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そして…。3時間後…。部屋のドアの外。3人から送られながら、3人がそれぞれ頭を下げて、「ありがとうございました~~。」そんな3人に優維香も悠里も笑顔で、「よろしくお願いします。」丁寧に頭を下げる。アパートは小さなビルみたいな造りになっている。1階がガレージとなっており、オーナーの車が入っている。旧式のBMW。アパートを出た優維香と悠里。ふたり揃って、「とにかく、感触良好~~。」悠里、「…で、いいんだよね~~。」その声に優維香、「ん~~~。確かに。…って、言うかぁ。」すぐさま悠里に泣きつくように、「分からない。なんで、あの人が~~???…全然っ。見えない。どこが要注意人物よ~~~。全くの、良い人じゃんよ~~~。」頭を振りながら。悠里も、優維香の頭を抱きながらも、「私も…。未だに信じられない。あの人が怒ったら、絶対無理。なんて…。言われてもな~~~。」優維香、「まま。確かに~~。3人の中では、一番の年長者。」悠里も、「うんうんうん。」「でもな~~~。3人の中では、一番、穏やかな表情。…と、言うか~~。一緒にいたら、ほんわか~~な感じに、させてくれる。」また悠里、「うんうんうん。」「まま。確かにぃ、その他の2人も、それぞれと…。」目だけ上に。「なんだけど~~~。一番の年長者が…。…そんな風に感じさせないんだよね~~。」悠里、今度は自分が優維香の左肩に頭をもたげるように、「そぅ。そぅなの…。」そして頭を上げて、「いやいやいやいや。人間、分かんない。」優維香、その声に、「だよね~~~。」そしてふたり、共に、アマンダの毛利に悠里が報告。そして池辺には優維香が報告。そして帰社して優維香、隆英に。隆英、話を聞きながらに、「へぇ~~~。そういう人、なんですね~~。まっ。でも、好印象であれば、グッジョブですね。はい。」ところが…。それから2日後…。優維香に毛利からの連絡。「えっ!!!…契約、見送りって…。」その声に悠里。そして、近くでコーヒーを啜りながら椅子に座ろうと。の、隆英。「…ん…???」優維香、スマホを耳に、「どういう事ですか…???」スマホの向こうで毛利の声。話を聞きながらの優維香、少しずつ顔の表情が、「え~~~ぇえ~~~???」グンニャリと。そして、「なんで~~~~。あ~~~ん。やっぱり…、あの…、榎本さん~~~。」悠里、神妙な顔で…。優維香、スマホに、「はい。はい。はい。ん~~~。分かり…ました。えぇ。…ですよね~~。」そして…。「あ、はい。失礼します。」通話が切れる。悠里、いきなり、「何々。どういう事…???…契約見送りって…。」優維香、両肩を下げて。隆英、優維香に、「チーフ殿。」優維香、「アマンダの毛利さんから紹介されて~~。今後、絶対に成長株って言われての~~。道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)。既にネットでも開店に合わせての予約が殺到なの。とにかくハイセンス。そして心理的にも、精神的にも、女性の心を鷲掴みにするって、そんなお店が出来るの。ネイルサロンに併設してのエステと心理カウンセラー。今迄東京では見た事のない。投資家たちも数人。なのに。」池辺と小埜瀬、「どういう事…???」「どういう事ですか…???…チーフ殿。」優維香、「今になって、伊玖伊那に乗り換えたいって。」瞬間、周囲のメンバーたちも、「え―――――――っ!!!」「何やら。」優維香。「YLKのひとりの…。榎本さんが~~~。梶社長の、親戚筋みたい。」またまたメンバーたち、「え―――――――っ!!!」小埜瀬、「ヤバイですね~~。一番のネックが…。行けると思ったんですが…。しかも…。ネーミング自体が素敵なんで。」池辺、「確かに。3人のそれぞれの名前を取ってのYLK。お洒落よね~~。那南(やすな)に、瑠璃(るり)に、樹美(きみ)。頭文字をそのままローマ字に。…で、YLK。」小埜瀬、「厄介ですね~~。…伊玖伊那…。ですか~~。梶社長と親戚筋~~。」「まっ。確かに~~。梶社長と繋がりがあるって言うのが、そもそもの~~。何て言うの…???」優維香。「難儀。だよね~~。…でもね~~。あの日、話を聞くと~~。インテリアの話もしたけど、金銭的…???…と、言うか、開店資金もそうだけど…、運転資金なんかも、チラホラと。」悠里も、「うんうんうん。ただ、私たちは、あんまり、触れてはいけない部分なんだけど…。向こうから。」優維香、「うん。機嫌よく話してくれたから。私は、あんまり銀行系は、こう見えて、苦手なんだよね。って、榎本さん。申し訳なさそうに言ってたけど…。だから、他のふたりが銀行からの融資を…。半分くらい…???…他は、投資家からって…。」 好きになれない。 vol,300. 「あの人が怒ったら、絶対無理。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.26
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奈菜、「でも、凄いわ。隆英さん、海外で~~。」そんな奈菜に隆英、右手を振りながら、「いえいえいえ。…そんな…。」ほくそ笑みながらも…。「まっ。でも、インテリアに関しては、充分に、勉強させて頂きました。」「いやいやいやいや。参ったね~~。脳震盪で病院に担ぎ込まれて~~。その勢いで家に旦那を連れて行く。何ともまぁ~~~。」ニコニコしながらの悠里。駅に向かいながら。お得意先からの紹介で新規契約の話が舞い込んだのだった。そのお得意先というのも優維香と悠里にとっては入社して初めて契約成立した企業。その企業の名前は、「アラマンダ」本拠地はアメリカ、ワシントン州、シアトル。喫茶店チェーンである。その東京の神田支店の支店長が店の模様替えにと、インテリアショップ・ジョエルに目を付けたのが丁度、優維香と悠里が入社した頃。池辺もその頃、このふたりは何かやってくれると思い、初めてのチャンスを与えたのが、「アラマンダ」その結果、支店長の毛利菜月(もうりなつき)から気に入られ、それからの付き合いになっている。毛利からの電話で、「ねね、優維香さんと悠里さん、どぅ…???…お願いできるかしら。」優維香、すぐさま、「いいんですか~~???」そんな毛利からの紹介でこれから訪れる場所は、道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)。つまりはネイルサロンである。ただ、まだ、ショップはない。つまりは…、物件はあるのだが、とにかく、これから。の、ネイルサロン。なのである。そして…、肝心なのが…。…その、道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)、経営者との面識は…。…当然ながら、ゼロ。悠里、優維香に、「で…???…で…???…おかあさんの反応。」その声に優維香、口を唇の中に巻くように、「ん~~~~。」悠里、そんな優維香を見ながら、ニコニコと、「うんうんうん。」優維香、「ん~~~~。」悠里、ニコニコと、「はは。」優維香、またまた、「ん~~~~。」悠里、優維香に、「…って、おぃ。」すぐさま優維香、「かかかかか。一発OK。」間髪入れず悠里、両手を拳にして、「っしゃ~~~。」優維香、前を向いて歩きながら、「…ってか、そうなっちゃうよ~~。自分は自分で、私に何の前触れもなく、人を連れ出して、結婚相手を紹介するんだから~~。」悠里、その話に、「うそ。そうなの…???」「そうだよ~~。まっ、私の予定は聞いてくれたけどね~~。予定は入ってなかったらからあれだけど~~。いきなり合わせたい人がいる。な~んて。てっきり仕事の話かと思った~~。…そんな…、おかあさんと私の間で、今まで結婚の話なんて全く出てなかったからさ~~。」悠里、「うんうんうん。」頷きながら。「…で、レストランに入って。」瞬間、優維香、悠里に、「あ、悠里~~。」そんな優維香に、悠里、「うん…???」優維香、悠里を見て、「あんたも、彼氏誘って行ってみな。ラスカって言うお店。もぅ~~。おっ洒落~~なお店。しかも、味も抜群。アネモッサともまた違う感じ。けど、中々~~。まっ。確かに、フランス料理なんだけど~~。メニューはアネモッサと同じような感じ~~。…で~~。アネモッサはご夫婦だけど~~。そこのお店もご夫婦。でも~~。娘さんが店員なんだ。すんごく奇麗な店員さん。シェフが旦那様で、その人はイギリス人。」悠里、「へぇ~~ぇえ~~。なるほど。」前を向いて歩きながら。「ただな~~。彼、からの…、返事が………。ない。」優維香、いきなり歩を止めて。「うそ。」そんな優維香に振り向きながらも悠里、唇を丸めて、「ほんと。」優維香、途端に顔を歪めて、「なんでよ。望都さんには、聞いたの…???」その声に悠里、顔を振る。「ううん。」「ここかぁ~~~。」優維香と悠里。ふたり、共に。優維香、「結構~~。お洒落なアパート。」「だ~~ねぇ~~。」悠里。赤坂にあるアパート。悠里、「…ってか…。共同経営者ってね~~~。…しかも、3人も。」優維香、「うんうん。倉松那南(くらまつやすな)さん。芥子菜瑠璃(からしなるり)さん。そして~~。榎本樹美(えのもときみ)さん。」悠里、「うんうんうん。」優維香、「しっかし…。沖縄の那覇の那と書いて、やす。とは、どうやっても読めないよ。こういう読み方ってあるんだね~~。」「確かに。」悠里。「しかも…。3人の中では、その人が一番のビジネスセンス、ありって。」そして優維香と悠里、「但し~~~。一番の~~。要注意人物~~。」優維香と悠里、顔を見合わせて、「ふ~~~ん。」「ただ。」悠里、「見た目、全く、そんな風には…、見えない。…ってか。絶対に、その人の気分を害する事のないように。…ってね。」優維香、右目を歪めて、「どういう人…???…まま。」 好きになれない。 vol,299. 道玄坂ネイルハウス・YLK(ワイエルケー)。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.25
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小埜瀬、ジョッキに目を落として、「お蔭で、部長は出張ばっかり。」峻、「かかかかか。武一も駆けずり回ってるってか。」小埜瀬、コクリと。「そうなります。」そして瑛士、隆英に、「おぅ。おま、食いたいもの、頼め。」隆英、その声に、「あ、あ~~~。あ、うん。でも…。その。」「わ~~かってる。うん。」瑛士。峻、奈菜、小埜瀬を見て。「俺は、優維香さん。初めて見た時、凄い素敵なお嬢さんだと確信した。まっ。佐津香さんのお嬢さんだ。当然、ちゃあ~~、当然。」その声に隆英、「えっ…???…優維香さんのおかあさんって…???」その声に峻も奈菜もコクリと。瑛士、「柿崎佐津香、エレガンサ化粧品。その会社じゃ、もぅ~~。今はマーケティング事業部と言う部署にはいるが、秀逸の逸材だ。取締役にすらなれる社員だ。」隆英、「うそ。」そんな驚いた隆英に峻、「まぁね。サッちゃんの場合、まずもって出世嫌い。まぁ~~。逆に~~。舞桜社長の、右腕的、専務になっていても、申し分ない社員、なんだけどね~~。取締役すらサッちゃんには頭が上がらないって訳。」隆英、父に、「そんなに凄い人…???」「あぁ。こと、化粧品に関しては、研究から販売まで、知らない事はない人だ。しかも…、自身、メークアップアーティストの資格の持ち主。それに、挿絵画家でもある。」いきなり隆英、「う~~っそ。」目を真ん丸にして。奈菜、驚いたような顔で、「えっ…???…知らなかったの…???」峻も、目を丸く顔を傾げて…。隆英、思わず面映ゆく、「えっ…???…あ、いや…。」困ったような顔で、「いや…。いやはや…。ははは。」頭を撫でて、「…と、言うか、優維香さんにはまだ…、優維香さんのおかあさんの事は何も…。」すぐさま奈菜、手をパン。「あ。…だよね~~。かかかかか。」峻と小埜瀬を見ながら、「確かに~~。」そして再び峻と小埜瀬を見て、「優維香ちゃん、自分の事だも~~ん、好きな男性に、おかあさんの事なんて、話す訳ないじゃな~~い。ねぇ~~。んもぅ~~。自分の事で精一杯よ。」そして小埜瀬の息子を見て、「でしょう~~~。」ニッコリと。隆英、その声に何とか笑みを。「え、えぇ~~。まぁ。…ですね~~。」峻、口を窄めて、目を丸く。「まっ。かかかか…。そういう訳か。うんうんうん、納得。」奈菜、「…って。えっ…???」そして、小埜瀬を見て、「小埜瀬さ~~ん、息子さんのお名前~~。おとうさんの名前は、瑛士で、息子さんの名前は~~???」瞬間、隆英、「あ。」ペコリと頭を。「すみません。隆英(たかひで)って言います。西郷隆盛の、隆盛の、りゅう。そして、英語の英、ひで。」峻、「あ、あ、あ~~。はいはい。りゅうで、ひで。隆英。」奈菜、「へぇ~~~。素敵な名前~~。何か、ガッシリとしている名前よね。」そして、奈菜、「…で…???…隆英さんは…???…今は、優維香ちゃんと同じ会社。インテリアショップ・ジョエル。」「えぇ。…そうなります。」「…で…???…おま。」瑛士。隆英を見て、「今まで何処で…???…って、言うか。まずは。優維香さんとの事。おめでとう。俺としても、申し分ない。」いきなり峻、「おっ。かかかか。粋だね~~。」奈菜、口を真一文字に。「うん。その通り。」瑛士、思わず照れながらも、「…って、言うか、佐津香さんの娘さん。もぅ~~。これ以上の事、ないっすけどね~~。私としましては。私なんて、到底、佐津香さんには、頭、上がりませんから。」峻、いきなり、「かかかかかか。まま、確かに。かかぁ天下には、なるわなぁ~~。かかかかか。」奈菜も、「ん~~~。ま。そこは…。ん~~。否め…ないかなぁ~~。」恥じらいながらも瑛士。「はははは。」そして、「おぃ。だから、ほぃ。食いもん。」奈菜、「あ、そうだ。はは。話に夢中になって。うん。何にする…???」瑛士、「ここの焼き鳥は絶品。」隆英、「じゃ、じゃあ~~。」目をキョロキョロと。「あの~~。」そして峻を見て、「じゃあ~~、大将の、お任せと…。」峻、「はい。了解、しました~~。へへへへ。お任せを。」峻、早速。そして…。隆英、焼きあがった焼き鳥を。「う~~ん。旨い。うんうんうん。完璧。」峻、「へへ。ありがとうございます。」瑛士も、「はは。」奈菜、「でも、へぇ~~。ジョエルの七瀬社長から~~。…で、海外。」瑛士も、「そういう…、事かぁ~~~。…って、おま。じゃ~~、結局、世界あっちこっち…???」隆英、焼き鳥をモグモグと。「ん、まぁ~~。そういう事に。…って言うか、凄い。旨いですよね、この焼き鳥。」峻、顔を縮こまらせて、「へへ。ありがとうございます。」奈菜、隆英の話を聞きながら、「その一方で、おとうさん、瑛士さんはね。…それこそ、仙台で…。…で、東京に戻って。」隆英も、「そうだったんだ~~。」 好きになれない。 vol,298. 「凄い素敵なお嬢さんだと確信した。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.24
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隆英、優維香から、「隆英さんのおとうさんにも…。」との声に、「うん。そうだね。分かった。電話するよ、今日。」と言って、仕事帰りに、スマホで…。…けれども、「…ん…???…話し中。…仕方…、ないか。」「…ん…???…話し中…???…あんの奴。」こちらは瑛士。そして…、5分後に…。隆英、歩きながらも、また…。けれども、「…ま~~た…???」「おぃおぃ。」こちらもスマホを耳に、そして腕時計を見て瑛士、「何やってんだあいつ。まだ仕事か…???」そして30分後。隆英、再びスマホで…。けれども…。そして隆英、「はは~~ん。さては…。優維香さんのおかあさんと…。…まっ。仕方ない…か。」と。通話を切った。その瞬間。「おっと。」表示は、「親父」タップして、「もしもし。えらい長話しだな、親父。」いきなりスマホから、「おまえの方こそ、誰と話してんだぃ。」瑛士の声。隆英、「そっちこそ、誰と。」「さっきからおまえに電話してんだ。」「俺に…???」「あぁ。何度電話しても、てんで。」隆英、キョトンとして、「何言ってるかな~~。俺も親父にさっきから。」瑛士、スマホを耳に、「何~~に言っる。俺の方…。うん…???」隆英、思わず右目を歪ませて、「…って、事は…。」瑛士も、下唇をビロンと。「おま…、まさか…。…ずっと…、俺の…???」顔を歪めて隆英、「やれやれ…。親子揃って~~。何やってんだか。」「おま、仕事は…。」「あぁ、さっき終わって今、駅に…。帰るとこだけど…。」「ちょっと、付き合わねぇか。」隆英、送られてきた画像を見ながら、「へぇ~~。アーケード。懐かしいねぇ。」そして…。「門倉。…居酒屋…。」ドアを開けて。カウンターで飲んでいる男性。瑛士、「おぉ~~、ははは。来た来た。」女性から隆英、「いらっしゃい。どうぞ。」厨房の中の男性からも、「へぃ。いらっしゃい。ようこそ。」隆英、「こんにちは、初めまして。」上半身を傾けて。峻、「ども。門倉と言います。いつも小埜瀬さんにはお世話に。」瑛士、峻に、「ここの大将。…で、」カウンターの端にいる女性に、「ここの女将さん。」隆英、女性にも、「こんにちは、初めまして。小埜瀬と言います。」奈菜、ニコニコと、「えぇ。小埜瀬さんから聞いて、もぅ~~、びっくり~~。息子さん、呼んだからって。良かったわね。ご結婚。」瞬間、隆英、「えっ…???」瑛士、隆英に、「佐津香さんから聞いてび~~っくり~~。」峻、カウンターの中から、「へへへへへ。おめでとうございます。」奈菜、隆英に生を。「はい。これ、店からの奢り。」隆英、いきなり、「えっ…???…いいんですか~~???」奈菜、「いいもなにも、こんなおめでたい事なんて、中々ないですもん。サッちゃんと小埜瀬さんの結婚。それに、小埜瀬さんの息子さんとサッちゃんの優維香ちゃんとの結婚。凄いよ。親子で~~。はは。凄過ぎる~~。」隆英、父を見て、「…って、何…???…もぅ、筒抜け…???」瑛士、そんな隆英に頷いて、「そうだ。ここじゃ、もぅ~~。隠し事、一切禁止~~~。…と、言っても、しっかりと、大将も女将さんも、エレガンサとジョエル。応援してくれている人たちだ。」峻、その話に、「はは。まね。…って言うか、インテリアショップ・ジョエルの人とは面識はないんだけど…。ただ、サッちゃんの娘ちゃんがね。とにかくしっかりした。そして優しい女性。しかも…、サッちゃん自身、ウチの贔屓のお客さんなんでね。」奈菜、「エレガンサのマーケティング事業部の人たちには、ここ、ある意味、集合場所になってるから。」「…と、言う訳で、まず、飲め。大将と女将さんから奢りだ。」瑛士。隆英、「あ、あ~~。では。」峻、コクリと、「うん。」隆英、ジョッキをふたりに掲げて。そして…。一気に3分の1ほど。「ふぅ~~~。ははは。旨い。」いきなり峻、拍手。奈菜も拍手で、ふたりとも、「はははは。おめでとう~~。」峻、「まま、優維香ちゃんはいないけどな。」隆英、丁寧にふたりにお辞儀を。「ありがとうございます。」そして、「優維香さんから話を聞いてびっくりして…。それも昨日。」その声に瑛士、「あぁ~~~。」そして頭をペコリと、「悪かった。何も話せないでいて。…って、言うか、仕事が仕事で。」峻、「だよな~~。フランスの~~。」その声に瑛士、コクリと、「えぇ~~。とにかく、今後も、こういう状態、続くとは思うんですけど。物凄い反響で…。」奈菜も、「だよね~~。何てったってグローバル。もしかして…、海外からも…。」小埜瀬、コクリと。「えぇ。…でも…、そっちの方の対応は、社長の方で…。」「ですよね~~。まさか、マーケティング事業部が、英語や、他の外国語でって…。」瑛士、「かかかかか無理ですって。さすがに秘書課で…。社長が通訳の派遣を…。」奈菜、頷きながら、「そぅ~~~。」 好きになれない。 vol,297. 「うん。そうだね。分かった。電話するよ、今日。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.23
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佐津香、「だ~~って、この人、私の言う事なら何でも聞くし~~。」菜帆子、「まっ。その辺は…。愛する妻になる人ですから。」小埜瀬、背筋を伸ばして、「いやいやいや。…って言うか、僕に佐津香さんみたいな人…、僕の方からすればもぅ~~、とにかく、とんでもない人ですから。」愛結美、ニコニコと、「はいはい。分かってます。」佐津香、「…で、ラスカで、完璧、丸投げ。ねっ。」小埜瀬、クシャリとした顔をして顔を下に、「あ、いや…。まぁ~~。」「…で。…結局は優維香も…。私の事だから、私が決めたんなら、それで決め通す母親だと思ってるから~~。」菜帆子、頷きながら、「あ~~~ん、なるほど。…そういう事ね~~。…で、優維香ちゃん、それでビックリして~~。自分も自分で…。…って言うか~~。」菜帆子、合点したように、「あ。」いきなりフィンガースナップ。「そういえば、優維香ちゃん、フランスのコンペで、課長が一緒に働いている、その、リーダーさんの父親って事、初めて知った~~。…で、その人が佐津香さんの結婚相手って。」愛結美も、「はいはいはい。」順平、「あ、そっか~~。」菜帆子、「そりゃ、優維香ちゃんも驚くわ~~。しかも…、前触れなしで…。予期せぬ出来事って、優維香ちゃん、なるわ~~。」愛結美、「…と、なれば~~。優維香ちゃん、課長の息子が今、自分の付き合っている人が、おかあさんと結婚する人って思えば…。」愛結美、目を真ん丸に、「そりゃあ~~女心に、ひとりで悩んで、どうするよ~~。…に、なっちゃうよね~~。」そして愛結美、順平を見て、「順平、女心~~。」その声に順平、「あ~~。はいはいはいい。承知しております。」菜帆子、「…ってか、順平はいつ頃よ、結婚予定~~。」順平、「へっ…???…俺っすか…???」いきなり照れながらも、「いや…。え~~っと~~。」愛結美、「佐津香さんと課長は。」順平、「あ~~。はいはい。分かってます~~。3か月後。と…、言う事で。はい。」「どっちみち。」佐津香。「お互いに、この歳だから、そんな…、ズルズルと…。やる事は、やっちゃえって。」僅かな沈黙。いきなり小埜瀬、「いや。…申し訳ない。今日、倅に電話しますわ。…って言うか、お互いの今住んでいる家すら…。」菜帆子、「あ~~。うんうんうん。課長の住まい~~。それに…、シェアハウス。」小埜瀬、コクリと。「えぇ~~~。…まっ。お互いに、仕事、忙しい訳ですけど…。」4人を見て、「同じ東京にいる訳ですから。」愛結美、真剣な顔で、「当然です。」麗子にスケジュールの報告をして賀寿恵。麗子、賀寿恵に、「賀寿恵、あんた、大丈夫なの…???」その声に振り返るように賀寿恵。目をパチクリと。麗子に、「えっ…???」麗子、「えっ…???…って、隆英の事に決まってるでしょう~~。」その声に賀寿恵、「あ、あ、あ~~~。はい。」すると賀寿恵、ニッコリと。「はい。大丈夫です。心配ございません。」平然と。そんな賀寿恵に麗子、思わず予想外に、「あら、そぅ…。」目をパチクリと。「ふんふんふん。そっ。」賀寿恵、麗子に一礼をして、「ご心配。お掛けしました。」あの日…。賀寿恵から誘っての隆英との食事。けれども…。結局は賀寿恵、隆英に振られて、内心、完璧に落ち込んでいたのだった。笑顔で隆英と駅で別れたのでは、あったのだが…。駅のホームでは、ベンチに座って、腰を曲げて…。顔を両手で。閉じた目からは次から次へと涙が…。その前を何本か電車は通過…、していた。帰宅した賀寿恵。麗子には隆英には別に好きな人がいる。「私…、振られちゃいました。」瞬間、麗子、賀寿恵を見て、「へっ…???…うそ…。そんな…。」そんな賀寿恵。…けれども麗子に笑顔で、「大~~ぃ丈夫ですぅ~~。こう見えて空手で鍛えていますから。マインドもね。」そう言いながら部屋に。そして麗子に、「先にシャワーいただきます。」麗子、賀寿恵に、「あ、うんうんうん。どうぞ~~。」そして、賀寿恵。シャワーを浴びながら……。涙。ただ、麗子の目の前では、果敢に振舞ってはいたが。賀寿恵に、隆英には、トラディショナル事業部の柿崎優維香と言う女性がいる。割って入ろうとは出来ない。ましてや男性と付き合った事のない自分なら尚更。それから数日、麗子は賀寿恵の自分への振舞に、自分が賀寿恵にした事に、申し訳ないとも感じ、そういう意味でも接していたのだった。ところが…、数日後、賀寿恵のスマホに、ある男性から隆英から紹介されて電話してみました。と言う人物からの電話。いきなりの電話で賀寿恵、思わず焦ったのだった…。「えっ…???…あの…。私…。」 好きになれない。 vol,296. 「だ~~って、この人、私の言う事なら何でも聞くし~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.22
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「でぇ~~。ここからが本題。」菜帆子。順平、その声に、顔を顰めて、「本題…???」小埜瀬、怪訝な顔をして。愛結美、「課長ねぇ~~。」順平に、「息子さんに、まだ佐津香さんと結婚するって話、してないんですって。」順平、すぐさま小埜瀬を、「えっ…???…嘘。」小埜瀬、順平に、「ま、まぁ~~。はははは。…って言うか、まだ…、倅にもフランスからこっちに来て、まだ一度も…。会って。…で、まだ、電話も…。まま、一番直近の電話って言えば…、フランスでの、あの電話…だけで…。」その声に菜帆子も愛結美も順平も、「あ、あ~~。」お互いに納得したような…。けれども愛結美、「ああ、でも…。課長にとっては、ただひとりの…。」小埜瀬、そんな愛結美に、「まま。そうなんですけど…。」苦笑いしながら…。「ただ…。もぅ~~。…長年、独り暮らしが長いって…。いうのも…。」「早い話が。」佐津香。「私の娘。優維香と結婚する相手って、課長の息子さん。隆英さん。」瞬間、小埜瀬、びっくり仰天の顔で、「えっ!!!えぇ~~~えっ!!!」順平もカップ麺を食べようとした、いきなり、「ぶっ!!!うわっ。あっち。」そして、「マジでっ!!!」小埜瀬、まだ表情を変えずに、「う~~っそっ!!!…まさかっ。」佐津香、澄ました顔で、「ほんと。…って言うか、実際に、隆英さん、ウチに来ましたから。娘と一緒に。」またもや小埜瀬、「え、えぇ~~~っ!!!」菜帆子と愛結美、小埜瀬に、こちらも澄ました顔で、「課長~~。如何でしょうか~~~???」順平、ゆっくりと箸で麺を。「いやいやいやいや。」小埜瀬、「い、いや…。如何ですか~~って…???…いきなりで、びっくりと言うか…。何が…???…どうな…。」佐津香、「つまりは…。これも、早い話が、娘の勤務しているインテリアの会社に、課長と期間はずれているけど、海外から日本に来て、日本の会社で働いているって言うのが、課長の息子さんの隆英さん。会社の社長から誘われたそう。」小埜瀬、話を聞いて、「う~~っわ。」佐津香、「まぁ…、変な話…???…娘とは家で、仕事の話がココ、多いんだよね。私は、新しい課長が異動で就任してくる。しかも、男性。娘は娘で、同じように、会社に新しいリーダーが就任してくる。」菜帆子、愛結美、「へぇ~~~。ウチと同じような感じ~~。」麺をズルズルと順平も、「うんうん。」佐津香、「しかも…、こっちはこっちで、元のいた課長は女性。しかも、こちらは部長に就任という事で、関西に。…で、娘の方は、あれこれと家庭の都合とかで寿退社。こちらも女性。まっ。似たような…。背景。」黙って聞いている小埜瀬。菜帆子も愛結美も同じく。佐津香、4人を見ながら、「まっ。不思議っちゃあ~不思議なんだけど…。私たち親子の話の中で、何故か課長とそのリーダーの名前は一切出て来なかった。…と、言うか、出しても、それほど気にはなんなかったし。…って言うか~~。別々の会社の人の…。ま。女性ならねぇ~~、名前言っても、ある程度の興味は…。…けど、男性だったら、別に名前言っても…。男性だけでも、意識感はあるから。」菜帆子、「うんうんうん。」愛結美も、「確かに。女性だったら名前、聞くよね~~。でも…、男性は…。」佐津香、「不思議なんだけど~~。娘が連れて来て。」語尾を高く。「…で、リビングに入れて、それから、いきなりだよ。優維香さんとの結婚って。」菜帆子と愛結美、「いやいやいやいや。」順平も、「凄いっすよね~~。」鼓動が高鳴っている小埜瀬。口をムニャムニャと。佐津香、「私なんて、うっそ!!!…心臓が破裂するんじゃないかって…。」菜帆子、笑いを堪えるように、口を真一文字に。愛結美、コクリと、「うんうんうん。分かる分かる。」「でもね~~。」顔を傾げて佐津香。「考えてみれば、私も、同じような事、娘にやっちゃったから。」菜帆子と愛結美、「同じような事…???」順平、「うん…???」「課長とあの時。ラスカで。」小埜瀬、「あ~~。はいはい。」佐津香、「優維香には。瑛士さんの事は何も言わずに、何も予定なかったら空けといてって言ってたの。」菜帆子、愛結美、順平、「あ~~。うんうんうん。」「うん。」「はい。」「…で、予め、ラスカには予約入れといて。話も一応伝えておいて。だ~~って、みんな、私と課長の事は知ってるから。」3人共に、「うんうんうん。」「…でも、優維香には、その時にって思って。…で、ラスカで…。」小埜瀬に両手を。「まっ。前から優維香にはあなたから話してって、ある意味、丸投げしてたのよね。」いきなり順平、「ぶっ。丸投げ…???」そして小埜瀬を見て、可哀そうな顔で、「か、課長…。」菜帆子、思わず、「くくくくく。」愛結美もニコニコと、「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,295. 「でぇ~~。ここからが本題。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.21
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その声に小埜瀬、思わず目を見開いて、「え…???…って…。」瞬間、大きな声で、「わっ!!!」菜帆子、思わず、口を真一文字に。そして目をパチクリと。愛結美は愛結美で困ったような顔で。佐津香は口を尖らせて、「ふぅ。」菜帆子、「…と、言う事は…。」愛結美、菜帆子に両手を。頷きながらも、「まま。うんうん。」そして愛結美、小埜瀬を見て、「課長。」小埜瀬、「あ、はい。」「もしかして…、課長、日本に帰ってらっしゃった息子さんにはまだ…、一度も…???」小埜瀬、怪訝な顔で…、「えぇ。…えぇ…、はぃ。」瞬間、ドアが開いて、「どうかしました…???…今、課長の、わっ!!!って、おっきな声が…。」いきなり菜帆子、「へっ…???…って、順平、あんた、お昼、済んだの…???…早っや~~。」順平、「いや。まだ、これからっすよ。」時計を見て、「あと、30分あるから、速攻でコンビニで…。」愛結美、「…ったく~~。そんなの体にいい訳ないでしょ。」そして椅子から立ち上がり、棚の中から、あるものを。そして、順平に、「ほぃ。」順平、それを受け取って、「おほほほほ~~。カップ麺。」菜帆子、「かかかかか。それね~~。イェス。」そして順平を見て、「万が一の時の備品。」順平、「あぁ。ありますよね。確かに。でも、いいんすか、食べちゃって。」愛結美、「大~~ぃ丈夫~~。まっ。カップ麺が体に良い。…って言ったら…。…でも、万が一の時の備品。時短のピンチヒッターだからね~~。どうせ特売で買ってますから。1個、150円~ん。」順平、「安っす。普通だったら、軽く200円超えますよ~~。いやいやいや。」顔を左右に。「さすがは主婦。」愛結美、「まね~~。」菜帆子、「愛結美さんトコのご近所さんのスーパーは特別よね~~。ウチの近所は、駅まで行かないと中々。ないから。」愛結美、「しっかりとチラシ、チェック。」順平、「すんません。いただきます。」そして、カウンターに向かいながら、「…で、どうしたんすか~~???」すると佐津香、目を真ん丸に、「ふ~~~。」そして、「私たちって、何とも…、いつもこうなんだよね~~。もの凄いタイミング作りに縁があるというか…、恵まれているというか。だから、敢えて言えば、いいコンビネーションでいられる。」菜帆子、その声に、「うん…???…どしたの、いきなり…。」愛結美も、「ふふん…???」佐津香、ふたりを見て、ニコリと。「ふふん。…つまりは…。私、こういう空気、好きだなって。」順平、ポットからお湯を注ぎながら。小埜瀬、愛結美、菜帆子、佐津香を見て、「空気…。」佐津香、チョコンと頷いて、「そぅ。空気。まっ。いろんな事、あるけどさ。あっ。と、思った時に…。そういう事があった時に、何かしら、タイミング良く、ポンと、寛げる空気みたいなものに浸される。ほら。今みたいに、順平のタイミング。私もそうだけど、菜帆子も愛結美さんも、結構、こういうタイミングって、あるよね。」そこまで言って佐津香、「ううん。一番は、吉竹~~。あの人なんて、そういうタイミング作るの超~~ベテランだから~~。気まずい雰囲気になっても、いきなり、大きな声で、あっ。閃いた。…なんてね。物事への移り変わり…???…時として、気まずそうな雰囲気、あるじゃない。…でも、そうならないように~~。そういう意味でも、私たちは、そのタイミングに縁がある。恵まれてるって感じ。」そんな佐津香の話を聞いて菜帆子、「あ、あ~~~。うんうんうん。確かに~~。」佐津香、菜帆子に、指差して、「でしょ。」愛結美も、「うんうんうん。あるかも…。何かしら、ピョコンと。…出てくる時、あるもんね~~。ちょっと、あんたね~~。なんて言いながら。…でも、それがまた、可笑しくって。しかも、仕事中にだから、何とも。」順平も、「ん~~~。考えてみれば…。…ん~~。確かに。…俺の場合は、龍二かな~~。あいつ、コロコロと変わりますから。」佐津香、「まま。そこが龍二のいいとこでしょう~~。もぅ~あの子の場合は、キャラからして、今のヤング、そのものだから~~。」菜帆子、「そんなこんなで。はぃ、課長。」小埜瀬、いきなり振られて、「あ…、はい…???」佐津香、そんな小埜瀬を見て、「ほらね。」瞬間、菜帆子、「ぷ。…ほんとだ。このタイミング。」愛結美も、クスクスと、「ほんとだ~~。」順平、カウンターに椅子を。「へっ…???…何すか一体。」菜帆子、順平に、「ふん。佐津香さんの娘さん。」順平、「あ~~、はいはい。」愛結美、「何と、めでたくご結婚の運びに。」その声に順平、目を見開いて、「え…???…うそ。マジ…???」菜帆子、「うん。その、マジ。」順平、「へぇ~~~。今迄、そんな話。全く。」愛結美、「だよね~~~。私たちだって、初耳よ~~。」順平、コクリと。「うんうんうん。」 好きになれない。 vol,294. 「つまりは…。私、こういう空気、好きだなって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.20
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佐津香も、「珍しく、人のを作ったわ。ははは。」菜帆子、佐津香に笑顔で、「だよね~~~。優維香ちゃんにお弁当~~。」佐津香、その声に、「ん~~~。いいとこ、高…2、までかな~~。友達の影響で、あの子も、自分で作るって感じになってたから~~。あんまり、人には頼らない性格…???」「はは。それは佐津香さん見てれば分かるわ。優維香ちゃん。」菜帆子、「…で。課長。……。はいはい。食べて、食べて。」小埜瀬、「あ、あ、あ~~。はい。」佐津香にペコリと。そして、「いただきます。」一口。瞬間、目を丸く、「ん…???…うんま~~~。」佐津香、その声にニッコリと。菜帆子も、「はは。」愛結美、ニコニコと、「どんなもんだい。」小埜瀬、「うんうんうん。」佐津香の作った弁当をもぐもぐと。菜帆子、愛結美、ニコニコと。「かかかか。」「…って、そんなに急いで。」小埜瀬、口の中、モグモグと。そして顔を上げて、目を閉じて、「ん~~~。」そして、また。食べて。そして、「うん。んまい。はは。」小埜瀬、何かしら、笑顔で…。けれども…。小埜瀬の目を見て、菜帆子、「へっ…???」愛結美も、「うん…???」そんな菜帆子と愛結美を見て佐津香、「うん…???」菜帆子、「か、課長…???…涙。」佐津香、「へっ…???」愛結美も、「うん。涙。」佐津香、いきなり小埜瀬に顔を正面から。「…って、どうしたの、あなた。」小埜瀬の目が薄っすらと、赤く。もう少しで涙が…。小埜瀬、それでも笑顔で、「えっ…???…いやいや。はは。」思いっきり、口の中で、ごっくりと。佐津香、自分のマイボトルを。「はいはいはい。ほら。これ。」小埜瀬、ペコリと。「あ、すみません。」そして、ボトルのお茶をゴックンと。「はぁ~~~。んまい。うん。」愛結美、「課長~~???」小埜瀬、思わず箸を持った右手甲で両目を拭いながら、「あ。いや…。すんません。はは。思わず涙、出ちゃいました。」菜帆子も愛結美も小埜瀬を慰めるような顔で…。佐津香、「瑛士さん。」小埜瀬、「はは。」鼻をグスリと。そしてまた弁当を持って、「いただきます。」食べながら、また、「うんうんうん。」そして、10分もしない内に…。…で、両手を合わせて、「はぁ~~。喰った~~。ははは。ご馳走様でした。」菜帆子に愛結美、ニッコリと。菜帆子、「かかかかか。早っ。10分も経ってない。」小埜瀬、「10~~何年も、こういう弁当、食べてないですから。…けけ。何だか、涙が…。はははは。いや。お恥ずかしい。」瞬間、菜帆子と愛結美、「うん…???」「はは。」小埜瀬、佐津香に向き直って、「ご馳走様でした。」丁寧にお辞儀を。そして、体を戻して、「ひゃあ~~。旨かった~~。」佐津香も同様に、「いえいえ。こちらこそ。今後共に。」小埜瀬、「はぁ~~。やっぱり、こころ、籠ってるわ~~。うん。」実感込めて。そして、口を閉めて、今度はアヒルのような口をして一呼吸。顔を傾げて、「いやぁ~~。コンビニの弁当じゃあ、こんな風には味わえない。」菜帆子、「当然です。ふふ。愛の証明ですから。」その声に小埜瀬、シャキッとして、「その通りです。ありがとうございます。」再び頭を下げて。菜帆子、「でぇ~~。課長~~。その、佐津香さんの娘さん、優維香さん、なんですけど~~。」愛結美も、「うんうんうん。」小埜瀬、ふたりの声に、口を真一文字にして、「はい。」菜帆子、小埜瀬を見て、「その優維香さんが~~。めでたく、結婚するという。」瞬間、小埜瀬、佐津香を見て、目を丸く、「へっ…???」そして、目をパチクリと。「あ、いや…。佐津香さん。…そうなんですか…???」佐津香、目を瞑って顔をコクリと。「えぇ。」「えっ…???…いや…。はは。いや~~。それは、それは。おめでとう…。」そこまで言って、「えっ…???」思わず頭を撫でて、「…って…???…いや…。果て…。この…タイミングで、佐津香さんの娘さんも…。僕と佐津香さんみたいに、結婚…???」菜帆子、「はい。」顔をコクリと。小埜瀬、「いやいやいや。凄~~い。」愛結美、小埜瀬に、「…で、課長。」小埜瀬、愛結美を見て、「あ、はい。」愛結美、「その…、優維香さんの結婚する相手の男性なんですけど…。」小埜瀬、「え、えぇ~~。」「課長は…。」愛結美、小埜瀬を見て、澄ました顔で、「知ってる訳、ありませんわよね~~~。」菜帆子も同様に澄ました顔で…。その話に小埜瀬、目をパチクリと、「え…???…えぇ…。」佐津香を見て、「え…???…って言うか、佐津香さんの娘さんにお会いしたのが、つい先日。初めまして。…ですから、そんな…。いきなり初めて会った人にプライベートな…。」愛結美、そんな小埜瀬に、両手を前に。「まま。…はい。」僅かに顔をコクリと。「確かに。…と、言うか~~。課長と佐津香さん、結婚する事、課長の…、息子さんには…。」 好きになれない。 vol,293. 佐津香も、「珍しく、人のを作ったわ。ははは。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.19
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「昨日、幼馴染と電話で話しててさ、思ったよ。あ。私、おかあさんと同じ事やってるって。まっ。シチュエーションは、私の方ドギツイかもだけど。だって、おかあさんの時は、予め、おかあさんから、おかあさんに付き合ってって、言って来たから。フェアーに。一応…、私の予定をねぇ~~。念のために。」優維香。悠里、顔をコクリコクリと、「うんうんうん。」「…で、私も、別に予定もないし。いいよ~~って。…でも、私の方は、とにかく、ダイレクトに。ドン。まっ、そりゃあね。私の場合は、タイミングも…。確かに。ん~~~。あったんだ…、よね。ま。でも…、おかあさんもにすれば、そりゃ、ビックリするわ。」一拍置いて、「けどさ。私だって…。そりゃあ~~。驚くでしょ。レストラン入って。しかも、何も前触れもなく、いきなり目の前にズド~~ン。心の準備も何もありゃしない。それこそ、ドッキンドッキンよ。」悠里、ただ、ただ、「うんうんうん。」「まっ。そんなこんながありまして~~。…何とかね~~~。」悠里、「わ~~~お。遂に、優維香~~~。相棒よ~~~。…で…???…プロポーズはどっちから…???」瞬間、優維香、悠里を見て、「へっ…???」悠里、しかめっ面をしながらも、「もぅ~~。だから~~。プロポーズの言葉~~。台詞だよ~~、セ・リ・フ~~。」ニコニコしながらの悠里。「ねね。どっちよ、どっち。」思わず優維香、素早い瞬き。「え…???…えぇぇぇぇぇぇ。え~~~。」悠里、いきなり眉間に皺を。「はっ…???」優維香、顔を傾げて、目をパチクリと。そして、舌をチロリと。「…して…、ないかな…???」悠里、目を真ん丸に。「うそ。」優維香、またまた素早い瞬き、「…って…。いや…。その…。」目を右に左に。また顔を傾げて…。「…言って~~。…ない。…し。…言われて~~。ない。や。」思わず変顔。悠里、「い゛~~~~ぃい…???」小埜瀬のスマホにライン。佐津香から。お昼休み。小埜瀬、既にビルのエントランス。近くのコンビニで弁当を買おうかと…。スマホを見て、「うん…???…休憩ブース。ふん。…まっ。仕方…ないっか。」振り返ってまた来た方向に。菜帆子と愛結美、「いやいやいや。とにかくビックリだわ~~。優維香ちゃんがぁ~~。」「へぇ~~ぇえ~~。課長の息子さんと~~。いやいやいや。」佐津香、「んもぅ~~、ビックリよ~~。何々、出掛けで倒れて脳震盪…???いきなりジョエルの課長さんから電話で。」菜帆子、マイボトルのお茶を飲んで、「うんうん。」佐津香、「…で…???…家に帰っ来た、と思ったら、何と、玄関に。男性と一緒。いきなり何っ!!!…って。体全体がビクン。うそ。」菜帆子、思わず、「かかかかか。」愛結美、おかずをスプーンで、「いやいやいや。そうなっちゃうわよ~~。うんうんうん。」「…で…、リビングに通して。」菜帆子、愛結美、「ふんふんふん。」小埜瀬、マーケティング事業へ。順平、「あれ…???…課長…???…お昼じゃ。」小埜瀬、休憩ブースに顔を。そして指を…。順平、「あぁ。はいはい。なるほど。」が、そこまで言って、「何か…、ありました…???」そんな順平に小埜瀬、顔を傾げて、「いや…。」休憩ブースのドアを。菜帆子、愛結美、「あ。来た来た。」佐津香、弁当を。「はい、これ~~~。」菜帆子、「奥様、作ってきたんだって~~~。早くも愛妻弁当~~。」愛結美、「かかかかか。」佐津香、「…ってか、瑛士さん。…課長。」その声に小埜瀬、佐津香に、「あ、はい。」「あなた、隆英さんに私との事、まだ、話してないって。」いきなりの話に小埜瀬、目を丸く、「はっ…???」「んもぅ~~。話を聞いてび~~っくり~~。」菜帆子も愛結美も聞きながらにして口を真一文字に。そして目をパチクリと…。小埜瀬、「えっ…???…あ。…はっ…???」思わず頭を掻きながら…。「とにかく、これ。」佐津香、小埜瀬に弁当を。それをペコペコしながら受け取って小埜瀬、「あ、あ。…すみません。わざわざ。」菜帆子、小埜瀬に、「ビッグニュース~~~。」愛結美、ニコニコと。「佐津香さんの娘さん。優維香さん。課長、ご存じでしょ。」佐津香の隣に座りながら小埜、「え。えぇ~~。みなさんもご存じの通り。」佐津香を見て、「先日、娘さんにはお会いして、佐津香さんと結婚の事。」菜帆子と愛結美、その声に、「うんうんうん。」菜帆子、「でね。」小埜瀬を見て、「課長~~。とにかく愛する妻のお弁当~~。」小埜瀬、「えっ…???…あ、あ~~。はいはい。」そして、包みを解いて弁当を。蓋を開けて…。菜帆子、愛結美、「お~~~~。愛妻弁当~~。」「かかかか。美味しそう~~。まっ。自分のはね~~。いつもの~~。かか。課長のは、まるでキャラ弁だわ。」笑いながら。 好きになれない。 vol,292. 小埜瀬のスマホにライン。佐津香から。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.18
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優維香の母のその声に瞬間、隆英、「ははは。いや…。…と、言うより、親父らしいです。まっ。母親がいませんから。…しかも…。大学時代から親父とは疎遠ですから。あれ以来、全く会っていませんから。親子と言っても、まず…。」佐津香、「確かに。…それはそうだけど~~。」智子、小埜瀬に、「ねね、どぅお~~。優維香ちゃん。とにっかく、素敵な彼女~~。」意地悪そうな目で。隆英、既に沸騰しているケトルの中のお湯をカップ麺の中に。「えへ…???」そして智子にニコリと。「はい。順調ですよ~~。」瞬間、智子、「あらまぁ~~。嬉しい声、聞けました事~~。はははは。じゃあ…、年内には…???」隆英、ニコニコしながらも、「ご想像に…、お任せします。」ペコリと。智子、何とも品を作りながらも、「ヒュ~~~。絶賛、期待しちゃう~~~。ふふふふ。じゃね~~。チャオ~~。」「はい。おやすみなさい。」いきなり悠里、「え~~~ぇえ~~。ひゃ~~~~。おかあさんに~~~。わっほぅ~~~。」自販機コーナーで。優維香、カップの中のカフェラテを飲みながら、「うん。言っちゃった~~~。…と、言うか、言わせちゃった。だって、自分から言うって言うから。まっ。私も…、何だかんだで。どうしようかって悩んでいたから。」「えっ…???…悩んでた…。」悠里、目をパチクリと。そして眉間に皺を寄せて。「…って…、何を…。仕事…???…でも、仕事はまま、いつも通り…。…けど…。何かしら、あんた、優維香、最近、あれこれとドンミス。何かあったかな~~とは、思ったけど。あんたの事だから。」「はは。それ、私の近所の幼馴染にも言われた~~。あんたの事だから。」悠里、こちらはカルピスソーダを飲みながら、「うんうんうん。」「実はね~~。…今だからって言うのもあるけど…。」悠里、口を搾って、「うん。」「おかあさん、結婚するの。」「ふ~~~ん。そぅなんだ~~。」普通に納得。…けれども、「えっ…???」すぐさま優維香を見て、「うそ。優維香のおかあさん、結婚…???」そして悠里、思わず左手を小刻みに振りながら、「いやいやいやいや。うそ。マジで…???…冗談。」目を見開いて。優維香、そんな悠里に、こちらも、可笑しがりながら、右手を小刻みに振りながら、「いやいやいやいやいや。…ってか、こういうの、冗談で言えないから。かかかかか。」悠里、目を真ん丸に、「いえいえいえいえいえ。え~~~~???…うそ~~。マジ…???…優維香のおかあさん結婚…???…わお。全く、そんな話、どこから来るのか…、それ自体が…。」優維香、「…ってか、私自身、謎だし。まさか。まだ心の中におとうさんがいるって言う人が…。」悠里、額に皺を。そして目を真ん丸にして、「凄~~~~。何々、仕事一筋って感じの…。ベテラン社員。それに…、売れっ子挿絵画家の…。」口をへの字にして、目をパチクリと優維香、「ねぇ~~ぇえ~~。」悠里、「何がどうして、そうなった~~???」優維香、口をグンニャリとさせて、「…でぇ。もうひとつが…。」悠里、缶を口に顔だけ2度程コクリと。「うんうん。」「その、結婚相手と、言う人が~~~。」悠里、「おっと。」「実は~~~。」「うんうんうん。」「リーダーのおとうさん。」すぐさま悠里、単発に、「えっ!!!」優維香、瞼だけを上にチョコンと。悠里、思わず、顔を左右に、誰もいないかを確認するように。そして小さな声で、「うそうそうそうそ。ぇぇぇぇぇぇぇえ~~~。…いやいやいやいや。リーダーのおとうさんって…。何々何。何でそうなっちゃうのよ~~~。」優維香、悠里に、「それ…、私に言う~~???…だから私~~。」口を尖らせて、「…ってか。今迄、そんな素振りも見せなかったおかあさんがよ。一体全体、全く予兆もなしに、いきなりよ、いきなり。頭をガ~~ンと、割られたような感じだったわ、あの時。…って言うか、もぅ、おかあさんが自分で決めた事だから、もぅ~~、私が何言おうと、決めた事だから、決めたの。…で、一点推し。に、なる訳よ~~。だ~~から~~。」悠里、優維香の話に顔をコクリコクリと。「私は一体、どうすればいいの。…に、なっちゃうじゃな~~い~~。それに…、悠里~~。あんたもあんたで、例のホテルのフロントの~~。」瞬間、悠里、頭を引っ込めて、「あた~~~。それ、出てくる~~???」「当然じゃん。…だからさ~~。…リーダーに、相談しようとも…。な~~んかね~~。…って言うか、リーダー自体、自分のおとうさんが私のおかあさんと結婚するなんて…。昨日、COCOに行く電車の中で、私が何とか話して、それで知ったくらいだから。」いきなり悠里、「うそ――――――っ!!!」「リーダーも、それ、知らなかった~~。」「いやいやいやいや。」 好きになれない。 vol,291. いきなり悠里…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.17
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佐津香、顔を傾げて、「ふ~~~ん。」そして優維香を見て、「あんたがね~~。あれほど、今は仕事。男性なんか二の次。な~~んて、言ってたあんたが~~。…まさか。」その声に優維香、思わず口を尖らせて、「だって…。」佐津香、口をガッシリと搾って、そして、「まっ。とにもかくにも。」目の前の隆英を見て、「小埜瀬さん。隆英さん。」コクリと頭を下げて、「優維香、娘の事を、よろしくお願いいします。」瞬間、隆英。再び優維香の母に、コクリと頭を下げて、「いえいえ。僕の方こそ、よろしくお願い致します。」そして笑顔で…。そして隆英、優維香を見てニッコリ。優維香も隆英を見てニッコリと。佐津香、「それにしても…。隆英さん。小埜瀬、隆英さん。」隆英、「あ、はい。」「日本には…。まだ…。」優維香を見て、「確か。」隆英、「3か月…に、なりますね。えぇ。」優維香、2度程、コクリと。佐津香、「そんなあなたが…。もぅ…。」隆英、躊躇なく、「えぇ。もぅ…です。…でも、これが僕にとっては、人生初の女性との巡り合わせなんです。」その声に優維香も佐津香も、「えっ…???」隆英、ニコリと。「申し訳ありません。…実は僕、生まれてこの方、女性の人とはこれほどまで接近…???」僅かに頭を傾げて、「近づいた事って…、ないんです。会社の人にも話してはいるんですけど…。学生時代から女性には縁がなく。」優維香、「あ、はいはい、うんうんうん。」隆英を見て。隆英も優維香を見て。そして目の前の優維香の母を見て。「学生時代は、とにかく、日本の外に出たいそればっかり考えていたもので…。」佐津香、隆英に、「えぇ。はい。優維香にも、そのように聞いてます。」「まっ。確かに、大学時代に海外から女性の留学生とも友達になりましたけど、それほど接近するという事は。」佐津香、話を聞きながらにして、「へぇ~~ぇえ~~。」「そんなこんなで、大学時代に大転換してしまいまして。」「ウチの社長と海外でバッタリと。」佐津香、「七瀬社長。」「えぇ。…ご存じなんですか…???」「えぇ。今でも、時々、お会いしますけど…。お孫さんが私の挿絵のファンでいらしてくれて。」優維香、「友望さんとこの女の子。」隆英、「あぁ~~。なるほど。」佐津香、キョトンとして、「あら。ご存じ。」「えぇ。大学時代に、七瀬家にはお世話になりましたから…。」「あら~~。」「…とは言え、友望さんのお子さんとはお会いした事はないんですけど…。まっ。海外で仕事をしていて、ある時、ホテルで七瀬社長にバッタリと。」佐津香、「へぇ~~ぇえ~~。」優維香、「話…、長くなっちゃうね。この分だと。」瞬間、隆英、「あ。」佐津香も、「あら。」優維香、「私…、食事の準備…。」いきなり優維香、椅子から立ち上がる。佐津香も、「あ、あ。…そうね。」隆英、「あ。…いや…。僕はそろそろ…。お話は…。」優維香と優維香の母を見て。優維香は、かろやかにテーブルから離れてキッチンに。佐津香も椅子から…。そして…。「いいえ。瑛士さんの息子さんが来て、食事も出さないでって…。必ず後に…。」隆英、「あ、いや…。」佐津香、「召し上がってってください。」優維香、鍋の中を見て、「うわお。ロールキャベツ。」佐津香、「う~~ん。今夜はね~~。テレビ見てたら、料理番組でこれ、やってたから、思わず作りたくなっちゃって。」優維香、匂いを嗅いで、「う~~ん。いい匂い。美味しそう~~。」そして、「隆英さん、食べてって。」すると…、隆英、ニッコリと。「はい。ご馳走になります。」佐津香、エプロンをしながら…。「あ。でも…、おとうさん、瑛士さんには、この事。」優維香と隆英を見て。優維香、瞬間、口を窄めて、顔を長く、そして目を真ん丸に。隆英、「あ、いえ…。まだです。」佐津香、その声に、「えっ…???」優維香と隆英を見て。隆英、「…と、言うかぁ~~。まぁ…。はははは。」佐津香、また優維香と隆英を見て、「うん…???」優維香、「実は~~。」母に。「隆英さん。おとうさんがおかあさんと結婚する事、まだ知らない。」瞬間、佐津香、「うそ。」目をパチクリ。「へっ…???」「…って言うか~~。」優維香。「私もまだ。隆英さんのおとうさんには、会って話してない。」「あ、いや…。」佐津香。「まま。男性の親には…。まま。うんうんうん。とにかく、女性の方から先にって。…分かるんだけど…。」佐津香、目をキョロキョロと。そして、「あの人、何…。まだ隆英さんに。…って、言うか、名前で失礼だけど…。」隆英、そんな優維香の母に、右手を振って、「いえいえいえ。」佐津香、「瑛士さんったら~~。何とも、暢気な…。」 好きになれない。 vol,290. 「優維香、娘の事を、よろしくお願いします。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.16
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「心臓が破裂するかと思った~~。」佐津香、既に鼓動の高鳴りは収まっていた。須美、「かかかかか。…ねぇ~~~。…って言うか、何~~???…じゃ、サッちゃん。結局は、ウチの伊寿美よりも、早くに、なっちゃうでしょう。9月に結婚。伊寿美は10月だから~~。」佐津香、コクリと、「うん。まっ。婚姻届け、出すだけだけどね~~。瑛士さんも、結婚式なんて、とんでもないって、私と同意見。」須美、「いやいやいやいや。まさかね~~~。この2、3か月で、何と柿崎家がそういう事になろうとは。」「私だって、まさか。よ~~~。」「とにかく、柿崎家、万々歳。」その声に佐津香、ニッコリと、「うん。ありがと。あ、伊寿美ちゃんと、岳燈君にも言っておいてくれない。この前の事。SNS。本当に、ありがとうございましたって。」須美、ニッコリと、「あ~~、うんうんうん。確かに。あれは、何とも、起死回生~~。ははは。良かったね。」「うんうんうん。モチ。」「いやはや。あんたが、結婚。…あれほど男は二の次、仕事、仕事の、仕事漬けだったあんたが…。」スマホから伊寿美の声。優維香、「まぁね~~~。何とも、こういう事に、なってしまったと。」「…って言うか、あんたが脳震盪で倒れた。」その声に優維香、「あ、うん。もぅ~~。ショック。目が覚めたら病院のベッドの中だもん。…思えばね~~。何ともまぁ、いろんな事が…。あれやこれやと…。…そんな中でのおかあさんの結婚。しかも、しかもよ~~。その相手が。」「彼氏のおとうさん。」スマホを耳に優維香、両眉を上下に。「びっくりなんてもんじゃないわよ~~。それこそ、心臓破裂するかと思った~~。こっちなんて、もぅ~~。何がどうなってるのか。何で…???…何で…???…何がどう…???…おかあさんなんて、予定ないならおかあさんに付き合ってくれる…???…なんてのほほんに言うし。何かと思えば、レストランで結婚相手に合わせるし。え゛~~~~???…聞いてないよ~~。…じゃあ、私はどうすりゃいいのよ。その結婚相手の息子が私と今、付き合ってるんですけど~~。」伊寿美、思わず、「かかかかかかか。」「んもぅ~~。すっちゃかめっちゃか。…なんだけど、彼は全く、僕は優維香に監視されてますから。…ってぇ~~。」「かかかかか。愛されてんじゃないのよ~~。えぇ~~え~~???」優維香、口を尖らせて、「…って言うか、もぅ~~。傍にいてくれないと困るって…、なってるし~~~。」「それだけ、好きなんじゃんよ~~。」優維香、伊寿美の声に、顔を傾げて、「ん~~~。好きって感じ…じゃあ~~、実際、ないんだけどね~~。好きって言った事もないし、聞いたことも…、ない。」伊寿美、目を丸く、「うそ。」「ほんと。」そして優維香、「ただ…。…そばにいてくれないと。…困る。」間髪入れずに伊寿美、「それを、好きって言うんだよ、世の中。」隆英、シェアハウスに戻り一旦部屋に。そしてリビングへ。そしてキッチンで水を。智子、「あら、おかえり。」「あ、ただいま帰りました~~。」隆英、ケトルに水を。そしてカップ麺を。智子、ケトルを見て。「おや。今からカップ麺。」隆英、ニッコリと、「えぇ。軽く、済ませようかと…。」優維香、ベッドの上、枕を抱きながらに目を閉じて。「ふふ。」2時間前。優維香に両手を差し伸べられて…。目の前の優維香の母親に隆英、「優維香さんと、結婚させていただけますか。…いきなりで、申し訳ありませんけど…。」瞬間、佐津香、一気に鼓動が…。そして瞬き。数秒の沈黙。口を窄める。3人、共に、声が出ない。隆英も口を窄めて優維香の母親を見つめる。佐津香、男性を見て、優維香を見て…。ようやく優維香、母に、「おかあさん…。」ほぼ1分。佐津香、頭の中には走馬灯のように…。…そして…。目の前の男性に。小埜瀬の息子に。「分かりました。」瞬間、優維香、目を丸く。口を窄めて。佐津香、「娘を。優維香を。よろしくお願いします。」ゆっくりと頭を下げて。隆英、優維香の母に、微笑みながら、「ありがとうございます。」優維香、朗らかな表情になり、「おかあさん。」佐津香、「とにかくビックリ。」男性を見て、「瑛士さんの…、息子さん…???」隆英、頷いて、「はい。小埜瀬瑛士の倅です。隆英と言います。」佐津香、どぎまぎするように。「隆英さん。」「西郷隆盛のたかと、英語のえい。隆英です。」そして佐津香、また数秒の沈黙。優維香、母を見て、唇をぎっしりと窄めて。隆英は…、と、言うと、冷静なままに。佐津香、いきなり、「分かりました。」瞬間、優維香、目を丸く、そして口を僅かに開いておちょぼ口に。隆英、口角を僅かに上げて優維香の母に微笑むように。…そして。目を閉じてサラリとお辞儀を。「ありがとうございます。」 好きになれない。 vol,289. 「心臓が破裂するかと思った~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.15
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隆英、優維香の母親にお辞儀をして、「優維香さんと同じ部署の、小埜瀬隆英と言います。」佐津香、思わず、「えっ…???」瞬き。…そして…。「小埜瀬隆英さんって…。」目をパチクリとさせながら佐津香、優維香に。「優維香…、あなた…。」優維香、母親に。顎で頷くように、「うん。」口を尖らせて、そして戻して、「おかあさんの結婚するおかあさんの会社の、おかあさんと一緒に働いている、小埜瀬瑛士さんの、息子の、隆英さん。」再び隆英に両手を。瞬間、佐津香、目を真ん丸に、「!!!!…うそ。」優維香、「うそじゃないよ、本当だよ。」隆英、優維香の母親に、丁寧にお辞儀を。「初めまして。」佐津香、一体何がどうなっているのか分からず、慌てながらも、「あ、あ、あ。あ、ま、まま、どうぞ、中に。どうぞ、どうぞ。」そそくさと玄関からリビングの方に向かう佐津香。頭の中で、「…あの子ったら、何、いきなり…。」優維香、隆英に、「どうぞ。入って。」隆英、促されるままに、コクリと。「お邪魔、しま~~す。」優維香の後ろをゆっくりと隆英。佐津香はキッチンでお茶の準備を。男性に、「すみません。この子ったら、何も連絡なしで…。」隆英、「あ、いいえ。逆に、僕の方こそ、優維香さん。病院からなので、また何かあったらと。池辺課長にも話して、送らせて。」佐津香、キッチンから離れて、男性に丁寧にお辞儀をして、「今日は、本当に優維香の事、ありがとうございました。」優維香、母に、「おかあさん。ちょっと、座ってくれる…???」鼓動が高鳴っている。そんな優維香を見て佐津香、目を見開き、顔を傾げて、「…???」優維香、再び、「いいから。」佐津香、ドギマギしながらも、ふたりを見て、「え、えぇ~~。」ゆっくりとキッチンから。そして椅子を引いて、椅子に座り…。目の置き場に困ったような趣で、「は…、い。」優維香と男性を交互に目で。優維香、母に向かって、「あのね。」その声にゆっくりと頷く佐津香。…すると…。優維香、隆英に両手を。そして、「どうぞ。」「何っ!!!何々何、サッちゃん、今、何つった…???…キャッハハハハハハハ。」スマホを左耳に、笑っている須美。「び~~っくりするでしょうよ~~。…そんな…。だって、いきなりよ、いきなり~~~。」佐津香、リビングのソファに。そして前屈みになりながら…。伊寿美も、目を丸く、左手でスマホを耳に。口に右手を当てて、「うそ―――――――――っ!!!」優維香、「ほんと。うん。」「…って言うか、あんた、優維香。彼氏、いたんだ~~~???…って。最近、あんた、物凄い忙しいらしいから、滅多に会えてなかったけど…。」「その辺の事については、正直、謝る、ごめん。友よ。」「え~~~~ぇえ~~???…何々何、じゃあ何、ついさっきの事じゃないよ~~。さっきの~~。」須美、物凄い、興味津々な顔で…。佐津香、「うん。小埜瀬さん、帰ってまだ1時間しか経ってない。優維香はご飯食べないって、お風呂入ってそのまま部屋に行ったから。」須美、佐津香の声に、「あら。ご飯食べないでって。優維香ちゃん。」「うん。あの子、今日、仕事で出掛け先で倒れたらしいのよ~~。」「え~~~ぇえ~~???」「軽い、脳震盪だって。」「脳震盪。」「最近、かなり仕事、きつかったようだし…。」「あ~~~~。」「でもねぇ~~。」佐津香。その声に須美、「うん。」「単純に。あの子には言わなかったけど…。彼、小埜瀬さんの話を聞きながらも、自分自身、してやられたって、思ったわ。つい可笑しくなって小埜瀬さんの前で笑っちゃったけど…。優維香には、おかあさん、笑うなんて失礼。ごめんごめんって、謝ったけど…。」須美、顔を傾げて、「うん…???」「ほら。私、優維香に小埜瀬を紹介したくって~~。」須美、思い出したように、「あ~~。うんうんうんうん。サッちゃん、小埜瀬さんに丸投げ。あなたから優維香に言ってって。」「くくくくく。そう~~。」佐津香、笑いながら。須美、ニッコリと、「は、は~~ん。それをサッちゃん。」佐津香もニコリと頷きながらも、「うん。そぅ~~。おんなじこと、やられたな~~って、思ってねぇ~~。」「…って事は~~???…ふふふふ。優維香ちゃんと彼、小埜瀬さん。」佐津香、目を丸く、口を尖らせながらに、「いやいやいや。当~~然。母親があんな事やらかしておいて~~、娘には。」笑いながら須美、「かかかかか。…でしょうね~~。」「あの子ももぅ、気付いてはいるかも…、知れないけどね~~。あの時の事。」「うん。」「でもね~~。…とにかく、驚いた。まさか、まさかよ。私の結婚相手の息子さんと優維香がって。」須美、口を真一文字にして、「確かに。ふふ。」 好きになれない。 vol,288. 「何々何、サッちゃん、今、何つった…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.14
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池辺、壁際の机から、椅子から立ち上がり、「おかえり優維香。大丈夫ね。うん。」ニッコリと。優維香、「みんな…。」池辺、メンバーを見回して、「みんな、優維香が帰ってくるまで待ってるって。」瑛子と阿寿沙、同時に、「びっくりしたよ~~、んもぅ~~、優維香が倒れたって聞いて~~、心臓破裂しそうだった~~。」亘夢、いきなり優維香に抱き付いて、「おかえり、チーフ。良かった~~。元気そぅ~~。」優維香、そんな亘夢に、「はは。ありがとう。」ドアがバン。「戻ったか。」真宮。小埜瀬と優維香を見て、「おぃおぃ。驚かせるなよ。カミさんから電話があって。…もぅ~~。勘弁してくれ。おまえたちに何かあったら、社長から大目玉だぜ。」小埜瀬、真宮に一礼して、「ご心配、お掛けしました。チーフ殿、軽い脳震盪という事で、病院で休んで。今は、この通り。」優維香、メンバー全員に深く頭を下げて、「ご心配、お掛けしました。」池辺、真宮を見て、そして小埜瀬と優維香を見て、「…で…???…ヘアサロンCOCO。」優維香、「はい。谷津峰社長との話で、準備が整い次第に契約との事です。」メンバーたち、また歓喜。「やった、やった。」真宮、両腕を高く、「ヨ~~シ。良くやった~~。うんうんうん。」メンバーたちも、小埜瀬と優維香に、「お疲れさまでした~~。」そして、ようやくメンバーたち、ふたりを見て安心したように、「お先しま~~す。」小埜瀬と優維香も、自分たちの席に。悠里、「…ったく~~。驚かせないでよね~~。相棒~~。」優維香、申し訳なさそうに、「ごめん、ごめん。」「こちとら、ヒヤヒヤもんだよ。」優維香、「すみませんでした。」ペコリと。「…と~~。まっ。病院帰りの人と一緒に食事って言ったら、怒られますね~~。はは。先に帰るわ。」「あん。うん。お疲れ様~~。」「…ってか、優維香、あんた、倒れて病院に運ばれたって、おかあさんには…???」瞬間、優維香、小埜瀬同様に、「あっ!!!」池辺もその声に、「うん…???」優維香、右目を瞑って、口を捩じり、「あっちゃ~~~。言ってないや~~~。」悠里、「わ~~お。」池辺、優維香を慰めるような顔で、「優維香。」優維香、池辺に、「あ、はい。」「おかあさんには私の方から電話しておく。仕事上でのアクシデントだもん。私が…。」優維香、池辺に体を向けて、「すみませ~~ん。」そして優維香、帰る準備をして…。池辺に、「では、課長、お先です。」池辺、「あん。うん。お疲れ様~~。」小埜瀬、「では、一緒に。また何かあったら。」池辺、小埜瀬に、「うん。そうね。リーダー。お願い。」「分かりました。」そして…。優維香と一緒に小埜瀬。駅まで…。そして…。優維香、どこまでも自分に着いてくる隆英に、「えっ…???」「家まで、送りますよ。」その声に優維香、「あ、あ、あ~~~。」そして…、ホームへの階段を上って、その時、スマホに着電。瞬間、優維香、「あっ。」隆英、「うん…???」優維香、バックからスマホを。そして画面を。「やっぱり。」隆英を見て、「おかあさん。」隆英、その顔に、「うん。」スワイプした瞬間に、「優維香、あんた、何やってんの。池辺さんから今、電話来てび~~っくり~~。」隆英、「わお。やはり…。」優維香、スマホを耳に、「ごめんなさい。今、ホーム。これから帰る~~。」母の声、「もぅ~~。びっくりさせないでよね~~。出掛けで倒れて救急車で運ばれたって。おかあさん、何も知らなくって~~。もぅ~~。軽い脳震盪って言ってたけど~~。」優維香、「うんうんうん。はいはいはい。もぅ、大丈夫だから。帰ったら、ゆっくりと。」「早く帰ってきなさい。何やってんのもぅ~~。」いきなりプツリと切れる。優維香、ポツリと、「かなりだね~~~。」隆英を見て。隆英も、「そのようで…。」電車に乗って…。優維香の隣に隆英。優維香、隆英に、「大丈夫…???」その声に隆英、「うん…???…何が…???」優維香、隆英を見て、前を向いて、「あ、いや…。」顔をほんのりと赤く。柿崎家の前。優維香、隆英に、「ここです。」隆英、頭をコクリと。「はい。」優維香、玄関を開けて、「ただいま~~~。」リビングから小走りに、佐津香。「優維香~~。あんた、もぅ~~。大丈夫なの~~。…ったく~~。」玄関に…。すると…。優維香の後ろに、ひとりの男性。佐津香、思わず慌てて、「あら。」優維香、「ただいま。」そして隆英に両手を添えて。「今日、私と一緒にいた、ウチのリーダー。小埜瀬隆英さんです。」佐津香、瞬間、「あら、まぁ~~。」優維香、「…で、倒れた時に、救急車を呼んでくれて、一緒に病院へ。」佐津香、男性に、「これは、これは。何と言ってお礼していいかぁ~~。」男性に深くお辞儀をする佐津香。 好きになれない。 vol,287. 「みんな、優維香が帰ってくるまで待ってるって。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.13
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病室のドアに向かう谷津峰。その後ろに小埜瀬。ベッドの上で優維香、「私…。」周りには数名の患者。隆英が優維香の傍に戻る。「隆英…さん。」「隆英でいいですよ。僕も、優維香さんを優維香って呼びますから。」優維香、「私…。」隆英、優維香を見てニッコリと。「少し…、無理しましたか…???…あれやこれやと…。」その声に優維香、「えっ…???…いや…。でも…。だって、私…。」隆英、笑顔で…。「僕が言いましょう。優維香のおかあさんに。」そして、優維香の右耳に近づいて、「優維香さんと結婚させて下さい。」優維香、その声に目を真ん丸に。そして、隆英を見て…。すぐさま目が潤んで…。目を閉じて。すぐさま涙が目尻から…。小鼻が赤くなる。優維香、ニッコリと。「…って。…へへ。…見破られてたか。」隆英、優維香を見て、「まっ。そのようです。」優維香、隆英を見て、可笑しいように、「なんか…、他人事みたい。」「その方が、僕みたいでしょ。」「ふふ。」「まぁ、多分…???…優維香の場合は…???…最初に、動画を見て僕の親父に驚いた。とにかくフランスでのプレゼン。」その声にベッドの中の優維香、ゆっくりと目を閉じて頭を動かす。隆英、「そして…。その動画を見た僕が、親父に似ている。…で、始まって、僕が親父に電話して、そこから親父が今、本当にフランスにいる事が分かり、プレゼンも親父だと判明。しかも、親父。実は、優維香のおかあさんの会社でおかあさんと同じ部署で働いていた。」優維香、また頭をコクリ。「そして。これが肝心なんだけど…。優維香のおかあさんが、僕の親父と付き合っていて、結婚すると優維香に報告。仕事がハード。スタッフコレクションに続き、リッツカルバン。そして、スタッフコレクションの波及なのか、はたまた、何かの悪戯なのか。国内大手の居酒屋チェーンの夢蔵とのコンペならぬ争奪戦。しかも、相手が因縁の伊玖伊那。そして…、結果的には敗北。な~~んだけど…。」ベッドの中で優維香、話す隆英を黙ってジッと見ている。「それが、思わぬところから、株式会社経営コンサルティング・WAKOに繋がった。そして…、そのWAKOからまたまた契約効果に波及。そして…。息就く暇のなく、今度はこれまた国内最王手のヘアサロン、COCOと来た。優維香、結構、ひとりで抱えるタイプだから~~。」その声に優維香、口を尖らせて、「…んな事言ったって。」真っすぐ前を見て…。「…で…???…とどのつまりは、おかあさんに僕の事、どう切り出そうかと…。それと仕事と同時に、頭の中が…。」いきなり優維香、布団を頭の上まで。そして、一旦は顔を出して、隆英に、「べぇ~~~。」隆英、思わず、「かかかかか。」そして、優維香もニッコリと。「ふふん。」けれども優維香、「あ。部長と課長に、私…。」「あ。それはもう、大丈夫です。僕が連絡しておきましたから。課長からはお願いって言われています。そして、真宮社長には谷津峰社長から連絡を。」優維香、ベッドの中で目を大きく、「わ~お。」「夕方辺りには、退院できるかと。軽い脳震盪。」優維香、「脳震盪かぁ~~。初めてだわ~~。…今まで、こんな事。」「抱え込むタイプですから、優維香。見ていて分かります。」「うそ。」「…と、言うより、やらないと気が済まない。まっ。それにはメンバーの力も最大限ですけど。…でも。」その、「でも」に優維香。「でも…。」隆英、「えぇ。…でも、僕のアイディアが…。デッサンが、優維香のデザインの基礎になっているというのが、嬉しくってねぇ~~。表現力なんて、僕の上を行っているみたいな…。それをしっかりと日本ではモノに出来ている。みんなが優維香を信頼していれば、優維香もみんなを信頼している。素敵な関係の輪ですよ。僕なんて、とても、とても、そういう関係までは…。」ニコニコしながらの隆英。「おっと。何か、飲み物、買ってきましょう。飲むでしょ…???」優維香、「あん。うん。お願い。」隆英、椅子から立ち上がり、ベッドの前を通り過ぎて…。廊下の方に。斜め向かいの…60代くらいの女性だろうか、いきなり優維香に、「お姉さん、彼氏かぃ。」ニッコリと。「いいねぇ~~。若いってのは~~。」その女性の隣でリンゴの皮を剥いている女性。30代だろうか、「おかあさん、失礼よ。」そして優維香に向かって頭をペコリと、「すみません。」優維香、そんなふたりにニコリと。そして軽く顔を左右に、「いいえ。」会社に着いたのが夜の7時。優維香、「えっ…???」小埜瀬も、「おや。」事業部に入ると、「おかえり~~。」「もぅ~~、心配させないでよね~~。」「チーフ、大丈夫ですか~~???」 好きになれない。 vol,286. 「僕が言いましょう。優維香のおかあさんに。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.12
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真宮から電話を受け取って池辺、「あ、はい。分かりました。」辺りを見回して、「いない…か。あ、リーダー。」小埜瀬、池辺に振り返って、「あ、はい。」「ごめん。チーフとすぐに。」小埜瀬にメモを。小埜瀬、メモを見て、「うん…???」「WAKOの大事な取引先。奥さんから、とにかく慎重にって。しかも、リーダーとチーフに直接会いたいって。優維香、いないみたいだけど…。先方も急いでるって。」小埜瀬、「あ、はい。分かりました。探して…。」「うん。お願い。」そして…。悠里、あるファイルから、「あ、これ。優維香~~。」優維香も別のファイルを見ながら、「うん…???」そして、「あ~~。うんうんうん。これだわ。あった、あった。」悠里、「…でもさ。あんた、優維香。大丈夫~~???…何だか最近、かなりハードそうだけど…。みんな心配してるよ~~。まっ。確かに、仕事バカなところはあるけどさ~~。少しは…。」その声に優維香、「な~~に言ってんだか~~。元々私は、仕事バカですから~~。」そう言いながら悠里に顔をグシャリとさせて、「あっかんべぇ~~。」そんな優維香に悠里、頭を揺らしながら困ったような笑顔をして、「ま、ねぇ~~。傍に旦那がいるから大丈夫だとは思うんだけど~~。」「…って言うか、あんたはどうなのよ~~。例のホテルエ。あれから進展は~~???」そういう優維香に悠里、慌てて、「かかかかか。まま、それは、それで。へへへへへ。」「何がへへへへへよ。」ドアが開いて、「おっと、ここにいましたか。」悠里と優維香、「リーダー。」小埜瀬、「チーフ殿、ちょっとすみません。」優維香、「うん…???」優維香にメモを見せて。悠里、「はいはい。行ったんさい。後は私がやるぅ~~。」優維香、メモを見ながら、「株式会社COCO(ココ)。ヘアサロン。渋谷区恵比寿…。……。」小埜瀬、悠里に、「すみません悠里さん。チーフ殿、お借りします。」悠里、小埜瀬に、サイン。「オッケィ~~~。はいはいはい。」悠里、優維香の背中を両手で押して。資料室を出て小埜瀬、まだメモを見ている優維香に、「部長から課長に電話が入って、WAKOの大事な取引先。奥さんから、とにかく慎重にという事です。それに、私と優維香さんに直接会いたいそうで…。」優維香、「株式会社COCO…、ヘアサロン。…聞いたことない名前~~。」隆英も、「えぇ。…とにかく急ぎましょう。先方も急いでいるみたいで。」優維香、歩きながら隆英を見て、「あ、はい。」事業部に戻って。ふたりに池辺、「あ。じゃあ、お願い。」小埜瀬、優維香、「分かりました。」凡そ1時間後。小埜瀬と優維香、「ここ。」「かぁ~~。恵比寿本店。」そして…。店内の女性に案内され社長室に。出迎えたのが…。「はい。いらっしゃい。羽恋にもお願いしたんだけど、大丈夫ね。」いきなりふたりに握手を…。「いらっしゃいませ、株式会社COCO。ヘアサロン代表取締役社長の、谷津峰心愛(やつみねここあ)です。」その眼鏡の鋭さ。の、中にも穏やかさはあるような…。優維香の心拍数が跳ね上がる。そして…。40分ほど…。谷津峰、ふたりと優しく握手。「よろしく。」隆英、優維香、丁寧にお辞儀をして、「よろしくお願いします。」社長室を出て…。…そしてエリアを…。店内の幾つもある席は全て埋まってる。隆英、「凄い光景。」優維香も目を奪われて、「うん。凄っ。」そして女性からエントランを出て、ふたりに丁寧に挨拶を。ふたりも。そして歩き出そうと…。その瞬間、優維香、ふらりと…。体が…。隆英、「お~~~っと~~。」優維香、既に意識なく…。女性、すぐさま、「大丈夫ですかっ!!!」隆英、優維香を抱えながら、「優維香さんっ!!!優維香さんっ!!!」瞼が動く。「ん…。ん…。ん~~~。」そして…。目が開くと、そこに…。「隆英さん。えっ!!!」すぐさま頭が上に。目がパッチリと。そして…、谷津峰が心配そうに。優維香、「谷津峰社長。」隆英、頭をダラリと。「良かった~~~。」谷津峰、ニッコリと、「気が付いたようね。」優維香、体を起こして。けれども、隆英、谷津峰、共に、優維香の体に触れて、「まだ、そのまま。」「うん。」優維香、ふたりに、「あ、あ、あ~~。」隆英、「軽い脳震盪だそうです。」谷津峰、社長室での厳しい表情とは打って変わって、「あなたね~~。柿崎さん。」そう言って、軽く顔を傾げて、「まっ。彼もいるから安心、ちゃあ~~。安心だけど。…ほどほどに。みんな羽恋から聞いてるから。」優維香、その声に、「えっ…???」谷津峰、そして小埜瀬に。「小埜瀬さん。彼氏。じゃ、後は任せるわ。」瞬きをしながらも優維香。「…って…???」隆英、谷津峰にコクリと頭を下げて、そして椅子から立ち上がり、再び頭を。そして直立になり、「ありがとうございました。」 好きになれない。 vol,285. 真宮から電話を受け取って池辺…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.11
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優維香、「何とも…、不思議な気持ち。」隆英、「おや。」そして、「はは。不思議な気持ちになれる。よろしいのでは…???」優維香、隆英を見て、「うん。…でも…、私が困ってるって…、感じたら、お願い、傍にいて。」隆英、優維香を見てニッコリと。「分かってますよ。」ゆっくりとした瞬き、「安心してください。…と、言うより、いつも僕の事を監視しているのは、優維香さんの方でしょ。」ゆっくりと体を起こしての隆英。そんな隆英の右肩に頭を。優維香、「はは。そうかも…。」隆英、前を見てニッコリと。「そうですよ。僕はいつも、優維香さんに監視されてますから。」優維香、小埜瀬の右肩に頭を擦り付けて、「もぅ~~。」そう言いながら隆英の右わき腹を右手人差し指と親指で抓る。隆英、「うわ。痛。」翌日、池辺から、「リーダー、チーフ。部長がお・呼・び~~。」その声に小埜瀬と優維香、頷いて…。部長室で優維香と小埜瀬、真宮から、「ふたりとも、良くやった。カミさんかなりの喜びようだ。はは。気に入られたみたいだな。3日後に、契約という事だ、よろしく頼む。」小埜瀬、笑顔で、「分かりました。」優維香、「はい。」小埜瀬と優維香、部長室を出ていく。そんなふたりを眺めていながら真宮、僅かに口を窄めて、「こいつら…。」凡そ12時間前。自宅のリビングのテーブルで紅茶を飲みながら羽恋、資料を見ている。麟、上着を椅子に掛けて羽恋に、「ただいま。」羽恋、「ふん、おかえり。」麟、ネクタイを緩ませて冷蔵庫に…。「…で…???…どうだったの、あのふたり。」羽恋、資料を見ながら、「う~~ん~~???…まっ。彼女、柿崎優維香~~???…何かしら、深刻そうね…。」その声に麟、冷蔵庫から缶ビールを。そしてプルタブを。「うん…???」「まぁね~~~。母親が母親だから。」「母親が母親…???」「まっ。彼女は彼女なりに、考えて結論に達するとは思うけど…。それにしても、小埜瀬隆英。ははは。」またその声に麟、「うん…???」そしてニコニコしながらも、「何々、何か感じた…???」羽恋の向かいの椅子に。羽恋、麟を見て、「うん…???…小埜瀬には、念を押しておいた。彼女にフォローしてあげてって。…まっ。それが出来る男性だから、間違いないと、私は思う。」麟、羽恋を見て、「おや。」そして3日後、真宮、メンバー全員に。「株式会社経営コンサルティング、WAKO。契約成立。」その報告にメンバーたち歓喜。そして…。更に1週間。またまたトラディショナル事業部の電話が…、止まらない。メンバーたち、「何々…???…スタッフコレクションの時と同じ…???…新規が…。」各地からの新規の契約が続いているのだった。瑛子に阿寿沙、「もぅ~~凄い。」「うんうんうん。WAKOとの契約からすぐさま、1週間経つけど、電話、来るよね~~。何なの、部長の奥様~~。どれもこれもがWAKO、WAKOって~~。」巴月、「はい。インテリアショップ、ジョエル。トラディショナル事業部、九龍(くりゅう)です。いつもお世話になっております。」遼子も、「はい、いつもありがとうございます。インテリア…。」更に1週間。WAKOとの契約の余韻が収まらない。仕事漬けの日々が続く。方や、佐津香の方は、こちらは順風満帆に瑛士の方と。一切優維香の方には意識関係なく、家の中でもスマホで通話。そんな母親を傍らで見ながらの優維香、内心、嬉しいやら困ったやらで…。隆英の事が気になりもするが、中々母親には…。その都度、頭を振り、「ん~~~。もぅ~~。仕事、仕事。それどころじゃない。切り替え、切り替え~~。」自分に言い聞かせるのだった。けれども、そんな優維香の日々に、少し違和感を持った人間がひとり。伊寿美である。電話で、「ねぇ~~、優維香~~。あんた、何かあった~~。最近、ちょっと…。ん~~。まっ。忙しいっていうのは、分かるけど…。な~~んか、無理しているような~~。」そんな伊寿美に優維香、目を真ん丸にして、「えへ~~。うそ~~。ん~~な事ないよ~~。まっ。確かに、忙しいっちゃあ~。忙しいんだけどね~~。」「うん。まっ。あんたの事だから~~。心配は、してないけどさ~~。ほら。この前、岳燈と一緒に食事したじゃん。」「あん、うん。さすがは岳燈君、中々~~。」「あんた、何か、いつもと変って。」その声に優維香、ベッドの上で胡坐を掻いて左手は左脚、膝に掛けたまま、枕を抱き締めながらも、「えへぇ~~~。かかかか。大丈夫だって~~。」「なら、良いけどさ~~。……。うん。まっ。あんたの事だから。頑張んな。」「うん。ありがと。」通話は切れる。優維香、「ふぅ~~~~。」いかんせん。優維香。「あ~~~ん。」そのままの姿勢で、体を後ろに。壁に頭をガン。「痛った~~~。」 好きになれない。 vol,284. 「僕はいつも、優維香さんに監視されてますから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.10
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「まぁね。ある種のインスピレーションのようなものよ。…って、言うか、私自身、あ、これいい。…って思ったら、その直感に従うのみ。…で、何故か、その後は~~。どっから嗅ぎ付けて来たのやら、雑誌やテレビやら。そんなこんなであっちこっち。全国渡り歩いていりゃあ~。知らずの内にネットワークなんて勝手に出来てくる。」そこまで言って羽恋、「ふふ~~。面白いものよ。私はな~~んにもしてないけど。周りがね~~。」小埜瀬、ニコリと、「はは。凄いですね~~。真宮社長。」「それと~~。否が応でも、こういう仕事をしてるとね~~。面白いように、人の心理までもが…。…あぁ。この人は、こんな風にって。見えちゃうんだよね~~。柿崎さん。」いきなり自分の名前を言われて、自分を見つめられて優維香、目を見開いて、「えっ…???」すぐさま真宮を見て小埜瀬を見て。そんな優維香に小埜瀬は右手を振って、「いやいやいや。僕は何も。」羽恋、食事は全て終わり、そしてワインを一口。「小埜瀬さん。柿崎さん、助けてあげてね~~。しっかりとフォローの程を。」そして羽恋、「これから、更に、忙しくなってきますから~~。聞くところによると、トータルインテリア伊玖伊那のインテリアデザインも、いいとこ、夢蔵までって噂ですから。」優維香、「えっ…???…嘘。」羽恋、ニコニコしながらも、「ふふ。膳場のネットワークも想像以上。捨てたものじゃない。あんな顔していながらも、人脈なんて、私以上かも知れないからね~~。どっから仕入れてくるものやら。まるで探偵でも雇っているくらいに。そもそも、伊玖伊那のインテリアデザイン、どこからか~~。拾ってきたデザインって話ですから~~。…きっと、誰かさんのデザインを~~。…っとね~~。」瞬間、小埜瀬、ワインを飲みながらも、「うっ。」優維香も、いきなり口を噤んで。目を丸く。羽恋、続ける。「まっ。でも…、今回の夢蔵。ある意味、可哀そうな事を、したんじゃないかな~~。」瞬間、優維香、眉間に皺を寄せて、「可哀そう…。」何が何だか全く分からない優維香、頭の中で、「…どういう事…???…それに、隆英さん…???…私を…???」羽恋、「お願いしましたよ~~。随時、資料は送らせていただきます。まっ。あなたたちふたりに任せておけば、安心だから。麟も太鼓判、推してたし。」優維香、「ぶ、部長が…???」「えぇ。」羽恋、優維香を見てニッコリと。「俺はあいつらには何も言わない。まっ。あいつらがあいつらなりに、好きにやって、ここまできたんだ。後は、あいつらでもっと上目指せば、それで結構。はははは。…ってね~~~。」羽恋、にこやかに。「そういう意味では、いてくれなきゃ困る上司でもあり、いてもらわなきゃ困る社員でもある。そんな感じなんでしょうね~~。」また羽恋のスマホに小刻みのバイブが…。気にはしていたが、優維香、頭の中で、「…これで何回目…???」その度に羽恋、スマホに目を向けてニコリとした顔。そして羽恋、ふたりに向き直って、「お食事の方は…???」両肘はテーブル。顔の前で両手を組んで、「楽しんでいただけたかしら。」すぐさま優維香、目を見開いて、「じゅ、充分に。はい~~。凄い、美味しかったです~~。」小埜瀬も笑顔で、「ご馳走様でした。」羽恋、ふたりを見てニッコリと。「そぅ~~。良かったわ。ふふ。」そして、「うん。は~~い。それでは、お仕事の方、よろしくお願いしま~~す。」小埜瀬、丁寧にお辞儀をして、「承知いたしました。ありがとうございます。」優維香、慌てて、頭を。「ご馳走様でした。今後…、共に、よろしくお願いします。」羽恋、ふたりに笑顔で、「じゃ、そろそろ…。出ましょうか。」レストランのウェイター、その他、3人に丁寧にお辞儀をして、「ありがとうございました。またのお越しを…。」優維香、小埜瀬の後ろを歩きながらも小声で、「凄い。羽恋社長って、どういう人…???」小埜瀬、前を向いて歩きながら、後ろに、「こういう人、みたいですよ~~。」そして…。また、車の前で立って待っている膳場。3人に丁寧にお辞儀をして…。羽恋、ニッコリと、「お願いね。」「承知いたしました。」優維香、頭の中で、「…なんとも、癒される~~~。」そして駅前で…。膳場、ドアを開けて。ふたりに姿勢を正して、丁寧にお辞儀を…。「お気を付けて。」助手席のウィンドゥを下げて羽恋、左手を振りながら、「気を付けてね。ご苦労様。」小埜瀬と優維香、羽恋に丁寧に一礼を。「失礼します。」数分後、ふたり…、ホームで…。ベンチに座りながらの優維香、トロ~~ンとしながらも、「私、今、どうなんだろ。」その声に隣に座っている隆英、優維香に、「えへ…???」優維香、「今まで、こんな気持ちになった事…、ない。」 好きになれない。 vol,283. 「私はな~~んにもしてないけど。周りがね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.09
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羽恋、優維香の声に、「あ~~。うん。膳場(ぜんば)ねぇ~~。膳場克敏(ぜんばかつとし)。まっ。私の片腕的、存在。…で、専任ドライバー。」小埜瀬、「おや。専任ドライバー。」「若い頃はあれで、レーサー。F1にも出てたらしいから、凄いわよね。」羽恋、微笑みながら。小埜瀬、思わず、「F1」優維香、「レーサー…。…それで…。あんなにピッタリと。しかも、すんなりと駐車場。」羽恋、そんな声に、「あぁ~~。うんうんうん。そぅそぅ。特にハンドルを切り替える事もなし。…かと言って、あちこち確かめるように頭を。それもなし。あれで…、全体を目だけで、見てるんでしょうね~~。あんな顔していながら。」その、「あんな顔していながら。」の声に小埜瀬、優維香、何とも困ったような微笑み。羽恋、ふたりのそんな顔を見ながら、「いや。だ~~って、顔、見ているだけで、こっちは、何とも力が抜けちゃうような…。のほほん的な…。」優維香、頭の中で、「…確かに。見ただけでダチョウ俱楽部のリーダーに似ていそうな…。」羽恋、「あんな顔して…。なんだけど、とにかくハンドルを握ったら凄い。」その声に優維香、目を真ん丸にして、「凄~~ご~~。」羽恋、「そして。絶対的なのが、とにかく安全運転。私が、ゴメン、何とかして、間に合わない。…と、いう時だけ、物凄いスピード。」そこまで言って羽恋、「ははははは。心臓が止まるかと思った。しかも、凄いハンドルさばき。高速なんか凄いから。社長、しっかりと掴まってて下さいよ~~。って。あの顔で言うんだから。しかも平然と。走っている車を追い越す、追い越す。丸で映画のカーチェイス。それでいて警察には一切捕まらない。」小埜瀬、口を尖らせて、目は丸く。羽恋、ニコリとながら、「だから、車は全て、膳場に任せてる。まっ。高い車ではあるんだけど~~。勝手にメンテナンス、しているんじゃないかしら。当然、正規の。…だからこそ、安心。まっ。警察に捕まらないって言うか、彼の運転には、追い付けない。の、かも…。…とは言え、レーサーはあくまでも彼の趣味。」その声に小埜瀬も優維香も、目を見開いて、「趣味。」「えぇ。実はと言えば、膳場、あの人の本業は、データサイエンティストなのよ。若い頃からアメリカでデータサイエンティストとして働いてて超一流。向こうで日本人女性と知り合い日本に帰国して結婚。ただ…、それから問題。奥様が若年性アルツハイマー型認知症になっちゃって。」小埜瀬、優維香、「わお。」「でぇ~~。」羽恋。「日本でも膳場を欲しがった経営コンサルティング会社があったんだけど…。奥様が若年性アルツハイマー型認知症だとね~~。中々~~。…結局、働いていた経営コンサルティング会社も辞めて、家で奥様の介護。そんな時に、私の妹がねぇ~~。いつも飲みに行くバーで膳場と会って。余りにもしょぼくれている様子だったらしくって話を聞いてみたんだって。…で、膳場を私に紹介してくれたって~~訳。当然、フルの勤務は無理。奥様が奥様だからね~~。但し、経営コンサルティングに関してのデータサイエンティストとしては、ウチの会社のトップレベル。アメリカで磨いた技術は相当なもの。確かに、どの経営コンサルティング会社としても、欲しい訳よ。」小埜瀬、優維香、共々聞きながらにして頷いて。羽恋、「だから、あなた、私の片腕になりなさい。奥様の面倒、と、言うより介護は私が看る。その辺はどうにでも…。ただ、奥様だって、あなたが傍にいなきゃ。だから、仕事は会社からあなたに全部送る。今時、会社にいなきゃ仕事が出来ない。そんな時代でもないし。ただ、私があなたを必要とする時だけ私の傍にいて。ひとつ返事だった。分かりました。よろしくお願いしますって。だから膳場は、私が必要とするときだけ車で迎えに来るって訳。ふふん。」小埜瀬、優維香、話を聞きながらにして、「へぇ~~。」「凄いんですね~~。レーサーでデータサイエンティスト。うんうんうん。」羽恋、軽く右手を挙げて…。ウェイターが近づいてくる。一言、「始めましょう。」ウェイター、一礼をして、「畏まりました。」優維香、「えっ…???」羽恋、そんな優維香を見てニッコリと。「ふふ、いいの、いいの。お任せを。」食事をしながら羽恋、「…でも、残念だったわね、夢蔵。」その声に優維香、「あ、あ~~。はい。」「まっ。でも…。今回のこの話は…。麟にも話しているけど…。かなり、大掛かり。」小埜瀬、その声に目を見開き、優維香は、「大掛かり…。」羽恋、「いや。…だって、私のこの話、もぅ、全国に広まってるから。」瞬間、優維香、瞬いて、アヒルのような口で、「へっ…???」 好きになれない。 vol,282. 「私の片腕的、存在。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.08
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優維香、「まっ。確かに。おかあさん。性格的に、自分で決めたと思ったら、自分で突き進むって性格だから~~。逆に、私があぁだの、こぅだの言っても。」首を左右に。「決めたから。…に、なっちゃうんだよね~~。」隆英、歩きながら、「へぇ~~ぇえ~~。」「ある意味…。」隆英、優維香を見て、「ある意味…???」チラリと優維香、隆英を見て、「…うん。…何か…。先、越されたかなって…。」その声に隆英、「先…???」改札を出て…。タクシーに。隆英、「すみません。」スマホの画像を見せて、「ここまで、お願いします。」運転手、「あいよ。」凡そ10分で目的地に到着。優維香、隆英、「ここが…。」「経営コンサルティング、WAKOの入っているビル。」隆英、「行きましょうか。」コクリと優維香、「えぇ。」受付の女性から案内されて。「失礼します。社長。」すると…。いきなり椅子から立ち上がり、「あら、いらっしゃ~~い。」いきなりふたりの前に駆け寄り、すぐさま右手を差し出す。女性に、「初めまして、真宮羽恋(まみやわこ)と言います。」握手を求める。優維香もそのままに右手を。そして、次に男性にも、「初めまして、真宮羽恋(まみやわこ)と言います。麟がお世話に。うんうんうん。」そして羽恋、すぐさま名刺を。「今後共に、よろしく。さっき、麟からも連絡がありまして、もぅそろそろ着く頃だと。」優維香も隆英も、そのストレートな動きに目を疑うが…。隆英が…。口を真一文字に。そしてニッコリと。「真宮社長、部長には大変お世話になっております。」その声に目を真ん丸にする優維香。口を窄めて、頭の中で、「…隆英…。」羽恋、ニッコリとして、すぐさまクローゼットに向かい、開き、バッグを。そしてハンガーから上着を。そしてふたりに、「ささ、参りましょう。」ふたりに手を差し伸べて…。優維香、隆英、呆気に取られて、ふたり顔を見合わせて、「えっ…???」羽恋、ドアを開けて、「ささ。」ふたりをドアの外に。言われるがままに優維香と隆英。羽恋に従い、後ろを…。そして羽恋、受付に、「これから出掛けますから。」受付の女性、丁寧にお辞儀をして、「行ってらっしゃいませ。」優維香と隆英も再び受付の女性にお辞儀をして…。オフィスを出る。そのまま、来たままのエレベーターで…。そのまま地下へ。そして…。車の傍で待っているひとりの男性。羽恋が近づくにつれて丁寧にお辞儀を…。そして運転手側の後部座席には男性に手を差し伸べて、ドアを開けて。そして、すぐさま反対方向に回り、女性を助手席側の後部座席に。羽恋はそのまま助手席に納まる。男性、運転席に。シートベルトを締めて。羽恋、笑顔で、「お願い。」男性、ニコリと、軽く頭を。「畏まりました。」地下から地上へ。そして…、大通りへと。そして数分。目的の場所に。駐車場がほぼ満車状態。けれども、一切躊躇なく、運転手、「ありましたね。」羽恋、運転手に、「お願い。」「分かりました。」そして、その場所に…。スルリと。後ろを見る事なく、ただ、単にバックミラーを…。隆英、僅かに眉間に皺を。そして…、頭の中で、「…この人。」優維香、思わず、目を真ん丸に、「す、凄い。こんな狭さに、このおっきな車。」しかも正確に車は収められている。男性、ドアを開けて、すぐさま後ろのドアを開ける。「どうぞ。」そして反対側に回り、ドアを開けて、「どうぞ。」優維香、「あ、ありがとうございます。」男性、羽恋に、「行ってらっしゃいませ。」羽恋も男性に、「じゃ、お願いね。」そしてふたりに、「さ。どうぞ。」ニッコリと。優維香、隆英、羽恋の後ろに。男性、ふたりにも、「行ってらっしゃいませ。」丁寧にお辞儀を。羽恋の後ろで優維香、隆英に小声で、「ねね。あの人、凄い。あの狭い空きスペースにスルッとあの車。びっくりした~~。」そんな優維香に隆英、笑顔で、「うんうんうん。」レストランに入り、皆々が、「いらしゃいませ。」すぐさまウェイターが、「ご案内いたします。」3人、ウェイターの後ろを。席はほぼ埋まっている。羽恋、ウェイターに、ニコリと、「ありがとう。」3人共に、席に収まり…。優維香、自然に店内を…。隆英、さりげなく雰囲気を。羽恋、上着のボタンを外し、そして上着を…。すぐさまウェイターが後ろからその上着を。そして椅子に掛ける。そしてそのまま離れる。ノースリーブ姿の羽恋、ふたりに、「どう…???…気に入った…???」その声に優維香、「あ、あ、あ…。」隆英、優維香を見てニコリと。優維香、「あ、あの…、真宮社長。」羽恋、優維香を見て笑顔で、「えぇ。どうぞ~~。」優維香、思わず、口の中の物を飲み込んで、「あ、あのですね。あの…。」周囲を気にしながらも、「あの…。あの、男性の方、運転手の…。」好きになれない。 vol,281. 「…うん。…何か…。先、越されたかなって…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.07
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「なんでも。」真宮。「カミさんも、SNSでジョエルの夢蔵のインテリアを見てウチのインテリアも、そろそろ模様替えって。そんな風に感じちゃったんだと。」小埜瀬、真宮に、「へぇ~~。何とも光栄な…。」優維香も、「うんうんうん。」けれども、「あ、でも…、部長…???…どうして…私と…。」小埜瀬を見て、「リーダー…???…部長の奥様だったら、直々に部長が…。」いきなり真宮、「あ~~。それ、ダメ。」ふたりに右手を振って。「どうせジョエルに頼むんだったら、パパじゃなくって、あのインテリアを考えた本人たちにって。」優維香、「パパ。…って、部長、お子さん…いらっしゃった…。」「いる訳ねぇだろ。カミさん、40過ぎてからの俺との結婚。…しかも…、15年も経ってんのに。」優維香、申し訳なさそうに、「で、ですよね~~。」真宮、「まっ。結婚してからは、いつの間にか冗談半分で言ったパパが、習慣になっちまったって奴~~。誤解するから辞めてくれっつぅても、いいじゃん、いいじゃん。その方がおしどり夫婦って感じで響がいいもん。…だとさ。まっ。逆に、辞めてくれって言って辞める人でもないんでね。」優維香、「はぁ。」「でだ。今日の夕方、ふたり、共に予定を空けといてくれ。」いきなり優維香、目を真ん丸に、「きょ、今日。」真宮、そんな優維香に、「そう。…だけど、何か…???」優維香、チラリと隆英を見て。「あ、いえ…。」真宮、小埜瀬を見て、「リーダーも、頼む。」小埜瀬、その声に、「あ、あ。あ、はい。分かりました。」優維香、頭の中で、「…って、いきなり、今日、夕方…。」夕方。駅への道すがら…。余り口から声が出ない優維香に隆英、「どうしました…???…優維香さん…???…今日は何かしら、元気がなさそうに…。」その声に優維香、隆英を見て、「えっ…???」「いつもとは…、表情も…、何かしら…。悠里さんも、何だか上の空。何かあったか…???…って心配してましたけど…。」優維香、まっすぐ前を見て、「ううん。別に…。ただ、いつになく、忙しくなってきたな~~って、思ってるだけ。」隆英、「ふ~~~ん。」交差点。渡ろうとすると、優維香、「キャッ。」もう少しでフードデリバリーの自転車とぶつかりそうに。優維香、避けそうと体を反転させて隆英の体に。そんな優維香を抱き締めて隆英、「おっと、危ない。ははは。」優維香、隆英にペコリと。「ごめんなさい。もぅ~~。いきなり~~。」隆英、優維香にニッコリと、「気を付けましょう。」そして…、ふたり、電車に乗って…。もはや、限界だった。優維香、隣の隆英に、「ねぇ。」隆英、優維香を見て、「うん…???」「話があるんだけど。」その声に隆英、「はい。どうぞ。」夕方のラッシュに近い時間帯。電車は混み始めていた。優維香、「おかあさんね。」隆英、「えぇ。」「結婚するの。」「おや。」そして隆英、「確か、優維香さんのおかあさん。以前に旦那様、亡くされて…。」優維香、「うんうんうん。」そして、「それから私とず~~っと、ふたりだけ。」隆英、優維香を見て、「ですよね~~。ふ~~ん。」優維香、「…でね。」隆英、優維香を見ながら、「はい。」「その、結婚する相手が…。」アナウンスが流れる。それと同時に、つり革に掴まっていたふたりがいきなり隆英と優維香の前の方に傾いて…。後ろの乗客が下りる準備で押されたのである。元に戻ったつり革のふたり。隆英、「結婚する相手が…???」優維香、コクリと。「うん。…その人なんだけど~~。」隆英、優維香を見て、「うん…???」優維香、隆英を見て、「隆英さんのおとうさん。」瞬間、隆英、目をパチクリとさせて、「はい…???」優維香、前を見ながら、「うん。隆英さんのおとうさん。」隆英、僅かに眉間に皺。「お、親父…???」優維香、コクリと。「うん。小埜瀬瑛士って言ってたから。…で、間違いなく、フランスでのコンペでプレゼン、した男性。」隆英、「親父がまた…、どうして…???…と、言うか。」すぐに父親の勤務している会社の名前を。「あ、あ、あ~~。確かに。エレガンサ化粧品。」優維香、「う、うん。おかあさんの会社、エレガンサ化粧品。」隆英、僅かに目を歪めて、「まさか…。親父が優維香さんのおかあさんと…。…って言うか…。」優維香、「昨日、会ったの。おかあさんから、日曜日、私に付き合ってくれって言われて…。…そして…、出掛け先で…。紹介されて、いきなり、付き合ってます。…で、いきなりおかあさん、結婚するって。」隆英、「わ~~お。」体が揺れる。隆英、右側を見て、「着きましたね。」電車を降りて…。歩きながら隆英、「なるほど。…それで優維香さん。その事で今日一日。悠里さんには何も。」階段を降りながら。優維香、「いや。だ~~って~~。悠里。悠里も今。その…、あの、ほら。例の…。」隆英、目だけキョロキョロと。「あ、あ~~。確かに。」 好きになれない。 vol,280. 「カミさん、40過ぎてからの俺との結婚。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.06
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愛結美も菜帆子の声に頷き、「うんうんうん。」そして佐津香を見て、「………。」佐津香、コーヒーを飲みながらに、菜帆子と愛結美を見て、「ま。確かに、最初はビックリ。」瞬間、菜帆子、「当~然~~ん。」愛結美も、「うんうんうん。」佐津香、「でも、あの子。」そこまで言って、「まっ。私の娘だからねぇ~~。私が決めた事だからって、数秒考えただけで、分かりました。おかあさんをよろしくお願いしますって。」その瞬間、菜帆子、愛結美、「さっすが~~~。出来てる~~。佐津香さんの娘~~。」お互いに顔を見合わせて、「うんうんうん。」「お願いっすよ~~、先輩~~ぃ。」「分~~かった、分かった。うんうん。心配すんな。教えてやっから。」休憩ブースに入ってきた龍二と順平。順平、3人を見て、「おや。お揃いで~~~。」菜帆子、ふたりに、「な~~にぃ~~。お願いっすよ、先輩~~ぃって、龍二、順平に何か、頼み事…???」「あ、いや…。実は、龍二のお姉さんが、アパレルショップを立ち上げたいらしくって…。けど、どうも上手く行かないみたいで。…で、僕に何とか手伝ってくれないかって。」愛結美、「へぇ~~ぇえ~~。龍二のお姉さん、アパレル~~。」龍二、「はい。まぁまぁ、人気あるみたいなんすけど、友達から、もうちょっと工夫したら、もっといい感じになるかも。って、言われたらしくって。…でも、これ以上、どうやればいいかって悩んでて。…でぇ、会社にその辺、詳しい人いるから聞いてみるよって言ったら、ほんと、ありがと。サンキュウ~~って。」順平、自販機の前で、「…って言うか、何の事ぁない。彼女も、同じ、アパレルなんで、どうせならって。」佐津香、「へぇ~~~。順平の彼女さん、アパレル~~。」菜帆子も愛結美も、「へぇ~~。そうなんだ~~。」順平、「…で…???…3人共、揃ってブレイクって…。珍しや。いつも、交代交代なのに。」菜帆子、「ふん。実はねぇ~~。佐津香さん、娘の優維香ちゃんからOK~~。出たらしいの。」瞬間、順平、「はは。本当っすか~~。かぁ~~。良かったっすね~~。」龍二、その声に、「へっ…???佐津香さん、娘さんって…???」僅かに数秒、「あっ。そっか~~。課長~~。」愛結美、「もぅねぇ~~。マーケティング事業部、こぞって佐津香、小埜瀬を祝福だからね~~。」「の~~前に~~。仕事よ、仕事~~。忙しくなってくるって言うのに~~。私と彼との事だけで回んなくなるって事、ないように~~。」すぐさま菜帆子、愛結美、順平共々、佐津香に敬礼。そしてそんな格好をお互いがお互いを見て、「ぷっ。」菜帆子、「まま。確かに、浮かれすぎもほどほどにってねぇ~~。」愛結美、「…で…???…佐津香さん、肝心のアレは…???」龍二、愛結美に、「アレって…???」菜帆子、「ば~~かねぇ~~。男女が付き合って、それから家族からOK貰っちゃえば、次はアレに決まってんじゃないよ~~。」順平、「つまりは…。」真っすぐに立ち、そして右手を握り拳に、肘を曲げて。思わず菜帆子と佐津香、「ぷっ。」佐津香、可笑しがりながら、「な~~んてね。…んなもん、やる訳ないでしょ。恥ずかしいったらありゃしない。この歳で~~。」「…と、言う事で~~。」菜帆子。「愛結美さん。」愛結美、そんな菜帆子に、「オッケィ~~~。」そして、順平を見て、「順平、あんたもよ。」順平、愛結美に、「へっ…???」目をパチクリと。そしてキョロキョロと。そしてニッコリと。「了~~解。」龍二、そんな順平を見て、「へっ…???…先輩…???」龍二に順平、いつものドリンクを。「ほぃ。」龍二、ドリンクを受け取って、「あ、はい。ども。」小銭を順平に。順平、小銭を受け取って、「あぃよ。」何かしら、朝からしっくりと来ない感じの優維香。実は、昨日の事で気持ちがシャキッとしないでいた。確かに、母親が結婚。それは嬉しい、のだが…。肝心の相手が、今、自分の彼氏となっている隆英の父親だとは、思いも寄らない事だけに、母には、「分かりました。」そして小埜瀬に、「母の事、よろしくお願いします。」とは言ってしまったものの、嬉しいやら困ったやら。今の自分の事をどう話せば…。悩んではいた。相棒役の悠里にも、中々話せないでいたのだった。そんな矢先、ある話が舞い込んで来た。真宮から呼び出された小埜瀬と優維香。「えっ…???…株式会社経営コンサルティング、WAKO。」キョトンとする優維香。真宮、「あぁ。実はその会社、俺のカミさんの会社なんだが…。」優維香と小埜瀬、顔を見合わせて、そして、真宮に、「部長の…、奥さん。」真宮、僅かにコクリと。「あぁ。」 好きになれない。 vol,279. 「さっすが~~~。出来てる~~。佐津香さんの娘~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.05
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その声に小埜瀬、何とも申し訳ない表情で、「あ、あ、あ~~。…いや…。こ、こちらこそ。…って、佐津香さ~~ん。」佐津香、瑛士に、「うん…???…でも。…だってさ~~。こういうの、もぅ、最初が肝心。会社、これから今以上に忙しくなる。…それを見込んで、みんなが、それに慣れて、ようやく…、落ち着いた頃に。…と、思ってねぇ~~。」瑛士、その話に、「あ、あ、あ~~~。な、な~~るほど。」「それに。」佐津香。「瑛士さん、息子さんにも安心させてあげなきゃ。」その声にいきなりビクンと優維香。瑛士、佐津香の声に、「あ、は、はぁ~~。」「それに。」佐津香。「菜帆子やその他のメンバーたちにも、その方がいいと思って。ね。」優維香、「菜帆子さん…???」佐津香、「ふん。」優維香を見て。「我がマーケティング事業部、残念ながら、既婚者は愛結美さんひとり。その他、私も含めて結婚してない女性ばかりだから~~。少しは刺激に~~、と、思ってねぇ~~。」思わず優維香、口を尖らせて目をパチクリ。「あ。」佐津香、「そういえば、トラディショナル事業部だって~~。あんたんとこも、まだ、結婚している人って~~。池辺課長だけでしょ。真宮部長なんて、物凄い経営コンサルタント~~。」瑛士、目を見開いて、「えっ…???…そうなんですか…???」「うん。凄いよ。もぅ~~。スピード結婚なんてもんじゃない。婚姻届け、突きつけられてすぐ結婚だから。しかも、ドド~~ンと、年上。」瑛士、すぐさま、「凄ぇ~~~。」優維香、「どこからその情報。」そして考えて、「はは~~ん、七瀬社長~~。」「まねぇ~~。教えてくれる人は、教えてくれる。ただ、遊び半分で喋っている訳じゃ~~ないから。必要な時しか口に出さない。まっ。瑛士さんに話しても、口外はしない。…って言うか、瑛士さん自身に必要な事じゃなし。しかも、こんな話を口外したところで、何の得にもならないし。」瑛士、「確かに。」「お待たせしました~~。」テーブルに未梨と伽璃菜。トレイに料理を。瞬間、優維香、「うそ。」母に小声で、「まだ何も頼んでないけど…。」そんな声に佐津香、左手をヒラヒラと、「気にしない、気にしない。前以て頼んでおきました~~。」伽璃菜、未梨、「どうぞ。お召し上がりくださ~~い。」瑛士、「ありがとうございます。」伽璃菜、小埜瀬に、「小埜瀬さん。グッジョブ。」ガッツポーズ。そのポーズに小埜瀬、にこやかに、「ははははは。」未梨、頭を下げて、「おめでとうございます。これで会社のみんなも。」佐津香、その声に、「ふふふ。」伽璃菜、優維香に、「おかあさんの会社の人、みんな知ってますから、佐津香さんと小埜瀬さんの事。」瞬間、優維香、目を真ん丸に、そして口を縦に大きく。「わ~~~お。」そして頭の中で、「…私と同じだ~~~。」そして、ふと頭に過る、シェアハウスの事。優維香、再び頭の中で、「…私…、どうしよ。…リーダー。隆英さん。」佐津香、「はい。…では、頂きましょう。」瑛士、コクリと。「はい。頂きましょう。」優維香も、頭をコクリと。そして、また頭の中で…。「…って、まさか。リーダー。隆英さんのおとうさんと、おかあさんが…。…結婚って…。…有り得ないでしょうが。」佐津香、優維香を見て、「うん…???…どうかした…???…何だか、表情…。」その声に瑛士も反応して、優維香を見て、「……。」瞬間、優維香、目をパチクリと。「あ、あ。ううん…。ふふふ。」そして優維香、再び頭の中で…。「…って言うか、この人…。プレゼンで…。確かにフランス…。外人ばっかりだから…。…でも、凄い、体格…。」チラリと母を…。「もしかして…。」3人共に、メニューを口に。そして、優維香、すぐさま、「わっ!!!」その声に佐津香も瑛士も、優維香を見て、「ふふ~~ん。」佐津香、「ふふ、美味しいでしょ。」優維香、目を真ん丸に、「うんまっ。」佐津香、「はは。」そして、カウンターに顔を。左手親指を上に。伽璃菜、未梨、リチャード、ニコリと。3人も共に、親指を上に。優維香、食べながらも頭の中で、「…この人が、おかあさん、タクシーで家まで…。…ってか、考えても仕方ないっか。おかあさん、決めたら決めたでトコトンだから。…それにしても、美味しい。アネモッサとはまた違った感じの美味しさ~~。」「…って、うそ―――――――っ!!!」菜帆子。「マジで、優維香ちゃんに…???」休憩ブースで。愛結美も、目を真ん丸に。「早~~~~。佐津香さん。」そしてニッコリと、「わお。」佐津香、「まっ。だ~~って、いつまでも、じれったく~~???」菜帆子、「まま、確かに。」愛結美も、「うんうんうん。」菜帆子、「…で…???…肝心の…、優維香ちゃん。」 好きになれない。 vol,278. 「こういうの、もぅ、最初が肝心。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.04
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またまた優維香、母を見て目を真ん丸に。「!!!!」そして、「…って、うそ~~~???…いや。」目の前の男性を見て瞬きを。そして母を見て、真ん丸の目はそのままで…。驚愕の表情、そして鼓動が高鳴る。優維香、目の前のグラスを持ち、すぐさま口に。そしてゴクリと。グラスを置いて、「…って…、おかあさん…。いや…。」また目の前の男性を見て、母を見て、「そんな…、何、いきなり。」佐津香、のほほんの顔で、「ま、ね。こういうのでいいのよ。土台、なるようにしか、ならないもの。」そして佐津香、「おかあさん。この人と結婚する。」瞬間、小埜瀬、優維香、同時に、「え―――――――っ!!!」「…って…???」優維香、男性を見て。小埜瀬、びっくり仰天の顔で…。そして目の前の佐津香の娘を見ていきなり顔を左右に、そして右手をヒラヒラと。「あ、いやいやいや。いや。結婚って…、まだ、そこまでは話は。」その声に佐津香、「あら、瑛士さん。じゃあ、結婚しないで、このままズルズルとお付き合いのまま…???」小埜瀬、思わず困った顔で、「あ、いや~~~。」右手で頭の後ろを。佐津香、「あなたが私の匂いで倒れた後、あなたを家まで。それをするの、誰…???」優維香、いきなりその話に母を見て、「えっ…???…どういう事…???」佐津香、澄ました顔で、「とにもかくにも、おかあさんはこの人と結婚します。」瞬間、小埜瀬、目の前の女性に、申し訳なさそうな顔で、軽く頭をコクリ。「申し訳ありません。」優維香、その声に、「申し訳、ありません。…って、そんな…。」「そんな」の声に小埜瀬、「あ、はい。すんません。」すぐさま背筋を伸ばして、そして、目の前の女性に、再び姿勢を正して、「すみません。柿崎佐津香さん。優維香さんのおかあさんとの結婚。結婚させて下さい。」佐津香、再びグラスの中の水を。優維香、口を窄めて、目を真ん丸に。目の前で、自分の母と結婚すると明言した男性。しかも、そんな男性の澄ました顔で水を飲んでいる母親。マジマジと男性を見て、そして全く動揺もない母を見て。そして…、今までの事が頭の中で…。走馬灯のように…。10秒…。ゆっくりと落ち着く優維香。…そして…。「分かりました。」目の前の男性に。頭をゆっくりと下げて、「母を、よろしくお願いします。」瞬間、後ろから、「イェ~~イ。」いきなり優維香、体がビクン。顔だけ後ろに。「コンガッチュレーショ~~ンズ。」伽璃菜が万歳。そして未梨が両手で拍手。リチャードがカウンター内でガッツポーズ。伽璃菜が早速ふたりにコーヒーを。「おっめでうございま~~す。ははははは。コーヒー、どうぞ~~。」そして佐津香に、「佐津香さん。良かったね~。」そんな伽璃菜に佐津香、「えぇ、ありがと。」「母を、よろしくお願いします。」と言われてからの小埜瀬。体をダラリとさせて。そんな小埜瀬を見て佐津香、「くくくく。何よ、そのタコになったような格好は~~。」瑛士、佐津香を見ないで、「だって、そうでしょ。いきなり結婚って、段取りになかったですから。」優維香、「段取り…???」母を見て。「…って言うか。」コーヒーを飲んで、「ん…???…このコーヒー、おいし。」佐津香、「コーヒーの本場、ブラジルから直輸入してるって、リチャードが。あぁ、ここのオーナー兼シェフ。」カウンターの方に目を。優維香、再びコーヒーの匂いを嗅いで。「へぇ~~~。」そして、「うんうんうん。いい匂い。」佐津香、優維香に、「でしょ。」優維香、また一口。「うんうん。おいし。」「でね、優維香~~。」佐津香。コーヒーを一口。「おかあさん、3か月後には、この人と結婚するから。」いきなり瑛士、「3か月っ!!!」優維香、「うそ。」ふたり、また共に佐津香を。母を。優維香、すぐさま小埜瀬を見て。瑛士、そんな優維香にまたまた頭を左右に振って。手をヒラヒラと。けれどもその瞬間、優維香、「ふ~~ん。…そっか~~~。」瑛士、優維香を見て、口を尖らせて、「…て、いやいや。あの、その…。」優維香、「はいはい。分かりました~~。…で、何処に住むのよ。」ケロリと佐津香、「うちでいいわ~~。どの道、その先、男でも必要になってくるでしょうから。」その声に優維香、目を真ん丸に、そして口を窄めて、「そこまで考えているぅ。…って言うか、決めているぅ。」嬉し困った表情での瑛士。顔を真っすぐに優維香にチョコンと。優維香、すぐさま、「ふぅ~~~。」瑛士、目の前の優維香を見て、薄い目をして、おぼつかない表情で…。優維香、「分かった。もぅ、おかあさん、決めてるんでしょ。…んじゃあ、私、逆らえないじゃない。」佐津香、「ふん。そっ。」そして優維香にニッコリと、「お利口さん。さすがは私の娘。ふふん。」そして小埜瀬に対して優維香、頭をペコリと。「母の事、よろしくお願いします。」 好きになれない。 vol,277. 佐津香、「おかあさん。この人と結婚する。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.03
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佐津香、優維香に、「あんたに合わせたい人がいるの。」出掛けに、「仕事も順調、たまには親子で出掛けよう。いいでしょ。」佐津香、優維香に。「まぁ~~。珍しく、うん。いいんじゃない…???…ここんところ、おかあさんも私も、仕事仕事で。」「でしょう~~~。」そしてふたり、車に乗って…。話す話題は佐津香の挿絵の事、コンペの事、優維香のインテリアコレクションの時の事。そしてリッツカルバンホテルの事。そして今回の争奪戦。からの、伊寿美と岳燈の事。話は尽きない。…やがて…。優維香、レストランの玄関で、「ダイニングバーラスカ…。うん。結構、お洒落。はは。…って言うか、おかあさん、こういうお店…、来るんだ…???」その声に佐津香、「あん。おかあさんだって、最近知ったお店~~。」優維香、頷きながら、「ふ~~~ん。」自動ドアから…。佐津香、「こんにちは~~。」伽璃菜が、「あ、は~~い。あ~~、佐津香さ~~ん。お待ちしておりました~~。ふふふふ。いらっしゃいませ。」「こんにちは、伽璃菜さん。」佐津香。そして隣にいる優維香を、「こちら、私の娘、優維香って言います。」優維香、初めての女性にペコリと、「こんにちは~~。」伽璃菜、女性に丁寧にお辞儀を。「こんにちは。初めまして~~。」ニッコリ。すると厨房から未梨。「いらっしゃい、佐津香さん。うん。お待ちかね。」そして佐津香の隣の女性を見て、「あら~~~。いらっしゃい。エレガンサ化粧品の方々にはお世話になっております。ラスカシェフの天樹未梨と申します。」女性に丁寧にお辞儀をして。優維香も、「初めまして、娘の優維香と申します。母がお世話になっております。」未梨、伽璃一緒に手を差し伸べて、「どうぞ、どうぞ。」佐津香、お辞儀をしながら…。厨房で料理中のリチャードにもお辞儀を。「こんにちは~~。」リチャード、「は~~い、佐津香さ~~ん。」そしてリチャード、席の方に右手を。店を見渡すように優維香。そして未梨、伽璃菜、ひとつのテーブルに。そして、「どうぞ。」優維香、初めて気づく。「あっ。」店に入ってからも内装を見回しながらだった優維香。いきなり目の前に現れた男性に、「あっ。コンペの。」男性、小埜瀬である。小埜瀬、いきなり椅子から立ち上がり、優維香にお辞儀をして、「は、初めまして。小埜瀬と申します。」優維香、びっくりして、「あ、あ、あ~~~。」いきなり頭をペコリと。「ど、どうも…。…初めまして。」伽璃菜、「佐津香さん、コーヒーでOK…???」ニッコリと。佐津香、伽璃菜に、「えぇ。お願い。」そして、「優維香、あなたも…。」落ち着かない優維香、母に、「え、えぇ。あ…、はい。コーヒーで。」伽璃菜、笑顔で、「畏まりました。ごゆっくりと。」佐津香、椅子に。優維香にも勧めて。優維香、「あ、えぇ。あ、はい。」小埜瀬、緊張しながらも、自分も椅子に。女性に、「す、すみません。いきなりで…。」恥ずかしながらも、「そ、そうですよね。はは。…いやはや…。」優維香、母に、「ちょ、ちょっと~~。おかあさん。」そんな優維香に佐津香、のほほんと、「うん…???」「うん…???…って、ちょっと…。」佐津香、とぼけたような顔をして、「うん。」そして小埜瀬に手を。「こちら、エレガンサ化粧品、マーケティング事業部の小埜瀬瑛士さん。」「そ、それは…。フランスでのコンペで、顔は…。…って、ちょっと~~。」小埜瀬、再び、「申し訳ない。いきなりで。」頭を撫でながら。「瑛士さん、私の娘。柿崎優維香です。はい。どうぞ。」優維香、またもや、「はい、どうぞって…。おかあさん。」母を見て、目の前の小埜瀬を見て。優維香、再び頭をコクリと。「初めまして。柿崎優維香と言います。」佐津香、「初めましては、さっきも言った。」優維香、慌てて、「いや。だって…。」小埜瀬、また、「いや。申し訳ない。いきなりで。」「いきなりでも、今、さっき言った。」小埜瀬、佐津香を見て、「あ、はははははは。」そして佐津香、小埜瀬に、「はい。お願い。」優維香、母に、「はい、お願いって。おかあさん。」小埜瀬、優維香に頭をコクリと。「あ、あ。はは。その…、いや…。んんんん。」そして、姿勢を正して、「あの。…あの…ですね。」澄ました顔の佐津香。小埜瀬、そんな佐津香を見ながら、困ったようでもあり…。優維香に、「あ、あの。あの。んんんん。柿崎、佐津香さん。おかあさんと、お付き合いさせて頂いております。」瞬間、優維香、目を真ん丸に。口を窄めて。僅かに2秒。「お、おかあさん…???」母を見て。佐津香、優維香に澄ました顔で、「うん…???何…???」慌てて優維香、「いや…。何って…。その…。お、お付き合い。」佐津香、キッパリと、「そっ。」 好きになれない。 vol,276. 佐津香、優維香に、「あんたに合わせたい人がいるの。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.02
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賀寿恵、小埜瀬に頭をペコリと。そしてにこやかに、「ありがとうございます。」そんな賀寿恵に小埜瀬もニコリと。「いえ…。…どういたしまして。…って…。」可笑しがりながら、「どうして…、ありがとうございます…???」僅かに両眉を上に。賀寿恵、「だって…、今、小埜瀬さん、私を見て、奇麗で素敵なのに。って。」「あ~~。」そして、「実に奇麗で素敵です。」「でも…。そんな…、奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」瞬間、小埜瀬、目を見開いて、「えっ…???」賀寿恵、口を真一文字にして、僅かに両肩をチョコンと。「ショックでした。」小埜瀬、賀寿恵のその声に思わず、「ショック。」眉間に皺を寄せて。賀寿恵、ニッコリと、「えぇ。ショックでした。」そして、ワインを一口。そして周りを見て、「私。」今度は小埜瀬を見て、「小埜瀬さんにお付き合いしてもらいたくって、お誘いしたんです。」小埜瀬、いきなりビールをゴクリ。そして口を窄めて。目を丸く。賀寿恵、僅かに顔を赤らませて、そして照れたように、「…でも…。…やっぱり、ダメでした。おばさんからは、しっかり。…って言われて、背中を押されたんですけど…。」「えっ…???」小埜瀬、「麗子さん…???」賀寿恵、照れながらも、顔をコクリと。「えぇ。」小埜瀬、目をパチクリとさせて、「…って…。それは…。…どうして…???」賀寿恵、僅かに視線を下に。そして右手で髪を耳に。「元々、おばさん、アトランタのホテルで偶然小埜瀬さんとバッタリ会って、あるインスピレーション、湧いたらしいんです。」「インスピレーション。」「面白い事になるかも…って。」小埜瀬、また眉間に皺を。「面白い事。」「えぇ。」「おばさん、あぁいう人ですから。咄嗟に、頭の中に閃きが湧くんです。…もしかしてって。…で、それが実に…、何故かは分からないんですけど、実に、ほぼ確立的に、その通りになるんです。…と、言うか、その為にはとにかく突進しますけど…。」小埜瀬、「うんうん。確かに。それはある。僕の時もそう。まっ。じゃあなければ、今の僕はいないんですけど…。」賀寿恵、頷いて、「えぇ。…で、アトランタのあのホテル。偶然にも小埜瀬さんに会って、すぐに私と小埜瀬さんを結ばせようと。」すぐさま小埜瀬、「わお。」「だったら会社に入れちゃおうって。」「何と。」「それからは、じっくりと時間を掛けて。」「な~~るほどね~~。」「でも…。私自身…。まっ。今もそうですけど…。」恥ずかしそうに賀寿恵、「男性には…、全く…。」舌をチロリと出して、「子供の頃からそうなんです。中学の時もそうですけど…。空手で、男性からお付き合いって言われて…。…でも、友達がその男性の事…。私にはとてもとても…。まっ。その後は、女性ばかりの学校で…。その延長、延長で…、男性と一緒って言うのには…。中々…。」小埜瀬、話を聞きながらに、「そうでしたか~~。」賀寿恵、小埜瀬を見て、「えぇ。…で、つまりは…、自分をようやく、曝け出して…、こんな風に一緒に食事できるのって…。しかも…、プライベートで…。…小埜瀬さんが、初めてなんです。」小埜瀬、数回頷いて。「うんうん。分かりました。」賀寿恵、途端に、「へっ…???」「あ、いえ。」小埜瀬、思わず左手をヒラヒラと。「僕の場合…。ここ、日本に来て、知り合い…。ん~~。友達って、まぁ…。結局のところ、会社の、トラディショナル事業部の人たちに限られます。まだ、期間も3か月程度。」賀寿恵、瞬きしながらも、「え、えぇ。」「弓さんにも、素敵な人が、いますよ、きっと。」賀寿恵、僅かに残念そうな顔をしても、笑顔が混じった顔で…、「だと、いいんですけど…。」店から出てふたり…、駅へと…。賀寿恵とは、そこで別々のホームに。そして…。賀寿恵、麗子に電話。スマホに麗子の声、「えっ…???…駄目だったの…???…うそ。」賀寿恵、「えぇ。振られました。もぅ…、傍にいてくれる女性、いるようです。」「あらまぁ~~。あの子ったら、いつの間に。」小埜瀬は小埜瀬で、スマホに、「Hey Robert.」そして15分後…。「あ、優維香さん。これから帰ります。」優維香、「あん。うん。弓さん、どうだったの…???…何だったの…???」そして隆英、優維香にそのまま…。「はぁ~~ぁあ…???」ベッドの上で横になっていたのが体を起こして胡坐に。「いやいやいや。分かりましたって、どうすんのよ。」そして、「うんうん。うんうんうん。…わお。」賀寿恵、シャワーを浴びながら…。裸の体全身に熱いシャワーを…。そして…、壁に体を…。そして…、俯いた顔。両手で覆いながら…。…けれども、ふと…。頭の中で、「…でも…。あの時、分かりました…って…。」某レストランの前。優維香、「ふ~~ん~~。おかあさん、誰かと待ち合わせ…???」 好きになれない。 vol,275. 「奇麗で素敵な私を、小埜瀬さん、今、振っちゃいましたから。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.06.01
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その瞬間、賀寿恵、いきなり今迄思い詰めていたものが、体の底に、ス~~~ッと、引いていくような…。そして…、頭の中で、「…だめだ。私は、だめだ。この人の中に、私はいない。」僅かに目を潤ませて…。小埜瀬、賀寿恵に、「弓さん。…どうしました…???」瞬間、賀寿恵、潤んだ目を懸命に堪えて、引き戻すように、「えっ…???…あ。あ、あ~~。」思わず瞬き。「あは。えぇ。えぇ。…」一度、鼻を啜って。笑いながらも、「…ですよね~~。あは。はははは。」口を懸命に搾って。「えぇ。えぇ。あ、はい。」小埜瀬、そんな賀寿恵のこころを知ってか知らずか、ニッコリと。「えぇ。ですよね。僕は、そっちを選びます。…そして、これは…、麗子さんと、励治さんの、お蔭ですから。…あの半年間は…、とにかくも、僕が人生で初めて、見ず知らずの人から助けてもらった。そんな人たちなんです。そして…。…これからは…。」その、「これからは…。」と、言う言葉に賀寿恵、「お、小埜瀬…さん…???」小埜瀬、賀寿恵に、「えぇ。…何かしら、僕のする事にいちいち気に掛けてくれる人がいるんです。」顔を傾げて…。「まぁ…。海外が長かったものですから、僕って、同じところに何時間も、何日もいるって言うのは…。まぁ…。…ある意味、被写体を待つと、いうのとは違いますけど…。トラディショナル事業部でも、しょっちゅう外に出掛けるんです。」賀寿恵、小埜瀬を見つめて、「えぇ~~。」「そんな僕を…、何かしら、放っておけない人物が、トラディショナル事業部には、いるんですよね~~。いっつもいなくなっちゃうって、僕を怒る人が、いるんです。」賀寿恵、思わず眉間に皺を寄せて、「うそ。小埜瀬さんを怒る人。…そんな人、いるんですか…???」その声に小埜瀬、ニッコリと、「えぇ。時にはまるで駄々っ子のように、もぅ~~何やってるんですか~~って、膨れっ面になって僕を責めてくれる。」賀寿恵、何かしら信じられないような面持ちで、「小埜瀬さんを責める。」「えぇ~~。…でも…。…僕のこれまでの人生上で、僕を怒ってくれる。…なんて、そんな人は…、いなかったんですよね。しかも膨れっ面をして。」賀寿恵、「……。」「でも…。そんな人だからこそ、何でか…、僕の傍にいてくれるんですよ。実にありがたい限りで…。」「小埜瀬さんを責めて、そして怒ってくれる。…で、傍にいてくれる。…って、誰…???」「まぁ~~。僕の事を好きになってくれているか、どうかは…分かりませんけど…。…だけど…。僕が、ジョエルに…。トラディショナル事業部にいる限りは…。好きなのかどうかは…、分かりませんが…。とにかく、傍にいてくれる事は、確かです。」賀寿恵、小埜瀬を見て、「そんな人が…。あ。」いきなり賀寿恵の頭の中に浮かんだひとりの女性。瞬間、賀寿恵、顔をコクリと。そして、「あ、あ~~~。そっか~~。」小埜瀬、目を丸く、「弓さん…???」賀寿恵、すぐさま顔を上げて、「あ、いえ…。…もしかして、その人って…。」「あ、はい。」「柿崎…優維香さん。チーフの…。」賀寿恵、2度の頷き。小埜瀬、そんな賀寿恵を見て、「分かりました…???」賀寿恵、頭の中で、あきらめの気持ちが…。「え、え~~。…多分…。あの人なら…。彼女を一番可愛がっているのが、池辺課長ですから。」「そぅなんです。まっ。たまにはけしかけているって風にも思えるんですけど…。…でも、いうなればそれはチーフ殿への優しさ。…何かしら、全幅の信頼って言うのが、あるような…。」そして小埜瀬、「だから…、今まで僕は自分の思いついたデザイン。…と、言うか、デッサンですけど、チーフ殿に、渡して来ての、今がある。…そんな風に思っています。」また賀寿恵、声に出さずに、そして、薄っすらと、目には…。小埜瀬、「安心、出来るんですよね~~。」知らず知らずに賀寿恵、全く鼓動は…、高鳴る事なく、平然としていた。何かしら、目の前の小埜瀬に対しても、特に、ひとりの男性として…。見えるようになってもいた…。ワインを一口。料理は既に…。そして一言。「うん。美味しかった。」そんな賀寿恵を見て小埜瀬、チョコンと顔を僅かに傾げてニッコリと。「お蔭様で、楽しい食事でした。」その声に賀寿恵、こちらもニッコリと、そして顔を僅かにコクリと。そして右手をヒラリと。「いえいえ。こちらこそ。…私の場合…、こんな風に、男性と一緒に食事なんて…。まず、有り得ませんから。」その声、そして賀寿恵の顔に、「嘘ぉ~~~。弓さんみたいな人を…。こんなに奇麗で素敵なのに。」その声に賀寿恵、既に迷いはなかった。…と、言うか、ある種の悩みみたいなものもなかった。…逆に…、清々しかった。「小埜瀬さん。」小埜瀬、ビールを飲みながら、「あ、はい。」 好きになれない。 vol,274. 「だめだ。この人の中に、私はいない。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.31
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優維香、「あ、いや…。…まだ、決めてないけど。」「ふん。じゃあぁあ~~。おかあさんにちょっと、付き合ってくれる~~???」目をパチクリと優維香、「ふん。いいけど…。…どしたのよ急に…。」淡々としか話さない賀寿恵。始終笑顔の小埜瀬。料理を食べながら、「うんうんうん。さすがにこの店、美味しいですよね~~。」賀寿恵、まだまだ緊張しながらも食事を…。そんな賀寿恵に小埜瀬、ニッコリと、「弓さ~~ん。だから、そんな、固くならずに~~。折角の料理が美味しくなくなっちゃいますよ~~???」全く、体の内に秘めたあの空手の弓賀寿恵は何処に…???…とも思しき余りにもぎこちない賀寿恵。小埜瀬の声に、何とか。「…ですよね。」小埜瀬、賀寿恵に、「ははは。弓さん…。あの時と同じ。シェアハウスの準備の時と。最初はもぅとにかく緊張、緊張~~。でも、ようやく慣れて来て、この店に入って、いつも通りに…。」その話に賀寿恵、「えっ…???…あ、あ~~。はい。」小埜瀬、「ゆっくり、ゆっくりで…。構いませんよ。僕なら、大丈夫ですから。」賀寿恵、一瞬、瞬きをしながらも、「えっ…???」小埜瀬、再び、ニッコリと。「僕なら大丈夫です。」再び、賀寿恵、瞬きを…。小埜瀬、「弓さん。僕にとっては大切な友達ですから。」途端に賀寿恵、今まで鼓動が高鳴っていた…。それが…、止まった。その、「友達ですから。」の、一言で。賀寿恵、思わず、「え、え~~。あ。はい。」そして、困ったような笑顔で、「…で、ですよね~~。ありがとうございます。」また、無言の…。近くでも、離れた距離のテーブル。小埜瀬を遠くに感じながらも…。「あ、あの…、小埜瀬さん。」小埜瀬、そんな賀寿恵に、「あ、はい。」賀寿恵、頭の中には麗子の顔。勇気を振り絞って、「私…。その…。あの…。実は…、小埜瀬さんと、おつ…。」「今。」小埜瀬。「実に楽しいです。」ニコニコと。賀寿恵、呆気に取られて、「え…???…あ、はい…???」小埜瀬、口を真一文字にして、「ま。確かに。海外でも…いろいろと、あったんですけど…。久しぶりに、日本に帰ってきて…。それに…、久しぶりに日本語のシャワー。…しかも…、またまたこれが…、面白い事がたくさん。これから、また、どんな事が待っているのか、楽しくって。実に愉快。素敵な、女性たちに恵まれています。」「素敵な…、女性…たち。」小埜瀬、ビールを一口。「えぇ。トラディショナル事業部の人たち。とにかく、素敵な女性たちです。…中でも~~。」賀寿恵、「あ、はい。」目をパチクリと。「亘夢ちゃん。とにかく彼女は可愛い。」賀寿恵、またまた目をパチクリと。「あ…、亘夢ちゃん。…あの…、江間亘夢、さん。」小埜瀬、頷いて、「えぇ。みんな、言ってますけど、とにかく、正に、トラディショナル事業部のアイドルですよね~~。それから、瑛子さん。武蔵野さんですけど、彼女のキャラは最高です。新婚さん。2年目ですけど…。」賀寿恵、また、「あ、はい。」「そして…、阿寿沙さん。菊村さん。瑛子さんと同期ですけど…。今、彼氏が出来て、そりゃもぅ~~。幸せ感。結構、内に秘めたもの、感じるんですけど…。仕事は出来る。実にこれからが楽しみ。」また賀寿恵、「あ、はい。」「そして、冴島悠里さん。この人はもぅ~~。完璧にチーフ殿の相棒的、存在ですよね~~。」賀寿恵、またまた目をパチクリと。「チーフ殿。」「えぇ。トラディショナル事業部のチーフ、柿崎優維香です。彼女はとにかく素晴らしい。」賀寿恵、いきなり呼び捨ての名前を耳にして、「柿崎優維香、さん。」「彼女がいてこその、トラディショナル事業部。まっ。確かに、トラディショナル事業部にインテリアデザイナーは、いないんですけど…。けど、それでもしっかりと…。」賀寿恵、「は、はぁ~~~。」「まっ。確かに。麗子さんと、弓さんと、アトランタのあのホテルで偶然にも…、お会いして…、麗子さんに私の会社で働いてみないって誘われて…。最初は、まぁ…、冗談半分で…。そんな風に感じたんですけど…。けど…。」賀寿恵、「けど…。」「でも…、僕自身も、あの時の麗子さんの話に、ま、ここらで、日本に帰っても、いいかなと。そんな風に感じて…。そして、日本に帰ってきて。…久しぶりに…まぁ、海外でも日々が、充実はしていました。」「あ、はぁ。」「でも…。チーフ殿にも話したんですけど。僕は、やっぱり、いつも一緒にいてくれる人が良いって。傍にいてくれる人が良いって。」賀寿恵、「いつも一緒にいてくれる人が良い。」「だって、そうじゃないですか~~。ま、たまには喧嘩もあるでしょうけど…。それでも、それをぶつけ合って気持ちをひとつにする。僕は、そういうのが理想です。」 好きになれない。 vol,273. 「おかあさんにちょっと、付き合ってくれる~~???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.30
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和やかな雰囲気でのシェアハウス。宇龍はそのままキッチンに。途中から仕事の帰りの舞夢の母親、尚子もキッチンに。宇龍に、「へぇ~~ぇえ~~小埜瀬さんの彼女さん。中々どうして奇麗な人じゃないの~~。」その声に宇龍もニッコリと。「ですよね~~。」優維香、初めてのシェアハウス、小埜瀬の隣で住人達と楽しく可笑しく会話をしている。時折聞こえてくる、「あ~~ははははは。」に宇龍と尚子、共に顔を見合わせてニッコリと。智子、「いやいやいや。大したもんだ。柿崎優維香。さすがは世界を股に掛けた小埜瀬隆英とはお似合いのカップルだわ。は~~っはっはっはっは。」そんな智子に真っ赤になってニコニコと抵抗する優維香、「先生~~。もぅ~~。おだてないでくださいよ~~。」そして…、かしわださん家からの帰り道。優維香、両手を空に向けて、「あ~~~。楽しかった~~。」小埜瀬、「シェアハウス、喜んで頂けて僕も嬉しいです。」「…って言うか~~。悠里の奴~~~。」にこやかに小埜瀬、「かかかかか。それには僕も驚きました。全く予想してませんでしたから。」優維香、小埜瀬を見て、「ねぇ~~~~。」小埜瀬の顔を覗き込むように。そんな優維香を小埜瀬、ポンポンと頭を撫でながら…。そして、やさしく優維香の頭の後ろに右手を…。ゆっくりと自分の体へと。逆らう事もなく優維香、小埜瀬に体を任せて…。そして、そのまま小埜瀬の顔の下まで…。そしてゆっくりと目を閉じる。再びのキス。駅で優維香と別れての小埜瀬。スマホに着電。「うん…???…弓さん。賀寿恵さん…???」そして…、「はい。小埜瀬です。」スマホの向こう、「弓です。すみません、こんな時間に。…休んでました…???」「あ、いえ…。…どうされましたか…???」賀寿恵、小埜瀬との通話を終えて…。「ふぅ。」麗子の待つ、リビングへと…。麗子、紅茶を飲みながら、「…で…???…どうだった…???隆英。」賀寿恵、ソファに座って、「えぇ。約束は…、してくれました。」「そぅ。良かったじゃない~~。」そして麗子、「まっ。何とかね。あんたと隆英が、うまく行ってくれれば私も安心なんだけど。」賀寿恵、麗子に、「おばさん、初めっから、それが目的で~~???…小埜瀬さんを~~。」「まっ。あれこれ、いろいろとあんのよ~~。そんな、事情なんてのは、後から追っ掛けてくるもんでね~~。そのお蔭で、どっちも結果オーライなら、それこそ、ウィンウィンじゃないのよ~~。かかかかかかかか。」そして麗子、「まっ。それに~~~。あんたのその奥手な性格も~~。あの子なら、別に~~。しっかりとリードしてくれるだろうにさ~~~。」そして麗子、賀寿恵の顔をしみじみと見ながら、「それにしても、なんでこんなに奇麗な女性に、男ってもんは、寄ってこないもんかね~~。」顔を傾げながらも、「世の中の男子、何処見てんのかね~~。…それに、しっかりと、出ているところは出ているのに。…それによ~~。まさかの空手だからね~~。いやいやいや。こんな容姿端麗には、想像つかないわ~~。」顔を左右に振って。賀寿恵、ほくそ笑みながらも麗子に、「もぅ~~。おばさん。」麗子、「はいはい。ほら。もぅ~~。遅いからあんたはシャワー浴びて、寝な。朝、早くからジョギングなんでしょ。」その声に賀寿恵、「はいはい。」ここは…。以前、小埜瀬と賀寿恵がふたりで訪れたレストラン。人気グルメのお店である。数時間前に優維香のスマホに小埜瀬からライン。「優維香さんに嘘、つきたくないから最初に言います。今夜、弓さんと食事の約束をしています。」いきなり優維香、メッセージを見てビクン。「うそ。」そしてまたライン。「ただ、まぁ~~。食事をするだけですので、ご心配なく。」優維香、鼓動が高鳴るが…。けれども…、「分かりました。はい。」悠里、「ほぃ、優維香~~。画像~~。」優維香、「あ、うん。」悠里、「ふん…???どした~~???…かかかかか。また旦那、外~~。着いてきゃいいのに~~。」「…って、私だって、やらなきゃならない仕事があんの~~。…って言うか~~。あんた、悠里~~。もぅ~~。」書類を悠里に投げつける振りをして。いきなり顔を引っ込める悠里。「わっと。…てか、友望も~~。余計な事、言うなっつぅの~~~。同じ事、何回も、何回も言われるでしょうよ~~。たく~~~。」優維香、悠里に歌舞伎の見栄のように、「私より、あんたじゃないのさ。」書類を頭の上に悠里、「はいはい。了解しました~~~。」賀寿恵、そして小埜瀬、お互いに、「…では、まずは、乾杯と。」「ですよね。」緊張の賀寿恵。一方、小埜瀬はニコニコと。佐津香、「優維香~~。今度の日曜日、何か予定ある~~???」 好きになれない。 vol,272. 小埜瀬、「うん…???…弓さん。賀寿恵さん…???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.29
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その声に瑛士、照れ臭そうに、「いやいやいや。参ったな~~。佐津香さんに、そんな風に言われると…。」佐津香、ニッコリと、「何言ってる~~。これから、第二の人生。」「あっ。それなんですけど…。優維香さんには、僕らの事。」「ううん。まだ言ってません。どうせなら、瑛士の方から優維香に言って。」「えへぇ~~~???…いやいやいや。まだ、優維香さんの、顔も見た事ないのに。」「じゃ、お見せします。」そう言って佐津香、瑛士に自分のスマホの…。瑛士、その画像を見て、「へぇ~~~。なんとまぁ。」「現在26歳。」瑛士、途端に、「えっ…???うそ。」「ほんと。」「あ、いや。」瑛士、顔を傾げて、「うん…???…あいつも…、もしかして…。…って、言うか、何年も、会ってないから…。」「息子さん…???」佐津香。瑛士、コクリと。「えぇ~~~。」「息子さんの名前って…、確か…。」「えぇ。隆英って言います。」「隆英。」「結婚は、してないんですよねぇ。」「当然です。ついこの前、日本に帰ってきたばかり…。」「うんうん。」ウェイターがテーブルに。佐津香、瑛士、テーブルに揃えられるメニューにニッコリと。「あらま~~~~。なんと。」智子。遊び心満載の和風スタイルで。苑、「わ~~お。」宇龍、ニッコリと、「あら、いらっしゃい。」ミリエ、「え゛~~~ぇえ~~???小埜瀬さんの…、彼女さん…???」舞夢(まいむ)、「わぁ~~~。」この舞夢と言う女性、智子の孫である。つまりは、智子の出戻りの娘、尚子(なおこ)の娘である。小埜瀬、「シェアハウスって、見た事ないって言うから、連れて来ちゃいました。はは。」優維香、恥ずかしがりながらも住人たちにペコリペコリとお辞儀をしながら、「こんにちは~~。初めまして、柿崎優維香と言います。」友望、トイレからリビングに。そして、「えっ…???…うそ。…確か…。あの時の…。悠里と一緒の…。え~~~~っ!!!」優維香もびっくりして、「へっ…???…あなた…。確か、ホテルで…。」友望、「うんうんうん。時々、先生に会いに来てるの。」小埜瀬、優維香に、「麗子さんの娘さん、友望さんです。」優維香、「うんうんうん。わお。また会えた~~~。」友望、小埜瀬に、「さては、小埜瀬さんの…んふ。」小埜瀬、照れながらも、「まっ。そういう事に…、なりますか…。」智子、「かかかかか。な~~るほどね~~。」宇龍、「やはり…。私の予想通りに。」優維香、その声に、「予想通り…???」小埜瀬を見て…。小埜瀬、宇龍に、「いやいやいや。その通りに…、なっちゃいましたね~~。」そして小埜瀬、キッパリと。「はい。僕の彼女の柿崎優維香さん。」その声に優維香、いきなり顔を真っ赤にして…。戸惑いながらも、また頭をコクリと。「はい。小埜瀬隆英の彼女になりました。柿崎優維香です。」智子、ニコニコと、「まぁ~~~。何とも正直~~~。」そして、「偉い。女は、そうでなきゃ。」友望、顔の前で両手で静かな拍手。「はぁ~~~。悠里もこんな風に、素直で正直ならいいけど~~。」その声に優維香、「悠里…???」小埜瀬も、「うん…???」途端に友望、口に手を。「わっ。」そして、右目を閉じて、「言っちゃった~~~。」優維香、友望に、「悠里が…???」そして小埜瀬に顔を。小埜瀬も、「おや。悠里さん。」友望、小声で、「いえね。悠里。あの子、見た目は結構ストレートなとこ、あるんだけど~~。自分の事は、もぅ~~~。ねんね。」瞬間、優維香、「はっ…???」友望、顔をグシャリとさせながら、「もぅ~~~。何度同じ事、言わせんのよ~~って、言うくらいに、自分でウジウジと。」またまた優維香、「はっ…???…なんの…。どういう…???」またまた小埜瀬に。小埜瀬、その声に顔を傾げて、「さぁ。」友望、「悠里、あの子、あの時、ウチの…、私と同じのフロントの…。ホテルエ。男性、覚えてらっしゃる…???」小埜瀬、眉間に皺を。けれども、「あ、あ~~。はいはいはい。」優維香、早い瞬きで、「ホテルの…、ホテルエ。男性…。」口を窄めて右人差し指を。右目を歪めて…。そして、「あ、あ、あ~~。はいはいはい。確かに。」友望、「ひっとめっぼれ~~~。」優維香、「うっそ。」小埜瀬、「おや~~~。」友望、口を窄めて、「あれから何度も私にラインしてきて、ねね。お願いって。葛籠慶輔(つづらおりけいすけ)って言うんだけど~~。まっ。私の後輩でもあるんだけど、まっ。確かに。甘いマスクではある。かな~~。女子にも、人気だしね~~。…かと言って~~。彼女って~~。そういう、話は~~。…だから、悠里に、あんたから突っ込んでみなさい。って、言ったんだけどね~~。」小埜瀬、にこやかに、「おやおやおや。」優維香、顔をグシャリとさせて、「あいつ~~。私に何にも。」 好きになれない。 vol,271. 「小埜瀬隆英の彼女になりました。柿崎優維香です。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.28
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梶、尊に振り向き、尊の両二の腕を両手で、「尊。」真剣な目で。尊、訝し気に…。「どうされました…???」「尊。良く聞いて。今、日影さんからの電話で、優大君が亡くなった。」その声に尊、一気に目を真ん丸に。「うそ。」すぐさま顔を左右に、「いや…。それじゃあ、今回の…。」その声に梶、「うん。うんうんうん。分かっている。分かってはいるけど、現実を、受け入れるより仕方ない。…とにかく。何とか受け入れて、乗り切るしか方法はない。榊先生も無念との事。」尊、「社長…。」そして…、会議室に戻ってきた梶と尊。面々に挨拶を。そして…、競い合ったジョエルの面々とも挨拶を。梶、小埜瀬に、「素晴らしい物を見させて頂きました。今後共に、よろしく。」小埜瀬、その表情に何かしら…。けれども、「いえ。こちらこそ、よろしくお願いします。」そして梶、真宮と池辺とも挨拶。真宮、その後、池辺に、「おかしいな…。」池辺、「えっ…???」「うん…???…いや。争奪戦、勝ち取った割には梶社長の表情。」池辺、目をキョロキョロと…。「あぁ。確かに。そう言われてみれば…。」そして…。夢蔵の本社を出ての優維香たち。「あ~~ん、もぅ~~。悔しい――――――っ!!!」トラディショナル事業部内でもクライムードが…。そして、その報せは七瀬にも、「そぅ~~~。仕方がないわね~~。うん。分かった、お疲れさま。」真宮からの報告を受け取って。賀寿恵、そんな麗子に、「社長。」麗子、賀寿恵に顔を振り、「今回は…。ダメだったって。」「そんな…。」「とにかく。切り替えましょう。」優維香、母に電話を…。佐津香、「そっか~~。ダメだったか~~。ん~~。残念。でも、諦めちゃだめよ。」優維香、その声に、「分かってるよ。」隆英も瑛士に。「そっか~~。なるほどね~~。…その伊玖伊那って、そんなに…???」その声に隆英、「あ~~~。まっ。イケるとは思ったけどね~~。一歩及ばずって…。感じかな~~。柿崎さん、頑張ってはくれたんだけど…。」瑛士、「へぇ~~~。柿崎佐津香さんの娘さん。」「あぁ。まっ。彼女も彼女なりに…。」「そっか~~。まっ。でも…、おまえには、次があるさ。…って言うか、既に、切り替えてはいるんだろ…???」隆英、ケロリとして、「まぁね~~~。人生、何があるかは、分からねぇから。」「おぅ。ははは。その意気。」優維香、自宅に帰っていきなりベッドにバン。「あ~~~ん、もぅ~~。悔っしぃ~~~。」の、気持ちは、優維香の心と頭の中には、相当なものに…。枕を抱き締めて。口を尖らせて。「もぅ~~~~。」枕を壁に目掛けて投げつける。下唇をビロンと。そしてすぐさまベッドに横になり、ブランケットを頭まで…。そして目を閉じて…。ブランケットの中で目を閉じたまま。…けれども、目を開けて、ニッコリと。「へへ。…ふふん。」それから…。夢蔵の争奪戦での敗北はトラディショナル事業部にも深い傷跡を残したが…。そして、伊玖伊那はその後も順調に夢蔵との…。けれども、ここでひとつの光明が…。夢蔵でのプレゼン。当然ながら、デザイン性を重視しているのが最も重要素である。従って商品化されている訳ではないために商標登録もされてはいない。伊玖伊那は、今回の事で夢蔵との契約をして初めて商品登録という事になった訳である。風向きが変わった。確かに。伊玖伊那は今後も夢蔵の全店舗で、伊玖伊那デザインのインテリアが施工される事になる。…が…。その一方で、あるニュースが話題となった。SNSで夢蔵の争奪戦でのジョエルのプレゼンのインテリアデザインがトレンド入り。しかも、トップで…。トラディショナル事業部のメンバーの慌てよう。「うっそ―――――っ!!!」「どうなってんの~~~。」「なんで、なんで~~???」「いやいやいやいや。」「え~~~~ぇえ~~???」「ちょっ。ちょっと。何これ~~~~。」社長室での麗子、その騒ぎに、「かっかっかっか。いやいやいや。中々どうして、捨てたもんじゃないね~~。」優維香、小埜瀬に、「リーダ―――――ッ!!!」小埜瀬も、「かっかかか。」ニコニコとして、「一体、何がどうなっているのか。」出掛け先の真宮も、池辺からの連絡で、「お~~ぃ、おぃおぃおぃ。」優維香、伊寿美からのラインで、「やったね。」と、Vサイン。何と、岳燈の発案だそうな。そして、それを伊寿美がSNSにアップ。いきなりの急上昇。再び、トラディショナル事業部、忙しくなってきた。すぐさま商品化決定。事実、夢蔵どころの騒ぎではなくなってしまっていた。全国から注文が殺到する事に…。そして…。都内、某レストランでは…。ふたりの男女が…。「誕生日、おめでとう~~。ふふん。私より、先に、57歳になりますか。」 好きになれない。 vol,270. 「あ~~~ん、もぅ~~。悔っしぃ~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.27
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悠里、ベッドに入りながら、「とにかく、もぅ寝よ、寝よ。いよいよ、ラストスパートだ。」そうなのである。もはや、夢蔵のコンペ、ならぬ争奪戦が2日後に控えていた。そして…。当日。インテリアショップ・ジョエル。トラディショナル事業部。真宮、そして池辺、「準備はいいか???」「えぇ。」優維香、悠里。そして、瑛子と阿寿沙、小埜瀬、「はい。」夢蔵の争奪戦は、文字通り、夢蔵本社にて行われる。そして相手側はトータルインテリア・伊玖伊那。颯爽と夢蔵の本社に入って来た。その面々。社長の梶美耶乃を筆頭に、秘書の五條尊。そして開発統括課長の伊良部肇美(いらべはつみ)。開発統括部主任の小野木郁美(おのきいくみ)。そして、以下社員たち。開発統括部社員の寿聡院真登香(じゅそういんまどか)。同じく、秋里中惠(あきざとなかえ)。真戸部好未(まとべこうみ)。…そして…。それぞれが、名刺交換。その時に初めて、梶、及び、尊も。…そして、 開発統括課長の肇美が頭の中で、「この人が…。」かつてのインテリアコレクションでの、あのインパクトが…。再び。緊張を隠し切れないそれぞれ…。真宮にしても池辺にしても…。優維香、かつてない緊張感の中、そして…、悠里と瑛子、阿寿沙にハグされ。そして、最後に、小埜瀬から、両肩に両手でパン。「チーフ殿。出し切りましょう。」…やがて…。15分後…。悠里、瑛子、阿寿沙、完璧なるまでにガッツポーズ。真宮も、「良くやった。うんうんうん。」池辺、目を潤ませて、「お見事。うんうん、お見事。」優維香、悠里と瑛子、阿寿沙にハグされながらも…。そして小埜瀬とはハイタッチ。そして…、次には…。伊玖伊那のプレゼンが…終わろうとしていた。ジョエルの面々の表情が…。…ところが…、その頃…。ある場所では…。奏が慌てて榊に、「先生。」榊、奏から渡されたスマホに出て、「はい。榊です。」電話の相手から…。そして、話を聞きながらに顔色が…。「なんと…。」梶、プレゼンにニッコリと、「お見事。」ジョエルの面々が、「これって…。まさか…。」それぞれが顔色を曇らせて…。優維香、小埜瀬に小声で、「隆英さん。」椅子にガッシリと座って構えている小埜瀬、こちらも優維香に、「結果を待つ以外に…、ないでしょう。」そして…、こちら。梶と尊。何ともやり遂げた顔で…。実質、両社のプレゼンは…、甲乙付け難く…。そして…。審査も難航した。…やがて…。榊、電話を終えて…、「何と言う事だ…。まさか…、こんな事が…。」奏、榊を見て、「先生…???」榊、目を虚ろに。「優大君が…、亡くなった。」その声に奏、「えっ…???」「心臓病…、だ、そうだ。」「心臓病…。」程よくして、夢蔵の争奪戦、審査結果発表。僅差で、トータルインテリア・伊玖伊那、勝利。梶、尊。そして、伊玖伊那の開発統括部の社員たちのガッツポーズ。意表突かれての厳しい表情のジョエルの面々。真宮、「まさか…。」池辺も、「そんな…。インテリアコレクションよりも優れて…。」今回の争奪戦の進行を務める夢蔵社員、両社に労いを。そして伊玖伊那の面々との握手。その後だった。梶、一本の電話に。梶、それぞれに、「ちょっと失礼。」そして…、部屋を出て廊下に…。「もしもし。お世話様です。梶です。」電話の相手は、奏である。話を聞きながらに梶。「えっ…???」いきなり鼓動が…。そして…、スマホに、「どういう事ですか…???…日影さん。そんな…。」つまりは、こういう事である。いつも通り、祖母の敦盛基世(あつもりもとよ)が優大の部屋におやつのお菓子と飲み物を…。その時に机の上に臥せっている優大を発見。慌てて机に。白い紙にはまだ描き掛けの絵が…。穏やかな表情で…。既に息はなかったという。基世が慌てて救急車を。そして、搬送中に、一度は、体を大きくばたつかせて反応はあったものの、それも束の間。緊急外来で…。蘇生を施すも…。戻る事はなく。医師の診断では、心臓病。基世は医師に、優大の最近の事を問われるが…。正直に事の経緯を…。医師、「そうですか~~。そういう事が…。まっ。憶測にはなるのですが…。蓄積されたものが一気に心臓に…。…と、言う事でしょう。」梶、奏との通話を終えて、すぐさま肩をガックリと…。スマホを持つ左手もダラリと。戻って来ない梶を気にしての尊、ドアを開けて梶に。「社長…???」梶の耳には、呼ばれた声が聞こえていなかった。尊、再び梶の傍に…。「社長…???」ようやく…。「あ。あ、あ、うん。うんうんうん。」尊。梶の顔色を見て、「どうか、されました…???顔色が…。」しかも、梶、僅かに目に…。瞬間、鼻を啜って、尊に、「あん。うん。大丈夫。」そして梶、息を吸って、吐いて…。 好きになれない。 vol,269. 相手側はトータルインテリア・伊玖伊那。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.26
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「あ~~~。お腹空いた~~。ふぅ~~~。」コンビニで買って来たような袋を持ち帰りながらの斉木(さいき)ミリエ。アルバイトをやっている女子大生である。そんなミリエを見て苑、「ほ~~ら、またまた登場、お腹空いた娘~~。かかかかか。」「へっ…???…って、珍しくない~~、小埜瀬さんがいるぅ~~。」ミリエ、小埜瀬を見てびっくりしながら。苑も宇龍も、「や~~っぱりね~~。」小埜瀬を見ながら。小埜瀬、照れながらもミリエに、「ども。小埜瀬ですぅ~~。…って言うか…、そんな…、珍しいですか~~???」ミリエ、「えっ…???…って言うか、小埜瀬さん、リビングにそんな風にしているの、私、まだここに小埜瀬さん来てから、一度だけしか…。」苑、「その通り~~。…と言うか、この時間帯、小埜瀬さん、帰ってきてない…じゃない…???…仮に帰って来てても、お部屋の中。」そう言われて小埜瀬、空を見て、「そぅ…。ですか~~???」ミリエ、「うんうんうん。」そして宇龍と苑を見て…。そんな宇龍と苑、そしてミリエ、小埜瀬に、「あ~~ん。」ニヤリとしながら、「さては~~~。」3人共に、何やらニヤニヤとしながら…。そして…。この日も…、ラスカの帰りは…。けれども…。今回は…。愛結美、「順平、交代。」順平、そんな愛結美に、「えっ…???」目を見開いて。愛結美、「だ~~って~~。私、まだ課長の家、知らないし~~。」メンバー全員のいる前で小埜瀬、いつも通りに…。吉竹、顔をゆっくりと左右に。「しっかし…。ほんとに小埜瀬君。…実際、こんな風に…。」圭衣子も励も、「び~~っくり~~。課長、そんな…、飲んでないよね~~。」顔を見合わせて…。理江子、「佐津香さん。菜帆子さん。愛結美さん、お願いね。」佐津香と菜帆子、タクシーに小埜瀬を乗せながらも、「毎度の事ですよ~~。」そして、いつも通りに小埜瀬を後部座席真ん中に。そして、今度は菜帆子が小埜瀬の右をガード。佐津香、「じゃ、みなさん、おやすみなさ~~い。」タクシーが動き出す。そんなタクシーを見送りながら順平、吉竹と寿永流に、「課長、佐津香さんから香って来る匂い。」吉竹、順平に、「匂い…???」圭衣子も励も、「匂い。」順平、口を真一文字に、「それが…、亡くなった奥様の匂いと、同じ、なんだそうな…。…で、多分…、あのまま、タクシーの中でも、今は夢の中。しかも、深い眠りの淵で…。」吉竹、圭衣子、励、「深い眠りの淵。」寿永流、「けど、分からないですよね~~。あんな凄いプレゼンをする人が…、お酒で…。それに…。匂い。」そこまで言って寿永流、「あ、けど…。以外にも…。あんな風に…。」順平、「佐津香さんも、亡くなったご主人と同じって…。」吉竹、「えっ…???…そうなのか…???」圭衣子、「あん。そういえば、佐津香さん、亡くなったご主人も家ではなんでもないけど…。外で飲んだら、その後は完璧にダウンって。前、そんな話、聞いたことあるぅ~~。」励も、「うんうん。」5人共に、駅に向かって歩きながら…。順平、「だから…、私が傍にいるって…。課長、いつ、あぁなるか、分からないから…。」吉竹、「そっか~~。…けど、門倉では全く。俺と同様に、どんだけ飲めるんだ…???…そんな感じなんだけどな~~。」その声に順平も、理江子も寿永流も、圭衣子に励、「う~~~っそ。」吉竹、「ん~~~~。分かんねぇもんだな。あんなに飲める人が。…けど…、佐津香さんの匂いで…。」圭衣子、励、「全くの…別人。」「うんうん。でも…、どうして…匂い…???」愛結美、後ろを見て、「凄~~い。ほんとに完璧に眠ってる~~。」その声に菜帆子、「でしょ。」佐津香も、「しっかりとね~~~。…これで、朝まで目覚めない。どんなにしてもね~~。」そう言いながら佐津香、小埜瀬に、「こら~~、起きろ~~。小埜瀬瑛士~~~。」菜帆子と愛結美、「わお。名前。」佐津香、「ふん。ラインじゃもぅ~~。名前で呼んでるから。この人が私の事、佐津香さんって、呼んでるから、私も、フェアじゃないなって思って。」菜帆子も愛結美も、コクリと、「うんうん。」愛結美、「へぇ~~。ここかぁ~~。あ、…で、隣が、うんうんうん。おばあちゃんの家。」菜帆子、「そゆ事~~。」佐津香、「さ~~てと。」そして…。3人で小埜瀬を…。すると、また…、「はいはい。」佐津香、菜帆子、「うそ。また…???」運転手、男性を左右で支えながらの女性に。「女性にこんな事させて、男のこの私が…、黙って見ちゃ。」愛結美も、「わは。凄っ。」運転手、男性の右に入って、抱えるように、「お客さん、しっかり。」そして、「ほぃさ。」菜帆子、「いやいやいやいや。」佐津香、深くお辞儀をして、「ありがとうございます。」そして、すぐさまプランターの下から鍵を。そして…。いつも通りに、運転手に、3人共に頭を。「ありがとうございました~~。」運転手も玄関で深く頭を下げて…。佐津香、「さてと。」菜帆子、「運ぼうっか。」愛結美、「な~~るほどね~~。」 好きになれない。 vol,268. 愛結美、「順平、交代。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.25
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順平、圭衣子を見てニッコリと、「ははは。そういう事~~~。」理江子と寿永流、メンバーを見ながらも、「神楽ちゃん…???」愛結美、隣の理江子に向き直って、「うんうんうん。店員さん。」そして吉竹を見て、「部長がいつも通っている居酒屋なんだけど~~。まっ。課長も、こっちに来てから部長に連れられて…。」そして愛結美、「課長もこっち来てから、初めて行ったんですよね。門倉~~。」その声に小埜瀬、愛結美と理江子、寿永流を見て、「あ、えぇ。はい。」愛結美、理江子に、「…で…。まぁ、門倉の事を言うと、また長くなるんだけど…。その門倉に、これまた可愛らしい店員さんがいて。まっ。店員と言っても、何人かいるんですけど~~。その店員の中でも一番長いかな、神楽ちゃん。」佐津香と菜帆子に。佐津香と菜帆子、その声に、「うんうんうん。」愛結美、「で~~。まっ。あの子ならね~~。物凄い素直で、嘘言えない性格だから~~。秘密主義、大っ嫌いタイプ。ははははは。しかも、何とも面倒見が良くって~~。大将の峻さんもおカミさんの奈菜さんも可愛がってる店員さん。まっ。でも、あの店の店員さん、神楽ちゃん以外の店員さんも可愛いけど。」菜帆子も、「うんうんうん。確かに。そして、とにかく、神楽ちゃん、とにかく憎めないからね~~。」吉竹、「わっちゃ~~。神楽ちゃんか~~。さすがに、聞かれてたか~~。」菜帆子、「ま。…けど、何れにしても~~。いつまでも、私や順平、それに~~、愛結美さんだって~~。」顔を崩しながら、「黙っている訳にも、行かないけど。」そして菜帆子、圭衣子と励を見て、「…と、まぁ~~。圭衣子と励には、釘を刺しておいたんだ。けどね~~。」舌をチロリと。すぐさま順平、「ぷっ。」そんな順平を見て隣に座っている励、順平の左肩を右手で叩いて、「何よ順平~~。言いたくってうずうずしてたんだからね~~。それなのに菜帆子さんから言われて~~。」順平、そんな励に、慰めるように、「はいはいはいはい。分かってます~~。」圭衣子、順平に、「でも順平、良くもみんなには言わないで、黙って~~。」順平、口を真一文字にして真剣な目で、「いや。だ~~って~~。そりゃ、そうでしょう~~。その瞬間、瞬間にいたんだから~~。佐津香さんも菜帆子さんも~~。」すぐさま佐津香。「確かに。そうだよね~~。…そういう意味では、本当に順平には、感謝してる。ありがとう~~。あんときなんか、ほんとに私だって、どうすればいいか。」菜帆子、思い出して、ニコニコと、「うんうんうん。とにかく、ガタイがいいし。」そこまで言って、右手人差し指を鼻の下に。「…てか、そもそもが、それが発端で~~。課長と佐津香さん。」小埜瀬、瞬間、両膝に両手。そして顔をペコリと、「面目ない。」愛結美、そんな小埜瀬に、「やだ、課長~~。そんな…。謝る事~~。結~~局は~~。ふたりとも、急接近で~~。もぅ~~。お付き合い、してるんですから~~。」菜帆子、「まね~~。プライベートでは、ライン、しているらしいから~~。」いきなり圭衣子と励、お互いに顔見せ合い、「うそ。凄~~~い。わぁ~~~~。」菜帆子、「まっ。社長にも、気付かれてるらしいから~~。」その声に順平と吉竹、目を真ん丸にして、ビクン。「うっそっ!!!」菜帆子、「あったりまえでしょう~~。伊縫舞桜。何処にアンテナ張っているか、分からない女性ですもん。しかも、佐津香さんとは昵懇の仲ですから~~。」吉竹、思わずにやけて、「かかかかか。確かに~~。」優維香、自室のテーブルで未だにデザインを…。…けれども…。頭の中では、今日の小埜瀬との出来事が…。思い出す度に顔が火照り、「あ~~ん、もぅ~~。頭が…、頭が~~。」小埜瀬からきつく抱かれて、しかも、激しく絡め合わせた唇と唇を思い出して、今度は両手を顔に。「あ~~~ん。」我ながら、凄い事をしたものだと…。そんな…。自宅で悶々としている優維香を知るはずもない小埜瀬。リビングで椅子に腰かけて雑誌を見て寛ぎながらも…。「はい。どうぞ~~~。」いきなり宇龍が小埜瀬に小料理を。小埜瀬、「おっと~~。はは。美味しそう~~。ありがとうございます。」宇龍、小埜瀬に、「何かしら、嬉しそうな感じ~~。」少し離れたテーブルでパソコン作業の久保塚苑(くぼづかその)も。こちらはアパレルショップ経営の住人、女性である。「ねぇ~~。小埜瀬さんがここで椅子に座って寛いでいるなんて、珍しいもんね~~。」宇龍、「はい。苑さんにも~~。」苑、「あら、ありがとう~~。新しいメニュ~~???」小埜瀬、「えっ…???そうなんですか…???」苑、小埜瀬に、「うん。宇龍ちゃん、新しいメニューが完成すると味見を私たちに。」宇龍を見て、「ねっ。」宇龍、そんな苑にニッコリと。「そのようで…。」 好きになれない。 vol,267. 「これまた可愛らしい店員さんがいて。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.24
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こちらでは…。ラスカにて、フランス組が…。既に全てを知り尽くしているメンバーたち。但し、小埜瀬、「部長~~。もぅ~~。めでたい事なんだから~~。みんなに報告~~。」菜帆子と愛結美、「えっ…???…何々…???」圭衣子と励も、「部長~~???」順平、「…って言うか…、佐津香さんと課長の他に、何か…あるんすか…???」佐津香だけがニッコリと、「とにかく吉竹、おめでとう~~~。」その声にいきなり菜帆子と愛結美、そして順平、圭衣子、励。理江子と寿永流までが、「えっ…???」菜帆子、「うそ。」愛結美、「まさか。」菜帆子、小埜瀬に、「もぅ~~。課長~~。女房にだけ教えたな~~~、この旦那は~~~。」小埜瀬、いきなり頭を掻いて、「いやいやいや。面目ない。」吉竹は吉竹で、こちらも頭を掻きながらも、「参ったな~~。」菜帆子と愛結美、「…と、言う事は~~。」お互いに顔を見合わせて、「うん。」吉竹に、「何か月…???…3か月目…???」吉竹、にやけた顔をして、「ははははは。何とも、まぁ…。ご明察通りに。」愛結美、「わっほぅ~~~。ほぅ~~ほっほっほ~~。」圭衣子、励、「おめでとうございま~~す。」順平も、「部長、やりましたね~~~。イェィ。」佐津香、「吉竹、おめでとうございます。」丁寧に頭を下げて。菜帆子、そして愛結美に理江子、寿永流も、頭を下げて、「おめでとうございます。」吉竹、照れながらも、「いやいやいやいや。はははは。ありがとうございます。…あっ。…って言うか、佐津香さん、小埜瀬君の事、娘さんには…。」「言う訳ないでしょ。」間髪入れずに菜帆子。料理を食べながらも、「優維香ちゃん、それこそ今、ほら~~。課長の息子さんと~~。ウチらと同じようなコンペ…???…争奪戦って言ってるらしいけど、その事でてんやわんや。」吉竹、小埜瀬に、「えっ…???…そうなの…???」小埜瀬、その声に頭をカクンと、「えぇ。そうらしくって…。…で、僕の家に来るのも、それが終わってからって、なってて。」「今、課長の息子さん、青山のシェアハウスに住んでんの。」佐津香。菜帆子も、「あ~~。うんうんうん。そうそう。」順平、「へぇ~~~。」「とってもお洒落なお宅~~。ねぇ。」佐津香、菜帆子に。菜帆子も、「うんうんうん。」吉竹、「へっ…???…どうして、佐津香さんたち。」小埜瀬、「いえね。渋谷の店舗に帰国報告で行った際についでに、3人で寄ってみようかってなって。」「あ~~。はいはい。」菜帆子、「作家の柏田智子の家なんですって~~。凄いと思わない~~???」愛結美、「えっ…???…あの、ベストセラー小説家の…???」寿永流も、「えっ…???…そうなんですか…???…凄いや。」その時、圭衣子のスマホにライン。圭衣子、「ふん…???…誰…???」そしてスマホを、「うん…???…恵梨…。うそ。」菜帆子、隣の圭衣子に、「うん…???…どしたの…???」圭衣子、右目を瞑って、小さな声で、「やっば~~~。」その顔に愛結美、「えっ…???…圭衣子…???」励も、「圭衣子さん…???」圭衣子、仕方なくスマホ画面を隣の菜帆子に。「ふん???わっ!!!!」メンバー全員、「ん~~~???」菜帆子、すかさずその画面を佐津香に。佐津香、画面を見て、数回瞬き、口を真一文字にさせて、「な~~るほどね~~~。」隣の愛結美、「はい…???…な~~るほどね~~って…。」佐津香、一言、「バレちゃいました~~~。」圭衣子と菜帆子以外、「はい…???」佐津香、「課長、私との事、みんなにバレちゃいました~~。」いきなり小埜瀬、「え~~~~???」吉竹、いきなり体をビクンと。そして、慌てながらも両手を前に、そして、ぎこちない顔をメンバーに、「えっ…???…あ…。」そして両手の平をヒラヒラと振りながらも、「…い。…いやいやいやいや。お。俺は何も言ってねぇぞ。…って、どういうこったぃ。」その内にピョコン、ピョコンと圭衣子のスマホに恵梨から。菜帆子、その音と、そしてスマホを見ながらも、「あらあらあら。あら~~。あんあん。うんうん。た~~しかに。」圭衣子、隣の菜帆子に、「恵梨たち、門倉行くって言ってたから。」菜帆子も、「うんうんうん。」吉竹、「へっ…???…門倉~~???…いや、なんで~~。門倉で分かるんだよ、小埜瀬君と佐津香さんの事~~。」けれどもその瞬間、吉竹、「あっ。」同時に小埜瀬も、「あっ。」お互いに顔を見合わせて、そして、思わずふたり、共に、しょんぼりして…。菜帆子と愛結美、そんな吉竹と小埜瀬を見て、「あ~~~ぁ。はは~~ん。な~~るほどね~~。」菜帆子、「…とは言っても~~。大将と奈菜さんが、ベラベラと喋るはずがない。」圭衣子、「…と、言う事で~~。うんうんうん。主は、神楽ちゃん。…なんだって~~~。」 好きになれない。 vol,266. こちらでは…。ラスカにて、フランス組が…。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.23
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「わ~~~お。してやったか~~。キス~~~???」顔にパック中の悠里。こちらはパジャマ姿で自室で資料を見ながらの優維香。スマホに、「うん。…って言うか~~。何とも自然に。…なっちゃってた~~。」その声に悠里、「あ~~ん、劇的~~。…でも、まさか、ひったくりにぶつかって地面に倒れちゃったってね~~。あれにはビックリだよ~~。…で、リーダーのあの手~~。」「うん。まっ。本人はかすり傷っては言ってたけどね~~。…でも、その後が~~。私…、全然。何かこぅ~~。ボゥ~~っと、しちゃってて…。気付いたら、リーダーと…。…に、なっちゃってた。私だって、こんなの初めてだよ~~。心臓バックンバックン。」「かかかかか。好きになっちゃったってか~~~???」その声に優維香、けれども口を尖らせて、「ん~~~。でも…、まだ、分かんないよ~~。…って言うか、何て言うの、ついつい、流れで…。」「ま、ねぇ~~~。」「好きって言うか…。ん~~~。でもね~~~。好きに…、なれるのかな~~~。」今までの事を考えながらの優維香、頭の中に浮かぶ小埜瀬との景色。けれども顔を左右に振り、「ううん。まだまだ、好きになんかなれない。…って言うかぁ~~。まだまだ、リーダー、勝手に何処かに。」「そんなだったら、また着いてっちゃえばいいじゃ~~ん。…その方が、あんたらしいよ。今迄とは違った優維香になれるんだし~~。」そこまで言って悠里、「そっからがスタートでしょう~~。」「ん~~。なのかな~~。」「大丈夫だって~~。このまんまで、争奪戦、分捕っちゃおう~~。」その声に優維香、「うん。」そして…。話と言うのは、こんなところからも…。「うそ。マジで神楽ちゃん。」恵梨。料理の空いた皿をトレイに揃えながら、「えぇ。この前…???…丁度、吉竹部長と小埜瀬課長、それに~~。吉竹部長さんの奥さん。確か、胡桃さん…???」基美、「うんうんうん。」焼き鳥を箸で摘まみながら…。和津美も、「え~~~???」「何々、もしかして、じゃあ~~。圭衣子も励も知ってるって事~~???」神楽、「あ。でも、この話は。」右人差し指で口に。そしてカウンターの方を振り向いて。耀、「分~~かってるぅ~~。禁句ね、禁句~~。」完璧に席が埋まっている門倉。開いている椅子もない状態、テーブルは満席状態。予約は5人も入れば満杯の座敷一部屋のみ。但し、テーブル席は早い者勝ち。と、言う事で、早いものからまずは、恵梨、そして基美がテーブル席を確保。後から来るメンバーが、残りの椅子をゲット。そして、その他は座敷となったのである。すかさず基美、座敷の静歌にライン。こちらも密着取材とコンペの話で森に盛り上がっている座敷チーム。静歌、結羅、そして龍二、そして燈子と千優。いきなり静歌、基美からのラインで、「えっ…!!!」そしてメッセージを見て、息を吸うように、口に左手を当てて、「え―――――――っ!!!」けれども、この声は賑やかな店内。全く他には聞こえていない。いきなり結羅、龍二、静歌を見て、「どうしたの~~???」燈子と千優も、「静歌先輩…???」静歌、結羅と龍二にスマホの画面を見せて…。龍二、結羅、「ん~~~???」そしてふたり同時に、「課長と佐津香さん、付き合ってるって。」いきなり龍二も結羅も、「え――――――っ!!!」静歌、燈子と千優にもスマホ画面を。燈子、「えっ…???うそ。」千優、「はぁ~~~。あははははは。いやいやいやいや。」静歌、すぐさま、「マジ…???うそ…。ほんと…???」すぐさま返信。「今さっき、神楽ちゃんが言ってた。この前、フランスから帰って来たその日に、ここに部長と課長、そして部長の奥さんが来て、そんな話、してたって。けど、この話は禁句。大将と女将さんにばれたら困る~~って。」静歌、そのメッセージに、「うんうんうん。確かに。」そして静歌、龍二と結羅、そして燈子と千優に、「この前、ほらほら、フランスから帰ってきたその日、部長と課長と~~。課長の奥さんが来て、そんな話してたって。」龍二、いきなり、「え~~~~???」結羅、口に両手を、「凄~~~~。」瞬きをして。「…って…。じゃあ~~。課長と佐津香さん、ほんとに…???…って、部長も、それ、知ってるって事でしょ。うそ~~~~。」静歌、「あ、ちょっと待って。」そして静歌、ラインで基美に。基美、ラインの音に、「来た来た~~~。」「…って、でも、座敷に行けないもんな~~。直接話したいけど。大将に気付かれちゃう。」恵梨。耀、「確かに。」基美、メッセージを見て、「圭衣子と励もその事。」いきなり恵梨、耀、和津美、「知らない訳ないでしょ。」そして、3人。「…と、言う事は~~~???」 好きになれない。 vol,265. 「好きに…、なれるのかな~~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.22
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通りを歩いて、そして歩道にあるベンチに座ってのふたり。小埜瀬、微笑みながら優維香に、「優維香さん。」優維香、「あ、はい。」小埜瀬、「倒れた時は、申し訳ありませんでした。キスしちゃってましたね~~。」いきなり、どストライクに。優維香、瞬間、真っ赤になって。「あ、あ、あ~~。」いきなり鼓動が高鳴る。そして…、自然に顔を俯けに。そんな優維香を見て小埜瀬、口を窄めて、「どうしたんですか…???」優維香、鼓動が高鳴るのを感じながらも、両手でスカートを握りながらも…。顔は俯いたまま。「リーダーって…。……。隆英さんって…。」小埜瀬、「あ、はい。」すると、いきなり優維香、小埜瀬に向かって顔を、「もぅ~~、全然デリカシーな。」小埜瀬、そんな優維香の顔に素早く近づき、そしてまた優維香の唇に自分の唇を。優維香、目を真ん丸にしながらも…。いきなり自分の唇に押し付けられたような唇に…。何も抵抗する事が出来ずに…。そして…。今度はゆっくりと目を閉じて…。自然に両手は小埜瀬の右腕に。…何かしら、しがみつくように。ゆっくりと離れる小埜瀬の唇。優維香、いきなり力が抜けたように、そのまま小埜瀬に凭れるよう…。小埜瀬、自分の体に凭れるような優維香を左腕で抱えるように。優維香、そのまま眠りにつくような夢見心地で…。小埜瀬、そんな優維香を左手で優維香の左肩から腕にまで優しく撫でるように…。…僅かに…、1分程。「さて。行きますか。」優維香の頭を左手でポンポンと。我に返った優維香、「はっ。」すると…、腰が…。優維香、目を真ん丸に。頭の中で、「…体が…。」ベンチから立ち上がる小埜瀬。けれども優維香は…。そんな優維香を小埜瀬、優しく両の二の腕を支えながら…、ゆっくりと引いて…。優維香、何とか立ち上がり…。…けれども…。体が前に倒れるように…。小埜瀬、そのまま優維香を抱き締める。しかも…、きつく優維香を抱き締める。優維香、小埜瀬の力強い男性の肉体を感じながら…。小埜瀬も、優維香の柔らかい女性の体を感じながらも…。火照るような優維香…。僅かながら顔をまた小埜瀬に…。そんな優維香の顔を見て小埜瀬、また優維香の唇に自分の唇を。素直にその唇を受け入れる優維香。そして優維香、自然に今度は爪先立ちになり、今度は自分から小埜瀬の首に両腕を…。そして、今度はお互いの唇と唇が激しく絡み合う。不思議な程に、周りには誰もいない。凡そ1分。小埜瀬、優維香の頭を左手で優しく撫でて…。そして…、お互いの唇が離れる。優維香、自然に目を開け、今度は小埜瀬の胸に顔を埋める。数秒。小埜瀬は優維香の背中に両手を回したままで、優しく撫でながら、「優維香さん。」その声に優維香、今度はハッキリと。「あっ。」そして、いきなり小埜瀬の体から離れて…。そしてまた自分の口に左手人差し指を…。けれども小埜瀬はそんな優維香を今度は右腕を優維香の右二の腕に回して、優維香を抱えるように、「行きますか。」優維香、自分の右二の腕を抱えられたまま。そして、右手人差し指を自分の唇に触れたままでゆっくりと歩きだす。数メートル歩いて優維香、頭の中で、「…初めて…。こんなの…。…キスも初めてだけど…。」そう思いながら自分を支えてくれている小埜瀬に顔を。そんな小埜瀬、優維香を見ながらニッコリと。自然に優維香、小埜瀬の右肩に自分の頭を…。小埜瀬、そんな優維香の頭を右手で撫でながら…。ふたりの男女とすれ違う。瞬間、優維香、自然に自分の左手が小埜瀬の背中から左脇に。優維香の左手を小埜瀬は左手で握りながらも…。また、数メートル。…やがてふたりは自然に、体と体が離れて。小埜瀬、「歩けますね。」優維香、小埜瀬から離れて前に。そして小埜瀬に振り返って、顔をコクリ。「うん。」小埜瀬、そんな優維香に、微笑みながらも、「じゃあ~~。…戻りますか。」優維香、再びコクリと。「はい。」メンバーたち、戻ってきたふたりに、「おっ帰り~~。」優維香、すぐさま池辺に、「ただいま、戻りました~~。」池辺、そんな優維香の顔に、「あら~~~。」メンバーたちも優維香の顔を見て、「あは。」「え~~~~???」「はい…???」瑛子、「おぃおぃおぃ。」阿寿沙も、「へっ…???」悠里、「どした~~~???」そして意地悪そうな顔で、ニヤリと、「何かしら…、やりやがったな、おぬし。」小埜瀬は小埜瀬で何食わぬ表情で。メンバーたち、いきなり優維香に駆け寄り、「ねねねねね。」真宮、そんな景色に、「ん~~~~???」池辺、頭の中で、「…でかした。」事業部から出て行った顔と全く別の顔の優維香。メンバーたちに笑顔で、「んふ…。」 好きになれない。 vol,264. 小埜瀬、「倒れた時は、申し訳ありませんでした。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.21
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いきなり抱き付かれての小埜瀬、目を真ん丸に、「おっと。」優維香、小埜瀬を抱き締めながら、「ごめんなさい、ごめんなさい。」行き交う人たちがふたりを見つめる。しかも、笑顔で…。辺りはもう、何事もなかったような状態。小埜瀬、優維香に抱き付かれながら、優維香の背中に右手で、ポンポンと。「はは。チーフ殿。…周りから見られてますよ。」その瞬間、優維香、いきなり目を開けて、「あ。」すぐさま、小埜瀬から離れて、「ご、ごめんなさい。ごめんなさい。私、いきなりで…。」優維香、小埜瀬に深く頭を下げて。3回程。小埜瀬、そんな優維香に、「僕の方こそ。」そして優維香を見て、「チーフ殿こそ、大丈夫ですか~~、怪我は…???」その時優維香、「あ。」小埜瀬の両手を取って、「リーダー、怪我…。手から血。」小埜瀬、地面に倒れた時に手の甲を僅かに擦り剝いて…。小埜瀬、自分の手を見て、「あ、いや…。この程度…。」優維香、小埜瀬が自分の手を見ている隙に、辺りを見て、「あ、リーダー、あそこ、コンビニ。」小埜瀬、「へっ…???」すぐさま優維香、小埜瀬の左手を取って引っ張って。小埜瀬、「あ、いや…。」そのまま数メートル。そして…、交差点、青。小埜瀬、「チーフ殿~~。はいはい、分かりました~~。」その声に優維香、後ろを振り向いて、「えっ…???」左手を引っ張ったままで。その事にようやく気付いて優維香、「あっ。」いきなり手を放して。それでも、横断歩道。ふたり、共に立ち止まるが…。小埜瀬、優維香に、顔をコクリと。「とにかく、行きましょう。」優維香、体を後ろに、「あ、えぇ。」歩きながらまた通りの向こう側に。そしてまた信号で…。小埜瀬、「まっ。確かに。」優維香、そんな小埜瀬に、「へっ…???」「…と、言うのも…、僕のこの両手の擦り傷…。会社に行ったら、バレちゃいますもんね~~。しかも…、チーフ殿と一緒だったのに、どうして手当って…、言われちゃいますもんね~~。」けれども優維香、「あ、でも…。それよりも前に、そのままじゃ後で…。」「確かに。」コンビニに入り優維香、アチコチ探して…。「あ、あった。」けれどもその瞬間、優維香、倒れた時の…。思わず、頭を右左に小刻みに振って、「とにかく。」小埜瀬、「はい…???…何か、言いました…???」ただ、このコンビニで販売していたのは、絆創膏。優維香、「あっ。でも…、これじゃあ…、ちょっと…。」そして、「リーダー。」小埜瀬、「はい。」優維香、また小埜瀬の手の甲、両方を見て、「何とかこれで…。」そして、「会社戻ったら、すぐに手当、しますから。」小埜瀬、その声に、「はい。分かりました。」店の外で絆創膏を小埜瀬の両手に。小埜瀬、「まさか…。こんな事までチーフ殿に。」「チーフ、チーフ、言わないでくださ~~い。会社の外でまで~~。」その声に小埜瀬、「えっ…???…でも、チーフ殿も僕の事、リーダーって、言ってますけど…。」優維香、いきなり、「あっ。」すると優維香、「まっ。確かに。」「僕には隆英って名前、あるんですけど~~。」優維香、口を尖らせて、「私にだって、優維香って名前ありますぅ~~。」「じゃあ~~。それで、良いんじゃないですか…???」その声に優維香、「はい…???」「会社にいる時は、いつも通り。こういう時は、お互いに、名前で…。」「で…って、そんな事言ったって、いきなり。」「でも、チーフ殿から言い出したから。それに、口を尖らせて~~~。」その、「口を尖らせて。」の言葉でまた優維香、さっきの唇と唇の事を。「あ。いや…。…ってか…。」僅かに数秒。優維香、「分かりました。……。え…と、小埜瀬隆英さん。」いきなり小埜瀬、「ぷっ。小埜瀬隆英はないでしょう~~。余りにも他人行儀な~~。僕なら、優維香さん。…って言えますけど。優維香さん。」思わず真っ赤になって右目を歪めての優維香、「きぃ~~~。」そして、「分かりました~~。隆英さん。」その声に小埜瀬、「ベリーグッドです。」そして、「はい。もう一度。」ニッコリと。優維香、そんな小埜瀬を見て、思わずムカついたように、「分かりましたよ。隆英さん、隆英さん。はいはい。隆英さん。」可笑しがりながら小埜瀬、「ヤケになってません。」いきなり険しい表情での優維香、「なってません。んもぅ~~。行きますよ。」「行きますよって、どちらへ…???」その瞬間、優維香、「えっ…???」「優維香様、どちらへ…。」優維香、今度は思わずキョトンとして、「あ、いや~~。どちらまでって言われても~~。」すると優維香、またまた口を尖らせて、今度は小埜瀬の背中に。そして、小埜瀬の背中を両手で押して、「はいはい。どちらでも。」可笑しがりながら小埜瀬、「はいはい。分かりました~~。優維香様~~。」「様は要らないっての~~。」 好きになれない。 vol,263. いきなり抱き付かれての小埜瀬。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.20
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「小埜瀬莉奈(りな)って言います。僕のおばあちゃんの名前。…そして、僕のおかあさんの名前が、小埜瀬梨穂子。」小埜瀬。優維香、「おばあさんが小埜瀬莉奈さん。おかあさんが、小埜瀬梨穂子さん。」「毎日一緒いてくれた人。…だから、僕は、そういう人と一緒にいたい。…ま。確かに、海外ではもぅ~~自分、ひとりでしたけど。はは。」優維香、小埜瀬を見て、「リーダー。」「だから…。毎日、顔を見ていない人に…。」顔を傾げて、「ん~~~。別に…、印象って…、ないんですよね~~。」そこまで言って優維香に、「あ。でも、誤解はダメです。弓さんに叱られますから。まっ。確かに~~。弓さん、僕がシェアハウスに引っ越す時に~~。買い物、手伝っては、くれましたけど~~。」「へっ…???」優維香、いきなり小埜瀬を見て、「そうだったんですか~~???」瞬間、頭の中で、「…ラインで電話くれれば手伝いに行ったのに。」小埜瀬、「…って言うか~~。…でも、あれは、前日の夜に、麗子さんから電話があって。あっ。社長ね、社長。」「あ、はい。」「いきなり、何も準備出来てないだろ、明日、ホテル行くから待ってな。って一方的に。」瞬間、優維香、「ぷっ。」「…で、そして朝になって、チャイムが鳴ってドアを開けたら、弓さんがドアの外に。」優維香、キョトンとして、「賀寿恵さんが…???」「えぇ。途中で社長、車から降りて頼むよ。って。信号青だったから、仕方なく。麗子さん、そのまま地下鉄に。」またもや優維香、「くっ。」「社長に、してやられた。…と、言う訳で~~。その日は一日中、弓さんと。…って言うか、僕が断っても、弓さんが麗子さん。あ、いや…。社長から何だかんだ。」優維香、「確かに。」「まっ。…そういう意味では、僕の場合、大学に入って…。それから…、麗子さんに会って、今度は、七瀬夫婦に助けられた。その恩は決して。…だから、一緒にいてくれている人は、絶対に裏切れない。…まぁ…。そんな感じかな~~。」優維香、「そう…いう…。事…、かぁ~~。」「おや。」小埜瀬。「はは。」店の中で、小さな男の子と女の子、椅子に座って仲良く何かを書いている。その隣ではふたりのおかあさんだろう、お茶を飲みながら。小埜瀬、「楽しそうですね~~。」小埜瀬の見ている店の方を優維香、「う~~ん…???」小埜瀬、「ははは。行きましょうか…。」優維香、小埜瀬に、「リーダー、何処へ…???」「うん…???…はは、当てはありません。」「…って…???」「ぶらぶらです。ははは。」優維香、今までの小埜瀬の話に、今度はまた、困惑した気分になって、頭の中で、「…んもぅ~~。だから嫌。絶対に好きになれない。」その時。後ろからいきなり、「待て―――――っ!!!」瞬間、後ろを。「わっ!!!」小埜瀬、そのまま優維香を抱きしめて、そのまま地面に。気付けば、優維香の後頭部を小埜瀬右手で支えて、その手は地面に。そして左手は優維香の背中に。そして…、顔は…、と言えば…。小埜瀬の長髪で…、見えないが…。優維香の唇を自分の唇で…。ふたりともに…、何が起きたいのかは…。優維香、小埜瀬、共々、数秒間。そのままで…。いきなり、「大丈夫ですか…???」の声。そして、「くそ~~。後は頼む。」その声で気付く優維香と小埜瀬。すぐさま、ふたり共に、「!!!!!」目を。そして、すぐさまお互いの唇が離れる。勢いのままにお互いの唇を塞ぐようになっていた唇と唇。小埜瀬、いきなり顔を上げて、「ごめんなさい。」優維香も、目を真ん丸にして、「あ、あ、あ、あ~~。」優維香、自分の唇に手を。お互いに何があったのか。小埜瀬、「すみません。大丈夫ですか…???」ふたり、気付けば、ひとりの巡査が。「申し訳ない。ひったくりを追い駆けてて。お怪我は…。」小埜瀬、「あ、あ…。あ~~。」男性の右手と左手の甲から血が。巡査、「すぐ手当を…。すみませんが、交番の方に…。」小埜瀬、「あ、あ~~。いや…。それなら、早く追い駆けて。」巡査、ふたりを見て、「あ、いや…。でも。しかし。」小埜瀬、すぐさまポケットから名刺を。巡査、「申し訳ない。後で必ず。」その声に小埜瀬、「あ、はい。でも、ご心配なく。」巡査、男性に敬礼をして、すぐさま。通り掛かりの人たちもふたりを見ながら…。優維香、立ち上がって、気まずい表情で…。小埜瀬、走り去る巡査を見て、「大丈夫かな~~???」そして優維香を見て、「チーフ殿、ごめんなさい、大丈夫ですか…???」優維香、乱れた髪を直して、服をパンパンと。そして、スカートを…。何とか、何が起きたのか頭の中で…。そして…。自分の口に左手人差し指を…。瞬間、優維香、何故かしら目を潤ませて、そのまま小埜瀬に抱き付く。「ごめんなさい。」 好きになれない。 vol,262. 「だから…。毎日、顔を見ていない人に…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.19
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会社を出ての優維香、あちらこちら見て、「もぅ~~。何処行ってんのよ~~。足も速いってか~~???」右を見て、「こっちは駅…。」そして左を見て、「こっちは…。」すると…。並木の枝たちの隙間から漏れる陽の光に、「はぁ~~。気持ちいい~~~。」瞬間、今までの感情がス~~ッと体から抜けて、頭の中に、自分が今までデザインしたアイテムたちがコラージュにのように…。「…と、言う事は…。もしかして…、こっち…???」駆け足になって…。そして数秒…。すると…。通りの向こう側に…。「あ、いた~~~。」小埜瀬、歩道を歩きながら…。すると、小埜瀬、日傘をさそうとしてさせないでいる老人の肩に手を。そして、傘をさして老人に渡している。優維香、何かしらニッコリと。数メートル先に交差点。通りの向こうの小埜瀬を見ながらも…。「あ、あぶない。」女の子が小埜瀬にぶつかって転びそうに…。そんな女の子を小埜瀬、転ぶ瞬間に抱き留めて…。3歳くらいの女の子だろうか…。女の子を抱き上げて、何かしら声を掛けてそのまま降ろして。母親らしい女性が小埜瀬に近づきお礼を。そして小埜瀬、その親子に右手を振って…。ようやく信号が青。駆け足で優維香。そして…、ようやく小埜瀬の後ろに…。「リーダー。」その声にいきなりビックリしたように小埜瀬、後ろを。「おっと、びっくりした~~。」優維香、少し顔を赤く、「もぅ~~~。」小埜瀬、そんな優維香を見てニッコリと、「おやおやおや。チーフ殿~~。ははは、どうされました~~???」「どうもこうも…。みんなが、気晴らしにって言うから~~。課長までも~~。」そんな優維香に小埜瀬、「おやおやおや。そうでしたか~~。…まっ。のんびりと参りましょう~~。」優維香、「どうしてリーダーは…。…そのぉ…。何で、そんなに落ち着いてるんですか~~???」「いやいやいや。落ち着いているかって…、言われると、応えに困りますけど…。…逆に…、自然に…。…待つというのが僕の場合…。…そういう毎日…、送ってましたから…。」「弓さんの事…、どう思ってるんですか…???」すぐさま小埜瀬、優維香を見て、「弓さん…???」「はい。」思わず難しい顔をして小埜瀬、「ふ~~~ん。…そう言われても~~。…まっ。逆に~~。彼女とは~~。毎日、顔を合わす人じゃないですからね~~。」優維香、「えっ…???」「僕の場合…。どちらかと言えば、毎日、顔を合わせている人と一緒にいられたら、それで満足。」優維香を見て、「そんな感じですね~~。」そして、ニッコリと。優維香、その声に、「毎日、顔を合わせている人。」小埜瀬、コクリと、「えぇ。」そして、「僕の場合、ある意味、単純なんですが、母親って、あんまり、分からないんです。ほら。僕が産まれて間もなく亡くなりましたから。」優維香、軽くコクリと、「えぇ。はい。」「もぅ~~。完璧に、おばあちゃん子でしたからね~~。」「あ~~。うんうんうん。」「親父は仕事、仕事。子供の頃からまず、僕を外に連れ出して遊んでくれる、なんて事は、まずなかったです。だから、僕にはとにかく、おばあちゃんだけだったんです。」優維香、歩きながら、「おかあさんの事…。」小埜瀬、「全然です。アルバムの中だけ。ただ、印象は…、奇麗な人。って事だけ。」そして小埜瀬、可笑しがりながら、「はは。いっつもおばあちゃんに色んなところに連れてってもらって…。…とに~~かく、元気なおばあちゃん。優しかったですよ~~~。絶対に怒る事のないおばあちゃんでした。失敗しても、繰り返して、我慢して。…それでも出来なかったらまた別のやり方に切り替える。まっ。悔しいって事も覚えた方がいいよ。生きる上では大切な事だ。…でも、隆英。人間に、必ずしも成功だけが正解じゃないよ~~。」優維香、小埜瀬の話を聞きながら…。「成功だけを夢見てもどうしようもない。その陰にある失敗の方が、どれだけ多いか。…でも、その失敗を繰り返して繰り返して、ようやく、これで何とかなる。そしてそれが叶う。それが現実なんだ。おばあちゃんは、この歳になっても、その事をしっかりと信じてる。まっ。おまえのおとうさんだって、そういう人だったんだけどね~~。梨穂子さん。おまえのおかあさん。死んじゃってからは、あの人も、変わった。」優維香、前を見て、小埜瀬の話を聞きながら…。「僕にはおばあちゃんがいる。だから、親父が家に帰っても、いつ帰って来たのか分からない。僕が朝目覚めれば親父は仕事に。そんな日々。…けど…。」優維香、小埜瀬を見て…。「僕が中学2年の時に…。おばあちゃんが…。」 好きになれない。 vol,261. 「…まっ。のんびりと参りましょう~~。」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.18
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「こういう時こそ、リーダーと一緒に~~。」遼子。「その方が気分一新だって~~。」志津恵。「まっ。それでも好きになれないって言って、駄々こねるなら、勧めないけどね~~。」瞬間、悠里、「ぶっ。」「…っと、まぁ~~。みなさま、一致団結のようで~~。」池辺。そして、優維香に顔を。すぐさま、「ほぃ。みんながそう言ってるんだから~~。甘えなさ~~い。…そんな…、閉じ籠ってばかりいても、どうしようもないでしょ。たまには気晴らし。そういう意味では、中々リーダー、さすがは、マインドコントロール出来てるみたいよ~~~。自分から外に出る。中々日本人には出来ないスケールをお持ち~~。」そんな池辺の助言もあってか優維香。ようやく重い腰を…。「は~~い。分っかりました~~。」一気に椅子から立ち上がり、そして、一番下の引き出しからバッグを。そして、ドアに向かって…。部署を出ていく優維香にメンバーたち、それぞれが、「行ってらっしゃ~~~い。」ドア越しに優維香、振り返ってメンバーたちに、「そこまで言う…???」するとそんな優維香にメンバーたち、動物を追いやるように両手を前に、「シッシッ。」のゼスチャー。優維香、思わず膨れっ面。池辺。そんなメンバーたちを見て、思わず、「ぷっ。かかかかかか。」優維香、廊下に出…。その途端に友也と亘夢。お互いに、「おっと~~~。」優維香、「お帰り。」友也、「びっくり~~。」亘夢、「あん、優維香チーフ~~。リーダーなら今さっき、玄関に向かって~~。」そんな亘夢に優維香、にこやかに微笑んで、「亘夢~~。ありがとうね~~。」そして優維香、バッグを右肩に。駆け出す。友也、そんな優維香を見て、「お出…掛け…???…珍しい~~。」亘夢、そんな友也に、ブスッとした顔で、「…んな訳ないでしょ。」友也、亘夢に、「へっ…???…どうして…。」亘夢、ドアを開けて、「ただいま戻りました~~。」メンバーたち、「お疲れ~~。」亘夢、近くにいる阿寿沙に、「もしかして、今、優維香チーフ。ひょっとして、リーダー…???」その声に阿寿沙、「良く分かるわね~~亘夢~~。ザッツライ。」亘夢、メンバーたちに、「優維香チーフ、走ってった。」その声に池辺以下メンバーたち、思わずガッツポーズ。「おし。」ようやく納得した友也。「あっ。な~~るほどね~~。」そんな友也に亘夢、「あんたは遅いの。」友也、亘夢に、「はいはい。どうせ僕は鈍感ですから~~。」池辺、「あら友也~~。あなた、まさか~~。自分の事、鈍感って思ってる~~~???」友也、池辺を見て、「へっ…???」「…って言うか~~。誰もあなたの事、鈍感だなんて、思っている人、この部署にはいないけど…。」その声に友也、「へっ…???…あっ…。ん…???」「料理が出来る人間に、鈍感な人がいるはずがない。」志津恵。「そうそう。」巴月。「…って言うか~~。」池辺。「この部署。…と、言っても、インテリアショップ・ジョエル自体が、鈍感な人って、採用してないから。センスのある人のみ、採用しているから。」そして池辺、友也を見て、ニッコリと…。両肘を机の上に。両手を絡めてそのまま右頬に。「ねっ。」「まっ。そういう事ね~~。」阿寿沙。「だから~~。友也がいないと、私ら、大迷惑しちゃうんです~~。」巴月。「ほんと、ほんと。」満寿美。早智子、「しかもよ~~。友~~。あんた、ここで唯一の男子なんだよ~~。リーダーが来るまでは~~。」亜樹歩、「だから~~。先輩がいないと、大変なんですってば~~。」「まっ。そういう事だから~~。よろしく~~。」と、友也の肩をトンと叩いて、「トイレ行って来ま~~す。」瑛子。「かっかかかか。お~~ぃ。だから~~。早く、早く~~友也~~。預かってるんでしょ~~。新宿ラッスルの資料~~。」悠里。友也、「はいはい。はいはい。頂いて参りました~~。」友也、悠里に書類の入った袋を。悠里、「サンキュ~~。待ってた~~。」友也、「あっ。それから~~。ついでにって言ったら何ですけど、佐賀美オネットの福島さんから、冴島さんにこれ渡しておいてくださいって頼まれて。あそこ、新宿ラッスルさんに近いから、電話して、挨拶がてら寄ったら、ナイスタイミングって言われて~~。これ~~。」バッグからもう一枚の書類封筒を…。悠里、いきなり、「うそ~~~~。嬉しい~~~。もぅ出来てたんだ~~。助かる~~。ありがとう~~~。こっちから行く手間、省けた~~。かかかかか。」そして悠里、「さっすが~~、友也。頼れる後輩君だよ~~。かかかかか。」池辺、メンバーたちを見て、頭の中で、「…これも…、スタッフコレクションさまさまかな~~。みんな、人が変わったみたいに、活き活きしてる。ふふ。」 好きになれない。 vol,260. 「自分の事、鈍感って思ってる~~~???」 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.17
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そして、こちらでは…。テレビ局のスタッフ、「司馬さ~~ん、ははは。凄い反響、エレガンサ化粧品、絶賛ですよ~~。平均視聴率18%。ダントツですね~~。」その声に司馬惺(しばさとる)、「ははは。中々どうして~~。やってくれましたよ~~。」スタッフ、「それに…。バックの声って誰ですか…???声が若いんですけど、物凄いマッチングしてて新鮮で良かった~~。…って、こちらも反響なんすけど…。」その声にも司馬、「ほぉ~~、ほほほほほぉ~~。」そしてニッコリと、「さて。誰か、分かるかな~~~???」そんなところに、「ディレクター、お疲れ様でした~~。」司馬、「おぅ~~、お疲れ~~。かかかか、礼美~~。今、君の話、してた~~。」礼美、司馬に、「はい…???」するとスタッフ、「あれ…???…君。確か…、横井土礼美(よこいどれみ)さん。」礼美、「あ、はい。」「そうか~~。君だったか~~。いやね。さっき放送されたエレガンサ化粧品のコンペ。それと密着映像のバックの声、視聴者から誰だって問い合わせがかなり来ててね~~。一応クレジットでは名前、出してはいるんだが、見てない人、多いらしい。…で、誰かって…。いや。それにしても新鮮でマッチングしてて良かったって。」その声に礼美、「うそ。ほんとですか~~???」司馬、そんな礼美に、「ははは。礼美、やったな。」そして、司馬とハイタッチ、「イェ~~~イ。」そして礼美、ふたりに深くお辞儀をして、「お疲れ様でした~~。」実は、エレガンサの密着取材、そしてコンペまでのナレーターの担当を、横井土礼美が大抜擢されたのだった。その番組を見ていた麗子がいち早く、「うそ。これ、礼美の声…???」そして両手を叩いて、「アッハッハッハッハ~~。かかかかか。や~~るね~~。賀寿恵、この声、我が家の親族だよ。」賀寿恵も、テレビを見ながらも、「へぇ~~~。凄~~い。」そして横井土家の面々も満面の笑顔。正嗣、「良くやった礼美。いいぞぉ~~。ははははは。」孫の大仕事に正嗣もご満悦であった。そして…。ここに来て…。少し…、雰囲気が変わった人物がいた…。「あ~~ん、もぅ~~。」ここ3日ばかり。何故なのかは分からないが、ちょっとしたミスが多くなってきた人物。それが…、優維香である。ただ、それほど気にするミスではないのだが…。元より、仕事に関するミスと言うか、自分自身のミスが目立ち始めていた。ついつい考え事をしていてボールペンを落としてみたり、探し物をしていて資料を床に落としてみたり。こんな事もあった。小埜瀬と資料室に行き、棚から資料を取り出すと、いきなりその他のファイルがどっさりと上から。思わず小埜瀬、「お~~~っとっとっと~~。」優維香の頭の上から何冊かまとめて両手でキャッチ、数冊が床に落ちたが…。優維香、「リーダー、ごめんなさ~~い。」そんな優香に小埜瀬、「チーフ殿、大丈夫ですか~~。ここ、2、3日、何だか…。」そんな小埜瀬に、「だ、大丈夫ですよ~~~。」と、自身では声に出すのだが…。それにしても、他ならぬ、小埜瀬の前でのミスが多かった。「チーフ殿。落ち着いて~~。成せば成る。何事も。です。」優維香、その声に口を尖らせて、「分かってますよ~~。ぶ~~~。」「はいはい。」ただ、ミスはあるものの、「争奪戦」に関しては優維香自身も、「これなら。」と言う実感が持てるくらいの出来栄えにはなっていたのだった。それも、故に、小埜瀬のデッサンによるものが多かったが…。事実、長年の海外生活からか、あらゆる民族の生活そのものまで体全体に孕ませていたような人物として出来上がってはきていた。…けれども、更に優維香のちょっとしたミスは続くのだった。悠里も、「優維香~~。ちょ~~っとは、気晴らし、した方がいいんじゃない~~のかな…???」とも言ってくれたのだったが…。負けず嫌いの優維香、「ふ~~~。まね~~~。」と、そう言いながらも、ふいに部署を出て行っては帰らない小埜瀬に、顔をグシャリとさせて、机の上に顔をベッタリと…、「勘弁してよ~~~。」未だに続いている小埜瀬の、「ふらり」と。しかもそれが、優維香が席を外しているかパソコンと睨めっこをしている時が殆ど。そして…。いよいよ争奪戦が4日後に迫った日に…。優維香、また小埜瀬が席にいないのを見て、「あんもぅ~~。絶対に、好きになれない。…どういう神経~~~???」「それを言うんだったら、たまには一緒に行ったらどぅお~~???」悠里。すると、「そぅよ~~~。」離れた場所から瑛子。「たま~~にはね~~。」すると、他のメンバーたちからも…。遼子に志津恵、阿寿沙。そして入社1年の美知留、「そうですよ~~、チーフ殿~~???」 好きになれない。 vol,259. ちょっとしたミスが多くなってきた人物。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.16
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小埜瀬、そんな優維香と悠里に、「えぇ、はい。昨日、親父に電話して、親父の家に行くの、争奪戦が終わってからって言う話で…。その後、エレガンサ化粧品の話になって。チーフ殿のおかあさんからチーフ殿が話は聞いているからって…。」優維香、その声に、「うん。…それはそうなんだけど~~。」僅かに浮かない表情で…。その表情に小埜瀬、「へっ…???…チーフ殿…、どうかされました…???」悠里、「実はね~~。昨日の夜、私に電話で…。」優維香を見て、「もし…、その放送、伊玖伊那も見てたらって~~。それで…、今度は不安になって…。」その声に小埜瀬、目をパチクリとさせて、顔を傾げて、「はい…???」ケロリと。優維香、そんな小埜瀬を見て、「いや。だ~~ってぇ~~。」いきなり小埜瀬、「かかかかか。チーフ殿~~。チーフ殿がそんなにナーバスになってどうするんですか~~。少なくとも、あのスタッフコレクション、金賞勝ち取ったジョエルですよ~~。そんな、気落ちしてたら~~。自信を持つ。」悠里、「私も…、そう言ったんですけどね~~。中々どうして。」そして悠里、優維香に耳打ちして、「ほら。私の言った通り~~。旦那が一緒なんだから安心しな。」その声に優維香、いきなり顔を赤くして悠里に、「うるさい。」小埜瀬、また目をパチクリと、「えっ…???…悠里さん、今何か…???」悠里、顔を崩して、手の平をヒラヒラとさせて、「あ、いや…。はははは。何でも…。」そんな懸念をしていたトータルインテリア伊玖伊那。着々と争奪戦の準備が整えられても、いた。開発統括部の面々、「それにしても…。」「うんうんうん。」「こういうのあり…???」「これだったらさ。前のスタッフコレクションでも、これ行っちゃえばジョエル…抜いてたかも…。」「確かに。その感触はありありだよね~~。」と、絶賛の嵐。伊玖伊那開発統括課長の伊良部肇美(いらべはつみ)も、「まさか…、こういうのが…。部長。」伊玖伊那開発統括部長の窪塚槇尾(くぼづかまきお)すら、「逆に…、選ぶのが大変だが、それ以前に、手応え充分。」そして尊に、「五條さん。とんでもないものを…。」2週間以上も前の事である。既にトータルインテリア・伊玖伊那のアルバイトとして契約している敦盛優大。自閉症であるが故に。実質、作業は一切の自宅の自分の部屋で。それも社長直々の提案で。しかも、伊玖伊那の会社に訪れたのはただの1度だけ。つまりは全社員にアルバイトとして契約する事を周知しておきたかったのである。先に、優大が自閉症だという事も、全社員に包み隠さずに周知し、以降、どういう問題が起きたとしても、基本、就業規則には何一つ、問題のない事を認めさせる事が目的であった。内心、梶自身、榊神埜進が着いている限りは、間違いがあってはならない。と、覚悟も決めていた。更に、今回の、夢蔵の一件は、スタッフコレクションにも、いや…、それ以上にも伊玖伊那としては手応えを感じてはいた。ただ…、ひとつの懸念材料として…。こちら、伊玖伊那も、ジョエルが、今回はどういう感じで対決姿勢をしてくるのかは、全くも知り得ないというのが現実だった。ただ…、ジョエルに、新しい人物が入っていた事は知り得てはいたが…。梶が再会したひとりの男性。尊が初めて会ったひとりの男性。しかし、その人物が小埜瀬隆英だという確信は全くなかったのである。そんな中で…。エレガンサ化粧品の特別放送が放送され、国内でも全国放送。しかも…、プレゼンのシーンでは、何と視聴率がいきなり25.3%と跳ね返った。但し、伊玖伊那の社員たちが、この放送を見ていたか…と、言うのは、定かではないが…。エレガンサ化粧品の社員のそのほぼ全員が、何かしらの方法で、この放送を見ていたのは言うまでもない。見れなくとも録画をして…。見ていても録画して…。1時間の放送ではあったが、エレガンサ化粧品の社員たちはとにかく、感慨無量だった事は言うまでもない。それぞれのメンバーたち、見終えて、目に涙を浮かべて、「はぁ~~~。ははははは。」そして、何度も繰り返し見て、「何度見ても、いいねぇ~~。」が、概ねのようであった。優維香、放送を見ながらも母の背中から母を抱きしめて、「はは。やった~~~。」佐津香も、優維香の両手を掴みながら、「うん。ありがと。」隆英、自室でテレビを見ながらも、「はは。親父、やるじゃん。…それにしても、エレガンサ。凄いよね~~。中々どうして、カメラ慣れだね、みんながみんなで…。…しかも…。うん。これなら売れるわ。ははははは。」胡桃、武一と一緒にテレビの前で、お腹を撫でながら、「この子にも、産まれたら見せよう~~っと。ふふ。」 好きになれない。 vol,258. 「旦那が一緒なんだから安心しな。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.15
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そして…。何とかその数日後には…。今までの様々な報道やら取材。そして電話の応対などは自然に、落ち着いた…ようでもあった。しかも…、佐津香と小埜瀬に関しても…。このふたり。圭衣子と励には、しっかりと菜帆子からの箝口令が敷かれていた。「絶対に、禁句よ。まっ。ただ、部長の口から広がるのは仕方ない。けど、あんたたちの口からダメ。」とは、言いながらも菜帆子、顔の前で両手を合わせて、「お願い。あんたたちの気持ちは分かる。こぅ~~。喉から言い出したい。そういう気持ち…???うん。私にも分かるけど~~。…分かるけど~~。でも、それを私も、愛結美さんも、順平も。…それこそ理江子さんだって、今の今まで、しっかりと口チャックしてるんだから。その事を考えても、私たちの気持ち、分かるんじゃない~~???」その話に圭衣子と励、顔をクシャリとさせながらも、何かしら、菜帆子の話には説得力があった。圭衣子、口を尖らせながらも、「ぶ~~~~。…ん~~。まっ。確かに。」目だけを斜め上に。「うんうんうん。それ、あるわ。」励、圭衣子を見て、「圭衣子さ~~ん。」こちらも口を尖らせて。菜帆子、「まっ。あの佐津香さんの事だから、なるようにしかならない。って思っているのは確か。その時はその時。って、本人が言ってるくらいだから~~。…いずれはね。…でも、それは、部長から口から。それが、ある意味、私らマーケティング事業部の団結力。じゃないかしら~~???」その話に圭衣子、菜帆子に、「了~~解。うん。分かった。」励も、何かしら残念そうな顔で、「は~~い。」そして…、その2週間後には…。異例の早さでの寿永流からの密着取材での完成された特別放送の放送日が知らされた。その知らせで再びコンペの事で賑わうマーケティング事業部。そしてエレガンサ化粧品東京本社。そして国内の支店や海外支店でも…。「おぅ。隆英。どうした~~???」瑛士。電話の主は隆英。「あ~~。親父…???…実は今、俺も…、何か、コンペ…みたいなので忙しくってさ~~。それ終わったら、親父んち、行くわ。芝公園の、………。だろ。」「おぅ、分かった。まっ。俺の方は、お前んとこ、シェアハウス…???…近くまで行った時に、チラリと見たけど、まっ。お洒落な感じの家だったじゃねぇか。」ひとりで夕ご飯を食べながらの瑛士。こちらも自炊の食事を摂りながら、「うそ。ここ、来たの…???」「あぁ。仕事で、表参道までな。そのついでに、青山まで。何…???作家さんの家…???」その声に、「うそ。何でそんな事、知ってんだよ。」「あ~~。ほら。俺と一緒に働いている人。フランスにも一緒だった人。」「あ~~。確か、電話の時。」「あぁ。それこそ、あんとき、いきなりお前の電話で…。その人のおかあさん。」「はいはい。確かに。あの時。結構驚いたけどね~~。」「いやいやいや。それを言うんなら俺だって。…で、その人がその、娘さんからおまえの家の事聞いてな。」「うそ。その人と一緒にここに…???」「んな事あるかぃ。その人との相棒と3人でな。」「相棒…???…って…???…と、言う事は…、男…???」その声に瑛士、「かかかかか。はは。まぁ…、そういう事に、しておこう。かかかかか。」「何だよ、その笑い~~。」「…で…???…おまえの方、そのコンペ…???…大丈夫か…???」「…って言うか、コンペに非ず、争奪戦だと。」「争奪戦…???」一拍置いて、「はははは。まっ。なんでもいいけどよ。まっ。とにかく頑張れ。あ。それから…。…って言うか…。」瑛士、部屋の壁を見て、「あ。でも、これは、その…、おまえと一緒のお嬢さんが、話すかも、知れねぇな~~。」その声に隆英、「何よ。」「今日決まった事だが、俺たちのコンペ…つぅか…。まっ。その為の密着取材、受けてたんだけどな。その完成版が来週の日曜日の午後5時から放送されるそうだ。」隆英、眉間に皺を寄せて、「密着…???…そんなのやってたの…???」「あぁ。…ま。明日にでも、そのお嬢さんから話されるかも、知れんけどな。」「へぇ~~ぇえ~~???」「へっ…???…うそ。リーダー、知ってたんですか…???」翌日、優維香、悠里と話しながらも、ニコニコと小埜瀬に放送の事を。そして…。トラディショナル事業部。既にそのメンバー全員が、小埜瀬の父親が優維香の母親と一緒の会社で働いている事を知っているのだった。それもそのはず。フランスでのエレガンサ化粧品のコンペの様子をメンバー全員が見て、文字通り、「争奪戦攻略」を目論んでいたのである。しかも、そのコンペの映像を見て、かなりの参考になった事は言うまでもないが、ある意味の自信にも繋がっていた。 好きになれない。 vol,257. 「おぅ。隆英。どうした~~???」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.14
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昨夜の…、門倉の一件で吉竹と小埜瀬。朝いちばんの挨拶で、お互いに目と目で挨拶し、所謂、「暗黙の了解」そんな吉竹と小埜瀬。…けれども…。密着取材も滞りなく終了。…が、しかし…。今度は世界的にも稀な出来事である、コルフス・デレーニョのコンペを勝ち取ったエレガンザ化粧品。マーケティング事業部。多分に洩れず、今度はテレビ局以外の報道陣が…。スタッフたちは、その取材に追われていた。ひとりの記者が…。佐津香と菜帆子に、「すみませ~~ん。一言、お願い。」いきなりで佐津香と菜帆子、「わっ。」すかさず寿永流、その記者に、「すみません。事前に私にアポ。お願いします。」と、佐津香と菜帆子をガード。つまりは寿永流が舞桜から報道から取材の全ての権限を与えられていたのだった。「あなた、理江子と寿永流が持ち込んだ今回の一件。全てあなたたちに任せる。」と…。そしてこの日、マーケティング事業部へは他の部署、とにかく垣根を越えての讃辞。それに仕事には関係のない様々な諸々の企業からも駆け付けてのお祝いと。朝から晩まで続くのだった。そんな動きの中で、佐津香と小埜瀬、まず、そのふたりの関係は、一切、マーケティング事業部の面々には知られる事もなく…。その日、一日が…、ようやく終わろうとしていた。当然ながら、小埜瀬親子の事も知られる事もなく。逆に、フランスでの1週間がマーケティング事業部の中では盛り上がっていた。愛結美、「ふぅ~~~。」菜帆子、愛結美の両肩を両手で揉みながら、「お疲れ様~~。かかかかか。肩がパンパン。」「確かにね~~。…でも、菜帆子たちが帰ってきた途端に、ある意味、疲れが吹っ飛んだのも確かよ~~。順平もお疲れ~~。ちゃんと彼女と会った~~???」その声に順平、「ははは。お気遣いなく。しっかりと。」「うん。何より、何より。」自宅で寛いでいるひとりの老女。籐のリクライニングチェアの中で紅茶を飲みながらテーブルの携帯ホルダーのスマホに話し掛ける。「とにかくお疲れ様。…かかかかか。お陰様で、私の方にも凄いわよ、おめでとうラッシュ。」社長室でその話をスマホで聞きながらの舞桜、「まっ、当然よね~~。あれだけの事、やったんだから~~。当然、かあさんのところにも電話は行くでしょうよ。」「ははは。ありがとう。まっ。これでエレガンサも何とか、不動でいられれば…。文句なし。後は、あんたの後継者をゆ~~っくりと、考えればね~~。」実は、この老女、伊縫舞桜の母親である。伊縫映理珂(いぬいえりか)御年72歳。エレガンサ化粧品の元代表取締役社長。そして現在は、その昔、熱海に購入した別荘地で、こちらもまた、映理珂が社長時代に秘書として仕えた女性が映理珂の引退時と同時に、映理珂の別荘地に身寄りもないために引っ越して、そのまま家政婦としての役目を果たしている。女性ふたりだけの生活である。その声に舞桜、「まっ。そういう事に、なるかしら~~。」「誰か…、いるの…???…その口振りだと…。」「かかかかか。」舞桜、「いる訳がない。…逆に、そういう人物を探すのが楽しくなってくるって言う事~~。」映理珂、「あ~~。はははは。なるほどね~~。…けど、あのプレゼンの彼は中々~~。私も興味深く感じたわ。一度、ここに連れてらっしゃい~~。」舞桜、椅子を180度回転させて、「あ、それはないわ。」キッパリと。映理珂、また紅茶を飲みながら、「あら。やけにキッパリと言うわね~~。」「当然。…そんな事したら佐津香に怒られる。」「あらま。…そういう事~~???…何…???…じゃあ~~。プレゼンのあの彼…。もしかして、佐津香の…???」スマホから舞桜の声、「どうやら、そうみたいね~~。私も最近、それ、気付いて佐津香にチェックを入れたら案の定。」「な~る~ほどね~~。まっ。じゃあ~~、無理ね~~。佐津香の良い人なら、その時点で匙、投げられるわね。」「そういう事~~。一切、表舞台には顔出さない人だから~~。それでいて、存在は取締役以上。そして、新入社員からも愛されるマルチ社員。多分、誰も文句の言えない、唯一の存在。」映理珂、「かかかかかか。相変わらず、あの人らしい。未だに、その存在明らか。」「う~~ん。まっ。どういういきさつかは、そこまでは私も知らないけど、いつの間にかね~~。いい具合になっていたようだから、探りを入れたらビンゴ。」「へえ~~ぇえ~~???」スマホから母の声。「まっ。お蔭様で、そういう人がやってくれたプレゼン。見事に大役、果たしてくれました~~。」「かかかかか。そのようで。」 好きになれない。 vol,256. 「私の方にも凄いわよ、おめでとうラッシュ。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.13
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奈菜も、そんな小埜瀬を見て、慰めるような顔で、「うんうんうん。…いや…。」峻を見て、「ねぇ~~。」武一、「…ってか…。…いや…。俺だって。…まぁ…。…まだ、詳しく話は~~。…でも…。…逆に…。小野瀬さんじゃなくって…、逆に、佐津香さんの方から~~。」その声に奈菜、いきなり口に左手を、「え~~~~???…サッちゃんの方から~~???」隣の胡桃も真ん丸の目で、「うそ。あの…、佐津香さんから…???」武一、「あ、あ~~。課長と、お付き合いさせて頂いておりますって…。」峻と奈菜、同時に、「う~~~っそっ!!!」顔を見合わせて。小埜瀬、顔を下に、「何て…、言うか…。その…。…実は…。…あ、はい。そういう事に…。なって…。しまった…、訳で…。」峻、思わず、「えっ…???…って…いうか…。そういう事に…、なってしまった訳でって…。…何が…???…小埜瀬さん。」奈菜、「何が、何だか、全く…。…どうして…、サッちゃんが…???…小埜瀬さんと…???」小埜瀬、「あ、いや…。…ただ…。…僕が…、歓迎会の…、時…、飲んで倒れて…???」峻、「あ~~~。うん。あん時ね。」胡桃も、「うんうんうん。武一から聞いてる~~。」武一も、「あ~~。」峻、「確か、佐津香さんたちから家まで…。」小埜瀬、口を尖らせて、「そういうのが…、その後も…、数回。」奈菜、「わお。」けれども、「えっ…???…って言うか…、小埜瀬さん、お酒飲んで、倒れた…???…うそ。こんな強いのに…???」武一、いきなり腕組みして、「いや…。それが、俺にも不思議。何でこんなに飲めるのに…???…って…言うか、それほど飲んでいないにも関わらず酒飲んで倒れる。別に酔っている訳じゃ…。」小埜瀬、「な~~んか…、匂い、なんすよね~~~。」吉竹も、峻も奈菜も、胡桃も、「匂い。」佐津香、既に契約している挿絵の出版会社の担当者と連絡済みで、先方からもそれぞれに讃辞を送られて…。優維香、ソファで、「それにしても、まさか…、おかあさんとこの課長さんが、ウチのリーダーのおとうさんだって言うのには驚き~~。」佐津香、テーブルの椅子に座って、「う~~~ん、おかあさんだって驚きよ~~。もぅビックリ~~。…で…???…そっちの…、争奪戦。…の、方は…???」「まだまだ~~。」見ていたインテリアの雑誌を持って、マグカップを持ってソファから立ち上がり、今度は母のいるテーブルに。「とにかく、相手がどんなの持ってくるのか全く皆目見当が付かない~~。」椅子に座りながら…。「伊玖伊那…???」優維香、マグカップを口に。そして、両眉を上下に。佐津香、「ふ~~~ん。居酒屋チェーンの夢蔵かぁ~~。まっ。それにしても、デカイよね~~。全面リフォームの依頼。」その声に優維香、「うん。…それがOKとなったら、今度は国内全店舗。」佐津香、口を真一文字に、「いやいやいや。とてつもないよね~~。」「それ言ったら、おかあさんのエレガンサなんて、その、とんでもないの先を行ってるよ~~。何てったって世界。グローバル。スケールが違い過ぎるよ~~。」その声に佐津香、思わず照れ臭そうな顔で、「ま…。ね。…うん。はは。何ともねぇ~~。」「…って言うか、もぅ、寝たら~~。完璧に疲れたでしょ。世界相手のお仕事に。しかも、フライト。とんでもない緊張感だったでしょう~~。」佐津香、お茶を飲みながら、「まぁねぇ~~。はははは。」吉竹と胡桃、そして小埜瀬は、それぞれタクシーで帰路を。小埜瀬、隆英に一度は、「帰って来た。」のラインだけで、隆英からは、「お帰り。」ただのそれだけで他に連絡はなし。門倉では、峻、焼き鳥を焼きながらに、「まさか…、小埜瀬さんがね~~。サッちゃんと~~。」奈菜も、「全く、分かんないよね~~。…それに…、匂い…。」頭を左に傾げて、「何なの…???」そしてふたり、共に、「てぇ~事は、あのふたり、結婚…???」目を真ん丸にして。エレガンサ化粧品本社。メンバーたちの歓迎振りの半端なさ。しかも、報道陣まで…。マーケティング事業部、メンバーが帰国してもまだ…、残念ながら、余裕は見られない。この日、まず最初に代表取締役社長によるZOOMでの発表。そして、メンバーたちのそれぞれの部署への挨拶と結果報告。それから取材と…。一日がごった返ししていた。その中でもマーケティング事業部への電話鳴っていた。佐津香、菜帆子、「さすがに凄いわ。ごった返してるよね。」「うんうん。」菜帆子、佐津香に、「それにしても、課長、タフだわ~~。昨日、帰ってから、部長と門倉って…。」その声に佐津香、「ふん。夜10時半に帰ったみたい。今、帰った~~って、ライン来てたから。」その声に菜帆子、「ふ~~ん。なるほど。」 好きになれない。 vol,255. 「逆に、佐津香さんの方から~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.12
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そして…。伊寿美と須美は柿崎家の玄関で、「じゃね。」そして須美、また再び佐津香に抱き着いて、「ん~~~。もぅ、最高~~。」佐津香、そんな須美に、「ははははは。ありがと。」「んもぅ~。また会社の人に自慢できる~~。」その声に佐津香、満面の笑みで、「ん~~~。しっかりと~~、自慢して。ふふふふ。」須美、ニッコリと。「うん。じゃね。」そして…、こちらと言えば…。飲み食いして凡そ2時間。かなり酒も進んで…。奈菜、小埜瀬に、「それにしても、小埜瀬さん、お酒、相変わらず強いよね~~。まっ。武一もそうだけど。」そして奈菜、「胡桃はいい加減にしなさいよ~~。あんたも、お酒は強いけど。体~~。」その声に胡桃、「は~~い。」胡桃、最初はウーロン茶だったが…、途中から、「私も一杯、いいかしら。」その声に小埜瀬、「どうぞ、どうぞ。但し~~。体の事。お願いしますよ。」と、言われて…。…けれども胡桃、飲み出したら…。その飲みっぷりが…。小埜瀬、「え~~~???…いやいやいや。凄~~~。」峻、カウンターの中で、「へへへへへ。」奈菜も、「ふふふ。」武一、照れながらも…。峻、小埜瀬に、「小埜瀬さん、胡桃ちゃんね。実は…。結構、酒、行けるタイプ。」奈菜、「もぅ~~。飲み出したら、朝まで付き合って飲んじゃうから~~。」小埜瀬、その話に驚いて、「え~~~???」吉竹、そんな小埜瀬に、「まぁな。」小埜瀬、「いやいやいや。凄い。こんなに奇麗で、しかも、お酒が飲める。凄いですね。…って、言うか、羨ましい~~。はははは。」その声に吉竹、「な~~にが~~。お酒が飲める、羨ましいですか~~。小野瀬さんだって、凄いじゃないですか~~。あんなに凄い人~~。」峻、いきなり武一に、「あん…???…なんだ…???…あんなに凄い人って…???」奈菜も今の武一の声に、「うん…???」店の中はオーダーもなく落ち着いている。武一、そんな峻と奈菜に、「え~~~???…いや、だ~~って~~。小埜瀬さん、この人、凄いよ。何たって、あの、佐津香…。」小埜瀬、思わず照れながらも、「いやいやいや。そんな…。」瞬間、ふたり、ドキン。吉竹、小埜瀬、「あっ。」「うっ。」いきなり峻、カウンターから身を乗り出して、「あん…???…今、何つった…???」奈菜も、「えっ…???…何々…???…佐津香さん、どうした…???」いきなり黙り込む吉竹と小埜瀬。ふたり、共に、フリーズ状態。胡桃も、「武一…???」武一、そして、小埜瀬共に、目をガシッと、閉じて。そして顔を落として。いきなり峻、「お~~~い。なんでお前ら、そこで硬くなってんだよ~~。」奈菜も、「そぅよ~~。いきなりそこまで言って、何~~~???」ゆっくりと吉竹、顔を上げて…。まだ小埜瀬は…。吉竹、目をパチクリとさせて、唇を口の中にガシッと。そして息を吸い込んで、「あ、あ、あ…。あ~~~。」頭を右に左にカクカクと。そして左肩を上に。今度は右肩を上に。峻、再び、「ぅお~~い。何だってんだよ~~。」小埜瀬、まだガクリと。奈菜、そんな小埜瀬に、「小埜瀬さ~~ん。」胡桃、武一の左手を右手でペン、「武一。」武一、思いがけずに、右手で両目を撫でながら、「あ~~~。」峻、武一に、「おぃ。頭、ぶん殴られるぞ。」武一、「い~~~~、と~~~~。」思わず小埜瀬、今度は右手で頬杖して右の方に、ゆら~~~~。奈菜、「小埜瀬さ~~ん。」吉竹、口を開けて、「あ~~~~。」そして、「仕方がねぇなぁ~~~。小埜瀬君。」小埜瀬の左肩に右手を。そして、「すまん。」その声に峻も奈菜も、「はい…???」今度は小埜瀬、ようやく体を元の位置に。「あ~~~~。」奈菜、「どうしたのよ~~~。」武一、自分の体を抱きしめるように、「すまん。」峻、「何々…???」武一、小埜瀬に、「小埜瀬君。」小埜瀬、体をガクリとさせて、「はい。」武一、「実はな。」焼き鳥を見ながらも、「小埜瀬君、佐津香さんと付き合ってる。」瞬間、胡桃、峻、奈菜、3人共に、「え―――――――――っ!!!」その場が、いきなり、フリーズ。凡そ5秒程。そして峻、奈菜、共々、目をパチクリ。峻、「はっ…???」奈菜、「えっ…???…うそ。」武一、「ん~~~~。…これは~~~。…つまりは~~~。…何と、説明したら…。…いいのか…。…なぁ~~~。」峻、「いやいやいやいやいや。」奈菜も、「…って…???…へっ…???…って…、一体…、何が…???…どうして…???」胡桃も、「いやいやいやいや。…どういう事…???」峻、小埜瀬に、「小埜瀬さん…???」奈菜も、「うんうんうん。」小埜瀬、思わず、何をどう説明すればいいのか…。ガクンとした体で、そして…、頭をペコリと。「すんません。」峻、急に、申し訳なさそうに、「いやいやいや。すんませんじゃなくって…。」 好きになれない。 vol,254. 「小埜瀬さん、お酒、相変わらず強いよね~~。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.11
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そして…。一行はコルフス・デレーニョ、マグラン・コルフスと謁見。多大なる歓迎を受け、日本に帰国。そして…。成田で舞桜、佐津香に、さりげなく、「佐津香、おめでとう~~。」瞬間、佐津香、舞桜に、「へっ…???」舞桜、佐津香にニッコリと。「旦那、大事にしな。」その声に佐津香、「ふ~~ん。さすが舞桜、お見通し。」すぐさま舞桜、「何年付き合ってると思ってんのよ。」佐津香、ニッコリと、「かかかかか。確かにね~~。」そして、「ありがと。」そして…、到着ロビーで。佐津香、菜帆子に、「さすがに社長、気付いてたわ、私と課長の事。」何気にサラリと。いきなり菜帆子、目をパチクリと、「うそ。……。へぇ~~~。なんと。」佐津香、「そんな人だよ、あの人は。」「…って…。」菜帆子、「え~~~。…って言うか、そんな素振り…、佐津香さん、全然。」佐津香を見て…。「まっ。会社に戻ったら。もぅね~~~。」吉竹と小埜瀬、そして順平が圭衣子と励と一緒に。菜帆子、佐津香の傍で、「あは。あははははははは。こりゃ、凄い事になるわね~~。」とにもかくにも、家に帰れば…。優維香からのハグ。そして、駆け付けた伊寿美と須美からもハグ。そして、フランスの土産話が一晩。…の、一方で、こちらは。吉竹と小埜瀬。そして…、もうひとり。小埜瀬、思いっきり恐縮しての、「初めまして~~。小埜瀬と申します。」「こちらこそ、初めまして~~。もぅ~~。とにかく、感激。プレゼンの本人に会えるって電話で聞いて~~。」奈菜、「はは、胡桃~~。良かったね~~。」照れてばかりいる武一。「はは。はははははは。まっ。なぁ~~。」峻、「な~~にが、まぁなだ。とにかく、おめでとう。…そして、胡桃ちゃんも、おめでとう~~。」その声に武一、「はっ…???…何が…、胡桃…???」そんな武一を見て奈菜、「…ったくもぅ~~。武一~~。相変わらず、あんたは、ドンねぇ~~。」武一、思わず目をパチクリと。「は…???…って言うか…。おめでとうって…。俺たちの…、コンペでの…。」いきなり峻、「バ~~カ。…それは、それで…、ん~~。とにかく、おめでとうだ。…、けどな~~。」瞬間、小埜瀬、「あっ。もしかして。」奈菜、小埜瀬を見て、ニタリと。そして峻も小埜瀬を見て、「おっ。さすがは、子持ち~~。」武一、「えっ…???」胡桃と小埜瀬。そして峻と奈菜を見て、「いやいやいや。何々…???」何度も瞬き。峻、カウンターの中で腕組みをして、そして顔を傾げて、「…た~~くぅ~~。これだから~~。仕事は出来んだけど…。肝心の~~。」武一、まだ何かしら、納得いかない顔で…。「えっ…???」小埜瀬、吉竹の傍で、「部長~~。奥様。」吉竹、すぐさま隣に座っている胡桃を見て、「えっ…???…って。おま…。」小埜瀬、「できたんじゃ、ないんですか、奥様。」すぐさま奈菜、「さすがは小埜瀬さん。」吉竹、「えっ…???…出来たって何が…???」峻、「こら、おま。武一、ぶん殴るぞ。」腕組みから右手を頭まで。武一、そんな峻に、「いやいやいやいやいや。」小埜瀬、「奥様、ご懐妊…???」吉竹から胡桃に顔を。その声に胡桃、ペコリと顔を。吉竹、「へっ…???…ご懐妊って…。胡桃…???」奈菜、「だ~~か~ら~~。」瞬間、吉竹、目をぐるりと。口を窄めて…。そして…。「え~~~ぇえ~~~???」そして、胡桃を見て、「お、おま…。…いや…。だって…。フランス行くとき…。」「その…、2日目だって。いきなり、私に電話来て、お願いって…。」奈菜。「車で家に行ったら、胡桃ちゃん、お腹抱えて。」峻。いきなり吉竹、「うっそ――――――――っ!!!」「旦那が今、フランスで大変な時にって。」また峻。小埜瀬、いきなり拍手。「いやいやいやいや、凄い、凄い。なんと。」「まぁ。話は飲みながらって。はい。」奈菜、小埜瀬の前に生ビールのジョッキを。そして武一の前にも。そして、胡桃の前にはウーロン茶を。奈菜、「胡桃、3か月だって。」小埜瀬、「わ~~~お~~。おめでとうございます~~。」胡桃、小埜瀬に、ペコリとお礼を。「ありがとうございます。」峻、「ほらほら。ビール、行け、行け。」小埜瀬、「あっ。あ、ははははは。」吉竹、「んじゃまぁ~~。…とにかく。」小埜瀬を見て、「小埜瀬さん。コンペ。おめでとうございます。」峻、「よっ。」奈菜も、「おめでとう~~。」胡桃も、「おめでとうございます。」小埜瀬、「そして…。奥様。ご懐妊、おめでとうございます。」峻、小埜瀬を見て、「かかかかか。憎いね~~。この顔。プレゼンの名手だぜ。しっかし、感動したね~~。あの映像。いやいやいや。」武一、「では。おめでとう~~。乾杯。」奈菜、峻にジョッキを。そして自分もウーロン茶。「乾杯~~ぃ。」吉竹、小埜瀬、ふたり同時に、「うめぇ~~~~。」 好きになれない。 vol,253. 吉竹と小埜瀬。そして…、もうひとり。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.10
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「んもぅ~~~。全く何なのよ~~。全然仕事になんない。」勤務開始からの電話の応対で愛結美。当然の事ながら、マーケティング事業部の他のメンバーたちも、「はい。失礼します。…ふぅ~~~。」「まさか…、こんなに…???」「…って、メンバー少ないし~~。」「あん、もぅ~~。はい。エレガンサ化粧品、マーケティング事業部、松森です~~。」龍二、「はい。お待たせしました~~。エレガンサ化粧品、霞と言います。……はい。ありがとうございます。」結羅、和津美に、「和津美~~。お願い、そこの電話~~。」和津美、「ほぃほぃほぃ。」燈子も千優も、「はい。ありがとうございます。」「あ、あの…ですね。それは~~~。」まだまだ電話応対には不慣れの入社1年目。…そして…。愛結美、メンバーたちに、「ごめ~~ん。お昼、交代で入って~~~。みんな、帰って来るの明後日だけど、それまでの辛抱~~。」そして愛結美、両手を合わせて、「本当にゴメン。」そんな愛結美に、いきなり龍二、「な~~に、言ってんですか~~。…んなの、みんな、とっくに覚悟してますよ~~。」その声に耀、「良~~く言った~~龍二~~。ははははは。」静歌、「愛結美さん。シニアマネージャー。逆に、愛結美さんが心配~~。ぶっ倒れるんじゃないかって思うと~~。」恵梨、「そぅそぅ。適当に休んでくださ~~。しっかりとフォローしますから~~。」基美、「愛結美さんが倒れたら、シャレになんないよ~~。」結羅、受話器を置いて、「ほぃ~~。一件落着~~。」すぐさままたコール。「おっと。」そして、「こんなの、コンペ、勝ち取った瞬間に、予想してるっつぅの~~。限界突破~~~。」そして愛結美に、右手親指を。愛結美、そんなメンバーたちに椅子から立ち上がり、「うん。ありがと。」静歌、「燈子~~。千優~~。あんたら、今の内にお昼~~。」燈子と千優、「えっ…???…いいんですか~~???」基美、「あんたらに倒れられたら佐津香さんに怒られんの。私たちの数倍のプレッシャーだよ、あの人たち。」この日、エレガンサ化粧品、本社への通話回数は凡そ2000。社員一人ひとりがその電話に応対しての回数が凡そ30件の計算になる。仕事どころではない。そして、その電話がもたらしたこの日の営業で、社員、一切予定をキャンセルしても、いきなり普段の日の数倍の売り上げとなったのは言うまでもない。東京都内のエレガンサ化粧品、完売が続出。しかも、それは地方にも影響を及ぼした。そして、それに並行しての追加注文。吉竹、ホテルのロビーで、「いやいやいや。全然繋がんねぇな。1時間置きに電話してんだけど。」圭衣子も励も、「私も~~。ラインで基美から、今、ダメって。それだけ~~。」菜帆子、「相当だね~~。愛結美さんから全く。」佐津香、「確かにね~~。何たって、世界だから~~。」日本では、夜の9時まで、引っ切り無しに電話のコールが鳴り響いていた。それは、翌日になっても…。社員はメンバーたちに、「申し訳ないけど…。みんなのスマホ。この時ばかりは電源切っておいて。体が心配。」との、箝口令が敷かれていた。小埜瀬、「ふぅ~~~。」順平、小埜瀬に、「課長、まだまだ緊張っすね~~。」そこに舞桜、「じゃ、行きましょうか。」一行は、このまま、イギリスのコルフス・デレーニョ、代表取締役社長 Managing Director(MD) マグラン・コルフスが宿泊しているホテルへ。コルフス・デレーニョの一行への謁見となっている。通常では、会社の代表のみの謁見が恒例ではあるが、マグラン・コルフス自身が日本贔屓という事もある。但し、この事に関してはコンペには全く影響なく、審査結果の時点でマグラン・コルフス自身が歓喜したという…。本人の口から、「unbelievable」と出たくらい。…との、話である。プレスの記者の話でもある。菜帆子のスマホに着電。「わっ!!!」そして、「もしもし、愛結美さん…???…良かった~~。全然電話、出ないんだも~~ん。」菜帆子、みんなに、「愛結美さん。」スマホから、「ごめんね~~。電話が殺到してて~~、みんな、さすがに今回は…。」すぐさま菜帆子、スピーカーにして。「みんなに、スマホの電源も切るようにって言っておいたの。とにかく朝から電話、鳴り止まないんだも~~ん。」佐津香、「愛結美さん、お疲れ~~。」愛結美、「あっ。みんな、おめでとう~~~。」すると周りからも、「おめでとう~~~。」歓喜の声。愛結美、「みんな、もぅスマホの電源、いいよ。」けれどもまた電話が…。その音が菜帆子のスマホにも…。「切るね。」愛結美、最後に。そのままプツリと切れる。順平、「鳴り響いてますね~~。」佐津香、「さすが。凄い。」 好きになれない。 vol,252. 「全く何なのよ~~。全然仕事になんない。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.09
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そんな吉竹を見て佐津香、「…って言うか、まぁ。」順平と菜帆子、そして理江子を見て、「ねぇ~~。」そして佐津香、「まっ。吉竹には悪いって、思っているけど~~。」吉竹、佐津香を見て、「えっ…???」「まぁ…あ…。課長がそれほどお酒を飲んでもいないのに…。いきなり倒れて…。」佐津香の声を聞いての吉竹、思わず、「まぁ。…その…。うん。…何だなぁ~~。」いきなり圭衣子と励、吉竹を見て、「部長~~。」そんな圭衣子と励を見て吉竹、「あ、いや…。別にな…。そりゃ、別に…、他人のプライベートな事をわざわざ~~。言い触らす必要も、ないでしょう~~。」圭衣子、口を尖らせて、「そりゃ、まぁ…。…そうですけど~~。…って言うか、佐津香さん…???」佐津香を覗き込むように。佐津香、圭衣子を見て、「うん…???」「課長と…、佐津香さん…。ほんとに…???」その声に佐津香、キリッとした顔で、「本当です。」菜帆子も、「うん。」順平、「ですね。」いきなり励、菜帆子と順平を見て、「うそっ!!!…菜帆子さんも順平も…。」吉竹も同様に、「おぃおぃおぃ~~。うそだろ~~~。」菜帆子、顔を左右に、「ううん。…だって、佐津香さんと課長、付き合いなさいよって言ったの、元々私と順平だもん。」いきなり吉竹、圭衣子、励、「はぁ~~~ぁあ~???」「…って言うか、何でこんなところで、こんな話…???」いきなり佐津香。その声に面々、「あっ。」佐津香、「とにかく。」そして面々、佐津香と菜帆子の部屋に。その数時間前。日本では夜のニュースでスマホにも必然的に画面に、「日本のエレガンサ化粧品、イギリスのコルフス・デレーニョのコンペで勝利。」との見出しとクレジット。そして…。フランスは深夜に…。日本では新しい朝を迎えていた。もはや新聞にも、ラジオやネットニュース。そしてテレビでも、日本のテレビ各局がフランスでのイギリスのコルフス・デレーニョのコンペの映像を。そして、それは一気にトレンド入り。朝から日本中を湧き立たせた。当然の事ながら、エレガンサ化粧品東京本社。朝から電話が鳴りっぱなし。小埜瀬、着ぐるみのままで目を覚ます。「あ、あ~~~。」ゆっくりと体を起こし、「あ~~~。…やっぱり、やっちまったか~~。いやいやいや。何とも…。」そこにライン。見ると…。佐津香から、「起きた…???」何度かラインが入っていた。小埜瀬、指でトン。2度のコールで佐津香の声、「あ、起きた~~???」スマホから、「あ、はい。僕、やっぱり昨夜。」佐津香、「うん。…あ、それで。」いきなり菜帆子、佐津香のスマホを取り上げてそのまま自分の耳に、「おっはよ~~課長~~。」小埜瀬、「あ。お、おはようございます。」その声に隣で寝ていた順平も目を覚まし、小埜瀬に、「あ、課長、おはようございます。」スマホを耳にしている小埜瀬を見てニコリと。菜帆子の話を聞きながらの小埜瀬、顔を崩しながらも、「え~~~~~???」そして、順平を見て。順平もそんな小埜瀬を見て、何かしら慰めるように…。菜帆子、「…と、言う事で、奥様に代わるね。」そして佐津香に、「ほぃ。」小埜瀬、「もしもし、佐津香さん…???」佐津香、スマホに、「あん。まぁ…、そういう訳だから。…結局は、圭衣子と励、それに吉竹にも…。」いきなり小埜瀬、顔を落として、「わちゃ~~~。」「…って言うか、課長~~。まさか、落ち込んでないでしょうね~~。こんな素敵な事~~、佐津香さんだよ、佐津香さん。課長の奥様になる人~~。」いきなり佐津香を抱きしめるように菜帆子。「落ち込むより、胸張ってよね~~俺の女房は柿崎佐津香だぁ~~ってぇ~~。」その声に小埜瀬、目をパチクリとさせて、「あ。あ。あ。」そして今度は目をキョロキョロと。そして口を左右上下にぐんにゃりと。今度は顔を右左に傾げて。そんな小埜瀬を見ながらの順平、「ん~~???」いきなり小埜瀬、スマホに、ニッコリと、「…ですよね~~~~。ははははは。」その声に佐津香、ニッコリと。「うん。」菜帆子も佐津香の頭の上で、「そういう事~~~。はははは。天晴、旦那様~~~。」小埜瀬の声、「うんうんうん。僕には佐津香さんがいる。」菜帆子、また佐津香の頭の上で、「そうだよ~~。こんな素敵な56歳、中々いないよ~~。まっ。本人、旦那様を好きにはなれない。っては、言ってますけど~~。とにかく、いつまでもそばにいる女性ですから。旦那様の傍にね~~。」佐津香、そんな菜帆子に、「もぅ~~、菜帆子ったら~~。」順平も小埜瀬の顔を見て笑顔で、「ナ~~イス~~。」佐津香、「さ~~て~~。今頃日本じゃ、大変な事になってるよ~~。」菜帆子、「うんうんうん。」小埜瀬、「確かに。」順平、「うん…???」 好きになれない。 vol,251. 「佐津香さんと課長、付き合いなさいよ…。」※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
2024.05.08
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