうん。確かに。ヒットメーカー。の、方が分かりやすいか。日本の三大レコード会社って感じかな。」芙美花、椅子に座って、「あ~~。うんうんうんうん。」耀司、冷蔵庫からウーロン茶を。グラスに注いで。そして、「とにかく芙美花。」そのまま芙美花にお辞儀をして、「お疲れ様でした。」その声に父に振り返っての芙美花、ニッコリと、「うん。」耀司、テーブルに、「しっかし、凄いよね~~。高校生であれだけのレベル。いやいや感服。いきなりドボルザーク、新世界が出て来たから、オホ。これやるぅ~~~???…凄ぇなって。」芙美花、ニコニコと、「うんうんうん。先生、今回は最初っから、マックスで行くって。だからもぅ~~。大~~ぃ変~~ん。しょっぱなからダイナマイトがドド~~ンと。」「かかかかか。うんうんうん。」耀司、ニコニコと。そして、「それにしても、さすがに我が娘。大成功、ラプソディ・イン・ブルー。…いやいやいや。中々どうして…。完璧なんじゃない、あれ。」「もぅ~~~。無我夢中~~。客席なんて目に入らない。とにかく、吹く。吹く。吹く。吹く。…これしかないって。」耀司、可笑しがって、「あ~~。うんうんうん。」「そしたら、何だか楽しくなってきちゃって。完璧にピアノと私が、コラボしちゃってた。はは。」耀司、そんな芙美花を見て、ニコニコと、「うんうんうん。分かる分かる。」 ママでいい…。 vol,074. 晄史、姉の傍で、「やっぱり、怒ってる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.10.05
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