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いきなり芙美花、両手をヒラヒラと。「いやいやいやいや。いやいやいやいや。有り得ない。有り得ない。全然。全然。かかかか。結婚って。…そんな…。おばちゃん。」汐梨、そんな芙美花を見て、「ん~~~。まま、今はね~~。この令和の時代。昔っから、少子化、少子化って~~。結婚しない若者多いから。…ってぇ~~。言いながらも芙美花、再来年にはあんた、大学だよ。二十歳までなんてあっという間。…って言うか、彼氏っていない訳…???」芙美花を見て耀司を見て。そしてまた芙美花を見て。その声に芙美花、両手を振り振り、「いない、いない。全然。全然。かかかか。」汐梨、「だ~~って、あんた、部活はブラバン。ブラバンに好きな男子なんて、いない訳…???」そんな声にチラリと芙美花を見る耀司。その声に芙美花、ニコニコと、「いない、いな~~い。…って言うか、たったの5人しか、ブラバンには男子、いないし。その中の3人は3年。しっかりと彼女います。…でぇ~~。残りの2名は~~。思わず可笑しがりながら口を閉めるように。」そして、口を両手で塞ぐ。汐梨、「うん…???…何よそれ~~。」芙美花、いきなり両腕を、肘を曲げながらに横にバン。そして、右手を上に伸ばして。汐梨、目を見開いて、「うそ。」汐梨も同じように、腕を横にバン。そして、右手を上に伸ばして、「横に、上に。かぁ~~。まま、おデブさんに…。ノッポさん。何センチくらい…???」芙美花、顔を傾げて、空を見て、「ん~~~。170…???」いきなり汐梨、「でか。」「オマケに坊主頭。」いきなり汐梨、「ぷっ。」けれども、「いやいやいや。笑っちゃあ失礼だ。」そこまで言って、「…ってか、ブラバンに坊主頭でノッポのって…。いるんだ~~~。」「チューバ吹いてる。」芙美花。「ん~~~。…って言うか~~。学校に…、見てて、カッコイイって、思う男子は確かに、いるよ。…けどさ~~。そういう男子にはしっかりと。」その声に汐梨、「あ~~ん。既に、お墨付き~~かぁ~~。…ってか、芙美花さ~~。…と、言う事は~~。あんた、今まで、男子とデート。」間髪入れずに芙美花、またまた両手を振って、「ないないない。ある訳ないじゃ~~ん。家の事、やんなきゃいけないし~~~。」瞬間、汐梨、耀司を見て、「兄さん。」ジロリと。「この状態で…、高井戸家。大丈夫。なのであろうか。」いきなり耀司、話を振られて、「……。」汐梨、続ける。「つまりは~~。今の、高井戸家の状況~~。家事全般、芙美花~~。…でぇ~~。とどのつまりは、家事をする反面、彼氏、出来な~~い。と、まぁ~~。そういう状況…???…ってか、私から見ても、美人さんの姪なんですけど~~。」その声に芙美花、「かかかかかか。おばちゃ~~ん。それはちょっと。」顔を傾げて。「別に、美人でも何でも…。」けれども汐梨、「な~~に言ってる~~???私ゃ、しっかりと芙美花、あんた、男子にモテルとは思ってるけど~~~。…って、言うか、学校の友達に、どっか遊びに誘われるなんて、あるでしょ。」芙美花、また空を見て、顎に左手人差し指を。「ん~~~。…って言うか~~。みんな、私の今の状況、分かっちゃってるからさ~~。」間髪入れずに汐梨、「はい~~。ダメ押し~~~。兄さん。」テーブルを右手でパン。「高2の娘がよ~~。既に友達から自分の今の状況、分かられちゃっているっ。つまりは、それが家事全般~~。…て、こういうのは、一体全体、どうなのよ。」耀司、「いや。…って言われても~~~。」途端に芙美花、「あん。でも。でもでもでも、おばちゃん。…でも~~、それ…は~~。私が、好きで、やってるって事で~~。」汐梨、「確かに。確かに~~。今は。それでいい。…けど…。それが。…今のこの状況が、更に、更に、更に、更に。続いたら~~。どうなる…???…世の中、三十路になっても~~。女が…。結婚もせず…。」頭をへたれる様に、「どうするよ~~~。」しっかりと蟹は、3人の胃袋の中に。そして、今や麻沙美は、バセットに凭れながらにスゥスゥと。「じゃね~~。」耀司、麻沙美を抱き抱えて後部席のチャイルドシートにセット。芙美花、「うん。ご馳走様でした~~。」汐梨、「兄さん。」耀司、そんな汐梨に、「はいはいはい。肝に銘じて。」車は出る。ふたり、共に玄関に。耀司、「ふぅ~~~。かかかかか。久し振りに蟹食った~~。」芙美花もニコニコと。「だよね~~~。」「さて。もぅひと踏ん張り、しますか~~。」芙美花、そんな父に、「うん。」そして…、そんなふたりの頭の中に、「…再婚。」「…おとうさん。…再婚…て。」その2日後。勝臣、蟹を食べながら、「そっか~~。兄貴に再婚。」汐梨、勝臣を見ながら、「うん。」 ママでいい…。 vol,008. 「家事をする反面、彼氏、出来な~~い。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.31
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汐梨、耀司に、「何よ、その、とんでもない事って~~。」耀司と芙美花を見て。芙美花も父の声に、「えっ…???…ってか、おとうさん、いきなり何…???…とんでもない事って。」耀司、すぐさま、自分の言った事に後悔するように、「あ、いや…。その…。いや…。まぁ…。そんな事は…、有り得ない…と。」汐梨、「何よ、それ。そんな事は有り得ないって。」耀司、思いっきり体を縮こまらせるような…。「いや。あの…、その…。」芙美花を頻りに見ながら。芙美花、そんな父を見て、訝しそうな顔で、「…ん…???」瞬間、汐梨、チラチラと芙美花と耀司を見て、「ぷ。」そして、「や~~だ~~。」右手甲を鼻に。「兄さん、まさか、芙美花の結婚、考えてたんじゃないでしょうね~~~。」いきなり芙美花、「え―――――――――っ!!!」耀司、しょぼんとして、芙美花と汐梨をチラチラと見ながらも、「あ、いや…。その…。」汐梨、「かっかかかかか。」両手を叩いて、「図星。こりゃ図星だわ。…って。…んな事、ある訳ないでしょ。芙美花、まだ高校2年生~~。」芙美花も、父に、「おとうさん。もぅ~~~。」耀司、申し訳なさそうな顔で、「あ、いや…。…って。…いきなり、どうなのって言うから。…その…。…有り得ないって分かっていても、その…。てっきり。」汐梨、キッパリと。「ないないないないない。有り得ない。…ってか、この家から芙美花、嫁に出して、あんた。兄さん、どうするのよ。」瞬間、芙美花、「ぷっ。」耀司、汐梨の前で頭を下げて、「はいはい。はいはい。その通りです。はい。」と、そこまで言って、はたと、「…ん…???」耀司、「じゃ。何よ、さっきの、どうなのって…???」芙美花も、「あっ。うん。…その…。つまりは~~~。」「…これ…。最初が肝心。…なんだと思うのよね~~。」その声に芙美花も耀司も、「うん…???」耀司、「何がだよ。何が最初が肝心って…。」汐梨、「ズバリ。再婚。」いきなり芙美花も耀司も目を見開いて。耀司、「さ…、再婚…???」汐梨、その声に蟹を食べながらも、両眉を上下に、「うん。」芙美花、思わず口を噤んで。耀司、目だけをあちらこちらに。「さ…。さい…。再婚…って…。い、いや…。え…???…いや…。なんで…???…いきなり…???」汐梨、「ま、まぁ…。ねぇ。私も…。職業柄。…。まま。うん。こういう話に、ならざる…、負えないって…。」耀司、「ま…、あ。う、うん。」芙美花、「おばちゃん。」そして、父を見て、「おとうさん…。」耀司、「さ。さ、再婚って…。」顔を傾げて。唇をグニュリと。「はは。…考えてみた事もない。」また顔を傾げて。汐梨、「だよね~~。確かに。…お義姉さん、亡くなって、まだ…、1年だもん。私、まだ、クッキリと覚えてるの、兄さんとお義姉さんの結婚式。物凄い素敵だったから。私から見たって、兄さん、中々のイケメンだし。」いきなり芙美花、「でしょう~~~。」すぐさま汐梨、「えっ…???」芙美花、「この前の日曜日。」汐梨、「うん。」「久~~し振りにおとうさんと親子デートしたの。」いきなり汐梨、その、「親子デート」の言葉にクスクスと、「うんうんうん。」耀司を見ながら、「うんうんうん。親子デートね。」「で…。おとうさんと賭けしたの。」「賭け…???」「うん。」汐梨、芙美花の話を聞きながら、「へぇ~~~。…で、つまりは、芙美花の勝ち。」音の出ない拍手の芙美花。汐梨、「ふ~~~ん~~~。ま。確かに。兄さん。今もしっかりと、洋服の着こなしはねぇ~~。まっ。…って言うか、子供の頃からセンスは良かったから。」芙美花、「うん。それは、アルバム見ても分かる。」汐梨、「まぁね。この顔だから、被写体良いから。」耀司、ブスリとして、「何だよ、いきなり~~。」汐梨、「だから、今も兄さん。イケオジだって言ってるの~~。」芙美花も、いきなり体を上下に、「うんうんうん。それそれ。イケオジ。」汐梨、ノンアルコールビールをゴクリと。「…ってかさぁ。何故かこの頃、結婚式、多いのよね~~。パンデミックの時は、全く。私なんか、パパに。もし万が一の時になったら、お願い。って、頭を下げたくらいだから~~。全~~然、仕事がなかった。…って言うか、お義姉さんには申し訳なかったけど。看護、激務で、激務で。見てられなくなって、変わってあげたい。とも、思ったくらい。パパも、やばいぞ、あれ~~。いつか倒れるぞって。」そこまで言って、芙美花と耀司を見て、「んん。…ごめん。」そして汐梨、「兄さん。もう一度、言うけど。最初が肝心。ダラダラ、ダラダラしちゃうと~~。すぐに50、60。…って言うか、芙美花が可哀そう。」いきなり芙美花、瞬きして、自分に右手人差し指、「えっ…???…私…???」汐梨、芙美花を見て、「そうだよ~~。まっ。我ながら、自慢の姪ではあるんだけど~~。必ずしも、お婿さんに来てくれるなんて、事は有り得ない。から、今の時代。」 ママでいい…。 vol,007 汐梨、耀司に、「何よ、その、とんでもない事って~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.30
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耀司、「いやいやいや。どう考えても5万は下らない。」汐梨も、「でっしょう~~。それが1万ぽっきり。もぅ~~。友達には、感謝、感謝で。」耀司も、「うんうんうん。確かに。」ただ…。汐梨の子供の麻沙美は既にお腹いっぱいなのか、椅子から降りてバセットにゴロリ。耀司、そんな麻沙美を見て、「かかかかか。うんうん。麻沙美らしいや。」汐梨も、そんな光景を見て、「確かに。」バセットも、そんな麻沙美に首をクルリと。そして麻沙美のほっぺをペロリン。麻沙美、「はは。くすぐったいよ~~、バセット~~。」そこに登場したのが、床をゆっくりと動いているルンバ。汐梨、「あれ…???…もしかして、自動掃除機…???…はは。買ったんだ~~。」耀司、「あぁ。うん。ま。家の事、全部、芙美花だからね~~。」そんな耀司に汐梨、蟹を食べながら、「へぇ~ぇえ~~。ふふ~~ん。まっ。確かに。兄さん、芙美花がいなくなったら、生きてはいけないもんね~~。…とは言え、逆に家の事を任せたらどうなるか、こっちが心配になっちゃうから。」耀司、その声に、「否定はしない。…そして…。今となりゃ、申し訳ない話でもあるけど…。やろうとしても~~。」汐梨も芙美花も同時に、3人揃って、「出来ない。」芙美花、ニコニコと。汐梨、「まぁね~~。こういう場合、ニコニコする芙美花もどぅかな~~とは、思うんだけど。ん~~。でも、これだけはどうしようもない。とにかく、おかあさんがそういう人だったからね~~。」芙美花、「かかかか。おかあさんとおばちゃんから、その話、何度聞いたか。」汐梨、芙美花に両眉を上下に、「ねぇ~~~。」そしてまた汐梨と芙美花、当時に、「男子、台所に入るべからず。女は内。男は外。」汐梨、「んもぅ~~。令和の時代っだってぇ~のに、丸っきりの昭和人間。…って言うか、あんたは江戸の人間かぁ~~ぃ的な~~、人だからさ~~。考えが、古いってぇの~~。」蟹を食べながら耀司。「でも、まっ。仕方がないじゃん。俺自身、そうやって、育てられてきたんだから。」汐梨も蟹を食べながら、「まぁねぇ~~。そうやって育てられて、今や機械や電気はお手の物。しかも、誰もが羨むWebデザイナーなんだから。」そして強調するかのように、「しか~~も~~。」トーンを落として、「柔道まで黒帯~~。」耀司、「仕方がねぇだろう~~。なってしまったものは~~~。元々、嵌っちゃう人間なの~~。」汐梨、「はいはい。小学校の時に~~。スチーブンセガールの映画を観て~~。合気道をやりたくなった~~???…でも、近くに合気道教室がなくって~~、柔道教室があったから~~。生徒になった~~???…とにかく強くなりたくって夢中になったら本当に強くなった~~。…で、小中で何度も優勝~~???」蟹を食べている芙美花を見ながら、「有り得る…???…こんな話。絵にも描けないよ。」芙美花、ニコニコと。そして鼻に指を当てて、「うんうんうん。確かに。」耀司、「まぁね。いろいろありまして。あれから何年も経ちますが。」「でも。もし、万が一、何事かあったら、それこそ、うりゃ~~って、投げ飛ばしちゃうんでしょ。」その声に耀司、目をキョロキョロと。そして顔を傾げて、「ん~~~。どうだろうね~~。…まっ。体が覚えて、いればの話。…だって、今。そういう事って、まずないから。」「逆に、あってもらっちゃ~~。困るでしょ。」耀司可笑しがりながら、「ま、まぁ~~。ねぇ~~。…かかかか。そうだけど…。」そして、いきなり汐梨。「…で…???…どうなの。」その、「どうなの。」の言葉に耀司も芙美花も、汐梨を見て、「えっ…???」ふたり、共に顔を見合わせて。耀司、「なに。その…、どうなのって…???」芙美花も、「うんうんうん。」汐梨、「つまりは~~~。」耀司を見て、芙美花を見て。耀司、汐梨を見て、「うん…???」芙美花も叔母を見て、瞬きをして…。顔を傾げる。汐梨、「私。…こう見えても、ウェディングプランナーなんですけど。」芙美花、再び、瞬き。耀司、「あ…。うん。うんうんうん。そ…う…、だけど。うん。」芙美花を見て。芙美花も、「うんうんうん。汐梨おばちゃん、うん。ウェディングプランナー。うん。知ってる。」そのふたりの声に、汐梨、顔を落として、右手を振り振り、「いやいやいや。いやいやいやいやいや。そうじゃなくって。そうじゃなくって。私が言いたいのは~~。」耀司、「はっ…???」汐梨、「私が言いたいのは、そうじゃない。」芙美花、またまた瞬き。そして、「…って…???…おばちゃん…???」耀司、汐梨を見て、瞬間、「はっ…???」そしていきなり、「お~~~い、汐梨~~~。」汐梨、いきな兄を見て、「何よ~~~。」耀司、「おまえさ。もしかして、とんでもねぇ事、考えてやしないか。」いきなり汐梨と芙美花を見て。 ママでいい…。 vol,006. 「兄さん、芙美花がいなくなったら、生きてはいけないもんね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.29
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家に帰って…。芙美花、玄関にゆっくりと歩いてくるバセットに、「ただいまバセット。」耀司も、「お留守番、ご苦労様。」そんなふたりにバセット、「ワン。」このバセット。中型犬である。動物大好きの祐里子が生前、「結婚したらさ。新しい家になるじゃない。そしたら、中型犬、飼おうよ。私、面倒見るから。」が始まり。芙美花が産まれる前にはバセットは高井戸家に耀司の会社仲間の、知り合いのブリーダーからの、「可愛がってあげてください。」との言葉に感謝して譲り受けた犬である。とにかくおとなしい犬で人に懐く。そして…。人に懐くという他には、飼い主に対しての忠誠心も高く、されど、もし万が一にも飼い主に被害でもと感じれば容赦なく吠える。因みに、高井戸家には過去に何度か不審者が庭に侵入した事があるが、リビングでのんびりしていたバセットがいきなり吠え出した。その声に慌ててリビングに駆け付けた耀司、すぐにサッシを開けると、揺れている木の枝。すると、道路側から、「痛ってぇ~~。」の声。慌てた不審者が犬の吠えた声で驚いたのだろう。耀司、バセットを抱き抱えながらも、「ははは。バセット~~。偉いぞ~~。これからも頼む。」バセットを抱き締めて…。するとバセットも耀司の頬を舐めながらも、「クゥ~~ン。」その日は祐里子も夜勤。寝ていた芙美花が起きて来て、「どうしたの~~???」そんな出来事もあったのだった。そして…。自動掃除機が高井戸家に届いて…。中身を空けて。当然ながら勝手に動く。バセット、顔を傾げて、「クゥ~~ン…???」耀司も芙美花も、「ははは。バセット~~。大丈夫だよ~~。」芙美花、「掃除をしてくれるの。」…の声にバセット。一度は自動掃除機に右足を。恐る恐るではあったが、別に危害はなさそうだと安心して、またいつもの自分の場所に。耀司、「さすがに素晴らしい~~。バセット~~。」芙美花、「正に、我が家のアイドル。バセット~~。ルンバだよ~~。」ここに、高井戸家のまたひとつのメンバーが誕生したのであった。そして…。数時間後。芙美花のスマホにライン。「おっと~~。」そして…。「わは。嬉しい~~~。ねね、おとうさ~~ん。」応接間で仕事をしていた耀司、部屋から、「あ~~ん。どうした~~~???」芙美花、応接間のドアを開けて、「ねねねね。汐梨(しおり)おばちゃんからライン~~。蟹だって蟹~~。」いきなり耀司、「蟹…???」芙美花、すぐさまラインから。相手の声。「はいよ~~。芙美花~~。」「あん、おばちゃん。蟹蟹蟹~~。きゃはははは。」スピーカーにして。「うん。蟹~~~。今、北海道にいる友達がね~~。蟹買ったから送った~~ってライン来てさ~~。…で、タイミング良く、今、その蟹が宅配で届いたのよ~~。すんごい量。ウチじゃあ、食べきれないからさぁ、これから持ってく~~。」耀司、「おほほほほ~~。何と、蟹~~。」「あ、兄さん~~。麻沙美も連れてくから一緒に食べよ~~。今日は蟹~~。」スマホからの声に耀司、「…って、勝臣君は~~。」顔を傾げて、「あ。…と、言う事は、出張~~???」スマホから、「ふん。明後日まで私と麻沙美だけ~~。」耀司、椅子毎、芙美花に向いて、「あ~~らら。…けど、勝臣君の分もあるんだろうね~~。」スマホから汐梨、「当たり前でしょ~~。だから、ウチじゃあ、食べきれないって~~。」頻りに芙美花、「ニシシシシ。」「今からそっち、行くね~~。食材も買って行くから~~。」芙美花、「あ、おばちゃん、食材なら今日、買ってきたけど。」「な~~に言ってる~~。甘える時は甘えな、芙美花~~。」その声に芙美花、ペコリと。「ありがとう~~~。」1時間後。玄関にチャイム。芙美花、「来~~た~~~。」いそいそと玄関に。そして…。「ジャ~~~ン。」芙美花、瞬間、「やっほぉ~~~。」そして…、30分後には、4人一斉に、「いっただっきま~~す。」麻沙美も、大きな口を開けて汐梨から食べさせてもらって、モグモグと。そして、目を真ん丸にして。汐梨、麻沙美に、「どぉ…???…美味しい…???」麻沙美、笑顔満面に、「うん。おいしい~~。」芙美花、「かかかかかか。うんうんうん。」耀司、「しっかし、とにかく凄い量だね。…って、事は、この量と同じ量が…。」汐梨、その声に両眉を上下に、「うん。…って言うか、物凄い激安って。…って言うか、獲り立て。何てったって、港からだも~~ん。」耀司、訝しそうな目で、「港から…???」「うん。友達の兄弟が北海道にいて、漁師なの。久しぶりに会ったからナイスタイミングで持ってけって。まっ。ただで持ってけって言われてもって。1万円渡したら、あいよって気前良く。なんだって。」耀司、「うそ~~~。この量の倍を1万円で~~???」芙美花も、「凄~~ご~~~。」 ママでいい…。 vol,005. このバセット。中型犬である。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.28
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かくして、久し振りに耀司、珍しく娘と次の日曜日に自動掃除機を買う為に親子デート。「…ってか、わざわざ家電に出掛けて買いに行く~~???…検索して手頃なのを選べば、届けてくれるのに~~。」歩きながらの耀司。その声に芙美花、「いいの、いいの。たま~~に、おとうさんとこうやって出掛けるのもいいかな~~って。…だ~~って~~。パンデミックで全然、外に出られなかったから~~。それに。」ニコニコしながらの芙美花。耀司、自分の腕に絡みつくようにして歩く芙美花に。「それに…???」「おとうさんってさ~~。娘の私が言うのも変だけど~~。どぅ見ても~~。イケメンオジの部類に入る。」瞬間、耀司、「はっ…???」「…でもって。中々のセンスとお洒落。」「センスとお洒落。」耀司。「おとうさんが…???」「うん。まっ。確かに~~。朝なんてパジャマでそのままご飯。だけど~~。家で短パン、裸足。それに、Tシャツ1枚なんて、姿、全く見た事ない。必ず、常にお出掛けモード。…とにかく、カッコイイ。」耀司、そんな芙美花の声に、「かっこいい…???…おとうさんが…???」そう言って耀司、照れながらも、「いやいやいや。全然。全然。…んな事、ないでしょう~~。」「ふん。」芙美花。「じゃあさ。私と賭けしない…???」「賭け…???」「うん。家に帰るまで~~。おとうさんと同じくらいの年代…???」耀司、頷いて、「うん。」「今日、日曜日だから、結構いそうな感じ、するんだよね~~。…そんな、おとうさんと同じくらいの年代の男性と、おとうさん、どっちがお洒落か。私とおとうさんの判断で。…もし~~。その判断で~~。5人以上が、おとうさんよりお洒落な男性いたら~~。私の負け。それとは逆に~~。5人以上がおとうさんの方がお洒落。と、判断したら~~。私の勝ち。」「…で…???…賭けって、何賭けるの…???」瞬間、芙美花、意地の悪そうな顔をして、「クククク。」耀司、「何だよ、その笑い~~。」芙美花、父の左腕に巻き付きながらも、「私のお小遣いアップ。」途端に耀司、「かかかかか。そ~~んなの~~。言ってくれりゃ、幾らでも~~。」「ダメ~~~。そういうのは絶対に、ダメ。何かしらの理由がなきゃ~~。…そんなの、お小遣い上げてくれ。はいはい、分かりました~~。じゃ、つまんないでしょ~~。」耀司、その声に、「そんなもんでしょうかね~~。」「そういうもんです。」耀司、ニコニコと。「はいはい。分かりました~~。」事実。芙美花、実際に自分の今のお小遣い、上げてもらおうと全く、思っていない。何故なら、仮に、学校の友達のお小遣い。それ以上に貰っているのだから。その理由が高井戸家、家事全般が芙美花になっている最もな理由。事実、大人顔負けの家事である。それもこれも、亡き母親、祐里子が愛して止まない芙美花に楽しく、面白く家事が出来るように躾けた賜物でもあるのだ。そして…。家電ショップに向かいながらも…。耀司、周囲を見て、「うそ。」芙美花、「へへ~~ん。」そして…、家電ショップで自動掃除機ルンバなるお品をゲット。2日後には宅配にて自宅に。…そして…。親子水入らずでのデート気分はまだまだ。そこらそこらで、また耀司、「いやいやいや。」その度に芙美花、「ニッシッシッシッ。」そして…。耀司、「うそだろ…???」芙美花、「まま。こんなもんでしょ。」耀司、凹ませた顔で、「ダメダこりゃ。」結果発表~~~。凡そ、帰宅するまでに。確かに。数10人の耀司らしい年代の男性をふたり、チェック。しかも…、その数10人の男性、いずれも…、耀司のセンスとお洒落感覚には…。まず及ばない。そういう結果と…。芙美花曰く、「…って言うか~~。おとうさんのお仕事~~。Webデザイナーでしょ。まっ。確かに~~。会社に行ってた頃には~~。スーツもありぃ~~のカジュアル、ありぃ~~の。スタイル。…って言うか、ある意味、おかあさんのセンスが、良かったんだよ。…でぇ~~。おかあさんだって、ある意味、結構お洒落だったからね~~。しかも、病院でも、他の看護師さんからも憧れていたみたいだったし~~。」耀司、そんな芙美花の話に、頷きながらも、「まま。確かに。それは…、あるかも…。」「Webデザイナーって、それだけでも高嶺の花でしょ、今の時代。当然、魅力的な仕事な訳だ。」「はいはい。降参で~~す。」一気に芙美花、両手を空に、「やった~~~。お小遣いアップ決定~~~。」そしてまた父の左腕を占領して、「はははは。ありがと。」高2の自分の娘の頭を右手で撫でて、「はいはい。可愛い娘に育ってくれて、ありがとさんです。」芙美花、そんな父に、「おぅ。」 ママでいい…。 vol,004. 親子デート。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.27
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けれども…。多忙極まる看護勤務。これも…、何故かは分からないが、数年間で、看護師たちが次々に結婚しては出産。結婚しては出産が続き。看護勤務は激務に。つまりは、看護職員不足。その負担が、つまりは現場の看護師にまでも影響する。それは…。芙美花が中学に入学してまでも続いた。それと同時に、一方、耀司の方も順調に業績は右肩上がり。激務の妻を心配してはいたが、家事は芙美花が。と、内心、芙美花の成長ぶりに喜んではいた。そんな…中での…。2022年、世界規模の新型コロナ禍。既に祐里子の体の中を完璧に蝕んでいたものがいたのだった。確かに。新型コロナで耀司は会社勤務が在宅勤務へと。つまりは世の中が外出自粛へと追い込まれていった。されど、新型コロナはそういう社会情勢、時代の事などお構いなく、感染者は留まることなく増加傾向。当然ながら、その悪循環は感染者が最初に通らねばならない病院へと。次から次へと押し寄せてくる。やがては…。医師と看護師不足。時間外労働が続く。確かに、祐里子自身も自分の体の異変には、気が付いてはいた。…けれども…、短期間での主任の座まで上り詰め、もはや、看護師長とはタッグを組める。とまでも周囲の看護師からも羨望の目で見られていた祐里子。自分の事より患者。そして…、それは…、家族にも話す事はなく…。しかも…、一番厄介であったのが祐里子自身の自尊心。常に、「自分なら大丈夫。」が、他の誰より強かった。…のだろう。しかも、祐里子自身の体自体も、通常であれば、「ここらで限界」のサインがあっても良さそうのはずが…、そのサインすら出ない。それが、看護師勤務の激務にすら現れず、「まだ行ける。まだ行ける。」そして…、その自尊心は愛する芙美花であろうと、耀司であろうと、一切、気付かないままに…。…そして…。遂に…、破綻した。ようやく新型コロナも5類に移行するその直前。3月だった。勤務中に倒れた祐里子はすぐに検査に。結果は、乳癌。しかも…、ステージⅣ。既に他の臓器にも…、転移。手の施しようもない状態。一気に衰弱していく祐里子。そして…。その時は、訪れたのだった。…あれから…、1年が経つ。芙美花、16歳。博楼高校在学中である。方や、耀司45歳。芙美花の父親。現在は自宅でリモートワーク。世に言う、「働き方改革」である。株式会社ウェルストン勤務。Webデザイナー。今や会社に出勤して仕事をやらなくとも自宅で仕事をした方が、業績がアップ。との会社側の答え。家事は一切ダメ。と、言う耀司ではあったが、みすみす、家の中で朝から晩。娘は朝、学校に行く。そして夕方帰る。当然、部活で帰宅が夜になる場合もある。そして、帰宅すれば食事などしていない父親の為に勉強もほっぼり出しての食事の支度。傍から見れば、「あんたねぇ~~。」「おまえさ~~。」「それでいいの…???」「芙美花ちゃん、かわいそ。」の、声が…。聞こえてくる前に、耀司、自分から芙美花に。「料理はしない。けど、おとうさん、他なら出来る。…」顔を傾げて、「…かも、知れない。」と芙美花に宣言。…がぁ~~。いざ、やってみて…。掃除…。家に帰ってきての芙美花、「えっ…???…どこ…掃除…???」そして洗濯物の…。ま。確かに、畳んではあるような…。けど…。芙美花、「いい。おとうさん、いい。何もしないでいいから。」と…。芙美花、頭の中で、「…少しでも、おとうさん。ありがとう。…と、思った私がバカだった。」頭をガックン。「…考えてみれば。…だよな~~。おかあさんと結婚する前から俺、家事一切ダメ。…って、豪語したくらいだから。当然、おとうさんが家事をしたとこ、見た事すらない。…期待する方が…。」そして…。出した答えが耀司。「良し。それならこれでどうだ。ふふん。芙美花~~。これを、買う。」と、芙美花の前に、ドドン。「食器洗い乾燥機~~。」けれども芙美花、「何言ってんの…???…この家には私とおとうさんしかいないの。たったふたり分の食器を洗うための食器洗い乾燥機買ってどうすんのよ。お金の無駄。お金をドブに捨てる気ぃ~~???」と、一喝。そんな芙美花に椅子に座りながらも小さくなる耀司。パンフレットを見て、「良いと思ったんだけどね~~。」「じゃあさ、こうしようよおとうさん。」洗濯物を畳みながら。耀司、パンフレットを見ながらの耀司、「うん…???」「自動掃除機買って、おとうさん。」「自動掃除機…???」家の中をぐるりと見ての耀司。「ふん。」キョロキョロと。…そして…。「ふ~~~ん。」にやりと。そして、両眉を上下に。「いいんじゃない。」 ママでいい…。 vol,003. 多忙極まる看護勤務。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.26
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お互いに大学卒業後に、耀司はIT関係の企業。そして祐里子は看護師になるための看護大学。そして…、祐里子が見事、看護師となり、その2年目であった。同じ同期の看護師仲間から合コンのお誘い。祐里子、全くその気がなかったのだが、頭数が足りないからと無理やり。一方、耀司の方も、女より仕事優先。ではあったが、こちらも同期に誘われ、断る事が出来ずにいやいやながらも…。そして…。その場で初顔合わせ。5人対5人。他の4人は盛んに盛り上がっているのに対し、同じ端の席で、最初に乾杯はしたものの、それからが…、ただの傍観のみ。30分も経っただろうか、祐里子のバッグの中のスマホが…。祐里子、スマホを出して、「ちょっとごめんなさい。」席を離れる。そしてスマホで…。すると…。思わずスマホが…。その時、傍を通って、トイレに…の、耀司。なにやら困っていそうな…。その女性に、「あの。どうか…。」その時、祐里子、思いがけずに、「あの。すみませんけど…これって…、分かります。スマホが急に動かなく。」耀司、「ふん。ちょっとごめんね。」と、スマホを受け取り、あちこち。「フリーズ…かな…。…いや。ふんふんふん。」そして…。数秒後…。祐里子、「あ、動いた。」耀司、「はは。良かった~~。うん。はい。どうぞ。」祐里子、嬉しそうに、「良かった~~。ありがとうございます。」耀司、ニッコリと。「いえいえ。どういたしまして。」そして…、耀司がトイレから戻って。祐里子、目の前の男性に笑顔でペコリと。「さっきはありがとうございました。」「いえいえ。どういたしまして。良かったですね。」それからである。他の4人は…、話は盛り上がるものの、それほど…。けれども、耀司と祐里子だけは…。耀司、遂に祐里子に自分の名刺を。祐里子、「頂戴いたします。」今一度。それからで、ある。電話は、祐里子から。耀司との付き合いが、始まった。一方で…。合コンした同期から耀司、「この前は、全~~然。からっきし。」祐里子の方も、同期から、「あ~~ん。ごめんね~~。無理やり誘ったんだけど~~。み~~んな、空振り~~~。話は盛り上がったけどね~~。それ以上…って、なると~~。」腕組みをして、「ん~~~~。に、なっちゃうんだよね~~。…ってか、祐里子は~~。いい感じだったじゃ~~ん。」そんな同期に祐里子、照れながらも、「あ。ははは。私は…。ううん。」左手を振って、「全然。うん。さっぱり。」同期、「そっか~~。だよね~~。おっ先~~。」「お疲れ~~~。」そして…。誰からも知られる事もなく、耀司と祐里子の交際は続く。…と、不思議ではあるが、それ以来の合コンのお誘いは、耀司も祐里子も、全くなし。そして…、交際を続けながらにして、どうにもこうにも、年下のはずの祐里子が常に耀司をリードしていくような…。もはや。祐里子が耀司をゾッコンしていたのだった。耀司、祐里子に、「ごめん。俺、家事、一切だめ。」逆に祐里子が、「私がやります。男の人は引っ込んでいてください。耀司は仕事に夢中でいいんだよ~~。」の、言葉通りに…。そして…。ふたり…、共々、お互いに30歳を前に結婚。そしてその翌年には可愛らしい女児誕生となったのである。名前を、「芙美花(ふみか)」と名付けられた。耀司は外で仕事。一方、祐里子は芙美花の出産前後で産休を取得。出産後からは岡山の祐里子の母親が芙美花の面倒を見るために上京。祐里子が可能な限り、芙美花は私の手で。と、言う事で、すぐに保育園に預ける事を嫌がった。そして…。ようやく祐里子の職場復帰に合わせて、保育園に。…と、なったのである。そして…。ここからが…。幾ら耀司が家事は一切だめ。と、言おうが、自分から祐里子に、「俺も、育休は取るよ。祐里子に全部は任せられない。」その瞬間、祐里子、耀司に抱き着いてキス。「ん~~ん。」そして、「ありがと。」芙美花はすくすくと育っていった。そして…これは…、遺伝なのかどうかは分からないが、芙美花、2歳の時から既に、祐里子のお手伝いを進んでやるようになったのである。本人曰く、「おかあさんのやってるの見てたら真似してたら、面白くなってきて~、楽しくなってきて~~。」が始まりだった。3歳になっても、5歳になっても、小学校に入学しても…、と、言うより、その頃には母の祐里子同様の家事は出来るようになっていた。しかも、学校の成績もまぁまぁ。耀司、鼻を擦りながらも芙美花に、「凄いぜこりゃあ。はははは。」祐里子は安心して、小学生ではあるにしても、「じゃあ、おかあさん。これから、芙美花に任せて、夜勤、やっちゃおぅかな~~。」その時の芙美花の声、ニッコリと、「いいよ。私、家の事、するの、好きだから。」祐里子、芙美花の頭を撫でて、「偉いぞ~~。ふふふふ。」 ママでいい…。 vol,002. 断る事が出来ずにいやいやながらも…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.25
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「急いでいますんで、これで。」タクシーの運転手に1万円札を渡してすぐにドアを開けて。運転手、「あ、お客さ~~ん。」急いで病院の中に。とにかく鼓動が激しい。そして…。病室のドアを開けるや否や。「祐里子(ゆりこ)っ!!!」静まり返っている病室。ベッドにうずくまっている少女がすぐさま振り返り、立ち上がって、「おとうさん。」泣きながら。そして、男性に駆け寄りしがみ付くように…。「おかあさんが。おかあさんが。」ベッド上には…、顔に白い布の姿が…。少女、頻りに、男性に縋るように、「おとうさん。おかあさんが。おかあさんが…。」ず~~っと、鼓動は高鳴っていた。そして、今も…。強張った表情は未だに。そして、縋り付いている少女を抱えながらも、「芙美花(ふみか)。」ゆっくりとベッドへ…。そして…、医師に。「先生。」医師、顔を下に…。そして、首をゆっくりと振りながら、「申し訳ないが…。…力、及ばず。…無念です。」男性、「先生…。師長~~っ。」師長と呼ばれた看護師。男性に向かって、歯を食いしばるような顔で、「ごめんなさい。すみません。申し訳ありません。」そして。ベッドの白い布を見て、「祐里ちゃん。」病室には他にも数人の医師と看護師たちが。少女が男性から離れてベッドの白い布を。涙零しながら、「おかあさん。おかあさん。」啜る泣く音の病室。男性、「祐里子。祐里子。祐里子っ。」両手を握り締めて食いしばるように。顔を上げて、「祐里子‐―――――っ。」「おとうさ~~~ん。朝ごは~~ん。」ボサボサの髪に、パジャマ姿で、のっそりと出てくるひとりの男性。ボサボサの髪を掻きながら。「あ~~ん。また、いつもの夢~~???…って言うか、なんでか、見ちゃうよね~~。その夢~~。…って、言うか、私なんて、そういう、夢、だけは見ないんだけど。元気な時のおかあさんの夢ば~~っか。」そして、「ほらほら。私、学校、行かなきゃなんないんだから~~。」ダラリと椅子に座って、両手を合わせて、親子で、「いただきます。」「いただきま~~す。」髪はボサボサで少々髭面のこの男。高井戸耀司(たかいどようじ) 45歳。現在、株式会社ウェルストン勤務。…が~~~。今や、新型コロナ以来からの社会情勢で、会社に出勤する必要はなく、在宅にてリモートワーク中…。お味噌汁を啜り、いきなり、「あち。」そんな父の慌てようを見てクスリと笑いご飯を食べるこちら。高井戸芙美花(たかいどふみか) 16歳。現在、都内、博楼(はくろう)高校の2年である。そして…。30分後、全ての後片付けを終えて…。「じゃ、行ってきま~~す。あ、おとうさん。お昼は。」耀司、「は~~い。分かってま~~す。冷蔵庫の中~~。」ドアを開けて芙美花、「行ってきま~~す。」高井戸家、朝の7時半。全てが整っている。食器類は全てが整理され、そして洗濯物は外に干されてある。リビングの床では、ただいま愛犬のバセットがのんびりと…。どうやら食事は終えたようである。前述してお分かりのように、この高井戸家に住んでいるのは高井戸耀司。そして、娘の芙美花。の、ふたりだけ。耀司は芙美花の父親である。…が、肝心の母親がいない。つまりは耀司の妻となる女性である。芙美花が中2の時に、3学期終了後に亡くなっている。乳癌である。そのため、現在高井戸家の住人は耀司と娘の芙美花のふたりだけ。…あ、いや。愛犬のバセットと併せて2人と1匹。で、ある。そして、何より、どうして、この高井戸家で…、今も主の耀司が未だパジャマのままで、キッチンで新聞を読み、コーヒーを…。あ、どうやらそのまま新聞を畳んで椅子から立ち上がろう…と、している。高井戸耀司。この男性、家事はからっきしダメ。やっても失敗するし、逆に周囲が散らかってしまうという有様。仮に、料理が出来たとしよう、完璧に味覚音痴。食べられたものではない。但し。こういう男でも、電気関係、機械関係となると滅茶苦茶の技術者。壊れたものでもすぐに直してしまう。しかも、何故かは分からないが、柔道の黒帯である。そして、何より、とにかく情に脆く素直な性格。しかも、曲がった事が大嫌いという。されど、かなりのおっちょこちょい。…と、まぁ。事実、良く分からない男性。なのでもある。が~~。されど、そんな男性に惚れたのが以前まではこの高井戸家の主の妻として、そして芙美花の母親として旦那を支え、そして芙美花を耀司と共に育ててきたのが高井戸祐里子(たかいどゆりこ)。耀司とは2歳年下。若くして看護師を目指し、めでたく看護の道に。すぐに頭角を現し、看護主任の位置まで。その間、耀司との出会いがあるのだが…。それが…、「合コン」 ママでいい…。 vol,001. 「あ~~ん。また、いつもの夢~~???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.24
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そして優維香、隆英にスマホ画面を。隆英、「うん…???」そして…。「おや。」そしていきなり、「はぁ~~~っはっはっはっ。」優維香、「もぅ~~~。今、これかよ~~。戻れないじゃない。」隆英、「いやいやいや。何と。悠里さん。かかかかか。しっかし、いつの間に。」優維香、歩きながら、「もぅ~~。なんで、今…???」ラインを送った悠里、「ニッシッシッシ。」そんな悠里を見て瑛子と阿寿沙、「何…???」「どうしたの…???」悠里も瑛子と阿寿沙に自分のスマホを。「ジャ~~ン。」瑛子、阿寿沙、悠里のスマホの画面を見て、途端にふたり、「え――――――――っ!!!」真宮と池辺、「へっ…???」「何々、どうした~~???」瑛子、いきなり、「かっかかかかかか。」阿寿沙、「や~~るね~~。悠里~~。かかかか。何とも。」真宮も池辺も、「うん…???」七瀬も、「うん…???…どうかしたかぃ…???」賀寿恵も、「悠里さん…???…瑛子さんに阿寿沙さん…。」瑛子、「かかかかか。ここにきてまたまたカップル誕生だよ~~。」佐津香も小埜瀬も、「うん…???」吉竹も菜帆子も、愛結美も順平も、「う~~ん…???」瑛子が池辺に、「悠里、今、付き合っている人、いるんだって~~~。かかかかか。」池辺、「うそ。」真宮、「おぃおぃ。ほんとか~~???」悠里、顔をコクリと。「うん。…って言うか~~、みんなも知ってる人。」瑛子と阿寿沙だけ、「かかかかか。うんうんうん。確かに。あの人~~。」真宮、「あの人。」阿寿沙、「もぅ~~。エスコートしてたときから、彼女いるのかなぁ~~って、みんな、気になってたから~~。」池辺、「へっ…???…誰よ、誰よ。」ゲート内の椅子に座ってしばし、寛いでいる優維香と隆英。優維香、「しっかし…。今まで私に、一切何も教えないでって。いつ~~???」隆英、「まさか、葛籠さんとは…。僕も全然気付きませんでした。」優維香、次々と送られてくる悠里からのライン。「こっちも話題沸騰~~。私のリリースに盛~り上がっちゃってます~~~。」隆英にスマホを。「ふん。」隆英、画面を見て、「おや。かかかかかか。盛り上がってますね~~~。はははは。悠里さんらしいや。」「…ったくもぅ~~。悠里めぇ~~。」隆英、「さてと。参りますか~~。」優維香、「あ、うん。」そして…。優維香と隆英、搭乗口から機内へと。そして…。電子掲示板は、「搭乗終了」優維香にとっては、初めての海外。子供の頃に、柊真と佐津香から連れられての国内旅行で、飛行機の経験はあるのだが、柊真が亡くなってからは一度も…。そして…。電子掲示板は切り替わる。佐津香、腕時計を見て、「優維香、行ったね~~。」小埜瀬、「えぇ。」佐津香、「みんな、ありがとうね~~。真宮部長、池辺課長、それに悠里さん。瑛子さん、阿寿沙さん。」瞬間、瑛子と阿寿沙。「わお。私たちの名前。」佐津香、ニッコリと。「うん。もぅ当たり前。優維香たち、戻ってきたら、また、よろしくお願いします。」吉竹、「おぅ。もぅ、そろそろ。」小埜瀬、「ですね。」再び、全員が電子掲示板を見る。「搭乗手続中」佐津香、菜帆子と愛結美、そして順平に、「じゃ、行ってくる。」菜帆子、「うん。」そして、佐津香とハグ。愛結美も。順平、「行ってらっしゃい。」佐津香、須美に、「じゃ、行ってくる。」須美、「うん。気を付けてね。」伊寿美、佐津香にハグして、「行ってらっしゃいだよ~~。」佐津香、伊寿美に、「はははは。うんうんうん。行ってくる。」そして佐津香、吉竹に。「じゃ、部長、行って参ります。」吉竹、「おっ。気を付けてな。」佐津香、麗子に、「麗子さん。」麗子、「うん。行っといで。」賀寿恵、「行ってらっしゃいませ。」佐津香、「ははは。弓さん。お幸せに~~。優維香と隆英さんから聞いてま~~す。」瞬間、賀寿恵、「え~~~~っ!!!」いきなり悠里、瑛子、阿寿沙、「何々、何々、それ…???…賀寿恵さん…???」いきなり賀寿恵に群がる悠里と瑛子、そして阿寿沙。その景色に池辺と真宮まで、「えっ…???…何だ…、今の…。」「うんうんうん。」賀寿恵、「あ、あ…と。あ~~。」麗子、「かかかかか。ささ。佐津香、小埜瀬さん。行っといで。」エスカレーターで上まで。佐津香と小埜瀬、吉竹や菜帆子、愛結美、順平に手を振って。傍ではいきなりの歓声。「きゃ―――――――っ!!!」佐津香と小埜瀬、その声に、「ははははは。」「かかかかか。」小埜瀬、「弓賀寿恵さん。理江子さんと同じ立場の人。」佐津香、「うん。社長秘書の。麗子さんは隆英さんに弓さんって。そう考えてたみたいだけど~~~。」瑛士、「えっ…???…ほんとに…???」佐津香、「えぇ。…でも、隆英さん、その時にはもぅ、優維香と。」「へぇ~~~。」全ての手続きを終えて…。瑛士、「いやいやいや。まさか。アメリカですか~~。それにしても、社長。」その声に佐津香も、「う~~ん。今は翻訳アプリもある。だ~~って。」「まま。確かに。けどな~~~。」佐津香、そんな瑛士に、「かかかかか。行くっきゃないでしょ。ここまで来たんだ。」「さ~~て。何が待ってるんだか~~~。」佐津香と瑛士も、搭乗口へと…。そして…、機内へと。悠里と瑛子、そして阿寿沙、「す~~ご~~い。いつの間に賀寿恵さん…???」池辺と真宮も、「いやいやいや。」「分っかんねぇなぁ~~。」愛結美、「凄いよね~~ジョエル、盛り上がってる~~。」順平、菜帆子を見ながら、「凄いよ、ふたりもカップル~~。」菜帆子、順平に、「もぅ~~。うるさ~~い。」その時、菜帆子の肩にドン。「あっ。すみません。お怪我…。」奈帆子、「あ、いえ…。」振り向いた瞬間、「わお。」頭の中で、「…ナイスガ~~イ…。」既に…。成田から2機の飛行機が…。隆英、優維香に、「大丈夫…???」優維香、「あん。うん。OK。」瑛士、佐津香に、「あっと。…あ~~。はは。大丈夫ですよね~~。」佐津香、「うん…???…何…???」「挿絵の仕事~~。」その声に佐津香、「かかかかか。任っかせなさ~~い。」そして…、機内の窓から、「雲だね~~。」 ―――― Fin ――――好きになれない。 vol,327. 機内の窓から、「雲だね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.23
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峻、絃爾に、「いやいやいや。嬉しいね~~。作り甲斐あるというもの。ねぇ~~。隠岐田さん。」絃爾も峻に、「全くその通り。うん。」そして、「門倉さん。あらためてありがとうございます。リチャードも。」ふたりに頭を下げて一礼。峻、そんな絃爾に、「いやいやいや。とんでもない。俺の方こそ。」そして峻も絃爾とリチャードに。一礼をして、「ありがとうございます。」リチャード、ニッコリと。「こちらの方こそ、感謝します。ありがとうございます。…でも~~。まだまだ、終わってませんよ~~。ハハハハハ。」絃爾、峻、共に、「ですね。」未梨も奈菜と美智子に、「まだまだ~~。」「うんうん。」「はい。」賑やかに。そして…、盛大に。須美も伊寿美も岳燈も。「いいよね~~。」「はははは。」「最高~~。」須美、佐津香を何度も抱き締めて、「ん~~。おめでと。」佐津香も、「ありがとう。」須美、瑛士に、「瑛士さん、サッちゃん、どうぞ、よろしく~~。」瑛士、「こちらこそ、よろしくお願いします。」ガッシリと握手。伊寿美も岳燈も、握手、「よろしくお願いします。」「よろしくです。」瑛士、「こちらこそ。」そして…。パーティが終わってしまえば…。小埜瀬、倒れる事はなく。とは言え、佐津香曰く。「とんでもない。ここからが肝心。」けれども…。予定通りの…、柿崎家での二次会。「乾杯~~ぃ。」柿崎家に集まった10数名。飲んで食べて賑やかに…。菜帆子と愛結美、「結局、課長…。バッタン。しなかった。」佐津香も、「確かに。」そして…。「変則的カミングアウト、効いたかな…???」思わず3人で爆笑。順平、「な~~に、笑ってんですか~~???」菜帆子、カップのピールを飲みながら、「ふふん。課長が今日はダウン、しないって~~。」その声に順平、「確かに。…って言うか。…いやいやいや。かなり飲んでますよ、今日なんて。物凄い、酒、強っ。いやいやいや。だって、午後からですよ、午後から。佐津香さん、あんなに飲んで…、大丈夫なんすか…???」その声に佐津香、「いや…。確かに。ん~~~。でも…。どうなんだろ。」結局、小埜瀬、最後の最後まで…。そして…。玄関でみんなを送り。優維香と隆英が、一番最後に。「じゃあね。おかあさん。そして…、おとうさん。」隆英、「親父、ほんとに大丈夫かぁ~~。」その声に瑛士、「全然。全然。かかか。心配すんな。」佐津香、「隆英さん、優維香の事、お願いします。」隆英、佐津香にペコリと。「はい。お任せを。」そして…。佐津香、瑛士、リビングに…。「いやいやいや~~。終わったね~~。」「だよな~~。」佐津香、ソファに座っている瑛士の後ろに回って。瑛士の後ろからハグ。「好きにはなれないけど、愛してる。」瑛士、佐津香の両腕を引いて…。佐津香の左頬が自分の右頬に。「う~~ん。いい匂いだ。」そして見つめ合う目と目。佐津香の唇に自分の唇を。数秒のディープキス。そして…。…遂に。瑛士。頭をカクン。いきなり佐津香、「え――――――――っ!!!今~~~~っ???」そして佐津香、瑛士の頬をペンペンと。「瑛士さん。瑛士さん。」けれども瑛士は起きない。「瑛士さん。瑛士さん。もぅ~~~。」ソファをぐるりと。そして瑛士を抱き抱えるように。すると…、いきなり瑛士、佐津香を抱き締めて…。佐津香、思わず、「あん。」瑛士、佐津香を抱擁。首筋から唇。そして喉。そして、ワンピースの上から佐津香の両胸を。佐津香、「あ~~ん。」抵抗する事なく、佐津香…。瑛士の左手は、既にスカートの中から…。2023年、6月。成田空港にて。優維香、母と小埜瀬に、「では、行って来ます。」佐津香、「うん。行ってらっしゃい。」優維香、隆英、見送りの面々に。「では、行って来ます。」真宮、「おぅ。行っておいで。土産話、待ってるぞ。」池辺も、「うんうんうん。」そして。ここぞとばかりに、麗子。優維香に、「隆英に丸投げしちゃいなさい。」優維香、「はははは。はい。」ニッコリと。麗子、「それにしても、中々どうして~~。親子揃って~~。同じ日に、イタリアとアメリカ。考えるね~~。」「ま~~ったくだ~~。しかも…、見送りにも来れる土曜日ってんだから~~。かかかかか。」吉竹。菜帆子、愛結美、「ふふふ。」悠里、「優維香~~。じゃ、3か月後ね~~。」瑛子に阿寿沙。「待ってるからね~~。」そう言いながら優維香とハグ。優維香も、「うんうんうん。」そして…。いよいよ、「搭乗手続き」まずは優維香と隆英。隆英、「じゃあ。」優維香も、「うん。」みんなに見送られながら…。そして…。ゲートへと。その数分後、優維香のスマホに。「へっ…???…悠里。」そして…。「え――――――――っ!!!」隆英、「へっ…???…どうしたの…???」優維香、「あいつぅ~~~~。」 好きになれない。 vol,326. 「好きにはなれないけど、愛してる。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.22
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佐津香と小埜瀬のウェディングディナーパーティ、結婚式と言う、仰々しいものではなかったがお気楽に食事と会話を楽しむと言う事で、オープンスタイルでの全ての席は立食。立食ともあって、いつもは入り切れないはずの店内も、優維香と隆英の出席者同様に凡そ50人。そして、この日はとばかりに自らお手伝いをする理江子。悠里も瑛子も阿寿沙も優維香に、「私たちまで招待されて。」優維香、「いいの、いいの。隆英なんて、当たり前ですって言ってるくらいだから~~。」隆英を見て優維香、ニッコリと。隆英も、「その通りです。当然の事ですから。」優維香、3人を見て、「ね。」悠里、周りを見渡して…。「それにしても、さすがは化粧品会社、奇麗な人、ばっか~~。」瑛子に阿寿沙も、「うんうん。」池辺、「な~~に言ってるの~~。あなたたちも奇麗だよ~~。う~~ん。」ニッコリと。真宮、「その通り。如何なる時も、ジョエルのトラブル。おまえたちも、しっかりと功績残してるんだから、毅然と。」その声に悠里、瑛子、阿寿沙、「はは。」「うんうん。」「だ~~ね。」けれども優維香、周りを見渡して、「う~~ん。確かに~~。でも、私だって、おかあさんの会社の人~~。ふたりしか分かんなかったけど、今日私と隆英の結婚式でも、初めて会ったわ。はははは。」そして…。今回の佐津香と小埜瀬のウェディングパーティー。MCを務めるのがこの人。吉竹武一。店内、一番いい席に佐津香と小埜瀬。吉竹から発声から始まる。サポーター役は菜帆子。愛結美から、「部長、しっかり。」吉竹、「え~~。新婦新郎が勤務しております。エレガンサ化粧品のマーケティング事業の吉竹と申します。みなさん。午後からの結婚式から、続けてこちらへ。…と、言う方々見受けられますが、誠にありがとうございます。」一礼して。「では。あらためて、今日のこの良き日に、結ばれたもうひとつのカップル。柿崎佐津香、そして、小埜瀬瑛士のふたりでございます。あらためて、ご紹介させていただきます。ご結婚。おめでとうございます。」瞬間、一気にクラッカーが。そして歓声が沸き上がる。「パパパパパ~~ン。」「ピ―――――――ッ。」「おめでとう~~。」店内、歓喜。拍手に歓声。数分、鳴り止まない。峻と奈菜、厨房の方で、「けけけけ。武一、中々上手ぇじゃねぇか~~。」奈菜もニコニコと、「ねぇ~~。ふふふふふ。」リチャードと未梨、「コングラッチュレーショ~~ンズ。」「うんうんうん。」奈菜、「それにしても、何度も言うけど、未梨さん、お奇麗~~。」満智子も、「うんうんうん。私もそう思う~~。それに、伽璃菜ちゃんだっけ…???…おかあさん同様に、奇麗~~。」リチャード、「ははははは。」未梨、照れながらも、「ありがとうございます~~。」そして…。絃爾、満智子に、「何だか、モデルさん、みたいだよね~~。」満智子も、「うんうんうん。ほんと~~。」吉竹、「では…。みなさまも既にお飲み物、料理、頂いているみたいですが、ここで。乾杯へと。お願いします。エレガンザ化粧品、代表取締役社長、伊縫舞桜。」この時点で…。店内の、女性も男性も、それぞれに、「奇麗~~~。」隆英、優維香に、「確かに。」優維香、首を振り振り、「うんうんうん。あらためて、そう思う。」悠里と瑛子、「優維香の結婚式でも、祝辞してたけど、ほんと、奇麗~~。」「うんうんうん。」阿寿沙も、「だよね~~。」峻、「大御所、登場~~。へへへへへ。」そして腕組みをして、「いやいやいや。とにかく、絵にはなりますなぁ~~。」奈菜も、「ほんと。」理江子、「さすがは社長。」舞桜、まずは佐津香と小埜瀬の席に。そして小埜瀬に両手で握手を求める。にこやかにふたりで握手。小埜瀬、「ありがとうございます。」そして佐津香。舞桜の方から佐津香を抱き締めて。その時にスマホのフラッシュが一斉に。優維香たち、「わ~~お。凄~~~~ぃ。」悠里、「さすがだわ。」舞桜、「佐津香、おめでとう。」佐津香も舞桜に抱き締められて、「うん。ありがとう~~。」そして舞桜、佐津香と小埜瀬に、「ズバリ、言うわよ。」佐津香、小埜瀬、共に、「お願いします。」舞桜、菜帆子からグラスを渡されてニコリと。菜帆子、「お願いします」舞桜、頷いて、「ではみなさん。柿崎佐津香、小埜瀬瑛士の結婚、おめでとう~~。乾杯~~~い。」一斉に、「かんぱ~~~い。」順平、「かかかかか。ほんとに一発だね~~~。」吉竹もニッコリと。「うん。乾杯。」菜帆子と愛結美、「うんうんうん、上等~~~。」パーティは、一気に盛り上がる。狭いはずの厨房も、さすがはプロの料理人、手慣れたものである。そして、聞こえる声は、「うんうんうん。美味しい~~。」「旨いね、これ~~。」「かかかかか。最高~~。」ビュッフェの料理は瞬く間に。 好きになれない。 vol,325. 佐津香と小埜瀬のウェディングディナーパーティ。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.21
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優維香、亘夢からはしっかりと抱き付かれ、「チーフ、おめでとうございま~~す。」そして、他のメンバーたちからも、ハグ。「優維香、おめでとう~~。」その度に優維香、今までで一番の笑顔。そして時折流す涙。そして…。何よりも、トラディショナル事業部のある意味、優維香を含めてのカルテットならではの悠里と瑛子、阿寿沙が、小埜瀬を、「ほらほらほら~~。」3人で引っ張り出し、優維香とドッキング。照れながらの隆英。そして可能な限りの記念撮影。菜帆子、「とにかく優維香さん、奇麗だわ~~。ねぇ~~。課長~~。」愛結美も、「かかかかか。花嫁の父親~~。いやいやいや。バージンロードでの腕組んで歩いたあの姿のかっこいい事~~。」順平も、「もぅ、殆どの人のスマホ。かかかか、凄かったですもんね~~。」その声に小埜瀬、頻りに頭を掻き、「あ、いやいやいや。いや~~。何とも。」菜帆子、「…って、言うかさ~~。今日、課長、大丈夫でしょうね~~、夜~~。いきなりバッタリ。なんて~~。」順平、「あっ。それ、一番ヤバイじゃないですか~~~。」そう言われて小埜瀬、顔を傾げて…。「あ、いや…。それは…。ん~~~。」佐津香、「大丈夫。」瞬間、菜帆子と愛結美。そして順平も。「へっ…???」佐津香を見て。佐津香、「もぅね。それ…、完璧に、馴れ初めにしちゃうから。大々的に、初めからアピールしちゃう。言うなれば、変則的カミングアウト。」いきなり菜帆子、「わ~~お。」麗子からも激励をされての優維香と隆英。そして麗子、ふたりの後ろで3人だけのスリーショット。賀寿恵が前で。するといきなりぞろぞろと集まりスマホで…、メンバーたち。友望もそんな景色を眺めながら、「いいよね~~。いつ見てもこういうのは~~。はは。かあさんったら、まるで子供じゃん。」そして、傍にいる慶輔に、「慶輔君、ありがとう。」一礼を。慶輔、友望に、「いえいえいえ。とんでもない。…し、それに、まだ終わってませんから。」友望、「うん。頑張ろ。」そして、ここでも。柏田智子である。ベストセラー作家も出席しているという事で、時折、サインの申し入れで忙しいらしい。隣には宇龍と尚子が…。宇龍、「さすがは先生。何処にいても人気~~。」その声に智子、「かかかかか。まぁね~~。」そして…。最後のブーケトス。キャッチしたのが~~~。何と。賀寿恵。賀寿恵、目を真ん丸にして、「え―――――――っ!!!」トラディショナルのメンバー全員、歓喜、「キャ―――――――ッ!!!」優維香も悠里も、「わお。賀寿恵さん。」そんな賀寿恵にニッコリとしたのが隆英と麗子のふたり。隆英の隣で麗子。「まさかね~~。あの賀寿恵も…。近々。」隆英、「えっ…???…麗子さん…???」麗子、隆英に肘鉄をして、「…って。何言ってんのよ、仕掛け人のあなたが~~。何々~~???…カナダ出身~~~???」隆英、賑やかなブーケトスを眺めながら、「おやおや。」麗子も同様に眺めながら、「あんたに振られてガッカリしてたところに~~。…って、まだ私は、お目に掛かった事は。」隆英、一言、ポツリと。「いい奴ですよ。」頷きながら…。麗子、隆英に、「とにかく、おめでとう。まっ。ただ、新婚旅行、ハネムーンは、イタリアになっちゃったけど…。3か月。」隆英、ニッコリと。「はい。ありがとうございます。」麗子、クスリと笑って。「それにしても…。とにかく、面白い親子だよ。佐津香にしても、優維香にしても…。」隆英、「かかかかか。まま。それは、それで…。親父も便乗しての、おんもしれぇ~~。でしたから。」麗子、隆英に、「じゃ、また夕方に。」隆英、「はい。お待ちしております。」そして…。完璧に貸し切りでのラスカ。しかも、この日に合わせての、シェフのリチャードと未梨にはしっかりと補佐の峻と絃爾。そして奈菜と美智子。既に佐津香と小埜瀬の結婚が決まり、3か月後、そして場所は菜帆子と愛結美の一言で、「ラスカ」となった際に、菜帆子の一言。「大将と奈菜ちゃん、リチャードと未梨ちゃんのお手伝い~~。」と、言う事で、吉竹と小埜瀬の懇願もあり決定。そして優維香と隆英からは絃爾と美智子にオファ。絃爾と美智子も快諾。時折ラスカにて作戦会議を開いていたのだった。当然の事ではあるが、料理は全て門倉とアネモッサにて前以て仕上げた料理をラスカに運ぶと、いう作戦。当然の事ながら、ラスカの厨房は個人経営の為に、それほど大きくはない。そのための作戦である。リチャード、峻、絃爾、共に、パーティ開始前からの段取りでお互いに握手を。未梨も奈菜と美智子と共に、「頑張りましょう~~。」奈菜、「はい。」満智子、「よろしくお願いします。」 好きになれない。 vol,324. 「優維香、おめでとう~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.20
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七瀬家のリビング。励治が部屋から出て来てキッチンに。仕事について話をしていた麗子と賀寿恵。そんな励治を見て賀寿恵、ふと。「おじさん。」そして、麗子を見て、「おばさん。」励治、「うん…???」キッチンから賀寿恵に振り向いて。麗子も、賀寿恵を、「おや。」賀寿恵、「おじさん。ちょっといいですか…???」励治、また、「うん…???」賀寿恵、神妙な顔をして、「おふたりに…、お話があります。」その夜に隆英のスマホに賀寿恵から。「おやおや、弓さん。どうされました…???」スマホの向こうで賀寿恵、「あの…。…隆英さん。」隆英、スマホに、「はい。」「私。…ロバートと、正式に、結婚を前提として、お付き合い、させて頂いております。」その声に隆英、「おや。」「隆英さんには、何とお礼していいやら。物凄い、ひととなりの良い方で。」隆英、嬉しそうに、「はははは。そうですか~~。うんうんうん。良かった、良かった。」「その節は、どうも、ありがとうございました。」そんな声に隆英、「いいえ、いいえ。…でも、良かった~~。今、あいつ、代官山にいるんだけど。インテリア専門の広告代理店で働いているんだよね。」「えぇ。」「カナダにいた頃に知り合って、インテリアの話で盛り上がって、それ以来、何だかんだで会ってるんだ。まっ。勉強一筋って言う男なんだけど、僕が電話で、そろそろ、いいんじゃないかって。…で、弓さんに。」賀寿恵、「えぇ。お話はロバートから伺ってます。」隆英、スマホに、「うんうんうん。とにかく良かった~~。弓さん。おめでとうございます。あいつなら、大丈夫だよ。私が、保証します。」目から涙が零れる賀寿恵、僅かに涙ぐみ、「はい。ありがとうございます。」頭をペコリと。その涙声に隆英、「うん。是非、おしあわせに。」鼻水を啜って賀寿恵、「はい。ありがとうございます。…あの…。」隆英、スマホに、「はい。」「隆英さんと、優維香さんも。是非。」その声に隆英、「はい。ありがとうございます。…では。」賀寿恵、スマホ越しに。「はい。おやすみなさい。」「おやすみなさい。」そのロバートと言う人物。隆英よりは2歳ほど年下。カナダ人である。カナダ・マックスマスター大学主席で卒業。その後、カナダでインテリアを学び同時に日本語も学ぶ。隆英がカナダに滞在。その時に偶然にも展示会場で合い意気投合。それからの付き合いである。ロバートがカナダでインテリアの仕事をしながらに日本の文化を学んだというのは、元々ロバートの祖母が日本人であった事が端を発している。偶然にも隆英との生い立ちに似ているのだった。カナダでインテリアの仕事に付きながらも日本への憧れにどうしても拘り続けて、遂には2年ほど日本の大学に留学している。その後、再びカナダに帰り、また同じくインテリア関係の仕事を続けていた。その時にカナダに出張で訪れていた横井土正嗣と出会う。その時に横井土から見染められて再び日本の大学、徳鳳(とくほう)大学に留学。横井土の推薦である。そして…、その留学期間も終了して、一度はカナダに帰国したのだが、日本文化に惚れ込んで、ビザを取得。3度目の日本に。そして現在は東京で、インテリア専門の広告代理店に勤務している。東京代官山に居住している男性である。「凄~~ご~~。奇麗~~~。はははは。優維香~~~。」天気は晴れ。2023年、6月18日。優維香と隆英の結婚式である。場所は…。友望と、葛籠慶輔が勤務する、ニューフロレンスホテル。会議室、「アレーナ」凡そ50人の出席者。この日のふたりのエスコート役は、優維香と隆英に懇願されての友望と慶輔。そして、華やかに執り行われた。「かかかかか。いやいやいや。優維香~~~。かかかか。おめでとう~~。」真宮。池辺、「ものすんごい、奇麗~~。」悠里、「かかかかか。リーダー、もぅ~~。かっこよ過ぎませ~~ん。」瑛子、「それにしても、驚いた。」阿寿沙、「だよね~~。ホテルの外。」一度はこの目で見てみたい。と、ホテルの前にも報道陣。つまりは、数ヶ月前のフランスでのコンペにプレゼンの当人が現れると、密に入手した報道陣が列を成していた。しかも、それに便乗しての…、所謂、野次馬も。で、ある。しかも、この日のバージンロードでの、優維香との共に歩いたのが、小埜瀬瑛士。出席者全員が注目となった。吉竹、「いやいやいや。とにかく絵になるねぇ~~。」菜帆子、愛結美の隣で、「さすがに、凄いわ~~。」愛結美、「…って、言うか、課長の息子さん、初めてみたわ~~。何々、カッコ良過ぎ~~。」菜帆子、「うんうんうん。」そして、順平に、「あんたも早く~~。」順平、その声に苦笑い。「言われると思ってました~~~。…それにしても…、一日で、親子でダブルの結婚式。前代未聞。」菜帆子に愛結美、頷いて。「確かに。はは。」 好きになれない。 vol,323. 賀寿恵、「おふたりに…、お話があります。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.19
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瑛子、「確かに。まま。リーダーは海外。…けど、新婦の優維香~~~。」満智子、静かに、その場を…。そして…、カウンターの中に。絃爾に、「優維香と小埜瀬さん、イタリア行きですって。」その声に絃爾、「えっ…???…マジ…???」悠里、「まっ。仕方がないっちゃ~~。仕方が…ない。…ん、だけど~~。」オーダーもなく、凡そ20分。「はいよ~~~。」絃爾がいきなり席に。悠里、「わっ。…と、びっくりした~~。」瑛子、「あは。…って言うか、私たち、まだオーダーして。」阿寿沙、「わお。マスター、それ。」満智子、まずは、みなさまのそれぞれのお飲み物。悠里、「ありがとう~~。」絃爾、「そして…。」5人の中央に。阿寿沙、「わお。美味しそう~~。」小埜瀬、「あれ…???…これって…。」絃爾、そんな小埜瀬にニコニコと。「小埜瀬さん、ご存じで…。」小埜瀬、顔をコクリと。「えぇ。イタリアン。カチャトーラ。」絃爾、「そうです。チキンカチャトーラです。ま。イタリアでは、人気のメニューでもありますけど…。」小埜瀬、「ありがとうございます。」「はい。召し上がれ~~。」絃爾、そして取り皿を。阿寿沙、「あ。マスター、それ、私が…。」絃爾、阿寿沙にニッコリと。「はい。お願いします。」そして、「イタリアですか~~。いいですね~~~。」ニッコリと。「是非、行ってらしてください。優維香ちゃんと小埜瀬さんには、まっ。仕事になるんでしょうけど…。それ以外は…、まま。しっかりと、羽目を外して~~。それこそハネムーン。よろしいかと。うん。…ま。お忙しいく、しかも…、来月でしょ、結婚式。新婚旅行って…、計画は…。」悠里、その声には、首を…。「いや。だ~~ってさ~~。まま、私も。そういう意味では、いきおいで突っ走って、ある意味、ヤバイ。とは、思った~~。今、優維香とリーダーに抜けられたら~~ってぇ~~。…だから、優維香には、新婚旅行…。ほん~~とに、ゴメンって。」瞬間、優維香、「決めたっ!!!」悠里、瑛子、阿寿沙も優維香に、「おっと~~~。びっくりした~~。いきなり。」そんな優維香を見て小埜瀬、ニッコリと。優維香、「もぅ~~~。あぁだの、こうだの。言ってもキリがない。行っちゃう、イタリア。」そして隆英を見て、「いいね、隆英。」瑛子も阿寿沙も、「おっと~~。」「呼び捨て。」悠里、「ふたりの時は、いつもこうだと、旦那様、申しております。」その声に瑛子、「かかかかか。」阿寿沙もニコリと、「さようで。」小埜瀬、そんな優維香を見て、ニッコリと。「答え、出ましたか。」悠里、小埜瀬を見て、「へっ…???…リーダー???」小埜瀬、「僕があれこれ言う前に、優維香さん、自分で答え、出す人ですから。それは、仕事でも同じ事。」小埜瀬、3人に、「でしょ。」悠里、瑛子、阿寿沙、にこやかに、「まま。それは…、まぁ…。確かに。」「トラディショナルの中で、僕にボンと言ってくるのも、チーフ、優維香さんですから。」その声に絃爾、ニッコリと。「ごゆっくりと、どうぞ。」優維香、絃爾に、「ありがとうマスター。」絃爾、そんな優維香に、「いえいえ。どうぞ、召し上がれ。」優維香、目の前の料理に、「もぅ~~。食べよ、食べよ。」瑛子、阿寿沙も、「だ~~ねぇ~~。」小埜瀬、そんな4人を見てニッコリと。「へっ…???…うそ。おかあさんたちも…???」優維香の声に佐津香、「うん。昨日、一昨日かな…。一度、見てお出でって言われて。社長命令だから仕方、ないけどさ~~。内心、こいつ、鬼か。…って思ったけどね~~。この糞忙しいのに何でまた海外ぐんだりまで行くんだよって。」優維香、母の話に、「わ~~お。おかあさんたちは、アメリカかぁ~~。」佐津香、ソファに座ってパソコンの画面を。そしてコーヒーカップを口に。「うん。…で、あなたたちはイタリア。」「うん。何か、どうしよ、どうしよって思ってたんだけど~~。アネモッサで、マスターが、いきなり…。何だっけ、あの料理。名前、ちょっと忘れちゃったけど、物凄いいい匂いで。そんな匂いにうっとりしてたら、思わず、行っちゃおうって。」瞬間、佐津香、「かかかかかか。うんうん。まっ。そんなもんだよ、切っ掛けなんて。」「隆英なんて、ようやく答え、出ましたかって。もぅ~~。自分からは何も言わないで、私の言うの、待ってるんだから~~。」「まぁね。」佐津香。「そういう人って、感じだよ。何か、見ていると、凄い包容力、あるって感じだもん。隆英さん。出会って、この人だって思って、間違いない。そういう人なんじゃない…???」パジャマ姿で、こちらもコーヒーカップを口に、優維香、母の話を聞いて、「う~~ん。」そんな佐津香、自分で言った言葉に、自分で…。頭の中には、瑛士の顔。そして、「ふふふふ。」 好きになれない。 vol,322. 絃爾、「はい。召し上がれ~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.18
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真宮のその声に悠里も瑛子も阿寿沙も、「あ~~ん。」優維香と小埜瀬は黙ったままで…。真宮、「多分、放送されるのは、7月半ば…???」亘夢、「チーフとリーダーの結婚式にサプライズ~~。」小埜瀬、「亘夢ちゃん。」既に、横井土家からの帰り。悠里から優維香と小埜瀬の結婚に関してはグループラインでメンバー全員に。その瞬間は、トラディショナル事業部、一気にハイテンション、「え――――――っ!!!!」「うそうそうそ。」池辺も、「マジでっ!!!」いきなり部長室から真宮、「一体どうなってる。これ、悠里のアイコン。あいつら~~。横井土家で何やってたんだっ。」池辺に。池辺も、「私も、今見てびっくり。なんとも…。」瞬間、トラディショナル事業部、「万~歳~~~ぃ。キャホゥ~~~。」廊下を歩いていた人々も慌てて立ち止まったほど。池辺、メンバーたちを眺めながら、「まっ。仕掛け人は当の送り主でしょうけど…。」瑛子も阿寿沙も、「悠里、や~りぃ~~~。」真宮、メンバーたちに、「まま。仕方がねぇだろ。これだけは~~~。俺たちに、どうこう…。」「近くまで来たから一緒にお昼、どぉ…???」と、須美から誘われての佐津香。自分の弁当を順平に。順平、「いいんすか…???」佐津香、「あなた、どうせ、コンビニの弁当でしょ。まっ。小埜瀬と同じ感じの弁当なんだけど。小埜瀬と一緒に食べて。」順平、頭をコクリと、「あざっす。」近くのカフェで…。佐津香、須美に、「私だってビックリだよ。いやいやいや。岳燈君、やってくれますね~~。」須美、「久々に岳燈君、俺の企画が通ったって。はははは。」そして須美、「いやはや…。CМかぁ~~。どんな感じかな~~~。」けれども…、それから1週間後、また新たな展開が…。優維香、「うそ。」小埜瀬も、「イタリア。」真宮も真宮で、「う~~~ん。」社長室にて麗子、隆英と優維香を目の前に、「そぅ。ふたりには、イタリアに行ってもらう。期間は3か月。出発は、6月の終わり頃。」真宮、思わず唖然として、額に左手を、「あっ。…とぉ~~~。」麗子、「私も、昨日の夜に、その話を聞いてね。話の相手は横井土正嗣。」小埜瀬、「わお。」優維香、「横井土…。」麗子、「残念ながら、断れない。」そして麗子、真宮に、「CМに、隆英と優維香が出る部分、前倒しでね。」真宮、「あ、あ、あ~~。承知しました。」優維香、「け…、研修って…。」チラリと隆英を見て。麗子、「隆英、優維香を頼んだよ。あんた、海外はお手の物。」隆英、「わ…かり、ました。」トラディショナル事業部、「え――――――――っ!!!」悠里、「イタリアって…。」瑛子、「そんな…。」阿寿沙、「いきなり。」他のメンバーたちからも、「なんで、なんで…???」「今でも、人手が…。」「うんうん。」池辺、「部長。」真宮も、「いや…。俺も、実際、参ってるんだが。横井土さんからの話で…。」メンバーたち、「横井土…。あの…、投資家の…???」真宮、「いや。先生の方だ。経済産業省、局長の…。イタリアで、今、新しいインテリアブランドが立ち上がり、今やヨーロッパで大ヒット。そこに、日本からもインテリアショップ、ジョエルから男女2名、研修として参加して欲しいと。逆に向こうからの頼まれたそうだ。それに横井土先生は快諾。当然、七瀬社長に。そして、横井土先生の方から、優維香と小埜瀬をと。社長が言うには、横井土先生、スタッフコレクションにも訪れて感銘したそうだ。まっ。これはみんなにはちょっと、分かりづらいかも知れないが、あの時、横井土先生のお孫さんがジョエルのインテリアを気に入ってくれてたそうで、横井土先生を連れて、ウチのインテリアを見てくれたと、言う経緯もあるそうだ。」悠里、目を真ん丸にして、「う~~っそ。誰…???…そのお孫さんって…。全然記憶にないんだけど…。」瑛子も阿寿沙も首を横に振る。メンバーたちも同様に…。悠里、「ふ~~~ん。」瑛子も、「ん~~~。」阿寿沙、「しっかし…。」優維香、口を尖らせて。小埜瀬、4人を見て…。満智子、それぞれのグラスに水を。そして、「どうしたの~~???…なんだか、いつもの雰囲気とは…。」瑛子、「リーダーと、優維香、イタリア行き~~~。」瞬間、満智子、「へっ…???…そうなの…???…って、優維香と小埜瀬さん、結婚。」阿寿沙も、「なんだよね~~~。…しかも、3か月。」右手で…。満智子、「さ…。3か月…。…って、いつから…???」悠里、頭を撫でながら、「6月終わり~~。」「…って、結婚式。」阿寿沙、また、「なんだよね~~。」悠里、「…ってか、新婚旅行、ハネムーン、イタリアになるって…。」阿寿沙、「お~~~い。仕事で行くんだから~~。旅行って気分。」 好きになれない。 vol,321. 「万~歳~~~ぃ。キャホゥ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.17
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そして、真宮、電話越しに、「お世話様です。」電話の向こうで岳燈、「実はですね。折り入って、お話が…。」真宮、「ふむふむ…。……。えっ…???」岳燈、伊寿美と須美の前で、「インテリアショップ、ジョエル。CМ制作、決定しました~~~。」瞬間、伊寿美、須美、共に、「え――――――っ!!!」伊寿美、母と顔を見合わせて、「や~~った、やった。」須美も、「うんうんうん。」ふたり、共に両手を握り合い、そして伊寿美、椅子に座って、そのまま岳燈の両手に、「うそうそ。ほんとなの…???」岳燈、バッグを椅子の上に。「あぁ。ジョエルの真宮部長と今日、契約してきた。」顔を傾げて、少し残念そうに、「ん~~。優維香さん、いなかったみたいだけど…。」インテリアショップ・ジョエルのCМは、某テレビ局と某広告代理店とCM製作会社からの提案もあり、本来ならば、スポンサー企業と広告代理店との間で打ち合わせをするのだが、今回は、その逆の流れとなったのであった。しかも…。この話は、ジョエルの社長である七瀬麗子すら飛び越して、直接にトラディショナル事業部へと、真宮の元に。…そして…。話は決まってしまったのだった。真宮から話を聞いての麗子、「いや。私のとこには何も…。…って、麟、もしかして…、そのテレビ局って何処…???」真宮、「東京MMBですけど。」瞬間、麗子、体を抱くように、「クククククク。」そして麗子。今度は机に両肘を当て、両手を組んで、その上に顎を。「ははは。…やられたよ。」その声に真宮、目をパチクリと、「はっ…???」真宮、傍にいる賀寿恵を見ても顔を傾げて、「はっ…???」賀寿恵、そんな麟に、何かしら、申し訳なさそうな笑みを。真宮、訝しそうな顔…。「…って…???…いや…。社長…???」麗子、可笑しがりながら、「かかかか。分かった。うん。下がっていいよ。了解した。…とにかく、やられた。…それだけ。かかかかか。」真宮、額を搔きながらも、「あ、いや…。はい。…失礼します。」真宮、ドアを開けて廊下に。そして、また頭を傾げて、「何…???…どうなってる…???」…が、今日の午後の…。直接、ふたり、共にトラディショナル事業部、部長室での、真宮と岳燈との、契約後の経緯である。優維香、伊寿美の電話で、「うそ。え――――――っ!!!CМ~~???」首を振り振り、「全然。全く、話、聞いてないけど。」伊寿美、「私だって、今、岳燈から聞いてビックリだよ~~~。」優維香、「この…、忙しいのに、今度は、CМ~~???…ふぅ~~~。」「…って、言いながら~~。旦那がいるでしょ~~。」その声に優維香、「やややややや。…って…。それは…。」そして…、翌日。ミーティングでメンバー全員、歓喜。「キャ――――――ッ!!!」真宮、メンバーに対して、「まっ。とにかく、今の状態、なんだかんだで、かなりハードな状況なんだが…。まっ。それでも、これも、とにかく、みんなのお蔭だ。とにかく、心して、掛かってくれ。」池辺もメンバーたちの顔を見て笑顔で。そして、両手を叩いての池辺。「はいはい。それともうひとつ。制作の段階で、広告代理店の方からの提案で、CМにはキャスティングを採用するとの事で~~。元々、モデルさんや女優を…と、決めてたんだって。…なんだけど~~。」そして池辺、真宮を見て、「部長の奥様の一言。」真宮、「どうせなら、あんたの部下、使いなさいよ~~。その方が完璧にシックリ来るじゃな~~い~~。柿崎さんなんて、結構カメラ映り、いいんじゃない~~。それに~~。小埜瀬さん。イケメンよ~~、彼~~。…だそうだ。」瞬間、またメンバーたち、歓喜。「キャ――――――ッ!!!」いきなりの声に優維香、「うそ―――――――っ!!!」小埜瀬も、真宮に、「いやいやいやいや。部長~~~。」湧き上がるトラディショナル事業部。真宮、両手を出して、「まぁまぁまぁ。…分かる。分かる。…って言うか…、CМ制作会社は、チーフ、優維香の友達の旦那が勤務の制作会社だ。…ま、今回は、向こうさんからのアプローチでな。とにかく。」一拍置いて。「亘夢。おま。頼むな。」瞬間、メンバー全員の視線が亘夢に。亘夢、真ん丸の目をして、「ほんとですか。」傍のメンバーが亘夢をハグ。「亘夢―――――――っ。」真宮、「…とは、言え。まっ、全員が出る事にはなると思うが…。」悠里、そして瑛子と阿寿沙、「すいません。」「あの。」「部長。」真宮、「何だ…???」湧き上がる中で…。悠里、「CМ…。制作から、放送までは…、その…。」瑛子も悠里と優維香を見て、「うんうんうん。」阿寿沙も、「うん。どれくらいの…。」その声に真宮。「それ…なんだが…。」池辺、真宮を見て、顔を傾げて、「うん…???」真宮、「…多分…。…2か月後…。かと。」 好きになれない。 vol,320. 「インテリアショップ、ジョエル。CМ制作、決定しました~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.16
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苑が結婚して伊吹家の跡取りとして真ん中の娘、紅(こう)が、刑事になるために家を出て行った。その部屋と三女の蘭(らん)の部屋と苑の部屋をリフォームしての、3人が住める部屋として。それ故に、岳燈はひとり。自分自身、自分の身の上を何とかしたかった。そういう伊吹家の…、経緯。が、ある。そして、めでたく、2023年3月の初めには伊寿美の妊娠が判明。3か月目に入ったのである。須美、「いろいろと、あるもんだ~~。」伊寿美、「はははは。うんうん。」チャイムが鳴る。伊寿美、ニコリと。「おっ。帰って来た~~。」帰宅早々、いつも通りのルーティンの台所に岳燈。「ただいま~~~。」そして、伊寿美のお腹に上体を降ろして、「ただいま帰りました~~。」須美、ニコニコしながら、「お帰りなさい。」須美は定年の65までは勤務している都内、興安(こうあん)中央銀行本店の、行員として続けたかったが、今年中には子供が誕生するとあって、退職を決めていた。ところが、その話に、「待った。」を掛けた人物がいた。岳燈の母の礼(あや)である。須美の前で礼が、「そんな…、勿体ない。大学卒から勤務した銀行、定年待たずに辞めちゃうだなんて冗談じゃない。私が許しません。もぅ家族じゃありませんか~~。ド~~ンと私に任せてくださいなぁ~~。…こう見えても、しっかりと3人の子供を、育て上げてきているんですから。もぅ~~。須美さ~~ん。」の、話からトントンと。岳燈の父親、威(たける)も、妻には逆らえずに、「そぅそぅ。そうしてあげてください。じゃないと、私も妻から怒られますんで。その辺は、よろしくどうぞ。」そういう話が、柳澤家と伊吹家の中で、あったらしい。その一方で、伊寿美も伊寿美で、岳燈の結婚を機に寿退社。と、思われる、かも知れないが。さにあらず。都内の都島(みやこじま)生命保険外交員としての伊寿美は入社以来、中堅までは及ばぬものの、契約数は中堅を超えている。同じ営業部の面々からは、「伊寿美ちゃんだからね~~。」とにかく、伊寿美の場合、老若男女から慕われている。伊寿美が結婚する。と上司の営業部長、高崎(たかさき)に報告したところ、高崎自身、顔を蒼くしたと言う。その後、内密で伊寿美自身に、「結婚したら、仕事の方…。」と、尋ねて…。伊寿美本人から間髪入れずに、「辞めませんよ。冗談じゃない。私、まだ、26ですけど。」の声を聞いて、一気に汗を掻き、伊寿美に深々と頭を下げたそうな…。「ありがとう。ありがとう。ありがとう。感謝する。」と。…確かに。伊寿美以外に、超ベテランの外交員は存在する。ふたりである。それこそ、伊寿美の母親と同じか、もう少し上である。56歳と58歳のふたり。外交員の中でも、「高嶺の花」明日香奈緒美(あすかなおみ)、そして、朝倉早海(あさくらはやみ)と言う外交員である。誰がどう見ても、ふたり、共に、グラビア雑誌のモデル並みとしか言えない、そういう容姿である。年齢は異なれど同じ年の入社。ふたり、さもに途中入社ではあるが…。けれども伊寿美の場合、入社半年で、そのふたりの実力を見せつけられ、今までの自分の甘えを叩き割られた思いで、目が覚めたのだという。それからが伊寿美、変わったのだった。今や、中堅の外交員を抜き去り、明日香奈緒美、朝倉早海。までには、及ばないが、その、人柄は逆に、明日香奈緒美以上に、営業部からは愛されている。そして…。そのベテランふたりにも、伊寿美、事実、自分の娘のようにも可愛がられては、いる訳である。伊寿美、そんな岳燈に、「かかかかか。はい。ご苦労様。」岳燈、「今日は、嬉しい報告があってね~~。」その声に須美も伊寿美も、岳燈を見て、「うん…???」昨日の午後。真宮の机の電話が鳴る。「はい。トラディショナル、真宮~~。」真宮、話を聞いて、内線ボタンを。小声で、「AIHO電通の…やなぎざわ…。果て…。」そして電話に。「お電話代わりました、インテリアショップ、ジョエル。トラディショナル事業部、真宮でございます。いつもお世話になっております。」すると、電話の向こうから、「お世話様です。AIHO電通の柳沢と申します。真宮部長、覚えてらっしゃいます…???…去年のインテリアのスタッフコレクションの時にお会いした、柿崎優維香さんの友達の柳沢伊寿美と一緒にいた…。あの時は~~、伊吹岳燈でしたが、今は結婚して柳沢岳燈。AIHO電通、CM製作会社の柳沢岳燈と言います。お世話様です。」瞬間、真宮、思わず右手でフィンガースナップ。頭の中で、「…あぁ~~。うんうんうん。確かに。…思い出した~~。」 好きになれない。 vol,319. 2023年3月の初めには伊寿美の妊娠が判明。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.15
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瑛士、家の玄関先で隆英に。「あぁ。…で、ここに初めて入った人が、佐津香さん。そして、菜帆子さんと順平君。おまえに話した会社の人だ。」「あぁ。…いや。でも、驚いたなぁ。親父が酒でぶっ倒れて担ぎ込まれたって。しかも、佐津香さんの匂いでって…。」家の外観を見ながらの隆英。瑛士、「あぁ。まっ。おまえには分かんねえけどよ。…梨穂子の匂いだったんだ。それと同じ匂い。おまえの母親だ。」隆英、「俺の…、かあさん。」「あぁ。おまえは…。が…、産まれてすぐだったからな~~。おまえのかあさん。梨穂子が亡くなったのは。」そして瑛士、隆英を見て、「まっ。おまえには記憶はないと思うが…。」隆英、家を見ながら首を振り。「全く。記憶には、ばあちゃんしか、ねぇから。」瑛士、また家を見て、「まぁな。…で、こっち来て、俺の歓迎会って事で会社のみんなが集まって酒飲んで…。まっ。それほど飲んではいないんだが…。そんな時に、ふと匂いに…。それで、俺ぁ、バタン。とにかく深い眠りって…。…で、しかも…。とにかく起きない。」玄関の戸をガラリ。隆英、「あれ…???…鍵は…???」瑛士、「あは。ただいま~~~。」玄関には一足のスリッパ。隆英、父を見て、「うん…???」茶の間に入ると、台所からいい匂いが…。瑛士、「ただいま帰りました。おばあちゃん。」隆英、「おばあちゃん。…って…???」父を見て、「えっ…???」瑛士、ニッコリとしながら。台所からエプロンをしたままで、「はいはい、お帰んなさい。あら、まぁ~~。かかかかか。小埜瀬さんの息子さん。」ペコリと男性に丁寧に頭を下げて。「こんにちは。隣の千賀子(ちかこ)と申します。福瀬千賀子(ふくせちかこ)。」瑛士、「となりのおばあちゃんだ。御年84歳。」隆英、「84歳。」目を真ん丸に、「いやいやいや。全く…、そんな年齢には…。」瑛士、隆英に、「ここに来てある時。隣の庭で倒れているところを見つけて。かかかかか。家に負ぶってきて…。」千賀子を見て、隆英を見て、「ギックリ腰で、痛がって声が出せなかったんだ。…で、ここで休ませて。それから救急車で病院に。ひとり暮らしで…。まっ。俺が面倒を見てたって。それからだ、おばあちゃん、時々ここで…。食事、作ってくれてる。」隆英、「へぇ~~ぇえ~~。」千賀子、「ささ。何もありませんけど、召し上がれ。」お盆に料理の皿を。隆英、「うわっ。美味しそう~~。はは、いい匂い~~。」「おばあちゃんの味ですけど、よろしかったら。」隆英、ニコニコと。「すみませ~~ん。」食べながら千賀子、「あらまぁ~~。ご結婚。」目を丸く。瑛士も隆英も、「えぇ。」千賀子、瑛士の左肩に手を。「良かったじゃありませんか~~。小埜瀬さんもご結婚。…で、息子さんもだなんて~~。」瑛士、「はは。」けれども瑛士。「でも…。」後ろを見ながら…。「おばあちゃん。」千賀子、そんな小埜瀬を見て、「あら、小埜瀬さん。まさか、私を心配。」クスリと笑って、「何言ってるんですか~~。そんな…、こんな年寄りなんてほっといて、ちゃんと結婚~~。それが、何よりのしあわせじゃあありませんか~~。ねぇ~~。」隆英を見ながら笑顔で。隆英も、食べながら、「えぇ…。あ、はい。」千賀子、小埜瀬に。「ちゃんと、しあわせにならないと~~。私が困ります。ふふ。」「それにしても、月日の経つのって早いよね~~。」須美。鍋の中の味見をしながら…。テーブルを布巾で拭いている伊寿美、「うん…???…どうしたのよ、かあさん。」須美、「良し、OK。うん…???…だ~~ってさ~~。去年の秋には、あなたたちが結婚。…で、年の瀬にはサッちゃんがフランスにコンペ。…と、思ったら、たちまちサッちゃん、結婚表明。…と、思ったら何々。今度は何と。優維香ちゃんまでが結婚表明。しかも、あと1ヶ月だよ。もぅ。今年も5月前なんだから~~。6月にはふたりともに、結婚だよ~~。それに~~。今のあんた。お腹~~。」そうなのである。この年の、所謂2022年11月にはめでたく伊寿美と岳燈が結婚。岳燈は伊吹家から出て柳沢家に入り、婿養子となったのである。文字通り、伊吹家は、長女の伊吹苑(いぶきその)が家の跡取りではある。当然である。自分の法律事務所を所有している訳であるから。旦那は大手建設会社の部長である。仕事を通じての知り合いとなり、苑が見染めた男性であった。子供をひとり儲けている。女児で、小学生の5年生である。岳燈としては、両親にも恵まれ、上には3人の姉がいる。勝手し放題のこの上ない環境ではあったのだが…。内心、両親には頭が上がらない。そして…、当然ながら3人の姉にも頭は上がらない。 好きになれない。 vol,318. 瑛士、家の玄関先で隆英に。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.14
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佐津香、優維香の話を聞いて微笑みながらも、「ふむふむ。」「先生なんか、あんたたちのご祝儀。勝手に部屋、リフォームしてもいいからね~~って。」「わ~~~お。凄~~ご~~。」優維香、顔を傾げて、「まっ。売れっ子の作家先生だもん。でででで、び~~っくり~~。友望に聞いたんだけど~~。」キョトンとしながらの佐津香。目を真ん丸にして優維香、「私は全く知らなかったけど、先生の本が~~。何と、澤木賞にノミネートされたんだって~~。」佐津香、「うそ。…えっ…???…それ、おかあさんも知らない。」そこまで言って佐津香、目を左右に、「あっ。そっか。澪ちゃんたち出版社には、まだ優維香が柏田さんちとの事、話てないもんね~~。仕方ないっちゃ~~、仕方がない。」口を真一文字に優維香。「でも~~。友望の話によると、今回の受賞は、まず濃厚~~。大衆文学としては右に出る者なし。凄いと思わない~~???」ニコニコと。佐津香も、「だよね~~~。」「ま。私たちのは~~。もぅ、殆ど、友望と、あと…。え~~っと~~。葛籠さんに丸投げだから。とにかく、あのふたりのセンスも凄い。もぅ~~。素敵なアイデアをジャンジャン出してくれるから一発OK。隆英も凄いセンスって脱帽。任せて安心って。」「へぇ~~ぇえ~~。」「いや。…って言うか、言い出しっぺが悠里~~。いきなり6月って言うから、仕事もハードなのに~~。だから、何でも急ピッチ。…だから~~。結局、私たちだって、ある意味…。まま。リハーサルまで、サプライズ状態なんだわ。かかかかか。」佐津香、にたにたと。「なにはともあれ。愛してるんだよ。ちゃんと、愛してる、好きだよって、言ってるんでしょうね~~。」と、言われて…。の、優維香、キョトンとして…。半分、白目を剥いて、「ううん。」首を振り、顔を傾げて…。「…言って…、ないんだよね~~~。」佐津香、いきなり、「はっ…???」優維香、口をムニュ~~っとさせて、「言われてもなければ、言ってもいない。」口を捩じりながら、「うん。言ってないないない。」佐津香、「はぁ~あ~~ぁあ~~???」「…って言う、おかあさんだって、小埜瀬さんの事~~。」瞬間、佐津香、可笑しがりながら左手を顔の前で振り振りしながらも、「いやいやいやいや。おかあさんと瑛士さん。かかかか。そんなの、ないないないない。この歳で…。それこそ…。」そこまで言って佐津香、「ん~~~。…逆に~~。」顔を傾げて、「なんか…、敢えて言われると…、なん~~とも…。こそばゆい。ん~~~。好きって…、感じは…。…まず、ない。…まま。50も後半になれば~~。何て言うの…???…お互いを~~。好きにはなれないけど~~。傍にいてくれないと~~。困る。…でぇ~~。あんな人だけど~~。何かしら…???…ほっとけない。…いつ、どこで…、お酒飲んでぶっ倒れるのか、ハラハラしちゃうからね~~。まっ。そんな感じ。かな~~~。」そして佐津香、「かかかかか。もぅ~~~。完璧に、あのコンペで…、ノックアウト、食らったからね~~~。娘のあんただから言うけど、終わって~~。控室に行って~~。その後、抱き締めてキスしちゃったくらいだから~~。おかあさんから小埜瀬にね。」間髪入れずに優維香、目を真ん丸にして顔を縦に伸ばして、「う~~そ~~~っ!!!」僅かに顔を赤くして佐津香、「ほんと。」そして、コーヒーカップを口に。「ふふん。」優維香、ニッコリとして、母に、「そぅなんだ~~~。ふふふふふ。」そんな優維香を見て佐津香、「な~~によ~~。親の惚気を聞いて~~。あんたはどうなのさ~~。」いきなり優維香、椅子から立ち上がり、「ごちそうさま~~~。」「こら、優維香。待ちなさい。」リビングから出ようとする。ヒタと立ち止まり、母にニッコリと。「うそうそ。」そしてサササササと母の元に。そして母を抱き締めて、「おかあさん大好き~~~。」佐津香、「かかかかか。何だよ、いきなり~~。」そして優維香、母の耳元で、「実はね。」優維香、ニコニコと、隆英との事を話始める。聞きながらにして佐津香、みるみる内に目を真ん丸にして、「う~~そ~~。それこそ、何々、ロマンじゃないのぉ~~~。かかかかかかかか。はは。愛してるぜ~~優維香~~。」優維香を抱き締めて。「そっか~~~。そんなキスも…、あるかぁ~~。」優維香、母に包まれながら、「うん。しあわせだった。そんな感じ。好きって言うのじゃないけど~~。一緒にいたいって。」そして…。「好きにはなれないよ。好きって感情じゃ、もぅ、ないもん。」佐津香、優維香の左腕を左腕で撫でながらも、「うんうんうん。…なんだよね~~。」「そっかぁ~~。親父、ここでかぁ~~。」隆英。父の一戸建てに…。 好きになれない。 vol,317. 「言われてもなければ、言ってもいない。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.13
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吉竹、続ける。「…だから、とにかく、多忙ではあるが…。そんな中でも、それぞれ。…まっ。俺含めてだが、可能な限りの…。まっ。無理はするな。可能な限りの英語。勉強するって言うのも、コミュニケーションとしては、必要になってくると。」その声にメンバーたち、「はい。」順平、ドアを開けて、「こんばんは~。」部屋の中から、「ハ~~イ、どうぞ~~。」「いらっしゃ~~い。待ってた~~。ははははは。」愛結美と菜帆子の声。菜帆子、順平に、「お疲れ~~。」順平、テーブルでのふたりに、「はいっと。やりますか。」上着を脱いで。既に菜帆子は部屋着状態。最初は順平、そんな菜帆子に戸惑ってはいたが…。さすがに社内の菜帆子とは想像も付かないオーソドックスな格好。愛結美は仕事帰りのまま。順平と同様に、その日の服装。既に開始している佐津香と小埜瀬の結婚パーティの準備。言い出した大本が菜帆子と愛結美であり、そこに便乗したのが順平であり、既に数週間前から、週に1、2回のペースで菜帆子のアパートで準備が続けられている。「少しずつでもやらないとね~~。中々前に進まない。」菜帆子。愛結美も、「そうそう。けど…、さすがに順平、器用だよね~~。」その声に順平、笑いながら、「何回、同じ事、言うんすか~~。」菜帆子、「ふふふふふ。」順平、「それにしても、こういうの…、良く思い浮かびますよね~~。」その声に菜帆子、「かかかかか。…んな訳ないっしょ。これこれこれ。」数冊の本を取り上げて。順平、にこやかに、「はいはい。それも何度も見ました~~。結婚式のアクセサリー。」愛結美、「とにかく、コツコツとね~~。今の状況じゃ、毎日なんてとても無理。」菜帆子、「うんうんうん。」順平も、「ですよね~~。」とにかく、仕事がハード。フランスでのコンペ以来、業績も1ヶ月前より一気に加速。メンバーたちの残業も仕方ない状態。この時間、夜の8時にはなるが、残業しているメンバーたちもいる。もちろん、佐津香、小埜瀬は当然ながら。そんな中での何とか時間を作っての佐津香と小埜瀬の為に。そして、それは、佐津香、小埜瀬以外のメンバーたちにも、個々に振り分けられてはいる。もちろん、メンバーたち、快諾。「私にもやらせて。」の、声が続いた。某ホテルのカフェで…。「先生。お待たせしました。」ある人物。ひとりの外人を連れている。椅子に座ってコーヒーを飲んでいた人物。隣の人物から、「…………。」囁かれて、「いやいや。こちらこそ。初めまして。横井土と言います。」和やかな話で包まれているその空間。横井土、「えぇ、えぇ。その話は伺っております。何かしら、イタリアから発信されて、今やヨーロッパ全土までも、いやいや。素晴らしい限り。日本にもその内に、上陸と…。はは。まだまだ先の話だとも思うのですが…。」横井土と話しているのは、通訳を交えてのイタリア人である。「かっかかかかか。まっ。おかあさん、無理無理~~。菜帆子さんと愛結美さんの事だから~~。何度言っても全くやらせてくんないよ。」いつも通りに入浴を終えてのパジャマ姿の優維香、リビングで…。缶ビールを飲みながら、椅子に座って。「どっちにしても、おかあさん自身、それどころじゃないでしょ。挿絵の仕事もあるし~~。ニシシシシシ。」そんな優維香に佐津香、ソファに座ってパソコンを繰りながら、「まっ。確かにね~~。…でもさ~~。仕事以外は何もしていない瑛士さんにまで手伝わせてないんだよ~~。」優維香、ニコニコと。「だからさ~~。当然、そういう意味ではおかあさんと小埜瀬さんには、シークレットなんだよ~~。」ムッツリとしながらの佐津香。優維香、ビールを一口。「まま。とにかく、サプライズ。と、言う事で。」口を捩じりながらの佐津香、「しゃあないっかぁ~~。」当然ながら、自分たちの結婚式パーティ。佐津香と小埜瀬にだけは、とにかくシークレット状態。…なのであった。佐津香、優維香に、「それはそうと、あなたたちの方は…???…やっぱり、柏田さんちに…???」その声に優維香、缶ビールを顎に付けて、「うん。二世帯同居…もぉ~~。考えたんだけど~~。もぅ~~。先生が先生で、あの通り。もぅ~~。ウチにいらっしゃい、ウチにいらっしゃいって、最初っから凄かった。…で、仕舞には、来なきゃ、あんたらの結婚、私、認めないからね。…って、脅迫してくるし~~。」思わず佐津香、「クッ。…かかかか。」優維香、「まっ。冗談。では、あるんだけどね~~。でも…。確かに。シェアハウス。もぅ~~。楽しいったらないね。丁度、隆英の部屋の隣の部屋が空いてるから~~。私はそこで…。」 好きになれない。 vol,316. 順平、ドアを開けて、「こんばんは~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.12
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「…って言うか~~。かかかか。」圭衣子に菜帆子。「そんな…。結婚式って言う、大々的なのは一切なし。」圭衣子、目をパチクリと。「へっ…???」愛衣も、「あん。うんうんうん。確かに。せやな~~。佐津香さんくらいになったら~~。そないな結婚式場でバ~~ンと。なんてな。」メンバーの顔を見て、「もしかして…。こじんまりとした、パーティかなんか、考えてるんやない…???菜帆子~~。」菜帆子、間髪入れずに、「ビンゴ~~。」愛衣、いきなり、「かかかかかか。当たった~~~。」圭衣子、「えっ…???…そうなの…???」愛結美、「うん。まっ。佐津香さんと課長が決めた事だから、それに…、いきなり佐津香さん、ぐずぐずするのも嫌いだからって、結婚、3か月後なの。」いきなり圭衣子、「ゲッ!!!…3か月後…???」それを聞いて愛衣も、吉竹も、同時に、「ぶっ。」愛衣、目を真ん丸に、「うそっ!!!」吉竹も小埜瀬に、「マジでっ!!!…3か月後って。」佐津香、ニンマリとして、「ふふん。」小埜瀬は小埜瀬で吉竹に、照れながらも、「えぇ。」吉竹、後ろを振り向いて、「佐津香さん…???…って、3か月後って…。」目を丸く佐津香、吉竹に、「そよ~~~。」峻、焼き鳥を焼きながらに、武一に、「な…、何々…3か月後がどうしたって~~???」武一、「いやいやいや。ふたりの結婚式、6月だって。」峻、「ふ~~ん、6月ねぇ~~。…結婚式。…って…???…うそ―――――っ!!!」そして、「わちゃ。あちっ。…っててててて。」愛衣、「かかかかか。さっすが~~。佐津香さん。極めるわぁ~~。」峻、小埜瀬に、「はい…???結婚式、6月…???」小埜瀬、峻に照れながら、「えぇ。はい。実は。」吉竹、「しっかし…。参ったなぁ。…全く。」開いたジョッキを持ちながらの奈菜、「えへ…???…何々、何の話…???」峻、「佐津香と小埜瀬さん。6月に結婚だと。」奈菜、目をパチクリとさせて、「ふふん。6月~~。良かったじゃな~~い。」けれども奈菜も、「…ん…???…」そして、「うそ。6月…???…3か月後じゃん。い゛~~~???」奈菜、ビックリした表情で、「サ~~ッちゃ~~ん。」カウンターに空のジョッキを置いて、座敷に腰を低くして、「嘘っ。マジで6月…???…って、結婚式場~~~。」愛衣、その声に、「かかかかか。まっ。みんな、そう言うわ~~。なぁ~~。」佐津香、あらためて、「だ~~ってさぁ~~~。いきおいで、こんな感じになっちゃったから~~。どうせなら…。このまんまの勢いで~~って、感じで~~。」菜帆子、「課長がこっちに来て、かれこれ半年以上。なんだかんだね~~。」愛結美、「…で、菜帆子が、この際だから、ふたり、付き合っちゃえって。…それが見事。課長、佐津香さんにはねぇ~~。部長同様に~~。奥様には逆らえないっと~~~。」愛衣、その声に、吉竹を見て、「かかかかか。確かに~~。胡桃ちゃ~~ん。」そこまで言って、「せやけど、小埜瀬課長って、今、年齢って、幾らくらいやの…???」愛結美、いきなり両手でパン。「良くぞ聞いてくれました~~。愛衣~~。ふたり…、タメやで、タメ~~。」瞬間、愛衣、顔を伸ばすようにして、「うっそ~~~~。タメ…???」佐津香を見て、小埜瀬を見て。そして愛衣、小埜瀬に、「課長~~~。」顔を傾げて、にんまりとした顔で、「えぇ奥さまにおぅたな~~~。」いきなり菜帆子、愛結美、「かかかかかか。」「良く言った~~~。」佐津香もニッコリと。そして愛衣に、「おおきに~~。」圭衣子、「でででで…???…パーティ…って、何処で…???」菜帆子、愛結美、キッパリ。「ラスカ。」佐津香、その声に、「へっ…???…そうなの…???…その話は私も小埜瀬もまだ…。」そして小埜瀬を見て、「ねぇ。」小埜瀬、振り向いて、「はい…???」「私たちの…、その…。ラスカだって。」すぐさま小埜瀬、「お~~~。な~~るほど~~。うんうんうん。いいですね~~。ぴったりな場所じゃないですか~~。」その声に佐津香、目を丸く、口を窄ませて、「だ、そうです。」吉竹も、「いやいやいや。恐れ入ったね~~~。」それから1週間後。マーケティング事業部、メンバー全員に、朝のミーティングで…。吉竹、「え~~。それから~~。…例のセリーナ・レイの研修の件なんだが。今後の準備なども含めて、凡そ、6月頃になると…。」その声にメンバーたち、「わ~~お~~。」菜帆子、愛結美、「…と、言う事は~~。佐津香さんと課長の…。」顔を見合わせながらも。そして、順平も、「もしか…したら…、タプる…???」吉竹、「確定した日程は、まだまだ、これから調整との事だ。ただ…。セリーナ・レイの方でも、こういうケースは珍しく、こっちに来る研修の社員たちも必死で日本語勉強している。との事…。」 好きになれない。 vol,315. 「結婚式って言う、大々的なのは一切なし。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.11
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理江子、「実は、今、セリーナ・レイの営業統括部長と話をしたんですが…。何やら先方さん、研修チームを立ち上げたらしいんです。」佐津香、「研修チーム。」「その研修チームの中に、日本も含まれていて、その日本の研修先を、エレガンサ化粧品として、申し入れて来ました。」瞬間、メンバーたち、「え―――――――っ!!!!」すぐさま、「社長の返事は。」佐津香、「当然。GO。願ってもないチャンス。」その声に理江子、「その通りです。」佐津香、真顔で、「何てったって、世界ランキング2位だからね~~。」菜帆子も、愛結美も、「うんうんうん。」メンバーたち、「凄~~ご~~。」佐津香、電話に、「但し。」理江子の声。「えぇ。佐津香さんのご懸念の通り。…こちらには、英語を話せる人材が…。」菜帆子、愛結美、「あ。」小埜瀬、「あ。…でも。」小埜瀬、佐津香を見て。理江子、「えぇ。その通りで。もしかしたら課長、日本に来るくらいだから、少しでも日本語が…。と…。」小埜瀬、その声に、「えぇ。」その考えに佐津香、小埜瀬を見て、口パクで、「ビンゴ。」小埜瀬、ニッコリと。電話から理江子の声。「既に、片言でも日本語を話せる研修生で臨むとの事です。」小埜瀬、椅子には座らずに、右手拳で、「ナイス。」またまたメンバーたち、「凄~~ご~~。」愛衣、佐津香に。そして菜帆子と愛結美、順平、小埜瀬に、「コンペからの波及ね。」小埜瀬、電話に、「理江子さん。ありがとうございます。部長には。」「あ、はい。吉竹部長には、私の方から。」小埜瀬、電話に一礼して、「重ね重ね。ありがとうございます。」理江子の声。「では。お疲れ様です。」「はい。」プツリと通話は切れる。小埜瀬、メンバーを見ながら、「何と。」両手を軽く合わせて、パン。佐津香、菜帆子、愛結美、順平、「うん。」メンバーたちもにこやかに。そして…。部署内の電話が鳴り始める。愛結美、「さて。」順平、「始め。ますか。」佐津香と菜帆子、愛衣に、「愛衣。」愛衣、小埜瀬の机の上に置いた紙袋を。「あ。これ、皆さんで。」愛結美、「あん。ありがとう。…で…???…これから…。」「まずは、ホテル。後は準備と~~。少しは、のんびり。」佐津香、菜帆子、ニコリと、「うん。」「う~~っそっ!!!…マジで…???」目を見開きながらの愛衣。口の中でモグモグと。そして、口に左手を当てて。「かかかかか。まっ。そういう事だ。」吉竹。カウンターで、小埜瀬と一緒にビールを…。そのカウンターの後ろにある座敷で、愛衣を囲んでの佐津香と菜帆子、そして愛結美と順平、圭衣子。「何やねんなぁ~~。…せやったら、順平、佐津香さんに先、越されたやんか~~。なぁ~~~。」メンバーを見回しながら。「もぅ~~。沙良と早く結婚、思て、待ってたんやけど~~。」そして愛衣、ムッツリとした顔で順平を睨んで、「こら、順平、何してんねんなぁ~~。アホか。んもぅ~~。」順平、愛衣に平謝りに…。佐津香も菜帆子も、愛結美も圭衣子も、そんな順平を見て可笑しくなり、そして和やかな気分になって、少し酔いが回っている様子で、「ははははは。」菜帆子、「うんうんうん。久しぶりに聞いた、その関西弁。」愛衣、そんな菜帆子にニッコリと。「せやろ。」小埜瀬、話を聞きながらに、吉竹に、「いや。凄いですね~~。大阪の人。関西弁。」峻も、座敷を見ながら、「へへへへ。」奈菜、「はいよ~~。愛衣ちゃ~~ん、生~~。」愛衣、「あん。おおきに。峻ちゃ~~ん。奈菜ちゃ~~ん。大好きやで~~。」そしてふたりに投げキッス。峻も奈菜も、「ん~~~。ははは。受け取ったよ~~。」小埜瀬、後ろを見て、「しかも、酒、強っ。これでもぅ、5杯目。」目を真ん丸に。吉竹、「かかかかか。数えてましたか。」そんな小埜瀬を見て佐津香もニコニコ顔。吉竹、「それにしても、驚いたね~~。セリーナ・レイ。由利塚から電話来て、何の事かサッパリと。何々、話を聞けば、コンペのあの、当事者の名刺。それだけで。」小埜瀬も、「いやいやいや。僕もビックリです。ま、確かに、あの時、フランスで、かなりの人と名刺交換しましたから。…って、みんな…、日本語、漢字なんですけどね。」吉竹、「…って言うか…。小埜瀬さん。その後、酒飲んで、倒れるって…。」その声に、小埜瀬、「あ、いや。それ…。今、全然ないです。…と、言うか、そういうの…。あの時みたいに…、みんなで…って、機会が…。」愛衣、佐津香に、「佐津香さん。本当におめでとうございます。」佐津香、愛衣に、丁寧に頭を下げて、「ありがとうございます。」愛衣、メンバーたちを見て、「…で…???結婚式は…???」その声に菜帆子と愛結美、「あ、はい。しっかりと。」順平も、「うん。」圭衣子、「えっ…???…そうなの…???」菜帆子、「モチ。」好きになれない。 vol,314. 佐津香、「研修チーム。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.10
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話を聞きながらに理江子、「え、え~~。…確かに。…でも…。セリーナ・レイが、どうして…。」愛衣、受話器を持ちながら、「よろしいかしら、先方の、連絡先だけど…。」燈子、隣にいる圭衣子に、「凄いの、課長、英語、ペラペラ。」千優も、「うんうんうん。」圭衣子、「はは。そりゃそうでしょ。愛衣さん、あぁ見えて、英語出来るんだもん。大学時代に、アメリカに短期留学したくらいだから。」いきなり燈子と千優、「え―――――――っ。知らなかった~~。」「…って言うか。」圭衣子、「マーケティング事業部だって、愛衣さんが英語出来るの、知ってるのって、佐津香さん。菜帆子さん。愛結美さん…???…それと~~部長と、私。…くらいかな~~。まま。本人も、私、英語できます~~。なんて、わざわざ自分から言って自慢するような人でもないし。まっ。元々大阪出身だから、飲んだら関西弁、丸出しなんだけどね~~。まっ。大学、卒業してから長いけど、まだまだ英語は、喋れるんじゃないのぉ~~。大阪の実家の隣には、ニューヨークの家族がいるって言うから。大阪に移住しているそうだからね~~。それが英語が話せる切っ掛け~~。」燈子と千優、「凄~~ご~~~。」受話器を元に戻して愛衣、佐津香に、「とにかく、佐津香さん、久し振り。」佐津香、愛衣とハグして、「うんうんうん。」菜帆子も愛結美も、同じようにハグして、「う~~ん。懐かしい~~。元気だった~~~???…ははははは。」中々、中に入ろうとしない小埜瀬。中々馴染めない雰囲気に…。菜帆子、小埜瀬を見て、「はは。課長。中々、馴染めない。」小埜瀬、恥ずかしそうに、「あ。はは。いや…。はははは。」愛衣、再び小埜瀬に一礼をして、「これからも、マーケティング事業部。みんなを、よろしくお願いします。」そんな須賀野谷に小埜瀬、困ったような笑顔で、「あ、いや…。いやいやいや。そんな…。はははははは。」そして愛衣、順平に、「順平。」愛衣に直立になって順平、「あ。はい。」「当然、頑張ってるでしょうね~~。」ニッコリと。「ふふ。」順平、照れながらも、「え、え~~。はい。」「しっかりと、情報は流れて来てるんだから、頑張んな。」愛結美も菜帆子も、そんな順平を見て、「ふふ。」愛衣、「あ。ところで、部長は~~???」愛結美、愛衣に、「はい。しっかりとあのコンペ以来、部長、あっちこっちで、とにかく出張だらけ~~。かかかかか。とにかく、日本全国だから~~。ある意味、社長命令でもあるんだけどね~~。一昨日から広島行ってる~~。今日の午後には東京到着予定~~。」愛衣、「そっか~~~。確かに。あれだけの偉業だもん。忙しいよね~~。」愛結美、「その偉業の主が、今、目の前にいらっしゃいますけど…。」愛衣、いきなり口に両手を。「わっ!!!」そして小埜瀬に向かって、深々と頭を下げて、「申し訳ございません。一番の当事者を目の前に。」いきなり小埜瀬、頭を頻りに左右に振って、「いやいやいやいやいや。いや。とんでも…。…って…。かかかかか。…けど…。僕もあの時は、緊張のあまり、良く、覚えてないんですよ。もぅ~~。自分でも何を言ってたかって、点で、思い出す事が…。ま。確かに。シナリオはあったんですけど…。後々、そのシナリオを見ても、自分で、よくこんなの覚えられたなって。」菜帆子、「…と、言うか~~。課長、あの状況で、良くぞまぁ。あんなにアドリブ、3分の1は、アドリブでしたけど。…けど、そのアドリブにみんなが、感動しまくりで~~。会場のみんななんて、もぅ~~。目から鱗。」菜帆子、佐津香を見て、「理江子さんと佐津香さんなんて、涙ボロボロのガッツポーズ。」愛結美も、ニコニコと、「だったんだって~~。私も後で、それ、菜帆子から聞いてびっくりして~~。課長は、覚えてないかも知れないけど~~って~~。」愛衣、「さすがに、仙台でのプロジェクトチームのエース。素晴らしい~~。」小埜瀬の机の電話が鳴る。瞬間、メンバーたち、「うん…???」「はい。マーケティング事業部、小埜瀬です。」そして、「あ、はい。お疲れ様です。」受話器に左手を小埜瀬。「理江子さん。」そして、「あっ、理江子さん。ちょっと、すみません。みんなにも。」小埜瀬の耳に、「えぇ。構いません。お願いします。」小埜瀬、スピーカーを。そして、「お願いします。」「小埜瀬課長。そして、愛結美さん。菜帆子さん。佐津香さん。そして、マーケティング事業部のみなさん。今回、少々、厄介な展開になるかも…、知れません。」メンバーたち、「厄介…。」愛衣も佐津香を見て顔を傾げて。愛結美、「どういう…。」 好きになれない。 vol,313. 佐津香に、「とにかく、佐津香さん、久し振り。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.09
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そして、立て続けに英語での声。いきなりビビりまくりの燈子、「あ。い。いや。やややややや。え~~~。英語~~~~。」その声にコーヒーを飲んでいる千優もいきなり、「ぶっ。う~~~っそっ!!!」「ててててて。ちょっと~~千優~~。」困り果てる燈子。その声に千優も、右手を振りながら、「いやいやいやいやいや。英語。私、無理。」そして燈子、周りを見ても、「もぅ~~~。誰もいないし~~~。あ~~ん。」そして、受話器に、「あ、あい、アイムソーリー。ナウ、ヒア…。」ドアが開く。そして…。「失礼…します。…あら。誰も…いな。」そして、遠くの席で、「あら。」受話器を持っている燈子を見て、「燈子ちゃん…???」千優、入って来た人物を見て、「うそ。」燈子、すぐさま入ってきた人物に大きく右手で招き猫。その仕草に、その人物、「うん…???」右手には手提袋。そして、左肩にはショルダーバッグ。燈子に近づいて、「どうしたの…???」燈子、すぐさま、「課長、いや。部長、電話、電話。英語。英語。」現れた人物。須賀野谷愛衣(すがのやあい)である。愛衣、すぐさま受話器を持って、受話器に、「Hellow。」そして、流暢な英語を…。燈子、ガクッとしながらも、「助かった~~~。」と、そこまで言って燈子、愛衣を見て、「えっ…???…課長、英語…。」千優も驚いて、「凄っ…。英語、ペラッペラ。」愛衣、そんな燈子を見てニッコリと。そしてまた、話し込む。そして、「Thank you so much.……。Have a nice day!」通話は切れる。そこへ。お昼休みから戻ってきたメンバーたち。ドアを開けて、「へっ…???」愛衣、ドアの方に顔を。そして、ニッコリと、「ハイ。お疲れ~~。」メンバーたち、「わ~~お。」「課長~~。あ、いやいや。部長~~。」「須賀野谷さ~~ん。はははは。久しぶり~~~。」賑わうトラディショナル事業部。小埜瀬、そして佐津香も菜帆子も愛結美も順平も、顔を見合わせて、「…ん…???…なんだか…。」「うん…???」「賑やか…。」「うん。」順平も、「うん。ヨッ。」そして椅子から立ち上がり…。小埜瀬や佐津香、菜帆子に愛結美もその後ろから…。そしてドアを開けて。すぐさま佐津香、「え――――――――っ!!!」菜帆子も、「うそ。」愛結美、「えっ…???…えぇぇぇぇぇ~~???…どういう事~~???愛衣~~???」メンバーたちも大喜び。何とも和気藹々に。愛衣、佐津香とハグして握手。菜帆子とも愛結美とも同じように。佐津香、愛衣に、「ふふふ。頑張ってる~~???」その声に愛衣、「まっ。何とかね~~。かかか。東京本社。とにかくコルフス・デレーニョコンペ。おめでとう~~。」その声にメンバーたち、また歓喜。佐津香、菜帆子、愛結美、順平、「ありがとうございます。」そして、愛衣、初めて見る男性に。佐津香、小埜瀬に愛衣を。「新しいマーケティング事業部課長の、小埜瀬瑛士さん。」すぐさま愛衣、「お噂は兼ねがね、伺っております。コンペも拝見しました。物凄い人って…、大阪ではもぅ~~。大絶賛でした~~。」そして。「初めまして。須賀野谷愛衣と申します。元々はこちらで…。そして、今は大阪で。」小埜瀬も、一礼して、「はい。お話は伺っております。お疲れ様です。」菜帆子、「愛衣さん。こっちには…???」愛衣、「うん。こっちで、部長以上の会議があってね~~。いろいろと準備もあるだろうからって支社長から。1日早めにこっちに。」愛結美、「へぇ~~。そうなんだ~~。」愛衣、「あっと。ゴメン。由利塚さんに連絡…、取れる…???」佐津香、「あ、うんうんうん。へっ…???…どうしたの…???」机の電話の受話器を…。愛衣、「あん。今…。」顔を傾げて、「多分…、アメリカから…、だと、思うけど…。あの電話の音…。」佐津香、プッシュボタンを。「アメリカ…???」メンバーたちもソワソワと。小埜瀬、何かしら、落ち着きのない様子で…。そんな小埜瀬を見ているメンバーたち、思わずクスクスと。愛衣、思わず、「うん…???」佐津香、「あ、理江子さん…???」電話の向こう、理江子、「あ、はい。」佐津香、愛衣を見ながら、「今、ちょっと代わりますね。」愛衣に。「はい。」愛衣、受話器を受け取って、「もしもし。すみません。大阪支社の須賀野谷です。」理江子、いきなりの声に、「あ~~。はい。お疲れ様です。もぅ東京に。」愛衣、受話器に、「はい。お疲れ様です。あの、今さっき、何かしら、アメリカから電話が…。」「アメリカ…???」「はい。ただ、私、状況、飲み込めなかったものですから。…けど…。相手の方は、セリーナ・レイ(Serena・Ray)。」瞬間、佐津香と菜帆子、そして数名のメンバーたち、「うそ。」理江子も、「セリーナ・レイッ!!!」「こちらの方から折り返し、電話します。とは、言っておいたんだけど…。由利塚さんじゃないと、英語…。…とにかく…。私は、部外者なので…。」 好きになれない。 vol,312. そして、立て続けに英語での声。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.08
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佐津香、そんな優維香に両腕を高々と上げて、「優維香~~~。」瞬間、優維香、「あは。うんうんうん。」そして、母に。佐津香、自分の体に来てくれた優維香を抱き締めて、「ふふふふ。私の大切な娘~~。結婚、おめでとうだよ~~。」母を抱き締めながらも優維香、「うん。ははは。おかあさんも、おめでとう~~。」佐津香、優維香の背中に右手でパンパンと。「はは。良かったね~~。うんうんうん。」優維香を思いっきり抱きしめて、「愛してるよ~~~。」友望、優維香からの電話に、「うそ。ホント…???」優維香、「うん。」「いいのね。」「お願いします。」優維香の傍でスマホでの話に耳を傾げての悠里、優維香を見ながら、ニコニコと。「うんうんうん。」そして、通話は切れる。悠里、優維香とハグしながら、「やった~~~。かかかかか。」そして…。こちらでは…。菜帆子と愛結美、そしてコンビニのパンを食べながらの順平。「う~~っそ。」「ほんと。」「いやいやいや。何と~~。」佐津香、小埜瀬に、「ねっ。」小埜瀬、佐津香の作った弁当を食べながら、「えぇ~~。…って、いや。僕も、驚きまして。まさかって。…まぁ…。優維香さんのとこも、あれこれと、友達が先にグィグィと。」菜帆子、その話に思わず可笑しがりながら、「ははははは。」箸を持った右手を口に、「ははははは。じゃあ何、優維香ちゃんの方も、私たちみたいじゃない。取り巻きの方がよっぽど~~~。」佐津香、クスクスと。「まぁね~~~。…って、菜帆子、自分たちの事、普通、取り巻きっては、言わないでしょう~~。私たち、別にお金がある訳じゃないから~~。」順平、「かかかか。確かに。僕たち、権力もありませんからね~~。」菜帆子、変顔をして、「あ、そっか。」愛結美、「でも、何とまぁ~~。6月の18日に予約をねぇ~~。」「しかも…。ジョエルの社長さんの娘さんが勤務しているホテルでって~~。段取りが、かかかかか。トントン拍子。」順平、「凄いっすよね~~。」「しかも、そのホテルで、隆英さん。課長の息子さん。」菜帆子、愛結美、順平、「うんうんうん。」「日本に来てシャアハウスに入るまで宿泊していたホテルって言うから~~。何とも繋がってるわ~~~。」小埜瀬、弁当を食べ終わって、「うんうんうん。全くだ。」そして、弁当に手を合わせて、「ご馳走様でした。」そして、隣の佐津香に、「ご馳走様でした。」佐津香、コクリと。「お粗末様でした。」菜帆子、佐津香に、「どうよ。毎度、弁当を作ってくる。どんな感じ…???」瞬間、佐津香、目をパチクリと。「うん…???」思わず菜帆子を見て。そして、ニッコリと。「楽しい~~~~。」菜帆子、いきなり噴き出して、「かっかかかかかか。これは~~~。申し訳ない。野暮でした~~~。」クスクス笑いながら愛結美、菜帆子の左肩に右手を。そして、「かかかかか。確かに。」そして順平に、「順平、今度はあんたの番。」いきなり振られての順平。すぐさま菜帆子を見て、「…って、言うか、それより菜帆子さんでしょう~~。こんなに奇麗なのに~~~。」いきなり佐津香、「おっと順平。」菜帆子、いきなり順平に口を真一文字に。そして目を真ん丸に。佐津香、「あんた、それ、ヒット~~~。」いきなり菜帆子、佐津香を見て、「もぅ~~~~。」愛結美、菜帆子に、「…って言うか、ほんとに、誰もいないのぉ~~~???」すぐさま菜帆子、愛結美に、「それ、マーケティング事業部の女性、全員に言っちゃって~~、愛結美さん。鬼の目で見られるよ。」瞬間、愛結美、目をパチクリとさせて、「おっと。前言撤回。」佐津香、口に手を。「ぷっ。」「…で…???…で、で…???」愛結美。佐津香と小埜瀬に、「ねね。…と、言う事は、今後…、どうなっちゃうの…???…柿崎家…。課長と佐津香さん、同じ、屋根の下…???」「あん。」佐津香、「それはもぅ~~。前々から話はしてあるの。課長の場合は~~。一軒家と言っても、賃貸だから~~。私の家に、お引越し~~。」「…に、なります。はい。」小埜瀬。菜帆子も、「うんうんうん。まっ。その方が~~。佐津香さんも、男手があった方が。」愛結美も、「うんうん。確かに。それに…。ふたりともに、車の運転も。」順平、「なるほど。あっ。でも…、佐津香さん、娘さんは…。」佐津香、「あん。それは…。まだ…。何れにしても、ふたりの考えに任せる事になるけど…。」一足早く外の食事から戻ってきていた燈子と千優、自分たちの席でお喋りしながら…。小埜瀬の席の電話が鳴る。燈子、「あ~~っと~~。課長、まだ外でお昼~~。」そして燈子、電話に。「お待たせしました。エレガンサ化粧品、マーケティング事業部、赤枝です。」するといきなり、「Hellow~~。」 好きになれない。 vol,311. 「申し訳ない。野暮でした~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.07
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スマホでの通話を終えての優維香、母に振り向いて、「ねぇ、おかあさん。」佐津香、パソコンから顔を上げて、「う~~ん~~???」ソファに近づきながら優維香、「おかあさんと~~。小埜瀬さん、確か、おかあさん、6月には結婚って…、言ってたよね。小埜瀬さんに私、初めて会った時に、3か月後には結婚って、おかあさん。」佐津香、僅かに顔を上げて、「あ~~。うんうんうんうん。そうだけど…。…どして…???」優維香、「あ~~~。うんうんうん。…って言うのはね~~。…実は~~。」励治、書斎からリビングに。いつもなら麗子と一緒にいるはずの賀寿恵がいない。「おや。賀寿恵は…???…もしかして…、ひとりでまだ仕事…???…あんまりこき使わんで。たまには解放してやったらどうだい。おまえさん、いつも…。」その声に麗子。紅茶を飲みながら、ニッコリと。「ふふん。ご心配なく。」そして、僅かに頭を傾げて、「…それにしても、あの子にも、驚いたねぇ~~。はははははは。」励治、そんな麗子を見ながら、「ふ~~~ん~~???」優維香、目を真ん丸にして母に、「へっ…???…いいの…???」佐津香、目をパチクリと。「いいも何も。おかあさんだって、あんたに何も相談なく、自分でトントンと決めちゃってるんだから~~。仮にもあなたの新しい父親になる人との事だよ~~。事前に話すのが当然。…だったんだけど~~。まま。おかあさんもね~~。何だかんだ、あれこれと~~。他に考える事も~~。あれこれと~~。おかあさんも、あんたに、小埜瀬とのおつきあいの事、全~~ったく話もしないで、いきなりだったからさ~~。幾ら親子と言えども、フェアじゃないでしょ~~。」そして、「まっ。とにかく、こうなってしまった以上は、どっちにしても、自然に、そういう事になるってのは、一般的でしょ。誰が何と言っても~~。おかあさんの場合は~~。もぅ、菜帆子に愛結美さん。それに順平に丸投げだから~~。3人も3人で、勝手にお任せされちゃってるみたいだし~~。おかあさんからは、何も言わない。それによ。」佐津香、「おかあさんの場合は~~。まま、確かに、おかあさんが最後に決めたって言うのはあるんだけど~~。正直、小埜瀬と付き合いなさいって言われたの、菜帆子からだからさ~~。」優維香、キョトンとして、「へっ…???…うそ。キューピットじゃん~~。菜帆子さ~~ん。」「そうだよ。あの人がいなかったら~~。おかあさんと小埜瀬の今は、ない。もぅ~~。グィグィと来たからね~~菜帆子~~。まま。そういうのが、敢えて、必要な場合もあるの~~。おかあさんも初めてそういうの、知った~~。」優維香、「う~~っそ~~~。何々。じゃあ~~。私と隆英さんのと同じじゃ~~ん。」その声に佐津香、優維香を見て、「へっ…???…うそ。そうなの…???」「私のは~~、悠里~~。」「おやまぁ~~。あらあら。悠里ちゃん。」「ついこの間だよ~~。いきなりなんだも~~ん。」佐津香、優維香を見て、「ふんふんふん。」「横井土さんの家からの帰り道~~。」佐津香、コクリと。「うんうん。道玄坂~~。」「…でぇ~~。いきなり、私と隆英さんの事になって~~。いきなりだよ、いきなり。…で、すぐに電話するんだから~~。」「…って、誰に…???」「友望さ~~ん。」佐津香、顔を傾げて、「友望さん…。はて…???…あぁ~~~。うんうんうん。麗子さんの娘さん。うんうんうん。知ってる、奇麗な人~~。…確か。…今、彼女、ホテル。」優維香、「うん。ホテルのホテルエ。…で、いきなり、6月って空いてる…???…って。」いきなり佐津香、目を真ん丸に、口をホの字にして、「ギョッ。」優維香はムッツリとして口を尖らせて。ゆっくりと佐津香、顔を戻して。目だけ右左に。「…て、事は~~~。」優維香、「さっき、おかあさんに言った、私と隆英さん、6月の18日~~~。」いきなり佐津香、表情を変えての、「かぁ~~っかっかっかっか~~~。わ~~~お。かかかかか。…で、で…???…6月の18日に決めたんだ~~~???…さっき、言ってたけど~~。うんうんうん。」優維香、「うん。そぉ。」佐津香、「あん。それでか~~。さっきの電話~~。」ソファに座りながら優維香、「うん。隆英さんはおとうさんにはもう話して、了解は貰ったって。」佐津香、「当然。今迄ね~~。親子の関係って…ないに等しい。それがいきなり、今や東京の空の下~~。お互いに、介入は~~。まっ。お互い様で。俺は俺。の、あの人たちでしょう。」そして佐津香、「優維香~~。」優維香、そんな母に、「うん…???」佐津香、右手で優維香を招き猫。優維香、顔を傾げて、「うん…???」そして立ち上がり…。 好きになれない。 vol,310. 母に振り向いて、「ねぇ、おかあさん。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.06
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待ち合わせのレストランで…。「えっ…???…おかあさん…???」優維香。隆英も、「おや。」佐津香、店に入ってきた優維香と隆英に椅子に座ったままで右手を。隣には瑛士が。優維香、席に近づき、「おかあさん。」隆英も、「これは、これは…。先日は。」佐津香、隆英にお辞儀をして、「こんにちは。この間はどうも。瑛士さんから優維香と会うって聞いて、それなら私もって…。」瑛士、「…と、言う訳で…。」隆英、「何と。」瑛士、「とにかく。」椅子に座るように。優維香、「あ、あ。」隆英、優維香、椅子に座り…。瑛士、優維香に、お辞儀をして、「優維香さん。ありがとうございます。」いきなりの声に優維香、「あ。」隆英を見て…。隆英、「親父。」瑛士、「いや。先日、佐津香さんからも聞いて、いや。びっくりも何も…。まさかって…、思って。とんでもなく、驚きました。けど…。」再び瑛士、優維香に頭を下げて、「何度も言いますが。ありがとうございます。」優維香、目をパチクリと。「あ、いや…。私の方から、小埜瀬さんには、ご報告と思って。ちょっと…、時間に遅れてしまいましたけど…。お待たせして…。」すぐさま瑛士、顔を横に振り、「いんや~~~。そんな。」そして、佐津香を見て、「ねぇ~~~。」佐津香、「優維香、隆英さん、おめでとう。」隆英、佐津香に、「あ。はは。はい。ありがとうございます。」佐津香、「ささ。お飲み物。とにかく、乾杯しましょ。」ひとりで歩きながら…、悠里。「ふぅ~~~。はは。今頃優維香と旦那~~。美味しいの食べてるんだろうな~~~。はははは。」僅かに目を潤ませながら…。「はは。おめでとうだよ。良かったね~~。相棒~~。」バッグの中のスマホに着電。「おっと。…はい…???…もう報告の電話~~。そんな…いきなり。…って、早いだろうって…。」…けれども、画面を見ると…。途端に悠里、「うそ。」そして…。2日後には…。道玄坂にある、ネイルハウスとなる物件に訪れての優維香と悠里。そこで倉松那南(くらまつやすな)、芥子菜瑠璃(からしなるり) 榎本樹美(えのもときみ)の、道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)の3名と再会。お互いに握手。樹美、優維香の右手を両手で握り、頭を下げながらも、「この前は本当にごめんなさい。まさか横井土さんと繋がりがあるなんて知らなくって。資金が調達出来ないととにかく事業が前に進まない。伊玖伊那の梶もそれならどうしようもないって、今回の件は身を引くしかないようね。って。幾ら、再従姉妹とは言え、私も考えがちょっと足りなかった。今回は、反省するわって。ビジネスはビジネス。あなたも新天地で、頑張んなさいって。」その声に優維香、樹美の手を自分も両手にして握り返し、「ありがとうございます。全力で、サポートさせていただきます。」悠里もニッコリと、「はは。や~~った~~。」そして…、物件の中を見ながら、見取り図とデッサンを併せ持って、優維香と悠里、3人に案内されながらも、「へぇ~~~ぇえ~~。」それから3日後には。悠里、優維香に、「はいはいはい。旦那とよろしくどうぞ~~。」そんな悠里に優維香、「あん。そんなんじゃないってば~~。数週間、柏田さんのとこ、行ってないから~~。先生から一緒にみんなと食事でも~~って、誘われたの~~。友望さんも一緒だから、悠里も連れて来てよって~~。」そんな優維香に悠里、ケラケラと笑いながら、「いやいやいや。それこそ野暮ってもんでしょう~~。これから結婚に向かうってふたりの…、中に割って入る訳には、行きませんよね~~。まっ。友望の場合は、既に既婚者だから~~。そ辺は別~~。ねっ。」右人差し指を右頬に。そしてツン。と。「まっ。とにかく、楽~~のしんでらっしゃい。私は先に、帰ります~~~。じゃね~~。」優維香、そんな悠里に、「もぅ~~。ごめんね~~。」そして…。その、1時間後には…。悠里、ある店のカウンターに。「ごめん。ごめん。どうもすみません、遅れてしまって。」悠里の目の前の人物。悠里を見て、「あ、いや。僕も今、来たばかりですから。」悠里、その声と顔に、ニッコリと。そして…。「ふぅ~~~。サッパリした~~~。」パジャマ姿にバスタオルを首に掛けての優維香。佐津香、ソファでパソコンを使いながら、「あ、優維香~~。スマホにラインで電話来てたよ~~。隆英さんみたい~~。電話してあげて~~。」優維香、「あ~~。うん。」そして…。スマホで話をしながら、「うそ。言ったの…???…うそうそうそ。」その声に佐津香、遠目で、「うん…???」優維香、スマホからの声に口を窄めて、「うそ。へぇ~~~。なんと。さっすが。……うんうんうん。じゃあ~~。分かった。うん。言ってみる。」 好きになれない。 vol,309. バスタオルを首に掛けての優維香。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.05
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スマホから友望の声。「まま、いろいろとある訳で~~。特に。気候が良い事~~。」悠里、「あっ。」優維香も、「そっか。」「そして~~。」友望。「何と言っても、これ。紅葉が美しい。見どころ。そして、実に、祝日が多い。」声を聞きながらにして小埜瀬、「おほほほほほ。なるほど。」悠里も優維香も、「うんうんうん。」優維香、「確かに。」すぐさま自分のスマホで。「そして。」友望。「なにより。いい夫婦の日。」悠里、「わ~~お。な~~るほどね~~。」チラリと優維香を見て。「かかかかか。優維香、祝日、探してるよ。」小埜瀬、いきなり首を左後ろに、「えっ…???」優維香、小声で、「うるさい。…あ。けど…。6月か…。」悠里、そんな優維香に、「おぃ。」友望、「でぇ~~。今、見てると~~。6月~~。」友望、優維香、同時に、「18日。」「18日…???」悠里、「おっと。」小埜瀬も運転しながら、「おや。」友望、「わお。優維香さん。ビンゴ~~。…ま。今のところ、6月、11日の日曜日と~~。18日の日曜日。そして、24日が日取りも良いんだよね。但し、11日は先勝、18日と24日は共に大安。…因みに、24日は、土曜日という事もあって~~。午前午後、両方埋まってる~~。けど~~。18日は~~。午前中に1件あるだけ~~で、午後はなし~~。予約、入れちゃうよ~~。」悠里、「了解、お願い~~。」小埜瀬、「…って。悠里さん。いやいやいや。」優維香も、「ちょっ、ちょっとお~~。悠里~~。」悠里、「いいじゃん、いいじゃん。…んもぅ~~。いつでもキャンセル、出来るんだから~~~。今の内~~。おかあさんからは結婚OK出てんだから~~。」スマホから、「わ~~お。ははは。優維香さん、おめでとうございま~~す。」優維香、思わず、恥ずかしくなり、「あ、いや…。…って…。まぁ…。その…。」小埜瀬、「6月…18日…ですか…。」悠里、その声に、「ほ~~ら。旦那様の方が~~。」優維香、「いやいやいやいや。だから~~。んもぅ~~。隆英~~。」友望、「あら。名前で…。もぅ~~。」悠里、「おほほほほ~~。そうなんですの~~。」「チーフ殿。」小埜瀬。「この際。…まっ。会社でも、僕らの事は。」悠里、ニコニコと、「うんうんうん。」小埜瀬、運転しながら、「僕だって、親父が結婚するなんて事、いきなりだったですから、それに、親父だって、僕が柿崎優維香と結婚。申し分なしって言われたくらい。それが…、今、結婚式の日取りを僕らで決めたとしても、特に。…親父としては、何も別に。」優維香、スマホを持ちながら、「いや…。確かに。…それは…。まぁ…。そうだとしても…。…でも…。…リーダーのおとうさんに…、直接会って…。」悠里、「報告ね~~~。まま。うん。」そしてスマホに、「友望~~。今の、聞いた~~???」スマホから、「はい。しっかりと~~。何れにしても、お話は賜っておきましたから。隆英さんの父上にご報告した後に、再度、私の方に連絡という事で。」優維香、小さな声で、「わ・か・り・ました。」いきなり悠里、「かかかかか。一丁上がり~~。」優維香、悠里を睨み付けて、「悠里っ!!!」悠里、舌をチロリと出して友望に、「友望~~。サンキュ~~。じゃね。」スマホから、「うん。ありがとうね~~。」小埜瀬、バックミラーを見て、「いやいやいや。悠里さんにはもぅ~~。はははは。やられっぱなしですね~~。」悠里、またもや、「あったりめぇよ~~。」優維香、スマホのラインに、「…ったくもぅ~~。ふん。」そして…。机の上のスマホが鳴る。真宮、「おっと~~。菜瑠美は…???」そして、「…ん…???…」画面を見て、「優維香。」真宮、辺りを見て、「遼子~~。池辺のスマホにラインの電話~~。優維香から~~。おま、出てくれ。」遼子、「あ、あ、あ~~。課長…。トイレかな…。あ、はい。」そして、「あ、はい。チーフ、お疲れ様~~。」優維香、「あ、あれ…???…遼子…???」悠里、優維香を見て、「うん…???」遼子、真宮の前で池辺のスマホに、「あ~~うん。多分、課長、今、トイレかどっか…。…あ、ちょっと待ってね。部長に代わる~~。」優維香、「あん。うん。お願い。」遼子、スマホを真宮に。真宮、「おぅ。」そして、「お疲れ~~。例の…、横井土さん…???」優維香、「えぇ、はい。」そして真宮、話を聞きながら、「はは。そぅか~~。」部署に戻ってきた池辺。メンバーたちから、「あ、課長。」池辺、自分の席で立ちながら電話をしている真宮に。真宮、「おっと。今、池辺、戻ってきた。おまえからもう一度。」スマホから優維香、「あ。はい。分かりました。」池辺、真宮に頭を。「すみません。電話。」遼子、「あ。最初、私、出たから。チーフから。」池辺、「うん。ありがと。」真宮、スマホを池辺に。池辺、スマホを受け取って、「すみません。…もしもし、ごめんなさい。池辺です。」 好きになれない。 vol,308. 「優維香さん、おめでとうございま~~す。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.04
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悠里、「とにかく。材料は揃ったよね。」優維香、その声に、「うん。」小埜瀬も、「確かに。」優維香、「あっと。課長に電話。」「…で…???…小埜瀬の旦那様~~~。」その声にスマホをバッグかの優維香、ドキン。小埜瀬、運転しながら、「悠里さん…。」いきなり棘のある声。優維香、横目でチラリと悠里を見て、「バカ。」いきなり悠里、こちらも優維香をチラリと見て、「バカって言う事はないでしょう~~バカって~~。こう見えて、優維香とリーダーの事、一番心配してんの、私なんですからね~~。」口を尖らせて。小埜瀬、思わず、「いやいやいやいや。」優維香も悠里を見て、グンニャリとした顔で、「ヌ~~~~。」悠里、口を真一文字にして頭をゆっくりと右に、そして左に。「さてさてさて~~???…このふたりの結婚はどうなります事やら~~。」シートに背中を深く。…そして、「だ~~って~~。おかあさんには報告してOK出たんでしょうよ~~。」小埜瀬、その声に、「おや。」悠里、「もぅ知ってます~~~。」小埜瀬、「そりゃどうも。まっ。確かに。悠里さんには、隠し事は、無理のようですね~~。」その声に悠里、ニコリとして、「あったりめぇよぉ。何年も相棒やってっかんねぇ。」小埜瀬、一度バックミラーを。そして前を向いて。「…そう言えば…。親父。確か、3か月後には結婚って。」チラリと後ろの方に目を。「ずるずるしていても仕方がないって、おかあさんから言われたって。」悠里、「3か月っ!!!…って。うそ。初めて聞いた。そうなの、優維香…???」優維香、その声に、上唇をビロンと。「うん。」「んじゃ、あんたたちも3か月後に、結婚しちゃえば…???」いきなり小埜瀬と優維香、「はい…???」悠里、今度は自分がバッグからスマホを。そして、画面に指でトン。優維香、そんな悠里を見て、「いやいやいや。何々何…???」5回のコールで相手が出る。「はい。どうした~~???」悠里、「あん。私だけど~~。あのさ。ちょっと頼みがある。3か月後に、そこのホテルで結婚式って大丈夫…???」いきなり小埜瀬と優維香、「うそ―――っ!!!」電話の相手、しゃくりあがった声で、「結婚式…???…3か月後…???…って誰よ。それ。」優維香、悠里に、「いやいやいやいやいや。悠里~~。」悠里に手を優維香。悠里、思わず体をドアの方に。優維香の右手を遮りながら。スマホに、「優維香とウチのリーダー。小埜瀬~~。」すぐさまスピーカーにして。小埜瀬、「ちょっ、ちょっと~~。悠里さん。」声高に。「わ~~~お。」スマホから、「おめでとうございま~~す。」いきなりの声。電話の相手は友望である。小埜瀬も優維香も、「友望さんっ!!!」友望の声、「や~~~り~~~。ちょっと待ってね~~~。調べてみる。一旦電話、切るね。」悠里、「了~~解。」プツリと通話は切れる。いきなり小埜瀬、そして優維香、「え―――――――――っ!!!」悠里、舌を出して、「ニッシッシッシ。持つべきものは友よ。かかかかか。」小埜瀬、「いやいやいやいやいや。」優維香、悠里の左肩に右手を。「もぅ~~~。悠里~~~~。」小埜瀬、運転しながら、「何ともまぁ~~~。やってくれます。」そして、「かかかかか。」優維香、思わず、「もぅ~~。笑い事じゃないって~~。隆英っ!!!」悠里、「おっと。呼び捨てだ。」小埜瀬、思わず、「ははははは。まっ。ふたりの時は名前で呼んでますから。」ドア越しにブスッとしている優香。「ふん。」腕組みをして。悠里、小埜瀬の声に、「おやおやおや。ご馳走様。…と言うか、おふたり…、どこまで行ってんの…???」小埜瀬、「悠里さん。」優維香、「うるさい。ほっとけ。」10分後。悠里のスマホに。「おっときた。はいは~~い。」ビクンとする優維香。小埜瀬は、「おっと。友望さん。」悠里、運転席のシートの上をチラリと。そして横目で優維香をチラリ。「どぉ…???」スマホから友望の声。悠里、再びまたスピーカーにして、「3か月後になると6月になります。」小埜瀬、「確かに。」優維香、ブスッとした顔で。友望、「何々何。隆英さん、優維香さん、ジュ~~ン、ブライドではないですか~~~。はははは。」小埜瀬と優維香、「あっ。」小埜瀬、「確かに。」悠里、「あ、でも、友望~~。…と、言う事は~~。6月って…、じゃあ~~。結婚式って、目白押し…。」「…と、皆さま、仰るかとは思いますけど~~。残~~~ん念~~。」小埜瀬、「うそ。」優維香、目をパチクリとさせて…、「えっ…???…違うの…???」「意外と、梅雨時期に結婚式を避けるというカップルの方、多ございますぅ~~。」悠里、「うそ。」小埜瀬、「へぇ~~。」優維香、「そうなんだ~~。…あ、じゃあ、逆に、結婚式の多い月って…???」スマホから友望、「11月でございま~~す。」悠里、優維香、共に、「なんで…???」 好きになれない。 vol,307. 悠里、「とにかく。材料は揃ったよね。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.03
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にこやかに敬嗣、「分かりました。まずは、柿崎さん。冴島さん。あなたたち、ふたりから榎本さんにはお話、お願いします。今回の話。伊玖伊那の方向なら、僕と城戸は手を引くと。城戸には私から説明させていただきます。…そういう事なら、致し方ない。…と、彼も同じ考えだと思います。同じ会社を立ち上げた投資仲間のひとりですから。」優維香、悠里、顔を合わせてホッとした表情で。敬嗣、「ま、ある意味、脅迫まがいみたいにもなってしまうんですが、伊玖伊那では、今後の展開は望めそうもありません。自信を持って、柿崎さん、冴島さん。榎本さんに、お伝え願います。」優維香、悠里、ふたり同時に、顔をコクリと、「はい。」「その後に。」敬嗣、「私に連絡頂ければ、私からも榎本さんには話をさせていただきます。」そして敬嗣、「必ずや、成長株となる。そう自信を持って臨めるネイルサロンですから。しかも、今後のジョエルの貢献に関わる事になります。そして。お約束致します。私も、今のジョエル、かなり楽しみにさせて頂いている企業ですから。」ニッコリと。悠里、そんな敬嗣を見て優維香に手を。そして握りながら笑顔で。優維香も、悠里の手を握りながら、「うんうんうんうん。」敬嗣、スマホを耳に、「麗子おばさん、彼ら、帰ったよ。」麗子、椅子に座ったままで、「う~~ん。ありがとうね~~。…で…???」「まっ。何とかなるでしょ。こっちにしか、分はないもん。」麗子、「はは。そっか~~。敬嗣、ありがとうね~~。」「…で…???…例の…、賀寿恵さんと小埜瀬さん、どうなったのよ。」麗子、その声に、「さ~~てね~~。賀寿恵は賀寿恵で、今はのほほんとしてるけど…。隆英にはいい人がいるって…、振られたみたいだけど…。」「えっ…???…そうなの…???…って事は…、小埜瀬さん、他に誰か…。」「まっ。多分…、トラディショナル事業部の~~。ははは。予想は…つくけど。」敬嗣、麗子の声に、「トラディショナル事業部の…。ふ~~ん。麗子おばさんの…、その…、予想は…つくけど…かぁ~~。…じゃあ~~。…もしかして…。あの人…かな…???」すぐさま麗子、「はは。敬嗣の想像に任せるわ。」「いや。だってさぁ~~。まっ。賀寿恵さん、僕は実際に会った事はないけど、おばさんに写真見せられて。」スマホから麗子の声、「うんうんうん。」「何とも、奇麗な人じゃない~~。あんな奇麗な人を…。振るってかぁ~~。」「まぁね~~。」麗子。「これだけは…、どうしようもないんだけど…。かかかかか。とにかく賀寿恵、全く男っ毛、ないからね~~。まず浮いた話なんてさ~~っぱり~~。」「…って言うか、それはおばさんのせいじゃない…???」麗子、いきなり不貞腐れたような声で、「どうしてよ~~。」「簡単な事でしょ。おばさん、賀寿恵さんを離さないから。」その声に麗子、「あっ!!!…確かに。かかかかかかか。確かに、それはあるかも~~。」「でしょう~~~???」敬嗣。「…んなの、男っ気がない。男っ気がないって分かっていながら~~。いっつも自分の傍に置いちゃってたら、それこそ、誰も世の男性なんか、寄り付かないって~~。…まっ。土台、男っ気がないなら。」そこまで言って敬嗣。「…って言うか、賀寿恵さん。そんなに…男性との…。」間髪入れずに、「全くないね。…と、言うか、私の知るところ、朝から晩まで、会社に行って、帰って来て。その繰り返し。…まぁ…。あの子の仕事自体が…。他の人と、関わる事でもないから。…それに…、会社で自分の部屋を持っているからねぇ~~。」「まるで、籠の鳥じゃないよ、それじゃ~~。」「私にどうしろって言うのよ~~。そんな、あぁだのこぅだの言われてもさぁ~~。私の大事な存在のひとりでもあるんだからね~~。」「はいはいはいはい。分かりました~~。…と、まぁ~~。そっちの話はまま。何とかなればね~~。…で、ネイルサロンの方は、話は、進むかと。3人には、言っておいたから。」「サンキュ~~。恩に着る。みんなによろしくね~~。お兄ちゃんに、またご飯食べよ~~って~~。」「はい了解。…と。」敬嗣、「おっと~~~。」ビジョンを見ながら、「来ましたね~~。うひょ~~。じゃね。切るよ。」「あいよ。」車の中で悠里、「な~~んともね~~。とにかく、凄い繋がり。榊神埜進。何…???…日本経済団体連合会…???…で、その…。え…と。何だっけ。」小埜瀬、「専務理事…ですよね~~。」「けど…。」優維香、「社長も社長で、凄いよ。横井土さん。…って、言うか、横井土先生。」運転しながらの小埜瀬、「えぇ。…確かに。一度だけ、お会いした事はあるんですが…。そのたった一度だけで…。経済産業省、製造産業局、局長です。ま。社長の家には、毎日、いろんな人、来てましたから。」 好きになれない。 vol,306. 「麗子おばさん、彼ら、帰ったよ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.02
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敬嗣、「つまりはその学生。自閉症との事です。」小埜瀬、「自閉症。」優維香も悠里も、「自閉症。」「いやいやいやいや。」小埜瀬、「何と。」優維香、「…って。…そんな~~~。」小埜瀬、口を噤んでそして。「確かに。…有り得なくは…、ないかぁ。…厄介ですね~~。」顔を傾げて、腕組しながら。敬嗣、小埜瀬の声に頷いて、「えぇ。」小埜瀬、神妙な顔で、「もし、万が一、何事か怒れば、必ずパニックになる。居ても立っても居られない。」敬嗣、「そういう事になります。」小埜瀬、敬嗣に、「…で、その子、高校へは…???」「いや。」敬嗣。「残念ながら、私の耳に入ってきたのが、榊がその学生を見染めて絵にだけ専念するように。との事で。…それまでは高校も中退して、親戚筋の小料理店でアルバイトしていたそうです。保護者は同居している祖母と、身よりは料理店の叔父さん夫婦のみ。」そこまで話して敬嗣、「但し。」小埜瀬、優維香、悠里、「ふん…???」「但し。」「うん。…で…???」「先ごろ、その学生、亡くなったそうです。」いきなり目を見開く小埜瀬、「亡くなった…???」優維香、いきなり目を見開いて、「う~~っそ。」悠里も、「マジでっ!!!」敬嗣を見て。敬嗣、コクリと。「えぇ。おばあさんが、その子の部屋にいつも通りにおやつを…。けど、その時にはもう…。絵を描きながら…。…おかしいと思って何度も体を揺らしたそうなんですが…。その時には全く。」小埜瀬、「何と。」敬嗣、少し体を椅子から背伸びするように、「ですから、今の伊玖伊那は、何かしらない限りは、今の延長線かと…。ただ、デザイナーは存在、してはいるんですけど…。残念ながら、それほどのヒットは…。言い方は汚くなりますが、今もって、他人のデザインをそのまま採用するところですから…。」優維香、悠里、敬嗣の話に、「うんうんうん。」「まぁ…、確かに、社会的には貢献度はずば抜けてもいるでしょうけど…。インテリアとしては、日本随一までも名前が轟いている企業です。…けれども今は…。その点、小埜瀬さん。」小埜瀬、敬嗣を見て、「はい。」「大いに期待、しております。」その声に優維香も悠里も、敬嗣を見て、「はい…???」小埜瀬、目をパチクリとさせて、「え、え~~ぇえ…???…どういう…???」優維香と悠里を見て。敬嗣、ニッコリと、「ふふ。麗子おばさんが引っ張ってきた人。しかも…、大学時代、七瀬家に半年間、居候。励治叔父さんも見染めた男性。その男性が大学卒と同時に、海外に。しかも、世に認められたカメラマンであり、フリーターでもある。それも…、インテリアに関してはそれこそ専門的に。」瞬間、優維香、悠里、ふたり共に両手を叩き、「凄~~~。」「わ~~お。優維香~~~。」優維香、「うんうんうん。はは。」僅かに目が潤んで。敬嗣、続ける。「祖父が、小埜瀬さん、あなたを七瀬家で見掛けてるんです。その時から中々の人物って。」小埜瀬、「祖父って、横井土先生が…???」思わず鼻を啜る優維香、「あは。」「時に。世界で羽ばたいてくれていれば嬉しい限りだ。うん。と。麗子おばさんがここに来て食事をするときはいつも言ってます。まぁ~~。祖父もあれでいて、人を見る目はずば抜けています。しかも、どのくらいの人脈を持っているのか、僕なんて全く、想像も付かない。」悠里、「凄~~ご~~。」敬嗣、小埜瀬を見てニッコリと。「だから、あなたが日本に来た時には、いつか、会ってみたいものだって。麗子おばさんが来た時には必ず言ってますけどね。…まぁ…、そんな小埜瀬さん、あなたに、僕が最初に会っちゃいましたけど…。」微笑みながら。小埜瀬、顔を横に振りながら、そして右掌をヒラヒラと、「いえいえいえ。僕なんか…。そんな…。」「まっ。僕も楽しみにしているんです。今後のジョエルを。とにかく、今まで以上に、躍進続けてますから。特に、今年は。」思わずニッコリと、悠里。「はは。」優維香、ほんのり赤い目のままで、唇をガッシリと。小埜瀬は、一言。「ありがとうございます。」敬嗣、3人を見ながら、「スタッフコレクションからリッツカルバン。まっ。確かに、夢蔵は逃しましたけど…。それでも、あのSNSで盛り返した。つまりは、コンペよりも、ネット上の一般の人たちの目には…。ははは。コンペ以上ですけどね。」そして敬嗣、優維香を見て、悠里を見て、小埜瀬を見て。「この、トライアングルは、何かしでかす。」敬嗣、微笑ましく、「僕は、そぅ、睨んでいます。…と、言うか、睨ませて下さい。」ニッコリと。思わずまた優維香、目を潤ませて、そしていきなり頭を下げて、「ありがとうございます。」小埜瀬も姿勢を正して一礼、「ありがとうございます。」悠里、そんなふたりを見て、同じく頭を下げて、「あ、ありがとうございます。」 好きになれない。 vol,305. 「ふふ。麗子おばさんが引っ張ってきた人。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.07.01
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